JP2016199826A - 平織又はからみ織の薄葉化処理された織物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、寒冷紗等の空隙率の高い平織又はからみ織の織物において、織物の強度を大きく低下させることなく、厚みを薄くした織物や、織物を薄葉化処理する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】回転するカレンダーロールの間に通過させることにより加圧及び加熱するカレンダー加工によって薄葉化処理された平織又はからみ織の織物であって、該カレンダー加工の際に該織物と接触するカレンダーロールのうち少なくとも1つの表面温度は、該織物を構成する繊維のガラス転移点以上の温度であり、薄葉化処理前の織物の平均厚さ(T1)と薄葉化処理後の織物の平均厚さ(T2)が、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする平織又はからみ織の織物によって上記課題を解決した。
0.25≦(T1−T2)/T1 (1)
【選択図】図1

Description

本発明は、薄葉化処理された平織又はからみ織の織物に関し、更に詳しくは、特定の条件でカレンダー加工することにより、厚さを大幅に低減させた上に物性の優れた、寒冷紗等の目の粗い平織又はからみ織に関する。
また、本発明は、平織又はからみ織の織物の薄葉化処理方法に関する。
寒冷紗は、空隙率の高い(目が粗い)織物であって、保温、遮光、防霜、防虫、防風等を目的とする農業資材;製本の際に本の表紙や背を補強するための製本資材;花卉の包装材等の生活資材;床材の裏打ち補強、建築物の防水加工時の補強布、塗装用下地等の工業資材;肉を包んだり、スープをこしたりするための食品用資材;等の様々な用途に使用される。
通常、寒冷紗は、平織であり、糸の密度は、経糸・緯糸ともに5〜25本/インチである。
寒冷紗は織物であるため、使用される糸の太さで織物の厚さが決定されることになる。すなわち、厚い寒冷紗を製造する場合は太い糸を使用し、薄い寒冷紗を製造する場合は細い糸を使用することになる。
糸の種類の違いにもよるが、一般的に、厚い寒冷紗は剛性が高く、薄い寒冷紗は剛性が低い。
通常、紡績糸を使用した寒冷紗の場合は、最も太い糸はNe10/2s(綿番手10番の双糸)、最も細い糸はNe40/1s(綿番手40番の単糸)である。
寒冷紗は、上記のように、様々な分野において様々な用途に使用される。用途によっては、扱いやすさ等の点から、薄い(柔らかい)寒冷紗が求められる。
紡績糸を使用して、例えばNe40/1sを使用した寒冷紗より更に薄い寒冷紗を製造するためには、より細い糸であるNe60/1s(綿番手60番の単糸)やNe80/1s(綿番手80番の単糸)を使用することになる。
しかしながら、このような細い紡績糸は引張強度が低いため、このような糸から製織される寒冷紗も引張強度が低く、用途や使用の仕方によってはこの点で支障が発生することがあることから、糸を細くすることによって寒冷紗を薄い(柔らかい)ものとすることには限界があった。
繊維、樹脂、金属メッシュ等の板状物の厚さをコントロールする加工方法として、カレンダー加工という方法がある。カレンダー加工は、回転する筒状のカレンダーロールの間に板状物を通すことで圧力をかけ、厚さを一定にしたり、表面を平滑にしたり、光沢を付与するために行われる。
例えば、特許文献1や特許文献2においては、不織布の電気絶縁性を向上させたり、不織布を嵩高で感触が良好なものにしたりするための手段として、カレンダー加工が行われている。
また、特許文献3や特許文献4においては、経糸・緯糸の密度が、数百本/インチといった、空隙の小さい布帛を、カレンダー加工する方法が開示されている。このように布帛をカレンダー加工する目的は、光沢を与えたり、透水性を低下させたりするためである。
しかし、このようなカレンダー加工を、寒冷紗のような空隙率の高い(目が粗い)織物に適用した事例は今までなかった。
また、通常、寒冷紗は紡績糸やフィラメントを平織して製造されるが、目の粗い平織品である寒冷紗は、目ずれ(経糸と緯糸の交点が動くこと)が発生しやすい。このため、寒冷紗の製造工程においては、目ずれ防止のために、経糸と緯糸の交点を、樹脂等で目止め加工するのが普通である。
このようにして製造された寒冷紗は、そのままの形状で上記の農業資材等の用途に使用される。特に、農業資材として使用される寒冷紗は、風雨等に晒されることにより劣化し、目止め加工をしても目ずれが発生するケースがあった。
寒冷紗等のネット状物の目ずれを防止する方法として、特許文献5には、特定の三層フラットヤーンと鞘芯型複合モノフィラメントヤーンを平織物とする方法が開示されている。
しかしながら、このような特殊な織物は、薄さ(柔らかさ)や強度の点で十分ではなかった。
このように、柔らかさ(剛軟性・引張伸度)、引張強度、目ずれ性等の全てが優れた寒冷紗を製造する手法は確立されていなかった。
特開平5−071096号公報 特開2006−299480号公報 特開2009−155791号公報 特開2011−229713号公報 特開2003−089942号公報
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、寒冷紗等の空隙率の高い(目が粗い)平織又はからみ織の織物において、織物の強度を大きく低下させることなく、厚さを薄く(柔らかく)すること等のできる薄葉化処理方法を提供することにあり、またそれを用いた薄葉化処理された織物を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、目が粗い平織又はからみ織の織物を、特定の条件下でカレンダー加工することによって、織物の強度をほとんど低下させることなく、織物の厚さを大幅に低減させることができることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、経糸が3本/インチ以上160本/インチ以下かつ緯糸が3本/インチ以上160本/インチ以下に製織された平織又はからみ織の織物であって、
回転するカレンダーロールの間に通過させることにより加圧及び加熱するカレンダー加工によって薄葉化処理された平織又はからみ織の織物であって、
該カレンダー加工の際に該織物と接触するカレンダーロールのうち少なくとも1つの表面温度は、該織物を構成する繊維のガラス転移点以上の温度であり、薄葉化処理前の織物の平均厚さ(T1)と薄葉化処理後の織物の平均厚さ(T2)が、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする平織又はからみ織の織物を提供するものである。
0.25≦(T1−T2)/T1 (1)
また、本発明は、経糸が3本/インチ以上160本/インチ以下かつ緯糸が3本/インチ以上160本/インチ以下に製織された平織又はからみ織の織物を、回転するカレンダーロールの間に通過させることにより加圧及び加熱するカレンダー加工する薄葉化処理方法であって、
該織物と接触するカレンダーロールのうち少なくとも1つの表面温度は、該織物を構成する繊維のガラス転移点以上の温度であり、
薄葉化処理前の織物の平均厚さ(T1)と薄葉化処理後の織物の平均厚さ(T2)が、上記式(1)の関係を満たすことを特徴とする薄葉化処理方法を提供するものである。
本発明の平織又はからみ織の織物によれば、細い糸を使用せず、汎用の太さの紡績糸を使用して、厚さを低減させた寒冷紗等を提供することができる。
本発明の平織又はからみ織の織物は、経糸と緯糸の断面が厚さ方向に沿った扁平形状になっているため、経糸・緯糸の剛性が低く、カレンダー加工処理前の織物に比べて柔らかくなる。すなわち、剛軟性が低下する(曲げやすくなる)。
柔らかい織物は、折り癖が付き難く、取り扱い性に優れるため、寒冷紗としての性能が優れたものとなる。
通常、薄い織物を作製するためには、細い糸を使用する必要があり、細い糸は引張強度が低く強度に劣るという問題があるが、本発明によれば、ある程度の太さの糸を使用しつつ、厚さを低減することができるので、剛軟性・引張伸度といった「柔らかさ」と引張強度とを両立させることができる。
すなわち、最初から細い糸を使用して薄い寒冷紗等の織物を作製した場合に比べて、太い糸を使用した厚いものを、本発明の方法のように薄葉化処理した寒冷紗等の織物は、同じ厚さであっても、引張強度が大幅に優れている。
本発明では、繊維中の分子の流動性が高くなった状態で、高い圧力(線圧)をかけてカレンダー加工するため、織物を構成する繊維は容易に変形し押し潰され、経糸と緯糸の交点が食い込み合って強固に一体化される。いったん本発明によりカレンダー処理された織物は、自然に元の状態に戻ることはないため、本発明における薄葉化処理方法によって処理された本発明の織物は、長時間経過しても薄いままであり、また、風雨に晒されても、目ずれが発生しにくい。
また、本発明の方法では、経糸・緯糸が圧縮されることにより扁平になるため、開口部の面積が減少する(開口率が低下する)。このため、本発明の平織又はからみ織の織物を農業資材用の寒冷紗として使用する場合、小さな虫が開口部を通過しにくくなり、防虫効果が上がる。
図1に示すように、経糸・緯糸には毛羽があり、虫の侵入を防いでいるが、開口率が低下することにより、毛羽による虫の侵入防止効果が一層向上する。
更には、本発明の方法を用いないで同等の開口率にした織物と比較した場合、本発明の方法によって処理した織物は、原料となる経糸・緯糸の本数を少なくできるので、原料コストを節約することができる。
本発明の方法は、回転するカレンダーロールの間に織物を走行させて圧力をかけるので、処理を連続的に行う事ができ、生産性が非常に高い。
実施例1において本発明の薄葉化処理を行う前後の寒冷紗の写真である。 (1a)薄葉化処理をする前の平面写真 (1b)薄葉化処理をする前の経糸を経糸方向に切断した断面の写真 (1c)薄葉化処理をする前の緯糸を緯糸方向に切断した断面の写真 (2a)薄葉化処理をした後の平面写真 (2b)薄葉化処理をした前の経糸を経糸方向に切断した断面の写真 (2c)薄葉化処理をした前の緯糸を緯糸方向に切断した断面の写真
以下、本発明について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、任意に変形して実施することができる。
本発明は、平織又はからみ織の織物をカレンダー加工する薄葉化処理方法、及び、該薄葉化処理方法によって薄葉化処理されたものである平織又はからみ織の織物に関する発明である。
本発明の適用対象は、典型的には、寒冷紗等の空隙率の高い(目が粗い)平織又はからみ織の織物である。
図1に、本発明が適用可能な織物の一例として、実施例1で使用した平織の織物(寒冷紗)の写真を示す。図1からわかるように、不織布や布帛の場合とは異なり、寒冷紗等では、経糸1や緯糸2の占める面積に対する、開口部4の占める面積の割合が非常に大きくなっている。
寒冷紗等は、上記のような用途に使用されるべく、開口部4が大きく(目が粗く)作られている。
本発明によりカレンダー加工される織物は、経糸と緯糸を交互に織った平織の織物、又は、経糸を互いに絡ませながら横糸と織り込んだからみ織の織物である。
本発明は、典型的には、目の粗い平織又はからみ織の織物を対象としており、特許文献1や特許文献2に記載の不織布や、特許文献3や特許文献4に記載の目の細かい布帛は本発明の対象ではない。
寒冷紗等の目の粗い織物を、本発明の方法でカレンダー加工することにより、上記のように、目が粗い織物に特有の、前記した様々な効果が奏される。
経糸や緯糸として使用される糸は、短繊維から成る紡績糸(スパンヤーン)であってもよいし、長繊維から成るフィラメント糸(フィラメントヤーン)であってもよい。
経糸・緯糸の密度は、それぞれ、3本/インチ以上160本/インチ以下が好ましく、5本/インチ以上50本/インチ以下がより好ましく、7本/インチ以上が25本/インチ以下が更に好ましく、10本/インチ以上が20本/インチ以下が特に好ましい。
経糸の密度と緯糸の密度は、同じであっても異なっていてもよい。また、経糸の密度と緯糸の密度の両方が、上記範囲内であるのが好ましい。
なお、糸の密度の算出にあたり、「1本の糸」とは、中が均一に詰まった1本の糸(例えば、モノフィラメント糸)、短繊維から成る1本の紡績糸、長繊維から成る1本のマルチフィラメント糸、又は、天然繊維や合成繊維を引き揃えたり、撚りをかけたりすることで1本になっているものをいう。すなわち、容易に分離できなくした状態で1本になっているものは、糸の密度の算出にあたり、「1本の糸」という。
例えば、Ne10/2s(綿番手10番の双糸)は、単糸2本を引き揃えて、撚りをかけて双糸としたものであるが、容易に分離できない状態にあるので、「1本の糸」であり、「2本の糸」ではない。
本発明における薄葉化処理前の織物は、経糸と緯糸の交点が目止め加工されていない生機(きばた)でもよいし、経糸と緯糸の交点が樹脂で目止め加工されたものであってもよい。
カレンダー加工によって、経糸と緯糸の交点が食い込み合って強固に一体化されるので、加工後の接着力の強さという観点から、目止め加工は不要であるようにも思えるが、カレンダー加工の際に織物には強い力がかかることから、予め目止め加工されていた方が、加工後の織物の開口部の均一性という観点から好ましい。
経糸・緯糸の材質は特に限定はなく、寒冷紗等の材質として通常使用されるものが適宜選択される。
例えば、コットン(綿)、麻、ウール(毛)、絹等の天然繊維;ポリエステル、ビニロン、アクリル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン等の合成繊維;レーヨン等の再生繊維;ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維;スチール繊維等の金属繊維等が挙げられる。
このうち、コットン、ポリエステル、ビニロン、レーヨン、アクリル又はナイロンが特に好ましい。
本発明の薄葉化処理方法では、平織又はからみ織の織物を、回転するカレンダーロールの間に通過させて加熱及び加圧するカレンダー加工を施すことにより薄葉化する。
カレンダー加工を施すことによって、織物に圧力がかかり、空隙率の高い本発明の平織又はからみ織の織物は、扁平になり、厚さが大幅に低減される。
カレンダー加工に使用されるカレンダー機について、特に限定は無く、不織布・布帛等のカレンダー加工等に使用される公知のカレンダー機が使用できる。
カレンダー機のカレンダーロールに関しては、一対の(2本の)カレンダーロールのみを使用し織物をその間に通過させてもよいし、多連式のカレンダーロールを使用してもよいし、多段式のカレンダーロールを使用してもよい。
カレンダーロールの材質は、特に限定は無いが、織物と接触するカレンダーロールについては、織物の幅方向のプレス圧力を均一にしやすいようなものを選択するのがよい。
上記理由から、カレンダー加工の際には、織物を、金属製のカレンダーロールと樹脂製のカレンダーロール、金属製のカレンダーロールと紙製のカレンダーロール、金属製のカレンダーロールとゴム製のカレンダーロール、又は、金属製のカレンダーロールと金属製のカレンダーロールの間に通過させることが好ましい。このうち、金属製のカレンダーロールと樹脂製のカレンダーロールの間に通過させることが特に好ましい。
更に、入手や取扱いの容易性から、金属製のカレンダーロールは、鉄製のカレンダーロールであることが好ましい。
カレンダー加工することにより、本発明の織物の平均厚さは低減される。
ここで、「平均厚さ」とは、JIS L 1096 A法の厚さ測定器によって測定した値である。
薄葉化処理する前の織物の平均厚さ(T1)は、0.10mm以上2.0mm以下が好ましく、0.15mm以上2.0mm以下がより好ましく、0.2mm以上1.0mm以下が特に好ましい。
薄葉化処理した後の織物の平均厚さ(T2)は、0.05mm以上1.0mm以下が好ましく、0.07mm以上1.0mm以下がより好ましく、0.1mm以上0.5mm以下が特に好ましい。
カレンダー加工によって薄葉化処理する前の織物の平均厚さ(T1)と薄葉化処理した後の織物の平均厚さ(T2)は、下記式(1)の関係を満たすことが必須である。
0.25≦(T1−T2)/T1 (1)
また、下記式(1a)の関係を満たすことがより好ましい。
0.3≦(T1−T2)/T1≦0.7 (1a)
更に、下記式(1b)の関係を満たすことが特に好ましい。
0.35≦(T1−T2)/T1≦0.6 (1b)
100×(T1−T2)/T1は、カレンダー加工を施したことによる織物の厚みの減少割合を百分率で表した値であり、以下、この値を「厚さ低下率」(%)という場合がある。
すなわち、厚さ低下率は25%以上であることが必須であり、30%以上70%以下であることが好ましく、35%以上60%以下であることが特に好ましい。
上記のような厚さ低下率にするために、カレンダー加工を施す際には、織物が通過する際に織物と接触するカレンダーロールのうち少なくとも1つの表面温度は、織物を構成する繊維のガラス転移点(T)以上の温度とする。
例えば、織物を構成する繊維の材質がポリエステルの場合は、織物と接触するカレンダーロールのうち少なくとも1つの表面温度を、80℃以上にする必要がある。
このようにすることにより、カレンダーロールと接触する織物を構成する繊維に熱が伝わり、繊維中の分子の流動性が増すことから、カレンダー加工の際に高圧がかかることにより変形しやすくなり、加工後の織物は十分に扁平になる(すなわち、厚さが減少し、押しつぶされることにより開口部の面積が減少する)。
また、織物と接触するカレンダーロールのうち少なくとも1つの表面温度がガラス転移点(T)以上であることは必須であるが、更に、織物と接触する全てのカレンダーロールの表面温度がガラス転移点(T)以上であることが、織物の表裏の均一性の観点から好ましい。
カレンダーロールの表面温度をガラス転移点(T)以上にする方法としては、カレンダーロールを、誘導発熱、電気加熱、熱媒循環、蒸気加熱等の方法で加熱する方法が挙げられるが、条件によっては(例えば、織物を構成する繊維の材質のガラス転移点(T)が比較的低温の場合)、摩擦による発熱で十分であり加熱を要しない場合もある。
カレンダーロールの間に通過させる際に、織物にかかる線圧は、100kgf/cm(0.98kN/cm)以上2000kgf/cm(19.6kN/cm)以下であることが好ましく、150kgf/cm(1.47kN/cm)以上1500kgf/cm(14.7kN/cm)以下がより好ましく、200kgf/cm(1.96kN/cm)以上1000kgf/cm(9.81kN/cm)以下が特に好ましい。
線圧の下限が上記以上であると、加工後の織物が十分に扁平になり(厚み低下率を前記の範囲内にすることができ)、また、経糸と緯糸の交点が食い込み合って強固に一体化され目ずれが発生しにくくなる。
線圧の上限が上記以下であると、織物に破断等が発生しにくい。また、通常のカレンダー機で実現可能な線圧の上限は上記程度である。
本発明におけるカレンダー加工の際に適した線圧は、光沢を与える等の目的で行われる不織布や布帛のカレンダー加工の場合に比べて、1桁程度大きな値である。これは、カレンダー加工を行う目的の違いによるものである。
カレンダーロールの間に通過する織物の走行速度は、1m/min以上100m/min以下が好ましく、3m/min以上50m/min以下がより好ましく、5m/min以上30m/min以下が特に好ましい。
走行速度が上記範囲内であると、織物が均一かつ十分に加圧され、加工後の織物が十分に薄くなる(厚み低下率を前記の範囲内にすることができる)。
カレンダー加工によって薄葉化処理する前の織物の経糸と緯糸の交点1つ当たりの平均面積(S1)と薄葉化処理した後の織物の経糸と緯糸の交点1つ当たりの平均面積(S2)は、下記式(2)の関係を満たすことが好ましい。
0.25≦(S2−S1)/S1≦2.50 (2)
また、下記式(2a)の関係を満たすことがより好ましい。
0.35≦(S2−S1)/S1≦1.50 (2a)
更に、下記式(2b)の関係を満たすことが特に好ましい。
0.40≦(S2−S1)/S1≦1.00 (2b)
100×(S2−S1)/S1は、カレンダー加工を施したことによる経糸と緯糸の交点の面積の増加割合を百分率で表した値であり、以下、この値を「交点面積増加率」(%)という場合がある。
すなわち、交点面積増加率は25%以上250%以下であることが好ましく、35%以上150%以下であることがより好ましく、40%以上100%以下であることが特に好ましい。
交点面積増加率が上記範囲内であると、織物は十分扁平であるため、柔らかく、取り扱い性に優れたものとなる。また、経糸と緯糸の交点が十分に接着しているので、目ずれが発生しにくい。
カレンダー加工の際の条件(カレンダーロールの温度、織物にかかる線圧、織物の走行速度等)を前記の範囲内に設定することにより、交点面積増加率を上記範囲内にしやすくなる。
カレンダー加工によって薄葉化処理する前の織物の開口率(V1)と薄葉化処理した後の織物の開口率(V2)は、下記式(3)の関係を満たすことが好ましい。
0.05≦(V1−V2)/V1≦0.50 (3)
ここで、「開口率」とは、織物の占める全面積に対する、糸が存在しない部分(開口部)の占める面積の割合をいう。本発明の対象となる寒冷紗等の目が粗い織物は、不織布や布帛に比べて開口率の値が非常に大きい。
また、下記式(3a)の関係を満たすことがより好ましい。
0.10≦(V1−V2)/V1≦0.40 (3a)
更に、下記式(3b)の関係を満たすことが特に好ましい。
0.20≦(V1−V2)/V1≦0.30 (3b)
100×(V1−V2)/V1は、カレンダー加工を施したことによる開口率の減少割合を百分率で表した値であり、以下、この値を「開口率低下率」(%)という場合がある。
すなわち、開口率低下率は5%以上50%以下であることが好ましく、10%以上40%以下であることがより好ましく、20%以上30%以下であることが特に好ましい。
開口率低下率が上記範囲内であると、柔らかく取り扱い性に優れ、目ずれが発生しにくいのに加えて、虫が開口部を通過しにくく、防虫効果を十分に奏する。
カレンダー加工の際の条件(カレンダーロールの温度、織物にかかる線圧、織物の走行速度等)を前記の範囲内に設定することにより、開口率低下率を上記範囲内にしやすくなる。
薄葉化処理する前の織物の経方向の引張強度(後述の実施例に記載の方法で測定される値)は、200N/5cm以上1500N/5cm以下が好ましく、300N/5cm以上1000N/5cm以下がより好ましく、400N/5cm以上900N/5cm以下が特に好ましい。
薄葉化処理した後の織物の引張強度は、150N/5cm以上1000N/5cm以下が好ましく、200N/5cm以上800N/5cm以下がより好ましく、300N/5cm以上700N/5cm以下が特に好ましい。
引張強度保持率(後述の実施例で定義される値)は、60%以上99%以下が好ましく、70%以上99%以下がより好ましく、80%以上99%以下が特に好ましい。
薄葉化処理する前の織物の引張伸度(後述の実施例に記載の方法で測定される値)は、2%以上10%以下が好ましく、3%以上9%以下がより好ましく、5%以上8%以下が特に好ましい。
薄葉化処理した後の織物の引張伸度は、3%以上12%以下が好ましく、4%以上10%以下がより好ましく、6%以上9%以下が特に好ましい。
引張伸度保持率(後述の実施例で定義される値)は、70%以上200%以下が好ましく、80%以上180%以下がより好ましく、100%以上150%以下が特に好ましい。
薄葉化処理する前の織物のカンチレバー長さ(後述の実施例に記載の方法で測定される値)は、60mm以上200mm以下が好ましく、60mm以上180mm以下がより好ましく、60mm以上150mm以下が特に好ましい。
薄葉化処理した前の織物のカンチレバー長さは、40mm以上150mm以下が好ましく、40mm以上130mm以下がより好ましく、40mm以上100mm以下が特に好ましい。
本発明の方法により薄葉化処理するのではなく、最初から細い糸を使用して寒冷紗等の織物を作製した場合、引張伸度やカンチレバー長さは上記範囲にすることができる場合が多いが(織物は柔らかいが)、引張強度は大幅に劣り、織物に破断等が発生しやすい。
一方、ある程度太い糸を使用して織物を作製した場合、引張強度は上記範囲にすることができる場合が多いが、引張伸度やカンチレバー長さが上記範囲から外れた硬い織物となる。
本発明の方法により、ある程度太い糸を使用して作成した織物をカレンダー加工することにより、引張強度を大幅に落とすことなく、引張伸度やカンチレバー長さを上記範囲にすることができ、剛軟性・引張伸度といった「柔らかさ」と強度とを両立させることができる。
本発明の薄葉化処理方法を施した場合に、処理後の織物が薄さ(柔らかさ)と強度に共に優れ、目ずれが起こりにくくなる等の効果を奏する作用・原理については、以下のことが考えられる。ただし本発明は、以下の作用・原理の範囲に限定されるわけではない。
本発明の薄葉化処理方法は、高い圧力(線圧)で、目の粗い平織又はからみ織の織物をカレンダー加工する際に、摩擦による発熱や、カレンダーロールを別途加熱することによって、カレンダーロールの表面温度を、織物を構成する繊維のガラス転移点(T)以上の温度にしている。カレンダーロールの間を通過する際に織物に伝わった熱により、織物を構成する繊維がガラス転移点(T)温度に達することで繊維中の分子の流動性が増した状態において、高い圧力(線圧)が織物にかかることで、糸が扁平な形状になり、柔らかくなる(剛軟性が低下する)。
通常、織物を押し潰すと引張強度が低下するが、本発明では、カレンダー加工の際に、流動性が増した状態の経糸と緯糸が食い込み合い強固に一体化されるため、引張強度の低下を最小限に留めることができる。このため、本発明の方法でカレンダー加工した織物は、剛軟性・引張伸度といった「柔らかさ」と引張強度とが両立された、寒冷紗等として適した織物となる。また、経糸と緯糸が強固に一体化されていることにより、本発明の方法で加工した織物は、目ずれが発生しにくくなる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例及び比較例に限定されるものではない。
(実施例1)
Ne10/2s(綿番手10番の双糸)のポリエステル紡績糸を、経糸8本/インチ、緯糸8本/インチの間隔で平織し、経糸と緯糸の交点をEVA−アクリル系樹脂(昭和電工製、品名PSA SE−8001)で目止め加工し、寒冷紗を作製した。
作製した寒冷紗をカレンダー機(由利ロール株式会社製、TYPE:H.P.C.M)でカレンダー加工し、薄葉化処理した。
カレンダーロールは、一対の(2本の)カレンダーロールで、一方のカレンダーロールはロール径350mmの鉄製、もう一方のカレンダーロールはロール径500mmの樹脂製のものを使用した。
処理中の鉄製カレンダーロールは150℃に加熱し、寒冷紗にかかる線圧は780kgf/cmとし、寒冷紗の走行速度は10m/minとした。
薄葉化処理(カレンダー加工)を行う前後の寒冷紗の写真を図1に示す。(1a)〜(1c)は薄葉化処理前、(2a)〜(2c)は薄葉化処理後の写真である。カレンダー加工を施すことにより、経糸1と緯糸2が押しつぶされて広がり、開口部4の面積が減少していることがわかった。また、カレンダー加工を施した後は、経糸と緯糸の交点3において、経糸1と緯糸2が食い込み合って強固に一体化していることがわかった。
(実施例2)
Ne10/2s(綿番手10番の双糸)のポリエステル紡績糸を、Ne14/1s(綿番手14番の単糸)のポリエステル紡績糸に変更した点、経糸と緯糸の間隔を、経糸14本/インチ、緯糸14本/インチの間隔に変更した点、酢酸ビニル系共重合体によって目止め加工した点以外は、実施例1と同様にして、寒冷紗を作製し、カレンダー加工した。
(実施例3)
Ne10/2s(綿番手10番の双糸)のポリエステル紡績糸を、Ne30/1s(綿番手30番の単糸)のポリエステル紡績糸に変更した点、経糸と緯糸の間隔を、経糸22本/インチ、緯糸21本/インチの間隔に変更した点以外は、実施例1と同様にして、寒冷紗を作製し、カレンダー加工した。
(実施例4)
Ne10/2s(綿番手10番の双糸)のポリエステル紡績糸を、Ne20/1s(綿番手20番の単糸)のビニロン紡績糸に変更した点、経糸と緯糸の間隔を、経糸11本/インチ、緯糸8本/インチの間隔に変更した点以外は、実施例1と同様にして、寒冷紗を作製し、カレンダー加工した。
(実施例5)
実施例3において、経糸と緯糸の交点を樹脂で目止め加工しなかった点以外は、実施例3と同様にして寒冷紗を作製し、カレンダー加工した。
(実施例6)
実施例1において、カレンダー加工に使用するカレンダーロールを2本ともロール径400mmの鉄製のものを使用した点以外は、実施例1と同様にして寒冷紗を作製し、カレンダー加工した。
(実施例7)
実施例1において、カレンダー加工に使用するカレンダーロールの一方をロール径400mmの鉄製、もう一方をロール径400mmの紙製のものにした点以外は、実施例1と同様にして寒冷紗を作製し、カレンダー加工した。
(比較例1)
Ne14/1s(綿番手14番の単糸)のポリエステル紡績糸を、Ne40/1s(綿番手40番の単糸)のポリエステル紡績糸に変更した点以外は、実施例2と同様にして、寒冷紗を作製した。作製した寒冷紗をカレンダー加工しなかった。
(比較例2)
Ne30/1s(綿番手30番の単糸)のポリエステル紡績糸を、Ne60/1s(綿番手60番の単糸)のポリエステル紡績糸に変更した点以外は、実施例3と同様にして、寒冷紗を作製した。作製した寒冷紗をカレンダー加工しなかった。
[評価方法]
実施例1〜7の薄葉化処理(カレンダー加工)を行う前後の寒冷紗、及び、比較例1〜2の寒冷紗について、以下の項目を評価した。
(1)平均厚さ
JIS L 1096 A法の厚さ測定器(ピーコック製、モデルG)によって、織物の位置を無作為に10点測定し、その平均値を平均厚さとした。
(2)平均交点面積
経糸と緯糸の交点を無作為に10点抽出し、ノギスによって、交点における経糸と緯糸の幅を測定した。交点を長方形形状であると近似し、経糸の幅と緯糸の幅の積を算出し、その平均値を平均交点面積とした。
(3)開口率
開口部を無作為に10点抽出し、ノギスによって縦と横の長さをそれぞれ測定した。
開口部を長方形形状であると近似し、開口部の縦の長さと横の長さの積を開口面積とした。開口面積を、開口面積と糸部分の面積を足した合計面積で除した値を開口率とした。
(4)引張強度
JIS L1096(一般織物試験方法)に準拠し、経糸の繊維軸方向の引張強度を測定した。
カレンダー加工を施した後の引張強度を、カレンダー加工を施す前の引張強度で割った値に100を乗じた値を「引張強度保持率」(%)とした。
(5)引張伸度
JIS L1096(一般織物試験方法)に準拠し、経糸の繊維軸方向の引張伸度を測定した。
カレンダー加工を施した後の引張伸度を、カレンダー加工を施す前の引張伸度で割った値に100を乗じた値を「引張伸度保持率」(%)とした。
(6)カンチレバー長さ(剛性)
45度傾斜カンチレバー JIS L1095 B法で、経糸の繊維軸方向のカンチレバー長さを測定した。
カンチレバー長さが短いほど、織物は柔らかい。
(7)目ずれ性
縦30cm、横100cmの大きさに切った寒冷紗を、指で経糸と緯糸それぞれの繊維軸と直角方向に引っ張り、糸のずれを目視で確認し、以下の基準で判定した。
○:糸のずれが全く確認できない。
△:1〜3本の経糸・緯糸のずれが確認できる。
×:4本以上の経糸・緯糸のずれが確認できる。
[評価結果]
表1に、評価結果を示す。
実施例1〜7では、カレンダー加工を施すことにより、寒冷紗の平均厚さは、大幅に(40%程度)低下し、開口率も大幅に低下した。すなわち、カレンダー加工を施すことにより、寒冷紗が押し潰されて扁平になったことが確認できた。
また、カレンダー加工によりカンチレバー長さは大幅に減少しており、寒冷紗が薄くなったことにより剛性が低下した(柔らかくなった)ことがわかった。また、実施例2や実施例4では、引張伸度が大幅に上昇した。
更に、カレンダー加工を施した後の寒冷紗は、目ずれがほとんどなかった。
引張強度は、カレンダー加工を施すことにより、10〜20%程度の低下が見られたが、平均厚さや剛性が同程度の場合、カレンダー加工を施した寒冷紗は、カレンダー加工を施していないものに比べて、引張強度が大きかった。
例えば、実施例2の寒冷紗(カレンダー加工後)と比較例1の寒冷紗(カレンダー加工せず)は、平均厚さや剛性(カンチレバー長さ)は同程度だが、引張強度は、約2.6倍もの差があった。
また、実施例3の寒冷紗(カレンダー加工後)と比較例2の寒冷紗(カレンダー加工せず)を比較した場合も、平均厚さ、剛性(カンチレバー長さ)、引張強度は同程度だが、引張強度は、約1.7倍の差があった。
すなわち、本発明のカレンダー加工を施すことにより、Ne40/1sのような強度の弱い細い糸を使用しなくても、ある程度の太さの糸を使用し、強度を大幅に低下させることなく、寒冷紗の厚さを低減することができた(柔らかい寒冷紗とすることができた)。
また、実施例1〜7でカレンダー加工を施した寒冷紗のそれぞれについて、24日経過後に、平均厚さを再測定したところ、カレンダー加工直後の平均厚さを維持しており、平均厚さの増加は認められず、本発明の薄葉化処理(カレンダー加工)によって処理した織物は、長期間経過しても薄いままであることがわかった。
カレンダー加工する前の寒冷紗が目止め加工されていない場合(実施例5)や、鉄製のカレンダーロールを2本使用してカレンダー加工をした場合(実施例6)、鉄製のカレンダーロールと紙製のカレンダーロールを使用した場合(実施例7)も、実施例1〜4の場合と同様に、カレンダー加工を施すことにより、寒冷紗の平均厚さは、大幅に低下し、開口率も大幅に低下した。また、カンチレバー長さも大幅に低下し、目ずれがほとんど起こらなかった。
本発明の薄葉化処理した織物(寒冷紗)は、柔らかさと強度に優れ、目ずれが起こりにくいため、耐久性が要求される農業用資材としての利用が特に見込める他、包装材等の生活資材、補強用の工業資材として広く利用されるものである。
1 経糸
2 緯糸
3 経糸と緯糸の交点
4 開口部

Claims (9)

  1. 経糸が3本/インチ以上160本/インチ以下かつ緯糸が3本/インチ以上160本/インチ以下に製織された平織又はからみ織の織物であって、
    回転するカレンダーロールの間に通過させることにより加圧及び加熱するカレンダー加工によって薄葉化処理された平織又はからみ織の織物であって、
    該カレンダー加工の際に該織物と接触するカレンダーロールのうち少なくとも1つの表面温度は、該織物を構成する繊維のガラス転移点以上の温度であり、薄葉化処理前の織物の平均厚さ(T1)と薄葉化処理後の織物の平均厚さ(T2)が、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする平織又はからみ織の織物。
    0.25≦(T1−T2)/T1 (1)
  2. 上記カレンダー加工の際に、金属製のカレンダーロールと樹脂製のカレンダーロール、金属製のカレンダーロールと紙製のカレンダーロール、金属製のカレンダーロールとゴム製のカレンダーロール、又は、金属製のカレンダーロールと金属製のカレンダーロールの間に通過させた請求項1に記載の平織又はからみ織の織物。
  3. 上記カレンダー加工の際に使用した金属製のカレンダーロールは、鉄製のカレンダーロールである請求項2に記載の平織又はからみ織の織物。
  4. 経糸及び緯糸の材質は、コットン、ポリエステル、ビニロン、レーヨン、アクリル又はナイロンである請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の平織又はからみ織の織物。
  5. 上記カレンダー加工の際に、100kgf/cm以上2000kgf/cm以下の線圧をかけられたものである請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載の平織又はからみ織の織物。
  6. 薄葉化処理前の経糸と緯糸の交点1つ当たりの平均面積(S1)と薄葉化処理後の経糸と緯糸の交点1つ当たりの平均面積(S2)が、下記式(2)の関係を満たす請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の平織又はからみ織の織物。
    0.25≦(S2−S1)/S1≦2.50 (2)
  7. 薄葉化処理前の開口率(V1)と薄葉化処理後の開口率(V2)が、下記式(3)の関係を満たす請求項1ないし請求項6の何れかの請求項に記載の平織又はからみ織の織物。
    0.05≦(V1−V2)/V1≦0.50 (3)
  8. 生機、又は、経糸と緯糸の交点が樹脂で目止め加工された織物をカレンダー加工したものである請求項1ないし請求項7の何れかの請求項に記載の平織又はからみ織の織物。
  9. 経糸が3本/インチ以上160本/インチ以下かつ緯糸が3本/インチ以上160本/インチ以下に製織された平織又はからみ織の織物を、回転するカレンダーロールの間に通過させることにより加圧及び加熱するカレンダー加工する薄葉化処理方法であって、
    該織物と接触するカレンダーロールのうち少なくとも1つの表面温度は、該織物を構成する繊維のガラス転移点以上の温度であり、
    薄葉化処理前の織物の平均厚さ(T1)と薄葉化処理後の織物の平均厚さ(T2)が、上記式(1)の関係を満たすことを特徴とする薄葉化処理方法。
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