JP2016219595A - 配線基板および電子装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 接続導体の電気伝導性を長期にわたって維持することが容易な配線基板等を提供すること。【解決手段】 リード端子7が挿入される接続穴2を含む主面を有する絶縁基板1と、接続穴2の内側面に設けられた接続導体3とを備えており、接続導体3は、接続穴2の長さ方向の一部において接続穴2の内側面側に凸部3aを有しているとともに、その凸部3aを有する部分において他の部分よりも厚みが大きい配線基板5である。凸部3aによって、接続導体3の厚みが薄くなり過ぎることが抑制され、接続導体3の電気伝導性を長期にわたって維持することができる。【選択図】 図3
Description
本発明は、絶縁基板の主面に接続穴を有し、この接続穴の内側面に接続導体が設けられた配線基板および電子装置に関するものである。
半導体素子および容量素子等の電子部品が搭載される配線基板として、セラミック焼結体からなる複数の絶縁層が積層されて形成された絶縁基板と、絶縁基板に設けられた配線導体とを有するものが知られている。絶縁基板の主面に電子部品が搭載され、電子部品の電極がはんだ等の導電性接続材を介して配線導体と電気的に接続されて電子装置が形成される。電子装置は、各種の電子機器に部品として実装されて使用される。
近年、配線基板に搭載される電子部品として、本体の主面に外部接続用のリード端子を有するタイプのものが用いられるようになってきている。このような電子部品の場合には、例えばリード端子が配線基板の配線導体のうち所定の接続部位に押し当てられて、電子部品と配線基板とが互いに電気的に接続される。この場合、配線基板について、絶縁基板の主面にリード端子が挿入される接続穴が設けられる場合がある。例えば、接続穴の内側面に配線導体と電気的に接続された接続導体が設けられ、この接続穴に挿入されるリード端子が接続導体に直接に接続される。
上記従来の技術においては、接続導体の電気伝導性を長期にわたって維持することが難しいという問題点があった。すなわち、リード端子と接続導体とが互いに接触しているときに、電子装置が実装された電子機器の振動等のために接続導体が摩耗して厚みが減少しやすい。そのため、接続導体における導通抵抗の増大、さらに断線を生じる可能性があった。また、接続導体の摩耗は、電子装置の用途等に応じて、リード端子の接続穴への挿入および取り出しが繰り返されるようなときにも生じる。
本発明の一つの態様の配線基板は、リード端子が挿入される接続穴を含む主面を有する絶縁基板と、前記接続穴の内側面に設けられた接続導体とを備えており、前記接続導体は、前記接続穴の長さ方向の一部において該接続穴の前記内側面側に凸状の部分を有しているとともに、該凸部を有する部分において他の部分よりも厚みが大きい。
本発明の一つの態様の電子装置は、上記構成の配線基板と、該配線基板の前記主面に対向する対向主面を有する本体と、該本体の前記対向主面に配置されたリード端子とを含んでおり、前記接続穴に前記リード端子が挿入されて前記配線基板に実装された電子部品とを有している。
本発明の一つの態様の配線基板によれば、上記構成を有していることから、接続導体のうち長さ方向の一部において摩耗が生じたとしても、比較的厚みが大きい凸部を有する部分によって、接続導体の厚みを確保することができる。そのため、接続導体における導通
抵抗の増加等を抑制することができる。したがって、接続導体の電気伝導性を長期にわたって維持することが容易な配線基板を提供することができる。
抵抗の増加等を抑制することができる。したがって、接続導体の電気伝導性を長期にわたって維持することが容易な配線基板を提供することができる。
本発明の一つの態様の電子装置によれば、上記構成の配線基板に電子部品が搭載されてなることから、配線基板の接続導体における電気伝導性の長期信頼性が高い電子装置を提供することができる。
本発明の実施形態の配線基板および電子装置を、添付の図面を参照して説明する。図1(a)は本発明の実施形態の配線基板を示す平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線における断面図である。また、図2は本発明の実施形態の電子装置を示す分解斜視図である。また、図3(a)および(b)は、それぞれ図2に示す電子装置における要部を拡大して示す断面図である。なお、以下の説明における上下の区別は便宜的なものであり、実際に配線基板等が使用されるときの上下を限定するものではない。
主面(図1の例では下面)に接続穴2を有する絶縁基板1と、接続穴2の内側面に設けられた接続導体3と、絶縁基板1の主面および主面と反対側の主面(反対主面)(図1の例では上面)に設けられた配線導体4とによって配線基板5が基本的に形成されている。
また、本体6および本体6の下面に設けられたリード端子7を有する電子部品8が配線基板5に搭載されて電子装置9が基本的に形成されている。形成された電子装置9において、接続穴2の内側面に設けられた接続導体3とリード端子7とが直接に接続されている。接続導体3は、例えば、絶縁基板1の内部を通って接続導体3まで延在した配線導体4の一部と電気的に接続されている。接続導体3を介してリード端子7と配線導体4とが互いに電気的に接続され、配線導体4を介してリード端子7が外部電気回路と電気的に接続される。また、接続導体3の一部が接続穴2内から絶縁基板1の反対主面等の外表面に延在して露出し、この接続導体3の露出部分が外部電気回路に直接に接続されても構わない。この場合にも、リード端子7(電子部品8)と外部電気回路との電気的な接続が可能である。なお、図2では、わかりやすくするために電子部品8の下面を上向きにして示している。本体6の下面は、絶縁基板1の主面に対向して配置される対向主面である。
絶縁基板1は、例えば電子部品8の固定用のものである。絶縁基板1は、例えば長方形状等の四角形板状であり、その主面または反対主面等に電子部品8が搭載される。また、絶縁基板1は、電子部品8を外部電気回路(図示せず)に電気的に接続するための接続導体3および配線導体4等の導体を、互いに電気的に絶縁させて配置するためのものでもある。
絶縁基板1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体またはガラスセラミック焼結体等のセラミック焼結体によって形成されている。絶縁基板1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、次のようにして製作することができる。すなわち、まず酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素等の原料粉
末を適当な有機バインダおよび有機溶剤とともにシート状に成形して四角シート状のセラミックグリーンシートを作製する。その後、このセラミックグリーンシートを1300〜1600℃の温度で焼成することによって絶縁基板1を製作することができる。また、絶縁基板1は、上記のようなセラミックグリーンシートを複数枚積層して積層体を作製し、その積層体を焼成することによって製作してもよい。
末を適当な有機バインダおよび有機溶剤とともにシート状に成形して四角シート状のセラミックグリーンシートを作製する。その後、このセラミックグリーンシートを1300〜1600℃の温度で焼成することによって絶縁基板1を製作することができる。また、絶縁基板1は、上記のようなセラミックグリーンシートを複数枚積層して積層体を作製し、その積層体を焼成することによって製作してもよい。
接続穴2は、例えば、絶縁基板1となるセラミックグリーンシートの所定位置に機械的な研削加工または打ち抜き加工等で接続穴2となる穴部分を設けておくことによって形成することができる。この穴部分は、後述する接続穴2の形態に応じて、セラミックグリーンシートを厚さ方向に貫通しているもの(貫通孔)であってもよく、貫通していないものであってもよい。また、複数のセラミックグリーンシートの積層体を厚さ方向に貫通しているものであってもよく、貫通していないものであってもよい。
電子部品8としては、例えば、ICやLSI等の半導体集積回路素子、およびLED(発光ダイオード)やPD(フォトダイオード)、CCD(電荷結合素子)等の光半導体素子、半導体基板の表面に微小な電子機械機構が形成されてなるマイクロマシン(いわゆるMEMS素子)等の種々の電子素子が挙げられる。この電子素子としては、例えば加速度センサまたは圧力センサ等のセンサ素子も含まれる。また、電子部品8は、圧電素子や容量素子、抵抗器等であってもよい。また、電子部品8は、上記のような素子を複数個含む複合部品であってもよい。
図1および図2の例における電子部品8は上記の複合部品の例である。それぞれの電子部品8の機能または用途等に応じて適宜選択された絶縁材料(高誘電率材料を含む)または半導体材料等からなる本体6に電気回路(符号なし)が設けられ、この電気回路の所定部位に上記のような各種の素子(図示せず)が電気的に接続されている。この形態の電子部品8の場合には、各種の用途に対応した種々の素子が本体6に実装されてなるため、高機能化および高密度化等が容易である。絶縁材料としては、セラミック焼結体材料、有機樹脂材料、フェライト材料、チタン酸バリウム等の高誘電率材料またはシリコン等の半導体材料等が挙げられる。また、本体6を形成する絶縁材料は、これらの材料が複数種類組み合わされたものでもよい。
上記形態の電子部品8の例としては、例えば加速度センサ装置用のセンサモジュールが挙げられる。この場合の素子は、センサ素子、半導体集積回路素子、容量素子、インダクタ素子および抵抗器等が挙げられる。例えばこれらの複数の素子が互いに電気的に接続されて、加速度等の物理量を検知する一つの電子部品8が形成されている。
電子部品8のリード端子7は、例えば鉄−ニッケル−コバルト合金、鉄−ニッケル合金、銅を主成分とする合金または銅等の金属材料によって形成されている。リード端子7は、例えば上記の金属材料に圧延や切断等の各種の金属加工を施すことによって作製することができる。
また、リード端子7と本体6との接合は、例えば、はんだまたは銀ろう等のろう材によって行なわれている。本体6が絶縁材料等の非金属材料からなる場合には、ろう付け用の下地金属層(符号なし)が本体6の対向主面等に形成されていてもよい。下地金属層は、例えばタングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、パラジウム、金、白金、ニッケルまたはコバルト等の金属材料、またはこれらの金属材料を含む合金材料等によって形成されている。この金属材料または合金材料は、例えばメタライズ法、めっき法または蒸着法等の種々の形成方法によって形成されている。
例えば図1および図2に示すように、絶縁基板1は、四角形状の主面を有している。こ
の主面は、四角形状に限らず、六角形状または八角形状等の他の多角形状であっても構わない。この主面の角部等に接続穴2が設けられている。接続穴2は、電子部品8のリード端子7の接続用の部分である。接続穴2にリード端子7が挿入されて、電子部品8が配線基板5に固定される。例えば図2に示す電子部品8は、リード端子7が配線基板5の接続穴2の位置に対向するように上下ひっくり返されて配線基板5に搭載される。このときに、リード端子7が接続穴2内にある程度の力で押し込まれて、挿入される。
の主面は、四角形状に限らず、六角形状または八角形状等の他の多角形状であっても構わない。この主面の角部等に接続穴2が設けられている。接続穴2は、電子部品8のリード端子7の接続用の部分である。接続穴2にリード端子7が挿入されて、電子部品8が配線基板5に固定される。例えば図2に示す電子部品8は、リード端子7が配線基板5の接続穴2の位置に対向するように上下ひっくり返されて配線基板5に搭載される。このときに、リード端子7が接続穴2内にある程度の力で押し込まれて、挿入される。
このときに、例えば図3(a)および(b)に示すように、リード端子7の先端をバネ性(弾性)で外側に開くようにしておくと、接続穴2の内側面により強くリード端子7が押し当てられて、電子部品8の固定の強度が向上する。これによって、半田付けすることなしにリード端子7と接続導体3との間で導通をとることもできる。
なお、図3は図2に示す電子装置9の要部(接続穴2とリード端子7との接続部分)を拡大して示す断面図である。このうち図3(a)はリード端子7が接続穴2内に挿入される前の状態を示し、図3(b)は接続穴2内にリード端子7が挿入された状態を示している。接続穴2内においてリード端子7の側面が接続導体3の露出表面に押し当てられて、互いに直接に接続される。これにより、電子部品8と配線基板5とが互いに電気的に接続される。なお、図3において図1と同様の部位には同様の符号を付している。
先端にバネ性を有するリード端子7は、例えば図3の例では金属線材の先端部を環状(より詳しくは楕円環状)に加工したものが挙げられている。また、金属線材の先端部を折り曲げたり、らせん状にしたりする加工を施したもの(図示せず)で、先端部にバネ性を有するリード端子7が形成されていてもよい。
接続穴2の深さは、リード端子7の挿入による電子部品8の配線基板5に対する固定が可能な範囲で、適宜設定されている。また、接続穴2は、絶縁基板1を厚さ方向に貫通しているものであってもよい。すなわち、複数の接続穴2が底部を有していないものであってもよい。この場合には、リード端子7の長さに対して接続穴2の深さを十分に深くすることが容易である。
また、この場合に、例えばリード端子7の長さが接続穴2の深さ(つまり絶縁基板1の厚さ)よりも大きいときに、絶縁基板1のうち電子部品8が搭載される主面と反対側の主面(反対主面)にリード端子7の先端部分が突出した電子装置9を形成することもできる。例えば、他の主面側に突出したリード端子7の先端部分を電子装置9の外部接続用の導体の一部等として利用することもできる。
上記のように、接続導体3および配線導体4は、接続穴2に挿入されるリード端子7を外部電気回路に電気的に接続するための導電路である。接続導体3の露出表面がリード端子7の側面と直接に接続され、接続導体3の一部、または接続導体3と電気的に接続された配線導体4の一部が外部電気回路と電気的に接続されることによって、リード端子7と外部電気回路とが互いに電気的に接続される。
接続導体3および配線導体4は、例えば、タングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、パラジウム、金、白金、ニッケルまたはコバルト等の金属材料によって形成されている。また、接続導体3は、これらの金属材料(タングステン等)を含む合金材料等によって形成されていてもよい。このような金属材料は、メタライズ層またはめっき層等の金属層として、接続穴2の内側面に設けられている。この金属層は、1層でもよく、複数層でもよい。また、互いに異なる方法で形成されたものであってもよい。
接続導体3および配線導体4は、例えば、タングステンのメタライズ層である場合には
、タングステンの粉末を有機溶剤および有機バインダと混合して作製した金属ペーストを絶縁基板1となるセラミックグリーンシートの所定部位にスクリーン印刷法等の方法で印刷して焼成する方法で形成することができる。また、このメタライズ層の露出表面に、電気めっき法または無電解めっき法等のめっき法でニッケルおよび金等のめっき層をさらに被着させてもよい。
、タングステンの粉末を有機溶剤および有機バインダと混合して作製した金属ペーストを絶縁基板1となるセラミックグリーンシートの所定部位にスクリーン印刷法等の方法で印刷して焼成する方法で形成することができる。また、このメタライズ層の露出表面に、電気めっき法または無電解めっき法等のめっき法でニッケルおよび金等のめっき層をさらに被着させてもよい。
例えば図3に示すように、接続穴2の内側面部分で接続導体3とリード端子7とが互いに電気的に接続される。この場合、例えば配線導体4のうち絶縁基板1の内部に延長されて設けられた部分(図3では図示せず)の一端部が接続導体3の内側面(絶縁基板1側の表面)に直接に接続されて、接続導体3と配線導体4とが互いに電気的に接続される。この場合の配線導体4は、絶縁基板1の内部を通って絶縁基板1の主面および反対主面に電気的に導出されている。配線導体4のうち絶縁基板1の主面または反対主面に設けられた部分が外部電気回路と電気的に接続される。配線導体4と外部電気回路との電気的な接続は、例えば、はんだまたは導電性接着剤等の導電性接続材(図示せず)によって両者が互いに接合されることによって行なわれる。また、配線導体4と外部電気回路との電気的な接続は、リード線またはリードピン等の他の導電性接続用部材(図示せず)を介して行なわれてもよい。
接続導体3は、接続穴2の長さ方向の一部において接続穴2の内側面側に凸部3aを有している。また、接続導体3は、この凸部3aを有する部分(凸部3aが設けられた部分)において他の部分よりも厚みが大きい。接続導体3の厚みとは、接続導体3の露出した内側面と絶縁基板1側の外側面との間の距離であり、言い換えれば接続導体3の長さ方向に直交する断面(横断面)における内周と外周との間の距離である。なお、凸部3aが設けられた部分における接続導体3の厚みを図3に「厚み」として示している。
実施形態の配線基板5によれば、上記構成を有していることから、接続導体3のうち長さ方向の一部において摩耗が生じたとしても、比較的厚みが大きい凸部3aを有する部分によって、接続導体3の厚みを確保することができる。そのため、接続導体3における導通抵抗の増加等を抑制することができる。したがって、接続導体3の電気伝導性を長期にわたって維持することが容易な配線基板5を提供することができる。
この場合、接続導体3のうち凸部3aを有する部分は、ちょうどリード端子7が直接に接続される部分およびその周辺であってもよい。図3の例では、接続穴2のうちリード端子7が挿入される側である絶縁基板1の主面側の開口近くにおいて接続穴2の内側面に段差(符号なし)が設けられている。また、段差のすぐ上(接続穴2の奥側)において接続導体3に凸部3aが設けられている。このような構造にしておけば、段差で、接続穴2内に挿入されたリード端子7の位置がある程度固定されるため、段差のすぐ上、つまり接続導体3が凸部3aを有する部分でリード端子7が接続導体3に接続されやすい。そのため、凸部3aによる、接続導体3の導通抵抗の増加の抑制効果をより確実に得ることができる。
なお、リード端子7のバネ性を有する先端が図3の例のような環状等の場合には、接続導体3のうち、その長さ方向の中央部でリード端子7の接続が行なわれるため、接続導体3の長さ方向の中央部に凸部3aが設けられていてもよい。
凸部3aを有する部分における接続導体3の厚みは、接続導体3の厚み、配線基板5および電子装置9の用途(リード端子7の接続穴2内への挿入による接続導体3との接続の繰り返しの頻度等)、リード端子7の材料(硬度)およびそのバネ性の強さ等の種々の条件に応じて適宜設定される。例えば、接続導体3の厚み(凸部3a以外)が約5〜20μm
であり、リード端子7が鉄−ニッケル−コバルト合金または銅合金からなり、バネ性が図
3に示すような環状の形状によって付与されたものである場合には、凸部3aを有する部分における接続導体3の厚みは約10〜40μm程度(凸部3a自体の厚みとして約5〜20μ
m程度)に設定されていればよい。この場合、接続導体3のうち凸部3aを有する部分における厚みは、例えば、それ以外の部分における厚みの約2倍に設定される。
であり、リード端子7が鉄−ニッケル−コバルト合金または銅合金からなり、バネ性が図
3に示すような環状の形状によって付与されたものである場合には、凸部3aを有する部分における接続導体3の厚みは約10〜40μm程度(凸部3a自体の厚みとして約5〜20μ
m程度)に設定されていればよい。この場合、接続導体3のうち凸部3aを有する部分における厚みは、例えば、それ以外の部分における厚みの約2倍に設定される。
凸部3aは、例えば接続穴2の内側面に凹部2aを設けておいて、この凹部2a内にも接続導体3となる金属ペーストが入り込むようにして、接続導体3となる金属ペーストの貫通孔内側面への印刷を行ない、焼成することによって行なうことができる。
なお、接続導体3について、その一部のみが凸部3aとなっているため、この凸部3aが接続穴2の内側面(絶縁基板1内)に食い込んだ形になっている。そのため、接続導体3と絶縁基板1との接合についてアンカー効果を得ることもでき、接続導体3と絶縁基板1との接合の強度がさらに向上している。
また、例えば図3の例では、接続導体3のうち凸部3a以外の部分、つまり厚みが比較的小さい部分は接続導体3の長さ方向の両端部(図3における上下端部)に設定されている。この場合、バネ性を有するリード端子7が主に接続導体3の長さ方向の中央部で接続導体3に接続され、この中央部では接続導体3について摩耗しやすい傾向があるが、逆に上下端部では摩耗しにくい。そのため、接続導体3のうち厚みが比較的小さい部分でも、接続導体3の摩耗に起因した導通抵抗の増加が生じにくい。したがって、このような構成も、接続導体3の電気伝導性を長期にわたって維持する上で有効に機能している。
また、この場合には、接続導体3のうち絶縁基板1の反対主面側の端部(上端部)、つまり配線導体4との接続部分にはリード端子7との接続による摩耗が生じにくいため、接続導体3と配線導体4との電気的な接続の信頼性を長期にわたって確保することもできる。そのため、電子部品搭載用の配線基板5としての信頼性がさらに高められている。
また、この配線基板5に電子部品8が搭載されたときに、その電子部品8と外部電気回路との電気的な接続の長期信頼性を高める上で有効な電子装置9を提供することができる。
図3に示す例において接続導体3の凸部3aが、接続穴2の内側面に設けられた凹部2a内に収まっている。言い換えれば、凸部3aと同じ大きさおよび形状を有する凹部2a内に接続導体3の一部である凸部3aがちょうど充填されている。
この場合には、例えば配線基板5としての生産性の点で有利である。すなわち、接続導体3となる金属ペーストの印刷を行なう際に、同時に凹部2a内に金属ペーストの充填も行なって凸部3aを形成することができる。そのため、凸部3aを有する接続導体3の形成が容易であり、配線基板5としての生産性が高い。
また、ちょうど凹部2a内に凸部3aがはまり込んだ構造であるため、上記のように、凸部3aによる接続導体3と絶縁基板1との間のアンカー効果をより確実に、効果的に得ることができる。
また図3に示すように、この実施形態では、絶縁基板1が、互いに積層された複数の絶縁層11を含んでいる。接続穴2は、絶縁基板1の主面から複数の絶縁層11を連続して厚み方向に貫通しているとともに、複数の絶縁層11のうち一部の絶縁層11(接続導体3が設けられた4つの絶縁層11のうち中央の2つの絶縁層11)において他の絶縁層11よりも径が大きい貫通孔によって形成されている。この、貫通孔の径が大きい2つの絶縁層11において凹部2aが設けられている。
このような場合には、貫通孔のサイズ(直径等)を調整するだけで、接続穴2の内側面に凹部2aを設けることができる。この凹部2aにおいて、上記のように容易に、接続導体3の凸部3aを設けることができる。したがって、この場合には、配線基板5としての生産性の点でより一層有利である。
図4は、図3の変形例を示す断面図である。図4において図3と同様の部位には同様の符号を付している。図4に示す例では、絶縁基板1の内部にも配線導体4の一部が設けられ、この配線導体4の端部が、接続導体3のうち凸部3aに直接に接続されている。言い換えれば、接続導体3のうち比較的厚みが厚い、凸部3aが設けられた部分において配線導体4が接続導体3と接続されている。
絶縁基板1の内部に設けられた配線導体4は、例えば絶縁層11を厚み方向に貫通する貫通導体(図示せず)等によって絶縁基板1の主面または反対主面等の外表面に電気的に導出させることができる。
この場合には、配線導体4と接続導体3との接続信頼性をさらに高くすることができる。また、接続導体3と配線導体4との接続面積がより大きくなるため、両者間の接続の電気的抵抗をさらに低減することもできる。
なお、配線導体4の接続導体3に対する接続について、絶縁基板1の反対主面および内部の両方で行なうようにしても、接続の信頼性の向上および電気抵抗の低減の効果をさらに高めるようにしても構わない。
図5は、図3の他の変形例を示す断面図である。図5において図3と同様の部位には同様の符号を付している。図5に示す例では、凸部3aの先端部分が段状になっている。この場合には、凸部3aの先端と接続穴2の内側面(凹部2a内面)との接合面が段状になり、凸部3aに加わる熱応力(接続導体3と絶縁基板1との間の熱応力)が段状の接合面に沿って分散されやすくなる。そのため、凸部3aを含む接続導体3と絶縁基板1との接合の強度をさらに高くする上で有効である。
また、図5の例では、凸部3aが設けられた部分の一部で、接続導体3の露出した側面が接続穴2内に突出している。これは、接続穴2の内側面に比べて凸部3aの体積が大きく、この体積差に応じて凸部3aの一部が逆方向に、つまり接続穴2の内側に突出した形態とみなすこともできる。この突出した部分は、リード端子7の接続導体3に対する接続位置を所定の位置に合わせるためのストッパーとして利用することもできる。
また、実施形態の電子装置9は、前述したように、上記構成の配線基板5と、配線基板5に搭載されて電子部品8とを含んで形成されている。電子部品8は、上記のように、絶縁基板1の主面に対向する対向主面を有する本体6と、本体6の対向主面に配置されたリード端子7とを有している。接続穴2にリード端子7が挿入されて配線基板5と電子部品8とが互いに電気的に接続されている。
この電子装置9についても、上記構成の配線基板5を含んでいることから、接続導体3の摩耗にかかわらず接続導体3の厚みを確保することが容易であり、接続導体3における導通抵抗の増加等を抑制することができる。したがって、接続導体3の電気伝導性を長期にわたって維持することが容易な電子装置9を提供することができる。
1・・・絶縁基板
2・・・接続穴
2a・・・凹部
3・・・接続導体
3a・・・凸部
4・・・配線導体
5・・・配線基板
6・・・本体
7・・・リード端子
8・・・電子部品
9・・・電子装置
11・・・絶縁層
2・・・接続穴
2a・・・凹部
3・・・接続導体
3a・・・凸部
4・・・配線導体
5・・・配線基板
6・・・本体
7・・・リード端子
8・・・電子部品
9・・・電子装置
11・・・絶縁層
Claims (4)
- リード端子が挿入される接続穴を含む主面を有する絶縁基板と、
前記接続穴の内側面に設けられた接続導体とを備えており、
前記接続導体は、前記接続穴の長さ方向の一部において該接続穴の前記内側面側に凸部を有しているとともに、該凸部を有する部分において他の部分よりも厚みが大きいことを特徴とする配線基板。 - 前記接続導体の前記凸部が、前記貫通孔の前記内側面に設けられた凹部内に収まっていることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
- 前記絶縁基板が、互いに積層された複数の絶縁層を含んでおり、
前記接続穴が、前記絶縁基板の前記主面から前記複数の絶縁層を連続して厚み方向に貫通しているとともに、前記複数の絶縁層のうち一部の絶縁層において他の絶縁層よりも径が大きい貫通孔によって形成されており、
該貫通孔の前記径が大きい前記絶縁層において前記凹部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の配線基板。 - 請求項1に記載の配線基板と、
該配線基板の前記主面に対向する対向主面を有する本体と、該本体の前記対向主面に配置されたリード端子とを含んでおり、前記接続穴に前記リード端子が挿入されて前記配線基板に実装された電子部品とを備えていることを特徴とする電子装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015102948A JP2016219595A (ja) | 2015-05-20 | 2015-05-20 | 配線基板および電子装置 |
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