JP6696117B2 - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。 Download PDF

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Description

本発明は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関する。
時計、携帯電話、個人用の携帯情報端末(PDA)、ノ−トパソコン、パソコン用モニタ、DVDプレ−ヤ−、TVなどでは液晶表示装置が急激に市場展開している。液晶表示装置は、液晶のスイッチングによる偏光状態を可視化させたものであり、その表示原理から、偏光板が用いられる。特に、TV等の用途では、ますます高輝度、高コントラスト、広い視野角が求められ、偏光板においてもますます高透過率、高偏光度、高い色再現性などが求められている。
偏光板は、一般的にポリビニルアルコール(PVA)系の偏光フィルムの両面に接着剤を介して、保護フィルムを貼り合わせることで製造されている。従来、保護フィルムとしては、透明性や透湿性に優れることからセルロース系フィルム、特にトリアセチルセルロース(TAC)フィルムが広く用いられていた。また、接着剤は、偏光フィルムとの親和性が高いPVA系の水性接着剤が広く用いられていた。
しかし、TACフィルムを用いる場合、TACフィルムの表面を予め高濃度アルカリ液でケン化処理することが優れた接着性を得るための必須条件となっていたため、生産性が悪かった。また、高濃度アルカリ液を用いるため、安全衛生を十分に考慮する必要があった。
セルロース系フィルム以外の保護フィルムとして、低コスト、透明性等の光学特性の観点からシクロオレフィン系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、アクリル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルムなどが提案されている。しかし、これらの保護フィルムは、TACフィルムと比較して疎水性が強く、透湿度が低いため、水性接着剤を使用すると、水分の乾燥に時間がかかり、市場から生産性の向上が強く望まれていた。
そこで、水性接着剤に変えて有機溶剤を用いない活性エネルギー線硬化型接着剤が提案されている。活性エネルギー線硬化型接着剤を用いれば、光照射するだけで硬化するため乾燥設備が不要で生産性も向上する。
例えば特許文献1には、分子内に1個以上の脂環式エポキシ基を有する多官能のエポキシ樹脂と、分子内に脂環式エポキシ基を有さない多官能のエポキシ樹脂を含む活性エネルギー線硬化型接着剤が開示されている。
また、特許文献2には、カチオン重合性化合物とラジカル重合性化合物とを含む活性エネルギー線硬化型接着剤が開示されている。
また特許文献3には、少量のエポキシ基もしくはオキセタニル基を有するアクリル樹脂含有活性エネルギー線硬化型接着剤が開示されている。
また特許文献4には、エポキシ基含有ビニル系重合体およびビニル系単量体を含む活性エネルギー線硬化性組成物が開示されている。
ところで、偏光板はロ−ル状にPVA系の偏光フィルムと保護フィルムを貼り合せた後、必要な大きさに切断する。さらに切断した偏光板の端部を研磨しバリを削り取ることがある。前述の活性エネルギー線硬化型接着剤は衝撃耐性が弱く、切断時や研磨時の衝撃でPVA系偏光子と保護フィルムが剥離すること問題があった。
特開2008−257199号公報 特許第4561936号公報 特開2012−172026号公報 特開2014−237812号公報
しかし、従来の活性エネルギー線硬化型接着剤は、ある程度の接着力は得られたが、当該粘着剤は衝撃耐性が低かった。そのため、偏光板製造時にPVA系偏光子と保護フィルムを貼り合せた後、所望の大きさに切断する際に加わる衝撃、または切断された偏光板の端部のバリを研磨して削り取る際に加わる衝撃によりPVA系偏光子と保護フィルムが剥離する問題があった。
本発明は、接着性および衝撃耐性を両立した活性エネルギー線重合性接着剤または活性エネルギー線重合性接着剤に使用できる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の提供を目的とする。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、重量平均分子量1000未満のカチオン重合性化合物(A)と、重量平均分子量1000〜200000のカチオン重合性アクリル樹脂(B)とを含み、
前記カチオン重合性アクリル樹脂(B)を前記カチオン重合性化合物(A)100重量部に対して、3重量部を超えて500重量部以下含む。
上記の本発明によれば、カチオン重合性化合物(A)と重量平均分子量1000〜200000のカチオン重合性アクリル樹脂(B)とを所定の範囲で使用することで、良好な接着力が得られた上、応力緩和性が向上したことで良好な衝撃耐性が得られた。
本発明により、接着性および衝撃耐性を両立した活性エネルギー線重合性接着剤または活性エネルギー線重合性コ−ト剤に使用できる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供できる。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、重量平均分子量1000未満のカチオン重合性化合物(A)と、重量平均分子量1000〜200000のカチオン重合性アクリル樹脂(B)とを含み、
前記カチオン重合性アクリル樹脂(B)を前記カチオン重合性化合物(A)100重量部に対して、3重量部を超えて500重量部以下含む。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(以下、樹脂組成物ということがある)は、活性エネルギー線重合性接着剤または活性エネルギー線重合性コ−ト剤を構成する原料として使用することが好ましい。
前記活性エネルギー線重合性接着剤は、優れた接着性および優れた衝撃耐性を有するため、偏光板の形成等の光学フィルムの接着用途に使用することが好ましい。
活性エネルギー線重合性コ−ト剤は、優れた基材密着性および、衝撃耐性を有するため、傷つき防止等のコート剤に使用することが好ましい。
<カチオン重合性化合物(A)>
本発明で用いるカチオン重合性化合物(A)は、重量平均分子量1000未満の化合物である。そのためカチオン重合性化合物(A)は、反応性に優れるため硬化物の弾性率およびガラス転移温度の向上に寄与することで耐久性が優れた硬化物を得ることができる。なお、カチオン重合性化合物(A)は、重量平均分子量が100以上500未満であることがより好ましい。これにより反応性がより向上し、化合物の取り扱い安全性がより向上する。なお、本発明では、カチオン重合後の樹脂組成物を硬化物ということがある。
カチオン重合性化合物(A)は、カチオンにより重合する公知の化合物である。カチオン重合性化合物(A)は、3員環エーテルであるエポキシ基を有する化合物、4員環エーテルであるオキセタニル基を有する化合物、ビニルエーテル化合物、環状エステル化合物、環状ホルマ−ル化合物、環状カーボネート化合物および含フッ素環状化合物等が好ましい。
エポキシ基を有する化合物としては、芳香族エポキシ、脂肪族エポキシ、脂環族エポキシ等が好ましい。
芳香族エポキシは、例えばビスフェノ−ルAジグリシジルエーテル、ビスフェノ−ルFジグリシジルエーテル、ビスフェノ−ルSジグリシジルエーテル、ビスフェノ−ルAプロピレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル、フェノ−ルノボラックエポキシ、クレゾ−ルノボラックエポキシ、ビフェニル型エポキシ、レゾルシンジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノ−ルエチレンオキサイドグリシジルエーテルなど、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル等が挙げられる。
脂肪族エポキシは、脂肪族モノアルコール、および脂肪族ポリアルコール、ならびにそのアルキレンオキサイド付加物のグリシジルエーテルが好ましい。脂肪族エポキシは、例えば、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオ−ルのジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオ−ルのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロ−ルプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびグリセリン等の脂肪族多価アルコールに対して1種または2種以上のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイド)を付加することで得られるポリエーテルポリオ−ルのポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
脂環式エポキシは、例えば1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、1,2:8,9ジエポキシリモネン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペ−ト、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペ−ト等が挙げられる。
オキセタニル基を有する化合物は、例えば3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテル、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、フェノ−ルノボラックオキセタン、3−エチル−{(3−トリエトキシシリルプロポキシ)メチル}オキセタンなどが挙げられる。
ビニルエーテル化合物は、例えば、n−アミルビニルエーテル、i−アミルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、オレイルビニルエーテル等の炭素数5〜20のアルキルアルコールおよびアルケニルアルコールのビニルエーテル;
シクロヘキシルビニルエーテル、2−メチルシクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル等の脂肪族環または芳香族環を有するモノアルコールのビニルエーテル;
グリセロ−ルモノビニルエーテル、1,4−ブタンジオ−ルモノビニルエーテル、1,4−ブタンジオ−ルジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオ−ルジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、ペンタエリトリト−ルジビニルエーテル、ペンタエリトリト−ルテトラビニルエーテル、トリメチロ−ルプロパンジビニルエーテル、トリメチロ−ルプロパントリビニルエーテル、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサンモノビニルエーテル、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサンジビニルエーテル、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサンモノビニルエーテル、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサンジビニルエーテル等の多価アルコールのモノビニルエーテルおよびポリビニルエーテル;
トリエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルモノビニルエーテル等のポリアルキレングリコールモノジビニルエーテルおよびジビニルエーテル;
グリシジルビニルエーテル、エチレングリコールビニルエーテルメタクリレート等のその他のビニルエーテルが挙げられる。
環状エステル化合物は、例えばラクトン等が挙げられる。
環状カーボネートは、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられる。
環状ホルマ−ル化合物は、例えばジオキソラン、ジオキサン、トリオキサン等が挙げられる。
カチオン重合性化合物(A)は、単独または2種類以上併用できる。
カチオン重合性化合物(A)は、活性エネルギー線により高い反応性が得られる観点から、エポキシ基を有する化合物、およびオキセタニル基を有する化合物が好ましい。
エポキシ基を有する化合物、およびオキセタニル基を有する化合物の中でも、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペ−ト、ビスフェノ−ルAジグリシジルエーテル、ビスフェノ−ルFジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオ−ルジグリシジルエーテルおよび3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンからなる群より選ばれる化合物は、反応性が特に優れているため好ましい。
<カチオン重合性アクリル樹脂(B)>
本発明で用いるカチオン重合性アクリル樹脂(B)は、重量平均分子量1000〜200000の化合物である。そのため、カチオン重合性アクリル樹脂(B)は、前記分子量であるため適度なカチオン重合性を有し、反応後に優れた接着力および衝撃耐性を有する硬化物が得られる。さらに、カチオン重合性アクリル樹脂(B)とカチオン重合性化合物(A)との相溶性が良好であるため透明で塗工性が良好な活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が得られる。また、カチオン重合性アクリル樹脂(B)は、カチオン重合性であるため、ラジカル重合性樹脂と比較して反応時の硬化収縮が小さく、接着力が高いというメリットがある。なお、カチオン重合性アクリル樹脂(B)の重量平均分子量は、2000〜100000がより好ましい。なお、重量平均分子量は、昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「ShodexGPC System−21」を用いた試料をテトラヒドロフランに溶解して、テトラヒドロフランを展開溶剤として流速を0.6ml/min、カラム温度を40℃の条件にて測定した。カラムとして昭和電工株式会社製shodex GPC LF−604を1本、標準物質として重量平均分子量既知の単分散分子量のポリスチレンを使用した検量線を作成し、カチオン重合性アクリル樹脂(B)の重量平均分子量を検量線法によって決定した。
カチオン重合性アクリル樹脂(B)は、カチオン重合性官能基を有する(メタ)アクリレートを重合して得る。前記重合には、カチオン重合性官能基を有しない(メタ)アクリレート(以下、他の(メタ)アクリレートという)を併用できる。カチオン重合性官能基は、カチオン重合性に優れる点からエポキシ基およびオキセタニル基が好ましい。つまりカチオン重合性アクリル樹脂(B)は、エポキシ基有する(メタ)アクリレートおよび/またはオキセタニル基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。なお(メタ)アクリレートは、アクリレートおよびメタクリレートを含む。
エポキシ基有する(メタ)アクリレートは、例えば(メタ)アクリレートとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
オキセタニル基を有する(メタ)アクリレートは、例えば3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−オキセタニルメチル(メタ) アクリレート、3−エチル−3−オキセタニルメチル(メタ) アクリレート、3−ブチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−ヘキシル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
他の(メタ)アクリレートは、カチオン重合性官能基を有する(メタ)アクリレートと共重合可能な化合物であればよく、炭素数が1〜14のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
炭素数が1〜14のアルキルを有する(メタ)アクリレートは、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロ環を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも炭素数3〜9のアルキルを有する(メタ)アクリレート、およびシクロ環を有する(メタ)アクリレートは、密着力に優れるため好ましい。なお、アルキル鎖の炭素数が14を超えると、カチオン重合性アクリル樹脂(B)のガラス転移温度が低くなり、硬化物の凝集力が低下し、密着力が低下する場合がある。
炭素数が1〜14のアルキルを有する(メタ)アクリレート以外の他の(メタ)アクリレートは、オキシアルキレン基含有(メタ)アクリレート、水酸基含有(メタ)アクリレート、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート、窒素原子含有(メタ)アクリレート等が好ましい。
オキシアルキレン基含有(メタ)アクリレートは、例えばポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレートは、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カルボキシル基含有(メタ)アクリレートは、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ダイマ−、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
窒素原子含有(メタ)アクリレートは、例えばN−アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルピペリジン、およびN−アクリロイルピロリジン等のモルホリン環、ピペリジン環、ピロリジン環、またはピペラジン環等の複素環を有する複素環含有(メタ)アクリレート;
マレイミド、N−シクロへキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド; (メタ)アクリルアミド、N,N− ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミド、N−メチロ−ルプロパン(メタ)アクリルアミド等の(N−置換)アミド系モノマー;
(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル、3−(3−ピリニジル)プロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキル系モノマー;
N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド等のスクシンイミド系モノマー等が挙げられる。
その他、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素(メタ)アクリレート、2−メトキシエチルアクリレート等のアクリル酸エステル系モノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニルカプロラクタム、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、イミド基含有モノマー、N−アクリロイルモルホリン、ビニルモノマー等も挙げられる。
モノマーは、単独または2種類以上併用することが好ましい。
これらのモノマーの中でもグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、および3−エチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレートのいずれか1種以上を使用すると、接着力および衝撃耐性がより向上する。
カチオン重合性官能基を有する(メタ)アクリレートは、重合に使用するモノマー混合物100重量%中、3〜100重量%が好ましく、4〜80重量%がより好ましい。3重量%以上使用するとカチオン反応性が向上するため密着性がより向上する。
カチオン重合性アクリル樹脂(B)は、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等の公知の重合方法で合成できる。これらの重合方法の中でも塊状重合および溶液重合が好ましい。重合には、重合開始剤を使用することが好ましい。重合開始剤は、アゾ系化合物、有機過酸化物等が好ましい。なお、塊状重合は、重合開始剤を用いずに重合できる場合がある。
アゾ系化合物は、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリルや2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)や2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)やジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネ−ト)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)や2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。
有機過酸化物は、例えば過酸化ベンゾイルやtert−ブチルパ−ベンゾエ−ト、クメンヒドロパ−オキシド、ジイソプロピルパ−オキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパ−オキシジカーボネートやジ(2−エトキシエチル)パ−オキシジカーボネート、tert−ブチルパ−オキシ−2−エチルヘキサノエ−ト、tert−ブチルパ−オキシネオデカノエ−ト、tert−ブチルパ−オキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パ−オキシドやジプロピオニルパ−オキシド、ジアセチルパ−オキシド等が挙げられる。
重合開始剤は、重合に使用するモノマー混合物100重量部に対して0.001〜20質量部を用いることが好ましい。
また、重合の際、ラウリルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、α−メチルスチレンダイマ−、リモネン等の連鎖移動剤を使用して分子量を調節することができる。
溶液重合で使用する有機溶剤は、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、ジエチルケトン、エチル−n−プロピルケトン、エチルイソプロピルケトン、エチル−n−ブチルケトン、エチルイソブチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、イソホロン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ヘキシル、酢酸オクチル、乳酸メチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル等のエステル;エチレングリコール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールおよびグリコールエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテ−ト、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテ−ト、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテ−ト、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテ−ト、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテ−ト、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテ−ト、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト等のグリコールアセテ−ト;n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ノナン、イソノナン、ドデカン、イソドデカン等の飽和炭水素;1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等の不飽和炭化水素;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデカン、デカリン等の環状飽和炭化水素;シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、1,1,3,5,7−シクロオクタテトラエン、シクロドデセン等の環状不飽和炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
有機溶剤は、単独または2種類以上を併用できる。
有機溶媒の使用量は、重合条件、モノマー混合物の組成、カチオン重合性アクリル樹脂(B)(B)の性状を考慮して適宜決定すればよい。なお、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を接着剤またはコート剤に使用する場合は、溶媒を除去して使用することが好ましい。
カチオン重合性アクリル樹脂(B)は、カチオン重合性化合物(A)100重量部に対して、3重量部を超えて500重量部以下配合することが好ましく、4〜400重量部がより好ましく、5〜200重量部がさらに好ましい。3重量部以上になると衝撃耐性が寄り向上する。また500重量部以下になるとカチオン重合性が向上して接着力が向上し、塗工適正がより向上する場合がある。
カチオン重合性アクリル樹脂(B)の溶解度パラメーター(SP値)は、カチオン重合性アクリル樹脂(B)と、カチオン重合性アクリル樹脂(B)を除いた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とのSP値との差が2(J/cm3)1/2以内であることが好ましい。SP値の差が2を超えると相溶性が悪くなり硬化後の膜が白濁することがある。
なお、ここでSP値は次式で求められるものである。
SP値=(ΔH/V)1/2
但し、式中、ΔHはモル蒸発熱(J/モル)、Vはモル体積(cm3/モル)を表す。また、ΔHおよびVは、「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,February,1974,Vol.14,No.2,Robert F. Fedors.(147〜154頁)」に記載の原子団のモル蒸発熱(△ei)の合計(ΔH)と、モル体積(△vi)の合計(V)を用いることができる。
カチオン重合性アクリル樹脂(B)のエポキシ当量は、500〜40000(g/eq)が好ましい。500以上になると柔軟性が向上し、衝撃耐性が向上する。40000以下になると硬化性が向上し、基材との密着性が向上する。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、さらに光カチオン重合開始剤を含有することが好ましい。光カチオン重合開始剤は、公知の化合物を使用できる。市販品を挙げると、例えばUVACURE1590(ダイセル・サイテック社製)、CPI−110P(サンアプロ社製)等のスルホニウム塩、IRGACURE250(BASF社製)、WPI−113(和光純薬社製)、Rp−2074(ロ−ディア・ジャパン製)等のヨ−ドニウム塩が挙げられる。
光カチオン重合開始剤は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量%中に0.1〜10重量%配合することが好ましく、0.5〜5重量%がより好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、さらにカチオン重合性官能基を有しないラジカル重合性化合物(C)を含有しても良い。前記ラジカル重合性化合物(C)を使用することで活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度の調整や、硬化物の弾性率を向上できる場合がある。
カチオン重合性官能基を有しないラジカル重合性化合物(C)は、例えばエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、およびポリエステル(メタ)アクリレート;ならびに水酸基、環状構造、カルボキシル基、または窒素原子等を含む(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレートや2官能以上の(メタ)アクリレートが挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ化合物のエポキシ基と、カルボキシル基および水酸基の少なくとも1種を含むモノマーとを反応させて得たエポキシ基を有しない(メタ)アクリレートである。
エポキシ化合物は、例えばビスフェノ−ル型エポキシ化合物、アリルアルコール型エポキシ化合物等の脂肪族エポキシ化合物;フェノ−ル型エポキシ化合物、芳香族エポキシの水添物、芳香族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、分子内にウレタン結合と(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。ウレタン(メタ)アクリレートは、市販品では、例えば日本化薬株式会社製のKAYARAD UXF−4002、KAYARAD UXF−3301、KAYARAD UX−2201、KAYARAD UX−2301、KAYARAD UX−6101、KAYARAD UX−5003D等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートは、分子内にエステル結合と(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。ポリエステル(メタ)アクリレートは、市販品を使用できる。例えばダイセル・サイテック社製のEBECRYL 450、EBECRYL 657、EBECRYL 800、EBECRYL 810、EBECRYL 811、EBECRYL 812、EBECRYL 1830、EBECRYL 846、EBECRYL 851、EBECRYL 851、EBECRYL 1870等が挙げられる。
単官能の環状構造含有(メタ)アクリレートは、例えばフェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ノニルフェノ−ルポリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、イソボニルアクリレート、ジメチロ−ル−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
単官能の水酸基含有(メタ)アクリレート、単官能のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート、単官能の窒素原子含有(メタ)アクリレートは、既に説明した化合物を使用できる。
上記の他の単官能(メタ)アクリレートは、例えば2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシルアクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−デシルアクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2官能(メタ)アクリレートは、例えばエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ビスフェノ−ルAのアルキレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、1,20−エイコサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、イソペンチルジオ−ルジ(メタ)アクリレート、3−エチル−1,8−オクタンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ウレタン基含有ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3官能以上(メタ)アクリレートは、例えばトリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロ−ルオクタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロ−ルプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロ−ルプロパンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロ−ルプロパンポリエトキシポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクロイルオキシエチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリト−ルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト−ルポリエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト−ルポリプロポキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト−ルテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロ−ルプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト−ルテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト−ルペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリト−ルヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレート等が挙げられる。
カチオン重合性官能基を有しないラジカル重合性化合物(C)は、単独または2種類以上を併用できる。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、さらに光ラジカル重合開始剤を含有しても良い。光ラジカル重合開始剤は、市販品では、例えば、イルガキュア−184,907,651,1700,1800,819,369,261、DAROCUR−TPO(BASF社製)、ダロキュア−1173(BASF社製)、エザキュア−KIP150、TZT(Lamborti社製)、カヤキュアBMS、カヤキュアDMBI、(日本化薬製)等が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤は、カチオン重合性化合物(A)とカチオン重合性アクリル樹脂(B)との合計100重量部に対して、0.1〜10重量部使用することが好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。
カチオン重合性官能基を有しないラジカル重合性化合物(C)は、基材との密着性向上の点から、水酸基含有(メタ)アクリレート、耐熱性向上の点から環状構造含有(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。水酸基含有(メタ)アクリレートは、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアクリレートが好ましい。環状構造含有(メタ)アクリレートは、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、イソボニルアクリレート、ジメチロ−ル−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレートが好ましく、4−ヒドロキシブチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジメチロ−ル−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレートがより好ましい。
カチオン重合性官能基を有しないラジカル重合性化合物(C)は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成部全量中、1〜98重量%含有することが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、さらに光増感剤、アミン系触媒、リン系触媒、フィラ、帯電防止剤、老化防止剤、酸化防止剤、粘着付与剤、アンチブロッキング剤、消泡剤、可塑剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等を含有できる。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、これまで説明した原料を配合し、攪拌混合することで作製できる。
本発明の活性エネルギー線重合性樹脂組成物は、コ−ト剤または接着剤として使用することが好ましい。コート剤および接着剤は、基材の片面、または両面に塗工し、次いで活性エネルギー線を照射を行い重合(硬化)することで樹脂層(用途により接着剤層、または塗膜ともいう)を形成することが好ましい。
樹脂層の厚さは、0.1〜6μmが好ましく、0.1μm〜3μmがより好ましい。樹脂層の厚さを0.1μm以上にすると密着性や接着力がより向上する。また3μmを超えても特に不具合は無いが、コスト面でデメリットがある。
前記塗工は、公知の塗工装置を使用できる。例えば、マイヤ−バ−、アプリケ−タ−、刷毛、スプレ−、ロ−ラ−、グラビアコ−タ−、ダイコ−タ−、マイクログラビアコ−タ−、リップコ−タ−、コンマコ−タ−、カ−テンコ−タ−、ナイフコ−タ−、リバ−スコ−タ−、スピンコ−タ−等が挙げられる。
硬化に使用する活性エネルギー線は、光カチオン重合開始剤が通常反応可能な紫外線を含む波長が好ましく、150〜550nmがより好ましい。活性エネルギー線の光源は、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェ−ブ励起水銀灯、LEDランプ、キセノンランプ、およびメタルハライドランプ等が挙げられる。
活性エネルギー線の照射強度は、10〜500mW/cm2が好ましい。照射強度と照射時間の積として表される積算照射量は、10〜5000mJ/cm2が好ましく、30〜4000mJ/cm2がより好ましい。
本発明の接着剤は、必須成分として活性エネルギー線重合性樹脂組成物を含む。
本発明のコート剤は、必須成分として活性エネルギー線重合性樹脂組成物を含む。
ここで、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて、基材の片面、または両面に積層してなることを特徴とする積層体について、一般的な説明する。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の活性エネルギー線による重合反応は、前記した基材のうち、フィルム状基材である透明フィルム、および該透明フィルムの少なくとも一方の面に位置する樹脂層を備えた積層体の形成に使用されることが好ましい。
活性エネルギー線重合性樹脂組成物をコ−ト剤として用いる場合、活性エネルギー線重合反応は、樹脂組成物を片面、あるいは両面の塗工時に活性エネルギー線を照射して進行するが、積層した後に活性エネルギー線を照射して重合反応を進めることが好ましい。この際、上記基材は、木材、金属板、プラスチック板、フィルム状基材、ガラス板、紙加工品等であってよく、これらを特に制限なく使用することができる。
活性エネルギー線重合性樹脂組成物を接着剤として用いる場合、活性エネルギー線重合反応は、樹脂組成物の塗工時、あるいは積層する際、さらには積層した後に活性エネルギー線を照射して進行するが、積層した後に活性エネルギー線を照射して重合反応を進めることが好ましい。この際、上記基材は、活性エネルギー線の照射によって重合反応を進行させるために、活性エネルギー線を透過し易い材料から構成する必要がある。上記基材として、特に、透明フィルム、又は透明ガラス板を使用することが好ましい。但し、一方の基材として、透明フィルム又は透明ガラス板を使用すれば、他方の基材として活性エネルギー線が透過し難い基材、例えば、木材、金属板、プラスチック板、紙加工品等の材料からなる基材を使用することもできる。この場合、透明フィルム又は透明ガラス板側から活性エネルギー線を照射することによって、樹脂組成物の重合反応を行うことができる。
本発明の塗工シートは、基材と、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物から形成してなる樹脂層とを備えており、ディスプレイやタッチパネル等の情報通信機器等の光学フィルムに使用することが好ましい。
本発明の積層体では、基材として、フィルム状基材を使用することが好ましい。フィルム状基材の具体例として、セロハン、各種プラスチックフィルム、および紙等が挙げられる。なかでも、透明な各種プラスチックフィルムの使用が好ましい。また、フィルム状基材としては、フィルムが透明であれば、単層構造であってもよいし、複数の基材を積層してなる多層構造を有するものであってもよく、いずれの構造を有するフィルムであっても好適に使用することができる。本発明の積層体を構成する場合、透明なフィルムの少なくとも一方の面に本発明の樹脂組成物からなる樹脂層を形成することが好ましい。
以下、本発明の積層体のより具体的な実施形態について、基材として透明フィルムを使用した場合を例にして説明する。すなわち、以下の説明は、透明フィルムの少なくとも一方の主面に本発明の樹脂組成物から構成される、コ−ト層又は接着層といった樹脂層を有する、積層体に関する。
本発明の樹脂組成物をコ−ト剤として使用して構成される積層体は、代表的に、透明フィルム/コ−ト層、又はコ−ト層/透明フィルム/コ−ト層の構造を有する、シ−ト状のフィルムである。このような積層体は、透明フィルムの少なくとも一方の主面に樹脂組成物を塗工し、該樹脂組成物を重合硬化させて、コ−ト層を形成することによって得ることができる。
一方、本発明の樹脂組成物を接着剤として使用して構成される積層体は、代表的に、透明フィルム/接着層/透明フィルム、又は透明フィルム/接着層/透明フィルム/接着層/透明フィルムといった、複数の透明フィルムを積層して得られるシ−ト状の多層フィルムである。また、別の形態において、積層体は、透明フィルム/接着層/透明フィルム/接着層/透明フィルム/接着層/透明フィルムといったシ−ト状の多層フィルムを、ガラス又は光学成形体といった他の光学部材に固定化した構成を有してもよい。上記積層体は、概樹脂組成物を、フィルムの片面、あるいは両面から活性エネルギー線で重合硬化することによって、接着層を硬化させることによって得ることができる。
上記樹脂組成物をコ−ト剤又は接着剤として使用した場合、樹脂組成物の重合反応は、樹脂組成物の塗工時や、フィルム状基材の積層時又は積層後に、塗工層に活性エネルギー線を照射することによって実施される。特に限定するものではないが、上記照射は、フィルム状基材等の積層後に実施されることが好ましい。
基材として透明フィルムを使用した場合、上記積層体は、光学用途で好適に使用することができる。透明フィルムは、各種プラスチックフィルム又はプラスチックシ−トとも称される。具体例として、例えば、ポリビニルアルコールフィルム、ポリトリアセチルセルロースフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリシクロオレフィン、およびエチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系フィルム、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリノルボルネン系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリアクリル系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリスチレン系フィルム、ポリビニル系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリイミド系フィルム、並びにポリオキシラン系フィルムなどが挙げられる。
透明フィルムの厚さは、適宜決定することができるが、一般には、強度又は取扱性等の作業性、および薄層性などの観点から、1〜500μmであり、1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。光学用途においては、透明フィルム(H)の厚さは、5〜150μmの範囲が特に好適である。
本発明による光学素子用積層体の一実施形態では、上記透明フィルムとして、主に光学用途にて用いられる光学フィルムを使用することが好ましい。光学フィルム
上記光学フィルムの具体例として、例えば、ハ−ドコ−トフィルム、帯電防止コ−トフィルム、防眩コ−トフィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、反射防止フィルム、光拡散フィルム、輝度向上フィルム、プリズムフィルム(プリズムシ−トともいう)、加飾フィルム(タッチパネル用充填シ−トを意味する)、および導光フィルム(導光板ともいう)等が挙げられる。本発明の樹脂組成物を接着剤として使用して、積層された上記光学フィルムは、液晶表示装置、PDPモジュ−ル、タッチパネルモジュ−ル、および有機ELモジュ−ル等のガラス板、上記の各種プラスチックフィルム等の透明フィルムに、本発明の樹脂組成物を接着剤として、さらに積層して貼着し、光学素子用積層体として使用されることが好ましい。
偏光フィルムは、偏光板とも呼ばれ、ポリビニルアルコール系偏光子の両面を2枚のポリアセチルセルロース系フィルムであるポリトリアセチルセルロース系保護フィルム(以下、「TACフィルム」という)や、ポリビニルアルコール系偏光子の片面や両面をポリノルボルネン系フィルムであるポリシクロオレフィン系フィルム、ポリアクリル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム等接着剤を介して積層した多層構造のシ−ト状の光学素子用積層体であり、当該接着剤として本発明の活性エネルギー線硬化性接着剤が好適に使用できる。
本発明の偏光板は、保護フィルムと、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物から形成される樹脂層と、偏光子とを備えている。この偏光板には、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を接着剤として使用することが好ましい。
活性エネルギー線硬化性接着剤を使用した偏光板(偏光フィルム)は、より具体的には、以下のようにして得ることができる。
(I)第1の透明フィルムである保護フィルムの一方の面に、活性エネルギー線硬化性接着剤を塗工し、第1の樹脂層(接着剤層)を形成し、
透明フィルムである第2の保護フィルムの一方の面に、活性エネルギー線硬化性接着剤を塗工し、第2の樹脂層(接着剤層)を形成し、
次いで、ポリビニルアルコール系偏光子の各面に、第1の樹脂層(接着剤層)および第2の樹脂層(接着剤層)面を、同時に/または順番に重ね合わせた後、活性エネルギー線を照射し、第1の樹脂層(接着剤層)および第2の樹脂層(接着剤層)を重合硬化することによって製造する方法。
(II)ポリビニルアルコール系偏光子の一方の面に、活性エネルギー線硬化性接着剤を塗工し、第1の樹脂層を形成し、形成された第1の樹脂層の表面を透明フィルムである第1の保護フィルムで覆い、次いでポリビニルアルコール系偏光子の他方の面に、活性エネルギー線硬化性接着剤を塗工し、第2の樹脂層を形成し、形成された第2の樹脂層の表面を第2の保護フィルムで覆い、活性エネルギー線を照射し、第1の樹脂層および第2の樹脂層を重合硬化することによって製造する方法。
(III)第1の透明フィルムである保護フィルムとポリビニルアルコール系偏光子を重ねた端部および、ポリビニルアルコール系偏光子の第1の保護フィルムがない面に重ねた第2の保護フィルムの端部に活性エネルギー線硬化性接着剤をたらした後、ロ−ルの間を通過させ各層間に接着剤を広げる。次に活性エネルギー線を照射し、活性エネルギー線硬化性接着剤を重合硬化させることによって製造する方法等があるが、特に限定するものではない。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお「部」は「重量部」であり、「%」は「重量%」を表す。
[ポリビニルアルコール系偏光子]の製造例
ホウ酸20重量部、ヨウ素0.2重量部、ヨウ化カリウム0.5重量部を水480重量部に溶解させて染色液を調整した。この染色液にPVAフィルム(ビニロンフィルム#40、アイセロ社製)を、30秒浸漬した後、フィルムを一方向に2倍に延伸し、乾燥させて、膜厚30μmのPVA偏光子を得た。
<カチオン重合性アクリル樹脂(B)>
[合成例1]
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素ガス吹き込み管を備えた四つ口フラスコにメチルイソブチルケトン100部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ攪拌しながら温度を105℃に保ち、滴下槽からグリシジルメタクリレート10部、n−ブチルアクリレート90部、過酸化ベンゾイル3部の混合物を2時間にわたって滴下した。その後、105℃に保ち1時間反応し、過酸化ベンゾイル1部を添加し、さらに1時間反応させ、不揮発分50%のカチオン重合性アクリル樹脂溶液を得た。高速液体クロマトグラフィーによりアクリル樹脂の重量平均分子量を算出した。
[合成例2〜4、8〜19]
モノマー組成、重合開始剤の量を表1のように変えた以外は、上記同様に製造し、カチオン重合性アクリル樹脂を得た。
[合成例5]
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素ガス吹き込み管を備えた四つ口フラスコにメチルイソブチルケトン100部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ攪拌しながら温度を70℃に保ち、滴下槽からグリシジルメタクリレート10部、n−ブチルアクリレート90部、過酸化ベンゾイル0.2部の混合物を2時間にわたって滴下した。その後、70℃に保ち2時間反応し、過酸化ベンゾイル1部を添加し、さらに2時間反応させ、不揮発分50%のカチオン重合性アクリル樹脂溶液を得た。高速液体クロマトグラフィーによりアクリル樹脂の重量平均分子量を算出した。
[合成例6]
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素ガス吹き込み管を備えた四つ口フラスコにメチルイソブチルケトン100部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ攪拌しながら温度を90℃に保ち、滴下槽からグリシジルメタクリレート26部、n−ブチルアクリレート56部、過酸化ベンゾイル1部、オクチルチオグリコレート18部の混合物を4時間にわたって滴下した。その後、90℃に保ち1時間反応し、過酸化ベンゾイル1部を添加し、さらに1時間反応させ、不揮発分50%のカチオン重合性アクリル樹脂溶液を得た。高速液体クロマトグラフィーによりアクリル樹脂の重量平均分子量を算出した。
[合成例7]
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素ガス吹き込み管を備えた四つ口フラスコにメチルイソブチルケトン100部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ攪拌しながら温度を90℃に保ち、滴下槽からグリシジルメタクリレート24部、n−ブチルアクリレート48部、過酸化ベンゾイル1部、オクチルチオグリコレート28部の混合物を4時間にわたって滴下した。その後、90℃に保ち1時間反応し、過酸化ベンゾイル1部を添加し、さらに1時間反応させ、不揮発分50%のカチオン重合性アクリル樹脂溶液を得た。高速液体クロマトグラフィーによりアクリル樹脂の重量平均分子量を算出した。
[合成例20]
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素ガス吹き込み管を備えた四つ口フラスコにアロンオキセタンOXT−101(東亞合成社製)100部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ攪拌しながら温度を105℃に保ち、滴下槽からグリシジルメタクリレート10部、n−ブチルアクリレート90部、過酸化ベンゾイル3部の混合物を2時間にわたって滴下した。その後、105℃に保ち1時間反応し、過酸化ベンゾイル1部を添加し、さらに1時間反応させ、不揮発分50%のカチオン重合性アクリル樹脂溶液を得た。高速液体クロマトグラフィーによりアクリル樹脂の重量平均分子量を算出した。得られたカチオン重合性アクリル樹脂溶液は赤外分光光度計により982cm-1のオキセタニル基が存在することを確認した。
[合成例21]
合成例1で得たカチオン重合性アクリル樹脂溶液を真空乾燥機で10torr、50℃の条件で48時間乾燥し、メチルイソブチルケトンを完全に除去し、無溶剤型のカチオン重合性アクリル樹脂を得た。
《重量平均分子量》
重量平均分子量の測定は、昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「ShodexGPC System−21」を用いた試料をテトラヒドロフランに溶解して、テトラヒドロフランを展開溶剤として流速を0.6ml/min、カラム温度を40℃の条件にて測定した。カラムとして昭和電工株式会社製shodex GPC LF−604を1本、標準物質として重量平均分子量既知の単分散分子量のポリスチレンを使用した検量線を作成し、樹脂(B)の重量平均分子量を検量線法によって決定した。
[比較例1〜3]
遮光された容量300mLのガラス瓶に、表4に示す組成でカチオン重合性化合物(A)、カチオン重合性アクリル樹脂(B)、ラジカル重合性化合物、カチオン重合開始剤、ラジカル重合開始剤を加え、十分に攪拌と脱泡を行い、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
<積層体Aの製造例>
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を使用し、以下の積層体Aを作成した。
透明フィルムとして、ポリアセチルセルロース系フィルム(富士フィルム社製、商品名「フジタック:80μm」、紫外線吸収剤含有ポリトリアセチルセルロース系フィルム)を用いた。透明フィルム表面を300W・分/m2の放電量でコロナ処理を行った後、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をワイヤ−バ−コ−タ−を用いて塗工後の膜厚が2μmとなるように塗工し、樹脂層を有する積層体を形成した。積層体を80℃−2分乾燥し、溶媒を除去した後、透明フィルムがブリキ板に接するように、積層体の四方をセロハンテ−プで、ブリキ板に固定した。UV照射装置(東芝社製 高圧水銀灯)内を乾燥窒素で置換後、波長365nmの最大照度500mW/cm2、積算光量1000mJ/cm2の紫外線を樹脂層側から照射して積層体Aを作製した。
得られた積層体Aについて、密着力、打ち抜き加工性を以下の方法に従って求め、結果を同様に表2に示した。
《密着力》
JIS K5600−5−6:1999に従い、碁盤目剥離試験を実施した。100マス中の剥離したマス数を4段階評価した。
(評価基準)
◎:剥離が0マス(極めて良好)
○:剥離が1〜10マス(良好)
△:剥離が11〜30マス(使用可)
×:剥離が31マス以上(不良)
《打ち抜き加工性》
ダンベル社製のス−パ−ストレートカッタ−(100mm×100mm)を用い、積層体Aを活性エネルギー線硬化性組成物側から打ち抜いた。打ち抜いた積層体Aについて、打ち抜きによって生じた活性エネルギー線硬化性組成物の浮きまたは剥がれた距離を定規で測定し、その距離の平均値について、以下の3段階で評価した。
(評価基準)
○:浮きが0mmで剥がれ無し(良好)
△:浮きが0.5mm以下(使用可)
×:浮きが0.5mmを越えた(不良)
<積層体Bの製造例>
透明フィルム(1)として、富士フィルム社製の紫外線吸収剤含有ポリトリアセチルセルロース系フィルム:商品名「フジタック:80μm」(厚み80μm)を用い、透明フィルム(2)として、富士フィルムビジネスサプライ社製の紫外線吸収剤を含有しないポリトリアセチルセルロース系フィルム:商品名「TAC50μ」(厚み50μm)を使用した。透明フィルム(1)、(2)の片側の表面に300W・min/m2の放電量でコロナ処理を行い、その後1時間以内に、活性エネルギー線硬化性組成物を、各フィルムのコロナ処理面上に、ワイヤ−バ−コ−タ−を用いて厚みが4μmとなるように塗工し、被膜を形成した。80℃−2分乾燥し、溶媒を除去した後、前記透明フィルム(1)、(2)に形成した樹脂層との間にポリビニルアルコール系偏光子を挟み、透明フィルム(1)/樹脂層/PVA系偏光子/樹脂層/透明フィルム(2)からなる積層体を得た。透明フィルム(1)がブリキ板に接するように、この積層体の四方をセロハンテ−プで固定し、ブリキ板に固定した。
活性エネルギー線照射装置(東芝社製 高圧水銀灯)で最大照度500mW/cm2、積算光量1000mJ/cm2の紫外線を透明フィルム(2)側から照射して、積層体B(偏光板)を作成した。
得られた積層体Bについて、接着力、打ち抜き加工性を以下の方法に従って求め、結果を表2に示した。
《接着力》
密着力は、JIS K6 854−4 接着剤−剥離接着強さ試験方法−第4部:浮動ロ−ラ−法に準拠して測定した。
即ち、得られた積層体Bを、25mm×150mmのサイズにカッタ−を用いて裁断して測定用サンプルとした。サンプルの片面に両面粘着テ−プ(ト−ヨ−ケム社製DF8712S)を貼り付け、ラミネ−タを用いて金属板上に接着させて、偏光板と金属板との測定用の積層体を得た。測定用の積層体には、透明フィルムと偏光子の間に予め剥離用のキッカケを設けておき、この測定用の積層体を23℃、相対湿度50%の条件下で、300mm/分の速度で90°の角度で引き剥がし、剥離力を測定した。この際、ポリビニルアルコール系偏光子と透明フィルム(1)、およびポリビニルアルコール系偏光子と透明フィルム(2)との双方の剥離力を測定した。
この剥離力を接着力として4段階で評価した。◎、○、△の評価であれば、実用上、問題のないレベルである。
◎:剥離不可、あるいは偏光板破壊
○:剥離力が2.0(N/25mm)以上
△:剥離力が1.0(N/25mm)以上2.0(N/25mm)未満
×:剥離力が1.0(N/25mm)未満
《打ち抜き加工性》
ダンベル社製のス−パ−ストレートカッタ−(100mm×100mm)を用い、積層体Bを活性エネルギー線硬化性組成物側から打ち抜いた。打ち抜いた積層体Aについて、打ち抜きによって生じた活性エネルギー線硬化性組成物の浮きまたは剥がれた距離を定規で測定し、その距離の平均値について、以下の3段階で評価した。
(評価基準)
○:浮きが0mmで剥がれ無し(良好)
△:浮きが0.5mm以下(使用可)
×:浮きが0.5mmを越えた(不良)
[実施例22〜24、比較例4〜7]
比較例1と同様に遮光された容量300mLのガラス瓶に、表4に示す組成でカチオン重合性化合物(A)、カチオン重合性アクリル樹脂(B)、ラジカル重合性化合物(C)、カチオン開始剤、ラジカル開始剤を加え、十分に攪拌と脱泡を行い、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用い、積層体A、Bを作製後、密着力、接着力、打ち抜き加工性を評価し表2に示した。
<積層体Aの製造例>
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を使用し、以下の積層体Aを作成した。
透明フィルムとして、ポリアセチルセルロース系フィルム(富士フィルム社製、商品名「フジタック:80μm」、紫外線吸収剤含有ポリトリアセチルセルロース系フィルム)を用いた。透明フィルム表面を300W・分/m2の放電量でコロナ処理を行った後、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をワイヤ−バ−コ−タ−を用いて塗工後の膜厚が2μmとなるように塗工し、樹脂層を有する積層体を形成した。透明フィルムがブリキ板に接するように、積層体の四方をセロハンテ−プで、ブリキ板に固定した。UV照射装置(東芝社製 高圧水銀灯)内を乾燥窒素で置換後、波長365nmの最大照度500mW/cm2、積算光量1000mJ/cm2の紫外線を樹脂層側から照射して積層体Aを作製した。
<積層体Bの製造例>
透明フィルム(1)として、富士フィルム社製の紫外線吸収剤含有ポリトリアセチルセルロース系フィルム:商品名「フジタック:80μm」(厚み80μm)を用い、透明フィルム(2)として、富士フィルムビジネスサプライ社製の紫外線吸収剤を含有しないポリトリアセチルセルロース系フィルム:商品名「TAC50μ」(厚み50μm)を使用した。透明フィルム(1)、(2)の片側の表面に300W・min/m2の放電量でコロナ処理を行い、その後1時間以内に、活性エネルギー線硬化性組成物を、各フィルムのコロナ処理面上に、ワイヤ−バ−コ−タ−を用いて厚みが4μmとなるように塗工し、被膜を形成した。前記透明フィルム(1)、(2)に形成した活性エネルギー線硬化性組成物層との間にポリビニルアルコール系偏光子を挟み、透明フィルム(1)/活性エネルギー線硬化性組成物層/PVA系偏光子/活性エネルギー線硬化性組成物層/透明フィルム(2)からなる積層体を得た。透明フィルム(1)がブリキ板に接するように、この積層体の四方をセロハンテ−プで固定し、ブリキ板に固定した。
活性エネルギー線照射装置(東芝社製 高圧水銀灯)で最大照度500mW/cm2、積算光量1000mJ/cm2の紫外線を透明フィルム(2)側から照射して、積層体B(偏光板)を作成した。
実施例1と同様に、積層体AとBについて密着力、接着力、打ち抜き加工性から選択した項目を評価し表2に示した。
本発明の活性エネルギー線重合性樹脂組成物を用いた積層体(実施例1〜25)は、比較例1〜5の積層体よりも、密着性、接着力、打ち抜き加工性に優れることが明らかとなった。

Claims (6)

  1. 重量平均分子量1000未満のカチオン重合性化合物(A)と、重量平均分子量33000〜200000のカチオン重合性アクリル樹脂(B)と、カチオン重合性官能基を有しないラジカル重合性化合物(C)とを含み、
    前記カチオン重合性化合物(A)、前記カチオン重合性アクリル樹脂(B)および前記ラジカル重合性化合物(C)の合計100重量%中、前記カチオン重合性アクリル樹脂(B)を4.5〜47.6重量%含む、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  2. 前記カチオン重合性アクリル樹脂(B)が、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、および3−エチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上を含むモノマーを重合してなる、請求項1記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含む、接着剤。
  4. 請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含む、コ−ト剤。
  5. 基材と、請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物から形成してなる樹脂層とを備えた、塗工シ−ト。
  6. 保護フィルムと、請求項1たは2に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物から形成される樹脂層と、偏光子とを備えた、偏光板。
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