JP7196596B2 - 活性エネルギー線硬化性接着剤組成物、偏光板用接着剤組成物、偏光板用接着剤、及びそれを用いた偏光板 - Google Patents
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Description
また、上記特許文献3では、近年の使用環境の多様化や高耐久性が求められるような場合には、充分な接着力や耐久性が問題となるものであり、更に硬化性の点においてもまだまだ改善の余地があるものであった。
更に、偏光子の両面を接着剤を介して各種フィルムで保護した偏光板は、近年では様々な耐久性が要求されている。そのため、実際のディスプレイ使用環境を鑑み、長期間において品質劣化がないことは当然のことであるが、特には高温高湿度下において接着性能の劣化、偏光子劣化を起こさない工夫が必要となっている。そのためには硬化後の接着剤が高温下にさらされても分子運動が抑制でき不測の化学反応が起こりにくくする工夫、つまり耐久環境よりもガラス転移温度(Tg)を高い状態に維持することが必要である。
本発明で用いるオキセタン化合物(A)は、分子内にオキセタニル基を1個以上有する化合物であればよい。
上記オキセタン化合物(A)としては、例えば、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(フェノキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(シクロヘキシルオキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(オキシラニルメトキシ)オキセタン、(メタ)アクリル酸(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル等の分子内にオキセタニル基を1個有するオキセタン化合物や、3-エチル-3{[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシ]メチル}オキセタン、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、4,4’-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル等の分子内にオキセタニル基を2個以上有するオキセタン化合物、等が挙げられる。これらオキセタン化合物(A)は単独で、もしくは2種以上併せて用いることができる。
なお、オキセタン化合物が、分子内に(メタ)アクリロイル基またはエポキシ基を有する場合は、オキセタン化合物(A)に含めるものとし、エポキシ化合物(B)またはエチレン性不飽和化合物(C)には含めない。
上記エポキシ化合物(B)としては、脂肪族系エポキシ化合物(B1)、芳香族系エポキシ化合物(B2)等が挙げられ、接着性、耐久性のバランスの点から脂肪族系エポキシ化合物(B1)と芳香族系エポキシ化合物(B2)とを含有することが好ましい。
上記重量比が小さすぎる〔芳香族系エポキシ化合物(B2)が多すぎる〕と、接着性が低下したり、接着剤組成物の相溶性が低下する傾向があり、重量比が大きすぎる〔脂肪族系エポキシ化合物(B1)が多すぎる〕と、耐久性が低下する傾向がある。
さらなる耐久性(耐熱衝撃性)の向上の点からは、トリアジン骨格含有エポキシ化合物を用いることも好ましい。
上記脂環式エポキシ化合物として、具体的には、例えば、市販品の、いずれもダイセル社製「セロキサイド2021P」、「セロキサイド2000」等を用いることができる。
上記脂環骨格含有エポキシ化合物として、具体的には、例えば、市販品の、ナガセケムテックス社製「デナコールEX-216L」等を用いることができる。
上記エチレン性不飽和化合物(C)は、分子内に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する不飽和化合物であり、接着剤組成物の主成分となるものである。エチレン性不飽和化合物(C)を含有させることにより硬化速度を調整することができ、硬化性が向上する。
その他の脂肪族(メタ)アクリル系化合物としては、アルコキシ基含有(メタ)アクリレート、オキシアルキレン基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記アルコキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、2-ブトキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、2-ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-モノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の単官能ポリエーテル鎖含有(メタ)アクリレート等の単官能アルコキシ基含有アクリレート等が挙げられる。
上記オキシアルキレン基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレンジグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能オキシアルキレン基含有アクリレート、ポリエチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイド変性グリセリントリ(メタ)アクリレート等の3官能以上のオキシアルキレン基含有アクリレート等の多官能オキシアルキレン基含有アクリレート等が挙げられる。
上記1級水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ-ト、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5-ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、及びヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等の二価アルコールのモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールのモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールのモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールのモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールのモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールのモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールのモノ(メタ)アクリレート、及びポリプロピレングリコールのモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールのモノ(メタ)アクリレート、その他、2-アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタル酸等の単官能1級水酸基含有(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等の2官能1級水酸基含有(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の3官能以上の1級水酸基含有(メタ)アクリレート等の多官能1級水酸基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記2級水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の単官能2級水酸基含有(メタ)アクリレート;グリセリンジ(メタ)アクリレート等の2官能2級水酸基含有(メタ)アクレート等の多官能2級水酸基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記3級水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2,2-ジメチル2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能水酸基(メタ)アクリレート等の単官能3級水酸基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記以外の水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、ポリグリセリンポリ(メタ)アクリレート等の3官能以上の水酸基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記アミド基含有(メタ)アクリル系化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミド;N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド等のN,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド;N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-n-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のN-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド;N-(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリルアミド等の水酸基含有アクリルアミド;N-(3-N,N-ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等の単官能アミド基含有(メタ)アクリル系化合物、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート等の2官能アミド基含有(メタ)アクリル系化合物が挙げられる。
上記アミノ基含有(メタ)アクリル系化合物としては、例えば、アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート等、アミノアルキル(メタ)アクリレート等の1級アミノ基含有(メタ)アクリレート、t-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の2級アミノ基含有(メタ)アクリレート、エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等の3級アミノ基含有(メタ)アクリレート、等の単官能アミノ基含有(メタ)アクリル系化合物等が挙げられる。
なお、エチレン性不飽和化合物がエポキシ基含有(メタ)アクリレートである場合は、エチレン性不飽和化合物(C)に含めるものとし、エポキシ化合物(B)には含めない。
また、上記芳香族系(メタ)アクリレート(C2)としては、疎水性基材への浸透性の点で単官能芳香族系(メタ)アクリレートが好ましく、特には、フェノキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、更には、ベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。
本発明の接着剤組成物は、活性エネルギー線を照射することにより、上記オキセタン化合物(A)、エポキシ化合物(B)、エチレン性不飽和化合物(C)と光重合開始剤(D)とが反応して、接着性を発揮するものである。
また、本発明の接着剤組成物は、カチオン硬化成分とラジカル硬化成分とを含有するため、かかる光重合開始剤(D)として、光カチオン重合開始剤(D1)及び光ラジカル重合開始剤(D2)を含有させることが充分な硬化性を得る点で好ましい。
上記光カチオン重合開始剤(D1)は単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記光ラジカル重合開始剤(D2)としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-メチル-2-モルホリノ(4-チオメチルフェニル)プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチル-ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-N,N-ジメチル-N-[2-(1-オキソ-2-プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4-ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、2-(3-ジメチルアミノ-2-ヒドロキシ)-3,4-ジメチル-9H-チオキサントン-9-オンメソクロリド等のチオキサントン類;2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類;1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)フェニル-,2-(O-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)等のオキシムエステル類等が挙げられる。
かかる含有量が少なすぎると硬化性が低下し、機械強度や接着強度が低下する傾向があり、多すぎると光重合開始剤(D)自身の組成物への溶解性が低下する傾向がある。
本発明の接着剤組成物においては、接着性の向上の点から更にシランカップリング剤(E)を含有することが好ましい。
なお、シランカップリング剤がエポキシ基を含有する場合は、シランカップリング剤(E)に含めるものとし、エポキシ化合物(B)には含めない。
なお、シランカップリング剤が(メタ)アクリロイル基を含有する場合は、シランカップリング剤(E)に含めるものとし、エチレン性不飽和化合物(C)には含めない。
なお、シランカップリング剤がビニル基を含有する場合は、シランカップリング剤(E)に含めるものとし、エチレン性不飽和化合物(C)には含めない。
また、本発明の接着剤組成物には、上記添加剤の他にも、接着剤組成物の構成成分の製造原料等に含まれる不純物等が少量含有されたものであってもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化性接着剤組成物は、上記各成分を用いて所定割合にて配合し、混合することにより得られる。
更に、本発明においては、保護フィルムとしてこれまで一般的に用いられてきたTACフィルムはもとより、これまでPVA系フィルムよりなる偏光子との接着性に乏しかったアクリル系フィルム、COPフィルム、PETフィルム等の保護フィルムに対しても良好な接着性と耐久性を有するものである。
本発明の偏光板は、偏光板用接着剤を介して偏光子と保護フィルムが貼り合わされたものである。詳しくは、偏光子の少なくとも一方の面、好ましくは両面に、本発明の偏光板用接着剤を用いて保護フィルムが貼り合わされたものであり、通常は、液状の偏光板用接着剤組成物を偏光子面あるいは保護フィルム面、あるいはその両方の面に均一に塗布した後、両者を貼り合わせ、圧着し、活性エネルギー線照射を行うことで偏光板が得られる。
上記紫外線照射は、通常2~3,000mJ/cm2、好ましくは10~2,000mJ/cm2、更に好ましくは20~1,000mJ/cm2の条件で行われる。
また、上記無電極ランプの場合は、例えば、通常2~2,000mJ/cm2、好ましくは10~1,000mJ/cm2の条件で行われる。
(A-1):3-エチル-3{[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシ]メチル}オキセタン(分子内にオキセタニル基を2個有するオキセタン化合物:東亞合成社製「アロンオキセタンOXT-221」)
〔脂肪族系エポキシ化合物(B1)〕
(B1-1):ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(分子内にエポキシ基を3個有する脂肪族系エポキシ化合物:ナガセケムテックス社製「EX-211」)
〔芳香族系エポキシ化合物(B2)〕
(B2-1):クレゾールノボラック樹脂(分子内にエポキシ基を2個以上有する芳香族系エポキシ化合物:日本化薬社製「ECON-1020-70」)
〔多官能脂肪族系(メタ)アクリレート(C1)〕
(C1-1):1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(分子内に2個のアクリロイル基を有する脂肪族系アクリレート:共栄社化学社製「1,6HX-A」)
〔芳香族系(メタ)アクリレート(C2)〕
(C2-1):ベンジルアクリレート(分子内に1個のアクリロイル基を有する芳香族系アクリレート:大阪有機化学工業社製「V#160」)
〔光カチオン重合開始剤(D1)〕
(D1-1):ジフェニル〔4-(フェニルチオ)フェニル〕スルホニウム・ヘキサフルオロホスフェート(芳香族スルホニウム塩:サンアプロ社製「CPI-100P」)
〔光ラジカル重合開始剤(D2)〕
(D2-1):ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(IGM Resins社製「Omnirad819」)
(E-1):エポキシ基含有シランカップリング剤(信越化学社製「KBM-403(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)」)
<活性エネルギー線硬化性接着剤組成物の調製>
上記各配合成分を、下記の表1に示す割合で配合し、混合することにより活性エネルギー線硬化性接着剤組成物を調製した。
まず、厚み60μmのPVAフィルムを、水温30℃の水槽に浸漬しつつ、1.5倍に延伸した。つぎに、ヨウ素濃度0.2g/L、ヨウ化カリウム濃度15g/Lの水溶液(液温30℃)が入った染色槽に240秒間浸漬しつつ1.3倍に延伸した。更に、ホウ酸濃度50g/L、ヨウ化カリウム濃度30g/Lの水溶液(液温50℃)が入ったホウ酸処理槽に浸漬すると共に、同時に3.08倍に一軸延伸しつつ5分間にわたってホウ酸処理を行った。その後、90℃で乾燥して総延伸倍率6倍の偏光子を製造した。
大きさ200mm×150mm、厚み40μmのアクリル系フィルム2枚(α,β)に、それぞれ上記で得られた接着剤組成物をバーコーターで膜厚3μmとなるように塗工し、接着剤組成物付きフィルムを得た。そして、大きさ180mm×120mmの上記偏光子の両面に、各接着剤組成物層付きフィルムをそれぞれ重ね合わせ、ロール機を用いてニップ圧2MPaで貼り合わせ、積層フィルム[X]を得た(積層フィルムの層構成:アクリル系フィルムα/接着剤組成物層/偏光子/接着剤組成物層/アクリル系フィルムβ)。
上記で得られた偏光板試験片[I]を用いて、下記の通り硬化性の評価を行った。
紫外線照射を行った面側と反対側のアクリル系フィルムβと偏光子との界面をカッターナイフで剥離し、その剥離部分の接着剤組成物層のタック性を指で確認(指触)した。
(評価基準)
◎…タック性が残っておらず、指の跡もつかなかった。
○…タック性は残っていないが、わずかに指の跡がついた。
△…タック性は残っているが、液状ではなかった。
×…液状のままであった。
上記積層フィルム[X]のアクリル系フィルムα側から、無電極ランプの取り付けられた紫外線照射装置にてピーク照度:550mW/cm2、積算露光量:160mJ/cm2(波長365nm)で紫外線照射を行い、接着剤組成物を硬化させて偏光板試験片[II]を作製した。
上記で得られた偏光板試験片[II]を用いて、下記の通り評価を行った。
偏光子とアクリル系フィルムとを貼り合わせ紫外線照射を行って1日後の偏光板試験片[II]を120mm×25mmにカットし、90°方向の応力をかけた際の紫外線照射側のアクリル系フィルムαと偏光子との接着力、及び、もう一方の側のアクリル系フィルムβと偏光子との接着力を測定し、下記基準に従い評価した。
(評価基準)
◎…1.5N/25mm以上
○…1.0N/25mm以上、1.5N/25mm未満
△…0.5N/25mm以上、1.0N/25mm未満
×…0.5N/25mm未満
偏光子とアクリル系フィルムとを貼り合わせ紫外線照射を行って1日後の偏光板試験片[II]を120mm×25mmにカットし、その後60℃の温水に24時間浸漬した後、90°方向の応力をかけた際の紫外線照射側のアクリル系フィルムαと偏光子との接着力、及び、もう一方の側のアクリル系フィルムβと偏光子との接着力を測定し、下記基準に従い評価した。
(評価基準)
◎…1.5N/25mm以上
○…1.0N/25mm以上、1.5N/25mm未満
△…0.5N/25mm以上、1.0N/25mm未満
×…0.5N/25mm未満
離型処理されたPETフィルムの離型処理面側に接着剤組成物を、硬化後の膜厚が100μmとなるよう塗布し、更に同様のPETフィルムの離型処理面側を接着剤組成物層面に積層した。その後、片側から、無電極ランプの取り付けられた紫外線照射装置にてピーク照度:2,450mW/cm2、積算露光量:700mJ/cm2(波長365nm)で紫外線照射を行い、接着剤組成物を硬化させ、測定用試験片[III]を作製した。
〔ガラス転移温度〕
得られた測定用試験片について、調湿粘弾性測定機(アイティー計測制御株式会社製:DVE-225)にて10Hzにおけるガラス転移温度(Tg)を測定した。
(評価基準)
◎…Tgが100℃以上であった。
○…Tgが80℃以上、100℃未満であった。
×…Tgが80℃未満であった。
一方、オキセタン化合物(A)及びエポキシ化合物(B)を含有しない比較例1品は、初期接着力及び耐水接着力に劣るものであった。また、多官能脂肪族系(メタ)アクリレート(C1)と芳香族系(メタ)アクリレート(C2)との含有割合が特定の範囲外である比較例2品は、ガラス転移温度が低いことから耐久性に劣るものであった。
Claims (9)
- オキセタン化合物(A)、エポキシ化合物(B)、エチレン性不飽和化合物(C)及び光重合開始剤(D)を含有する活性エネルギー線硬化性接着剤組成物であって、
上記エポキシ化合物(B)が、脂肪族系エポキシ化合物(B1)及び芳香族系エポキシ化合物(B2)を含有し、脂肪族系エポキシ化合物(B1)と芳香族系エポキシ化合物(B2)の含有割合(B1/B2)が重量比で1/99~30/70であり、
上記エチレン性不飽和化合物(C)が、多官能脂肪族系(メタ)アクリレート(C1)及び芳香族系(メタ)アクリレート(C2)を含有し、多官能脂肪族系(メタ)アクリレート(C1)と芳香族系(メタ)アクリレート(C2)の含有割合(C1/C2)が重量比で99.5/0.5~65/35であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性接着剤組成物。 - 上記オキセタン化合物(A)及びエポキシ化合物(B)の合計量(AB)の上記エチレン性不飽和化合物(C)に対する含有割合(AB/C)が重量比で5/95~45/55であることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化性接着剤組成物。
- 上記脂肪族系エポキシ化合物(B1)の含有量が、(A)~(D)の合計に対して0.1~10重量%であることを特徴とする請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化性接着剤組成物。
- 上記芳香族系(メタ)アクリレート(C2)の含有量が、(A)~(D)の合計に対して0.1~10重量%であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性接着剤組成物。
- 上記光重合開始剤(D)が、光カチオン重合開始剤(D1)及び光ラジカル重合開始剤(D2)を含有することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性接着剤組成物。
- 更に、シランカップリング剤(E)を含有し、シランカップリング剤(E)の含有量が、(A)~(E)の合計に対して0.01~3重量%であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性接着剤組成物。
- 請求項1~6のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性接着剤組成物からなることを特徴とする偏光板用接着剤組成物。
- 請求項7記載の偏光板用接着剤組成物の硬化物であることを特徴とする偏光板用接着剤。
- 請求項8記載の偏光板用接着剤と偏光子と保護フィルムとを有する偏光板であって、上記偏光子と保護フィルムとが、上記偏光板用接着剤により貼り合わされていることを特徴とする偏光板。
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