JP2007073553A - 圧電アクチュエータ及びその製造方法 - Google Patents

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Kuniko Kimura
邦子 木村
Kei Kobayashi
圭 小林
Takafumi Yamada
啓文 山田
Yoshitoshi Horiuchi
俊寿 堀内
Kenji Ishida
謙司 石田
Kazumi Matsushige
和美 松重
Yukiko Mori
ゆき子 森
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Abstract

【課題】 変形量が大きく、且つ簡単な構造を有する圧電アクチュエータを提供する。
【解決手段】 圧電体の分子又は微結晶又は微粒子(分子等)を、配向領域14内において、電圧の印加により生じる伸縮の大きい方向が放射状に並ぶように配向させた圧電材料層11の上下に、1対の電極12及び13を設ける。この圧電アクチュエータは、電極間に電圧を印加すると、分子等がこの放射方向に伸びようとし、それにより中心付近が圧電材料層に垂直な方向に移動するように変形する。全ての分子がそろって放射方向に伸縮することから、変位量を大きくすることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧電体から成る圧電アクチュエータ及びその製造方法に関する。この圧電アクチュエータは、可変焦点レンズや可変焦点鏡の焦点制御装置などに好適に用いることができる。
圧電体に電圧を印加することにより生じる歪みを利用して変位を制御する圧電アクチュエータは、様々な装置に利用されている。そのひとつに、レンズの焦点の位置を制御することができる可変焦点レンズ装置がある。
例えば、特許文献1には、円筒状の容器の両端に圧電体から成る圧電膜を張り、容器内に透明の動作液体を充填した可変焦点レンズ装置が開示されている。圧電膜に電圧を印加すると、圧電膜が歪んで湾曲し、可変焦点レンズの焦点の位置が変化する。
しかし、特許文献1の可変焦点レンズ装置では、圧電膜の変形量が小さく、レンズの焦点の位置を変化させることのできる範囲が限られていた。
変形量を大きくすることができる圧電アクチュエータとして、バイモルフ型の圧電素子が知られている。バイモルフ型圧電素子は、圧電膜を2枚貼り合わせた構造を有する。これら2枚の圧電膜にそれぞれ異なる方向の電圧を印加することにより、各圧電膜が異なる方向及び大きさで伸縮し、それにより素子に反りが生じる。これにより、圧電膜が1枚のみの場合よりも変形量を大きくすることができる。このような圧電アクチュエータを用いた可変焦点レンズ装置は、例えば特許文献2に記載されている。
一方、本願発明者は、分子又は微結晶又は微粒子(以下、「分子等」とする)から成る薄膜の構造を制御することについて検討を行ってきた。特許文献3には、製膜途中又は製膜後の膜全体又は膜内の任意の領域にAFMの探針等(これに限定されない)の鋭利な先端形状を有する部材を用いて力を加えることにより、膜の内部構造を制御することが記載されている。この文献によれば、膜面上でAFM探針を走査してその走査方向に力学的な力を与えることにより、その力を受けた領域内の分子等が所定の方向に配向する。この方法によれば、領域内の分子等を任意の方向に配向させることができる。また、この方法は圧電体を含む様々な分子等に適用することができる。
特開昭63-229401号公報(第2頁右下欄10行目〜第3頁右上欄18行目) 特開平1-235288号公報(第2頁左下欄8行目〜第2頁右下欄8行目) 国際公開WO2004/026459号公報(第15頁26行目〜第17頁17行目、図2〜図6)
本発明が解決しようとする課題は、変形量が大きく、且つ簡単な構造を有する圧電アクチュエータ及びその製造方法を提供することにある。また、この圧電アクチュエータを用いた可変焦点レンズ装置等の装置を提供する。
上記課題を解決するために成された本発明に係る圧電アクチュエータは、
圧電体の分子又は微結晶又は微粒子が所定の方向に配向している圧電材料層と、
前記圧電材料層の上下に設けた、可撓性の材料から成る1対の電極層と、
を備えることを特徴とする。
本発明に係る圧電アクチュエータの製造方法は、
第1の電極層の上に圧電体の分子等から成る圧電材料層を形成する工程と、
圧電材料層内の所定の領域に、鋭利な先端形状を有する部材を用いて圧電材料層の膜面に対し平行な方向に力を加えることにより、該分子等を所定の方向に配向させる配向工程と、
該圧電材料層の上に第2の電極層を形成する工程と、
を有することを特徴とする。
本発明の圧電アクチュエータにおいて、圧電材料層の分子等を、電圧の印加により生じる伸縮の最も大きい方向(以下、「最大伸縮方向」という)が放射状に並ぶように配向させ、該圧電材料層の周囲に拘束部材を設ける、という構成をとることができる。拘束部材は、配向領域内の分子等が放射方向に伸びることを抑える部材であり、それにより該領域の中心において圧電材料層の膜面に垂直な方向への変位を生じさせるためのものである。拘束部材には、金属製リング等の外的部材を用いることもできるが、該配向領域外の非配向領域を拘束部材として用いることもできる。
このように最大伸縮方向が放射状に並ぶように配向した圧電アクチュエータは、例えば次のような方法で作製することができる。まず、上記のように膜面に平行な方向に力を加えると、構成分子又は微結晶又は微粒子が、その最大伸縮方向がその力の方向に略垂直な方向となるように配向する圧電材料を用いる。このような圧電材料層の膜面上の1点を中心にして前記部材が回転するように、圧電材料層と部材を相対的に動かして、前記の力を膜面に対して加える。即ち、部材を膜面上に固定して圧電材料層を回転させてもよいし、圧電材料層を固定して部材を膜面上で移動させてもよく、さらには部材と圧電材料層の双方を動かしてもよい。
本発明の圧電アクチュエータは可変焦点レンズ装置や可変焦点鏡装置に用いることができる。
本発明に係る可変焦点レンズ装置は、
前記1対の電極及び分子等が所定の波長領域の光に対して透明な材料から成り、分子等が、最大伸縮方向が放射状に並ぶように配向した本発明に係る圧電アクチュエータと、
前記圧電アクチュエータの一方の電極側に設けた、前記所定波長領域の光に対して透明で変形可能な層から成るレンズ部と、
を備えることを特徴とする
本発明に係る可変焦点鏡装置は、
最大伸縮方向が放射状に並ぶように分子等を配向させた前記圧電アクチュエータと、
前記圧電アクチュエータの一方の電極側に設けた、所定波長領域の光を反射する反射部と、
を備えることを特徴とする。
なお、本発明の可変焦点鏡装置では、光が入射する側の電極(第1電極とする)自体が反射部であってもよいし、第1電極の外側(圧電材料層の反対側)の面に反射部を別途設けてもよい。また、第1電極が前記所定波長領域の光に対して透明な材料から成る場合には、第1電極の内側(圧電材料層側)に反射部を設けてもよい。更に圧電材料層を挟んで第1電極の反対側の電極(第2電極)及び前記分子等が前記所定波長領域の光に対して透明な材料から成る場合には、第2電極の内側(圧電材料層側)に反射部を設けてもよいし、第2電極自体が反射部であってもよい。
発明の実施の形態及び効果
本発明の圧電アクチュエータは、可撓性の材料から成る1対の電極層の間に圧電材料層を設けたものであり、その圧電材料層の構成に特徴を有する。圧電材料層を構成する圧電体は、所定の方向に配向した分子等から成る。
1対の電極層の間に電圧を印加すると、圧電材料層は圧電効果により変形する。この分子等の変形は通常、その構成に依存する異方性を有する。例えば分子鎖が束になった微結晶は、多くの場合、その分子鎖の主鎖方向の変形が大きい。この異方性のため、圧電材料層は前記電圧の印加により、分子等の配向方向に応じて変形が生じる。すなわち、電圧の印加という外部作用により変位を生ずるアクチュエータとして動作する。また、電圧を調整することにより変位の大小も制御することができる。
この圧電アクチュエータは、分子等の向きを適切に揃えることにより、その方向に大きな変位を取り出すことができる。すなわち、本発明に係る圧電アクチュエータは、簡単な構造でありながら大きな変位量を得ることができる。
圧電材料層の分子等は、例えば最大伸縮方向が圧電材料層内の1つの点(中心点)から放射状に並ぶように配向させることができる。この場合、圧電材料層の周囲には、その放射方向に圧電材料層が伸びることを防ぐための拘束部材を設ける。例えば、圧電材料層の周囲に拘束用の部材を設ける。或いは、圧電材料層の一部領域のみを上記のように放射状に配向させ、その周囲についてはそのような処理を行わないようにする。後者の場合、周囲の部分は電圧を印加しても放射方向の伸縮が小さいため、拘束部材として作用する。
このアクチュエータでは、電極層間に電圧を印加することにより、放射方向に伸びようとする応力が圧電材料層に生じる。このとき、圧電材料層の周囲が拘束されているため、分子等は中心点に向かって伸びようとし、中心点付近が圧電材料層に垂直な方向に移動する。これにより、圧電材料層がその膜面に垂直な方向に湾曲する。このようなシェル構造の面外変位により、中心点において大きな変位量を得ることができる。
また、圧電体上下に設けられた1対の電極のうちの少なくとも一方を、分子等が配向された領域のみに形成することにより、さらに周囲の拘束効果を向上させることができる。
本発明において、1つの圧電材料層に対して圧電アクチュエータを複数設けてもよい。 例えば、1対の電極の間に1つの圧電材料層を設けた場合において、圧電材料層内にそれぞれ所定の方向に分子等を配向させた領域(この領域を「配向領域」と呼ぶ)を複数設ける。これにより、各配向領域毎にアクチュエータが形成された圧電アクチュエータアレイが得られる。この場合、圧電材料層のうち配向領域と配向領域の間の部分が拘束部材として作用する。この圧電アクチュエータアレイでは、電極間に電圧を印加すると、各アクチュエータが同時に動作する。各配向領域の分子等は、1個のアクチュエータの場合と同様に、その配向領域の中心点から放射状に配向させることができる。
また、分離した複数の電極対を1つの圧電材料層に設けてもよいし、1つの圧電材料層を挟んで一方には1枚の電極を設け他方には分離した複数の電極を設けてもよい。この場合、分離した各電極毎に配向領域を形成する。これにより、分離した各電極毎に独立に動作させることができるアクチュエータが形成された圧電アクチュエータアレイが得られる。圧電アクチュエータの上下の電極のうち少なくとも一方を配向領域のみに形成することにより、拘束の効果を向上させることができる。
本発明の圧電アクチュエータは、特許文献3に記載の技術を用いて製造することができる。その製造方法について説明する。
まず、1対の電極層のうちの一方の電極層の上に、圧電体の分子等から成る圧電材料層を形成する。次に、圧電材料層内の所定の領域に、鋭利な先端形状を有する部材を用いて圧電材料層の膜面に対し、その面に平行な方向に力を加える。これにより、その領域内の圧電材料層を構成する分子等が、前記部材が加えた力の方向に応じた方向に配向する。その上に第2の電極層を形成することにより、本発明の圧電アクチュエータが完成する。
この製造方法において、第2の電極層を形成した後に、圧電材料層に対して所定の方向に抗電界以上の電圧を印加することにより、予め圧電材料層に圧電性を付与しておいてもよい。なお、製造時にはこのような処理を行わず、使用時に電極間に抗電界以上の電界を印加することにより、同様の効果を与えることもできる。
本発明の圧電アクチュエータの製造方法においては、圧電材料層内の任意の領域の分子等を任意の方向に配向させることができる。そのため、全ての分子等を同じ方向に配向させることもでき、圧電材料層内の領域毎に異なる方向に配向させることもできる。また、前記部材により圧電材料層の膜面に加える力の方向と、分子等が配向する方向の関係は、分子等の種類や操作時の温度等の要因により異なる。すなわち、これらの配向方向決定要因により、分子等を配向させようとする方向と力の印加方向が平行になる場合もあり、膜面内で垂直になる場合もある。そこで、分子が所定の方向に配向するように、力の印加方向及びこれらの配向方向決定要因を定める。
圧電材料層に、最大伸縮方向と力の印加方向が膜面内で垂直になる材料を用いる場合には、前記配向工程において一点を中心に円周方向に前記力を印加することにより、最大伸縮方向が圧電材料層内の中心点から放射状に配向した前記圧電アクチュエータを製造することができる。このような円周方向の力は、前記部材を膜面上で固定して、前記中心点の回りに圧電材料層を回転させることにより印加することができる。また、圧電材料層を1回転させる間に前記部材をその先端径程度の距離だけ径方向に移動させることにより、螺旋状に力を加えるようにしてもよい。ここでは部材の位置を固定して圧電材料層を回転させるとしたが、逆に圧電材料層を固定して部材を移動させてもよいし、圧電材料層と部材の双方を回転・移動させてもよい。
前記部材を用いた操作を行う際に圧電材料層の温度を制御することにより、分子等がより配向し易くなったり、配向方向を制御したりすることができる場合がある。この温度制御は、圧電材料層全体を加熱又は冷却するものであってもよいし、前記部材を加熱又は冷却することにより圧電材料層を局所的に加熱又は冷却するものであってもよい。
圧電材料層の分子等は電気双極子を形成するため、前記部材を用いた操作を行う際に電界が印加されると、分子等は分極を電界に平行にするようにその電界から力を受ける。そのため、前記部材を用いた操作を行う際に、分子等を配向させようとする方向に応じた方向に電界を印加することにより、分子等を更に高い割合で配向させることができる。
圧電材料層の分子等が磁性を有する場合には、前記部材を用いた操作を行う際に、分子等を配向させようとする方向に応じた方向に磁界を印加することにより、分子等を更に高い割合で配向させることができる。
複数個の前記部材を同時に用いて圧電材料層の表面に平行な方向の力を加えてもよい。これにより、生産効率を向上させることができる。
次に、本発明の圧電アクチュエータを用いた可変焦点レンズについて説明する。
この可変焦点レンズは、本発明の圧電アクチュエータの一方の電極に接してレンズ部を設けたものである。この圧電アクチュエータには、分子等の最大伸縮方向が放射状に並ぶように圧電材料層が配向したものを用いる。また、圧電アクチュエータの1対の電極及び分子等には、可変焦点レンズを使用する光の波長領域に対して透明なものを用いる。そのような電極には例えば、可視光に対して透明なインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)やキャリアドープした酸化亜鉛等を用いることができる。圧電体であって可視光に対して透明な分子等には、フッ化ビニリデンポリマー(PVDF)やオリゴマー、フッ化ビニリデンと三フッ化エチレンのランダム共重合体に代表されるフッ化ビニリデン共重合体、ナイロン7,ナイロン9,ナイロン11,ナイロン13等の奇数ナイロン、シアン化ビニリデンと酢酸ビニルの交互重合体等を用いることができる。
レンズ部は変形可能な層から成る。例えば、レンズ部全体が弾性体から成るもの、弾性体から成る容器内に気体や液体を封入したもの、圧電材料層と接触する面及びそれに対向する面のみ弾性体から成りそれ以外の箇所は剛体から成るもの、圧電材料層と接触する面は弾性体から成りそれに対向する面は剛体から成るもの等を用いることができる。また、レンズ部には、可変焦点レンズで使用する光の波長領域に対して透明な材料を用いる。レンズ部が圧電アクチュエータの変形に応じて確実に変形するように、圧電アクチュエータにレンズ部を押しつける機構を設けることは有効である。なお、もちろん、この機構は圧電アクチュエータをレンズ部に押しつけるものや、双方を互いに押しつけるものであってもよい。
本発明の可変焦点レンズの動作を説明する。圧電アクチュエータの電極層間に電圧を印加すると、分子等の圧電性により、圧電材料層に前記中心点から放射状に伸びようとする応力が生じ、それにより中心点付近が圧電材料層に垂直な方向に移動するように変位する。この中心点付近の変位により、周囲を拘束された圧電材料層は全体として湾曲し、それに押しつけられたレンズ部も同様に湾曲する。こうして湾曲したレンズ部に光が入射すると、その光はレンズ部の湾曲の曲率により定まる位置において焦点を結ぶ。レンズ部の湾曲の曲率は、圧電材料層の中心点の変位により変化し、この中心点の変位の大きさは電極層間に印加する電圧により変化するため、この印加電圧の大きさによりレンズの焦点の位置を制御することができる。
次に、本発明の圧電アクチュエータを用いた可変焦点鏡について説明する。
この可変焦点鏡は、本発明の圧電アクチュエータの第1の電極側(光が入射する側)に、所定の波長領域の光を反射する反射部を設けたものである。可変焦点レンズの場合と同様に、圧電アクチュエータには、分子等の最大伸縮方向が放射状に並ぶように圧電材料層が配向したものを用いる。反射部は、第1電極自体を所定波長の光が反射するように形成したものであってもよいし、その電極とは別体のものを第1電極の外側又は内側(この場合、その電極が所定波長の光に対して透明である必要がある)に設けてもよい。また、入射側の電極及び分子等は所定波長の光を透過するものである場合には、光の入射側と反対側の第2電極の内側又は外側(この場合、この反対側電極が透明である必要がある)に反射部を設けたり、その第2電極自体を反射部としてもよい。
本発明の可変焦点鏡の動作を説明する。可変焦点レンズの場合と同様に、圧電アクチュエータの電極層間に電圧を印加すると、分子等の圧電性により、圧電アクチュエータはその電圧の大きさに応じた曲率半径で湾曲する。そして、圧電アクチュエータに押しつけられた反射部も同様に湾曲する。これにより、反射部に入射した光は、湾曲の曲率により定まる位置において焦点を結ぶ。焦点の位置は電極層間に印加する電圧により制御することができる。
前述の圧電アクチュエータアレイを用いることにより、アレイ状の可変焦点レンズや可変焦点鏡を構成することができる。圧電アクチュエータアレイ中の各圧電アクチュエータの一方の電極側に、可変焦点レンズアレイではレンズ部を、可変焦点鏡アレイでは反射部を、それぞれ設ける。レンズ部及び反射部は、各圧電アクチュエータ毎に独立した部材を設けることにより形成してもよいし、複数のアクチュエータに亘って1個の部材を設けることにより形成してもよい。また、各圧電アクチュエータ毎に、圧電材料層は最大伸縮方向が放射状に並ぶように分子等を配向させる。
この可変焦点レンズアレイ又は可変焦点鏡アレイでは、圧電アクチュエータアレイ内の各圧電アクチュエータがそれぞれ可変焦点レンズ又は可変焦点鏡として動作する。圧電アクチュエータアレイが複数の配向領域を持つ圧電材料層の上下を1対の電極で挟んだものである場合には、電極間の電圧を制御することにより、全ての可変焦点レンズ又は可変焦点鏡が同時に動作する。一方、圧電アクチュエータアレイが前述のように分離した複数の電極を持つ場合には、各可変焦点レンズ又は可変焦点鏡を独立に動作させることができる。
本発明により、分子等が所定の方向に配向した圧電材料層とそれを挟む1対の電極層から成るという簡単な構造の圧電アクチュエータを得ることができる。また、例えば圧電材料層内の中心点から放射状に配向させる等、分子等を適切な方向に揃えることにより、大きな変位量を得ることができる。
また、本発明の製造方法を用いれば、前記部材の径の大きさ程度の微小な圧電材料層であっても分子等を配向させることができ、それにより圧電アクチュエータを小型化することができる。このような圧電アクチュエータを用いることにより、構造が簡単で且つ小さい可変焦点レンズや可変焦点鏡を得ることができる。更に、このような小さい可変焦点レンズや可変焦点鏡を1次元的又は2次元的に多数配置することや、1つの圧電材料層に対して分子を配向させた領域を複数形成することにより可変焦点レンズアレイや可変焦点鏡アレイを構成することもできる。
図1に、本発明に係る圧電アクチュエータの第1実施例を示す。(a)はその縦方向断面図であり、(b)はその平面図である。
圧電材料層11は、圧電体の微結晶(分子等)11aの集合体から成る。図1(b)に示すように、微結晶11aは円形の領域(配向領域14)内において、圧電材料層11の中心11bから放射状に配向している。圧電材料層11を挟むように、円盤状の下部電極層12を設ける。更に、配向領域14上に上部電極層13を設ける。ここでは、配向領域14の周囲の微結晶11aによる拘束効果を高めるために、上部電極層13は配向領域14上のみに形成した。本実施例では、圧電材料層11にはフッ化ビニリデンと三フッ化エチレンのランダム共重合体ポリマー(P(VDF-TrFE))を、下部電極層12及び上部電極層13にはITOを用いた。P(VDF-TrFE)は有機強誘電体であって圧電性を有し、且つ可視光に対して透明である。P(VDF-TrFE)の微結晶11aは折りたたまれた分子鎖が束になったラメラ型微結晶であり、針状の形状を有する。微結晶11aへの電圧の印加により生じる伸縮が大きい方向は微結晶11aの長手方向である。ITOは透明電極の材料としてよく知られている。また、作製時に下部電極層12と上部電極層13の間に抗電界以上の電界を印加することにより圧電材料層11に圧電性を付与しておく。
下部電極層12と上部電極層13の間に電圧を印加すると、微結晶11aは最大伸縮方向に伸びようとする。この時、配向領域14内の微結晶11aが放射方向に配向しているためこの放射方向に大きく伸びようとする。これにより、配向領域14内の圧電材料層11は、配向領域14の中心が最も大きく、中心から離れるに従って小さくなるように、膜面に垂直な方向に変位する。電圧が大きくなるほど、微結晶11aの伸びが大きくなるため、変位量も大きくなる。
図2に、本発明に係る圧電アクチュエータの第2実施例の縦方向断面図(a)及び平面図(b)を示す。本実施例では、第1実施例と同じ材料から成る圧電材料層11’を囲むように、微結晶11aが径方向に伸びるのを抑えるためのリング部材15を設ける。微結晶11a’は圧電材料層11’全体で圧電材料層11’の中心11b’から放射状に配向している。そして、圧電材料層11’を挟むように、下部電極層12’及び上部電極層13’を設ける。これらの電極の材料には第1実施例と同じものを用いることができる。また、第1実施例と同様に、作製時に下部電極層12’と上部電極層13’の間に抗電界以上の電界を印加することにより圧電材料層11に圧電性を付与しておく。
図3に、本発明に係る圧電アクチュエータアレイの第1〜第3の実施例を示す。(a)は圧電材料層11’’の平面図である(第1〜第3実施例で共通)。(b-1)〜(b-3)はそれぞれ第1〜第3実施例における、(a)に示した断面A-A'での縦断面図である。
第1〜第3実施例の圧電アクチュエータアレイではいずれも、圧電材料層11’’内に多数の配向領域141、142、143...を2次元状に配置し、各配向領域内においてそれぞれ、微結晶を配向領域の中心から放射状に配向させる。
第1実施例では、圧電材料層11’’の下面全体に下部電極層12’’を、圧電材料層11’’の上面全体に上部電極層13’’を、それぞれ設ける。また、作製時に下部電極層12’’と上部電極層13’’の間に抗電界以上の電界を印加することにより、圧電材料層11’’に圧電性を付与しておく。
第1実施例の圧電アクチュエータアレイにおいては、下部電極層12’’と上部電極層13’’の間に電圧を印加することにより、全ての配向領域141、142、143...が同時に膜面に垂直な方向に変位する。
第2実施例では、圧電材料層11’’の下面全体に下部電極層12’’を設け、各配向領域141、142、143...毎にそれぞれ、圧電材料層11’’の上面に上部電極131、132、133...を設ける。第3実施例では、各配向領域141、142、143...毎にそれぞれ、圧電材料層11’’の下面に下部電極121、122、123...を設け、上面に上部電極131、132、133...を設ける。第1実施例と同様に、作製時に電極間に抗電界以上の電界を印加することにより、圧電材料層11’’に圧電性を付与しておく。
第2実施例及び第3実施例ではいずれも、配向領域141、142、143...毎に異なる電圧を印加することにより、それぞれ任意の量(ゼロの場合も含む)だけ膜面に垂直な方向に変位させることができる。
本実施例の圧電アクチュエータの製造方法を、図4を用いて説明する。ここでは第1実施例の圧電アクチュエータの製造方法を示すが、第2実施例のものも同様の方法により製造することができる。図4(a)〜(c)はそれぞれ、左側が縦断面図、右側が配向領域14の平面図である。
まず、蒸着法等の通常の方法でITO基板を作製する。このITO基板が下部電極層12となる。下部電極層12の上にP(VDF-TrFE)から成る層20を作製する(a)。P(VDF-TrFE)層20は、P(VDF-TrFE)をメチルエチルケトン(MEK)に溶解させた溶液を用いて下部電極層12上にスピンコート法により作製した。
P(VDF-TrFE)層20を加熱して温度を142℃に維持しつつ、この層の表面に鋭利な先端形状を有する部材21を接触させ、配向領域14内に、この表面に平行に、円周方向の力を加える(b)。部材21にはAFMの探針を用いた。この円周方向の力は、この表面に部材21を接触させた状態で、P(VDF-TrFE)層20及び下部電極層12を、中心11bを通りこの表面に垂直な軸22を中心に回転させることにより印加することができる。前記温度条件下では、P(VDF-TrFE)の微結晶11aは、その最大伸縮方向である長手方向が部材21により印加された力に垂直な方向に向くように配向する。従って、この円周方向の力により、微結晶11aはその最大伸縮方向が中心11bから放射状に並ぶように配向する。部材21を徐々に径方向に移動させることにより、配向領域14全体にこの力を加えることができる。この配向したP(VDF-TrFE)層が前記圧電材料層11となる。その後、蒸着法等の通常の方法で、配向領域14の上に上部電極層13を形成する。更に、下部電極層12と上部電極層13の間に材料の抗電界以上の電界を加えて圧電性を付与することにより、本実施例の圧電アクチュエータが得られる(c)。
図5に示すように、部材21を用いて微結晶11aを配向させる際に、微結晶11aに対して電界を印加してもよい。これにより、微結晶11aを更に高い割合で配向させることができる。微結晶11aがP(VDF-TrFE)である場合、印加する電界の方向は、中心11b及び部材21を通る径に平行な方向でもよいし、圧電材料層11の膜面に垂直な方向でもよい。また、図6に示すように、部材21を複数個用いることにより、微結晶11aの配向に要する時間を削減することができる。
次に、第1及び第2実施例の圧電アクチュエータの電極間に電圧を印加した時の動作を、有限要素法によるシミュレーションで計算した。その結果を、図8及び図9を用いて説明する。シミュレーションの条件は次の通りである。図8に示すように、圧電材料から成る円板16の下面の縁(円周部)17を完全固定し、中心Oを上下(z方向)にのみ移動可能とする。この状態で円板16の上下に設けた電極間に電圧を印加した場合の各要素の変位を、円板16の圧電材料の圧電弾性定数マトリクスεij E(i=1〜6, j=1〜6)に基づいて計算し、最終的に、円板16の中心Oの上下方向(z方向)の変位を算出した。円板16の直径は40μm、厚さは0.5μmとし、弾性定数マトリクスには図7に示すジルコン酸チタン酸鉛(PbxZr1-xTiO3)の値を用いた。
このモデルによる計算結果を図9に示す。図9(a)中の長方形は電極間に電圧が印加されていないときの円板16の半分の断面形状を示し、左端が中心、右端が外周である。図9(b)は下部電極を接地して上部電極に+10Vの電位を与えた時の円板16の断面形状を示す。この電圧印加により、円板16の中心が上方(z軸の正の方向)に変位し、その変位量は約1.32μmであった。
次に、上記計算で用いた弾性定数マトリクスのうち円板16の径方向の弾性定数であるε11 Eを図7に示した値の1/1.1(約0.91)倍である1.08×10-11m2/Nとし、円周方向の弾性定数であるε22 Eを図7に示した値の1.1倍である1.31×10-11m2/Nとして同様の計算を行った。これは、本発明により圧電材料層に所定の配向処理を行い、その弾性定数に異方性を与えたことに相当する。その結果、電圧印加前後の圧電材料層の断面形状の変化は定性的には図9と同じであるが、円板の中心の変位は約1.39μmとなった。これは、本発明に係る圧電アクチュエータが有効に動作することを示している。
なお、前述のようにこの計算にはジルコン酸チタン酸鉛の弾性定数マトリクスを用いたが、それ以外の圧電体材料の弾性定数マトリクスを用いても定性的な傾向は本実施例の計算結果と変わらない。
本発明に係る可変焦点レンズの一実施例を、図10及び図11を用いて説明する。
図9は、本実施例の可変焦点レンズの縦断面図である。この可変焦点レンズは、前記実施例の圧電アクチュエータ10の下に、可視光に対して透明な膜内に同じく可視光に対して透明な材料から成るゲル33を封入したレンズ部31を設けたものである。
この可変焦点レンズの動作を、図11を用いて説明する。電圧を印加していない状態では、圧電材料層11は(a)のように平面状となっている。下部電極層12と上部電極層13の間に電圧を印加すると、圧電材料層11は(b)のように湾曲し、レンズ部31はそれに押されて同様に湾曲する。圧電アクチュエータ10及びレンズ部31を透過する光は、レンズ部31の湾曲の大きさにより定まる位置に焦点34を結ぶ(b)。圧電材料層11は印加する電圧が大きくなるほど、中心11bの変位が大きくなり、湾曲も大きくなる。そのため、圧電材料層11に印加する電圧が大きくなるほど、レンズ部31の湾曲も大きくなり、それにより焦点34はレンズ部31側に移動する(c)。このように、本実施例の可変焦点レンズは下部電極層12と上部電極層13の間に印加する電圧により焦点の位置を変化させることができる。
本実施例の可変焦点レンズにおいて、圧電アクチュエータ10及びレンズ部31を可視光に対して透明で弾性のある外膜で覆ってもよい。これにより、圧電アクチュエータ10にレンズ部31を押しつけ、圧電アクチュエータ10の変形に応じてレンズ部31をより確実に変形させることができる。また、例えば蒸着法などによりレンズ部31の表面に圧電アクチュエータ10の下部電極層12を形成する等、レンズ部31と下部電極層12を確実に接着することによっても同様の効果を得ることができる。
本発明に係る可変焦点鏡の実施例を、図12及び図13を用いて説明する。
図12は、本実施例の可変焦点鏡の縦断面図である。図12(a)は、前記実施例の圧電アクチュエータ10の上部電極層13の表面に光を反射する部材から成る反射層41を設けたものである。図12(b)は圧電アクチュエータ10の上部電極層13’自体が光を反射する部材から成るものである。
図12(a)の可変焦点鏡の動作を、図13を用いて説明する。なお、図12(b)等、反射部を他の位置に設けた可変焦点鏡でも動作は同様である。電圧を印加していない状態の圧電材料層11は(a)のように平面状となっている。下部電極層12と上部電極層13の間に電圧を印加すると圧電材料層11は(b)のように湾曲し、それに伴い反射層41も湾曲する。これにより、反射光はその湾曲の大きさにより定まる位置で焦点44を結ぶ。圧電材料層11に印加する電圧が大きくなるほど反射層41の湾曲が大きくなり、それにより焦点44は反射層41側に移動する(c)。
更に、可変焦点レンズの場合と同様に、圧電アクチュエータ10を((a)では反射層41も)を可視光に対して透明で弾性のある外膜で覆ってもよい。この場合、上部電極層13’や反射層41の代わりに、光を反射する材料から外膜を光の反射材として用いてもよい。また、反射層41と下部電極層12を確実に接着することによっても、外膜を設けるのと同様の効果を得ることができる。
図14に、可変焦点レンズアレイ(a-1)〜(a-3)及び可変焦点鏡アレイ(b-1)〜(b-3)の実施例を示す。
本実施例の可変焦点レンズアレイは、図3に示した第1〜第3実施例の圧電アクチュエータアレイのうちのいずれかの下部電極層12’’又は下部電極121、122、123...の下に、可視光に対して透明な膜内に同じく可視光に対して透明な材料から成るゲルを封入したレンズ部51を設けたものである。図14には縦断面図のみを示したが、実際には図3(a)に示したように、配向領域は2次元的に配置されている。本実施例の可変焦点鏡アレイでは、配向領域の配置に対応して可変焦点レンズが2次元状に多数並んで形成されている。
本実施例の可変焦点鏡アレイは、図3に示した第1〜第3実施例の圧電アクチュエータアレイの圧電材料層11’’及び上部電極層13’’又は上部電極131、132、133...の上に光を反射する部材から成る反射層52を設けたものである。上記可変焦点レンズアレイと同様に、本実施例の可変焦点鏡アレイでは、配向領域の配置に対応して可変焦点鏡が2次元状に多数並んで形成されている。
本実施例の可変焦点レンズアレイ及び可変焦点鏡アレイではいずれも、電極間に電圧を印加することにより、電圧が印加された配向領域が膜面に垂直な方向に変位し、それにより、焦点の位置を移動させることができる。(a-1)及び(b-1)に示した可変焦点レンズアレイ又は可変焦点鏡アレイでは、下部電極層12’’と上部電極層13’’の間に電圧を印加することにより全ての可変焦点レンズ又は可変焦点鏡の焦点が同時に、同一の量だけ移動する。(a-2)、(a-3)、(b-2)及び(b-3)に記載の可変焦点レンズアレイ又は可変焦点鏡アレイでは、配向領域141、142、143...毎に異なる電圧を印加することにより、それぞれ任意の量(ゼロの場合も含む)だけ焦点を移動させることができる。
本発明に係る圧電アクチュエータの第1実施例を示す縦断面図(a)及び圧電材料層11の平面図(b)。 本発明に係る圧電アクチュエータの第2実施例を示す縦断面図(a)及び圧電材料層11の平面図(b)。 本発明に係る圧電アクチュエータアレイの一実施例を示す、圧電材料層11’’の平面図(a)及び圧電アクチュエータアレイの縦断面図(b)。 第1実施例の圧電アクチュエータの製造方法を示す縦断面図及び圧電材料層11の平面図。 本発明に係る圧電アクチュエータの製造方法の変形例を示す平面図。 本発明に係る圧電アクチュエータの製造方法の変形例を示す平面図。 ジルコン酸チタン酸鉛弾性定数マトリクスεij E(i=1〜6, j=1〜6)を示す表。 本発明に係る圧電アクチュエータの動作の計算条件を説明するための斜視図。 本発明に係る圧電アクチュエータの動作を計算で求めた結果を示す図。 本発明に係る可変焦点レンズの一実施例を示す縦断面図。 本実施例の可変焦点レンズの動作を示す縦断面図。 本発明に係る可変焦点鏡の実施例を示す縦断面図。 本実施例の可変焦点鏡の動作を示す縦断面図。 本発明に係る可変焦点レンズ及び可変焦点鏡の実施例を示す縦断面図。
符号の説明
10…圧電アクチュエータ
11、11’、11’’…圧電材料層
11a…微結晶
11b…中心
12、12’、12’’…下部電極層
13、13’、13’’…上部電極層
121、122、123...…下部電極
131、132、133...…上部電極
14、141、142、143...…配向領域
15…リング部材
20…P(VDF-TrFE)層
21…鋭利な先端形状を有する部材
22…回転軸
31、51…レンズ部
33…ゲル
34、44…焦点
41、52…反射層

Claims (17)

  1. 圧電体の分子又は微結晶又は微粒子が所定の方向に配向している圧電材料層と、
    前記圧電材料層の上下に設けた1対の電極層と、
    を備えることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 圧電体が高分子から成ることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 前記圧電材料層の分子又は微結晶又は微粒子が、電圧の印加により生じる伸縮の最も大きい方向である最大伸縮方向が放射状に並ぶように配向しており、
    該圧電材料層の周囲に該圧電材料層を拘束する拘束部材を設けた、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電アクチュエータ。
  4. 前記圧電材料層の一部の領域において最大伸縮方向が放射状に並ぶように前記分子等が配向しており、その外側の、分子等が配向していない領域が前記拘束部材となることを特徴とする請求項3に記載の圧電アクチュエータ。
  5. 前記1対の電極層のうち少なくとも一方が前記一部領域の上又は下にのみ設けられていることを特徴とする請求項4に記載の圧電アクチュエータ。
  6. 1つの圧電材料層に対して請求項1〜5に記載の圧電アクチュエータが複数形成されていることを特徴とする圧電アクチュエータアレイ。
  7. 第1の電極層の上に圧電体の分子又は微結晶又は微粒子から成る圧電材料層を形成する工程と、
    圧電材料層内の所定の領域に、鋭利な先端形状を有する部材を用いて圧電材料層の膜面に対し該膜面に平行な方向に力を加えることにより、該分子又は微結晶又は微粒子を所定の方向に配向させる配向工程と、
    該圧電材料層の上に第2の電極層を形成する工程と、
    を有することを特徴とする圧電アクチュエータ製造方法。
  8. 前記圧電材料層がその膜面に対し該膜面に平行な方向に力を加えることにより最大伸縮方向が該力の方向に略垂直な方向に配向する分子又は微結晶又は微粒子からなる場合において、圧電材料層の膜面上の1点を中心として前記部材が回転するように圧電材料層と部材を相対移動させることを特徴とする請求項7に記載の圧電アクチュエータ製造方法。
  9. 前記配向工程において、分子又は微結晶又は微粒子を配向させる領域に所定の方向の電界を印加することを特徴とする請求項7又は8に記載の圧電アクチュエータ製造方法。
  10. 前記配向工程において、分子又は微結晶又は微粒子を配向させる領域に所定の方向の磁界を印加することを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の圧電アクチュエータ製造方法。
  11. 前記配向工程において、分子又は微結晶又は微粒子を配向させる領域の温度を制御することを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の圧電アクチュエータ製造方法。
  12. 前記配向工程において、前記部材を同時に複数個用いて分子又は微結晶又は微粒子を所定の方向に配向させることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の圧電アクチュエータ製造方法。
  13. 前記配向工程後に、圧電材料層に対して所定の方向に電圧を印加することにより圧電性を付与する工程を実施することを特徴とする請求項7〜12のいずれかに記載の圧電アクチュエータ製造方法。
  14. 前記1対の電極層及び前記圧電材料層が所定の波長領域の光に対して透明な材料から成る請求項3〜5のいずれかに記載の圧電アクチュエータと、
    前記圧電アクチュエータの一方の電極側に設けた、前記所定波長領域の光に対して透明で変形可能な層から成るレンズ部と、
    を備えることを特徴とする可変焦点レンズ装置。
  15. 前記複数対の電極層及び圧電材料層が所定の波長領域の光に対して透明な材料から成り、各圧電アクチュエータ毎に最大伸縮方向が放射状に並ぶように前記分子等が配向した請求項6に記載の圧電アクチュエータアレイと、
    前記圧電アクチュエータアレイ中の各圧電アクチュエータ毎の一方の電極側に設けた前記所定波長領域の光に対して透明で変形可能な層から成るレンズ部と、
    を備えることを特徴とする可変焦点レンズアレイ装置。
  16. 請求項3〜5のいずれかに記載の圧電アクチュエータと、
    前記圧電アクチュエータの一方の電極側に設けた、所定波長領域の光を反射する反射部と、
    を備えることを特徴とする可変焦点鏡装置。
  17. 前記複数対の電極層及び圧電材料層が所定の波長領域の光に対して透明な材料から成り、各圧電アクチュエータ毎に最大伸縮方向が放射状に並ぶように前記分子等が配向した請求項6に記載の圧電アクチュエータアレイと、
    前記圧電アクチュエータアレイ中の各圧電アクチュエータの一方の電極側に設けた所定波長領域の光を反射する反射部と、
    を備えることを特徴とする可変焦点鏡アレイ装置。
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