JP2016219244A - 有機elデバイス、及び、有機elデバイスの製造方法 - Google Patents

有機elデバイス、及び、有機elデバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来に比して、有機EL素子の特性劣化を抑制し、有機EL素子の寿命を長くすることが可能な、可撓性を有する有機ELデバイスを提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る有機ELデバイス1は、可撓性の有機EL素子20を封止部材40によって封止した可撓性の有機ELデバイスであって、可撓性の支持基板10と、支持基板10の一方の主面10a側に積層された第1の電極層21と、有機EL材料を含む発光層22と、第2の電極層23とを少なくとも有する有機EL素子20と、封止部材40の内部において支持基板10の他方の主面10b側に配置され、ガス成分を捕獲するゲッター部材30とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、可撓性を有する有機ELデバイス、及び、可撓性を有する有機ELデバイスの製造方法に関する。
可撓性を有する有機EL(Electro Luminescence)デバイス(フレキシブル有機ELデバイス、フィルム状の有機ELデバイス)として、可撓性を有する支持基板(例えば、プラスチックフィルム)上に、少なくとも第1の電極層と、有機EL材料を含む発光層と、第2の電極層とが順に積層された有機EL素子を備えるものが知られている。特許文献1には、この種の有機ELデバイスが開示されている。
特許文献1には、有機EL素子が、特に水分や酸素等の不純物を嫌う特性を有し、水分環境に暴露されると劣化して、その結果、有機EL素子の寿命が短くなるという問題が記載されている。この問題に対して、特許文献1に記載の有機ELデバイスは、ガスバリアフィルムを用いて有機EL素子を封止して水分や酸素等のアタックを防止する。
国際公開第2011/114860号
ところで、可撓性を有する支持基板は、有機EL素子の製造工程において加熱乾燥処理が施され、支持基板の水分除去が行われる。しかしながら、加熱乾燥処理が施されても、支持基板の水分が完全に除去されるわけではない。その結果、封止の内側における支持基板に残存する水分が有機EL素子に侵入し、有機EL素子の特性が劣化し、有機EL素子の寿命が短くしてしまう。
なお、可撓性の支持基板として、有機EL素子側の面に水分バリア層を有するものがある。しかしながら、可撓性の支持基板に形成される水分バリア層は、水分を完全に阻止できるものではない。
そこで、本発明は、従来に比して、有機EL素子の特性劣化を抑制し、有機EL素子の寿命を長くすることが可能な、可撓性を有する有機ELデバイス、及び、可撓性を有する有機ELデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の有機ELデバイスは、可撓性の有機EL素子を封止部材によって封止した可撓性の有機ELデバイスであって、可撓性の支持基板と、支持基板の一方の主面側に積層された第1の電極層と、有機EL材料を含む発光層と、第2の電極層とを少なくとも有する有機EL素子と、封止部材の内部において支持基板の他方の主面側に配置され、ガス成分を捕獲するゲッター部材とを備える。ここで、ガス成分とは、有機EL素子の特性及び寿命に影響を与える水分や酸素等を含む。
また、本発明の有機ELデバイスの製造方法は、可撓性の有機EL素子を封止部材によって封止した可撓性の有機ELデバイスの製造方法であって、ロールツーロール方式を用いて、可撓性の支持基板の一方の主面側に少なくとも第1の電極層と、有機EL材料を含む発光層と、第2の電極層とを積層して有機EL素子を形成する工程と、支持基板の他方の主面側に、ガス成分を捕獲するゲッター部材を貼合する工程と、支持基板と、有機EL素子と、ゲッター部材とを封止部材によって封止する工程とを含む。
この有機ELデバイス、及び、有機ELデバイスの製造方法によれば、ゲッター部材によって、封止部材の内部で発生するガス成分、特に、支持基板から発生するガス成分を、支持基板の他方の主面側、すなわち支持基板の有機EL素子側と反対側において捕獲することにより、支持基板に残存する水分が有機EL素子に侵入することを抑制することができる。したがって、有機EL素子の特性劣化を抑制することができ(換言すれば、信頼性に優れ)、寿命(保管寿命)を長くすることができる。
ところで、可撓性を有する支持基板を用いてこの支持基板上に有機EL素子を形成する方法として、ロールツーロール方式が知られている。このロールツーロール方式によれば、有機EL素子の生産性を向上することができる。
上記した問題点、すなわち、封止の内側における支持基板に残存する水分が有機EL素子に侵入し、有機EL素子の特性が劣化し、有機EL素子の寿命が短くしてしまう問題点に関し、封止のためのガスバリアフィルム上に直接に有機EL素子を形成することが考えられる。しかしながら、この種の高いバリア特性を有するガスバリアフィルムでは、通常のロールツーロール方式による有機EL素子形成プロセスにおいて、バリアにダメージが生じてしまう。この問題点を回避するためにはロールツーロール方式のロール部とバリア層表面が直接接しない機構、或いは接してもバリア層を破壊しないような特殊なロールを用いる必要があり、生産性が低下してしまう。
しかしながら、この有機ELデバイスによれば、有機EL素子の形成において、ガスバリアフィルムを支持基板として用いてロールツーロール方式を採用し、バリア層がダメージを受けたとしても、支持基板に内在するガス成分をゲッター部材が吸収し、有機EL素子の特性劣化を抑制することができるので、生産性を低下させることがないという利点をも有する。
上記した支持基板における一方の主面側は、ガス成分に対してバリア機能を有していてもよい。これによれば、支持基板に残存する水分が有機EL素子に侵入することをより抑制することができる。なお、支持基板における一方の主面側がガスバリア機能を有していても、支持基板の他方の主面側に配置されたゲッター部材によって、支持基板から発生するガス成分を捕獲することができる。
また、上記したゲッター部材は、支持基板の端部の少なくとも一部を覆っていてもよい。これによれば、支持基板に残存する水分が有機EL素子に侵入することをより抑制することができる。
また、上記した封止部材は、ゲッター部材の端部の少なくとも一部を覆っていてもよい。これによれば、支持基板に残存する水分が有機EL素子に侵入することをより抑制することができる。
また、上記した支持基板及びゲッター部材は光透過性を有し、ゲッター部材の可視光の全光線透過率が50%以上であってもよい。これによれば、所謂ボトムエミッション型有機ELデバイスであっても、支持基板に残存する水分が有機EL素子に侵入することを抑制することができる。
また、上記したガス成分は水分であってもよい。
また、上記したゲッター部材の光屈折率と上記した支持基板の光屈折率との差は、0.2以下であってもよい。これによれば、支持基板の光屈折率をn1としゲッター部材の屈折率をn2とおくと、n1<n2の場合は支持基板からゲッター部材への光の全反射が強くなり支持基板上の有機EL層から大気への光取り出し効率が減少する。しかし、n1<n2の場合であってもn1とn2の差が小さければ、大気への光取り出し効率減少を防ぐことができる。
本発明によれば、可撓性を有する有機ELデバイスにおいて、従来に比して、有機EL素子の特性劣化を抑制し、有機EL素子の寿命を長くすることができる。
本発明の一実施形態に係る有機ELデバイスの断面図である。 検証のための(a)実施サンプル及び(b)比較サンプルの断面図である。 検証結果を示す図である。 比較例に係る有機ELデバイスの断面図である。 (a)(c)比較例及び(b)(d)実施例の検証結果を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
図1は、本発明の一実施形態に係る有機ELデバイスの断面図である。図1に示す有機ELデバイス1は、支持基板10と、有機EL素子20と、ゲッター部材30と、封止部材40と、引き出し配線50とを備える。この一例の有機ELデバイス1は、封止部材40における封止基材41側を発光面とする。
支持基板10は、PEN(Polyethylene Naphthalate)、PET(Polyethylene Terephthalate)、ポリイミド等の光透過性を有する材料からなり、フィルム状の基板(フレキシブル基板、可撓性を有する基板)である。支持基板10の一方の主面10a側には、有機EL素子20が形成されており、支持基板10の他方の主面10b側には、ゲッター部材30が設けられている。支持基板10の一方の主面10a側、すなわち支持基板10の有機EL素子20側は、水分バリア機能を有していてもよい。また、支持基板10の有機EL素子20側は、水分バリア機能層(バリア層)が積層してあってもよい。なお、支持基板10は水分バリア機能を有していなくともよい。
有機EL素子20は、陽極層(第1の電極層)21と、発光層22と、陰極層(第2の電極層)23とを有する。陽極層21、発光層22、陰極層23は、支持基板10の一方の主面10a側に順に積層されている。
陽極層21は、光透過性を示す電極であり、例えば、陽極層21としては、ITO(Tin-dopedIndium Oxide)、IZO(indium zinc oxide)等の比較的透明な材料からなる導電性金属酸化物薄膜が挙げられる。発光層22は、低分子型、高分子型などの種々の公知の有機EL材料を含む。陰極層23は、光反射性を示す電極であり、例えば、陰極層23としては、金属材料からなる導電性金属薄膜が挙げられる。
ゲッター部材30は、水分を捕獲する乾燥材であり、支持基板10の他方の主面10bに当接している。ゲッター部材30は、支持基板10の端部(一方の主面10a及び他方の主面10bに対して交差する端面を含む端部)を覆うように設けられていてもよい。ゲッター部材30の形状は、液体でもよく、シートでもよい。
液体ゲッター部材の場合は、支持基板10の他方の主面10b、あるいは封止部材40における封止基材41の有機EL素子20側の面に液体ゲッター部材を塗布して、ゲッター部材30を形成してもよい。この場合、液体ゲッター部材を任意のパターン形状に部分的に塗布してもよいが、有機EL素子20から光を均一に外部に出射させるためには、少なくとも支持基板10の他方の主面10bにおいて有機EL素子20の発光面エリアの全面を覆うように、液体ゲッター部材を形成、配置するとこが好ましい。
また、液体ゲッター部材の場合は、塗布形成後、支持基板10と封止基材41を貼合する前あるいは後に、加熱処理あるいはUV照射処理を行い、液体ゲッター部材を硬化又は半硬化させてもよい。また、塗布形成後、支持基板10と封止基材41の貼合前に、液体ゲッター部材を乾燥させることにより液体ゲッター部材に内在している水分等のガスを脱ガスさせてもよい。
シートゲッター部材の場合も、支持基板10の他方の主面10b、あるいは封止基材41の有機EL素子20側の面にシートゲッター部材を貼合後に、支持基板10と封止基材41を貼合してもよい。この場合、シートゲッター部材を任意のパターン形状に形成して貼合することができるが、有機EL素子20から光を均一に外部に出射させるためには、少なくとも支持基板10の他方の主面10bにおいて有機EL素子20の発光面エリアの全面を覆うように、シートゲッター部材を形成、配置するとこが好ましい。
また、シートゲッター部材の場合も、貼合形成後、支持基板10と封止基材41を貼合する前あるいは後に、加熱処理あるいはUV照射処理を行い、シートゲッター部材を硬化又は半硬化させてもよい。また、貼合形成後、加熱することでシートゲッター部材を軟化させ、密着性を向上させてもよい。また、シートゲッター部材の貼合前にシートゲッター部材を乾燥し、シートゲッター部材に内在する水分等のガスを脱ガスしてもよいし、又は、シートゲッター部材の貼合後、支持基板10と封止基材41を貼合する前にシートゲッター部材を脱ガスさせてもよい。
なお、乾燥は、IRなどの光照射加熱、温風加熱、送風、真空乾燥、あるいはホットプレートなどの熱源から熱伝導加熱、あるいはその組み合わせなどを適宜用いて行うことができる。
ゲッター部材30は、ゲッター材として少なくとも有機金属化合物、金属酸化物、ゼオライトなどの多孔質物質、のうちの1種類を含んでいることが好ましい。さらに、有機金属化合物と金属酸化物を構成する金属は、少なくともアルミニウム、カルシウム、バリウムの少なくとも1種類を含んでいることが好ましい。特に有機アルミニウム化合物や酸化カルシウムなどは、水分の補水速度が速いため、さらに好ましい。
また、ゲッター部材30は、バインダーを含んでいてもよく、特にアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、アミド系樹脂を少なくとも1種類以上含んでいてもよい。
また、ゲッター部材30は、上記のようなゲッター材やバインダー等の光透過性を有する材料からなり、ゲッター部材30の可視光の全光線透過率は、50%以上であってもよい。また、ゲッター部材30の光屈折率と支持基板10の光屈折率との差は、0.2以下であってもよい。
これらの支持基板10、有機EL素子20、ゲッター部材30は、封止部材40によって封止されている。封止部材40は、封止基材41と、封止シート42と、被覆部材43とを有する。
封止基材41は、透明なプラスチックフィルムの表面あるいは裏面あるいはその両面にバリア機能層を形成したバリアフィルム、あるいはフレキブル性を有する薄膜ガラス等の光透過性を有する材料からなり、ガスバリア機能、特に水分バリア機能を有する。封止基材41は、有機ELデバイス1の発光面側、換言すれば、支持基板10及びゲッター部材30を介して有機EL素子20の陽極層21側、更に換言すれば、ゲッター部材30を介して支持基板10の他方の主面10b側に配置されており、ゲッター部材30を介して支持基板10の他方の主面10b側を覆う。
また、封止基材41のバリア性能としては、WVTR(Water vapor transmission rete)が10−3g/m/Day以下であることが好ましく、特に、保管性能向上の観点から、10−4g/m/Day以下であることが好ましく、更には10−5g/m/Day以下であることが特に好ましい。なお、WVTRは、特開2006−119069号公報で開示されているようなCa腐食法やCa透過法(Caの透過率の変化からCaが水分によって水酸化Ca、CaOなどへ反応した量を見積もり、水分量を算出する)やMOCON水蒸気透過率測定法などを用いて、測定される。
封止シート42は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、アミド系エラストマーなどを含む光透過性を有する材料からなり、ガスバリア機能、特に水分バリア機能を有する。なお、封止シート42は、有機金属化合物、金属酸化物、ゼオライトなどの多孔質物質等の水分ゲッター材を含んでいてもよい。封止シート42は、有機ELデバイス1の発光面側以外、換言すれば、有機EL素子20の陰極層23側、及び、支持基板10の端部及びゲッター部材30の端部を覆う。
被覆部材43は、金属ホイル、透明なプラスチックフィルムの表面あるいは裏面あるいはその両面にバリア機能層を形成したバリアフィルム、あるいはフレキブル性を有する薄膜ガラス、プラスチックフィルム上にバリア性を有する金属積層させたフィルム等からなり、ガスバリア機能、特に水分バリア機能を有する。特に、金属ホイルとしては、バリア性の観点から、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ステンレスが好ましい。特に、金属ホイルの厚みとしては、フレキシブル性の観点から10〜50μmが好ましく、ピンホール抑制の観点から15〜35μm程度が特に好ましい。被覆部材43は、有機ELデバイス1の発光面と反対側、換言すれば、封止シート42を介して有機EL素子20の陰極層23側、更に換言すれば、封止シート42及び有機EL素子20を介して支持基板10の一方の主面10a側に配置されており、封止シート42を介して有機EL素子20の陰極層23側及び支持基板10の一方の主面10a側を覆う。
なお、有機ELデバイス1の発光面と反対側には、被覆部材43及び封止シート42を貫通するようにスルーホールが設けられており、このスルーホールを通して有機EL素子20の陽極層21及び陰極層23からそれぞれ延在する引き出し配線50が露出している。引き出し配線50を有機ELデバイス1の発光面とは反対側に、スルーホールを通して配置することで、有機ELデバイス1の端部からの水分浸入が抑制され、有機ELデバイス1の保管性能が向上する。もし、有機EL素子20の端部から例えば図1の左右方向に電極を引き出す場合は、有機ELデバイス1の端部での引き出し配線と封止シート42との間の密着性が弱くなり、その界面から水分が浸入してしまうといった問題がある。また、被覆部材43が導電性を有する場合は、被覆部材43と引き出し配線がショートしないように、被覆部材43と引き出し配線の間に絶縁層が設けられることが好ましく、封止シート42と引き出し配線の間に絶縁層が設けられてもよい。また、この絶縁層は、水分バリア性があることが好ましく、この絶縁層のWVTRが10g/m/Day(100μmの厚みにおいて)以下であることが好ましく、5g/m/Day以下であることがさらに好ましい。また、外部からの水分浸入を防ぐ観点から、被覆部材43と引き出し配線、封止シート42と引き出し配線は隙間なく密着していることが好ましい。
次に、本実施形態の有機ELデバイス1の製造方法の一例を示す。まず、ロールツーロール方式を用いて、長尺形状の支持基板10の一方の主面10a側に陽極層21、発光層22、陰極層23を順に積層することによって、有機EL素子20をアレイ状に複数形成する。次に、支持基板10の他方の主面10b側にゲッター部材30を貼合する。
次に、支持基板10、有機EL素子20及びゲッター部材30を封止部材40によって封止する。具体的には、ゲッター部材30を介して支持基板10の他方の主面10b側に封止基材41を貼合し、有機EL素子20、支持基板10の一方の主面10a側及び端部、及び、ゲッター部材30の端部を覆うように封止シート42を貼合し、更に、封止シート42に対して封止基材41と反対側に被覆部材43を貼合する。
次に、アレイ状に形成された有機EL素子20をそれぞれ含む所定の大きさに分断することによって、複数の有機ELデバイス1を得る。
この実施形態の有機ELデバイス1によれば、ゲッター部材30によって、封止部材40の内部で発生するガス成分、特に、支持基板10から発生する水分を、支持基板10の他方の主面10b側、すなわち支持基板10の有機EL素子20側と反対側において捕獲することにより、支持基板10に残存する水分が有機EL素子20に侵入することを抑制することができる。したがって、有機EL素子20の特性劣化を抑制することができ(換言すれば、信頼性に優れ)、寿命(保管寿命)を長くすることができる。なお、支持基板10における一方の主面10a側がガスバリア機能を有していても、支持基板10の他方の主面10b側に配置されたゲッター部材30によって、支持基板10から発生する水分を捕獲することができる。
ところで、可撓性を有する支持基板10を用いてこの支持基板10上に有機EL素子20を形成する方法として、ロールツーロール方式が知られている。このロールツーロール方式によれば、有機EL素子20の生産性を向上することができる。
上記した問題点、すなわち、封止の内側における支持基板10に残存する水分が有機EL素子20に侵入し、有機EL素子20の特性が劣化し、有機EL素子20の寿命が短くしてしまう問題点に関し、封止のためのガスバリアフィルム41上に直接に有機EL素子20を形成することが考えられる。しかしながら、この種の高いバリア特性を有するガスバリアフィルム41では、通常のロールツーロール方式による有機EL素子形成プロセスにおいて、バリアにダメージが生じてしまう。この問題点を回避するためにはロールツーロール方式のロール部とバリア層表面が直接接しない機構、或いは接してもバリア層を破壊しないような特殊なロールを用いる必要があり、生産性が低下してしまう。
しかしながら、本実施形態の有機ELデバイス1によれば、有機EL素子20の形成において、ガスバリアフィルムを支持基板10として用いてロールツーロール方式を採用し、バリア層がダメージを受けたとしても、支持基板10に内在するガス成分をゲッター部材が吸収し、有機EL素子20の特性劣化を抑制することができるので、生産性を低下させることがないという利点をも有する。
以下では、上記した効果について検証する。
[検証1]
上記した効果を検証するための実施サンプル1A,1Bを製作し、この実施サンプル1A,1Bと比較サンプル11A,11Bとの対比検証を行った。実施サンプル1A,1B及び比較サンプル11A,11Bの構成は次の通りである。
(実施サンプル1A,1B)
図2(a)に示すように、上記した有機ELデバイス1において、有機EL素子20及び引き出し配線50に代えてCa薄膜20Aを形成した。支持基板10としては、ノンバリアPENフィルムを使用し、ゲッター部材30としては、双葉電子社製液体乾燥剤(OleDry−F)を使用した。封止基材41としては、出願人が開発したハイバリアフィルム(HO透過率10−6g/m/day台)を使用し、封止シート42としては厚さ30μmのシートを使用し、被覆部材43としてはCuホイルを使用した。
製造方法としては、まず、ガラス板にノンバリアPENフィルム10を固定し、真空ベーク(130℃、2hrs)によってPENフィルム10の真空乾燥を行った。その後、PENフィルム10を冷却し、PENフィルム10上にCa薄膜20A(40nm)を堆積した。その後、窒素雰囲気においてガラス板からPENフィルム10及びCa薄膜20Aを剥離し、図2(a)に示すようにPENフィルム10及びCa薄膜20Aにゲッター部材30を貼付し、PENフィルム10、Ca薄膜20A及びゲッター部材30を、封止基材41、封止シート42及び被覆部材43によって封止した。
(比較サンプル11A,11B)
図2(b)に示すように、ゲッター部材30に代えて厚さ10μmの封止シート42Aを使用した点で実施サンプル1A,1Bと異なる。比較サンプル11A,11Bの他の構成は実施サンプル1A,1Bと同一である。
本検証では、保管試験にてCa薄膜20Aの光透過率の時経変化を観測することによって、ゲッター部材30によるPENフィルム10の水分捕獲効果を検証した。具体的には、0h後、210h後、440h後、800h後におけるCa薄膜20Aの光透過率を観測した。この観測結果を図3に示す。
図3によれば、ゲッター部材30を備えない比較サンプル11A,11Bでは、次第に光透過率が上がり、透明化している。これは、Ca薄膜20Aが空気中の酸素及び支持基板10の水分と化学反応し、水酸化カルシウムや酸化カルシウムに変化しているものと推察される。これに対し、封止内部にゲッター部材30を備える実施サンプル1A,1Bでは、透明化が改善されている。これは、支持基板10の水分がゲッター部材30によって捕獲されることにより、Ca薄膜20Aに侵入することを抑制できたものと推察される。
[実施例1]
実施例2A,2Bとして、図1に示す本実施形態の有機ELデバイス1を製作し、この実施例2A,2Bと比較例12A,12Bとの対比評価を行った。実施例2A,2B及び比較例12A,12Bの構成は次の通りである。
(実施例2A)
支持基板10として、出願人が開発したミドルバリアフィルム(HO透過率10−5g/m/day台)を使用し、真空乾燥を行った。ゲッター部材30としては、双葉電子社製液体乾燥剤(OleDry−F)を使用した。封止基材41としては、出願人が開発したハイバリアフィルム(HO透過率10−6g/m/day台)を使用し、封止シート42としては厚さ30μmのシートを使用し、被覆部材43としてはCuホイルを使用した。
(実施例2B)
支持基板10としてハイバリアフィルム(HO透過率10−6g/m/day台)を使用した点で実施例2Aと異なる。実施例2Bの他の構成は実施例2Aと同一である。
(比較例12A)
支持基板10として、出願人が開発したミドルバリアフィルム(HO透過率10−5g/m/day台)を使用し、真空乾燥を行わなかった点で実施例2Aと異なる。また、図4に示すようにゲッター部材30に代えて厚さ10μmの封止シート42Aを使用した点で実施例2Aと異なる。比較例12Aの他の構成は実施例2Aと同一である。
(比較例12B)
支持基板10としてハイバリアフィルム(HO透過率10−6g/m/day台)を使用し、真空乾燥を行わなかった点で実施例2Bと異なる。また、図4に示すようにゲッター部材30に代えて厚さ10μmの封止シート42Aを使用した点で実施例2Bと異なる。比較例12Bの他の構成は実施例2Bと同一である。
本評価では、ニコン社製のデジタルカメラで撮影した画像を拡大表示し、目視、メジャー計測、及び、オリンパス社製の実体顕微鏡を用い、有機EL素子発光時のダークスポットDSの大きさ及び個数を計測した。この計測結果を図5に示す。図5(a),(c)はそれぞれ、比較例12A,12BにおけるダークスポットDSの大きさ及び個数の計測結果であり、図5(b),(d)はそれぞれ、実施例2A,2BにおけるダークスポットDSの大きさ及び個数の計測結果である。
図5(a),(b)によれば、比較例12Aでは、視認可能な直径100μm以上のダークスポットDSが5個/cmあったのに対し、実施例2Aでは、視認可能な直径100μm以上のダークスポットDSが無かった。なお、実施例2Aにおいて、直径75μm未満のダークスポットがあったが、直径100μm未満のダークスポットは視認不可能であるので問題ではない。また、図5(c),(d)によれば、比較例12Bに対し、実施例2Bでは、視認不可能な直径50μm未満のダークスポットを低減できた。これより、実施例2A,2Bによれば、比較例12A,12Bと比して、有機EL素子の特性劣化を抑制することができ、寿命を長くすることができたものと推察する。
なお、本発明は上記した本実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば、本実施形態では、ゲッター部材30として水分捕獲を目的とした乾燥剤を例示したが、ゲッター部材30としてはこれに限定されない。例えば、ゲッター部材30としては、酸素等のガス成分を捕獲するものが適用可能である。
また、本実施形態では、封止基材41側を発光面とする有機ELデバイス1を例示したが、有機ELデバイスは、被覆部材43側を発光面としてもよい。この場合、陰極層23、封止シート42、被覆部材43として光透過性を有する材料を用い、陽極層21、支持基板10、封止基材41として光反射性を有する材料を用いればよい。なお、ゲッター部材30には、光透過性を有さない材料を用いることができる。
また、本実施形態では、一対の電極21,23と発光層22とを有する有機EL素子20を備える有機ELデバイス1を例示したが、本発明の特徴は、以下に示すように、様々な構成の有機EL素子を備える有機ELデバイスにも適用可能である。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
c)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
d)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
e)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
f)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
g)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
h)陽極/発光層/電子注入層/陰極
i)陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
ここで、記号「/」は、記号「/」を挟む各層が隣接して積層されていることを示す。
なお、本実施形態では、有機EL素子20として、発光層22に対して支持基板10側に陽極層21が配置され、発光層22に対して支持基板10と反対側に陰極層23が配置される形態を例示したが、発光層に対して支持基板側に陰極層が配置され、発光層に対して支持基板と反対側に陽極層が配置される形態にも適用可能である。
1…有機ELデバイス、10…支持基板、10a…支持基板の一方の主面、10b…支持基板の他方の主面、20…有機EL素子、20A…Ca薄膜、21…陽極層(第1の電極層)、22…発光層、23…陰極層(第2の電極層)、30…ゲッター部材、40…封止部材、41…封止基材、42,42A…封止シート、43…被覆部材、50…引き出し配線。

Claims (8)

  1. 可撓性の有機EL素子を封止部材によって封止した可撓性の有機ELデバイスであって、
    可撓性の支持基板と、
    前記支持基板の一方の主面側に積層された第1の電極層と、有機EL材料を含む発光層と、第2の電極層とを少なくとも有する前記有機EL素子と、
    前記封止部材の内部において前記支持基板の他方の主面側に配置され、ガス成分を捕獲するゲッター部材と、
    を備える、有機ELデバイス。
  2. 前記支持基板における前記一方の主面側は、前記ガス成分に対してバリア機能を有する、請求項1に記載の有機ELデバイス。
  3. 前記ゲッター部材は、前記支持基板の端部の少なくとも一部を覆う、請求項1又は2に記載の有機ELデバイス。
  4. 前記封止部材は、前記ゲッター部材の端部の少なくとも一部を覆う、請求項1〜3の何れか1項に記載の有機ELデバイス。
  5. 前記支持基板及び前記ゲッター部材は光透過性を有し、
    前記ゲッター部材の可視光の全光線透過率が50%以上である、請求項1〜4の何れか1項に記載の有機ELデバイス。
  6. 前記ガス成分は水分である、請求項1〜5の何れか1項に記載の有機ELデバイス。
  7. 前記ゲッター部材の光屈折率と前記支持基板の光屈折率との差は、0.2以下である、請求項1〜6の何れか1項に記載の有機ELデバイス。
  8. 可撓性の有機EL素子を封止部材によって封止した可撓性の有機ELデバイスの製造方法であって、
    ロールツーロール方式を用いて、可撓性の支持基板の一方の主面側に少なくとも第1の電極層と、有機EL材料を含む発光層と、第2の電極層とを積層して前記有機EL素子を形成する工程と、
    前記支持基板の他方の主面側に、ガス成分を捕獲するゲッター部材を貼合する工程と、
    前記支持基板と、前記有機EL素子と、前記ゲッター部材とを前記封止部材によって封止する工程と、
    を含む、有機ELデバイスの製造方法。
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