JP2016200254A - 断熱構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】発熱体からの輻射熱が断熱材間を通って外部に漏れることを抑制した断熱構造体を提供する。【解決手段】発熱体の周りに配置する断熱構造体であって、高さ方向に沿って積層された複数の断熱材193,194を有しており、高さ方向に隣接する一方の断熱材と、他方の断熱材において、一方の断熱材の他方の断熱材と対向する面には凹部23が形成されており、他方の断熱材の、一方の断熱材と対向する面には凹部に対応した凸部24が形成されている断熱構造体。【選択図】図2

Description

本発明は、断熱構造体に関する。
従来から、半導体等の用途において各種単結晶のウエハーが用いられている。
ウエハーの原料となる単結晶を育成する単結晶育成装置については、単結晶の育成方法に応じて各種装置が従来から検討されている。例えば特許文献1にはサファイア原料が充填される坩堝と、坩堝外周面を加熱する円筒状ヒータ部並びに坩堝底面を加熱する円盤状ヒータ部を有するカーボン製ヒータと、カーボン製の断熱材料により構成されかつ坩堝とカーボン製ヒータが収容されて上記坩堝が保温される断熱空間室を備えたサファイア単結晶育成装置が開示されている。
なお、単結晶育成装置において、断熱材はチャンバーの内面に沿って設けられており、断熱材の内側に配置した坩堝や、ヒータ等の単結晶育成時に高温になった発熱体からの熱を遮蔽し、断熱材で囲まれた領域の温度を保持し、炉壁となるチャンバー等を保護している。
ところで、近年は育成する単結晶の大口径化による生産性向上やコストダウンが進んでおり、それに伴い単結晶育成装置も大型化している。
単結晶育成装置を大型化する場合に、坩堝等の周囲に配置される断熱材は特に重要な部材である。これは、断熱材の保温性が悪いと消費電力が上がり、また単結晶を育成しにくくなる場合があるためである。
単結晶育成装置を大型化するのに伴い、断熱材も大型化することとなるが、成形断熱材の大きな一体物になると高価なものとなり、相当に長く使用しないとコストアップになってしまう。このため、大型の単結晶育成装置においては、分割された複数の煉瓦状の断熱材を積層して断熱材の積層体を形成し、コストアップを抑える方法が採られている。
特開2010−120831号公報
しかしながら、分割された複数の煉瓦状の断熱材を積み重ねた構造であると、係る断熱材の積層体の内外の温度差による伸縮の違いにより、構成する断熱材が変形し、重ねた断熱材間に隙間が生じる。重ねた断熱材間に隙間が生じると、断熱材の積層体の内側の領域に配置したヒータや、坩堝、原料融液等の高温になった発熱体からの輻射熱が、断熱材の積層体の外側に漏れ、断熱材の積層体の内側の領域の温度分布の不均一や熱効率の低下、また、チャンバーにダメージを与える場合があった。
そこで、本発明の一側面では、上記従来技術が有する問題に鑑み、発熱体からの輻射熱が断熱材間を通って外部に漏れることを抑制した断熱構造体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の一態様によれば、発熱体の周りに配置する断熱構造体であって、
高さ方向に沿って積層された複数の断熱材を有しており、
高さ方向に隣接する一方の断熱材と、他方の断熱材において、
前記一方の断熱材の前記他方の断熱材と対向する面には凹部が形成されており、
前記他方の断熱材の、前記一方の断熱材と対向する面には前記凹部に対応した凸部が形成されている断熱構造体を提供することができる。
本発明の一態様によれば、発熱体からの輻射熱が断熱材間を通って外部に漏れることを抑制した断熱構造体を提供することができる。
本発明の実施形態における断熱構造体を備えた単結晶育成装置の構成例の説明図。 本発明の実施形態における断熱構造体に含まれる断熱材の説明図。 比較例1の単結晶育成装置の構成例の説明図。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
本実施形態の断熱構造体の一構成例について以下に説明する。
本実施形態の断熱構造体は、発熱体の周りに配置する断熱構造体に関する。
本実施形態の断熱構造体は、高さ方向に沿って積層された複数の断熱材を有することができる。
そして、高さ方向に隣接する一方の断熱材と、他方の断熱材において、一方の断熱材の他方の断熱材と対向する面には凹部が形成することができる。
また、他方の断熱材の、一方の断熱材と対向する面には凹部に対応した凸部を形成しておくことができる。
ここで、図1に本実施形態の断熱構造体を備えた単結晶育成装置の構成例を示す。図1は、単結晶育成装置10の内部に配置した坩堝11の中心軸を通る面での断面図を模式的に示したものである。
図1に示した単結晶育成装置10は、単結晶用原料を入れる坩堝11をチャンバー12内の坩堝支持台13の上に配置できる。坩堝11の材質は特に限定されるものではなく、用いる単結晶用原料に応じて選択することができる。例えば単結晶用原料の融点に応じて、該融点に対する耐熱性を有する材料を有することができる。
なお、チャンバー12の内部には、冷却水を流す冷却水路121を設けることができ、冷却水を流して炉の外壁が高温にならないように構成することができる。
そして、単結晶用原料を融解するために、例えば坩堝11の側面に側面ヒータ14を設けることができる。また、坩堝11の下方に円盤状の底面ヒータ15を坩堝支持台13が貫通する形で配置できる。
また、坩堝11の上部には上下動可能な引上げシャフト16を設けることができる。引上げシャフト16の先端部には種結晶保持部17を設け、種結晶18を固定できるように構成することができる。
そして、側面ヒータ14の周囲、底面ヒータ15の下方には、断熱構造体19をチャンバー12の内面に沿って設けることができる。断熱構造体19については、後で詳述する。
単結晶育成装置10では、上記部材以外に炉内の温度を測定するための温度測定手段を設けることができる。例えば図1に示したように断熱構造体19の裏面側に温度測定手段201、202、203を配置することができる。温度測定手段201、202、203としては例えば熱電対を用いることができる。また、坩堝11内の原料融液21の温度を測定するための、図示しない放射温度計等を配置することもできる。
単結晶育成装置10内の原料融液21や、種結晶18の表面状態を観察するための観察窓22を設けることもできる。
さらに必要に応じてチャンバー12内や、断熱構造体19で囲まれた領域の雰囲気を制御するために図示しない気体供給手段や、排気手段、圧力測定手段等を設けることもできる。
図1に示した単結晶育成装置10を用いて単結晶を育成する場合の手順の一構成例について以下に簡単に説明する。
まず、坩堝11内に単結晶用原料を所定の重量まで充填し、坩堝支持台13の上に載置し、引上げシャフト16に種結晶18を取付けた種結晶保持部17を接続した後、チャンバー12内の雰囲気制御を開始することができる。
例えばチャンバー12内の真空引きを開始することができ、チャンバー12内の真空引き開始後、30分〜1時間後に側面ヒータ14と底面ヒータ15の電源を入れ、ヒータへの電力供給を開始できる。そして、徐々に側面ヒータ14、及び底面ヒータ15への電力供給量を増加させて、単結晶用原料が融解する直前の温度まで昇温した後、数時間保持して、チャンバー12内の水分や金属汚染物を蒸発させることが好ましい。
次に、例えばチャンバー12内の真空引きを中止し、不活性ガスを導入できる。チャンバー12内の圧力が所望の圧力、例えば大気圧に達したら、そのまま不活性ガスを流した状態で、単結晶用原料が融解する電力まで徐々に上げた後、単結晶用原料が融解するまで電力供給量を保持することができる。
温度測定手段201、202、203の温度信号から、単結晶用原料の融解に伴う吸熱が認められ、単結晶用原料が完全に融解して原料融液21を形成したことが確認できたら、シーディングを実施できる。シーディングは、引上げシャフト16を下げて種結晶18を原料融液21の近くまで降ろし、観察窓22から種結晶18の側面状態を監視しながらシーディングポイントを探り、実行できる。その後、引上げシャフト16を回転させながら徐々に上昇させることで単結晶を育成できる。
ところが、チャンバー12内を加熱し、単結晶用原料を融解する過程等において、特に断熱構造体19に含まれる断熱材のうち、断熱構造体19の側面を構成する、断熱材192、193、194の内側と外側の温度差が大きくなる。このため、温度の高い断熱材の内側で膨張し変形して断熱材同士の重ね合わせ部分に隙間を生じ易くなる。
そこで、本実施形態の断熱構造体19においては、このように熱により断熱材の一部が膨張して変形した場合でも、ヒータや、坩堝、原料融液等の高温になった発熱体(高温部材)からの輻射熱が断熱材間の隙間を通って外部に漏れることを抑制できるように構成している。
図1、図2を用いて、本実施形態の断熱構造体19の一構成例について以下に説明する。
断熱構造体19は、高さ方向に沿って積層された複数の断熱材191〜195を有することができる。
なお、図1では高さ方向に5つの断熱材に分割した例を示しているが、高さ方向に分割する数は特に限定されるものではない。また、断熱材191〜195の材質は特に限定されるものではなく、発熱体の最高到達温度や、チャンバー12内の雰囲気等に応じて任意に選択することができる。例えばアルミナや、ジルコニア、カーボン等の断熱材を用いることができる。
ここで、図2を用いて複数の断熱材の形状、および積層の形態について説明する。図2は、断熱構造体19に含まれる断熱材のうち、断熱材193、および断熱材194の一部を拡大して模式的に示した斜視図である。
一方の断熱材194と、他方の断熱材193とは、図1、図2に示したように高さ方向、すなわち図中Z軸方向に隣接している。
そして、一方の断熱材194の、他方の断熱材193と対向する面1941には、凹部23が形成されている。また、他方の断熱材193の、一方の断熱材194と対向する面1931には、上記凹部23に対応した凸部24が形成されている。
このため一方の断熱材194上に他方の断熱材193を積層した場合、凹部23に凸部24を嵌め込むようにして積層することができる。
既述のように、互いに対向する面が平坦面である、複数の煉瓦状の断熱材を積層した従来の断熱材の積層体では、係る積層体の内外の温度差により断熱材間に隙間が生じて、発熱体からの輻射熱が断熱材間の隙間を通って外部に漏れる場合があった。
これに対して、本実施形態の断熱構造体では、高さ方向に隣接する断熱材の対向する面に凹部、及び凸部を形成することができる。そして、断熱構造体の内外の温度差により断熱材194と、断熱材193との間の一部に隙間が形成された場合でも、断熱材193、194の左側に配置した図示しない発熱体からの熱線(電磁波)の進行を凸部24の側壁により妨げられる。このため、本実施形態の断熱構造体によれば、発熱体からの輻射熱が、断熱構造体に含まれる断熱材間に形成された隙間を通って外部に漏れることを抑制することができる。なお、発熱体とは、ヒータや、坩堝、原料融液等の単結晶育成時に加熱され、または発熱することで高温となり、輻射熱を発する部材(高温部材)のことを意味する。
また、単結晶を育成する際に断熱構造体で囲まれた領域内には、育成する単結晶の材料や、炉内の構成物の材料に応じてガスが供給される場合がある。ところが従来の煉瓦状の断熱材を積層した断熱材の積層体では、断熱材間に隙間が形成されることで、該隙間を流れてガスが断熱材の積層体で囲まれた領域から漏れて外部に流出し、さらには炉内温度が低下する場合があった。
これに対して、本実施形態の断熱構造体では、断熱材間に隙間が生じた場合でも凹部、凸部の部分でガスの流れを抑制し、断熱構造体を構成する断熱材間の隙間を流れて、断熱構造体で囲まれた領域からガスが流出することを抑制できる。このため、炉内温度が低下することも抑制でき、炉内の温度分布を安定させ単結晶の育成を安定して実施できる。さらには、熱が炉外に逃げることを抑制し、保温性を高めることができるので、ヒータの消費電力を抑制できる。
なお、図1、図2においては、断熱材の外周側の端部、すなわち断熱材の図中の右側端部に凹部23、凸部24を形成した例を示したが、係る形態に限定されるものではない。凹部23の形状等に応じて、一方の断熱材194の、他方の断熱材193と対向する面1941のうち、任意の場所に凹部23を形成することができる。
例えば、図2に示したように凹部23が線状、すなわち溝形状を有する場合、凹部23は一方の断熱材194の厚さ方向、すなわち図中X軸方向の任意の位置に設けることができる。具体的には例えば断熱材194の厚さ方向の中央部や、断熱材194の内周側の端部、すなわち断熱材の図中の左側端部に凹部を形成することもできる。この場合、断熱材193に設ける凸部24は、断熱材194に設けた凹部23に対応する位置に形成することができる。
また、図2では凹部23、および凸部24を紙面と垂直な方向に沿って線状に形成した例を示したが、係る形態に限定されるものではない。既述のように凹部23、凸部24を形成することで、断熱材間に隙間が形成された場合でも、凸部24の側壁により、発熱体からの輻射熱が断熱材間を通って外部に漏れることを抑制できる。このため、例えば点状の凹部、およびこれに対応した凸部であっても従来の凹部、および凸部を設けない煉瓦状の断熱材を積層した断熱材の積層体と比較すると、発熱体からの輻射熱の外部への漏れを抑制できるからである。
ただし、凹部23は、発熱体からの輻射熱の進行方向であるX軸方向に対して角度を有するように形成することが、発熱体からの輻射熱の外部への漏れを抑制する観点から好ましい。特に、断熱材194の内周面1942、および/または外周面1943に沿って、線状に形成することがより好ましい。なお、凸部24は凹部23の形状、位置に対応するようにして形成することができる。
一方の断熱材194に形成する凹部23の深さh3は特に限定されるものではない。例えば断熱材の熱膨張係数、断熱構造体の内周面と、外周面との間の温度差、断熱構造体の寸法などから算出される断熱構造体に含まれる断熱材の伸縮量等を考慮し、該伸縮量を超えるように凹部23の深さh3を選択することができる。なお、他の断熱材に設けた凹部の深さh1、h2、h4(図1を参照)についても同様に特に限定されるものではなく、断熱材の熱膨張係数等を考慮して選択することができる。また、断熱構造体19において、凹部の深さh1〜h4は一定である必要はなく、凹部を形成する断熱材ごとに異なっていてもよい。
図1、図2では凹部23を1つ形成した例を示しているが、係る形態に限定されるものではなく、凹部23は2つ以上、すなわち複数個形成することもできる。例えば、図2において図中に示した凹部23以外に、X軸方向の任意の位置に凹部23と平行になるように、第2の凹部を形成することもできる。この場合、凸部についても図中に示した凸部24以外に第2の凹部に対応した位置に第2の凸部を形成することとなる。
また、一方の断熱材194に、凹部23以外に凸部を形成し、他方の断熱材193に凸部24以外に凹部を形成してもよい。
また、図1、図2では高さ方向に隣接する断熱材について、下側に位置する一方の断熱材194の、上側に位置する他方の断熱材193と対向する面1941に凹部23を形成した例を示したが、係る形態に限定されない。例えば下側に位置する一方の断熱材194の、上側に位置する他方の断熱材193と対向する面に凸部を形成することもできる。この場合、上側に位置する他方の断熱材193の、一方の断熱材194と対向する面1931に、上記凸部に対応した凹部を形成することとなる。
ここでは説明の便宜上、断熱材193と、断熱材194との関係を中心に説明したが、他の断熱材191、192、195についても、図1に示したように、一方の断熱材の高さ方向に隣接する他の断熱材と対向する面に凹部を形成することができる。そして、他方の断熱材の一方の断熱材と対向する面に凸部を形成することができる。この際、凹部、及び凸部は、上述の断熱材193と、断熱材194とについて説明した場合と同様にして形成することができる。
図1では断熱構造体19について、高さ方向に複数の断熱材191〜195に分割できる例を示したが、係る複数の断熱材191〜195について、さらに水平方向に分割できるように構成することもできる。すなわち、断熱構造体19に含まれる複数の断熱材は、水平方向、すなわち断熱材の厚さ方向に沿って複数に分割されるように構成することもできる。なお、水平方向とは、図1においてはX軸方向を意味している。
例えば、断熱構造体19に含まれる全ての断熱材について水平方向に沿って複数に分割できるように構成することもできるが、断熱構造体19に含まれる断熱材のうち、一部について、水平方向に沿って複数に分割できるように構成してもよい。
このように、断熱構造体19に含まれる断熱材について、水平方向にも複数に分割されるように構成することで、断熱構造体に含まれる断熱材の一部が損傷等した場合に、損傷した部分のみを交換することができるため、経済性の観点から好ましい。
また、例えば図2の断熱材194について、水平方向に断熱材194aと、凹部23を構成する断熱材194bとに分割できるように構成した場合、凹部23のサイズ等を容易に調整することができ、また凹部23を容易に形成できるため好ましい。
本実施形態の断熱構造体19は、断熱構造体19に含まれる各断熱材を積層するのみで構成することもできるが、例えば、各断熱材を積層した後、金具等により相互に固定することもできる。
なお、ここまで図1に示した引上げ法の単結晶育成装置に設置した断熱構造体の例を挙げて説明したが、本実施形態の断熱構造体は、発熱体を囲むように配置する用途であれば特に限定されることなく適用することができる。
ただし、特に単結晶育成装置においては、単結晶用原料を高温まで加熱する必要があることから、本実施形態の断熱構造体は、単結晶育成装置において特に好適に用いることができる。なお、適用できる単結晶育成装置としては、引上げ法の単結晶育成装置に限定されるものではなく、引上げ法以外の各種単結晶育成装置にも適用することができる。特に、坩堝内で単結晶用原料を溶融して原料融液とし、これを固化させて単結晶を育成する融液固化法の単結晶育成装置に好適に用いることができる。
以上に本実施形態の断熱構造体について説明したが、本実施形態の断熱構造体によれば、発熱体からの輻射熱が断熱材間を通って外部に漏れることを抑制することができる。このため、断熱材の積層体の内側の領域の温度分布の不均一や熱効率の低下を抑制できる。また、チャンバーの内壁、すなわち炉内壁が熱により損傷を受けることを抑制できる。
以下に具体的な実施例、比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示した断熱構造体19を備えた単結晶育成装置10を用いて、サファイア単結晶の製造を行った。
図1に示すように、断熱構造体19は断熱材191〜断熱材195を高さ方向に沿って積層して形成されており、断熱材191〜断熱材195としてはいずれもカーボン製の断熱材を用いた。
そして、高さ方向に隣接する一方の断熱材の他方の断熱材と対向する面に断熱構造体19の外周面に沿って、凹部を形成した。また、他方の断熱材の一方の断熱材と対向する面には、上記凹部に対応して凸部を形成しており、断熱材を積層する際、一方の断熱材に形成した凹部に他方の断熱材の凸部が嵌め込まれるようにして積層している。
なお、断熱材192の断熱材191に対向する面に設けた凹部の深さh1を25mmとした。また、断熱材193の断熱材192に対向する面に設けた凹部の深さh2、及び断熱材194の断熱材193に対向する面に設けた凹部の深さh3を40mmとした。断熱材195の断熱材194に対向する面に設けた凹部の深さh4を35mmとした。なお、凸部のサイズもそれぞれ凹部に対応するようにして形成している。
そして、図1に示した単結晶育成装置10において、坩堝11内に単結晶用原料として酸化アルミニウム原料を150kg充填し、坩堝支持台13上に載置した。
次いで、チャンバー12内を10Paまで図示しない真空排気手段により真空引きした。チャンバー12内が10Paになった後、側面ヒータ14、及び底面ヒータ15に電力の供給を開始し、5時間かけて側面ヒータ14、及び底面ヒータ15に供給する合計電力量が39kWになるまで徐々に電力供給量を増加させた。
側面ヒータ14、及び底面ヒータ15に供給する合計電力量が39kWに到達後、3時間電力供給量を保持した。
次に、図示しない気体供給手段によりチャンバー12内へのアルゴンガスの導入を開始し、チャンバー12内の圧力を大気圧とした。なお、チャンバー12内へのアルゴンガスの供給開始後、単結晶の育成を終了して単結晶を取出すまでアルゴンガスの供給を継続して行っている。この際、同時に図示しない排気手段によりチャンバー12外へアルゴンガスを排気することでチャンバー12内を大気圧に保持している。
そしてチャンバー12内の圧力が大気圧となった後、5時間かけて側面ヒータ14、及び底面ヒータ15に供給する合計電力量を徐々に上げ、酸化アルミニウム原料を融解させた。なお、酸化アルミニウム原料は、熱電対である温度測定手段201、202、203の温度が融解に伴う吸熱が認められた時に、融解したと判断した。
酸化アルミニウム原料が融解した時の側面ヒータ14及び底面ヒータ15への電力の合計供給量は43kWであり、酸化アルミニウム原料の融解時のチャンバー12外壁の温度は28〜32℃と素手で触れる状態であった。
酸化アルミニウム原料を融解して原料融液21が形成された後、引上げシャフト16を下げ、種結晶18を原料融液21に近づけて、観察窓22から種結晶18の表面状態を確認しながらシーディングを行った。
シーディングを実施した後は、約200時間かけて種結晶18を徐々に引上げてサファイア単結晶の育成を行った。サファイア単結晶の育成中、途中でトラブルが発生することなく、約130kgのサファイア単結晶を得た。
[比較例]
単結晶育成装置30を用いた点以外は、実施例と同様にしてサファイア単結晶の育成を実施した。
図3に本比較例で用いた単結晶育成装置30の内部に配置した坩堝11の中心軸を通る面での断面模式図を示す。なお、図1に示した単結晶育成装置10と同じ部材については同じ番号を付している。
図3に示した単結晶育成装置30は、図1に示した単結晶育成装置10において断熱構造体19にかえて、断熱材の積層体31を用いた点以外は同様の構成を有している。断熱の積層体31は図3に示すように複数の断熱材311〜315を高さ方向に積層して形成されているが、断熱構造体19と異なり、煉瓦状の断熱材311〜315を積層して形成している。すなわち、高さ方向に隣接する一方の断熱材と、他方の断熱材において、一方の断熱材の他方の断熱材と対向する面に凹部を形成せずに平坦面としている点で断熱構造体19と相違している。
実施例と同様の手順で酸化アルミニウム原料を融解させたところ、この時の側面ヒータ14及び底面ヒータ15への電力供給量の合計は46kWであり、この時のチャンバー12外壁の温度は60℃以上と素手で触れない状態であった。
これは、断熱材の積層体31を構成する断熱材間に隙間が形成され、側面ヒータ14、底面ヒータ15や、坩堝11、原料融液21からの輻射熱が断熱材間の隙間を通りチャンバー12の内壁に直接あたることでチャンバー12の温度を上昇させたためである。
また、シーディング後の単結晶引上げ中に育成している単結晶と坩堝11の底面とが固着する底付き現象が発生した。これは断熱材の積層体31で囲まれた領域の温度分布が不安定になったために生じた為と推認される。
そこで、一時的にヒータへの電力供給量を上げることで、育成している単結晶と坩堝11との固着状態を解消させようとしたが、底付き現象を解消できず、単結晶を得ることができなかった。
19 断熱構造体
191、192、193、194、195 断熱材
23 凹部
24 凸部

Claims (2)

  1. 発熱体の周りに配置する断熱構造体であって、
    高さ方向に沿って積層された複数の断熱材を有しており、
    高さ方向に隣接する一方の断熱材と、他方の断熱材において、
    前記一方の断熱材の前記他方の断熱材と対向する面には凹部が形成されており、
    前記他方の断熱材の、前記一方の断熱材と対向する面には前記凹部に対応した凸部が形成されている断熱構造体。
  2. 前記断熱材が、水平方向に沿って複数に分割されている請求項1に記載の断熱構造体。
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