JP2016213367A - 抵抗器及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極の抵抗値を抵抗体の抵抗値に比べて大幅に小さくできると同時に、簡単な構成で抵抗体と電極の接合を強固に、且つ接合部分の接合抵抗値(接触抵抗値)を小さくできる抵抗器を提供すること。【解決手段】抵抗体11の両側に電極12を形成すると共に、電極12の下面を露出した状態で抵抗体11の周囲にモールド樹脂層13を形成してなる抵抗器1である。抵抗体11は略矩形平板状であって、その両端近傍部分の下面を上方に向かって傾斜する傾斜面11aとすることでその厚さを先端部に向かって細くなるように形成する。一方、電極12は、抵抗体11の下面中央に設けた抵抗値調整溝11bの両側部分から傾斜面11aを越えてさらにその先端側に突出するように形成される。【選択図】 図1

Description

本発明は、抵抗器及びその製造方法に関し、特に電流検出用の抵抗器等の抵抗値の小さい抵抗器及びその製造方法に関するものである。
従来、この種の抵抗器としては、例えば特許文献1に開示された抵抗器がある。図9は、特許文献1に開示された抵抗器100,200を示す図であり、図9(a),(b)は抵抗器100を示し、図9(c)は抵抗器200を示している。なお、図9(a),(b)は、抵抗器100の裏面を上向きにして示す斜視図であり、図9(a)は図9(b)に示す抵抗器100からモールド樹脂層106を取り除いた状態を示している。また図9(c)は、抵抗器200の断面図である。
抵抗器100は、図9(a),(b)に示すように、矩形板状の金属製の抵抗体の裏面(基板と接触する面)側の中央部に、この抵抗体の長手方向に直交するように第1幅L1で第1厚さd1の溝に加工した溝部102を加工し、この溝部102の両端を一対の電極部103、103とし、また溝部102と隣接する相対向方する側面に第1幅L1よりも幅広の第2幅L2で切り欠いた一対の切欠部104、104を加工し、さらに溝部102と切欠部104、104内部と、更に抵抗体の表面(溝部102の反対側面)にモールド樹脂層106を形成した構成である。
また、図9(c)に示す抵抗器200は、抵抗器200の抵抗体210の両側面に形成された傾斜面210a、210aに、それぞれ前記抵抗体210とは異なる金属からなる一対の電極220を接合した構成となっている。
特許第5039867号公報
図9(a),(b)に示す抵抗器100は、抵抗器100の抵抗体となる部分と電極103、103となる部分が同一金属の抵抗体母材からできているので、即ち、抵抗器100は電極103を含めてその全体が同一抵抗体母材からできているので、電極103の外周面に電極用のメッキを施すにしても、電極103部分の抵抗値が抵抗器100の抵抗値に影響を及ぼしてしまうという欠点を有している。一方、図9(c)に示す抵抗器200は、抵抗体210の傾斜面210a、210aに、それぞれ抵抗体210とは異種金属となる電極220を接合しているので、電極220部分全体の抵抗値を小さくでき、電極220部分の抵抗値が抵抗器200の抵抗値に影響を及ぼしにくい。しかし、一対の電極220を抵抗体210の両側面に接合するには、抵抗体210となる部材の左右両側面に電極220となる部材を高温及び高圧力で接合しなければならないが、これら3つの金属(抵抗体210とその両側の電極220)をサンドイッチ状に接合して強固に且つ低接合抵抗値(低接触抵抗値)で接合することは困難である。また、上記抵抗器100、200は、電流を通電するための電流端子と電圧を測定するための電圧端子とを1つの電極103,220で共用するため、高精度の電流測定ができないという欠点もあった。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電極の抵抗値を抵抗体の抵抗値に比べて大幅に小さくできると同時に、簡単な構成で抵抗体と電極の接合を強固に、且つ接合部分の接合抵抗値(接触抵抗値)を小さくできる抵抗器を提供することにある。
本発明は、抵抗体の両側に電極を形成すると共に、電極の下面を露出した状態で抵抗体の周囲にモールド樹脂層を形成してなる抵抗器において、抵抗体は、略矩形平板状であって、その両端近傍部分の下面を上方に向かって傾斜する傾斜面とすることでその厚さを端部に向かって細くなるように形成し、一方、電極は、抵抗体の下面中央に設けた抵抗値調整溝の両側部分から傾斜面を越えてさらにその先端側に突出するように形成されていることを特徴としている。
抵抗体を抵抗体用の材料とし、電極を電極用の材料とすることができる(即ち両者を別材料で構成できる)ので、電極の抵抗値を抵抗体の抵抗値に比べて大幅に小さくすることができ、抵抗値のバラつき等を防止することが出来る。
また電極は、抵抗体の下面中央に設けた抵抗値調整溝の両側部分から傾斜面を越えてさらにその先端側に突出するように形成されるので、抵抗体と電極の接合面積が大きい。このため、電極と抵抗体の接合抵抗(接触抵抗)を大幅に小さくすることが可能になり、この点からも抵抗値のバラつき等を防止することが出来る。
また、本発明は上記抵抗器であって、抵抗体は矩形平板状の中央部分の両端にそれぞれ傾斜面を設け、さらに中央部分の下面に抵抗値調整溝を設けて構成され、一方、電極は、抵抗値調整溝の両側の中央部分の下面から傾斜面側に形成されていることを特徴としている。
電極は、抵抗体の抵抗値調整溝の両側の平板状の中央部分から傾斜面全体にわたって形成される構造なので、つまり、抵抗体の下面の抵抗値調整溝を除く面全体を覆うように電極を形成する構造なので、この抵抗器を製造するには、前記抵抗体となる材料の下面に電極となる材料を重ね合わせ、重ね合わせた2つの材料に高圧力及び高温を加えることで、両者の接合を行うことができる。即ち2つの材料の接合は、上記図9(c)に示す3つの材料の接合に比べて、非常に容易に密着性の高い接合を行うことを可能とする。従って、抵抗体と電極の接合を強固で且つ小さい接合抵抗(接触抵抗)値で接合でき、優れた特性の電流検出用の抵抗器を提供することができる。
また、本発明は上記抵抗器であって、電極の先端辺から前記抵抗体に向かう所定部分に切り欠き設けて、この部分を2分割し、この2分割された一方の電極を電圧測定用端子、他方の電極を電流通電用端子として、4端子型の電流検出用抵抗器を構成し、さらに切り欠きは、抵抗体の傾斜面に至らないように形成したことを特徴としている。
電極に切り欠きを設けて2分割するだけで、より優れた特性となる4端子型の電流検出用抵抗器を提供できる。
また、切り欠きは、電極の先端辺から抵抗体の傾斜面に至らないように形成されるので、切り欠きを設けない抵抗器と同一抵抗値とすることができる。つまり、必要に応じて、切り欠きを設けるタイプと切り欠きを設けないタイプの2種類の抵抗器を製造する場合でも、これらタイプの違う抵抗器の抵抗値を同一の抵抗値とすることができる。
また、本発明にかかる抵抗器の製造方法は、帯状であってその両辺から内側に向かう所定部分の下面を上方に向かって傾斜する傾斜面とすることで所定部分の厚さが両辺に向かって薄くなるように形成した抵抗体素板と、抵抗体素板の下面を覆って一体化されさらに抵抗体素板の先端辺を越えて張り出すように形成した帯状の電極素板とを具備してなる帯状抵抗板を用意し、帯状抵抗板の下面中央に長手方向に向かって電極素板を貫通しさらに抵抗体素板の両傾斜面に至らない中央部分を切り欠く抵抗値調整溝を形成する溝形成工程と、抵抗値調整溝の長手方向に向かって所定間隔毎に、この抵抗値調整溝の長手方向に直交する方向を向くスリットを形成するスリット形成工程と、帯状抵抗板の上面と抵抗値調整溝にスリットを介してモールド樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、スリットの部分をカットすることで抵抗器を個品化する個品化工程と、を具備することを特徴としている。
これによって、上記優れた特性の電流検出用の抵抗器を安定して製造することができる。
また、帯状の抵抗体素板と帯状の電極素板とを重ね合わせて接合一体化することで帯状抵抗板を製造するので、重ね合わせた2つの異なる材料に容易に高圧力及び高温を加えることができ、容易に両者の接合を行うことができる。即ち上述のように、2つの材料の接合は、上記図9(c)に示す3つの材料の接合に比べて、非常に容易に密着性の高い接合を行うことを可能とする。従って、抵抗体素板と電極素板の接合を強固で且つ小さい接合抵抗(接触抵抗)値で接合でき、優れた特性の電流検出用の抵抗器を製造することができる。
また、本発明は上記抵抗器の製造方法であって、前記個品化される前又は個品化された後の抵抗器の電極を、その先端辺から抵抗体素板に向かう所定部分に切り欠き設けこの部分を2分割する電極分割工程、を具備することを特徴としている。
切り欠きは、電極の先端辺から抵抗体の傾斜面に至らないように形成されるので、切り欠きを設ける前の抵抗器と同一抵抗値とすることができる。つまり、必要に応じて、切り欠きを設けるタイプと切り欠きを設けないタイプの2種類の同一抵抗値の抵抗器を製造することができる。
さらに本発明は、上記抵抗器の製造方法であって、前記電極に前記切り欠き部を設ける4端子型の電流検出用抵抗器を製造する場合は、前記溝形成工程と樹脂層形成工程の間に、前記電極素板の両辺部分を所定間隔毎に切り欠いて前記切り欠き部を形成する切り欠き工程を行い、一方、前記電極に切り欠き部を設けない2端子型の電流検出用抵抗器を製造する場合は、前記切欠き工程を省略し、さらに前記切り欠きは、前記抵抗体の傾斜面に至らない部分に形成することが好ましい。
このようにして抵抗器を製造すれば、抵抗体に切り欠き部が形成されないので、4端子型の抵抗器と2端子型の抵抗器の何れを製造しても、それらの抵抗値を確実に同一にすることができる。即ち、タイプの異なる同一抵抗値の2種類の抵抗器が求められるような場合に、好適な製造方法である。
本発明によれば、電極の抵抗値を抵抗体の抵抗値に比べて大幅に小さくできると同時に、簡単な構成で抵抗体と電極の接合を強固に、且つ接合部分の接合抵抗値(接触抵抗値)を小さくすることができる。
抵抗器1の外観斜視図及び断面図である。 抵抗器1からモールド樹脂層13を取り除いた状態の斜視図である。 抵抗器2の外観斜視図及び断面図である。 抵抗器2からモールド樹脂層13を取り除いた状態の斜視図である。 抵抗器の製造行程で用いる帯状抵抗板20の外観斜視図及び断面図である。 抵抗器の製造行程で用いる帯状抵抗板20の外観斜視図及び断面図である。 抵抗器の製造行程で用いる帯状抵抗板20の外観斜視図及び断面図である。 抵抗器の製造行程で用いる帯状抵抗板20の外観斜視図である。 特許文献1に開示する抵抗器100,200の概略構成図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る2端子型の抵抗器(電流測定用抵抗器)1の1構成例を示す図であり、図1(a)は抵抗器1を斜め上方から見た外観斜視図、図1(b)は抵抗器1を斜め下方から見た外観斜視図、図1(c)は図1(a)のA―A矢視断面図である。また図2は、抵抗器1からモールド樹脂層13を取り除いた状態を示す図であり、図2(a)は図1(a)に対応する外観斜視図、図2(b)は図2(b)に対応する外観斜視図である。なお、実際にはモールド樹脂層13は抵抗体1から取り外すことはできないが、図2では説明の都合上、取り除いた状態を示している。
図1、図2に示すように、2端子型の電流測定用の抵抗器1は、抵抗体11の両端側にそれぞれ電極12を設けると共に、これら電極12の下面を露出させた状態で抵抗体11の両側面の一部を除いたその周囲にモールド樹脂層13を成形して構成されている。抵抗体11は矩形平板状の中央部分11cの両端に、その両端近傍部分の下面を、上方に向かって傾斜する傾斜面11aを設けて構成されている。これにより抵抗体11の傾斜面11aを形成した部分の厚さは先端部に向かって細く(薄く)なっている。また図示するように、抵抗体11の両端部には傾斜面11aを形成していることから、抵抗体11と電極12の接合部の接合面積が大きいので、その電気的接合抵抗を極めて小さくでき、且つ接合強度も強固とすることができる。
抵抗体11の中央部分11cの下面中央部には、電極12と電極12の間の抵抗値を調整するための深さd1の抵抗値調整溝11bが形成されている。そして、抵抗値調整溝11bの両側には、中央部分11cの平面状の部分があり、さらにその両側に傾斜面11aが位置している。この抵抗値調整溝11bの深さd1を調整することにより、製造される抵抗器1の抵抗値を所定値に設定できる。この抵抗値調整溝11bに連続する抵抗体11の両側面にも、抵抗値調整溝11bと同一幅の溝11dが形成されている。各電極12は抵抗体11の下面の抵抗値調整溝11bの両側部から平面状の中央部分11cの下面及び傾斜面11aを覆い、更にその先端が傾斜面11aの先端を超えて外側に突出するように形成されている。抵抗体11は金属材料であり、ここでは銅(Cu)、錫(Sn)、マンガン(Mn)の合金材料(Cu−Sn−Mn合金)を用いている。モールド樹脂層13は、耐熱性樹脂(この例ではフェノール樹脂)をモールドして形成されており、抵抗体11及び電極12の上面全体を覆うと共に、抵抗体11の両側面の溝11dと抵抗値調整溝11bの内部を埋め、その下面が電極12の下面と同一面となるように形成されている。即ち抵抗器1の下面は、電極12、12の下面を除いてモールド樹脂層13で覆われ、抵抗器1の上面は、その全面がモールド樹脂層13で覆われた構成となっている。
ところで、この種の抵抗器1を例えば電流測定用抵抗器として用いる場合、抵抗器1の両電極12間にそれぞれ、電流を流すための電流配線と、電圧を検出するための電圧検出配線とを接続する。即ちこのときは、抵抗器1の1つの電極12に、電流配線と電圧検出配線とを同時に接続することとなるが、そのように構成すると、流した電流や印加した電圧が、抵抗体11に入る前に電極12内全体に広がって相互に干渉し、その測定値に誤差が生じ、構造上より高精度な電流値を測定できなくなる恐れがある。これに対して、より高精度に電流を測定するために、前記電極を2つに分割し、一方を電圧を測定するための電圧端子、他方を電流を流すための電流端子とする4端子構造の電流測定用の抵抗器がある。図3は本発明の一実施形態に係る4端子型の抵抗器(電流測定用抵抗器)2の一構成例を示す図であり、図3(a)は抵抗器2を斜め上方から見た外観斜視図、図3(b)は抵抗器2を斜め下方から見た外観斜視図、図3(c)は図3(a)のB―B矢視断面図である。また図4は、抵抗器2からモールド樹脂層13を取り除いた状態を示す図であり、図4(a)は図3(a)に対応する外観斜視図、図4(b)は図3(b)に対応する外観斜視図である。
図示するように、4端子型の電流測定用の抵抗器2は、図1に示す2端子型の電流測定用の抵抗器1の両電極12をその先端辺の所定位置から抵抗体11に向かって所定距離(電極12の先端辺から抵抗体11の傾斜面11aの先端に至らない部分)にわたって切り欠き15を設けてこの部分を2分割し、一方の部分を電圧測定用の電圧端子16、他方の部分を電流用の電流端子17として構成されている。その他の構成は上記2端子型の電流測定用の抵抗器1と略同じであるから、その説明は省略する。なお、切り欠き15の形状は、矩形状に限定されず、他の種々の形状であっても良い。この抵抗器2を例えば電流測定用抵抗器として用いる場合、抵抗器2の両電極12の両電圧端子16間に電圧を検出するための電圧検出配線を接続し、両電極12の両電流端子17間に電流を流すための電流配線を接続する。このように構成すると、流した電流や印加した電圧が、切り欠き15によって遮断されることで、同一電極12内で相互に干渉しにくくなり、それらの測定値に誤差が生じにくくなり、構造上、より高精度に電流値を測定できるようになる。
次に、上記2端子型の抵抗器1の製造方法について説明する。図5〜図7は抵抗器1の製造方法説明図であり、図5(a)は抵抗器1を製造するのに用いる帯状抵抗板20を斜め上方から見た外観斜視図、図5(b)は図5(a)のC―C矢視断面図、図6(a)は帯状抵抗板20を斜め上方から見た外観斜視図、図6(b)は図6(a)のD―D矢視断面図、図7(a),(b)は帯状抵抗板20を斜め上方から見た外観斜視図、図7(c)は図7(b)のF―F矢視断面図である。なお、図5〜図8では、帯状抵抗板20の最終的に抵抗器1の上面となる側の面を裏側にして示している。即ち、帯状抵抗板20の下面を上向きにして示している。
抵抗器1を製造するには、まず図5に示すような帯状抵抗板20を用意する。帯状抵抗板20は抵抗器1の抵抗体11となる抵抗体素板21と、電極12となる電極素板22を備えている。抵抗体素板21は上記のように銅(Cu)、錫(Sn)、マンガン(Mn)の合金からなり、電極素板22は上記のように銅(Cu)からなる。
ここで抵抗体素板21は、帯状で略矩形平板状であって、その左右両辺から内側に向かって傾斜する傾斜面21a(抵抗体11の傾斜面11a)とすることでこの傾斜部分の厚さが両辺先端に向かって薄くなるように形成し、これによって抵抗体素板21の横断面を台形状にしている。一方、電極素板22は帯状で略矩形平板状であって、抵抗体素板21に対向する面が横断面台形状に凹んだ形状で、その両先端辺は抵抗体素板21の先端辺を越えて外側に張り出した構成となっている。抵抗体素板21と電極素板22は高圧高温下で密着させ両者一体化された帯状抵抗板20となっている。帯状抵抗板20は、帯状の抵抗体素板21と帯状の電極素板22とを重ね合わせて接合一体化することで製造されるので、重ね合わせた2つの異なる材料をその上下から押圧部材を用いて高圧で押圧しながら高温を加えることで、容易に両者の接合を行うことができる。本来、異種金属はその接合による強固な一体化は困難であるが、この例のように、2つの帯状の材料を接合して、例えば狭いスリットを通したり、ローラで加圧したりするようにすれば、容易に高圧での挟持・押圧ができ、密着性の高い強固な接合を容易に行うことができる。従って、抵抗体素板21と電極素板22の接合を強固で且つ小さい接合抵抗(接触抵抗)値で接合でき、以下の工程において、優れた特性の電流検出用の抵抗器1を製造することができる。
次に、図6に示すように、上記帯状抵抗板20の中央部分(抵抗体素板21の中央の傾斜面11に至らない平面部分)に、長手方向に沿って、切削加工により凹部23を帯状に形成する。この凹部23は、電極素板22の中央部分を貫通し、さらに抵抗体素板21の一部も切り欠く。この凹部23は、後の工程によって抵抗値調整溝11bになる。このとき抵抗値調整溝11bの溝深さd1を調整することにより、完成した抵抗器1の電極12,12間の抵抗値を所定値に設定できる。
次に図7(a)に示すように、帯状抵抗板20の凹部23の内底部に、所定間隔(抵抗器1の幅寸法と同一間隔)毎に、長手方向と直交する方向を向いて抵抗体素板21を貫通するスリット24を設ける。スリット24の長さは、凹部23の幅と同一寸法である。
次に、図7(b)に示すように、帯状抵抗板20の凹部23の部分と、スリット24の部分と、凹部23を設けた面の反対側の面全体上とに、モールド樹脂層13となる樹脂層26を成形し冷却固化し、抵抗器素板1’とする。樹脂層26の材質としてこの例では、ガラス繊維、有機フィラー、無機フィラー等で強化したフェノール樹脂を用いている。このとき、凹部23の両側の電極素板22の表面は露出させる。つまり、抵抗器素板1’は、抵抗体11となる抵抗体素板21と電極12となる電極素板22の接合体の凹部23の内部をモールド樹脂層13となる樹脂層26で埋めると共に、この接合体の下面全面をモールド樹脂層13となる樹脂層26で覆っている。またこのとき、凹部23の両側の電極素板22の表面と、凹部23に充填される樹脂層26の表面は、同一面となるようにしている。また凹部23内の樹脂層26と反対面側の樹脂層26とは、スリット24に充填される樹脂層26によって一体に連結されている。
次に、前記電極素板22の露出している部分に、硫化防止のため、ニッケル(Ni)下地の金(Au)メッキを行う。そして、前記抵抗器素板1’を、前記スリット24の中央部分(図7(b)のG―G線上)に沿ってカットすれば、図1に示す2端子型の抵抗器1が完成する。なお、図7(c)は抵抗器素板1’のF―F断面矢視図であり、前記図1(c)に示す断面図を上下逆にした断面図と同一となっている。
次に、図3に示す4端子型の抵抗器2の製造方法について説明する。図6に示すように、帯状抵抗板20の中央部分に長手方向に沿って、切削加工により凹部23を形成するまでは、2端子型の抵抗器1の製造方法と同じなのでその説明は省略する。
即ち、図6に示すように、帯状抵抗板20の中央部分に長手方向に沿って、切削加工により凹部23を形成した後、図8(a)に示すように、その凹部23の底部に、長手方向に直交するように抵抗体素板21を貫通するスリット24を所定間隔(抵抗器2の幅寸法と同一の間隔の幅寸法)で形成すると共に、電極12となる帯状の電極素板22の両側辺に所定幅の切り欠き15を所定間隔(抵抗器2の幅寸法と同一の間隔の幅寸法)で形成する。各切り欠き15は、スリット24の中央部を通る線(G―G線)とその隣の線(G―G線)との間の所定位置に設けられる。切り欠き15の抵抗体素板21(抵抗体11)側の端部は抵抗体素板21の側辺(抵抗体11の傾斜面11aの先端辺)に至らないようにする。またスリット24の長さは、凹部23の幅と同一寸法である。
なお、上記例では、4端子型の抵抗器2にするための切り欠き15を、図8(a)に示すように、帯状抵抗板20の電極素板22に設けているが、これに限定されるものではなく、例えば図1(a)、(b)に示すような個品化された後の2端子型の電流測定用抵抗器1の電極12に切り欠き15を設け、一方を電圧測定用の電圧端子16とし、他方を電流通電用の電流端子17としても良い。
次に、図8(b)に示すように、帯状抵抗板20の凹部23の部分と、スリット24の部分と、凹部23を設けた面の反対側の面全体上とに、モールド樹脂層13となる樹脂層26を成形し冷却固化し、抵抗器素板2’とする。このとき、凹部23の両側の電極素板22の表面は露出させる。つまり、抵抗器素板2’は、抵抗体11となる抵抗体素板21と電極12となる電極素板22の接合体の凹部23の内部をモールド樹脂層13となる樹脂層26で埋めると共に、この接合体の下面全面をモールド樹脂層13となる樹脂層26で覆っている。このとき、樹脂層26にも帯状抵抗体20に設けた切り欠き15が形成される。またこのとき、凹部23の両側の電極素板22の表面と、凹部23に充填される樹脂層26の表面は、同一面となるようにしている。また凹部23内の樹脂層26と反対面側の樹脂層26とは、スリット24に充填される樹脂層26によって一体に連結されている。
次に、前記電極素板22の露出している部分に、硫化防止のため、ニッケル(Ni)下地の金(Au)メッキを行う。そして、前記抵抗器素板2’を、前記スリット24の中央部分(図8(b)のG―G線上)に沿ってカットすれば、図2に示す4端子型の抵抗器2が完成する。
4端子型の抵抗器2を図3に示すように構成することにより、抵抗体11と電極12の電気的接合抵抗を、前記2端子型の抵抗器1と同様、極めて小さくすることができる。更に抵抗器2では、1つの電極12の先端辺から抵抗体11の傾斜面11aの先端に至らない部分に切り欠き15を設けてこの部分を2分割したので、前述のように、一方の部分を電圧端子16、他方の部分を電流端子17とすることで、電流端子17を通って被測定体に流れる電流を高精度で測定することが可能になる。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
1 2端子型の抵抗器
1’ 抵抗器素板
2 4端子型の抵抗器
2’ 抵抗器素板
11 抵抗体
11a 傾斜面
11b 抵抗値調整溝
11c 中央部分
12 電極
13 モールド樹脂層
15 切り欠き
16 電圧端子
17 電流端子
20 帯状抵抗板
21 抵抗体素板
22 電極素板
23 凹部
24 スリット
26 樹脂層

Claims (5)

  1. 抵抗体の両側に電極を形成すると共に、前記電極の下面を露出した状態で前記抵抗体の周囲にモールド樹脂層を形成してなる抵抗器において、
    前記抵抗体は、略矩形平板状であって、その両端近傍部分の下面を上方に向かって傾斜する傾斜面とすることでその厚さを先端部に向かって細くなるように形成し、
    一方、前記電極は、前記抵抗体の下面中央に設けた抵抗値調整溝の両側部分から前記傾斜面を越えてさらにその先端側に突出するように形成されていることを特徴とする抵抗器。
  2. 請求項1に記載の抵抗器であって、
    前記抵抗体は矩形平板状の中央部分の両端にそれぞれ前記傾斜面を設け、さらに前記中央部分の下面に前記抵抗値調整溝を設けて構成され、
    一方、前記電極は、前記抵抗値調整溝の両側の中央部分の下面から前記傾斜面側に形成されていることを特徴とする抵抗器。
  3. 請求項1又は2に記載の抵抗器であって、
    前記電極の先端辺から前記抵抗体に向かう所定部分に切り欠き設けて、この部分を2分割し、この2分割された一方の電極を電圧測定用の電圧端子、他方の電極を電流通電用の電流端子として、4端子型の電流検出用抵抗器を構成し、
    さらに前記切り欠きは、前記抵抗体の傾斜面に至らないように形成したことを特徴とする抵抗器。
  4. 帯状であってその両辺から内側に向かう所定部分の下面を上方に向かって傾斜する傾斜面とすることで前記所定部分の厚さが前記両辺に向かって薄くなるように形成した抵抗体素板と、前記抵抗体素板の下面を覆って一体化されさらに前記抵抗体素板の先端辺を越えて張り出すように形成した帯状の電極素板とを具備してなる帯状抵抗板を用意し、
    前記帯状抵抗板の下面中央に長手方向に向かって前記電極素板を貫通しさらに前記抵抗体素板の両傾斜面に至らない中央部分を切り欠く抵抗値調整溝を形成する溝形成工程と、
    前記抵抗値調整溝の長手方向に向かって所定間隔毎に、この抵抗値調整溝の長手方向に直交する方向を向くスリットを形成するスリット形成工程と、
    前記帯状抵抗板の上面と前記抵抗値調整溝に前記スリットを介してモールド樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
    前記スリットの部分をカットすることで抵抗器を個品化する個品化工程と、
    を具備することを特徴とする抵抗器の製造方法。
  5. 請求項4に記載の抵抗器の製造方法であって、
    前記個品化される前又は個品化された後の電極を、その先端辺から前記抵抗体素板に向かう所定部分に切り欠き設けこの部分を2分割する電極分割工程、
    を具備することを特徴とする抵抗器の製造方法。
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