JP2017211576A - 光偏向器及び製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】回動部の最大回動角の増大と、回動部の共振周波数の増大との両立した光偏向器を提供する。【解決手段】光偏向器1は、ミラー部2を支持する可動枠4と、可動枠4を支持する固定枠6と、可動枠4を第1軸線Lxの回りに往復回動させる外側圧電アクチュエータ5とを備える。ミラー部2は、Si層43を有する。外側圧電アクチュエータ5は、Si層43と、Si層43の上側の圧電構造58とを有する。外側圧電アクチュエータ5のSi層43aはミラー部2のSi層43bより薄くされる。【選択図】図2

Description

本発明は、ミラー部を往復回動させつつ、入射光をミラー部で反射して出射する光偏向器及びその製造方法に関する。
近年、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の光偏向器が知られている。
一般的な構造のMEMSの光偏向器は、光を反射するミラー部を含む回動部と、一端側において回動部に結合し、該回動部を所定の軸線の回りに往復回動させる圧電アクチュエータと、圧電アクチュエータの他端側に結合し、圧電アクチュエータを介して回動部を支持する固定支持部とを備える。
特許文献1の光偏向器は、回動部を軸線の回りに高速で往復回動するために、回動部の共振を利用する。該光偏向器は、SOI(Silicon on Insulator)基板から製造され、圧電アクチュエータ及び回動部の基板層としてのSi(ケイ素)層は、該SOI基板の表面Si層をそのまま使用し、厚みが該SOI基板の表面Si層の厚みのままになっている。さらに、圧電アクチュエータは、基板層としての表面Si層と、該表面Si層の上に圧電膜層が積層されたカンチレバーから構成される。
特開2005−128147号公報
カンチレバーは、薄い方が、電圧印加時の変形量が増大し、回動部の最大回動角を増大することができる。また、回動部は、厚くして、質量を増大した方が共振周波数を高くすることができる。
従来の光偏向器では、圧電アクチュエータを構成するカンチレバーのSi層及び回動部のSi層は、共に、SOI基板の表面Si層を基板層としてそのまま利用するので、厚みが等しくなっている。したがって、回動部の最大回動角の増大と、回動部の共振周波数の増大との両立が困難となっている。
本発明の目的は、回動部の最大回動角の増大と、回動部の共振周波数の増大とを両立させた光偏向器及び製造方法を提供することである。
本発明の光偏向器は、
光を反射するミラー部を含む回動部と、
前記回動部を支持する固定支持部と、
前記回動部を第1軸線の回りに往復回動させる第1圧電アクチュエータとを備え、
前記第1圧電アクチュエータは、第1Si層と、前記光が入射する面側を表面側として、該第1Si層の表面側に積層されて、印加電圧に応じて面方向に伸縮して前記第1Si層を厚み方向に変形させる第1圧電膜層とを有する第1カンチレバーを備え、
前記回動部は、第2Si層と、該第2Si層の表面側に積層される表面構造層とを備え、
前記第1Si層は前記第2Si層より薄いことを特徴とする。
本発明の光偏向器によれば、第1Si層の厚みは第2Si層の厚みより薄くされる。これにより、第1圧電アクチュエータとしての第1カンチレバーの第1Si層が薄くなって、第1カンチレバーの電圧印加時の変形量が増大し、回動部の最大回動角を増大させることができる。また、回動部の第2Si層が厚くなって、回動部の共振周波数を増大させることができる。
本発明の光偏向器において、前記回動部は、前記ミラー部を支持する回動支持部と、前記ミラー部と前記回動支持部との間に介在し、前記ミラー部を第2軸線の回りに往復回動させる第2圧電アクチュエータとを備え、前記第2圧電アクチュエータは、前記第2Si層と、第2圧電膜層を含む前記表面構造層とを有する第2カンチレバーを備え、前記第1Si層の裏面と前記第2Si層の裏面とは前記厚み方向に同一位置にあり、前記第1圧電膜層及び前記第2圧電膜層は、等しい厚みでそれぞれ前記第1Si層及び前記第2Si層の表面側に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、第1Si層及び第2Si層は、厚み方向に裏面の位置を揃えて、第1Si層を第2Si層より薄くされる。この結果、光偏向器の製造では、表面側のみの加工により第1Si層を第2Si層より薄くすることができるので、製造が簡単となる。
本発明の光偏向器において、前記第2圧電アクチュエータは、前記第2軸線の回りに前記ミラー部をその共振周波数で往復回動させ、前記第1圧電アクチュエータは、前記第1軸線の回りに前記回動部をその非共振周波数で往復回動させることが好ましい。
この構成によれば、二軸式光偏向器において、非共振周波数での第1軸線の回りのミラー部の最大回動角を増大させつつ、第2軸線の回りのミラー部の共振周波数の増大を図ることができる。
本発明の製造方法は、
光を反射するミラー部を含む回動部と、
前記ミラー部を支持する固定支持部と、
前記回動部を第1軸線の回りに往復回動させる第1圧電アクチュエータとを備える光偏向器の製造方法において、
表面側から裏面側の方へ順番に表面Si層、SiO層及び裏面Si層を有するSOI基板に対し、表面側より前記表面Si層の前記第1圧電アクチュエータの形成領域を所定量、エッチングする第1工程と、
前記第1工程により製造された第1製造板に対し、その表面側の全面に圧電膜を成膜する第2工程と、
前記第2工程により製造された第2製造板に対し、表面側から前記圧電膜をエッチングすることにより前記第1圧電アクチュエータの圧電構造を形成する第3工程と、
前記第3工程により製造された第3製造板に対し、裏面側からの前記裏面Si層及び前記SiO層のエッチングより前記回動部、前記第1圧電アクチュエータ及び前記固定支持部の側面輪郭及び裏面輪郭を形成する第4工程とを備えることを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、第1工程で、SOI基板に対し、表面側より表面Si層の第1圧電アクチュエータの形成領域を所定量、エッチングすることにより、第1圧電アクチュエータの第1Si層を回動体の第2Si層より薄くした光偏向器を円滑に製造することができる。
本発明の製造方法において、前記回動部は、前記ミラー部を支持する回動支持部と、前記ミラー部と前記回動支持部との間に介在し、前記ミラー部を第2軸線の回りに往復回動させる第2圧電アクチュエータとを備え、前記第3工程において、前記第2製造板に対し、表面側から前記圧電膜をエッチングすることにより前記第1圧電アクチュエータの圧電構造と前記第2圧電アクチュエータの圧電構造とを形成することが好ましい。
本発明の製造方法によれば、第1圧電アクチュエータの圧電構造と第2圧電アクチュエータの圧電構造とを同一工程で形成することができる。これにより、第1Si層を第2Si層より薄くした二軸回動型光偏向器を製造する所要時間を短縮することができる。
光偏向器の正面図。 光偏向器の製造方法の主要部の工程図。
図1において、光偏向器1は、MEMSとして製造され、主要要素として、ミラー部2、内側圧電アクチュエータ3a,3b、可動枠4、外側圧電アクチュエータ5a,5b、及び固定枠6を含む。
以下、構成の説明の便宜上、図1の光偏向器1の正面視での上下左右を、光偏向器1の上下左右と呼ぶことにする。したがって、矩形の固定枠6の短辺の延在方向が上下方向になり、長辺の延在方向が左右方向になる。
ミラー部2は、正面視が円形であり、円形の中心が光偏向器1の中心(矩形の固定枠6の対角線の交点)に一致するように、配設される。説明の便宜上、ミラー部2の表面(ミラー面)上に、中心o、x軸及びy軸を定義する。x軸及びy軸は、中心oにおいて直交し、ミラー部2の中心oにおける法線が真正面を向いている時は、それぞれ光偏向器1の左右方向及び上下方向に一致する。x軸及びy軸は、ミラー部2の表面上に定義されているので、ミラー部2の上下左右の首振りに伴い、ミラー部2と一体に変位する軸となっている。
図1において、第1軸線Lx及び第2軸線Lyは、ミラー部2の回転軸線を意味する。第1軸線Lx及び第2軸線Lyは中心oにおいて直交する。第1軸線Lxはミラー部2の法線の向きに関係なく光偏向器1の左右方向に延在する。第2軸線Lyは、ミラー部2の法線が真正面を向いた時のみ、光偏向器1の上下方向に延在し、ミラー部2の法線のその他の向き時では、光偏向器1の上下方向に対して傾斜する。
ミラー部2は、外側圧電アクチュエータ5a,5bの作動により第1軸線Lxの回りに非共振周波数で往復回動するとともに、内側圧電アクチュエータ3a,3bの作動により第2軸線Lyの回りに共振周波数で往復回動する。
中心oは、第1軸線Lx及び第2軸線Lyの回りのミラー部2の往復回動中も、光偏向器1の中心位置に維持される。第2軸線Lyとy軸とは、ミラー部2の往復回動中、一致する。第1軸線Lxとx軸とは、ミラー部2の往復回動中、ミラー部2の表面の中心oにおける法線が真正面を向いた時点でのみ、一致し、他の時点では、中心oで交差する。
内側圧電アクチュエータ3a,3bは、圧電素子(後述の図2のSTEP4の圧電構造59に相当)を含むカンチレバーから構成され、ミラー部2に対してそれぞれ左側及び右側に配設される。内側圧電アクチュエータ3a,3bは、上下の端部において相互に結合し、全体では、ミラー部2を包囲する上下に縦長の楕円環を構成する。可動枠4は、内外周が上下に縦長の楕円輪郭の環状枠として形成され、内周側において内側圧電アクチュエータ3a,3bから構成される楕円環を包囲する。
トーションバー21a,21bは、ミラー部2からy軸に沿って上下に直線状に突出し、中間部において内側圧電アクチュエータ3a,3bの結合部に結合し、突出端において可動枠4の内周に結合する。第2軸線Lyは、トーションバー21a,21bの中心線に一致する。したがって、第1軸線Lxの回りのミラー部2の往復回動中、第2軸線Lyは、ミラー部2のy軸に重なって、上下方向に首振りする。
外側圧電アクチュエータ5a,5bは、矩形の固定枠6の内周側でかつ可動枠4に対してそれぞれ左側及び右側に配設される。外側圧電アクチュエータ5a,5bの各々は、ミアンダ配列の複数のカンチレバー23から構成される。
具体的には、各カンチレバー23は、長手方向を上下方向に揃えて、左右方向に一列に配列される。複数のカンチレバー23は、全体として直列の結合となるように、上下の端部において左隣り又は右隣りのカンチレバー23に結合している。なお、配列における左右両端のカンチレバー23の長さは、他のカンチレバー23の長さの半分となっており、該左右両端のカンチレバー23は、それぞれ第1軸線Lx上の端部において可動枠4及び固定枠6に結合している。
電極パッド16a,16bは、横長の矩形の固定枠6の左右の側辺部の表面に複数ずつ配設されている。電極パッド16aは、光偏向器1の左半部の電気素子(例:内側圧電アクチュエータ3a及び外側圧電アクチュエータ5a)に積層方向下側の連続導電層や積層方向上側の配線(各圧電アクチュエータでは、上側電極層に接続される。図示せず)を介して接続されている。なお、積層方向下側の連続導電層は、各圧電アクチュエータでは、アース電位の下側電極層を構成する。電極パッド16bは、光偏向器1の右半部の電気素子(例:内側圧電アクチュエータ3b及び外側圧電アクチュエータ5b)に積層方向下側の連続導電層や積層方向上側の配線を介して接続されている。
光偏向器1の全体的な作用について説明する。なお、以下、内側圧電アクチュエータ3a,3bを特に区別しないときは、「内側圧電アクチュエータ3」と総称する。外側圧電アクチュエータ5a,5bを特に区別しないときは、「外側圧電アクチュエータ5」と総称する。電極パッド16a,16bを特に区別しないときは、「電極パッド16」と総称する。
光偏向器1は、二次元スキャナとして、映像器や車両用ヘッドライト等に装備される。光偏向器1は、パッケージ内に収納されて、光偏向器1の電極パッド16とパッケージの端子とは、ボンディングワイヤ(図示せず)により接続されている。内側圧電アクチュエータ3及び外側圧電アクチュエータ5には、それらの圧電膜層に電極パッド16から印加電圧が供給される。
図示していない光源(例:レーザ光源)からの光(例:レーザ光)が、光偏向器1のミラー部2の中心oに入射する。
外側圧電アクチュエータ5は、電極パッド16からの駆動電圧により作動して、可動枠4を第1軸線Lxの回りに往復回動させる。
外側圧電アクチュエータ5の作動について詳説する。各外側圧電アクチュエータ5は、ミアンダ配列の複数のカンチレバー23から成る。ミアンダ配列を構成する各カンチレバー23は、外側圧電アクチュエータ5の作動時に、湾曲変形に伴い、両端を第1軸線Lxに対して平行な軸線の回りに回転する。こうして、外側圧電アクチュエータ5の作動時には、各カンチレバー23における基端側(固定枠6の方に結合する側)の回転量に対する先端側(可動枠4の方に結合する側)の回転量の差分が、外側圧電アクチュエータ5の全体で合計され、この合計された回転量で、可動枠4は第1軸線Lxの回りに回動する。
したがって、外側圧電アクチュエータ5における固定枠6との結合端側から可動枠4との結合端の方に順番にカンチレバー23に番号を付けると、奇数番のカンチレバー23と偶数番のカンチレバー23とは、印加電圧を逆位相にして、湾曲変形の向きが逆になるように設定される。
各外側圧電アクチュエータ5において、奇数番のカンチレバー23と偶数番のカンチレバー23とに、逆位相の電圧を印加するために、電極パッド16において、奇数番のカンチレバー23の上部電極に印加電圧を供給する電極パッドと偶数番のカンチレバー23の上部電極に印加電圧を供給する電極パッドとを別にしている。
外側圧電アクチュエータ5の駆動電圧の周波数は、例えば60Hzであり、ミラー部2の共振周波数(例:30kHz)よりはるかに低い。なお、共振周波数を考える際、トーションバー21の質量はミラー部2の質量に対して無視できる。
第1軸線Lxの回りの可動枠4の往復回動により、ミラー部2及び可動枠4は第1軸線Lxの回りに一体的に往復回動する。
内側圧電アクチュエータ3は、電極パッド16からの駆動電圧により作動して、トーションバー21を第2軸線Lyの回りに往復回動させる。内側圧電アクチュエータ3の作動について詳説する。内側圧電アクチュエータ3a,3bは、トーションバー21をその左右から駆動するので、トーションバー21を各時点で同一の回転方向に駆動するために、逆位相の駆動電圧を供給される。内側圧電アクチュエータ3による第2軸線Lyの回りのミラー部2の往復回動の周波数は、y軸の回りのミラー部2の共振周波数に整合される。
こうして、ミラー部2は、第2軸線Lyの回りに共振周波数で往復回動しつつ、第1軸線Lxの回りに非共振周波数で往復回動する。この結果、ミラー部2は、中心oを中心に左右には共振周波数で、上下には非共振周波数で首振りする。
光源(図示せず)から光偏向器1への入射光は、ミラー部2の中心oに入射する。そして、中心oの法線を間に挟んで反射角=入射角となる反射角で該法線の向きに応じた方向の反射光となって光偏向器1から出射する。
次に、図2を参照して、光偏向器1の製造方法について説明する。
STEP1では、基板40が用意される。基板40は、裏面側から表面側に順番にSi層41、SiO層42及びSi層43が配設される3層の積層構造を有している。なお、基板40は、実際には、表面及び裏面にSiOを形成してから次のSTEP2に移行するが、図2には、これらのSiOの図示を省略している。
STEP2では、Si層43における外側圧電アクチュエータ5の形成領域を表面側から所定量エッチングして、Si層43の表面に凹部51を形成する。これにより、Si層43における厚みは、凹部51が形成されている領域では、非凹部52の領域より薄くなる。
なお、非凹部52のSi層43の表面の領域は、すなわち厚みが維持される領域は、ミラー部2、内側圧電アクチュエータ3、可動枠4及び固定枠6の形成領域に対応する。
STEP3では、STEP2の終了時の製造板に対し、最初に、該製造版の表面側の全面に所定の成膜を行い、その後、所定のエッチングを行って、Si層43の表面上に圧電構造58,59を形成する。
所定の成膜では、圧電構造58,59の下側電極層、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)層、及び上側電極層に相当する下側導電膜、PZT膜、及び上側導電膜の3層を順番に形成する。所定のエッチングは、表面から3層の成膜部から所定の部分をエッチングにより取り除き、圧電構造58,59の側面輪郭を形成する。
圧電構造58,59は、それぞれ外側圧電アクチュエータ5及び内側圧電アクチュエータ3に対応する。圧電構造58,59は、共に、下側から順番に少なくとも下側電極層、PZT層、及び上側電極層の3層を含む積層構造から構成される。該PZT層は、圧電膜層として、両面の印加電圧に応じて面方向に伸縮してSi層43を厚み方向に変形させる。
STEP4では、STEP3の処理後の製造板に対し、裏側からSi層41及びSiO層42に対してエッチングを行う。これにより、圧電構造58及び圧電構造59の裏側範囲に裏側空間62が形成されるとともに、光偏向器1のミラー部2、内側圧電アクチュエータ3、可動枠4、外側圧電アクチュエータ5及び固定枠6の各素子の側面輪郭及び裏面輪郭が形成される。
図2のSTEP4では、ミラー部2、内側圧電アクチュエータ3及び可動枠4は、回動ブロック65として1つにまとめて図示している。圧電構造58は外側圧電アクチュエータ5のカンチレバー23の積層構造のうちの表面構造層を構成する。圧電構造59は内側圧電アクチュエータ3の積層構造のうちの表面構造層を構成する。裏側空間62は、光偏向器1がパッケージに収納されたときに、ミラー部2、内側圧電アクチュエータ3、可動枠4及び外側圧電アクチュエータ5の運動を許容させる空間となる。
完成状態の光偏向器1では、カンチレバー23のSi層43aの裏面は、回動ブロック65のSi層43bの裏面と光偏向器1の厚み方向に同一位置にある。Si層43aの表面は、Si層43bの表面より裏面側にある。カンチレバー23の圧電構造58と回動ブロック65の圧電構造59とは、等しい厚みでそれぞれSi層43a及びSi層43bの表面側に形成されている。
Si層43aの厚みはSi層43bの厚みより薄くされる。これにより、カンチレバー23の基板部としてのSi層43aが薄くなって、カンチレバー23の電圧印加時の変形量が増大し、回動ブロック65の最大回動角を増大させることができる。また、Si層43bが厚くなって、回動ブロック65の共振周波数を増大させることができる。
Si層43a及びSi層43bは、光偏向器1の厚み方向に裏面位置を揃えられつつ、表面位置を相違させている。これにより、Si層43aをSi層43bより薄くすることができる。この結果、光偏向器1の製造において、表面側のみの加工により外側圧電アクチュエータ5のSi層43aを回動ブロック65のSi層43bより薄くすることができるので、光偏向器1の製造が簡単となる。
Si層43bが厚いことにより、内側圧電アクチュエータ3は、回動ブロック65を高い共振周波数で第2軸線Lyの回りに往復回動させることができる。また、外側圧電アクチュエータ5は、そのSi層43aが薄いことにより、第1軸線Lxの回りの回動ブロック65の最大回動角を増大させることができる。
本発明は、実施形態に限定されることなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形例を含む。
例えば、光偏向器1は、ミラー部2を第1軸線Lx及び第2軸線Lyの各軸線の回りに往復回動させる二軸式となっている。本発明の光偏向器は、ミラー部2を第1軸線Lxのみの回りに往復回動する一軸式であってもよい。
ミラー部2、内側圧電アクチュエータ3、可動枠4及びトーションバー21は本発明の回動部に対応する。本発明を例えば一軸式の光偏向器に適用するときには、回動部は、ミラー部2さえ有すれば、ミラー部2以外の内側圧電アクチュエータ3、可動枠4及びトーションバー21の他の要素を省略することができる。
圧電構造58のPZT層及び圧電構造59のPZT層は、それぞれ本発明の第1圧電膜層及び第2圧電膜層に対応する。本発明の第1圧電膜層及び第2圧電膜層は、PZT層に限定されず、他の材料から成る圧電膜層であってもよい。
図2のSTEP1〜4に図示している製造途中の板は、STEP1〜4の処理を終了した後の製造板を示している。STEP2は、本発明の第1工程に相当し、STEP2の製造板は本発明の第1製造板に相当する。
STEP3における最初の成膜の工程は本発明の第2工程に相当し、該成膜を終了した時の製造板は本発明の第2製造板に相当する。STEP3における成膜後のエッチングの工程は本発明の第3工程に相当し、STEP3の製造板は本発明の第3製造板に相当する。STEP4は、本発明の第4工程に相当し、STEP4の製造板は本発明の第4製造板に相当する。
圧電構造58のSi層43a及び回動ブロック65のSi層43b(図2)は、それぞれ本発明の第1Si層及び第2Si層に相当する。本発明において、第1Si層を第2Si層より薄くするときは、Si層43aの表面側に凹部51を形成する以外に、Si層43aの裏面側における外側圧電アクチュエータ5の形成領域に凹部51を形成することもできる。ただし、その場合、上部輪郭が形成済みのカンチレバー23が裏面側の凹部51の形成時に、破損するのを防止する対策が必要になる。例えば、当て板が製造板の表面側に一時的に取り付けられ、光偏向器1の裏面側の加工終了後に、当て板を製造板の表面から分離すればいい。
実施形態の外側圧電アクチュエータ5及び内側圧電アクチュエータ3はそれぞれ本発明の第1圧電アクチュエータ及び第2圧電アクチュエータに相当する。本発明の第1圧電アクチュエータ及び第2圧電アクチュエータの相対位置関係は外側及び内側の関係に限定されない。所定方向の一方及び他方の相対位置関係であってもよい。
実施形態の外側圧電アクチュエータ5及び内側圧電アクチュエータ3はそれぞれ本発明の第1カンチレバー及び第2カンチレバーに相当する。本発明の第1カンチレバー及び第2カンチレバーは外側及び内側の相対位置関係に限定されない。所定方向の一方及び他方の相対位置関係であってもよい。
実施形態の固定枠6は、本発明において回動部を支持する固定支持部に相当する。本発明の固定支持部は、枠体でなくてもよい。
実施形態の可動枠4は、本発明の回動支持部に相当する。本発明の回動支持部は、枠体でなくてもよい。
実施形態の内側圧電アクチュエータ3は、ミラー部2と可動枠4との間に介在している。本発明の第2圧電アクチュエータは、ミラー部と回動支持部との間に介在していなくてもよい。ミラー部を第2軸線の回りに往復回動させる構造さえ有すればいい。
1・・・光偏向器、2・・・ミラー部(回動部)、3・・・内側圧電アクチュエータ(回動部、第2圧電アクチュエータ及び第2カンチレバー)、4・・・可動枠、5・・・外側圧電アクチュエータ(第1圧電アクチュエータ及び第1カンチレバー)、6・・・固定枠(固定支持部)、43・・・Si層、51・・・凹部、58,59・・・圧電構造(表面構造層)、65・・・回動ブロック(回動部)、Lx・・・第1軸線、Ly・・・第2軸線。

Claims (5)

  1. 光を反射するミラー部を含む回動部と、
    前記回動部を支持する固定支持部と、
    前記回動部を第1軸線の回りに往復回動させる第1圧電アクチュエータとを備え、
    前記第1圧電アクチュエータは、第1Si層と、前記光が入射する面側を表面側として、該第1Si層の表面側に積層されて、印加電圧に応じて面方向に伸縮して前記第1Si層を厚み方向に変形させる第1圧電膜層とを有する第1カンチレバーを備え、
    前記回動部は、第2Si層と、該第2Si層の表面側に積層される表面構造層とを備え、
    前記第1Si層は前記第2Si層より薄いことを特徴とする光偏向器。
  2. 請求項1記載の光偏向器において、
    前記回動部は、前記ミラー部を支持する回動支持部と、前記ミラー部と前記回動支持部との間に介在し、前記ミラー部を第2軸線の回りに往復回動させる第2圧電アクチュエータとを備え、
    前記第2圧電アクチュエータは、前記第2Si層と、第2圧電膜層を含む前記表面構造層とを有する第2カンチレバーを備え、
    前記第1Si層の裏面と前記第2Si層の裏面とは前記厚み方向に同一位置にあり、
    前記第1圧電膜層及び前記第2圧電膜層は、等しい厚みでそれぞれ前記第1Si層及び前記第2Si層の表面側に形成されていることを特徴とする光偏向器。
  3. 請求項2記載の光偏向器において、
    前記第2圧電アクチュエータは、前記第2軸線の回りに前記ミラー部をその共振周波数で往復回動させ、
    前記第1圧電アクチュエータは、前記第1軸線の回りに前記回動部をその非共振周波数で往復回動させることを特徴とする光偏向器。
  4. 光を反射するミラー部を含む回動部と、
    前記ミラー部を支持する固定支持部と、
    前記回動部を第1軸線の回りに往復回動させる第1圧電アクチュエータとを備える光偏向器の製造方法において、
    表面側から裏面側の方へ順番に表面Si層、SiO層及び裏面Si層を有するSOI基板に対し、表面側より前記表面Si層の前記第1圧電アクチュエータの形成領域を所定量、エッチングする第1工程と、
    前記第1工程により製造された第1製造板に対し、その表面側の全面に圧電膜を成膜する第2工程と、
    前記第2工程により製造された第2製造板に対し、表面側から前記圧電膜をエッチングすることにより前記第1圧電アクチュエータの圧電構造を形成する第3工程と、
    前記第3工程により製造された第3製造板に対し、裏面側からの前記裏面Si層及び前記SiO層のエッチングより前記回動部、前記第1圧電アクチュエータ及び前記固定支持部の側面輪郭及び裏面輪郭を形成する第4工程とを備えることを特徴とする製造方法。
  5. 請求項4記載の製造方法において、
    前記回動部は、前記ミラー部を支持する回動支持部と、前記ミラー部と前記回動支持部との間に介在し、前記ミラー部を第2軸線の回りに往復回動させる第2圧電アクチュエータとを備え、
    前記第3工程において、前記第2製造板に対し、表面側から前記圧電膜をエッチングすることにより前記第1圧電アクチュエータの圧電構造と前記第2圧電アクチュエータの圧電構造とを形成することを特徴とする製造方法。
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