JP2016210849A - 硬化物の製造方法、硬化物、硬化性組成物および接着剤 - Google Patents

硬化物の製造方法、硬化物、硬化性組成物および接着剤 Download PDF

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Abstract

【課題】高透明性、低透湿性、強接着性および可とう性を同時に満たす硬化物を製造することができる硬化物の製造方法を提供すること。【解決手段】2種類以上の重合反応を行うことを必須とし、硬化性組成物から硬化物に転化する過程に、弾性率を103〜106Paとする第1硬化を経由することを必須とし、第2硬化した硬化物の弾性率が107Pa以上であり、上記硬化性組成物はカチオン重合性化合物(A)、ラジカル重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)および熱重合開始剤(D)を含有し、カチオン重合性化合物(A)の含有量が、カチオン重合性化合物(A)、ラジカル重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)および熱重合開始剤(D)の質量の和100質量部に対して、50〜95質量部となる硬化性組成物である硬化物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は特定の硬化性組成物を用いて2種類以上の重合反応を行うことを必須とし、特定の弾性率を有する硬化物となる第1硬化を経由した後第2硬化を行い、第2硬化後に特定の弾性率を有する硬化物となる硬化物の製造方法、当該製造方法により得られる硬化物、当該製造方法に使用される硬化性組成物および当該硬化性組成物からなる接着剤に関する。
従来、接着剤として用いられる硬化性組成物は、重合性樹脂と開始剤とを含有し、熱や光などにより重合反応を起こすことにより硬化し、様々な用途で幅広く用いられている。この様な接着剤には、種々の被着体への接着性に加えて薄膜成形、可とう性、透明性、耐湿性、導電性、耐熱性、透明性、屈折率および硬化性制御等の機能性付与が望まれている。
接着剤の硬化手段としては、熱または光による硬化が一般的に用いられる。熱硬化型接着剤は、高温で長時間の硬化工程を必要とするため、生産性において問題がある。その為、短時間で重合反応が可能で、生産性に優れる光硬化型接着剤を用いることが多い。しかしながら光硬化型接着剤は、光が照射されない部分は硬化しない為、被着体が不透明な場合には接着剤として使用することが難しいという問題があった。
上記問題を解決する手段として特許文献1には、光硬化により硬化し接着性を発現する中間膜用粘着シートが開示されている。また、特許文献2には、エポキシ化合物を用いたカチオン硬化型の硬化性接着剤組成物が開示されている。更に、特許文献3には、エポキシ化合物およびアクリル化合物を用いた、2回の異なる重合反応の工程をもつ半導体用接着剤組成物が開示されている。しかし、硬化物の薄膜形成、第1硬化後において硬化物の弾性率安定的性、第2硬化後の硬化物において強接着力および低透湿性に優れた硬化物を与える硬化性組成物は得られていない。
特開2002−348150号公報 特開2006−210297号公報 特開2012−188463号公報
従来既知の製造方法によって作成された硬化物において、不透明な被着体にも適用でき、かつ硬化物の薄膜形成が可能で、第1硬化後の硬化物が粘着性を発現し、発現した粘着性の安定性に優れ、第2硬化後の硬化物が強接着力および低透湿性に優れた硬化物は得られていないという課題がある。
本発明者らは上記課題を鋭意検討したところ、硬化性組成物を用いて2種類以上の重合反応を行うことを必須とし、特定の弾性率を有する第1硬化を経由して、第2硬化後に特定の弾性率を有する硬化物となる硬化物の製造方法によって上記課題を解決し得ることを知見し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、硬化性組成物を用いた硬化物の製造方法において、2種類以上の重合反応を行うことを必須とし、硬化性組成物を硬化物に転化する過程に、弾性率を10〜10Paとする第1硬化を経由することを必須とし、第2硬化した硬化物の弾性率が10Pa以上であり、前記硬化性組成物は、カチオン重合性化合物(A)、ラジカル重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)および熱重合開始剤(D)を含有し、カチオン重合性化合物(A)の含有量が、カチオン重合性化合物(A)、ラジカル重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)および熱重合開始剤(D)の質量の和100質量部に対して、50〜95質量部である硬化性組成物である、硬化物の製造方法を提供することにある。
本発明は、上記硬化物の製造方法、上記硬化物の製造方法によって得られる硬化物、上記硬化組成物および上記硬化性組成物からなる接着剤を提供するものである。
本発明によれば、第1硬化後において硬化条件によって弾性率が大きく変化せず、かつ弾性率の安定性が良好であり、第2硬化後においては高透明性、低透湿性、強接着性および可とう性を同時に満たす硬化物、硬化性組成物および接着剤を提供することができる。
本発明の硬化物の製造方法は、2種類以上の重合反応を行うことが必須である。上記重合反応を化学反応種によって分類すると、例えば、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、配位重合および開環重合が挙げられる。本発明の硬化物の製造方法においては、反応性が高いことから、少なくともラジカル重合およびカチオン重合を行うことが好ましい。
本発明における第1硬化は、硬化物が粘着性を発現する重合反応を意味し、例えば、光ラジカル重合反応、光カチオン重合反応等の光重合反応、熱ラジカル重合反応、熱カチオン重合反応等の熱重合反応が挙げられる。第1硬化は、信頼性の高い粘着性を発現することから、当該反応の反応率を可能な限り上げることが好ましい。
本発明における第2硬化は、硬化物が強接着力および低透湿性を発現する重合反応を意味し、第1硬化と異なる種類の重合反応が選ばれ、例えば、光ラジカル重合反応、光カチオン重合反応等の光重合反応、熱ラジカル重合反応および熱カチオン重合反応等の熱重合反応が挙げられる。第2硬化は、1回の工程で行う場合もあり、複数の工程で行う場合もある。例えば光重合反応を行う場合には、まず低照射量で硬化を行い、続いて高照射量で硬化を行ってもよい。また、例えば、熱重合反応を行う場合には、低温または短時間で硬化を行い、続いて高温または長時間で硬化を行ってもよい。強接着力および低透湿性に優れた硬化物を得るためには、当該反応の反応率を可能な限り挙げることが好ましい。
本発明の硬化物の製造方法によれば、弾性率を10〜10Paとする第1硬化を経由することを必須とする。上記第1硬化後の硬化物は、適切な粘着力および粘着力の安定性が高いので好ましい。
本発明の硬化物の製造方法によれば、第2硬化後の硬化物の弾性率が10Pa以上となる。上記第2硬化後の硬化物は、強接着力および低透湿性に優れることから好ましい。上記第2硬化とは、本発明の硬化物の製造方法において行う最後の重合反応を意味する。
本発明の硬化物の製造方法に用いられる硬化性組成物は、カチオン重合性化合物(A)、ラジカル重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)および熱重合開始剤(D)を含有する。本発明に用いられる硬化性組成物は、カチオン重合性化合物(A)の含有量が、カチオン重合性化合物(A)、ラジカル重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)および熱重合開始剤(D)の質量の和100質量部に対して、50〜95質量部である。本発明に用いられる硬化性組成物は、更にカチオン硬化遅延剤(E)を含有してもよい。以下、各成分について順に説明する。
<カチオン重合性化合物(A)>
上記カチオン重合性化合物(A)は、カチオン重合性を示すものであれば、特に限定されるものではない。カチオン重合性を示す化合物としてエポキシ化合物、オキセタン化合物およびビニルエーテル化合物等が挙げられるが、硬化物が多様な被着体へ高密着性を示し、高耐熱性、高強度および低透湿性を示すことより、特にエポキシ化合物が好ましい。
上記エポキシ化合物としては、ジグリシジルエーテル化合物、多官能エポキシ化合物および脂環式エポキシ化合物が好ましい。
ジグリシジルエーテル化合物は、硬化物が多様な被着体へ高密着性を示すことから好ましい。ジグリシジルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,5−ペンタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルおよびビスフェノールAジグリシジルエーテル等が挙げられる。
脂環式エポキシ化合物は、第2硬化後の硬化物が高耐熱性および高強度となることから好ましい。脂環式エポキシ化合物としては、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、プロパン−2,2−ジイル−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル 3,4−エポキシ−1−メチルヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシ−2−エポキシエチルシクロヘキサン、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、α−ピネンオキシド、シクロヘキセンオキサイドおよびシクロペンテンオキサイド等が挙げられる。
多官能エポキシ化合物は、第2硬化後の硬化物が低透湿性になることから好ましい。多官能エポキシ化合物としては、例えば、1-(2,3−ビス(オキシラン−2−イルメトキシ)プロポキシ)−3−(オキシラン−2−イルメトキシ)プロパン−2−オール、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリス(2,3-エポキシプロピル)イソシアヌレ−ト、1,1,2,2−テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタンおよびペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル等が挙げられる。
その他のエポキシ化合物としては、下記に示すものが挙げられる。すなわち、例えば、メチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、炭素数12〜13の混合アルキルグリシジルエーテル、フェニル−2−メチルグリシジルエーテル、セチルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、イソプロピルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、4−n−ブチルフェニルグリシジルエーテル、4−フェニルフェノールグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、ジブロモクレジルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノグリシジルエーテル、エトキシポリエチレングリコールモノグリシジルエーテル、ブトキシポリエチレングリコールモノグリシジルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールモノグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル等のモノグリシジルエーテル化物;グリシジルアセテートおよびグリシジルステアレート等のグリシジルエステル類;が挙げられる。
上記エポキシ化合物としては、エポキシ化ポリオレフィンを用いることもできる。エポキシ化ポリオレフィンとは、ポリオレフィンをエポキシ基含有単量体で変性して、エポキシ基を導入したポリオレフィンである。エポキシ化ポリオレフィンは、エチレンまたは炭素数3〜20のα−オレフィン、エポキシ基含有単量体、および必要に応じて他のモノマーとを、共重合法およびグラフト法のいずれかにより共重合させることによって製造することができる。エチレンまたは炭素数3〜20のα−オレフィン、エポキシ基含有単量体および他のモノマーは、それぞれ単独で重合させてもよく、他の単量体と複数で重合させてもよい。また、末端に水酸基を有する非共役のポリブタジエンの二重結合を、過酢酸法によりエポキシ化して得ることもでき、分子内に水酸基を持つものを使用してもよい。また、水酸基をイソシアネートでウレタン化し、ここに1級水酸基含有エポキシ化合物を反応させてエポキシ基を導入することもできる。
上記エチレンまたは炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、1,3−ブタジエン、1,4−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,3−オクタジエンおよびイソプレン等が挙げられる。
上記エポキシ基含有単量体としては、例えば、α,β−不飽和酸のグリシジルエステル、ビニルベンジルグリシジルエーテルおよびアリルグリシジルエーテル等が挙げられる。α,β−不飽和酸のグリシジルエステルとしては、具体的にはアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルおよびエタクリル酸グリシジル等が挙げられ、特にメタクリル酸グリシジルが好ましい。
上記他のモノマーとしては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンおよびテトラフルオロエチレン等の不飽和脂肪族炭化水素;(メタ)アクリル酸、α―クロルアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸、フマル酸、ハイミック酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ビニル酢酸、アリル酢酸、桂皮酸、ソルビン酸、メサコン酸、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、フタル酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート・マレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート・マレート、ジシクロペンタジエン・マレートおよび1個のカルボキシル基と2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有する多官能(メタ)アクリレート等の不飽和多塩基酸;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリ(エトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリ[(メタ)アクリロイルエチル]イソシアヌレートおよびポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー等の不飽和一塩基酸と多価アルコールまたは多価フェノールのエステル;(メタ)アクリル酸亜鉛および(メタ)アクリル酸マグネシウム等の不飽和多塩基酸の金属塩;マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−無水マレイン酸付加物、ドデセニル無水コハク酸および無水メチルハイミック酸等の不飽和多塩基酸の酸無水物;(メタ)アクリルアミド、メチレンビス−(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミドおよびN−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和一塩基酸および多価アミンのアミド;アクロレイン等の不飽和アルデヒド;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデンおよびシアン化アリル等の不飽和ニトリル;スチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−クロロスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ビニル安息香酸、ビニルフェノール、ビニルスルホン酸、4−ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンジルメチルエーテルおよびビニルナフタレン等の不飽和芳香族化合物;メチルビニルケトン等の不飽和ケトン;ビニルアミン、アリルアミン、N−ビニルピロリドンおよびビニルピペリジン等の不飽和アミン化合物;アリルアルコールおよびクロチルアルコール等のビニルアルコール;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、n−ブチルビニルエーテルおよびイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル;マレイミド、N−フェニルマレイミドおよびN−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類;インデンおよび1−メチルインデン等のインデン類;ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレートおよびポリシロキサン等の重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー類;水酸基含有ビニルモノマーおよびポリイソシアネート化合物のビニルウレタン化合物;水酸基含有ビニルモノマーとポリエポキシ化合物のビニルエポキシ化合物;ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の水酸基含有多官能アクリレートとトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の多官能イソシアネートの反応物;ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の水酸基含有多官能アクリレート;無水コハク酸、無水フタル酸およびテトラヒドロ無水フタル酸等の二塩基酸無水物の反応物である酸価を有する多官能アクリレート;が挙げられる。
上記エポキシ化ポリオレフィンとしては、市販品を用いることもでき、例えば、エポリードPB3600、PB4700(ダイセル社製)、アデカサイザーBF−1000、アデカスタブFC−3000(ADEKA社製)、ボンドファースト2B、7B、2C、E、7B、7L、7M、VC40、CG5001、CG5004(住友化学社製)、JP−100、JP−200(日本曹達社製)Poly bd R−45HT、Poly bd R−15HT(出光興産社製)およびRicon657(アルケマ社製)等が挙げられる。
上記オキセタン化合物としては、例えば、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、3―エチル―3−[(フェノキシ)メチル]オキセタン、3―エチル―3−(ヘキシロキシメチル)オキセタン、3―エチル―3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3―エチル―3−(ヒドロキシメチル)オキセタンおよび3―エチル―3−(クロロメチル)オキセタン等が挙げられる。
上記ビニルエーテル化合物としては、例えば、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、1,6−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテルおよび1,6−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等が挙げられる。
上記カチオン重合性化合物(A)としては、市販品のものを用いることができ、例えば、エポライト40E、1500NP、1600、80MF、4000、3002、M−1230、100F(共栄社化学社製)、アデカグリシロールED−503、ED−503D、ED−503G、ED−505、ED−523T、ED−513、ED−501、ED−502、ED−509、ED−518、ED−529、アデカレジンEP−4000S、EP−4005、EP−4080、EP−4085、EP−4088(ADEKA社製)、EP−4100E、デナコールEX−201、EX−203、EX−211、EX−212、EX−221、EX−251、EX−252、EX−711、EX−721、デナコールEX−111、EX−121、EX−141、EX−142、EX−145、EX−146、EX−147、EX−171、EX−192、EX−731(ナガセケムテックス社製)、セロキサイド2021P、2081、2000、3000(ダイセル社製)、エピオールM、EH、L−41、SK、SB、TB、OH(日油社製)、アロンオキセタンEXOH、POX、OXA、OXT−101、OXT−121、OXT−211、OXT−212、OXT−221(東亞合成社製)、エタナコールOXBP、OXTP(宇部興産社製)、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(丸善石油化学社製)、オグソールPG−100、EG−200、EG−210、EG−250(大阪ガスケミカル社製)、ESN−475V(東都化成社製)、エピコートYX8800(三菱化学社製)、エピクロンN−665、HP−7200(DIC社製)、EOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、XD−1000、NC−3000、EPPN−501H、EPPN−501HY、EPPN−502HおよびNC−7000L(日本化薬社製)等が挙げられる。
本発明の硬化物の製造方法に用いる硬化性組成物において、カチオン重合性化合物(A)の含有量は、カチオン重合性化合物(A)、ラジカル重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)、および熱重合開始剤(D)の質量の和100質量部に対して、50〜95質量部、好ましくは、70〜95質量部である。上記カチオン重合性化合物(A)の含有量が50質量部より小さいと、第2硬化後の硬化物が、適切な弾性率、接着性および低透湿性を有さない場合があり、95質量部より大きいと、第1硬化後の硬化物が、適切な弾性率および粘着性を有さない場合がある。
例えば膜厚1〜100μmの硬化物を形成する場合には、カチオン重合性化合物(A)の含有量は、カチオン重合性化合物(A)、ラジカル重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)、および熱重合開始剤(D)の質量の和100質量部に対して、50〜95質量部である。好ましくは、70〜95質量部である。上記カチオン重合性化合物(A)の含有量が50質量部より小さいと、第2硬化後の硬化物が、適切な弾性率、接着性および低透湿性を有さない場合があり、95質量部より大きいと第1硬化後の硬化物が、適切な弾性率および粘着性を有さない場合がある。
<ラジカル重合性化合物(B)>
上記ラジカル重合性化合物(B)は、ラジカル重合性を示すものであれば、特に限定されるものではないが、硬化性および様々な構造の化合物が存在することからアクリルレートおよびメタクリレートが好ましい。
上記ラジカル重合性化合物(B)としては、特に限定されず、従来硬化性組成物に用いられているものを用いることができるが、単官能(メタ)アクリル化合物、飽和脂肪環を構造に含む(メタ)アクリル化合物、多官能(メタ)アクリル化合物およびエポキシ(メタ)アクリル化合物等が好ましい。
単官能(メタ)アクリル化合物は、硬化性組成物の粘度を低減することが可能で、第2硬化後の硬化物が良好な可とう性を発現することから好ましい。単官能(メタ)アクリル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、下記化合物No.B1〜No.B4、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリ(エトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸アリルおよび(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。
飽和脂肪環を構造に含む(メタ)アクリル化合物は、第2硬化後の硬化物が、低透湿性になることから好ましい。飽和脂肪環を構造に含む(メタ)アクリル化合物としては、例えば、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレートおよび2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリル化合物は、第2硬化後の硬化物が高弾性率となることから好ましい。多官能(メタ)アクリル化合物としては、例えば、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリル化合物は、ラジカル重合性が高いことから好ましい。エポキシ(メタ)アクリル化合物としては、例えば、2−ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、エチレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、プロピレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物およびジエチレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物等が挙げられる。
その他のラジカル重合性化合物(B)としては、下記に示すものが挙げられる。すなわち、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンおよびテトラフルオロエチレン等の不飽和脂肪族炭化水素;(メタ)アクリル酸、α―クロルアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸、フマル酸、ハイミック酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ビニル酢酸、アリル酢酸、桂皮酸、ソルビン酸、メサコン酸、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、フタル酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]およびω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート・マレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート・マレート、ジシクロペンタジエン・マレートおよび1個のカルボキシル基と2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有する多官能(メタ)アクリレート等の不飽和一塩基酸;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリ[(メタ)アクリロイルエチル]イソシアヌレートおよびポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー等の不飽和一塩基酸および多価アルコールまたは多価フェノールのエステル;(メタ)アクリル酸亜鉛および(メタ)アクリル酸マグネシウム等の不飽和多塩基酸の金属塩;マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−無水マレイン酸付加物、ドデセニル無水コハク酸および無水メチルハイミック酸等の不飽和多塩基酸の酸無水物;(メタ)アクリルアミド、メチレンビス−(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミドおよびN−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和一塩基酸と多価アミンのアミド;アクロレイン等の不飽和アルデヒド;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデンおよびシアン化アリル等の不飽和ニトリル;スチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−クロロスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ビニル安息香酸、ビニルフェノール、ビニルスルホン酸、4−ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンジルメチルエーテルおよびビニルベンジルグリシジルエーテル等の不飽和芳香族化合物;メチルビニルケトン等の不飽和ケトン;ビニルアミン、アリルアミン、N−ビニルピロリドンおよびビニルピペリジン等の不飽和アミン化合物;アリルアルコールおよびクロチルアルコール等のビニルアルコール;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルおよびアリルグリシジルエーテル等のビニルエーテル;マレイミド、N−フェニルマレイミドおよびN−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類;インデンおよび1−メチルインデン等のインデン類;1,3−ブタジエン、イソプレンおよびクロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレートおよびポリシロキサン等の重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー類;ビニルクロリド、ビニリデンクロリド、ジビニルスクシナート、ジアリルフタラート、トリアリルホスファート、トリアリルイソシアヌラート、ビニルチオエーテル、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾリン、ビニルカルバゾール、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、水酸基含有ビニルモノマー、ポリイソシアネート化合物のビニルウレタン化合物、水酸基含有ビニルモノマーおよびポリエポキシ化合物のビニルエポキシ化合物が挙げられる。
Figure 2016210849
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Figure 2016210849
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上記ラジカル重合性化合物(B)としては、市販品を用いることもでき、例えば、カヤラッドDPHA、DPEA−12、PEG400DA、THE−330、RP−1040、NPGDA、PET30(日本化薬社製)、アロニックスM−140、M−215、M−350(東亞合成社製)、NKエステルA−DPH、A−TMPT、A−DCP、A−HD−N、A−9300、TMPT、DCP、NPGおよびHD−N(新中村化学工業社製)等が挙げられる。
上記硬化性組成物において、ラジカル重合性化合物(B)の含有量は、特に限定されるものではないが、カチオン重合性化合物(A)、ラジカル重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)、および熱重合開始剤(D)の質量の和100質量部に対して、好ましくは0.5〜40質量部、より好ましくは、1〜15質量部である。上記ラジカル重合性化合物(B)の含有量が0.5質量部より小さいと、第1硬化後の硬化物が十分な弾性率を有さない場合があり、40質量部より大きいと、第2硬化後の硬化物にカールやクラックが発生する場合がある。
例えば膜厚1〜100μmの硬化物を形成する場合には、ラジカル重合性化合物(B)の含有量は、カチオン重合性化合物(A)、ラジカル重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)、および熱重合開始剤(D)の質量の和100質量部に対して、好ましくは0.5〜40質量部、より好ましくは、1〜15質量部である。上記ラジカル重合性化合物(B)の含有量が0.5質量部より小さいと、第1硬化後の硬化物が十分な弾性率を有さない場合あり、40質量部より大きいと、第2硬化後の硬化物にカールやクラックが発生する場合がある。
<光重合開始剤(C)>
上記光重合開始剤(C)は、特に限定されるものではないが、光ラジカル重合開始剤および光カチオン重合開始剤が好ましい。
上記光ラジカル重合開始剤しては、光照射によりラジカルを発生するものであれば特に制限されず従来既知の化合物を用いることが可能であり、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、ベンジル系化合物、ベンゾイン系化合物、オキシムエステル系化合物などのケトン系化合物、オキシムエステル系化合物、α−ヒドロキシケトン系化合物、α−アミノアルキルフェノン系化合物およびホスフィンオキサイド系化合物チタノセン系化合物等を好ましいものとして例示することができる。
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、O−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトンおよびフルオレノン等が挙げられる。
アセトフェノン系化合物としては、例えば、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オンおよびフェニルグリオキシル酸メチル等が挙げられる。
上記アセトフェノン系化合物としては市販品を用いることもでき、例えば、IRGACURE 127、IRGACURE 184、IRGACURE 651、IRGACURE 907、DAROCUR 1173(BASF社製)、LUNA100およびLUNA200(DKSHジャパン社製 )等が挙げられる。
チオキサントン系化合物としては、例えば、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンおよびジエチルチオキサントン等が挙げられる。
ベンジル系化合物としては、例えば、ベンジル、ベンジルジメチルケタールおよびベンジル−β−メトキシエチルアセタール等が挙げられる。
ベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテルおよび2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
上記ベンゾイル系化合物としては、市販品を用いることもでき、例えば、DAROCURE1173(BASF社製)等が挙げられる。
オキシム系化合物としては、例えば、1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシプロパントリオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]エタノン)および1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。
上記オキシム系化合物としては市販品を用いることもでき、例えば、IRGACURE OXE01およびIRGACURE OXE02(BASF社製)等が挙げられる。
α−ヒドロキシケトン系化合物としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンおよび2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン等が挙げられる。
α−アミノアルキルフェノン系化合物としては、例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1および2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン等が挙げられる。
上記α−アミノアルキルフェノン系化合物としては市販品を用いることもでき、例えば、IRGACURE 369およびIRGACURE 379(BASF社製)等が挙げられる。
ホスフィンオキサイド系化合物としては、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドおよび2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド等が挙げられる。
上記ホスフィンオキサイド系化合物としては市販品を用いることもでき、例えば、DAROCURE TPOおよびIRGACURE 819(BASF社製)等が挙げられる。
チタノセン系化合物としては、例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム等が挙げられる。
上記チタノセン系化合物としては市販品を用いることもでき、例えば、IRGACURE 784(BASF社製)等が挙げられる。
上記光カチオン重合開始剤としては、エネルギー線照射により酸を発生することが可能な化合物であればどのようなものでも差し支えないが、好ましくは、エネルギー線の照射によってルイス酸を放出するオニウム塩である複塩、またはその誘導体である。かかる化合物の代表的なものとしては、下記一般式、
[A]r+[B]r-
で表される陽イオンと陰イオンの塩を挙げることができる。
ここで陽イオン[A]r+はオニウムであることが好ましく、その構造は、例えば、下記一般式、
[(RaQ]r+
で表すことができる。
更にここで、Rは炭素原子数が1〜60であり、炭素原子以外の原子をいくつ含んでいてもよい有機の基である。aは1〜5なる整数である。a個のR1は各々独立で、同一でも異なっていてもよい。また、少なくとも1つは、芳香環を有する上記の如き有機の基であることが好ましい。QはS,N,Se,Te,P,As,Sb,Bi,O,I,Br,Cl,FおよびN=Nからなる群から選ばれる原子あるいは原子団である。また、陽イオン[A]r+中のQの原子価をqとしたとき、r=a−qなる関係が成り立つことが必要である(但し、N=Nは原子価0として扱う)。
また、陰イオン[B]r-は、ハロゲン化物錯体であることが好ましく、その構造は、例えば、下記一般式、
[LXr-
で表すことができる。
更にここで、Lはハロゲン化物錯体の中心原子である金属または半金属(Metalloid)であり、B,P,As,Sb,Fe,Sn,Bi,Al,Ca,In,Ti,Zn,Sc,V,Cr,MnおよびCo等である。Xはハロゲン原子である。bは3〜7なる整数である。また、陰イオン[B]r-中のLの原子価をpとしたとき、r=b−pなる関係が成り立つことが必要である。
上記一般式の陰イオン[LXbr-について感度および入手容易性の点から、下記の陰イオンを好ましく使用することができる。例えば、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラ(3,5−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)ボレート、テトラフルオロボレート(BF4-、ヘキサフルオロフォスフェート(PF6-、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6-、ヘキサフルオロアルセネート(AsF6-およびヘキサクロロアンチモネート(SbCl6-等を挙げることができる。
また、陰イオン[B]r-は、下記一般式、
[LXb-1(OH)]r-
で表される構造のものを挙げることができる。L,X,bは上記と同様である。また、その他用いることのできる陰イオンとしては、過塩素酸イオン(ClO4-、トリフルオロメチル亜硫酸イオン(CF3SO3-、フルオロスルホン酸イオン(FSO3-、トルエンスルホン酸陰イオン、トリニトロベンゼンスルホン酸陰イオン、カンファースルフォネート、ノナフルオロブタンスルフォネート、ヘキサデカフルオロオクタンスルフォネート、テトラアリールボレートおよびテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を挙げることができる。
本発明では、このようなオニウム塩の中でも、下記の(イ)〜(ハ)の芳香族オニウム塩を使用することが、感度および入手容易性の点から特に有効である。これらの中から、その1種を単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
(イ) フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、4−メトキシフェニルジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネートおよび4−メチルフェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート等のアリールジアゾニウム塩。
(ロ) ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェートおよびトリルクミルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のジアリールヨードニウム塩
(ハ)下記群Iまたは群IIで表されるスルホニウムカチオンとヘキサフルオロアンチモンイオンおよびテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートイオン等のスルホニウム塩
Figure 2016210849
Figure 2016210849
その他のオニウム塩として(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)〔(1,2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン〕−アイアン−ヘキサフルオロホスフェート等の鉄−アレーン錯体;トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリス(エチルアセトナトアセタト)アルミニウムおよびトリス(サリチルアルデヒダト)アルミニウム等のアルミニウム錯体;とトリフェニルシラノール等のシラノール類;との混合物等も挙げることができる。
上記光カチオン重合開始剤は、市販品を用いることもできる。
芳香族ヨードニウム塩の光カチオン重合開始剤としては、例えば、IRUGACURE261(BASF社製)、BBI-103およびMPI-103(ミドリ化学社製)等が挙げられる。
芳香族スルホウニウム塩の光カチオン重合開始剤としては、例えば、アデカオプトマーSP−150、SP−151、SP−152、SP−170、SP−171、SP−172(ADEKA社製)、Uvacure1590 (ダイセルUCB)、CYRACURE UVI−6990(ユニオンカーバイド社製)、TPS-103、MDS-103、DTS-103およびNDS-103(ミドリ化学社製)等が挙げられる。
これらの光重合開始剤(C)は単独で使用する場合および2種以上を併用する場合がある。
上記硬化性組成物において、光重合開始剤(C)の含有量は、特に限定されるものではないが、カチオン重合性化合物(A)、ラジカル重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)、および熱重合開始剤(D)の質量の和100質量部に対して、好ましくは0.1〜5.0質量部、より好ましくは、0.2〜3.0質量部である。上記光重合開始剤(C)の含有量が0.1質量部より小さいと、光による重合反応が十分に進行しない場合が考えられ、5.0質量部より大きいと光重合開始剤(C)が析出する場合がある。
例えば膜厚1〜100μmの硬化物を形成する場合には、光重合開始剤(C)の含有量は、カチオン重合性化合物(A)、ラジカル重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)、および熱重合開始剤(D)の質量の和100質量部に対して、好ましくは0.1〜5.0質量部、より好ましくは、0.2〜3.0質量部である。上記光重合開始剤(C)の含有量が0.1質量部より小さいと、光による重合反応が十分に進行しない場合があり、5.0質量部より大きいと光重合開始剤(C)が析出する場合がある。
<熱重合開始剤(D)>
上記熱重合開始剤(D)は、特に限定されるものではないが、熱ラジカル重合開始剤および熱カチオン重合開始剤が好ましい。
上記熱ラジカル重合開始剤しては、加熱によりラジカルを発生するものであれば特に制限されず、従来既知の化合物を用いることが可能であり、例えば、アゾ化合物および過酸化物等が挙げられる。
アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカーボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)プロピオンアミド〕および2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕等が挙げられる。
過酸化物としては、例えばジイソプロピルパーオキシジカーボネート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシピバレート、オクタノイルパーオキシド、ステアロイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、アセチルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ベンゾイルパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルジパーオキシフタレート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパオキシ)ヘキサン、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド、p−メンタンハイドロパーオキシド、ピナンハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシドおよび2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキシド等が挙げられる。
熱カチオン重合開始剤は加熱によりカチオン種またはルイス酸を発生する化合物であれば特に制限されず、従来既知の化合物を用いることが可能であり、例えば、オニウム塩系開始剤を使用することができる。
上記オニウム塩系開始剤としては、例えば、アリールジアルキルスルホニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩、アリールジアルキルスルホニウムヘキサフルオロリン酸塩、ジアリールアルキルスルホニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩、アリールジアルキルスルホニウムテトラパーフルオロフェニルホウ酸塩等のスルホニウム塩系、ジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩、ジアリールヨードニウムヘキサフルオロリン酸塩およびジアリールヨードニウムテトラパーフルオロフェニルホウ酸塩等のヨードニウム塩系等が挙げられる。これらは市場にて容易に入手することができる。
上記熱カチオン重合開始剤は、市販品を用いることもできる。例えば、アデカオプトンCP−77、アデカオプトンCP−66(ADEKA製)、CI−2639、CI−2624(日本曹達)、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80LおよびサンエイドSI−100L(三新化学工業製)等が挙げられる。
上記熱重合開始剤(D)は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記硬化性組成物において、熱重合開始剤(D)の含有量は、特に限定されるものではないが、カチオン重合性化合物(A)、ラジカル重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)、および熱重合開始剤(D)の質量の和100質量部に対して、好ましくは0.1〜5.0質量部、より好ましくは、0.5〜3.0質量部である。上記熱重合開始剤(D)の含有量が0.1質量部より小さいと、熱による重合反応が十分に進行しない場合があり、5.0質量部より大きいと熱重合開始剤(D)が析出する場合がある。
例えば膜厚1〜100μmの硬化物を形成する場合には、熱重合開始剤(C)の含有量は、カチオン重合性化合物(A)、ラジカル重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)、および熱重合開始剤(D)の質量の和100質量部に対して、好ましくは0.1〜5.0質量部、より好ましくは、0.5〜3.0質量部である。上記熱重合開始剤(D)の含有量が0.1質量部より小さいと、光による重合反応が十分に進行しない場合が考えられ、5.0質量部より大きいと熱重合開始剤(D)が析出する場合がある。
<カチオン硬化遅延剤(E)>
カチオン硬化遅延剤(E)としては、特に限定されず、カチオン硬化を遅延する効果がある化合物を好ましく使用することができる。
上記硬化性組成物に、下記に示す目的のために、更にカチオン硬化遅延剤(E)を適量添加する場合がある。カチオン硬化遅延剤を添加する目的としては、カチオン硬化を制御すること、第1硬化後の粘着性を長時間維持すること、および第2硬化後の硬化物のガラス転移温度をあげることが挙げられる。
上記カチオン硬化遅延剤(E)としては、例えば、スルホニウム塩等のオニウム塩、ポリオール、水酸基を持つ脂肪族化合物、エーテル系化合物、アミン系化合物およびアルキルスルフィド系化合物等が挙げられるが、第2硬化を行った際の反応率を大きく下げずにカチオン硬化を遅延できる点から、塩交換によって遅延硬化性を発現するものが好ましく、具体的にはスルホニウム塩がより好ましい。カチオン硬化遅延剤(E)として用いることができるスルホニウム塩としては、カチオン部位には特に制限はなく、適切なカウンターアニオンを選択する必要がある。適切なカウンターアニオンとしては、例えば、BF、NC-N-CN、CH−Ph−SOおよびC(CN)等が挙げられる
上記カチオン硬化遅延剤(E)は、市販品を用いることもできる。市販されているカチオン硬化遅延剤(E)としては、例えば、サイラキュアUVI−6990(ユニオンカーバイト社製)およびサンエイドSI−S(三新化学工業社製)等が挙げられる。
上記硬化性組成物において、カチオン硬化遅延剤(E)の含有量は、特に限定されるものではないが、カチオン重合性化合物(A)、ラジカル重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)、および熱重合開始剤(D)の質量の和100質量部に対して、好ましくは0〜10質量部、より好ましくは0.001〜5質量部である。上記カチオン硬化遅延剤(E)の含有量が10質量部より大きいとカチオン重合反応が進行しない場合がある。
例えば膜厚1〜100μmの硬化物を形成する場合には、カチオン硬化遅延剤(E)の含有量は、カチオン重合性化合物(A)、ラジカル重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)、および熱重合開始剤(D)の質量の和100質量部に対して、好ましくは0〜10質量部、より好ましくは、0.001〜5質量部である。上記カチオン硬化遅延剤(E)の含有量が10質量部より大きいとカチオン重合反応が進行しない場合がある。
上記硬化性組成物には、必要に応じて上記(A)〜(E)の各成分を溶解または分散させることが可能な溶剤を添加することができる。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、クロロホルム、塩化メチレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、メタノール、エタノールおよびイソプロパノール等を加えることができる。
また、上記硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて他のモノマー(特にアルコールモノマー)、他のエネルギー線感受性重合開始剤、無機フィラー、有機フィラー、顔料、シランカップリング剤、染料等の着色剤、光増感剤、消泡剤、増粘剤、チクソ剤、界面活性剤、レベリング剤、難燃剤、可塑剤、安定剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、静電防止剤、流動調整剤および接着促進剤等の各種樹脂添加物等を添加することができる。
上記アルコールモノマーは、水酸基を有する化合物であれば特に制限されず従来既知の化合物を用いることが可能である。
上記アルコールモノマーとしては、硬化性がよいことから、多価アルコールを用いることが好ましい。多価アルコールとしては例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール、1,2−シクロヘキサンジオール等の脂環式ジオール、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトラロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、庶糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンおよび末端に水酸基を3個有するポリカプロラクトントリオール等が挙げられる
上記、末端に水酸基を3個有するポリカプロラクトントリオールとしては、市販品を使用することができる。プラクセル303,305,306,308,312および320(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
上記硬化性組成物において、ラジカル重合性化合物(A)、カチオン重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)、熱重合開始剤剤(D)、カチオン硬化遅延剤(E)および溶剤以外の任意成分の含有量は、その使用目的に応じて適宜選択され特に制限されないが、好ましくは、硬化性組成物の固形分100質量部に対して合計で20質量部以下とする。任意成分の含有量が20質量部を超えると、本発明の効果が十分に発現できない場合がある。
本発明の硬化物の製造方法について、好ましい塗布方法、硬化方法および硬化条件を以下に示す。
硬化性組成物の塗布方法は、ダイコーター、ロールコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段で行うことが可能であり、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース等のセルロースエステル;ポリアミド;ポリカーボネート;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリスチレン;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリエーテルイミド;ポリオキシエチレン、ノルボルネン樹脂等のプラスチック;ソーダガラスおよび石英ガラス等のガラス;半導体基板;金属;および紙等の支持基体上に適用される。また、一旦剥離フィルム等に塗布し、第1硬化後、他の支持基体上に転写することもでき、その適用方法に制限はない。
硬化性組成物の膜厚については、特に制限はないが、可とう性、低透湿性および高弾性率に優れた硬化物を得るためには、1〜10μmが好ましい。
上記硬化性組成物の硬化方法は光重合と熱重合がある。硬化条件は、第1硬化後の硬化物の弾性率及び第2硬化後の硬化物の弾性率がそれぞれ上記の範囲となる限り、その使用目的に応じて適宜選択され、特に制限されないが、好ましくは、下記に記載の通りである。
光重合は活性エネルギー線の照射により硬化が行われる。活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波などを挙げることができ、紫外線が経済的に最も好ましい。紫外線の光源としては、紫外線レーザ、水銀ランプ、キセノンレーザ、メタルハライドランプおよび太陽光等が挙げられる。光重合の後に熱重合を行う場合、光照射を行う際に硬化性組成物が過度に加熱されない方法が望ましい。過度に加熱されない方法としては、例えば熱線カットフィルターの導入、照射量の制限(好ましくは100mJ/cm〜1000mJ/cm)および被着体の冷却等が挙げられる。
熱重合は、熱重合の後に光重合を行う場合において、光重合により硬化する重合性化合物の熱安定性を考慮に入れると200℃以下で1時間以下の硬化工程が好ましい。
本発明の硬化物の製造方法において、第1硬化の重合反応および第2硬化を行う重合反応の組み合わせについて特に制限はないが、第1硬化の重合反応がラジカル反応の場合には、カチオン反応にみられる暗反応がないため、第1硬化後に保管した際に重合反応が進行しない。そのため、発現した粘着性は長時間維持され、ポットライフが長く有用である。また、第2硬化を行う重合反応がカチオン重合の場合、第2硬化後の硬化物が高接着強度および低透湿性となるので好ましい。
本発明の硬化物の製造方法において、第1硬化の重合反応および第2硬化を行う重合反応の組み合わせについて特に制限はないが、第1硬化の重合反応が光重合反応で、第2硬化を行う重合反応が熱重合反応の場合には、不透明な被着体へ適応しやすいので好ましい。
以下、硬化物の製造方法について具体例を挙げるが、本発明は下記の製造方法に限定されるものではない。
例えば、硬化性組成物を易接着処理ポリエチレンテレフタレートフィルムにダイコーターによって膜厚5μmになるように塗布した後、高圧水銀灯によって紫外線を500mJ/cm照射(第1硬化)しガラスに貼り合わし、120℃×1時間加熱(第2硬化)することにより積層体を得る。
また、硬化性組成物をダイコーターによって膜厚5μmになるように剥離フィルムに塗布した後、高圧水銀灯によって紫外線を500mJ/cm照射(第1硬化)しガラスに貼り合わし、剥離フィルムを剥離した後、剥離面に更にガラスを貼り合わせた後、120℃×1時間加熱(第2硬化)することにより積層体を得る。
本発明の硬化物の製造方法によって得られる硬化物の具体的な用途としては、メガネ、撮像用レンズに代表される光学材料、印刷版、絶縁ワニス、絶縁シート、積層板、プリント基盤、ガラス繊維含浸剤、パッシベーション膜(半導体用および太陽電池用等)、層間絶縁膜、保護膜、液晶表示装置のバックライトに使用されるプリズムレンズシート、プロジェクションテレビ等のスクリーンに使用されるフレネルレンズシートおよびレンチキュラーレンズシート等のレンズシートのレンズ部、またはこのようなシートを用いたバックライト等、マイクロレンズ等の光学レンズ、光学素子、光コネクターおよび光導波路等の各種の用途に使用することができ、その用途に特に制限はない。
上記硬化性樹脂組成物の具体的な用途としては、メガネ、撮像用レンズに代表される光学材料、塗料、コーティング剤、ライニング剤、インキ、レジスト、液状レジスト、接着剤、印刷版、絶縁ワニス、絶縁シート、積層板、プリント基盤、封止剤(半導体装置用、LEDパッケージ用、液晶注入口用、有機EL用、光素子用、電気絶縁用、電子部品用および分離膜用等)、成形材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目止め剤、のパッシベーション膜(半導体用および太陽電池用等)、層間絶縁膜、保護膜、液晶表示装置のバックライトに使用されるプリズムレンズシート、プロジェクションテレビ等のスクリーンに使用されるフレネルレンズシートおよびレンチキュラーレンズシート等のレンズシートのレンズ部、またはこのようなシートを用いたバックライト等、マイクロレンズ等の光学レンズ、光学素子、光コネクター、光導波路および光学的造形用注型剤等の各種の用途に使用することができ、その用途に特に制限はない。
上記硬化性組成物は接着剤として好適に用いることができる。接着剤の具体的な用途としては、メガネや撮像用レンズに代表される光学材料;積層板やプリント基盤に代表される電子材料用途;ヘッドアップディスプレイやカーナビゲーションに代表される車載用機器;および有機ELや液晶に代表されるディスプレイパネル;等の各種の用途に使用することができ、その用途に特に制限はない。本発明の接着剤は、光学特性が求められるディスプレイパネルの接着剤として特に有用である。
以下、実施例等を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜12および比較例1〜5]硬化性組成物の調製
[表1]〜[表3]の配合に従って各成分を混合し、硬化性組成物(実施例1〜12および比較例1〜5)を得た。尚、表中の数字は質量部を表す。また、表中の各成分の符号は、下記の成分を表す。
A−1 アデカレジンEP−4100E(ジグリシジルエーテル化合物;ADEKA社製)
A−2 セロキサイド2021P(脂環式エポキシ化合物;ダイセル化学工業社製)
A−3 アデカグリシロールED−505(多官能エポキシ化合物;ADEKA社製)
A−4 アロンオキセタンOXT−221(オキセタン化合物;東亞合成社製)
A−5 アデカレジンEP−4080(ジグリシジルエーテル化合物;ADEKA社製)
A−6 アデカレジンEP−4088(ジグリシジルエーテル化合物;ADEKA社製)
A−7 アデカサイザーBF−1000(ポリブタジエンエポキシ化合物;ADEKA社製)
A−8 3,3’−(プロパン−2,2−ジイル)ビス(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン)
A−9 アロンオキセタンOXT−101 (オキセタン化合物;東亞合成社製)
A−10 1,4−ブタンジオールジビニルエーテル
B−1 NKエステルA−DCP(飽和脂肪環を構造に含むアクリル化合物;新中村化学工業社製)
B−2 NKエステルBPE−500(エポキシメタクリル化合物;新中村化学工業社製)
B−3 アロニックスM−140(単官能アクリル化合物;東亞合成社製)
B−4 NKエステルA−9300(多官能アクリル化合物;新中村化学工業社製)
B−5 NKエステルA-TMPT(多官能アクリル化合物;新中村化学工業社製)
C−1 LUNA100(光ラジカル開始剤;日本シイベルヘグナー社製)
C−2 IRGACURE−651(光ラジカル開始剤;BASF社製)
C−3 アデカオプトマーSP−170(光カチオン開始剤;ADEKA社製)
D−1 サンエイドSI-B3(熱カチオン開始剤;三新化学工業社製)
D−2 アデカオプトンCP−66(熱カチオン開始剤;ADEKA社製)
D−3 サンエイドSI−100L(熱カチオン開始剤;三新化学工業社製)
E−1 サンエイドSI−S(カチオン硬化遅延剤;三新化学工業社製)
F−1 プラクセル303(多価アルコール;ダイセル化学工業社製)
F−2 アクリルポリマー(アクリル酸ブチル、アクリル酸ヒドロキシエチルおよびアクリル酸の共重合物でMW600000)
F−3 コロネートL45(ポリイソシアネート;日本ポリウレタン社製)
F−4 酢酸エチル
Figure 2016210849
Figure 2016210849
Figure 2016210849
[評価例1〜12および比較評価例1〜5]
下記に示す硬化条件I〜IVでそれぞれ重合反応を行い硬化物を得た。
得られた硬化物について、下記に示す方法で、弾性率、全光線透過率、透湿度、接着強度および可とう性の評価を行った。結果を[表1]〜[表3]に示す。
硬化条件I:
[第1硬化]光重合反応、高圧水銀灯500mJ/cm(80mW/cm)
[第2硬化]熱重合反応、120℃×1時間加熱
硬化条件II:
[第1硬化]光重合反応、高圧水銀灯100mJ/cm(80mW/cm)
[第2硬化]熱重合反応、120℃×1時間加熱
硬化条件III:
[第1硬化]光重合反応、高圧水銀灯1000mJ/cm(80mW/cm)
[第2硬化]熱重合反応、120℃×1時間加熱
硬化条件IV:
[第1硬化]溶剤乾燥、80℃×3分
[第2硬化]熱重合反応、40℃×24時間加熱
(弾性率)
Anton Paar製Rheometerを用いて、膜厚が50μmになるように調整した硬化性組成物において、第1硬化後、第1硬化後から更に25℃で3時間経過後および第2硬化後の弾性率を測定し、結果をそれぞれ、[表1]〜[表3]の第1硬化後の弾性率の安定性および第2硬化後の弾性率の欄に記載した。比較例1(硬化条件IV)においては、乾燥直後、乾燥後から更に25℃で3時間経過後、および熱重合反応後にそれぞれ弾性率を測定し、それぞれ、[表3]の第1硬化後の弾性率の安定性および第2硬化後の弾性率の欄に記載した。
(全光線透過率)
[表1]〜[表3]に記載の硬化性組成物を、膜厚が50μmになるようにガラス板状に製膜し、[表1]〜[表3]に記載の硬化条件で硬化した後、400〜800nmの全光線透過率を測定した。測定は、日本電色工業社製ヘーズメーターNDH5000を用いて行った。
(透湿度)
透明な離形用支持板に膜厚50μmになるようスペーサーを設置し、[表1]〜[表3]に記載の硬化性組成物を流しいれた後、もう一枚の透明な離形用支持板で挟んだ後、[表1]〜[表3]に記載の硬化条件で硬化性組成物を硬化した。その後、透明な離形用支持板から硬化物を剥離し、単膜を得た。作成した単膜の透湿度をMOCON法(湿度90RH%温度40℃)によって測定した。
(接着強度)
[表1]〜[表3]に記載の硬化性組成物をPETフィルムに、膜厚50μmとなるように塗工し、第1硬化(比較例1は乾燥)にした後、ガラスへ貼合わせて圧着し、第2硬化を行った。得られた硬化物の接着強度を、AIKOH製荷重試験機FTN1−13Aを用いて測定した。接着強度が10N/25mmを超えるものを◎、5〜10N/25mmのものを○、1〜5N/25mmのものを△:1N/25mm未満を×とした。
(可とう性)
易接着PETフィルム(A−4300/膜厚100μm)に、硬化性組成物を膜厚約10μmとなるように塗工し、塗工した硬化性組成物を[表1]〜[表3]に記載の条件で硬化させ、表面に膜が形成されたフィルムを得た。得られたフィルムをΦ2mmの金属性円柱に、膜が形成された面が外方を向くように巻き付けていき、フィルム表面の膜にクラックなどの異常があるかを目視で確認した。異常が観察されないものを○とし、異常が観察されたものを×とした。
以上の結果より、上記硬化性組成物は、第1硬化後において硬化条件によって弾性率が大きく変化せず、かつ弾性率の安定性が良好であり、第2硬化後においては高透明性、低透湿性、強接着性および可とう性を同時に満たしていることは明らかである。よって上記硬化性組成物は、不透明な被着体にも適応可能で、高い透明性、低透湿性、強接着性および可とう性が必要とされる接着剤として適切に使用できる。特にディスプレイパネルの接着剤として有用である。

Claims (10)

  1. 硬化性組成物を用いた硬化物の製造方法において、
    2種類以上の重合反応を行うことを必須とし、
    硬化性組成物を硬化物に転化する過程に、弾性率を10〜10Paとする第1硬化を経由することを必須とし、
    第2硬化した硬化物の弾性率が10Pa以上であり、
    前記硬化性組成物は、カチオン重合性化合物(A)、ラジカル重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)および熱重合開始剤(D)を含有し、カチオン重合性化合物(A)の含有量が、カチオン重合性化合物(A)、ラジカル重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)および熱重合開始剤(D)の質量の和100質量部に対して、50〜95質量部である硬化性組成物である、硬化物の製造方法。
  2. 前記カチオン重合性化合物(A)がエポキシ化合物である請求項1に記載の硬化物の製造方法。
  3. 前記硬化性組成物において、ラジカル重合性化合物(B)が、飽和脂肪環を構造に含む(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、およびエポキシ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のラジカル重合性化合物である請求項1または2に記載の硬化物の製造方法。
  4. 前記硬化性組成物が、さらにカチオン硬化遅延剤(E)を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化物の製造方法。
  5. 前記硬化物の製造方法において、
    前記硬化性組成物を第1硬化させる方法がラジカル重合反応であり、第2硬化させる方法がカチオン重合反応である請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化物の製造方法。
  6. 前記硬化物の製造方法において、
    前記硬化性組成物を第1硬化させる方法が光重合反応であり、第2硬化させる方法が熱重合反応である請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化物の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の硬化物の製造方法によって製造される硬化物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬化物の製造方法で使用される硬化性組成物であって、
    前記硬化性組成物は、カチオン重合性化合物(A)、ラジカル重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)および熱重合開始剤(D)を含有し、カチオン重合性化合物(A)の含有量が、カチオン重合性化合物(A)、ラジカル重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)および熱重合開始剤(D)の質量の和100質量部に対して、50〜95質量部となる硬化性組成物。
  9. 請求項8に記載の硬化性組成物からなる接着剤。
  10. 請求項8に記載の硬化性組成物から得られる硬化物。
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