JP2016204464A - 表面処理剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂を含む各種基材に、撥水性、撥油性および防汚性に加え、摩擦耐久性を有する層を形成するのに有用な表面処理剤の提供。
【解決手段】式(1)で表される二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物。
Figure 2016204464

[Rfは各々独立に、1以上のフッ素原子に置換されていてもよいC1−16のアルキル基;PFPEは各々独立に、(OC−(OC−(OC−(OCF;a〜dは各々独立して0〜200の整数;a〜dの和は少なくとも1;Qは各々独立に、2価の有機基;Xは3〜10価のシロキサン基;Yは各々独立に、2価の有機基;Zは各々独立に、少なくとも3つの炭素−炭素二重結合含有基を有する基;α及びα’は1〜9の整数]
【選択図】なし

Description

本発明は、炭素−炭素二重結合含有パーフルオロポリエーテル化合物を含んで成る組成物に関する。
ある種の含フッ素化合物は、基材の表面処理に用いると、優れた撥水性、撥油性、防汚性などを提供し得ることが知られている。含フッ素化合物を含む表面処理剤から得られる層は、いわゆる機能性薄膜として、例えばガラス、プラスチック、繊維、建築資材など種々多様な基材に施されている。
従来、特に光学部材の用途においては、無機ガラスから成る基材が用いられ、指紋等の汚れが付くのを防止するために、防汚性コーティングとして、上記基材上に含フッ素化合物を用いた層が形成されている。このような含フッ素化合物として、パーフルオロポリエーテル基およびSiに結合した水酸基または加水分解可能な基を有する含フッ素シラン化合物を有効成分として含む表面処理剤が知られている(特許文献1)。しかしながら、この場合、シラノール基と水酸基の結合を利用するので、基材がガラス、シリコンや金属酸化物皮膜などに限定される。
一方、近年、アクリル樹脂やポリカーボネート等の透明プラスチックが、軽量で割れにくく加工が容易であることから、無機ガラスに代わる材料として、その利用が拡大してきている。このような樹脂材料を用いる場合にも、防汚性コーティングを形成することが望まれる。しかしながら、特許文献1のような含フッ素シラン化合物は、樹脂材料から成る基材とは馴染みにくいことから、基材表面に固定されにくい。種々の材料、例えば樹脂から成る基材の表面に、剥がれにくい層を形成する方法としては、例えば、特許文献2および3に、パーフルオロポリエーテル基とアクリレート基とを有するシロキサン化合物を用いる方法が開示されている。
国際公開第97/07155号 特開2007−145884号公報 特開2013−82779号公報
近年、スマートフォンやタブレット型端末が急速に普及する中、タッチパネルの用途においては、長期間その滑り性を維持できる耐久性(特に、摩擦耐久性)を提供することが求められる。しかしながら、従来の組成物は、次第に高まる上記の要求を必ずしも満足できるものではない。
そこで、本発明は、樹脂を含む種々の材料から成る基材に、撥水性、撥油性および防汚性に加え、優れた摩擦耐久性を有する層を形成するのに有用な化合物およびかかる化合物を含んで成る表面処理剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、パーフルオロポリエーテル基と炭素−炭素二重結合含有基とを有するシロキサン化合物において、炭素−炭素二重結合含有基における炭素−炭素二重結合の数を3つ以上とすることにより、撥水性、撥油性および防汚性に加え、優れた摩擦耐久性を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第1の要旨によれば、
式(1):
Figure 2016204464
[式中:
Rfは、各出現において、それぞれ独立して、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよいC1−16のアルキル基を表し、
PFPEは、各出現において、それぞれ独立して、−(OC−(OC−(OC−(OCF−を表し、ここに、a、b、cおよびdは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、cおよびdの和は少なくとも1であり、a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、
Qは、それぞれ独立して、2価の有機基であり、
Xは、3〜10価のシロキサン基を表し、
Yは、それぞれ独立して、2価の有機基であり、
Zは、それぞれ独立して、少なくとも3つの炭素−炭素二重結合含有基を有する基であり、
αおよびα’は、1〜9の整数である。]
で表される二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物が提供される。
本発明の第2の要旨によれば、1種またはそれ以上の上記二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物を含む、表面処理剤が提供される。
本発明の第3の要旨によれば、1種またはそれ以上の上記二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物または1種またはそれ以上の上記表面処理剤;およびマトリックスを形成する組成物を含む、硬化性組成物が提供される。
本発明の第4の要旨によれば、基材と、該基材の表面に上記表面処理剤または上記硬化性組成物により形成された層とを含む物品が提供される。
本発明によれば、二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物に、少なくとも3つの炭素−炭素二重結合含有基を有する基を導入することにより、優れた摩擦耐久性を有する層(以下、「表面処理層」とも言う)を形成することが可能になる。
以下、本発明の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物について説明する。
本発明の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物か、下記式(1):
Figure 2016204464
で表される。
上記式中、Rfは、各出現において、それぞれ独立して、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよいC1−16のアルキル基を表す。
上記1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよいC1−16アルキル基における「C1−16アルキル基」は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、好ましくは、直鎖または分枝鎖のC1−6、特にC1−3アルキル基であり、より好ましくは直鎖のC1−3アルキル基である。
上記Rfは、好ましくは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されているC1−16アルキル基であり、より好ましくはCFH−C1−15パーフルオロアルキレン基であり、さらに好ましくはC1−16パーフルオロアルキル基である。
該C1−16のパーフルオロアルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、好ましくは、直鎖または分枝鎖のC1−6、特にC1−3パーフルオロアルキル基であり、より好ましくは直鎖のC1−3パーフルオロアルキル基、具体的には−CF、−CFCF、または−CFCFCFである。
上記式(1)中、PFPEは、−(OC−(OC−(OC−(OCF−を表し、パーフルオロ(ポリ)エーテル基に該当する。ここに、a、b、cおよびdは、それぞれ独立して0または1以上の整数であって、a、b、cおよびdの和が少なくとも1であれば特に限定されるものではない。好ましくは、a、b、cおよびdは、それぞれ独立して0以上200以下の整数、例えば1以上200以下の整数であり、より好ましくは、それぞれ独立して0以上100以下の整数、例えば1以上100以下の整数である。さらに好ましくは、a、b、cおよびdの和は、10以上、好ましくは20以上であり、200以下、好ましくは100以下である。また、a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。これら繰り返し単位のうち、−(OC)−は、−(OCFCFCFCF)−、−(OCF(CF)CFCF)−、−(OCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCF(CF))−、−(OC(CFCF)−、−(OCFC(CF)−、−(OCF(CF)CF(CF))−、−(OCF(C)CF)−および−(OCFCF(C))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCFCFCF)−である。−(OC)−は、−(OCFCFCF)−、−(OCF(CF)CF)−および−(OCFCF(CF))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCFCF)−である。また、−(OC)−は、−(OCFCF)−および−(OCF(CF))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCF)−である。
一の態様において、PFPEは、下記式(i)〜(iv)のいずれか:
−(OCFCFCF− (i)
[式中、bは1〜200の整数、好ましくは10以上100以下の整数である。]
−(OCF(CF)CF− (ii)
[式中、bは1〜200の整数、好ましくは10以上100以下の整数である。]
−(OCFCFCFCF−(OCFCFCF−(OCFCF−(OCF− (iii)
[式中、式中、aおよびbは、それぞれ独立して0以上または1以上30以下、好ましくは0以上10以下の整数であり、cおよびdは、それぞれ独立して1以上200以下、好ましくは10以上100以下の整数である。a、b、cおよびdの和は、10以上、好ましくは20以上であり、200以下、好ましくは100以下である。添字a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。]
または
−(OC−R− (iv)
[式中、Rは、各出現においてそれぞれ独立して、OC、OCおよびOCから選択される基であり;
iは、2〜100の整数、好ましくは2〜50の整数である。]
で表される基である。
上記式(iv)中、Rは、好ましくは、それぞれ独立して、OC、OCおよびOCから独立して選択される2または3つの基の組み合わせである。OC、OCおよびOCから独立して選択される2または3つの基の組み合わせとしては、特に限定されないが、例えば−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、および−OCOCOC−等が挙げられる。上記式中、OC、OCおよびOCは、直鎖または分枝鎖のいずれであってもよく、好ましくは直鎖である。この態様において、PFPEは、好ましくは、−(OC−OC−または−(OC−OC−である。
上記PFPE基は、特に限定されないが、500〜12,000、好ましくは1,000〜10,000、より好ましくは1,500〜8,000の数平均分子量を有する。
上記式(1)中、Xは、3〜10価のシロキサン基を表す。当該X基は、式(1)で表される化合物において、主に撥水性および表面滑り性等を提供するパーフルオロポリエーテル部(Rf−PFPE−Q−部)と、他の化合物との結合能を提供するZ基を含む部(−Y−Z部)とを連結するリンカーと解される。したがって、当該X基は、式(1)で表される化合物が安定に存在し得るものであれば、いずれの3〜10価のシロキサン基であってもよい。また、X基の価数に応じて、式中におけるαおよびα’は、それぞれ独立して、1〜9の整数となり、αおよびα’の和は、Xの価数と等しくなる。例えば、Xが4価の有機基の場合、αおよびα’は、それぞれ独立して、1〜3の整数であり、αおよびα’の和は4である。
好ましい態様において、Xは3〜8価のシロキサン基であり、より好ましくは3〜7価のシロキサン基であり、さらに好ましくは3〜5価のシロキサン基であり、特に好ましくは4または5価のシロキサン基である。
別の好ましい態様において、Xは、環状シロキサン基であり、より好ましくは8〜10員の環状シロキサン基である。
Xの例としては、特に限定するものではないが、下記式:
Figure 2016204464
[式中、各基において、
Tのうち少なくとも1つは、式(1)中のQPFPEに結合し、
別のTのうち少なくとも1つは、式(1)中のYに結合し、
残りのTは、それぞれ独立して、水素原子、フェニル基、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基であり、
41は、水素原子、フェニル基、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基である。]
で表される基が挙げられる。
特に好ましくは、Xは、下記式:
Figure 2016204464
で表される基である。
さらに好ましくは、Xは、下記式:
Figure 2016204464
で表される基である。
一の態様において、R41は、フェニル基、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基であり、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数1〜3のアルキル基、特に好ましくはメチル基である。
上記式(1)中、Qは、それぞれ独立して、2価の有機基を表す。
好ましい態様において、Qは、下記式:
−(R11−(CR12
(式中、R11は、それぞれ独立して、二価の極性基であり、R12は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子であり、jは、0〜50の整数であり、kは、0〜100の整数であって、jおよびkの和は少なくとも1であり、括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。)
または
Figure 2016204464
(式中、R42は、水素原子、またはC1−6のアルキル基を表す。)
で表される基である。
上記二価の極性基の例としては、特に限定されないが、−COO−、−OCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCOO−、−OCONR−、−COS−、−SCO−、−CO−、−O−などが挙げられ、好ましくは−NRCOO−、−OCONR−、−COO−、−OCO−、−CONR−、−NRCO−または−O−であり、より好ましくは−OCONR−または−O−である。上記式中、Rは、水素原子、フェニル基または炭素数1〜6のアルキル基(好ましくはメチル基)であり、好ましくは水素原子である。
上記R12は、好ましくは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子または水酸基であり、より好ましくは水素原子またはフッ素原子である。
上記式中、jは、0〜50、好ましくは0〜20、例えば1〜20または1〜10の整数である。また、kは、0〜100の整数であって、好ましくは0〜40、例えば1〜40または3〜20の整数である。jおよびkの和は少なくとも1であり、好ましくは少なくとも3である。
具体的には、Qは、特に限定されないが、
−CHO(CH−、
−CHO(CH−、
−CFO(CH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH4−、
−CONH−(CH−、
−CHCONH−(CH−、
−OCONH−(CH−、
−CHOCONH−(CH−、
−CON(CH)−(CH−、
−CHCON(CH)−(CH−、
−CON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)、または
−CHCON(Ph)−(CH−(式中、Phはフェニルを意味する)
であり得る。
上記式(1)中、Yは、それぞれ独立して、2価の有機基を表す。
好ましい態様において、Yは、下記式:
−(R−(CR
(式中、Rは、各出現においてそれぞれ独立して、二価の極性基であり、Rは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、水酸基、または炭素数1〜6のアルコキシ基であり、fは、0〜50の整数であり、gは、0〜100の整数であって、fおよびgの和は少なくとも1であり、括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。)
で表される基である。
上記二価の極性基の例としては、特に限定されないが、−COO−、−OCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCOO−、−OCONR−、−COS−、−SCO−、−CO−、−O−などが挙げられ、好ましくは−NRCOO−、−OCONR−、−COO−、−OCO−、−CONR−、−NRCO−または−O−であり、より好ましくは−NRCO−である。上記式中、Rは、水素原子、フェニル基または炭素数1〜6のアルキル基(好ましくはメチル基)であり、好ましくは水素原子である。
上記Rは、好ましくは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子である。
上記式中、fは、0〜50、好ましくは0〜20、例えば1〜20または1〜10の整数である。また、gは、0〜100の整数であって、好ましくは0〜40、例えば1〜40または3〜20の整数である。fおよびgの和は少なくとも1であり、好ましくは少なくとも3である。
具体的には、Yは、特に限定されないが、
−(CHOCH−、
−(CHOCH−、
−(CH−、
−(CH−、
−(CH4−、
−(CH−NHCO−、または
−(CH−NHCO−
であり得る。
上記式(1)中、Zは、それぞれ独立して、少なくとも3つの炭素−炭素二重結合含有基を有する基を表す。
一の態様において、上記Zは、少なくとも4つ、または少なくとも5つの炭素−炭素二重結合含有基を有し得る。
好ましい態様において、Z基における炭素−炭素二重結合含有基は、下記の基:
−OC(O)−CR=CH
で表される基である。
上記式中、Rは、水素原子、塩素原子、フッ素原子、またはフッ素により置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、好ましくは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、より好ましくは水素原子またはメチル基である。ここに、Rが水素原子またはメチル基である基、即ち−OC(O)−CH=CHまたは−OC(O)−CCH=CHは、本明細書において、総称して「(メタ)アクリレート基」とも称する。
好ましい態様において、Zは、
−O−CH−C(CH−OC(O)−CR=CH
−O−CH−C(CH−OC(O)−CR=CH−CHOCH−C(CH−OC(O)−CR=CH
−O−Y −CH−C(CHO−Y −CO−CR=CH;または
−O−Y −CH−C(CH−O−Y −C(O)−CR=CH−CHOCH−C(CH−O−Y −C(O)−CR=CH
(式中、Rは、水素原子、塩素原子、フッ素原子、またはフッ素により置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、好ましくは水素またはメチルである
は、それぞれ独立して、−CHCHO−または−CHCH(CH)O−であり;
pは、それぞれ独立して、0〜2の整数であり、好ましくは0または1である。)
からなる群から選択される少なくとも1種の化合物である。
より好ましい態様において、Zは、
−O−CH−C(CH−OC(O)−CH=CH;または
−O−CH−C(CH−OC(O)−CH=CH−CHOCH−C(CH−OC(O)−CH=CH
であり得る。
本発明の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物は、一つのシロキサン基に、異なる種類のZ基を有していてもよい。また、一つのシロキサン基に、異なる種類のRf−PFPE基を有していてもよい。
上記式(1)で表される二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物は、その構造に応じて、当業者に公知の方法により製造することができる。例えば、二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物は、Xに対応するシロキサンに、QおよびYに対応するリンカーを導入し、次いで、Qに対応するリンカーにRf−PFPE基を、Yに対応するリンカーにZ基を導入することにより得ることができる。
具体的には、Xに対応するシロキサンのSi−H部と、二重結合を有するQまたはYに対応する基の炭素−炭素二重結合とを、ヒドロシリル化反応に付して連結し、次いで、QおよびYに対応する基に含まれる反応性基(例えば、イソシアネート基)と、それぞれ、Rf−PFPEおよびZに対応する基に含まれる活性水素含有基(例えば、水酸基)とを反応させることにより得ることができる。
次に、本発明の表面処理剤について説明する。
本発明の表面処理剤は、撥水性、撥油性、防汚性、表面滑り性、摩擦耐久性等を基材に対して付与することができる。特に、本発明の表面処理剤に含まれる二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物は、少なくとも3つの炭素−炭素二重結合含有基を有する基を有することにより、樹脂を含む種々の材料から成る基材に、優れた摩擦耐久性を付与することができる。
本発明の表面処理剤は、特に限定されるものではないが、防汚性コーティング剤または防水性コーティング剤として好適に使用され得る。
本発明の表面処理剤は、好ましくは、樹脂を含む種々の材料から成る基材の表面の処理に用いられる。
本発明の表面処理剤は、式(1)で表される少なくとも1種の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物を含有する。
本発明の表面処理剤は、2種以上の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物を含んでいてもよい。例えば、本発明の表面処理剤は、あるRf−PFPE基とあるZ基を有する二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物と、別のRf−PFPE基と別のZ基を有する二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物とを含んでいてもよい。
上記表面処理剤は、式(1)で表される化合物に加え、他の成分を含んでいてもよい。かかる他の成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、含フッ素オイルとして理解され得る(非反応性の)フルオロポリエーテル化合物、好ましくはパーフルオロ(ポリ)エーテル化合物(以下、「含フッ素オイル」と言う)、シリコーンオイルとして理解され得る(非反応性の)シリコーン化合物(以下、「シリコーンオイル」と言う)、触媒などが挙げられる。
上記含フッ素オイルとしては、特に限定されるものではないが、例えば、以下の一般式(C):
Rf−PFPE−Rf (C)
で表される少なくとも1種の含フッ素オイルを含有してもよい。
上記式(C)中、Rfは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基を表し、Rfは、水素原子、フッ素原子、または1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基を表す。好ましくは、上記1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよいアルキル基は、末端炭素原子がCFH−であり他のすべての炭素原子がフッ素により全置換されているフルオロアルキル基、またはパーフルオロアルキル基であり、より好ましくはパーフルオロアルキル基である。より好ましくは、RfおよびRfは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基である。
上記式(C)中、PFPEは、以下の一般式:
−(OCa’−(OCb’−(OCc’−(OCFd’
(式中、a’、b’、c’およびd’は、パーフルオロ(ポリ)エーテルの4種の繰り返し単位数をそれぞれ表し、互いに独立して、0〜300の整数、好ましくは0〜200の整数、例えば1〜200の整数であって、a’、b’、c’およびd’の和は少なくとも1、好ましくは1〜300である。添字a’、b’、c’またはd’を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。これら繰り返し単位のうち、−(OC)−は、−(OCFCFCFCF)−、−(OCF(CF)CFCF)−、−(OCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCF(CF))−、−(OC(CFCF)−、−(OCFC(CF)−、−(OCF(CF)CF(CF))−、−(OCF(C)CF)−および−(OCFCF(C))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCFCFCF)−である。−(OC)−は、−(OCFCFCF)−、−(OCF(CF)CF)−および−(OCFCF(CF))−のいずれであってもよく、好ましくは−(OCFCFCF)−である。−(OC)−は、−(OCFCF)−および−(OCF(CF))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCF)−である。
好ましい態様において、含フッ素オイル(C)は、以下の式(C1)〜(C4)のいずれか:
Rf−(OCFCFCFb’−Rf (C1)
[式中、RfおよびRfは、式(C)の記載と同意義であり;b’は1〜300の整数である。]
Rf−(OCF(CF)CFb’−Rf (C2)
[式中、RfおよびRfは、式(C)の記載と同意義であり;b’は1〜300の整数である。]
Rf−(OCFCFCFCFa’−(OCFCFCFb’−(OCFCFc’−(OCFd’−Rf (C3)
[式中、RfおよびRfは、式(C)の記載と同意義であり;a’およびb’は、それぞれ独立して、0または1〜30の整数であり、c’およびd’は、それぞれ独立して、1〜300の整数であり、添字a’、b’、c’またはd’を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。]
または
Rf−(OC−R3’i’−Rf (C4)
[式中、RfおよびRfは、式(C)の記載と同意義であり;R3’は、OC、OCおよびOCから選択される基であり;i’は、2〜100の整数である。]
で表される少なくとも1種の化合物である。
上記含フッ素オイル(C)は、約1,000〜30,000の数平均分子量を有していてもよい。これにより、高い表面滑り性を得ることができる。代表的には、一般式(C1)〜(C4)で表される化合物は、約1,500以上の数平均分子量を有することが好ましい。これら数平均分子量の範囲では、高い表面滑り性を得ることができる。
本発明の表面処理剤中、かかる含フッ素オイル(C)は、二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物の合計100質量部に対して、例えば0〜80質量部、好ましくは0〜40質量部で含まれ得る。
本発明の表面処理剤は、上記以外に、他の成分、例えばシリコーンオイル、活性エネルギー線硬化開始剤などを含んでいてもよい。
上記シリコーンオイルとしては、例えばシロキサン結合が2,000以下の直鎖状または環状のシリコーンオイルを用い得る。直鎖状のシリコーンオイルは、いわゆるストレートシリコーンオイルおよび変性シリコーンオイルであってよい。ストレートシリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルが挙げられる。変性シリコーンオイルとしては、ストレートシリコーンオイルを、ポリエーテル、高級脂肪酸エステル、フルオロアルキル、(メタ)アクリレート、アミノ、エポキシ、カルボキシル、アルコールなどにより変性したものが挙げられる。環状のシリコーンオイルは、例えば環状ジメチルシロキサンオイルなどが挙げられる。
本発明の表面処理剤中、かかるシリコーンオイルは、二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物の合計100質量部に対して、例えば0〜50質量部、好ましくは0〜10質量部で含まれ得る。
上記活性エネルギー線硬化開始剤としては、例えば、350nm以下の波長領域の電磁波、つまり紫外光線、電子線、X線、γ線などが照射されることによって初めてラジカルやカチオンなどを発生し、組成物中の化合物の硬化性部位(例えば、炭素−炭素二重結合)の硬化(即ち、架橋反応)を開始させる触媒として働くものであり、通常、紫外光線でラジカルやカチオンを発生させるもの、特にラジカルを発生するものを使用する。
本発明の表面処理剤における活性エネルギー線硬化開始剤は、二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物の種類、使用する活性エネルギー線の種類(波長域など)と照射強度などによって適宜選択されるが、一般的な紫外線領域の活性エネルギー線を用いる場合、開始剤としては、例えば、以下のものが例示できる。
・アセトフェノン系
アセトフェノン、クロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、α−アミノアセトフェノン、ヒドロキシプロピオフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパンー1−オンなど
・ベンゾイン系
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタールなど
・ベンゾフェノン系
ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシ−プロピルベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、ミヒラーズケトンなど
・チオキサンソン類
チオキサンソン、クロロチオキサンソン、メチルチオキサンソン、ジエチルチオキサンソン、ジメチルチオキサンソンなど
・その他
ベンジル、α−アシルオキシムエステル、アシルホスフィンオキサイド、グリオキシエステル、3−ケトクマリン、2−エチルアンスラキノン、カンファーキノン、アンスラキノンなど
これらの活性エネルギー線硬化開始剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記活性エネルギー線硬化開始剤は、特に限定されないが、二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物、および、存在する場合、含フッ素オイル(C)の合計100質量部に対して、0.01〜30質量部、好ましくは0.1〜20質量部で含まれる。
本発明の表面処理剤は、溶剤を含んでいてもよい。溶剤は、フッ素含有有機溶媒またはフッ素不含有機溶媒のいずれであってもよい。
一の態様において、溶剤は、フッ素含有有機溶媒である。このようなフッ素含有有機溶媒としては、例えば、パーフルオロヘキサン、パーフルオロオクタン、パーフルオロジメチルシクロヘキサン、パーフルオロデカリン、パーフルオロアルキルエタノール、パーフルオロベンゼン、パーフルオロトルエン、パーフルオロアルキルアミン(フロリナート(商品名)等)、パーフルオロアルキルエーテル、パーフルオロブチルテトラヒドロフラン、ポリフルオロ脂肪族炭化水素(アサヒクリンAC6000(商品名))、ハイドロクロロフルオロカーボン(アサヒクリンAK−225(商品名)等)、ハイドロフルオロエーテル(ノベック(商品名)、HFE−7100(商品名)等)、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン((ゼオローラH(商品名)等)、含フッ素アルコール(パーフルオロアルキルブロミド、パーフルオロアルキルヨージド、パーフルオロポリエーテル(クライトックス(商品名)、デムナム(商品名)、フォンブリン(商品名)等)、1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン、メタクリル酸2−(パーフルオロアルキル)エチル、アクリル酸2−(パーフルオロアルキル)エチル、パーフルオロアルキルエチレン、フロン134a、およびヘキサフルオロプロペンオリゴマーが挙げられる。
これらの溶剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
一の態様において、溶剤は、フッ素不含有機溶媒である。このようなフッ素不含有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテルペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、二硫化炭素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ダイグライム、トリグライム、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ブタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エタノール、メタノール、およびジアセトンアルコールが挙げられる。
これらの溶剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
別の態様において、溶剤は、フッ素含有有機溶媒とフッ素不含有機溶媒の混合溶媒であり得る。
上記溶剤は、特に限定されないが、上記二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物、および、存在する場合、含フッ素オイル(C)の合計100質量部に対して、5〜10,000質量部、好ましくは5〜5,000質量部で含まれる。
一の態様において、本発明の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物または表面処理剤は、マトリックスを形成する組成物に加えることにより、硬化性組成物とすることができる。
上記硬化性組成物は、本発明の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物を、マトリックスを形成する組成物と本発明の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物の合計に対して0.01〜20質量%、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜10質量%含有する。
本発明の硬化性組成物は、溶剤を含んでいてもよい。かかる溶剤としては、上記した本発明の表面処理剤について記載したフッ素含有有機溶媒およびフッ素不含有機溶媒ならびにそれらの混合溶媒を用いることができる。
これらの溶剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
好ましい態様において、溶剤は、フッ素含有機溶媒であり得る。
別の好ましい態様において、溶剤は、フッ素含有有機溶媒とフッ素不含有機溶媒の混合溶媒であり得る。
かかる溶剤は、特に限定されないが、上記二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物、および存在する場合含フッ素オイル(C)、ならびにマトリックスを形成する組成物の合計100質量部に対して、0〜19,900質量部、好ましくは0〜10,000質量部で含まれ得る。
本発明の硬化性組成物は、上記以外に、他の成分、例えばシリコーンオイル、活性エネルギー線硬化開始剤などを含んでいてもよい。
上記シリコーンオイルおよび活性エネルギー線硬化開始剤としては、上記本発明の表面処理剤について記載したシリコーンオイルおよび活性エネルギー線硬化開始剤を用いることができる。
上記マトリックスを形成する組成物とは、重合性化合物を含むものであれば、特に限定されない。重合性化合物としては、少なくとも1つの炭素―炭素二重結合を有する化合物、例えば、特に限定されるものではないが、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ビニルエーテル基等、あるいはマレイミド基、またはエポキシ基等を有する化合物が挙げられる。
好ましくは、重合性化合物は、単官能および/または多官能アクリレートおよびメタクリレート(以下、アクリレートおよびメタクリレートを合わせて、「(メタ)アクリレート」とも言う)、単官能および/または多官能ウレタン(メタ)アクリレート、単官能および/または多官能エポキシ(メタ)アクリレートである化合物である。
上記マトリックスを形成する組成物としては、特に限定されるものではないが、一般的にハードコーティング剤または反射防止剤とされる組成物であり、例えば多官能性(メタ)アクリレートを含むハードコーティング剤または含フッ素(メタ)アクリレートを含む反射防止剤が挙げられる。当該ハードコーティング剤は、例えば、ビームセット502H、504H、505A−6、550B、575CB、577、1402(商品名)として荒川化学工業株式会社から、EBECRYL40(商品名)としてダイセルサイテックから、HR300系(商品名)として横浜ゴムから市販されている。当該反射防止剤は、例えばオプツールAR−110(商品名)としてダイキン工業株式会社から市販されている。
本発明の表面処理剤および硬化性組成物は、さらに、酸化防止剤、増粘剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、防曇剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、シリカ、中空シリカなどの無機微粒子、アルミニウムペースト、タルク、ガラスフリット、金属粉などの充填剤、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、フェノチアジン(PTZ)などの重合禁止剤などを含んでいてもよい。
上記した本発明の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物、表面処理剤および硬化性組成物は、防汚性コーティング剤または防水性コーティング剤として用いることができる。
次に、本発明の物品について説明する。
本発明の物品は、基材と、該基材の表面に本発明の表面処理剤または硬化性組成物(以下、本発明の表面処理剤または硬化性組成物を合わせて、「表面処理組成物」ともいう)を用いて形成された層(即ち、表面処理層)とを含む。この物品は、例えば以下のようにして製造できる。
まず、基材を準備する。本発明に使用可能な基材は、例えばガラス、樹脂(天然または合成樹脂、例えば一般的なプラスチック材料、好ましくは、ポリカーボネート樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、トリアセチルセルロース樹脂であってよく、板状、フィルム、その他の形態であってよい)、金属(アルミニウム、銅、鉄等の金属単体または合金等の複合体であってよい)、セラミックス、半導体(シリコン、ゲルマニウム等)、繊維(織物、不織布等)、毛皮、皮革、木材、陶磁器、石材、建築部材、医療機器、医療材料等、任意の適切な材料で構成され得る。
例えば、製造すべき物品が光学部材である場合、基材の表面を構成する材料は、光学部材用材料、例えばガラスまたは透明プラスチックなどであってよい。また、基材は、その具体的仕様等に応じて、絶縁層、粘着層、保護層、装飾枠層(I−CON)、霧化膜層、ハードコーティング膜層、偏光フィルム、相位差フィルム、および液晶表示モジュールなどを有していてもよい。
基材の形状は特に限定されない。また、表面処理層を形成すべき基材の表面領域は、基材表面の少なくとも一部であればよく、製造すべき物品の用途および具体的仕様等に応じて適宜決定され得る。
次に、かかる基材の表面に、上記の本発明の表面処理組成物の膜を形成し、この膜を必要に応じて後処理し、これにより、本発明の表面処理組成物から表面処理層を形成する。
本発明の表面処理組成物の膜形成は、上記の表面処理組成物を基材の表面に対して、該表面を被覆するように適用することによって実施できる。被覆方法は、特に限定されない。例えば、湿潤被覆法を使用できる。
湿潤被覆法の例としては、浸漬コーティング、スピンコーティング、フローコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、マイクログラビアコーティング、バーコーティング、ダイコーティング、スクリーン印刷および類似の方法が挙げられる。
湿潤被覆法を使用する場合、本発明の表面処理組成物は、溶媒で希釈されてから基材表面に適用され得る。当該溶媒としては、上記したフッ素含有有機溶媒およびフッ素不含有機溶媒を用いることができる。本発明の表面処理組成物の安定性および溶媒の揮発性の観点から、次の溶媒が好ましく使用される:炭素数5〜12のパーフルオロ脂肪族炭化水素(例えば、パーフルオロヘキサン、パーフルオロメチルシクロヘキサンおよびパーフルオロ−1,3−ジメチルシクロヘキサン);ポリフルオロ芳香族炭化水素(例えば、ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン);ポリフルオロ脂肪族炭化水素;ヒドロフルオロエーテル(HFE)(例えば、パーフルオロプロピルメチルエーテル(COCH)、パーフルオロブチルメチルエーテル(COCH)、パーフルオロブチルエチルエーテル(COC)、パーフルオロヘキシルメチルエーテル(CCF(OCH)C)などのアルキルパーフルオロアルキルエーテル(パーフルオロアルキル基およびアルキル基は直鎖または分枝状であってよい))、ハイドロクロロフルオロカーボン(アサヒクリンAK−225(商品名)等)、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブ系溶剤;ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、2−ヒドロキシイソ酪酸エチルなどのエステル系溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのプロピレングリコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘキサノン、シクロヘキサノン、メチルアミノケトン、2−ヘプタノンなどのケトン系溶剤;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール系溶剤;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類など。これらの溶媒は、単独で、または、2種以上の混合物として用いることができる。なかでも、ヒドロフルオロエーテル、グリコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤が好ましく、パーフルオロブチルメチルエーテル(COCH)および/またはパーフルオロブチルエチルエーテル(COC)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコールが特に好ましい。
次に、膜を後処理する。この後処理は、特に限定されないが、例えば、活性エネルギー線、例えば、350nm以下の波長領域の電磁波、つまり紫外光線、電子線、X線、γ線などを照射することにより行われる。かかる後処理を施すことにより、本発明の表面処理組成物中の硬化性部位(例えば、炭素−炭素二重結合)、および存在する場合にはハードコーティング剤の硬化性部位の硬化を開始させ、これらの化合物間、また、これらの化合物と基材間に結合が形成される。かかる後処理は、得られる表面処理層の摩擦耐久性を向上させることに寄与する。
上記のようにして、基材の表面に、本発明の表面処理組成物に由来する表面処理層が形成され、本発明の物品が製造される。これにより得られる表面処理層は、撥水性、撥油性および防汚性に加え、高い表面滑り性(または潤滑性、例えば指紋等の汚れの拭き取り性や、指に対する優れた触感)と高い摩擦耐久性の双方を有する。
本発明はさらに、上記表面処理層を最外層に有する光学部材にも関する。
光学部材としては、後記に例示するようなディスプレイ等に関する光学部材のほか、多種多様な光学部材が好ましく挙げられる:例えば、眼鏡などのレンズ;陰極線管(CRT;例、TV、パソコンモニター)、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機薄膜ELドットマトリクスディスプレイ、背面投写型ディスプレイ、蛍光表示管(VFD)、電界放出ディスプレイ(FED;Field Emission Display)などのディスプレイあるいはそれらのディスプレイの前面保護板、飛散防止フィルム、反射防止板、偏光板もしくはアンチグレア板またはそれらの表面に反射防止膜処理を施したもの;携帯電話、携帯情報端末などの機器のタッチパネルシート;ブルーレイ(Blu−ray(登録商標))ディスク、DVDディスク、CD−R、MOなどの光ディスクのディスク面;光ファイバー;時計の表示面など。
表面処理層の厚さは、特に限定されない。光学部材の場合、表面処理層の厚さは、0.1〜30μm、好ましくは0.5〜20μmの範囲であることが、光学性能、表面滑り性、摩擦耐久性および防汚性の点から好ましい。
以上、本発明の表面処理組成物を使用して得られる物品について詳述した。なお、本発明の表面処理組成物の用途、使用方法ないし物品の製造方法などは、上記で例示したものに限定されない。
合成例1
100mLのオートクレーブに、HCFC225 25g、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン5g、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのPt錯体を2%含むキシレン溶液2mL、アリルイソシアネート7.6g、トリアセトキシメチルシラン0.1gを仕込み、オイルバスで120℃に昇温し8時間加熱撹拌した。溶液の固形分濃度が20質量%になるようHCFC225にて希釈し、HCFC225中20質量%の中間体(A)溶液を56.5g得た。
実施例1
得られた20質量%の中間体(A)溶液5g、HCFC225 5g、HCFC225で1%に希釈したジブチルスズジラウレート(和光純薬社製)0.2gを加え、窒素気流下、40℃で撹拌しながら、平均組成:CFCFCFO(CFCFCFO)14CFCFCHOHで表されるパーフルオロポリエーテルを含有するアルコール3.5gをHCFC225 3.5gに溶解した溶液を滴下し、撹拌した。次に、ペンタエリスリトールトリアクリレート2.1gをHCFC225 2.1gに溶解した溶液を滴下し、撹拌した。IR(赤外分光法)にてNCOの吸収が完全に消失したことを確認した後、HCFC225で1%に希釈したジブチルヒドロキシトルエンを0.7g加え撹拌した後、溶液の固形分濃度が20質量%になるよう、HCFC225にて希釈し、目的の組成物を得た。
実施例2
下記表に示すように、各試薬と仕込み量を変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、実施例2の組成物を得た。
Figure 2016204464
実施例3
下記表に示すように、各試薬と仕込み量を変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、実施例3の組成物を得た。
Figure 2016204464
実施例4
下記表に示すように、各試薬と仕込み量を変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、実施例4の組成物を得た。
Figure 2016204464
比較例1
下記表に示すように、各試薬と仕込み量を変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、比較例1の組成物を得た。
Figure 2016204464
試験例1:機能性試験
・表面処理層の形成
上記実施例1〜4、比較例1で得られたそれぞれの20質量%の組成物(0.5g)、イルガキュア184(0.5g)とDPHA(9.9g)に加え、プロピレングリコールモノメチルエーテル:メチルイソブチルケトン=2:1で混合した溶剤(29.5g)に溶解して、25質量%の硬化性組成物を得た。ポリカーボネート基材(ステラ、日本テストパネル社製)に得られた硬化性組成物をバーコーターNo.20で処理し、70℃で5分間乾燥した。次いで、600mJ/cmの紫外線を照射して、表面処理層を形成した。
(評価)
・接触角評価
水の静的接触角(対水接触角)を、接触角計(協和界面科学社製、「DropMaster」)を用いて、それぞれ1μLおよび2μLの液量で測定した。結果を下記表に示す。
・摩擦耐久性評価
上記の実施例1〜4および比較例1にて基材表面に形成された表面処理層について、消しゴム摩擦耐久試験により、摩擦耐久性を評価した。具体的には、表面処理層を形成したサンプル物品を水平配置し、消しゴム(コクヨ株式会社製、KESHI−70、平面寸法1cm×1.6cm)を表面処理層の表面に接触させ、その上に500gfの荷重を付与し、その後、荷重を加えた状態で消しゴムを20mm/秒の速度で往復させた。往復回数500回毎に水の静的接触角(度)を測定した。接触角の測定値が初期接触角より15度以上下がった時点で評価を中止し、評価中止までの往復回数を評価結果とし表に示す。
Figure 2016204464
上記の結果から、実施例1〜4の組成物を用いた表面処理層は、比較例1の組成物を用いた表面処理層と比較して、摩擦耐久性に優れていることが確認された。
本発明は、種々多様な基材の表面に、表面処理層を形成するために好適に利用され得る。

Claims (29)

  1. 式(1):
    Figure 2016204464
    [式中:
    Rfは、各出現において、それぞれ独立して、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよいC1−16のアルキル基を表し、
    PFPEは、各出現において、それぞれ独立して、−(OC−(OC−(OC−(OCF−を表し、ここに、a、b、cおよびdは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、cおよびdの和は少なくとも1であり、a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、
    Qは、それぞれ独立して、2価の有機基であり、
    Xは、3〜10価のシロキサン基を表し、
    Yは、それぞれ独立して、2価の有機基であり、
    Zは、それぞれ独立して、少なくとも3つの炭素−炭素二重結合含有基を有する基であり、
    αおよびα’は、1〜9の整数である。]
    で表される二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物。
  2. Rfが、炭素数1〜16のパーフルオロアルキル基である、請求項1に記載の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物。
  3. PFPEが、下記式(i)〜(iv)のいずれか:
    −(OCFCFCF− (i)
    [式中、bは1〜200の整数である。]
    −(OCF(CF)CF− (ii)
    [式中、bは1〜200の整数である。]
    −(OCFCFCFCF−(OCFCFCF−(OCFCF−(OCF− (iii)
    [式中、aおよびbは、それぞれ独立して、0または1〜30の整数であり、cおよびdは、それぞれ独立して、1〜200の整数であり、添字a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。]
    または
    −(OC−R− (iv)
    [式中、Rは、各出現においてそれぞれ独立して、OC、OCおよびOCから選択される基であり;
    iは、2〜100の整数である。]
    で表される基であることを特徴とする、請求項1または2に記載の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物。
  4. PFPEが、下記式(i)または(iii)のいずれか:
    −(OCFCFCF− (i)
    [式中、bは1〜200の整数である。]
    または
    −(OCFCFCFCF−(OCFCFCF−(OCFCF−(OCF− (iii)
    [式中、aおよびbは、それぞれ独立して、0または1〜30の整数であり、cおよびdは、それぞれ独立して、1〜200の整数であり、添字a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。]
    で表される基であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物。
  5. PFPEの数平均分子量が、500〜12,000であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物。
  6. Xが:
    Figure 2016204464
    [式中、各基において、
    Tのうち少なくとも1つは、式(1)中のQに結合し、
    別のTのうち少なくとも1つは、式(1)中のYに結合し、
    残りのTは、それぞれ独立して、水素原子、フェニル基、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基であり、
    41は、水素原子、フェニル基、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。]
    からなる群から選択される基である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物。
  7. Xが、3〜5価のシロキサン基である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物。
  8. Qが、以下の基:
    −(R11−(CR12
    (式中、R11は、それぞれ独立して、二価の極性基であり、R12は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、水酸基、または炭素数1〜6のアルコキシ基であり、jは、0〜50の整数であり、kは、0〜100の整数であって、jおよびkの和は少なくとも1であり、括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。)
    または
    Figure 2016204464
    (式中、R42は、水素原子またはC1−6のアルキル基を表す。)
    であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物。
  9. Yが、それぞれ独立して、以下の式:
    −(R−(CR
    (式中、Rは、各出現においてそれぞれ独立して、二価の極性基であり、Rは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、水酸基、または炭素数1〜6のアルコキシ基であり、fは、0〜50の整数であり、gは、0〜100の整数であって、fおよびgの和は少なくとも1であり、括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。)
    で表される基である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物。
  10. 炭素−炭素二重結合含有基が、
    −OC(O)−CR=CH
    [式中、Rは、水素原子、塩素原子、フッ素原子、またはフッ素により置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基である。]
    で表される基である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物。
  11. 炭素−炭素二重結合含有基が、(メタ)アクリレート基である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物。
  12. Zが、
    −O−CH−C(CH−OC(O)−CR=CH
    −O−CH−C(CH−OC(O)−CR=CH−CHOCH−C(CH−OC(O)−CR=CH
    −O−Y −CH−C(CHO−Y −CO−CR=CH;または
    −O−Y −CH−C(CH−O−Y −C(O)−CR=CH−CHOCH−C(CH−O−Y −C(O)−CR=CH
    (式中、Rは、水素原子、塩素原子、フッ素原子、またはフッ素により置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、
    は、それぞれ独立して、−CHCHO−または−CHCH(CH)O−であり;
    pは、それぞれ独立して、0〜2の整数である)
    からなる群から選択される少なくとも1種の化合物である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物。
  13. 1種またはそれ以上の請求項1〜12のいずれか1項に記載の式(1)で表される二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物を含有する表面処理剤。
  14. 含フッ素オイル、シリコーンオイル、および触媒から選択される1種またはそれ以上の他の成分をさらに含有する、請求項13に記載の表面処理剤。
  15. 含フッ素オイルが、以下の一般式(C):
    Rf−PFPE−Rf (C)
    [式中、Rfは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基であり;
    Rfは、水素原子、フッ素原子、あるいは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基であり;
    PFPEは、一般式:
    −(OCa’−(OCb’−(OCc’−(OCFd’
    (式中、a’、b’、c’およびd’は、それぞれ独立して、0〜200の整数であって、a’、b’、c’およびd’の和は少なくとも1であり、添字a’、b’、c’またはd’を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。)
    で表される基である。]
    で表される少なくとも1種の含フッ素オイルを含む、請求項14に記載の表面処理剤。
  16. 溶剤を、請求項1〜12のいずれか1項に記載の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物の合計100質量部に対して、5〜10,000質量部含有する、請求項13〜15のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  17. 溶剤がフッ素含有有機溶媒である、請求項16に記載の表面処理剤。
  18. 溶剤が、フッ素不含有機溶媒およびフッ素含有有機溶媒の混合溶媒である、請求項16に記載の表面処理剤。
  19. 活性エネルギー線硬化開始剤を含む請求項13〜18のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  20. 防汚性コーティング剤または防水性コーティング剤である、請求項13〜19のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  21. 1種またはそれ以上の請求項1〜12のいずれか1項に記載の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物;または
    請求項13〜20のいずれか1項に記載の表面処理剤;および
    マトリックスを形成する組成物
    を含む、硬化性組成物。
  22. 溶剤を、請求項1〜12のいずれか1項に記載の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物とマトリックスを形成する組成物の合計100質量部に対して、0〜19,900質量部含有する、請求項21に記載の硬化性組成物。
  23. 溶剤が、フッ素不含有機溶媒である、請求項22に記載の硬化性組成物。
  24. 溶剤が、フッ素不含有機溶媒およびフッ素含有有機溶媒の混合溶媒である、請求項22に記載の硬化性組成物。
  25. 活性エネルギー線硬化開始剤を含む請求項21〜24のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  26. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物を、マトリックスを形成する組成物と請求項1〜12のいずれかに記載の二重結合含有パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物の合計に対して0.01〜10質量%含有する、請求項21〜25のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  27. 防汚性コーティング剤または防水性コーティング剤である、請求項21〜26のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  28. 基材と、該基材の表面に請求項13〜20のいずれかに記載の表面処理剤あるいは請求項21〜27のいずれかに記載の硬化性組成物により形成された層とを含む物品。
  29. 上記物品が光学部材である、請求項28に記載の物品。
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