JP6507811B2 - 結晶育成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、結晶育成装置に関する。
従来から、半導体等の用途において単結晶や、単結晶を加工して作製したウエハーが用いられている。
単結晶の育成方法としては様々な方法が知られている。単結晶の育成に当たっては、例えば結晶特性に優れ、大きな結晶が得られることから、チョクラルスキー法(Cz法)やカイロポーラス法(KY法)、EFG法(edge−defined film−fed growth 法)、ブリッジマン法、グラディエントフリーズ法(GF法)等の融液固化法等が広く用いられている。
単結晶の育成に当たっては、炉体であるチャンバー内に断熱材や、坩堝等の単結晶育成に必要な部材が、単結晶育成方法に応じて配置された結晶育成装置が従来から用いられている。そして、単結晶を育成する際、収率よく高品質な単結晶を得るため、結晶育成装置の断熱材で囲まれた断熱空間内において、原料融液等の温度及び温度勾配を単結晶の育成方法に応じて適切に制御することが求められていた。このため、断熱空間内において適切な温度制御ができるように、構造や、用いる部材等について、各種検討がなされてきた。
例えば特許文献1には、チョクラルスキー法による酸化物単結晶育成装置であって、育成時に、断熱空間内で坩堝の上方に、引き上げ軸の軸方向に所定間隔をもって配置され、径方向中央部に開口を有する、複数の円輪状の熱反射板を備える多層型熱反射板が設けられており、複数の円輪状の熱反射板の前記開口の開口径が、坩堝側から上方に向かうに従って、順次、小さくなっている酸化物単結晶育成装置が開示されている。
特開2014−001125号公報
ところで、従来の結晶育成装置においては、チャンバー表面のうち断熱材で覆われていない部分や、断熱材の薄い部分が単結晶育成時に加熱されて高温になる場合があった。そして、チャンバー表面が高温になると、鋭敏化による金属疲労が起き、チャンバーや、チャンバーを冷却する冷却水配管が損傷する場合があった。
そこで、本発明の一側面では、上記従来技術が有する問題に鑑み、単結晶育成時にチャンバー表面が高温になることを抑制した結晶育成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の一態様によれば、チャンバーと、
前記チャンバーの内部に、前記チャンバーの内面に沿って設置された断熱材と、
前記断熱材に囲まれた断熱空間内に配置された、単結晶原料を充填する坩堝、及び前記坩堝の周囲に配置された加熱体と、
前記チャンバーと、前記断熱材との間に配置された熱反射板とを有し、
前記断熱材には開口部が形成され、
前記熱反射板が前記開口部の一部を覆い、かつ前記熱反射板の反射面が、前記断熱材と対向するように配置されており、
前記断熱材の前記開口部における、前記断熱材と前記熱反射板の前記反射面との間の距離が、
前記断熱材の前記開口部以外の部分における、前記断熱材と前記熱反射板の前記反射面との間の距離よりも短くなっており、
前記熱反射板は、前記チャンバーの内面に沿って配置され、
前記熱反射板の前記反射面と、前記チャンバーの前記熱反射板を配置した内面とが形成する角度が3°以上40°以下である結晶育成装置を提供することができる。

本発明の一態様によれば、単結晶育成時にチャンバー表面が高温になることを抑制した結晶育成装置を提供することができる。
本発明の実施形態における結晶育成装置の構成例の説明図。 図1の一部拡大図。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
本実施形態の結晶育成装置の一構成例について以下に説明する。
本実施形態の結晶育成装置は、チャンバーと、チャンバーの内部に設置された断熱材と、チャンバーと、断熱材との間に配置された熱反射板とを有することができる。
図1、図2に本実施形態の結晶育成装置の構成例を示す。図1は、結晶育成装置10の内部に配置した坩堝の中心軸を通る面での断面図を模式的に示したものである。また、図2は、図1の熱反射板周辺を一部拡大して示した図である。
図1に示した結晶育成装置10は、チャンバー11を備えており、チャンバー11の内部には、チャンバー11の内面に沿って断熱材12を配置することができる。なお、チャンバー11には図示しないチャンバー11を冷却するための冷却水配管を、チャンバー11の壁面内や、チャンバー11の表面に設けることができる。
断熱材12で囲まれた断熱空間の中には単結晶の育成方法に応じて必要な部材を配置することができる。結晶育成装置10では、Cz法を用いた単結晶育成装置の構成例を示す。
結晶育成装置10の断熱空間の中には、育成する単結晶の原料である単結晶用原料を充填した坩堝13を配置することができる。坩堝13は坩堝支持軸14上に載置することができる。
また、坩堝13の上方には、坩堝13側の先端に種結晶を固定できるように構成された引上げ軸15を配置することができる。
そして、坩堝13内に充填した単結晶用原料を加熱するための加熱体を坩堝13の周囲に配置することができる。加熱体として例えば坩堝13の側面に対向するように側面ヒータ16を配置することができる。なお、加熱体としては側面ヒータ16だけではなく、坩堝13の底面と対向するように配置した底面ヒータ等を設けることもできる。
坩堝13内に充填した単結晶用原料を加熱することにより融解し、原料融液17を形成することができるが、原料融液17等からの輻射熱を原料融液17に戻すための多層型熱反射板18を坩堝13の上方に配置することができる。
図1に示すように、多層型熱反射板18は、高さ方向に沿って複数の熱反射板を配置した形態を有することができ、各熱反射板は中央に開口部を有することができる。多層型熱反射板18を構成する各熱反射板の中央開口部は、原料融液17側から上方に向かって順次小さくなるように構成することができる。
結晶育成装置10には、図1、図2に示した部材以外にも単結晶の育成に必要な各種部材を設けることができる。例えば、チャンバー11内の雰囲気を制御するため、気体供給手段や、排気手段、圧力測定手段等を設けることができる。また、加熱体による出力等を制御するため、チャンバー11内の任意の場所に温度測定手段を設けることや、チャンバー11内の原料融液17や、種結晶の状態を確認するための観察窓等を設けることもできる。
以上のような構成を有する結晶育成装置10により単結晶を育成する場合、まず、坩堝13内に充填した単結晶用原料を加熱体である側面ヒータ16により加熱して融解し、原料融液17とすることができる。次いで、引上げ軸15を下げ、引上げ軸15の先端に固定した種結晶を原料融液17に接触させるシーディングを実施できる。そして、引上げ軸15を操作して種結晶を回転させながら上昇させることで、単結晶19を育成することができる。単結晶の育成が終了した後は、原料融液17と育成した単結晶19とを切り離した後、冷却し、チャンバー11内から育成した単結晶を取出すことができる。
ところで、チャンバー11内に配置された断熱材12は、例えば引上げ軸15等の各種部材を設けるために形成された開口部や、形状の都合で厚さが薄い部分を含む場合がある。そして、断熱材12に設けた開口部や、断熱材12の薄い部分から、断熱空間内に配置された原料融液17等の高温の部材が放射した輻射熱が漏れ、チャンバー11が加熱されて、チャンバー11や、図示しないチャンバー11を冷却する冷却水配管等が損傷する場合があった。
そこで、本実施形態の結晶育成装置では、断熱材12とチャンバー11との間に熱反射板20を配置することができる。断熱材12とチャンバー11との間に熱反射板20を配置することで、断熱材12に設けられた開口部や、断熱材12の薄い部分を通った輻射熱がチャンバー11に到達することを抑制できる。このため、結晶育成時にチャンバー11の表面が高温になることを抑制することが可能になる。
以下に熱反射板について具体的に説明する。
熱反射板20を設ける場所は特に限定されるものではない。例えば、断熱材12に形成した開口部や、断熱材12の薄い部分を通った輻射熱がチャンバー11を加熱している部分に、該輻射熱によりチャンバー11が加熱されるのを抑制するように設けることができる。
図1、図2では引上げ軸15を設けるために、断熱材12に設けた開口部121を通った輻射熱によりチャンバー11が加熱されないように熱反射板20を設けた例を示している。係る例を用いて以下に熱反射板20について説明する。
ここでまず、断熱材12は単結晶の育成時に高温となる加熱体である側面ヒータ16や、原料融液17等の周囲に配置されることから、断熱材12は単結晶の育成開始前後で大きな温度差に曝されることとなる。このため、例えば断熱材12に引上げ軸15を設けるための開口部121を形成する場合には、単結晶の育成開始前後での温度差による断熱材12の伸縮を考慮して引上げ軸15との間に十分な隙間が形成されるように開口部121のサイズを決定することが好ましい。
しかしながら、開口部121において、断熱材12と、引上げ軸15との間に十分な隙間を形成すると、輻射熱が開口部121における断熱材12と、引上げ軸15との隙間を通って、チャンバー11を加熱してチャンバー11等を損傷する恐れがある。そこで、断熱材に開口部が形成されている場合には、熱反射板20は係る断熱材12の開口部121の一部を覆うように、特に開口部121における断熱材12と、引上げ軸15との隙間を覆うように配置することが好ましい。
断熱材12の開口部121の一部を熱反射板20で覆うことにより、チャンバー11に達する輻射熱を抑制し、チャンバー11等を加熱して損傷することを抑制することができる。
なお、図1、図2に示したように引上げ軸15を配置するために熱反射板20にも例えば中央部に引上げ軸用開口部202を形成し、引上げ軸用開口部202に引上げ軸15を挿入することができる。この際、熱反射板20は断熱材12と、チャンバー11との間に配置されているため、熱反射板20が受ける単結晶の育成開始前後での温度差は断熱材12と比較して小さくなる。このため、断熱材12に形成した開口部121の場合と比較すると、引上げ軸用開口部202における、熱反射板20と、引上げ軸15との隙間は小さくても足りる。従って、熱反射板20に引上げ軸用開口部202を形成した場合でも断熱材12の開口部121の一部を熱反射板20で覆うように配置することができる。
開口部121における断熱材12と、引上げ軸15との隙間のサイズや、引上げ軸用開口部202における熱反射板20と、引上げ軸15との隙間のサイズは特に限定されるものではなく、各部材の材料や、育成する単結晶の種類等により任意に選択できる。ただし、単結晶育成時の加熱により断熱材12や、熱反射板20が加熱され、膨張した場合でも、引上げ軸15の回転や、上下動を阻害しないように各開口部における引上げ軸15との隙間のサイズを選択することが好ましい。
断熱材12に設けた開口部121における、断熱材12と、引上げ軸15との隙間のサイズとしては、室温時において、例えば10mm以上22.5mm以下であることが好ましい。これは、室温時における隙間のサイズが10mm未満では単結晶育成時の温度環境下における断熱材12の膨張により、断熱材12と引上げ軸15とが接触して断熱材12が破損したり、反応して異物を形成したり、脆化等する恐れがあるからである。
また、室温時における隙間のサイズが22.5mmを超えると、該開口部からの放熱量が多くなり断熱空間の温度分布が不安定となり、単結晶の育成に悪影響を及ぼす恐れがあるからである。
なお、引上げ軸15が開口部121内の中央に位置する場合、上記隙間は、開口部121の直径方向に沿って、引上げ軸15の両側に存在する。このため、例えば引上げ軸15の直径を40mmとした場合、開口部121の直径は60mm以上85mm以下であることが好ましい。
また、熱反射板20に設けた引上げ軸用開口部202における熱反射板20と、引上げ軸15との隙間のサイズとしては、室温において、2.5mm以上10mm以下であることが好ましい。すなわち、室温において、引上げ軸15の外周面と、引上げ軸用開口部202の引上げ軸15と対向する面との間の距離が2.5mm以上10mm以下であることが好ましい。これは室温時における隙間のサイズが2.5mm未満では単結晶育成時の温度環境下における熱反射板20の膨張により、熱反射板20と引上げ軸とが接触して熱反射板20が破損したり、反応して異物を形成したり、脆化等する恐れがあるからである。また、隙間のサイズが10mmを超えると、断熱材12と引上げ軸15との隙間からの輻射熱を十分に抑制できない場合があるからである。
ただし、熱反射板20に設けた引上げ軸用開口部202における熱反射板20と、引上げ軸15との隙間のサイズは、断熱材12に設けた開口部121における、断熱材12と、引上げ軸15との隙間のサイズよりも小さいことが好ましい。これは、熱反射板20が断熱材12の開口部121の一部を確実に覆えるように構成することが好ましいからである。
なお、引上げ軸15が引上げ軸用開口部202内の中央に位置する場合、上記隙間は、引上げ軸用開口部202の直径方向に沿って、引上げ軸15の両側に存在する。このため、例えば引上げ軸15の直径を40mmとした場合、引上げ軸用開口部202の直径は45mm以上60mm以下であることが好ましい。
特に、熱反射板20に設けた引上げ軸用開口部202における熱反射板20と、引上げ軸15との隙間のサイズとしては、室温において、2.5mm以上7.5mm以下であることがより好ましい。
熱反射板20の形状は特に限定されるものではなく、輻射熱を反射できるように任意にその形状を選択することができる。具体的には例えば図1、図2に示したように反射面201を対向する断熱材12の面、及び熱反射板20を配置したチャンバー11の面に対して傾斜させた形状とすることができる。この場合、熱反射板20の断面形状は例えば三角形、または台形とすることができ、熱反射板20の外形形状は円錐や角錐、錐台(円錐台、または角錐台)とすることができる。また、反射面を傾斜させずに水平面として、板状の熱反射板を用いることもできる。
ただし、断熱材12に開口部121が形成されていると、該開口部121から気体が流出する場合がある。そして、係る流出した気体がチャンバー11内で滞留すると、チャンバー11の特定の箇所が加熱される恐れがある。そこで、熱反射板20は係る流出した気体に流れを形成し、滞留することを抑制できるように、図1、図2に示したように反射面201を対向する断熱材12の面に対して傾斜した面とすることが好ましい。この場合、熱反射板20の断熱材12に最も近接する端部は、断熱材12の開口部121に位置することが好ましい。
すなわち、熱反射板20の反射面201は、断熱材12と対向するように配置されていることが好ましい。そして、断熱材12の開口部121における、断熱材12と熱反射板20の反射面201との間の距離L1が、断熱材12の開口部121以外の部分における、断熱材12と熱反射板20の反射面201との間の距離L2よりも短くなっていることが好ましい。係る形状とすることで、断熱材12に形成された開口部121から流出した気体が熱反射板20の反射面201に沿って流れを形成し、チャンバー11内で滞留することを抑制できる。
この場合、図1、図2に示したように、熱反射板20は、チャンバー11の内面に沿って配置することができる。そして、熱反射板20の反射面201と、チャンバー11の熱反射板20を配置した内面とが形成する角度θ(図2を参照)は特に限定されるものではないが、例えば3°以上40°以下とすることが好ましい。
これは、角度θが3°未満では熱反射板20の反射面201に、断熱材12に形成した開口部121から流出した気体が当たった場合に十分な気体の流れを形成することができない場合があるためである。また、角度θが40°を超えると熱反射板20の高さ方向のサイズが大きくなり、結晶育成装置10のサイズも大きくなる恐れがあるからである。角度θは、特に3°以上35°以下であることがより好ましい。
熱反射板20のサイズは特に限定されるものではなく、断熱材12の開口部121のサイズや、熱反射板20の材質等に応じて任意に選択することができる。
熱反射板20の厚さh1(図2を参照)は例えば2mm以上15mm以下であることが好ましく、5mm以上10mm以下であることがより好ましい。これは、熱反射板20の厚さが2mm未満の場合、該熱反射板20の取付けまたは取外業中に破損や変形するおそれがあるからである。また、15mmよりも厚いと、熱反射板20全体の重量が重くなり、取付け時や、取り外し時に作業効率が低下する原因になるばかりか、この熱反射板20を支持する部材にかかる負担も大きくなるからである。
熱反射板20の幅W20は例えば断熱材12に形成された開口部121のサイズや、断熱材12の熱反射板20と対向する面の幅W12等に応じて任意に選択することができる。W20は例えば120mm以上260mm以下とすることが好ましい。なお、熱反射板が円錐形状や、円板形状を有する場合には、熱反射板20の幅W20は、熱反射板20の直径となる。
断熱材12の熱反射板20と対向する面の幅W12についても特に限定されるものではなく、断熱空間に要求されるサイズ等に応じて任意に選択することができる。例えば幅W12は、500mm以上750mm以下とすることができる。なお、断熱材12の熱反射板20に対向する面の形状が円形形状の場合には、幅W12は、断熱材12の熱反射板20と対向する面の直径となる。
熱反射板20の材質は、特に限定されるものではなく、育成する単結晶の種類等に応じて、単結晶育成時の温度環境下においても容易に変形しない材料を選択することが好ましい。熱反射板20の材質としては例えばモリブデン、タングステン、グラファイトなどが挙げられる。グラファイトは2000℃以上の高温においても変形しにくいことから、特に好適に用いることができる。
なお、熱反射板20は1つの材料から構成されている必要はなく、複数の材料を組み合わせて用いることもできる。例えば熱反射板20の反射面201をグラファイトにより形成し、反射面201を支持するその他の支持部材を各種炭化物を用いることもできる。このように支持部材に各種炭化物を用いることで、熱反射板20を固定するための部材、例えば後述する支持棒21等と、熱反射板20とが反応することをより確実に抑制することができる。ただし、単結晶育成中において、グラファイトと、後述する支持棒21等とが反応する温度よりも、熱反射板20の温度が低い場合には、支持部材を各種炭化物とせずに、熱反射板20をグラファイトにより形成することがコスト等の観点から好ましい。
熱反射板20の固定方法は特に限定されるものではなく、例えばチャンバー11の内面に直接固定することもできる。ただし、チャンバー11の内面に直接、熱反射板20を固定した場合、熱反射板20が受けた熱をそのままチャンバー11に伝熱し、チャンバー11が加熱される恐れがある。
このため、図1、図2に示したように、熱反射板20は、チャンバー11の内面に支持棒21を介して接続されていることが好ましい。この際、支持棒21の熱反射板20と接する面積が、熱反射板20のチャンバー11と対向する面の面積よりも小さいことが好ましい。
このように支持棒21を介して熱反射板20をチャンバー11の内面に固定することで、熱反射板20からチャンバー11への伝熱量を抑制し、チャンバー11が加熱されることを特に抑制できるため好ましい。
支持棒21の材質は特に限定されるものではないが、チャンバー11との接合性等を考慮して、支持棒21としてはチャンバー11と同じ材料を用いることが好ましい。具体的には例えばステンレス鋼等を用いることができる。
支持棒21の数は特に限定されるものではないが、熱反射板20を確実に固定できるように複数の支持棒21により固定することが好ましい。ただし、支持棒21の数が増えると、支持棒21を介して熱反射板20からチャンバー11への伝熱量が増加するため、例えば3本以上6本以下の支持棒21を用いることが好ましい。
チャンバー11に熱反射板20を固定する際、チャンバー11と熱反射板20との間の距離h2(図2を参照)は特に限定されるものではないが、例えば5mm以上15mm以下とすることが好ましく、8mm以上15mm以下とすることがより好ましい。
これは、チャンバー11と熱反射板20との間の距離h2が5mm未満であると、熱反射板20からチャンバー11へ熱が伝熱することを十分に抑制できない場合があるからである。また、距離h2が15mmを超えると、結晶育成装置10の大型化の原因となり、好ましくないからである。
また、図1では熱反射板20をチャンバー11内面のうち天井部(上部)に1つ設けた例を示しているが、1つの結晶育成装置内に必要に応じて任意の場所に複数の熱反射板を設けることもできる。
ただし、特にチャンバー11内においては、チャンバー11の上部が加熱され易いため、チャンバー11の天井面に熱反射板20を設置することが好ましい。
なお、ここまで、図1、図2に示したチョクラルスキー法の結晶育成装置に熱反射板を設けた場合を例に説明したが、係る形態に限定されるものではない。各種結晶の育成方法に対応した結晶育成装置において、チャンバーと断熱材との間にここまで説明した熱反射板を設置した結晶育成装置が本実施形態の結晶育成装置に含まれる。
また、本実施形態の結晶育成装置において育成する単結晶の種類は特に限定されるものではなく、各種単結晶を育成する際に用いることができる。ただし、単結晶を育成する際に高温を要する単結晶を育成する場合、従来はチャンバーが加熱されてチャンバー等が損傷していたところ、本実施形態の結晶育成装置によれば、チャンバーが損傷されることを抑制できる。このため、本実施形態の結晶育成装置においては、単結晶を育成する際に高温を要する単結晶を育成することが好ましい。
単結晶を育成する際に高温を要する単結晶としては、例えば酸化物単結晶を挙げることができ、具体的にはサファイア単結晶や、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)、ガドリニウム・シリケート(GSO)、ルテチウム・シリケート(LSO)などを挙げることができる。これらの酸化物単結晶は、融点が2000℃近傍、もしくは2000℃を超える高い融点を有しており、本実施形態の結晶育成装置により好適に製造することができる。
以上に本実施形態の結晶育成装置について説明したが、本実施形態の結晶育成装置によれば、熱反射板をチャンバーと断熱材との間に設けることにより、輻射熱がチャンバーに到達することを抑制し、結晶育成時にチャンバー表面が高温になることを抑制できる。
以下に具体的な実施例、比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示した結晶育成装置10を用いて、サファイア単結晶の製造を行った。
結晶育成装置10の構成について説明する。
図1に示すように熱反射板20としては中心軸に沿って引上げ軸用開口部202を形成した円錐形状を有するものを使用した。
熱反射板20としてはグラファイト製の熱反射板を用いた。そして、引上げ軸用開口部202の直径は55mmとし、熱反射板20の外径W20は120mmとした。また、熱反射板20の厚さh1は10mmとした。
熱反射板20は図1に示したように、チャンバー11の内面のうち天井部に、直径6mmのステンレス鋼(SUS)製の支持棒21により設置しており、チャンバー11と熱反射板20との間の距離h2は10mmとした。支持棒21は4本使用した。
熱反射板20を固定する際、断熱材12と熱反射板20の反射面201との間の距離が、断熱材12の開口部121と対向する部分において最も短くなるように熱反射板20を配置、固定している。
そして、熱反射板20の反射面201と、チャンバー11の熱反射板20を配置した内面(天井面)とが形成する角度θは17°とした。
なお、チャンバー11の熱反射板20を配置した面と、断熱材12の上面との間の距離は熱反射板20を設けるため200mmとしている。
次に断熱材12について説明する。
断熱材12の熱反射板20と対向する面である上面は円形形状を有しており、その直径は600mmとした。そして、断熱材12の上面中央部には、引上げ軸15を通すための開口部121を設けており、開口部121の直径は60mmとした。引上げ軸用開口部202の直径の方が開口部121よりも小さいことから、引上げ軸15の軸方向に沿って見ると、開口部121の一部は熱反射板20により覆われていることとなる。
引上げ軸15の、断熱材12の開口部121、及び熱反射板20の引上げ軸用開口部202を通る部分の直径は40mmとした。
そして、上述の構成を有する結晶育成装置10を用いて以下の手順によりサファイア単結晶の製造を行った。
モリブデン製の坩堝13内に単結晶用原料として酸化アルミニウム原料を150kg充填し、坩堝支持軸14上に載置した。
次いで、チャンバー11内を10Paまで図示しない真空排気手段により真空引きした。チャンバー11内が10Paになった後、側面ヒータ16に電力の供給を開始し、5時間かけて側面ヒータ16に供給する電力量が39kWになるまで徐々に電力供給量を増加させた。
側面ヒータ16に供給する電力量が39kWに到達後、3時間電力供給量を保持した。
次に、図示しない気体供給手段によりチャンバー11内へのアルゴンガスの導入を開始し、チャンバー11内の圧力を大気圧とした。なお、チャンバー11内へのアルゴンガスの供給開始後、単結晶の育成を終了して単結晶を取出すまでアルゴンガスの供給を継続して行っている。この際、同時に図示しない排気手段によりチャンバー11外へアルゴンガスを排気することでチャンバー11内を大気圧に保持している。
そしてチャンバー11内の圧力が大気圧となった後、5時間かけて側面ヒータ16に供給する電力量を徐々に上げ、酸化アルミニウム原料を融解させて原料融液17を形成した。この際、原料融液17は酸化アルミニウム原料の融点である2040℃以上に到達していることとなる。なお、酸化アルミニウム原料は、断熱材12の裏に設けた図示しない熱電対の温度変化から、酸化アルミニウム原料の融解に伴う吸熱が認められた時に、酸化アルミニウム原料が融解したと判断した。
酸化アルミニウム原料を融解して原料融液17が形成された後、引上げ軸15を下げ、種結晶を原料融液17に近づけて、図示しない観察窓から種結晶の表面状態を確認しながらシーディングを行った。
シーディングを実施した後は、約200時間かけて種結晶を徐々に引上げてサファイア単結晶の育成を行った。サファイア単結晶の育成中、途中でトラブルが発生することなく、約130kgのサファイア単結晶を得た。
以上のサファイア単結晶の製造を実施している間、チャンバー11の内面のうち、熱反射板20を配置した面、すなわち天井面の温度の測定を図示しない熱電対により行った。その結果、原料融液が形成されたと判断してから、単結晶の育成が終了するまでの間、173℃以上186℃以下の温度範囲に抑えられていることが確認できた。
なお、断熱材12に形成した開口部121における温度を図示しない熱電対により測定したところ、原料融液が形成されたと判断してから、単結晶の育成が終了するまでの間約1500℃であることが確認できた。
[比較例]
熱反射板20を設置していない以外は、実施例と同じ単結晶育成装置を用いて、同じ手順によりサファイア単結晶の育成を行った。
サファイア単結晶の製造を実施している間、実施例の場合と同様に、チャンバー11の内面のうち、実施例で熱反射板20を設置した面、すなわち天井面の温度の測定を図示しない熱電対により行った。その結果、原料融液が形成されたと判断してから、単結晶の育成が終了するまでの間、380℃以上505℃以下の温度範囲であることが確認できた。すなわち、実施例の場合と比べて非常に高温に加熱されていることが確認された。
以上の実施例、比較例の結果から、チャンバーと断熱材との間に熱反射板を設けることで、チャンバーが輻射熱により加熱されることを抑制し、結晶育成時にチャンバー表面が高温になることを抑制できていることが確認できた。
11 チャンバー
12 断熱材
121 開口部
20 熱反射板
201 反射面
202 引上げ軸用開口部
21 支持棒

Claims (4)

  1. チャンバーと、
    前記チャンバーの内部に、前記チャンバーの内面に沿って設置された断熱材と、
    前記断熱材に囲まれた断熱空間内に配置された、単結晶原料を充填する坩堝、及び前記坩堝の周囲に配置された加熱体と、
    前記チャンバーと、前記断熱材との間に配置された熱反射板とを有し、
    前記断熱材には開口部が形成され、
    前記熱反射板が前記開口部の一部を覆い、かつ前記熱反射板の反射面が、前記断熱材と対向するように配置されており、
    前記断熱材の前記開口部における、前記断熱材と前記熱反射板の前記反射面との間の距離が、
    前記断熱材の前記開口部以外の部分における、前記断熱材と前記熱反射板の前記反射面との間の距離よりも短くなっており、
    前記熱反射板は、前記チャンバーの内面に沿って配置され、
    前記熱反射板の前記反射面と、前記チャンバーの前記熱反射板を配置した内面とが形成する角度が3°以上40°以下である結晶育成装置。
  2. 前記坩堝側の先端に種結晶を固定することができ、前記坩堝内に形成された原料融液に前記種結晶を接触させた後、引き上げることで単結晶を育成できる引き上げ軸をさらに有しており、
    前記熱反射板は引上げ軸用開口部を有し、
    前記引上げ軸用開口部に前記引上げ軸が挿入されている請求項1に記載の結晶育成装置。
  3. 室温において、前記引上げ軸の外周面と、前記引上げ軸用開口部の前記引上げ軸と対向する面との間の距離が2.5mm以上10mm以下である請求項に記載の結晶育成装置。
  4. 前記熱反射板は、前記チャンバーに支持棒を介して接続されており、
    前記支持棒の前記熱反射板と接する面積が、前記熱反射板の前記チャンバーと対向する面の面積よりも小さい請求項1乃至のいずれか一項に記載の結晶育成装置。
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