JP6975171B2 - スクリーン版およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スクリーン版に関して、特に印刷精度を向上することができるスクリーン版に関する。
スクリーン印刷は、高価な設備を必要とせず、大型化が可能であり、1回の印刷により1μm程度から数十μmの膜厚の印刷塗膜を形成することができる印刷技術として、広く産業界で利用されている。その用途としては、看板や工業部品等の文字印刷、プリント基板を始めとした電子部品や太陽電池の電極形成、プラズマディスプレイの誘電体印刷、厚膜印刷、厚膜パターン形成、穴埋め印刷などの様々な分野で用いられている。
スクリーン印刷で用いられるスクリーン版には、合成繊維の糸を製織したもの、金属繊維の糸を製織したもの、金属プレートにエッチングにより多孔を形成したものなどがあり、これらのうち合成繊維のスクリーンが安価であり取り扱いも容易なため、最も広く使用されている。合成繊維の材料としては、ポリエステルやナイロンといった汎用繊維のモノフィラメントで、糸径は27μmから60μm程度が一般的である。金属繊維のスクリーンとしては、16μmから30μm径のステンレス糸で製織したものが広く用いられている。
スクリーン印刷は、上述したように、1μm程度から数十μmの厚膜の印刷塗膜を形成する手段として広く使用されているが、大型の真空設備等を必要としない等、簡便でありコストの上昇を抑制できるという利点がある。このため、スクリーン印刷は、厚膜の形成手段としてだけではなく、1μm以下の薄膜の形成手段として用いる試みも行われている。得られる薄膜の印刷塗膜は、例えば、有機EL素子の発光層に用いることができる。
従来の検討では、スクリーン印刷により薄膜の印刷塗膜を得る手法として、汎用的な合成繊維であるナイロンやポリエステルのモノフィラメントを用いて製織したスクリーン版を用いて、インク中に含まれる固形分の濃度を希薄にすることによって薄膜の印刷塗膜を得るという手法(特許文献1)や、加圧等により、スクリーンを構成する糸を扁平化し、スクリーンの厚さを薄くして薄膜の印刷塗膜を得る手法(特許文献2)が用いられている。
特開2001−155858号公報 特開2008−74073号公報
しかしながら、特許文献1のように、インク中に含まれる固形分の濃度を希薄にする事によって薄膜の印刷塗膜を得る方法では、インク中の固形分濃度のわずかな変化によって膜厚が大きく変動する。また、固形分濃度が希薄であることによりインクの粘度が低く、印刷塗膜の端部が滲んだり、印刷塗膜の端部(つまり、被印刷物との境界部分)が不規則に突出するぎざりと呼ばれる現象が生じ易くなり、微細な印刷パターンの形成が難しくなるという問題がある。
また、特許文献2に開示される手法のように、加圧によりスクリーンの糸を扁平化してスクリーン紗の厚さを薄くすると、スクリーン紗を構成する糸の幅(スクリーンの厚さ方向と直交する平面内でのサイズ)が、加圧前の糸の幅よりも大きくなり、スクリーン紗における開口部の面積の割合が小さくなる。開口部は、印刷塗膜の原料となるインクが充填される部分であり、開口部に充填されたインクが、被印刷物に転移されることで、印刷塗膜が得られる。このため、開口部の面積の割合が小さくなると、被印刷物に転移されるインクの量が減少し、インクが被印刷物上で均一に広がりにくくなる。従って、特許文献2に開示される手法は、均一な膜厚の印刷塗膜が得られなくなるという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、印刷精度を向上させることができるスクリーン版およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 版枠と、
合成繊維の経糸と緯糸を用いてなるスクリーン紗と、を有し、
前記スクリーン紗は、所定の張力が加えられた状態で前記版枠に張られており、
前記版枠に張られている前記スクリーン紗の厚さは、張力が加えられていない前記スクリーン紗の厚さの88%以下であることを特徴とするスクリーン版。
[2] 前記版枠に張られているスクリーン紗の厚さは、張力が加えられていない前記スクリーン紗の厚さの70%以上であることを特徴とする[1]に記載のスクリーン版。
[3] 前記合成繊維が液晶ポリマーを含むことを特徴とする[1]または[2]に記載のスクリーン版。
[4] 前記経糸と前記緯糸がモノフィラメントであることを特徴とする[1]から[3]のいずれか一つに記載のスクリーン版。
[5] 合成繊維の経糸と緯糸を用いてなるスクリーン紗に所定の張力を加えて前記スクリーン紗を版枠に張り、
前記版枠に張られた前記スクリーン紗の厚さを、張力が加えられていない前記スクリーン紗の厚さの88%以下にすることを含むスクリーン版の製造方法。
[6]前記所定の張力が21N/cm〜36N/cmであることを特徴とする[5]に記載のスクリーン版の製造方法。
本発明によれば、印刷精度を向上させることができるスクリーン版を提供することができる。
スクリーン版を示す概略図である。 スクリーン紗の部分断面図である。 スクリーン印刷を行う際の各処理の手順を説明するフローチャートである。 スクリーン印刷を行う際の処理(スクリーン版の用意)におけるスクリーン版の断面図である。 スクリーン印刷を行う際の処理(遮蔽膜形成処理)におけるスクリーン版の断面図である。 スクリーン印刷を行う際の処理(マスク貼り付け処理)におけるスクリーン版の断面図である。 スクリーン印刷を行う際の処理(紫外線照射処理)におけるスクリーン版の断面図である。 スクリーン印刷を行う際の処理(開口形成処理)におけるスクリーン版の断面図である。 スクリーン印刷を行う際の処理(インク充填処理)におけるスクリーン版の断面図である。 スクリーン印刷を行う際の処理(転移処理)におけるスクリーン版の断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、図1、図2及び図4〜図8において、Z軸およびY軸は互いに直交する軸であり、Z軸およびY軸のそれぞれと直交する軸をX軸とする。本実施形態において、Z軸方向をスクリーン版1やスクリーン紗3の厚さ方向とする。
本実施形態のスクリーン版1は、スクリーン印刷に用いられる印刷版であり、図1に示すように、版枠2と、版枠2に張られたスクリーン紗3とを有する。
版枠2は、矩形状のフレームであり、スクリーン紗3を保持する部材である。版枠2の材料としては、特に限定されないが、例えば、金属、鋳物、樹脂、木材を用いることができる。
スクリーン紗3は、インクが充填され、充填されたインクを被印刷物に転移する織物である。スクリーン紗3は、図1に示すように、周縁部が版枠2に固定されており、版枠2に引っ張られた状態で版枠2に保持されている。つまり、スクリーン紗3は、X軸方向及びY軸方向に所定の張力が加えられた状態で版枠2に張られている。なお、インクとしては、着色や発色を目的とした塗料に限られず、電極や誘電体などの電子部品の形成を目的とした電子部品の原料を用いることができ、例えば、液状やペースト状とすることができる。
スクリーン紗3は、図1の部分拡大図に示すように、複数の経糸3aと複数の緯糸3bを有する。これらの経糸3aと緯糸3bは、Z軸方向において交互に浮き沈みして織られており、平織の織組成を構成している。本実施形態のスクリーン版1において、スクリーン紗3の織組織は、特に限定されず、綾織、朱子織とすることもできる。しかしながら、スクリーン紗3のZ軸方向における厚さを薄くかつ目拠れを起こしにくくする観点から、スクリーン紗3の織組織は、平織であることが好ましい。
複数の経糸3aは、X―Y平面において、所定の間隔w1をあけて平行に並べられている。複数の緯糸3bは、X―Y平面において、経糸3aに対して垂直に並べられるとともに、所定の間隔w2をあけて平行に並べられている。経糸3aと緯糸3bに囲まれる空間には、開口部3cが形成されており、後述するインクが充填される。本実施形態のスクリーン版1において、間隔w1と間隔w2は、同一である。しかしながら、間隔w1と間隔w2は、異なっていてもよい。
図2は、図1に示すスクリーン紗3のA−A断面図である。図2に示すように、経糸3aの断面は、X軸方向における長径d11とZ軸方向における短径d12とを有する楕円形状をしている。同様に、緯糸3bの断面は、Y軸方向における長径d21(図1参照)とZ軸方向における短径d22とを有する楕円形状をしている。本実施形態のスクリーン版1において、経糸3aの長径d11(以下、「幅d11」ともいう)は、緯糸3bの長径d21(以下、「幅d21」ともいう)と同一であり、経糸3aの短径d12(以下、「厚さd12」ともいう)は、緯糸3bの短径d22(以下、「厚さd22」ともいう)と同一である。スクリーン紗3を製織し易く、スクリーン紗3における経糸3aと緯糸3bの強度(例えば、引張り強度)のばらつきを抑制できる観点から、製織前の経糸3aと緯糸3bは、断面形状が同一の直径の円形であることが好ましい。なお、経糸3aと緯糸3bの幅(d11,d21)は、互いに異なっていてもよく、経糸3aと緯糸3bの厚さ
(d12,d22)は、互いに異なっていても良い。
スクリーン紗3は、経糸3aと緯糸3bがZ軸方向において重なる交差部と、経糸3aと緯糸3bがZ軸方向において重ならない非交差部とを有する。スクリーン紗3の厚みtは、経糸3aと緯糸3bが重なる交差部における厚みであり、経糸3aの厚さd12と緯糸3bの厚さd22の合計である。1μm以下の薄膜の印刷塗膜を形成するためには、スクリーン紗3の厚みtを薄くすることが効果的であり、スクリーン紗3の厚みtを薄くするためには、小さい厚さの経糸3a及び緯糸3bを用いることが効果的である。
経糸3a及び緯糸3bは、合成繊維から構成されており、長手方向に張力が加えられることで伸長し、厚さ(d12,d22)が縮小する。版枠2に張られているスクリーン紗3において、経糸3aと緯糸3bには長手方向に張力が加えられているため、経糸3aと緯糸3bは、伸長した状態にある。そして、経糸3aと緯糸3bの厚さの合計(d12+d22)が、長手方向に張力が加えられていない経糸3aと緯糸3bの厚さの合計の88%以下に縮小している。つまり、版枠2に張られているスクリーン紗3の厚さtは、張力が加えられていないスクリーン紗3の厚さの88%以下に縮小している。好ましくは、スクリーン紗3の厚さtは、張力が加えられていないスクリーン紗3の厚さの70%以上88%以下であり、より好ましくは、スクリーン紗3の厚さtは、張力が加えられていないスクリーン紗3の厚さの75%以上86%以下である。なお、経糸3aの長手方向は、Y軸方向であり、緯糸3bの長手方向は、X軸方向である。経糸3aや緯糸3bの伸張は、塑性変形であっても弾性変形であってもよいが、弾性変形であることが好ましい。経糸3aや緯糸3bの伸張が弾性変形である場合には、繰り返しスクリーン印刷をして経糸3aや緯糸3bを変形(伸長)させたとしても、経糸3aや緯糸3bがスクリーン印刷をする前の状態に戻りやすい。このため、繰り返しスクリーン印刷をしたとしても、印刷精度が向上した状態が維持されやすい。一方、経糸3aや緯糸3bの伸張が塑性変形である場合、繰り返しスクリーン印刷をして経糸3aや緯糸3bを変形(伸長)させると、変形(伸長)した状態で維持されやすくなる。このため、繰り返しスクリーン印刷をした場合には、印刷精度が向上した状態を維持しにくい。なお、弾性変形とは、経糸3aや緯糸3bに外力を加えて伸長させ、その後、その外力をとり除くと元の長さに戻る変形をいい、塑性変形とは、経糸3aや緯糸3bに外力を加えて伸長させ、その後、外力を取り去ってもその伸長が残る変形をいう。
ここで、合成繊維から構成される経糸3a及び緯糸3bは、製織前の断面形状が正円であったとしても、所定の織組成に製織されることで、Z軸に直交する方向(X軸及びY軸方向)に扁平しやすい。所定の織組成に製織されて扁平した経糸3a及び緯糸3b(スクリーン紗3)を版枠2に張ると、扁平した経糸3a及び緯糸3bが長手方向に伸長するとともに、Z軸に直交する方向にさらに扁平する。このため、経糸3aと緯糸3bの厚さの合計が88%以下の厚さに縮小し、版枠2に張られているスクリーン紗3の厚さtが、張力が加えられていないスクリーン紗3の厚さの88%以下となる。このように、本実施形態のスクリーン版1は、版枠2に張られるスクリーン紗3の厚さtが、張力が加えられていないスクリーン紗3の厚さの88%以下に縮小しているため、スクリーン紗3の厚さtが薄くなりやすく、薄い膜厚の印刷塗膜(例えば、1μm以下の薄膜の印刷塗膜)を形成しやすい。版枠2に張られるスクリーン紗3の厚さtが、張力が加えられていないスクリーン紗3の厚さの88%より大きい場合、スクリーン紗3に加えられる張力が小さくなる。具体的には、液晶ポリマーを含む糸など、伸張しやすい糸を用いる場合、スクリーン紗3の厚さtを、張力が加えられていないスクリーン紗3の厚さの88%より大きくすると、スクリーン紗3に加えられる張力が小さくなる。このため、印刷の版離れに必要なクリアランス(スクリーン紗3と被印刷物との距離)の設定量が大きく必要になってしまう。クリアランスの設定量が大きくなると、スクリーン印刷をした際に、スクリーン紗3の変形が大きくなるため、印刷パターンを所望の形状に形成しにくくなる。また、クリアランスの設定量が大きくなると、被印刷物における所定の位置に印刷パターンを形成しにくくなったり、繰り返し印刷した際の印刷位置のズレが生じやすくなったりすることもある。印刷の版離れに必要なクリアランスの設定量を小さくする観点から、版枠2に張られているスクリーン紗3のヤング率は、2000N/mm以上であることが好ましい。版枠2に張られるスクリーン紗3の厚さtが、張力が加えられていないスクリーン紗3の厚さの88%以下であることに加え、版枠2に張られているスクリーン紗3のヤング率が2000N/mm以上であることにより、版離れに必要なクリアランスの設定量を小さくすることができ、印刷精度をより向上することができる。また、版枠2に張られているスクリーン紗3のヤング率が高い場合、ヤング率の高い糸を用いる必要があるが、そのような糸の場合、製版時や紗張り時に、スクリーン紗3全体の張力バランスの僅かな不均一によるメッシュ破損が生じるなど取り扱い性が悪くなる。このため、30000N/mm以下とすることが好ましい。なお、版枠2に張られているスクリーン紗3のヤング率とは、版枠2に張られているスクリーン紗3の縦方向(Y方向)及び横方向(X方向)のヤング率の平均値を意味し、版枠2に張られることで加わる張力をスクリーン紗3に加えた状態で、スクリーン紗3を縦方向(Y方向)と横方向(X方向)にそれぞれ引っ張り、取得した荷重―伸び曲線の立ち上り部の接線から算出されるそれぞれのヤング率を加算平均することで得ることができる。
また、版枠2に張られるスクリーン紗3の厚さtは、張力が加えられていないスクリーン紗3の厚さの70%以上であることが好ましい。版枠2に張られるスクリーン紗3の厚さtが、張力が加えられていないスクリーン紗3の厚さの70%未満の場合、版枠2に張る前に張力が大きいため、張力を加えた時点で糸が切れたり、版枠2に張られるスクリーン紗3において、経糸3aや緯糸3bが細くなり切断しやすくなったりするため、印刷耐久性に劣ることがある。
また、従来技術のように、加圧により経糸3aや緯糸3bを扁平したスクリーン紗3を版枠2に張る方法では、扁平する際に、経糸3aや緯糸3bが長手方向にほとんど伸長しないため、経糸3aや緯糸3bが幅方向に広がりやすい。一方、本実施形態のスクリーン版1では、上述したように、経糸3aと緯糸3bが扁平する際に、経糸3aと緯糸3bが長手方向に伸長する。長手方向に伸長した経糸3aと緯糸3bの断面積は、伸長していない経糸3aと緯糸3bの断面積よりも小さくなるため、糸3aと緯糸3bが扁平したとしても、経糸3aと緯糸3bの幅方向への広がりが抑制される。つまり、経糸3aと緯糸3bを扁平するときに、経糸3aと緯糸3bが長手方向に伸長することにより、経糸3aと緯糸3bの幅方向への広がりを抑制することができる。従って、本実施形態のスクリーン版1は、加圧等によりスクリーン紗3の厚さを、本実施形態に係るスクリーン紗3の厚さtと同一に調整した従来のスクリーン版1と比較して、経糸3a及び緯糸3bの幅(d11,d21)が広がりにくく、開口部3cが維持されやすい(後述する開口率が減少しにくい)。開口部3cが維持されると、より多くのインクを開口部3cに充填しやすくなり、被印刷物により多くのインクを転移しやすくなる。つまり、本実施形態のスクリーン版1によれば、インクが被印刷物上で均一に広がりやすくなるため、均一な膜厚の印刷塗膜を形成しやすくなり、印刷精度を向上することができる。なお、経糸3aの幅方向は、X軸方向であり、緯糸3bの幅方向は、Y軸方向である。
本実施形態では、製織により経糸3aと緯糸3bが扁平する例について説明しているが、経糸3aと緯糸3bは、製織により扁平しなくてもよい(つまり、経糸3aと緯糸3bの断面形状を正円としてもよい)。製織した経糸3aと緯糸3bの断面形状が正円である場合、スクリーン紗3を所定の張力で版枠2に張ることで、経糸3aと緯糸3bの断面形状が正円のまま、経糸3aと緯糸3bが長手方向に伸長して経糸3aと緯糸3bの直径が縮小する。そして、経糸3aと緯糸3bの厚さ(直径)の合計が88%以下の厚さに縮小し、版枠2に張られているスクリーン紗3の厚さtが、張力が加えられていないスクリーン紗3の厚さの88%以下となる。つまり、製織した経糸3aと緯糸3bの断面形状が正円となる場合であっても、本実施形態のスクリーン版1は、スクリーン紗3の厚さtが薄くなりやすく、薄い膜厚の印刷塗膜(例えば、1μm以下の薄膜の印刷塗膜)を形成しやすい。また、スクリーン紗3を所定の張力で版枠2に張ることで、経糸3aと緯糸3bの直径が減少する場合には、経糸3aや緯糸3bの幅(d11,d21)も減少するため、加圧等によりスクリーン紗3の厚さを、本実施形態に係るスクリーン紗3の厚さtと同一に調整した従来のスクリーン版1と比較して、開口率を増加することができる。従って、製織した経糸3aと緯糸3bの断面形状が正円となる場合であっても、本実施形態のスクリーン版1は、より多くのインクを開口部3cに充填することができ、印刷精度を向上させることができる。
経糸3aと緯糸3bを構成する合成繊維は、同一の合成繊維であってもよく、異なる合成繊維であってもよい。スクリーン紗3を製織し易く、スクリーン紗3における経糸3aと緯糸3bの強度のばらつきを抑制できる観点から、経糸3aと緯糸3bを構成する合成繊維は、同一の合成繊維であることが好ましい。
経糸3aや緯糸3bを構成する合成繊維は、モノフィラメントでもマルチフィラメントでも良く、経糸3aにマルチフィラメント、緯糸3bにモノフィラメントまたはその逆の組み合わせであっても良い。印刷精度(例えば、印刷物の鮮明性や解像性)や印刷塗膜の耐久性を向上させる観点からは、経糸3a、緯糸3bともにモノフィラメントであることが好ましい。特に、1μm以下の薄膜の印刷塗膜を印刷する場合には、モノフィラメントが好適である。マルチフィラメントが用いられる場合、経糸3aの径(短径d12や長径d11)や緯糸3bの径(短径d22や長径d21)が大きくなりやすく、薄膜の印刷塗膜を印刷しにくくなる。モノフィラメントの合成繊維は、単一の素材から構成されていても良く、特性の異なる2種以上の素材から構成されていても良い。2種以上の素材から構成される合成繊維は、断面の芯部分の素材と鞘部分の素材が異なる芯鞘型繊維や、溶融した2種以上素材を混合して得られるブレンド型の繊維や、芯部分や鞘部分の素材として、溶融した2種以上素材を混合して得られる素材が用いられる芯鞘型繊維や、繊維の長手方向に延びる複数の島部分と島部分を取り囲む海部分の素材が異なる海島型繊維等であってもよい。さらに、鞘部分や芯部分において、島部分と海部分が形成される芯鞘型複合繊維であってもよい。また、合成繊維の表面は、有機物質や無機物質でコーティングされたり、改質されたりしていても良い。
スクリーン紗3の織密度は、スクリーン紗3の1インチ当たりにおける糸(経糸3a,緯糸3b)の本数(以下、「メッシュ数」ともいう)によって定義される。本実施形態のスクリーン版1において、経糸3aのメッシュ数と緯糸3bのメッシュ数は、同一でも異なっていても良い。スクリーン紗3における経糸3aと緯糸3bの強度のばらつきを抑制する観点より、経糸3aのメッシュ数と緯糸3bのメッシュ数は、同じであることが好ましい。
スクリーン紗3に用いられる糸(経糸3a,緯糸3b)の径(短径及び長径)が同じであれば、メッシュ数を高くするとスクリーン紗3の強度(例えば、破断強度や引裂強度)は高くなるが、後述する開口率は低くなり、印刷の精度が低下しやすくなる(例えば、高密度に配列するパターン線などを印刷しにくくなる)。一方、メッシュ数を低くすると、開口率は高くなるが、スクリーン紗3の強度は低くなりやすい。このため、スクリーン紗3のメッシュ数には、好ましい範囲がある。メッシュ数の好ましい範囲は、糸の材料,強度,径などに依存するため、一義的に定めることはできないが、スクリーン紗3を版枠2に張る工程や印刷工程における糸切れを抑制できる十分な強度とする観点から、経糸3aと緯糸3bのメッシュ数それぞれは、180メッシュ以上、特に220メッシュ以上、さらに300メッシュ以上とすることが好ましい。また、印刷精度を向上させる観点から、経糸3aと緯糸3bのメッシュ数それぞれは、420メッシュ以下、350メッシュ以下、特に330メッシュ以下とするのが好ましい。
なお、開口率(%)とは、X−Y平面におけるスクリーン紗3の所定面積当たりの開口部3cの面積の割合であり、下記(1)式を用いて算出することができる。なお、下記(1)式において、w1は、隣り合う経糸3aの間隔を示し、w2は、隣り合う緯糸3bの間隔を示し、d11は、経糸3aの幅を示し、d21は、緯糸3bの幅を示す。
開口率(%)=(w1×w2)/{(w1+d11)×(w2+d21)}×100 ・・・(1)
製織により薄い厚みtのスクリーン紗3を製造するためには、製織前の経糸3a及び緯糸3bは、JIS L 1013による試験法での引張り強度が10cN/dtex以上であることが好ましい。経糸3aと緯糸3bのいずれかの引張り強度がこの値未満の場合には、強度不足のために製織時の糸切れが頻発しやすくなり、製織が困難となりやすく、薄い厚みtのスクリーン紗3を得ることが難しくなる。
スクリーン紗3の引裂強度は、200gf以上とすることができ、300gf以上とすることが好ましく、400gf以上とすることがさらに好ましい。引裂強度が200gf未満であると、スクリーン紗3を版枠2に張る方法によっては、スクリーン紗3が破断する可能性があり、後述する版離れが適切に行われる十分な張力でスクリーン紗3が張られたスクリーン版1が得られにくくなることがある。なお、引裂強度は、JIS L 1096に準じて測定することができる。
製織前の経糸3aと緯糸3bは、断面形状が正円の合成繊維であってもよく楕円の合成繊維であってもよい。製織前の経糸3aと緯糸3bが、断面形状が正円の合成繊維である場合、製織前の経糸3aの直径及び緯糸3bの直径は、印刷の精度を向上したり、薄膜の印刷塗膜の形成を容易にしたりするために、45μm以下とすることが好ましく、40μm以下とすることがさらに好ましく、35μm以下、またさらに33μm以下とするのが特に好ましい。経糸3aの直径及び緯糸3bの直径を35μm以下、特に33μm以下にすると、150μm幅、特に60μm幅で配列する薄膜の印刷塗膜を確実に印刷しやすくなる。
経糸3a及び緯糸3bを構成する合成繊維は、版枠2にスクリーン紗3が張られた時に、長手方向に伸長し、スクリーン紗3の厚さtを、張力が加えられていないスクリーン紗3の厚さの88%以下とすることができるものであれば、特に限定されない。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリエステル等のポリエステル、ナイロン、ポリフェニルサルフォン(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から形成される合成繊維や、これらを2種類以上組み合わせた合成繊維を用いることができ、これらの物質の中でもナイロンやポリエステルから形成される合成繊維を用いることが好ましい。また、液晶ポリエステルなどの液晶ポリマーを含む合成繊維は、伸縮性を有し、寸法安定性に優れる。このため、経糸3a及び緯糸3bとして液晶ポリマーを含む合成繊維を用いた場合、繰り返しスクリーン印刷を行ったとしても、経糸3a及び緯糸3bが変形しにくい。従って、液晶ポリマーを含む合成繊維は、繰り返し行われる精密な印刷パターンの印刷に適しているため、特に好ましい。なお、液晶ポリマーとは、溶融状態あるいは溶液状態で液晶性を示すポリマーをいう。
上述したように、1μm以下の薄膜の印刷塗膜を形成するためには、スクリーン紗3の厚さtを薄くすることが効果的である。1μm以下の薄膜の印刷塗膜を形成する場合には、スクリーン紗3の厚さtは、30μm以下とすることが好ましい。0.5μm以下の薄膜の印刷塗膜を形成するためには、スクリーン紗3の厚さtは、25μm以下とすることが好ましい。0.3μm以下の薄膜の印刷塗膜を形成するためには、スクリーン紗3の厚さtは、20μm以下とすることが好ましい。なお、スクリーン紗3の厚さtの下限値は、特に限定されないが、12μm以上とすることができる。
スクリーン紗3の開口率(%)は、印刷塗膜の膜厚を均一にしやすく、繰り返し形成される印刷塗膜の同一性(再現性)を高めるためには、一定の範囲内にすることが好ましく、20%以上60%以下であることが好ましい。開口率が20%未満であると、スクリーン紗3の単位面積当たりに充填されるインクの量が少なくなり、被印刷物に転移されるインクの量が少なくなりやすい。このため、インクが被印刷物上で均一に広がりにくくなり、均一な膜厚の印刷塗膜を形成しにくくなる。開口率が60%を超えると、印刷塗膜の端部(つまり、被印刷物との境界部分)が滑らかになりにくく、印刷塗膜の端部が不規則に突出するギザリが発生しやすくなる。また、開口率が60%を超えると、印刷工程においてスクリーン紗3が変形しやすくなり、スクリーン紗3上に形成した後述の遮蔽膜が割れやすくなるなどの問題が生じやすくなる。さらに、60%超えという高い開口率を達成するために、経糸3aや緯糸3bの幅(d11,d21)を小さくしたり、メッシュ数を少なくしたりすること等が必要となり、その結果スクリーン紗3の強度が低くなりやすい。
次に、本実施形態のスクリーン版1を使用してスクリーン印刷を行う方法の一例について、図3〜図8を用いて説明する。図3は、本実施形態のスクリーン版1を使用してスクリーン印刷を行う際の各処理の手順を示すフローチャートであり、図4〜図8は、各処理におけるスクリーン版1の断面図である。
ステップS100の処理では、図4に示すように、スクリーン紗3が所定の張力が加えられた状態で版枠2に張られているスクリーン版1を用意する。スクリーン版1において、スクリーン紗3の厚さtは、張力が加えられていないスクリーン紗3の厚さの88%以下である。
ステップS101の処理では、図5に示すように、スクリーン紗3の表面(上面及び下面)に遮蔽膜10を形成する。遮蔽膜10としては、例えば、光の照射によって硬化する感光性樹脂(フォトレジスト)を用いることができる。感光性樹脂としては、ジアゾ系樹脂、ラジカル系樹脂、スチルバソ系樹脂などを使用することができ、使用できる感光性樹脂は、硬化機構によって限定されない。また、感光性樹脂は、遮蔽膜10を形成することができればよく、遮蔽膜10形成前の形態についても限定されない。例えば、液体や固体(フィルム)の形態で用いることができる。液体の感光性樹脂を用いる場合、例えば、溶媒を含む液体の感光性樹脂をスクリーン紗3に塗布し、これを乾燥して溶媒を蒸発・除去する方法により、遮蔽膜10を形成することができる。遮蔽膜10のZ軸方向における厚さは、塗布及び乾燥を繰り返すことにより調整することができる。なお、スクリーン紗3において、遮蔽膜10は、後述するスキージー13が接触する上面と後述する被印刷物14が接触する下面の両面に設けられているが、下面だけに設けられていてもよい。遮蔽膜10のスクリーン紗3に対する密着性の向上、遮蔽膜10の耐久性の向上の観点からは、上面と下面の両面に設けられていることが好ましい。
ステップS102の処理では、図6A〜図6Cに示すように、スクリーン紗3の表面に形成される遮蔽膜10において、所望の印刷パターンに対応する位置に開口10aを形成する。具体的には、まず、図6Aに示すように、遮蔽膜10の上面に、所望の印刷パターンに対応する形状のマスク11を貼り付ける。マスク11としては、フィルムやガラスを用いることができる。次に、図6Bに示すように、スクリーン紗1の上方から、マスク11が貼り付けられた遮蔽膜10に対して紫外線を照射する。さらに、紫外線が照射された遮蔽膜10を現像し、図6Cに示すように、マスク11とマスク11で覆われた遮蔽膜10の領域とを除去する。これらの処理により、遮蔽膜10において、所望の印刷パターンに対応する位置に開口10aを形成する。
なお、ステップS102の処理では、マスク11で覆われた遮蔽膜10の領域を除去して開口10aを形成しているが、遮蔽膜10の種類や現像液の種類を変更することにより、マスク11で覆われた遮蔽膜10の領域を残し、マスク11で覆われていない遮蔽膜10の領域を除去して開口10aを形成することもできる。また、ステップS102の処理では、遮蔽膜10の上面にマスク11を貼り付けているが、遮蔽膜10の下面にマスク11を貼り付けてもよい。遮蔽膜10の下面にマスク11が貼り付けられる場合、スクリーン紗1の下方から、マスク11が貼り付けられた遮蔽膜10に対して紫外線を照射することができる。
ステップS103の処理では、図7に示すように、遮蔽膜10上のインク12を、スクレーパー11を用いて移動させ、開口10aを通してスクリーン紗3(開口部3c)にインク12を充填する。この処理により、スクリーン紗3おいて、所望の印刷パターンに対応する位置にのみインク12が充填される。
ステップS104の処理では、図8に示すように、インク12が充填されたスクリーン紗3が、被印刷物14と接触するように、スキージー13をスクリーン紗3に押し当てつつ移動させる。この処理により、スクリーン紗3に充填されていたインク12が、被印刷物14に転移される。インク12の被印刷物14への転移は、被印刷物14に押し当てられていたスクリーン紗3が被印刷物14から離れる、いわゆる版離れが生じることにより行われる。
ステップS104の処理によって転移されたインク12により、被印刷物14上には、所望の印刷パターン12’が印刷される。なお、印刷パターン12’とは、印刷塗膜により形成される模様(図形や文字、線などを含む)をいう。
ここで、遮蔽膜10のZ軸方向における厚さは、薄膜の印刷塗膜を形成しやすくする観点では、薄い方が好ましいが、遮蔽膜10を安定して形成できることや、遮蔽膜10の耐久性を維持できることや、スクリーン紗3の開口部3cに充填されたインク12の広がりを制御するシール性を維持できることなどを考慮して決定することができる。厚さが薄い遮蔽膜10は、強度が低いため、開口10aを形成するときに水やエアーの吹き付けによって遮蔽膜10を除去する場合、マスク11によって覆われていない遮蔽膜10の領域も除去される可能性が有る。また、印刷パターン12’の滲みを抑えるためには、遮蔽膜10の厚みは、厚い方が好ましい。
このような観点から、遮蔽膜10の厚さは、1μm以上10μm以下が好ましく、2μm以上7μm以下がより好ましく、3μm以上5μm以下がさらに好ましい。ここで遮蔽膜10の厚さとは、スクリーン紗3の厚さtに加算される分の厚さであり、遮蔽膜10を含むスクリーン紗3の厚さからスクリーン紗3のみの厚さtを減じた値をいう。また、スクリーン紗3の上面に形成される遮蔽膜10の厚さは、例えば0〜2μmとすることができる。
また、遮蔽膜10を構成する物質(例えば、感光性樹脂)がインク12に含まれ得る有機溶剤へ溶出することを防ぎ、さらには、印刷パターン12’のにじみを抑制して印刷精度を向上させることを目的として、遮蔽膜10には、遮蔽膜10を構成する材料の一部として、撥水性・撥油性を有する成分を含有させることができる。このような遮蔽膜10は、撥水性・撥油性を有する成分を含有する単層の遮蔽膜10であったり、撥水性・撥油性を有する成分を含有する層と撥水性・撥油性を有する成分を含有しない層とが積層した遮蔽膜10であったりしてもよい。また、撥水性・撥油性を有する成分を含有しない層の表面に、撥水性・撥油性を有する成分(ポリマー等)をコーティングした遮蔽膜10であっても良い。印刷精度を向上させる目的においては、撥水性・撥油性を有する成分は、スクリーン紗3の下面に配置される遮蔽膜10の表面だけにコーティングされていても良いが、遮蔽膜10を構成する物質(例えば、樹脂)がインク12に含まれ得る有機溶剤へ溶出することを抑制する目的においては、スクリーン紗3の下面と上面の両面に配置される遮蔽膜10の表面にコーティングされていることが好ましい。
撥水性・撥油性を有する成分としては、フッ素、シリコンを含む物質が挙げられる。例えば、フッ素やシリコンを含む樹脂、オリゴマー、オイル、モノマーなどを遮蔽膜10の原料(感光性樹脂)にブレンドしたり、遮蔽膜10の表面にコーティングしたりして撥水性・撥油性を付与させることができる。
さらに、インク12に有機溶剤が含有される場合、遮蔽膜10を構成する物質(例えば、樹脂)が有機溶剤に溶出したり、遮蔽膜10が膨潤したりすることを抑制するために、遮蔽膜10を薬液処理したり、印刷パターン12’を形成した後に、遮蔽膜10に対して紫外線を追加照射することによって、遮蔽膜10の架橋密度を向上させたりすることができる。これらの処理を行うことにより、印刷時における遮蔽膜10の安定性や耐久性を向上させることができる。
次に、本実施形態のスクリーン版1の製造方法に関して説明をする。
本実施形態のスクリーン版1は、経糸3aと緯糸3bを製織してスクリーン紗3を形成し、得られたスクリーン紗3を所定の張力が加えられた状態で版枠2に張ることにより、版枠2に張られたスクリーン紗の厚さを、張力が加えられていないスクリーン紗の厚さの88%以下の厚さにすることにより製造することができる。製織に用いられる経糸3aと緯糸3bとしては、断面形状が正円の合成繊維を用いることができ、製織されることでZ軸に直交する方向に扁平しやすい。
版枠2にスクリーン紗3を張るには、紗張機を使用することができる。具体的には、スクリーン紗3の4辺方向における部位を、それぞれ紗張機のクランプにて挟持し、このクランプを機械式や空気の圧力を利用して引っ張り、所定の張力、所定のバイアス角度に調節し、所定の張力が加わった状態でスクリーン紗3を版枠2に固定する。その後、版枠2の外周に沿ってスクリーン紗3を切断する。スクリーン紗3に加える所定の張力は、経糸3aや緯糸3bの伸張特性を考慮し、版枠2に張られたスクリーン紗3の厚さtが、張力が加えられていないスクリーン紗3(版枠2に張られる前のスクリーン紗3)の厚さの88%以下になるような張力であればよい。例えば、スクリーン紗3に加える所定の張力は、21N/cm〜36N/cmの範囲とすることができる。高い印刷精度が要求される場合は、張力は25N/cm〜36N/cmの範囲がより好ましい。なお、バイアス角とは、経糸3a又は緯糸3bと版枠2とがなす角度のうち、鋭角側の角度をいう。
スクリーン紗3を版枠2に固定する手段として、接着剤を用いることができる。接着剤としては、ゴム系、エポキシ系、ウレタン系、シアノアクリレート系の接着剤を挙げることができるが、本実施形態では特に制限は無く、スクリーン紗3の材料と版枠2の材料、使用するインクに含有される溶剤などを考慮して選定すればよい。
スクリーン紗3に加えられる所定の張力は、上述した版離れに重要な因子である。張力が小さいと、版離れが適切に行われず、インクの転移が不均一となり印刷塗膜の膜厚がばらつく等、印刷精度が低下しやすい。版離れが適切に行われる張力としては、スクリーン紗3の単位幅当たり21N/cm以上が必要とされるため、スクリーン紗3を版枠2に張る工程や印刷の各工程において、糸切れやスクリーン紗3の破断が生じないよう、スクリーン紗3の破断強度としては、40N/cm以上であることが好ましい。なお、破断強度は、JIS L1096に準じて測定することができる。
以上説明したように、本実施形態のスクリーン版1は、版枠2に張られているスクリーン紗3の厚さtが、張力が加えられていないスクリーン紗3(版枠2に張られる前のスクリーン紗3)の厚さの88%以下である。すなわち、スクリーン紗3は、版枠2に張られて所定の張力が加えられることで、経糸3aと緯糸3bが伸長し、これらの糸の厚さの合計(d12+d22)が、張力が加えられていない経糸3a及び緯糸3bの厚さの合計の88%以下に減少する。このような構成を備える本実施形態のスクリーン版1は、スクリーン紗3の厚さtが薄くなりやすく、薄い膜厚の印刷塗膜(例えば、1μm以下の薄膜の印刷塗膜)を形成しやすい。
また、経糸3aと緯糸3bは、スクリーン紗3が所定の張力で版枠2に張られる際、厚さ(d12,d22)が縮小するとともに、長手方向に伸長するため、経糸3aや緯糸3bの幅方向への広がりが抑制される。従って、加圧等により経糸3aや緯糸3bを扁平化してスクリーン紗3の厚さを、本実施形態に係るスクリーン紗3の厚さtと同一に調整したスクリーン版1と比較して、開口率が減少しにくく、より多くのインク12を開口部3cに充填することができる。つまり、本実施形態のスクリーン版1によれば、均一な膜厚の印刷塗膜を形成しやすく、印刷精度を向上させることができる。
また、本実施形態のスクリーン版1は、上述したように、経糸3aや緯糸3bの幅方向への広がりを抑制することができるため、経糸3aや緯糸3bのメッシュ数を増加させたとしても、開口率が維持されやすく、印刷精度が低下することを抑制できる。つまり、本実施形態のスクリーン版1によれば、スクリーン紗3の強度(例えば、破断強度や引裂強度)の向上と印刷精度の向上を両立させることができる。
さらに、本実施形態のスクリーン版1は、スクリーン紗3の厚さtを調節することにより、1μm以下の薄膜の印刷塗膜を形成することができる。従って、インクの固形分濃度を希薄にしなくても薄膜の印刷塗膜を形成でき、固形分濃度を希薄にすることによって生じる印刷精度の低下や、固形分濃度の変化によって生じる印刷塗膜の膜厚の変動を抑制することもできる。
また、本実施形態のスクリーン版1は、所定の張力が加えられることでスクリーン紗3の厚さが88%超にしか変化しないスクリーン版1と比較して、経糸3aや緯糸3bの厚さ(d12,d22)が減少しやすい。このため、これらのスクリーン版1におけるスクリーン紗3の厚さtを同一としたときに、本実施形態のスクリーン版1は、張力を加える前の経糸3aや緯糸3bとしてより厚い糸を使用することができる。つまり、本実施形態のスクリーン版1は、所定の張力が加えられることでスクリーン紗の厚さが88%超にしか変化しないスクリーン版1と比較して、スクリーン紗3の強度(例えば、破断強度や引裂強度)を向上させやすい。
ここで、スクリーン版1に張られるスクリーン紗3の厚さtを薄くするために、厚さの薄い経糸3aや緯糸3bを製織してスクリーン紗3を作成し、経糸3aや緯糸3bの厚さを縮小させることなく、得られたスクリーン紗3を版枠2に張ることでスクリーン版1を製造することが考えられる。しかしながら、経糸3aや緯糸3bは、径が小さくなるほど、糸切れが生じやすくなるため、厚さ(d12,d22)の薄い経糸3aや緯糸3bは、製織時に糸切れが生じやすくなったり、繰り返しの印刷に耐えられない。従って、この製造方法では、版枠2に張られている経糸3aや緯糸3bの厚さ(d12,d22)を、糸切れが生じにくい所定の厚さ以上とすることしかできず、スクリーン紗3の厚さtを薄くしにくいという問題がある。
一方、本実施形態に係るスクリーン版1の製造方法では、製織した経糸3aや緯糸3b(スクリーン紗3)を版枠2に張る際に、経糸3aや緯糸3bの厚さを縮小し、スクリーン紗3の厚さを縮小している。このため、版枠2に張られている経糸3aや緯糸3bの厚さ(d12,d22)を、糸切れが生じにくい所定の厚さよりも薄くすることができる。従って、本実施形態に係るスクリーン版1の製造方法は、上述した製造方法と比較して、スクリーン紗3の厚さtを薄くしやすく、薄い膜厚の印刷塗膜(例えば、1μm以下の薄膜の印刷塗膜)を形成しやすい。
次に、本実施形態のスクリーン版1の変形例について説明する。本変形例では、スクリーン紗3を加温しながら版枠2に張ることにより、経糸3aと緯糸3bを長手方向に伸長させ、経糸3aと緯糸3bの厚さ(d12+d22)の合計を88%以下の厚さに縮小する。つまり、本変形例のスクリーン版1は、経糸3aと緯糸3bを製織してスクリーン紗3を形成し、スクリーン紗3を加温するとともにスクリーン紗3に所定の張力を加え、所定の張力を加えた状態でスクリーン紗3を版枠2に張ることにより製造することができる。
スクリーン紗3の加温温度は、糸の材料,糸の径,スクリーン紗3に加える所定の張力などに依存するため、一義的に定めることはできないが、例えば、180℃以下とすることができる。
本変形例で使用することができる経糸3a及び緯糸3bは、加温されたスクリーン紗3が版枠2に張られた時に、長手方向に伸長し、スクリーン紗3の厚さtを、張力が加えられていないスクリーン紗3の厚さの88%以下とすることができる合成繊維であれば、特に限定されない。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリエステル等のポリエステル、ナイロン、ポリフェニルサルフォン(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から形成される合成繊維や、これらを2種類以上組み合わせた合成繊維を用いることができる。
本変形例のスクリーン版1は、本実施形態のスクリーン版1と同様の効果を有する。具体的には、本変形例のスクリーン版1は、版枠2に張られているスクリーン紗3の厚さtが、張力が加えられていないスクリーン紗3の厚さの88%以下であるため、スクリーン紗3の厚さtが薄くなりやすく、薄い膜厚の印刷塗膜(例えば、1μm以下の薄膜の印刷塗膜)を形成しやすい。また、本変形例のスクリーン版1は、スクリーン紗3が版枠2に張られる際に、厚さ(d12,d22)が縮小するとともに、長手方向に伸長するため、経糸3aや緯糸3bの幅方向への広がりが抑制される。従って、インク12を開口部3cに充填しやすく、印刷精度を向上させることができる。また、本変形例のスクリーン版1の製造方法は、本実施形態のスクリーン版1の製造方法と同様の効果を有する。具体的には、本変形例のスクリーン版1の製造方法では、製織した経糸3aや緯糸3b(スクリーン紗3)を版枠2に張る際に、経糸3aや緯糸3bの厚さを縮小してスクリーン紗3の厚さを縮小しているため、版枠2に張られている経糸3aや緯糸3bの厚さ(d12,d22)を、糸切れが生じにくい所定の厚さよりも薄くすることができる。従って、薄い厚さtのスクリーン紗3を有するスクリーン版1が製造しやすい。なお、スクリーン紗3を加温しながら版枠2に張ると、経糸3aや緯糸3bが塑性変形しやすいため、印刷精度が向上した状態を維持し続ける観点からは、スクリーン紗3を加温することなく版枠2に張ることが好ましい。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
合成繊維モノフィラメントとしてポリアリレート(液晶ポリエステル)からなる芯部分と、熱可塑性ポリマーを海部分の成分とし、ポリアリレート(液晶ポリエステル)を島部分の成分として構成された鞘部分と、からなる芯鞘型複合繊維(株式会社クラレ製・製品名Vecry)を用意した。当該芯鞘型複合繊維は、断面形状が正円であり、直径が23μmであった。この芯鞘型複合繊維を経糸3a及び緯糸3bとして用いて、経糸3aと緯糸3bがともに380メッシュの密度となるように平織りに製織し、スクリーン紗3(以下、「原反」ともいう)を得た。
作製したスクリーン紗3(原反)の4辺方向における部位を紗張機のクランプにて挟持し、36N/cmの張力を加えた状態で、スクリーン紗3を、320mm×320mmのアルミ製の版枠2に張り、実施例1のスクリーン版1を得た。実施例1のスクリーン版1において、経糸3aと緯糸3bのバイアス角度は、ともに22.5度であった。
(実施例2)
合成繊維モノフィラメントとしてナイロン繊維を用意した。当該繊維は、断面形状が正円であり、直径が30μmであった。この繊維を経糸3a及び緯糸3bとして用いて、経糸3aと緯糸3bがともに305メッシュの密度となるように平織りに製織し、スクリーン紗3(以下、「原反」ともいう)を得た。
作製したスクリーン紗3(原反)の4辺方向における部位を紗張機のクランプにて挟持し、21N/cmの張力を加えた状態で、スクリーン紗3を、320mm×320mmのアルミ製の版枠2に張り、実施例2のスクリーン版1を得た。実施例2のスクリーン版1において、経糸3aと緯糸3bのバイアス角度は、ともに22.5度であった。
(実施例3)
実施例1と同様に、合成繊維モノフィラメントとしてポリアリレート(液晶ポリエステル)からなる芯部分と、熱可塑性ポリマーを海部分の成分とし、ポリアリレート(液晶ポリエステル)を島部分の成分として構成された鞘部分と、からなる芯鞘型複合繊維(株式会社クラレ製・製品名Vecry)を用意した。当該芯鞘型複合繊維は、断面形状が正円であり、直径が23μmであった。この芯鞘型複合繊維を経糸3a及び緯糸3bとして用いて、経糸3aと緯糸3bがともに330メッシュの密度となるように平織りに製織し、スクリーン紗3(以下、「原反」ともいう)を得た。
作製したスクリーン紗3(原反)の4辺方向における部位を紗張機のクランプにて挟持し、36N/cmの張力を加えた状態で、スクリーン紗3を、320mm×320mmのアルミ製の版枠2に張り、実施例3のスクリーン版1を得た。実施例3のスクリーン版1において、経糸3aと緯糸3bのバイアス角度は、ともに22.5度であった。
(比較例1)
実施例1において製織したスクリーン紗3(原反)を、120℃、300N/cmの条に設定された二本の金属ロール間に通し、加圧・加熱したスクリーン紗3(以下、「加圧・加熱した原反」ともいう)を得た。加圧・加熱したスクリーン紗3を版枠2に張った以外の条件は、実施例1と同様の条件で比較例1のスクリーン版1を得た。
実施例のスクリーン版1に関し、原反及び版枠2に張られているスクリーン紗3について、厚さ(以下、「紗厚」ともいう)を測定するとともに開口率を求めた。また、原反の紗厚に対する、版枠2に張られているスクリーン紗3の紗厚の割合(以下、「紗厚割合」ともいう。)(%)を求めた。結果を後述する表1に示す。
比較例のスクリーン版1に関し、原反、加圧・加熱した原反、及び版枠2に張られているスクリーン紗3について、紗厚を測定するとともに開口率を求めた。さらに、加圧・加熱した原反の紗厚に対する、版枠2に張られているスクリーン紗3の紗厚の割合(以下、「紗厚割合」ともいう。)(%)を求めた。結果を後述する表1に示す。
なお、紗厚は、厚さ計((株)プロテック製、MG−4型)で測定した。また、開口率は、測長機(大日本スクリーン製造(株)製、DR−55−F型)にて、経糸3aと緯糸3bの幅(d11,d21)、隣り合う経糸3aの間隔w1、及び隣り合う緯糸3bの間隔w2を実測し、上記(1)式により求めた。
Figure 0006975171
実施例及び比較例のスクリーン版1について、バケットを用いて感光性樹脂(王子タック株式会社製、製品名:AX−81)をスクリーン紗3に塗布し、塗布された感光性樹脂を乾燥させた。感光性樹脂の塗布及び乾燥を繰り返し、約5μm厚さの遮蔽膜10を形成した。遮蔽膜10に40mm×40mmのマスク11を貼り付け、露光、現像することにより、40mm×40mmの開口10aを遮蔽膜10に形成した。
表1から理解できるように、実施例のスクリーン版1は、開口率が31%以上であった。一方、比較例のスクリーン版1は、開口率が25%であった。この結果から、実施例のスクリーン版1は、比較例のスクリーン版と比較して、より多くのインク12を開口部3cに充填することができるため、均一な膜厚の印刷塗膜を形成しやすく、印刷精度を向上できることが理解できた。
(実施例4)
実施例1で用いたスクリーン紗3を4辺方向における部位を紗張機のクランプにて挟持し、36N/cmの張力を加えた状態で、320mm×320mmのアルミ製の版枠2に張り、得られたスクリーン版1を得た。得られたスクリーン版1について、バケットを用いて感光性樹脂(王子タック株式会社製、製品名:AX−81)をスクリーン紗3に塗布し、塗布された感光性樹脂を乾燥させた。感光性樹脂の塗布及び乾燥を繰り返し、約5μm厚さの遮蔽膜10を形成した。遮蔽膜10に120mm×120mmのマスク11を貼り付け、露光、現像することにより、120mm×120mmの開口10aを遮蔽膜10に形成し、実施例4のスクリーン版1を得た。
(比較例2)
実施例4で用いたスクリーン紗3を20N/cmの張力を加えた状態で、320mm×320mmのアルミ製の版枠2に張った以外は、実施例4と同様の方法で比較例2のスクリーン版1を得た。
(印刷精度)
実施例4と比較例2のスクリーン版1を用いて印刷を行い、印刷精度を評価した。120mm×120mmの印刷パターンにおいて、100枚目の印刷パターンが120mm±30μm×120±30μm以内の場合は印刷精度をGood、120mm±30μm×120±30μm以内ではない場合は印刷精度をPoorとした。なお、クリアランス(スクリーン紗3と被印刷物との距離)は版離れできる最小値として、実施例4では0.7mm、比較例2では1.8mmとした。
実施例4と比較例2の紗厚を測定した結果と印刷精度、それと算出したヤング率を表2に示す。なお、ヤング率は、版枠2に張られることで加わる張力をスクリーン紗3に加えた状態で、チャック間距離を200mmにして、引張速度100mm/分で、スクリーン紗3を縦方向(Y方向)と横方向(X方向)にそれぞれ引っ張り、取得した荷重―伸び曲線の立ち上り部の接線から算出されるそれぞれのヤング率を加算平均して得た。
Figure 0006975171
表2から理解できるように、実施例のスクリーン版1は、印刷精度の評価結果がGoodであり、比較例のスクリーン版1は、印刷精度の評価結果がPoorであった。これらの結果から、実施例のスクリーン版1は印刷精度を向上できることが理解できた。

Claims (4)

  1. 版枠と、
    所定の織組成に製織されている経糸と緯糸を用いてなるスクリーン紗と、を有し、
    前記スクリーン紗は、所定の張力が加えられた状態で前記版枠に張られており、
    前記版枠に張られている前記スクリーン紗の厚さは、張力が加えられていない前記スクリーン紗の厚さの88%以下であり、
    製織前の前記経糸と前記緯糸の直径が、それぞれ33μm以下であり、
    前記経糸と前記緯糸が、それぞれ液晶ポリマーからなり、
    前記所定の張力が、21N/cm〜36N/cmであることを特徴とするスクリーン版。
  2. 前記版枠に張られているスクリーン紗の厚さは、張力が加えられていない前記スクリーン紗の厚さの70%以上であることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン版。
  3. 前記経糸と前記緯糸がモノフィラメントであることを特徴とする請求項1又は2に記載のスクリーン版。
  4. 所定の織組成に製織されている経糸と緯糸を用いてなるスクリーン紗に所定の張力を加えて前記スクリーン紗を版枠に張り、
    前記版枠に張られた前記スクリーン紗の厚さを、張力が加えられていない前記スクリーン紗の厚さの88%以下にすることを含み、
    製織前の前記経糸と前記緯糸の直径が、それぞれ33μm以下であり、
    前記経糸と前記緯糸が、それぞれ液晶ポリマーからなり、
    前記所定の張力が、21N/cm〜36N/cmである、スクリーン版の製造方法。
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