JP2016219188A - リチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体、及びその製造方法、リチウムイオン二次電池、並びに、電気化学デバイス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 電気化学デバイスの正極の活物質に用いられるリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体であって、リチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体を超純水で分散させた溶出液に溶出するフッ素イオンがリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体に対する質量比で500ppm以上、15000ppm以下であり、リン酸バナジウムリチウムの組成が下記一般式(1):
Li3−xV2−zMz(PO4−aFa)3(−0.1≦x<3、0≦z<2、0≦a≦4)・・・(1)
(式中、MはMn、Ni、Co、Fe、Cr、Al、Nb、Ti、Cu、Znの群から選ばれる1種以上の金属元素を示す。)で表わされるものであることを特徴とするリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体。
【選択図】 なし
Description
Li3−xV2−zMz(PO4−aFa)3(−0.1≦x<3、0≦z<2、0≦a≦4)・・・(1)
(式中、MはMn、Ni、Co、Fe、Cr、Al、Nb、Ti、Cu、Znの群から選ばれる1種以上の金属元素を示す。)で表わされるものであることを特徴とするリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体を提供する。
Li3−xV2−zMz(PO4−aFa)3(−0.1≦x<3、0≦z<2、0≦a≦4)・・・(1)
(式中、MはMn、Ni、Co、Fe、Cr、Al、Nb、Ti、Cu、Znの群から選ばれる1種以上の金属元素を示す。)で表わされるリン酸バナジウムリチウムの表面が炭素被覆されたリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体を製造する方法であって、組成が下記一般式(2):
Li3−yV2−zMz(PO4−bFb)(x<y<3、0≦z<2、0≦b≦4)・・・(2)
(式中、MはMn、Ni、Co、Fe、Cr、Al、Nb、Ti、Cu、Znの群から選ばれる1種以上の金属元素を示す。)で表わされるリチウムが引き抜かれたリン酸バナジウムリチウム前駆体をリチウム化合物と混合して、反応させる工程を有し、前記リン酸バナジウムリチウム前駆体として炭素被覆されたものを用いるか、又は、前記リン酸バナジウムリチウム前駆体若しくは前記リン酸バナジウムリチウムに対して炭素被覆する工程を有し、前記リン酸バナジウムリチウム前駆体、又は、前記リチウム化合物として、フッ素を含むものを用いることで、製造された前記リチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体が、超純水で分散させた際に溶出液に溶出するフッ素イオンを前記リチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体に対する質量比で500ppm以上、15000ppm以下とすることを特徴とするリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体の製造方法を提供する。
上記のリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体を含有する正極活物質層を含む正極と
を有することを特徴とする電気化学デバイスを提供する。
Li3−xV2−zMz(PO4−aFa)3(−0.1≦x<3、0≦z<2、0≦a≦4)・・・(1)
(式中、MはMn、Ni、Co、Fe、Cr、Al、Nb、Ti、Cu、Znの群から選ばれる1種以上の金属元素を示す。)
で表わされるものである。ここで、xは0≦x<0.5であることがより好ましく、0≦x<0.3であることがさらに好ましい。また、zは0≦z<0.7であることがより好ましく、0≦z<0.4であることがさらに好ましい。
Li3−xV2−zMz(PO4−aFa)3(−0.1≦x<3、0≦z<2、0≦a≦4)・・・(1)
(式中、MはMn、Ni、Co、Fe、Cr、Al、Nb、Ti、Cu、Znの群から選ばれる1種以上の金属元素を示す。)で表わされるリン酸バナジウムリチウムの表面が炭素被覆されたリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体を製造する方法であって、組成が下記一般式(2):
Li3−yV2−zMz(PO4−bFb)(x<y<3、0≦z<2、0≦b≦4)・・・(2)
(式中、MはMn、Ni、Co、Fe、Cr、Al、Nb、Ti、Cu、Znの群から選ばれる1種以上の金属元素を示す。)で表わされるリチウムが引き抜かれたリン酸バナジウムリチウム前駆体をリチウム化合物と混合して、反応させる工程を有し、前記リン酸バナジウムリチウム前駆体として炭素被覆されたものを用いるか、又は、前記リン酸バナジウムリチウム前駆体若しくは前記リン酸バナジウムリチウムに対して炭素被覆する工程を有し、前記リン酸バナジウムリチウム前駆体、又は、前記リチウム化合物として、フッ素を含むものを用いることで、製造された前記リチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体が、超純水で分散させた際に溶出液に溶出するフッ素イオンを前記リチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体に対する質量比で500ppm以上、15000ppm以下とするものである。ここで、xは0≦x<0.5であることがより好ましく、0≦x<0.3であることがさらに好ましい。また、yは0<y<2.4がより好ましく、0<y<1.8がさらに好ましい。さらに、zは0≦z<0.7であることがより好ましく、0≦z<0.4であることがさらに好ましい。
正極活物質層は、本発明のリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体を50〜100質量%含むものとすることができる。また、リチウムイオンの吸蔵放出可能な正極活物質のいずれか1種又は2種以上を含んでおり、設計に応じて結着剤、導電助剤、分散剤などの他の材料を含んでいてもよい。
正極は、例えば、集電体の両面または片面に正極活物質層を有している。集電体は、例えば、アルミニウムなどの導電性材により形成されているものでもよい。
負極活物質は、一般式SiOx(0.5≦x<1.6)で表される酸化珪素のいずれか、又はこれらのうち2以上の混合物とすることが好ましい。負極活物質層は、上記の負極活物質を含んでおり、設計に応じて結着剤、導電助剤、分散剤などの他の材料を含んでいてもよい。
負極は、上記した正極と同様の構成を有し、例えば、集電体の片面もしくは両面に負極活物質層を有している。この負極は、リチウム複合酸化物活物質剤から得られる電気容量(電池としての充電容量)に対して、負極充電容量が大きくなる事が好ましい。負極上でのリチウム金属の析出を抑制するためである。
結着剤として、例えば高分子材料、合成ゴムなどのいずれか1種類以上を用いることができる。高分子材料は、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリアミドイミド、アラミド、ポリアクリル酸、あるいはポリアクリル酸リチウム、カルボキシメチルセルロース等である。合成ゴムは、例えば、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴム、エチレンプロピレンジエン等である。
リチウム複合酸化物導電助剤、負極導電助剤としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、ケチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーなどの炭素材料のいずれか1種以上を用いることができる。
活物質層の少なくとも一部、またはセパレータには液状の電解質(電解液)が含浸されている。この電解液は、溶媒中に電解質塩が溶解されており、添加剤など他の材料を含んでいても良い。溶媒は、例えば非水溶媒が挙げられる。非水溶媒として、例えば次の材料が挙げられる。炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸メチルプロピル、1,2−ジメトキシエタンあるいはテトラヒドロフランである。その中でも、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルのうちの少なくとも1種以上が望ましい。より良い特性が得られるからである。またこの場合、炭酸エチレン、炭酸プロピレンなどの高粘度溶媒と、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチルなどの低粘度溶媒を組み合わせるとより優位な特性を得ることができる。電解質塩の解離性やイオン移動度が向上するためである。
電極の集電体は、構成されたリチウムイオン二次電池、電気化学デバイスにおいて化学変化を起こさない電子伝導体であれば特に制限されるものではないが、例えばステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、チタン、焼成炭素、アルミニウムやステンレス鋼の表面をカーボン、ニッケル、銅、チタンまたは銀で表面処理したものが用いられ、負極にはステンレス鋼、ニッケル、銅、チタン、アルミニウム、焼成炭素などの他に、銅やステンレス鋼の表面をカーボン、ニッケル、チタンまたは銀などで処理したもの、Al−Cd合金などが用いられる。
セパレータは、正極と負極を隔離し、両極接触に伴う電流短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。このセパレータは、例えば、合成樹脂、あるいはセラミックからなる多孔質膜により形成されており、2種以上の多孔質膜が積層された積層構造を有しても良い。合成樹脂として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが挙げられる。
ペレット成型したLi3V2(PO4)3(炭素被覆あり)から、一定電流で50%までリチウムを引き抜いたLi1.5V2(PO4)3をフッ素を含む電解液を含んだまま、乾燥し、軽く粉砕した粉末に水酸化リチウム(LiOH・H2O)をLi/Vの当量比が1.55/1.00になるようにして混合した。この混合物を窒素−水素混合ガス(水素濃度3%)中で焼成した後、冷却し、細かく粉砕した。次いで、目開き75μmの篩で分級し、Li3V2(PO4−aFa)3の組成をもつリン酸バナジウムリチウムの表面が炭素で被覆されたリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体を製造した。ただし、焼成条件は、実施例1−2では900℃、5時間、実施例3では950℃、8時間、実施例4では920℃、8時間とした。実施例1で得られた粉体についてX線回折測定を行った。得られたX線回折パターンを図1に示す。図1から実施例1で得られたリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体において、2θの値が20°以上、40°以下の範囲にリン酸リチウムに相当するピーク(図1中の印を付けたピーク)が見られることが確認された。実施例2−4についても実施例1と同様にしてX線回折測定を行い、リン酸リチウムに相当するピークが見られることが確認された。
ペレット成型したLi3V2(PO4)3から、一定電流で50%までリチウムを引き抜いたLi1.5V2(PO4)3をDMC(ジメチルカーボネート)で洗浄して、濾過乾燥し、軽く粉砕した粉末に水酸化リチウム(LiOH・H2O)と六フッ化リン酸リチウム(LiPF6、添加した総リチウムの5%)をLi/Vの当量比が1.55/1.00になるようにして混合し、さらにスクロース(ショ糖:C12H22O11)を混合した。この混合物を窒素ガス中で焼成した後、冷却し、細かく粉砕した。次いで、目開き75μmの篩で分級し、Li3V2(PO4−aFa)3の組成をもつリン酸バナジウムリチウムの表面が炭素で被覆されたリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体を製造した。ただし、焼成条件は、実施例5では850℃、3時間、実施例6では850℃、2時間、実施例7では880℃、5時間、実施例8では870℃、6時間とした。実施例5−8についても実施例1と同様にしてX線回折測定を行い、リン酸リチウムに相当するピークを有することが見られることが確認された。
ペレット成型したLi3V2(PO4)3から、一定電流で50%までリチウムを引き抜いたLi1.5V2(PO4)3をフッ素を含む電解液を含んだまま、乾燥し、軽く粉砕した粉末に水酸化リチウム(LiOH・H2O)と四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4、添加した総リチウムの5%)をLi/Vの当量比が1.55/1.00になるようにして混合し、さらにスクロース(ショ糖:C12H22O11)を混合した。この混合物をアルゴンガス中で焼成した後、冷却し、細かく粉砕した。次いで、目開き75μmの篩で分級し、Li3V2(PO4−aFa)3の組成をもつリン酸バナジウムリチウムの表面が炭素で被覆されたリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体を製造した。ただし、焼成条件は、実施例9では1050℃、4時間、実施例10では850℃、3時間、実施例11では850℃、2時間とした。実施例9−11についても実施例1と同様にしてX線回折測定を行い、リン酸リチウムに相当するピークが見られることが確認された。
ペレット成型したLi3V2(PO4)3から、一定電流で50%までリチウムを引き抜いたLi1.5V2(PO4)3をフッ素を含む電解液を含んだまま、乾燥し、軽く粉砕した粉末に水酸化リチウム(LiOH・H2O)をLi/Vの当量比が1.55/1.00になるようにして混合した。この混合物をアルゴンガス中で焼成した後、冷却し、細かく粉砕した。次いで、目開き75μmの篩で分級し、Li3V2(PO4−aFa)3の組成をもつリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体を製造した。ただし、焼成条件は、比較例1では820℃、10時間、比較例2では1050℃、10時間、比較例3−5では900℃、5時間とした。比較例1−5についても実施例1と同様にしてX線回折測定を行い、リン酸リチウムに相当するピークを有することが見られることが確認された。
実施例1−11、比較例1−5のリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体の粒度分布の測定は、イオン交換水を分散媒とし、マイクロトラックMK−II(SRA)(LEED&NORTHRUP、レーザー散乱光検出型)を用いて行った。
なお、粒度分布の測定における分散剤、環流量、超音波出力を以下に示す。
分散剤 :10%ヘキサメタリン酸ソーダ水溶液2ml
環流量 :40ml/sec
超音波出力 :40W 60秒
平均粒子径の測定結果を表1に示す。
実施例1−11、比較例1−5のリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体のBET比表面積の測定は、フローソーブ2300型(島津製作所製)を用いて行った。
BET比表面積の測定結果を表1に示す。
実施例1−11、比較例1−5のリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体を超純水で分散させた溶出液に溶出するフッ素イオンの質量をICP法(高周波誘導結合プラズマ法)により測定し、リチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体に対する質量比を算出した。得られた質量比を表1に示す。
実施例1−11、比較例1−5のリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体を超純水で分散させた溶出液に溶出するリチウムイオンの質量を測定し、リチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体に対する質量比をICP法(高周波誘導結合プラズマ法)とイオンクロマト法により算出した。得られた質量比を表1に示す。また、このときの溶出フッ素イオンと溶出リチウムイオンの質量比(フッ素イオンの質量/リチウムイオンの質量)も表1に示す。
実施例1−11、比較例1−5のリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体について、含有炭素量を炭素分析装置(HORIBA EMIA−110)にて測定した。
測定結果を表1に示す。
(正極の作製)
上記のように製造した実施例1−11、比較例1−5のリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体を用いて、正極を作製した。製造したリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体88質量%、黒鉛粉末4.0質量%、及び、ポリフッ化ビニリデン8.0質量%を混合して正極材とし、これをN−メチル−2−ピロリジノン(以下、NMPと称する)に分散させて混練ペーストを調製した。該混練ペーストをアルミ箔(集電体)に塗布したのち乾燥し、プレスして直径15mmの円盤に打ち抜いて正極板を得た。
次にSiO負極を作成した。SiO負極は金属ケイ素と二酸化ケイ素を混合した原料を反応炉へ設置し、10Paの真空度中で堆積し、十分に冷却した後、堆積物を取出しボールミルで粉砕した。粒径を調整した後、必要に応じて熱分解CVDを行うことで炭素層を得た。作成した粉末はプロピレンカーボネート及びエチレンカーボネートの1:1混合溶媒(電解質塩1.3mol/kg)中で電気化学法を用いバルク改質を行った。得られた材料は必要に応じて炭酸雰囲気下で乾燥処理を行っている。続いて、負極活物質粒子と、負極結着剤の前駆体と、導電助剤1(ケッチェンブラック)と、導電助剤2(アセチレンブラック)とを80:8:10:2の乾燥重量比で混合して負極剤とし、NMPで希釈してペースト状の負極合剤スラリーとした。この場合には、ポリアミック酸の溶媒としてNMPを用いた。続いて、コーティング装置で負極集電体に負極合剤スラリーを塗布してから乾燥させた。この負極集電体としては、電解銅箔(厚さ=15μm)を用いた。最後に、真空雰囲気中で400℃、1時間焼成した。この焼成により、負極結着剤(ポリイミド)が形成された。プレスして直径16mmの円盤に打ち抜いて負極板を得た。
作製した正極板及び負極版、セパレータ、取り付け金具、外部端子、及び、電解液等の各部材を使用して非水電解質二次コイン電池を製作した。このうち、電解液には、エチレンカーボネートとジジエチルカーボネートとフルオロエチレンカーボネイトの2:7:1 混練液1リットルにLiPF61モルを溶解したものを使用した。
上記のようにして作製したコイン型リチウムイオン二次電池を0.5Cに相当する電流で定電流定電圧で4.80Vまで5時間充電し、次いで0.1Cに相当する電流で2.0Vまで放電する充放電試験を行い、正極初回放電容量(mAh/g)を測定した。測定結果を表1に示す。
Claims (18)
- 電気化学デバイスの正極の活物質に用いられる、リン酸バナジウムリチウムの表面が炭素被覆されたリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体であって、
前記リチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体を超純水で分散させた溶出液に溶出するフッ素イオンが前記リチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体に対する質量比で500ppm以上、15000ppm以下であり、
前記リン酸バナジウムリチウムの組成が下記一般式(1):
Li3−xV2−zMz(PO4−aFa)3(−0.1≦x<3、0≦z<2、0≦a≦4)・・・(1)
(式中、MはMn、Ni、Co、Fe、Cr、Al、Nb、Ti、Cu、Znの群から選ばれる1種以上の金属元素を示す。)
で表わされるものであることを特徴とするリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体。 - 前記リチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体を超純水で分散させた溶出液に溶出するリチウムイオンが前記リチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体に対する質量比で500ppm以上、5000ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体。
- 前記リチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体を超純水で分散させた溶出液に溶出する前記リチウムイオンと前記フッ素イオンとの質量比(フッ素イオンの質量/リチウムイオンの質量)が、0.1以上、10以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体。
- X線回折測定により、2θの値が20°以上、40°以下の範囲にリン酸リチウムに相当するピークが見られることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体。
- 平均粒子径が、0.5μm以上、50.0μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体。
- BET比表面積が1.0m2/g以上、50.0m2/g以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体。
- 組成が下記一般式(1):
Li3−xV2−zMz(PO4−aFa)3(−0.1≦x<3、0≦z<2、0≦a≦4)・・・(1)
(式中、MはMn、Ni、Co、Fe、Cr、Al、Nb、Ti、Cu、Znの群から選ばれる1種以上の金属元素を示す。)
で表わされるリン酸バナジウムリチウムの表面が炭素被覆されたリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体を製造する方法であって、
組成が下記一般式(2):
Li3−yV2−zMz(PO4−bFb)(x<y<3、0≦z<2、0≦b≦4)・・・(2)
(式中、MはMn、Ni、Co、Fe、Cr、Al、Nb、Ti、Cu、Znの群から選ばれる1種以上の金属元素を示す。)
で表わされるリチウムが引き抜かれたリン酸バナジウムリチウム前駆体をリチウム化合物と混合して、反応させる工程を有し、
前記リン酸バナジウムリチウム前駆体として炭素被覆されたものを用いるか、又は、前記リン酸バナジウムリチウム前駆体若しくは前記リン酸バナジウムリチウムに対して炭素被覆する工程を有し、
前記リン酸バナジウムリチウム前駆体、又は、前記リチウム化合物として、フッ素を含むものを用いることで、製造された前記リチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体が、超純水で分散させた際に溶出液に溶出するフッ素イオンを前記リチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体に対する質量比で500ppm以上、15000ppm以下とすることを特徴とするリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体の製造方法。 - 前記リン酸バナジウムリチウム前駆体が、電気化学的にリチウムが引き抜かれていることを特徴とする請求項7に記載のリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体の製造方法。
- 前記リン酸バナジウムリチウム前駆体が、厚みが1.0mm以上で成型されてから、電気化学的にリチウムが引き抜かれていることを特徴とする請求項7に記載のリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体の製造方法。
- 前記リチウム化合物は、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を含んでいることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか一項に記載のリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体の製造方法。
- 前記リチウム化合物は、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)を含んでいることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか一項に記載のリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体の製造方法。
- 前記反応させる工程が、焼成する段階を含み、
前記焼成する段階において、焼成温度が700℃以上、1050℃以下であることを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか一項に記載のリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体の製造方法。 - 前記反応させる工程が、焼成する段階を含み、
前記焼成する段階において、窒素雰囲気又はアルゴン雰囲気で焼成することを特徴とする請求項7から請求項12のいずれか一項に記載のリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体の製造方法。 - 前記反応させる工程が、焼成する段階を含み、
前記焼成する段階において、水素と窒素の混合ガス雰囲気で焼成することを特徴とする請求項7から請求項12のいずれか一項に記載のリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体の製造方法。 - 電気化学デバイスの負極活物質として用いたときに充放電効率が90%以下である負極活物質粒子を含有する負極活物質層を含む負極と、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体を含有する正極活物質層を含む正極と
を有することを特徴とする電気化学デバイス。 - 組成式がSiOx(0.5≦x<1.6)で表される酸化珪素を含有する負極活物質粒子を含有する負極活物質層を含む負極と、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体を含有する正極活物質層を含む正極と
を有することを特徴とする電気化学デバイス。 - リチウムイオン二次電池の負極活物質として用いたときに充放電効率が90%以下である負極活物質粒子を含有する負極活物質層を含む負極と、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体を含有する正極活物質層を含む正極と
を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。 - 組成式がSiOx(0.5≦x<1.6)で表される酸化珪素を含有する負極活物質粒子を含有する負極活物質層を含む負極と、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のリチウムリン系バナジウム複合酸化物炭素複合体を含有する正極活物質層を含む正極と
を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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