JP2018111311A - スクリーン版 - Google Patents

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裕樹 佐野
Hiroki Sano
裕樹 佐野
伸樹 倉橋
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伸樹 倉橋
信一 本島
Shinichi Motojima
信一 本島
中山 鶴雄
Tsuruo Nakayama
鶴雄 中山
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Abstract

【課題】細い線を含む所定の印刷パターンを印刷しやすいスクリーン版を提供する。【解決手段】版枠と、液晶ポリマーを含む合成繊維の経糸と緯糸を用いてなり、前記版枠に張られているスクリーン紗と、所定の印刷パターンに対応する開口を備え、前記スクリーン紗に形成されている遮蔽膜と、を有し、前記スクリーン紗は、ピーク波長375nmの光の反射率が8%以下であり、前記遮蔽膜は、紫外線により硬化可能なジアゾ樹脂を含むことを特徴とするスクリーン版。【選択図】図1

Description

本発明は、スクリーン版に関して、特に細い線を含む所定の印刷パターンを印刷しやすいスクリーン版に関する。
スクリーン印刷は、高価な設備を必要とせず、大型化が可能であり、1回の印刷により1μm程度から数十μmの膜厚の印刷塗膜を形成することができる印刷技術として、広く産業界で利用されている。その用途としては、看板や工業部品等の文字印刷、プリント基板を始めとした電子部品や太陽電池の電極形成、プラズマディスプレイの誘電体印刷、厚膜印刷、厚膜パターン形成、穴埋め印刷などの様々な分野で用いられている。
スクリーン印刷で用いられるスクリーン版には、合成繊維の糸を製織したもの、金属繊維の糸を製織したもの、金属プレートにエッチングにより多孔を形成したものなどが使用されており、これらのうち合成繊維のスクリーン紗が安価であり取り扱いも容易なため、最も広く使用されている。合成繊維の材料としては、ポリエステルやナイロンといった汎用繊維のモノフィラメントが広く用いられている。
スクリーン印刷は、上述したように、プリント回路、IC回路、各種ディスプレイ装置の電子部品基板、太陽電池電極等をはじめとする電子部品関係の印刷用途で利用されており、近年ますます細い線を印刷することが望まれている。一般的には、スクリーン紗を高メッシュにして、より細い線を印刷することが通常である。しかしながら、このように単純にスクリーン紗を高メッシュにすると、スクリーン紗の個々の目開き、すなわちスクリーン紗における開口部の面積の割合(開口率)が減少するために、インクがスクリーン紗を通過しにくくなる。このため、被印刷物に転移されるインクの量が減少し、インクが被印刷物上で均一に広がりにくくなり、かえって印刷パターンの解像性が低下するという問題が発生する。この問題に対して、スクリーン紗に用いる糸を細くすることにより、開口率を維持する方法が検討されている。
特許文献1では、スクリーン紗に用いる糸として、高メッシュ用の高強度ステンレス鋼極細線が提案されている。
特開2003−253399号公報
しかしながら、特許文献1に開示されるようなステンレス鋼極細線は、取扱性が低く、例えば、製織しにくい。また、ステンレス鋼極細線などの金属繊維は、合成繊維に比べて光が乱反射しやすいことから、感光性樹脂を感光させる際の光の乱反射により、感光性樹脂における硬化させる必要のない領域(光を直接照射していない領域)が硬化してしまう、いわゆるハレーションと呼ばれる現象を生じやすい。このため、感光性樹脂における硬化していない領域を取り除くことで形成される、インクを充填するための開口が、所定の印刷パターンの形状に一致しにくく、特に、所定の印刷パターンが細い線である場合には、インクを充填するための開口が形成されにくくなる(開口が塞がれやすくなる)。つまり、特許文献1に開示されるようなステンレス鋼極細線は、細い線を含む所定の印刷パターンを印刷しにくいという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、細い線を含む所定の印刷パターンを印刷しやすいスクリーン版を提供することを目的とする。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 版枠と、
液晶ポリマーを含む合成繊維の経糸と緯糸を用いてなり、前記版枠に張られているスクリーン紗と、
所定の印刷パターンに対応する開口を備え、前記スクリーン紗に形成されている遮蔽膜と、を有し、
前記スクリーン紗は、ピーク波長375nmの光の反射率が8%以下であり、
前記遮蔽膜は、紫外線により硬化可能なジアゾ樹脂を含むことを特徴とするスクリーン版。
[2] 前記経糸が並べられる方向における前記経糸の最大径と、前記緯糸が並べられる方向における前記緯糸の最大径のそれぞれが30μm以下であることを特徴とする[1]に記載のスクリーン版。
[3] 前記スクリーン紗のメッシュ数が300以上であることを特徴とする[1]または[2]に記載のスクリーン版。
[4] 前記遮蔽膜の厚さが20μm以下であることを特徴とする[1]から[3]のいずれか一つに記載のスクリーン版。
本発明によれば、細い線を含む所定の印刷パターンを印刷しやすいスクリーン版を提供することができる。
スクリーン版を示す概略図である。 スクリーン紗の部分断面図である。 スクリーン版を製造する際の各処理の手順を示すフローチャートである。 スクリーン版を製造する際の処理(スクリーン紗作成処理)におけるスクリーン紗の断面図である。 スクリーン版を製造する際の処理(スクリーン紗張設処理)におけるスクリーン版の断面図である。 スクリーン版を製造する際の処理(遮蔽膜形成処理)におけるスクリーン版の断面図である。 スクリーン版を製造する際の処理(マスク貼付処理)におけるスクリーン版の断面図である。 スクリーン版を製造する際の処理(紫外線照射処理)におけるスクリーン版の断面図である。 スクリーン版を製造する際の処理(現像処理)におけるスクリーン版の断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、図1,図2及び図4〜図9において、Z軸およびY軸は互いに直交する軸であり、Z軸およびY軸のそれぞれと直交する軸をX軸とする。本実施形態において、Z軸方向をスクリーン紗3の厚さ方向とする。
本実施形態のスクリーン版1は、スクリーン印刷に用いられる印刷版であり、図1に示すように、版枠2と、版枠2に張られているスクリーン紗3と、スクリーン紗3に形成されている遮蔽膜10とを有する。遮蔽膜10には、複数の開口10aが形成されており、開口10aは、所定の印刷パターンに対応している。言い換えれば、X−Y平面視における開口10aの形状は、X−Y平面視における所定の印刷パターンの形状に対応している。なお、印刷パターンとは、被印刷物に転移される印刷塗膜により形成される模様(図形や文字、線などを含む)をいう。
版枠2は、矩形状のフレームであり、スクリーン紗3を保持する部材である。版枠2の材料としては、特に限定されないが、例えば、金属、鋳物、樹脂、木材を用いることができる。
スクリーン紗3は、インクを保持し、保持したインクを被印刷物に転移するための織物である。スクリーン紗3は、図1に示すように、合成繊維により構成される複数の経糸3aと複数の緯糸3bからなり、所定の張力が加えられた状態で版枠2に保持されている。
本実施形態のスクリーン版1において、スクリーン紗3は、ピーク波長375nmの光の反射率が8%以下である。スクリーン紗3における光の反射率とは、Z軸方向からスクリーン紗3に入射される光の量(L1)に対する、スクリーン紗3で反射してスクリーン紗3の外部に射出される光の量(L2)の割合(100×L2/L1)であり、例えば、分光光度計(V−670、日本分光株式会社)を用いて測定することができる。
スクリーン紗3を構成する経糸3aと緯糸3bは、モノフィラメントでもマルチフィラメントでも良い。経糸3aにマルチフィラメント、緯糸3bにモノフィラメントまたはその逆の組み合わせであっても良い。印刷精度(例えば、印刷パターンの鮮明性や解像性)や印刷塗膜の耐久性を向上させる観点からは、経糸3a、緯糸3bともにモノフィラメントであることが好ましい。モノフィラメントは、単一の素材から構成されていても良く、特性の異なる2種以上の素材から構成されていても良い。
複数の経糸3aと複数の緯糸3bは、図1に示すように、Z軸方向において交互に浮き沈みして織られており、平織の織組織を構成している。スクリーン紗3において、織組織は、特に限定されず、綾織、朱子織などを用いることができる。しかしながら、スクリーン紗3のZ軸方向における厚さtを薄くかつ目拠れを起こしにくくする観点から、スクリーン紗3の織組織は、平織であることが好ましい。
複数の経糸3aは、X―Y平面において、所定の間隔w1をあけて平行に並べられている。複数の緯糸3bは、X―Y平面において、経糸3aに対して垂直に並べられるとともに、所定の間隔w2をあけて平行に並べられている。隣り合う2つの経糸3aと隣り合う2つの緯糸3bに囲まれる空間には、開口部3cが形成されている。本実施形態のスクリーン紗3において、間隔w1と間隔w2は、同一である。しかしながら、間隔w1と間隔w2は、異なっていてもよい。
図2は、図1に示すスクリーン紗3のA−A断面図である。図2に示すように、経糸3aは、断面形状(長手方向と直交する断面の形状)が直径d1の正円であり、X軸方向における幅(d1)とZ軸方向における厚さ(d1)が同一である。同様に、緯糸3bは、断面形状(長手方向と直交する断面の形状)が直径d2の正円であり、Y軸方向における幅(d2)とZ軸方向における厚さ(d2)が同一である。スクリーン紗3において、経糸3aの直径d1は、緯糸3bの直径d2と同一である。なお、経糸3aの直径d1と緯糸3bの直径d2は、異なっていても良い。また、本実施形態のスクリーン版1では、経糸3a及び緯糸3bの断面形状(長手方向と直交する断面の形状)が正円であるが、経糸3a及び緯糸3bの断面形状は、楕円であってもよい。
スクリーン紗3は、経糸3aと緯糸3bがZ軸方向において重なる交差部と、経糸3aと緯糸3bがZ軸方向において重ならない非交差部とを有する。スクリーン紗3の厚さtは、経糸3aと緯糸3bが重なる交差部における厚さであり、経糸3aの直径d1と緯糸3bの直径d2の合計である。
本実施形態のスクリーン版1において、スクリーン紗3の開口率(%)は、例えば、20%以上60%以下とすることができる。開口率(%)とは、X−Y平面におけるスクリーン紗3の所定面積当たりの開口部3cの面積の割合であり、下記(1)式を用いて算出することができる。下記(1)式において、w1は、隣り合う2つの経糸3aの間隔を示し、w2は、隣り合う2つの緯糸3bの間隔を示し、d1は、経糸3aの直径を示し、d2は、緯糸3bの直径を示す。
開口率(%)=(w1×w2)/{(w1+d1)×(w2+d2)}×100 ----(1)
次に、本実施形態のスクリーン版1の製造方法について、図3〜図9を用いて説明する。図3は、本実施形態のスクリーン版1を製造する際の各処理の手順を示すフローチャートであり、図4〜図9は、各処理におけるスクリーン版1(又はスクリーン紗3)の断面図である。
ステップS101の処理では、図4に示すように、合成繊維から構成される経糸3a及び緯糸3bを、所定の織組成に製織し、スクリーン紗3を得る。
ステップS102の処理では、図5に示すように、所定の張力が加えられた状態でスクリーン紗3を版枠2に張る。版枠2にスクリーン紗3を張るには、紗張機を使用することができる。具体的には、スクリーン紗3の4辺方向における部位を、それぞれ紗張機のクランプにて挟持し、このクランプを機械式や空気の圧力を利用して引っ張り、所定の張力、所定のバイアス角度に調節し、所定の張力が加わった状態でスクリーン紗3を版枠2に固定する。その後、版枠2の外周に沿ってスクリーン紗3を切断する。スクリーン紗3に加える所定の張力としては、例えば、21N/cm〜36N/cmの範囲とすることができる。なお、バイアス角度とは、経糸3a又は緯糸3bと版枠2とがなす角度のうち、鋭角側の角度をいう。
スクリーン紗3を版枠2に固定する手段としては、接着剤を用いることができる。接着剤としては、ゴム系、エポキシ系、ウレタン系、シアノアクリレート系の接着剤を挙げることができるが、本実施形態では特に制限は無く、スクリーン紗3の材料と版枠2の材料、使用するインク12に含有される溶剤などを考慮して選定すればよい。なお、インク12としては、着色や発色を目的とした塗料に限られず、電極や誘電体などの電子部品の形成を目的とした電子部品の原料を用いることができ、例えば、液状やペースト状とすることができる。
スクリーン紗3に加えられる所定の張力は、遮蔽膜10に形成される開口10aに充填されてスクリーン紗3の一部の領域により保持されたインク12を、被印刷物に転移する際に、被印刷物に接触しているスクリーン紗3が被印刷物から離れる、いわゆる版離れに重要な因子である。所定の張力が小さいと、版離れが適切に行われず、インク12の転移が不均一となり印刷塗膜の膜厚がばらつく等、印刷パターンの解像性が低下しやすい。版離れが適切に行われる所定の張力としては、スクリーン紗3の単位幅当たり21N/cm以上が必要とされるため、スクリーン紗3を版枠2に張る工程や印刷の各工程において、糸切れやスクリーン紗3の破断が生じないよう、スクリーン紗3の破断強度としては、40N/cm以上であることが好ましい。なお、破断強度は、JIS L1096に準じて測定することができる。
ステップS103の処理では、図6に示すように、版枠2に張られたスクリーン紗3の表面に遮蔽膜10を形成する。遮蔽膜10の上面10dは、スクリーン紗3の上面3dよりもZ軸方向上方に設けることができ、遮蔽膜10の下面10eは、スクリーン紗3の下面3eよりもZ軸方向下方に設けることができる。なお、スクリーン紗3の下面3eに設けられる遮蔽膜10とスクリーン紗3の上面3dに設けられる遮蔽膜10は、スクリーン紗3の開口部3cを通じて繋がっていてもよい。スクリーン紗3の上面3dは、スクリーン紗3の表面のうち、遮蔽膜10に形成される開口10aに充填されてスクリーン紗3の一部の領域により保持されたインク12を被印刷物に転移するときに用いられるヘラ(例えば、スキージー)が接触する面であり、スクリーン紗3の下面3eは、スクリーン紗3の表面のうち、遮蔽膜10に形成される開口10aに充填されてスクリーン紗3の一部の領域により保持されたインク12を被印刷物に転移するときに被印刷物が接触する面である。
遮蔽膜10は、紫外線の照射によって硬化可能なジアゾ樹脂を含み、紫外線が照射されることで硬化する。遮蔽膜10は、紫外線の照射によって硬化しない物質(例えば、
遮蔽膜10を構成する成分(例えば、樹脂)がインクに含まれ得る溶媒(例えば、有機溶剤)へ溶出することを防いだり、被印刷物上における印刷パターンのにじみを抑制したり、印刷パターンの解像性を向上させたりすることを目的とした、撥水・撥油性を有する成分(例えば、フッ素やシリコンを含む樹脂))を含んでいてもよいが、ジアゾ樹脂の他に、紫外線の照射によって硬化する物質を含まない。つまり、遮蔽膜10において、紫外線の照射によって硬化する物質は、ジアゾ樹脂のみからなる。ジアゾ樹脂は、分子内に2つ以上のジアゾ基を有する感光性樹脂であり、例えば、p−ジアゾジフェニールアミンのパラフォルムアルデヒド縮合物または4,4’ジメトキシジフェニルエーテル縮合物、4−ジアゾ3−メトキシジフェニルアミンのパラフォルムアルデヒド縮合物、または4,4’ジメトキシジフェニルエーテル縮合物を用いることができる。遮蔽膜10に含まれるジアゾ樹脂は、遮蔽膜10が形成されるスクリーン紗3に紫外線を照射した際に、スクリーン紗3で乱反射した紫外線により硬化しにくく、遮蔽膜10における硬化させる必要のない領域(つまり、遮蔽膜10における紫外線が直接照射されていない領域)が硬化してしまう、いわゆるハレーションと呼ばれる現象を抑制しやすい。この理由は明確ではないが、ジアゾ樹脂は、紫外線に対する感度が低く、ピーク波長375nmの光の反射率が8%以下であるスクリーン紗3で乱反射した紫外線量では、硬化し難いと考えられる。なお、紫外線とは、少なくとも375nmのピーク波長の光を含み、波長域が315nm〜380nmの範囲内にある光をいう。
また、遮蔽膜10は、遮蔽膜10の形成前の形態について限定されず、例えば、液体や固体(フィルム)の形態で用いることができる。スクリーン紗3の表面に遮蔽膜10を形成する方法としては、例えば、溶媒を含む液体の遮蔽膜10の原料(例えば、ジアゾ樹脂からなる感光性樹脂)をスクリーン紗3の表面に塗布し、これを乾燥して溶媒を蒸発・除去する方法を挙げることができる。遮蔽膜10のZ軸方向における厚さは、遮蔽膜10の原料の塗布及び乾燥を繰り返すことにより調整することができる。
経糸3a及び緯糸3bを構成する合成繊維は、少なくとも液晶ポリマーを含んでおり、スクリーン紗3に製織された際に、ピーク波長375nmの光の反射率が8%以下となる合成繊維である。液晶ポリマーとしては、例えば、液晶ポリエステルを用いることができる。経糸3a及び緯糸3bを構成する合成繊維としては、液晶ポリマーだけで形成される合成繊維や、液晶ポリマーに加えて、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエステル、ナイロン、ポリフェニルサルフォン(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の少なくとも1種類から形成される合成繊維を用いることができる。これらの合成繊維のうち、経糸3aの直径d1や緯糸3bの直径d2を小さくするには、経糸3aや緯糸3bのメッシュ数にもよるが、ナイロンやポリエステルから形成される合成繊維を用いることが好ましい。
液晶ポリエステルなどの液晶ポリマーを含む合成繊維は、伸縮性を有し、寸法安定性に優れ、紫外線反射率も低いため、特に、後述するメッシュ数が高いスクリーン紗3(例えば、経糸3aと緯糸3bのメッシュ数がともに300以上であるスクリーン紗3)に好適である。つまり、経糸3a及び緯糸3bとして液晶ポリマーを含む合成繊維を用いた場合、液晶ポリマーの優れた復元性によって、繰り返しスクリーン印刷を行ったとしても、経糸3a及び緯糸3bが変形しにくく、繰り返し行われる、細い線を含む所定の印刷パターンの形成に適している。また、液晶ポリマーを含む合成繊維を経糸3a及び緯糸3bとしてスクリーン紗3に製織した場合、合成繊維に紫外線吸収剤を含有したり、合成繊維を黒色に着色したりしなくても、スクリーン紗3におけるピーク波長375nmの光の反射率が8%以下になりやすく、遮蔽膜10に照射する紫外線の乱反射を抑制しやすい。このため、ハレーションを抑制しやすく、細い線を含む所定の印刷パターンの形成に適している。
合成繊維に紫外線吸収剤を含有させる場合、合成繊維の全体に紫外線吸収剤を分散させたとしても、合成繊維上の位置に応じて紫外線の反射率が異なりやすく、紫外線の反射ムラが発生してしまう。この場合には、合成繊維のうち反射率が高い部分で反射した紫外線によって、遮蔽膜10における硬化させる必要のない領域(つまり、遮蔽膜10における紫外線が直接照射されていない領域)を硬化させてしまう。また、紫外線吸収剤を含むことで合成繊維の強度が低下してしまう。一方、液晶ポリマーから形成される合成繊維を用いた場合には、合成繊維上の位置にかかわらず、紫外線の反射特性(8%以下の反射率)を揃えることができ、合成繊維の全体において、紫外線の反射ムラを抑制することができる。これにより、合成繊維に紫外線吸収剤を含有させる場合と比べて、遮蔽膜10に形成される開口10aの形状を所定の印刷パターンの形状に精度良く合わせることができる。
スクリーン紗3におけるピーク波長375nmの光の反射率が8%以下にするために、スクリーン紗3の表面に紫外線吸収剤を固定させる場合も考えられる。この場合、スキージー等の摩擦に耐え得るために、紫外線吸収剤をスクリーン紗3の表面に強固に密着させる必要がある。バインダーなどを用いて紫外線吸収剤をスクリーン紗3の表面に密着させると、バインダーの付着量の分だけ、経糸3aや緯糸3bの径が大きくなり、スクリーン紗3の開口率が低下するといった不具合がある。一方、バインダーの付着量の分だけ、経糸3aや緯糸3bの径を予め小さくすると、経糸3aや緯糸3bの強度が低下する。
経糸3aや緯糸3bとしては、この長手方向と直交する断面の芯部分の素材と鞘部分の素材が同一又は異なる芯鞘型繊維や、溶融した2種以上の素材を混合して得られるブレンド型の繊維や、芯部分や鞘部分の素材として、2種以上の素材を溶融・混合して得られる素材が用いられる芯鞘型繊維や、繊維の長手方向に延びる複数の島部分と島部分を取り囲む海部分の素材が異なる海島型繊維等であってもよい。さらに、鞘部分や芯部分において、島部分と海部分が形成される芯鞘型複合繊維であってもよい。なお、液晶ポリマーは、芯部分及び鞘部分の少なくとも一方に含まれていたり、島部分及び海部分の少なくとも一方に含まれていたりすればよい。
経糸3aと緯糸3bを構成する合成繊維は、同一の合成繊維であってもよく、異なる合成繊維であってもよい。スクリーン紗3を製織し易く、スクリーン紗3における経糸3aと緯糸3bの強度のばらつきを抑制できる観点から、経糸3aと緯糸3bを構成する合成繊維は、同一の合成繊維であることが好ましい。
スクリーン紗3の織密度は、スクリーン紗3の1インチ当たりにおける糸(経糸3a,緯糸3b)の本数(以下、「メッシュ数」ともいう)によって定義される。スクリーン紗3において、経糸3aのメッシュ数と緯糸3bのメッシュ数は、同一でも異なっていても良い。スクリーン紗3における経糸3aと緯糸3bの強度のばらつきを抑制する観点より、経糸3aのメッシュ数と緯糸3bのメッシュ数は、同じであることが好ましい。
スクリーン紗3を構成する経糸3aや緯糸3bの直径が同じであれば、メッシュ数を高くするとスクリーン紗3の強度は高くなるが、開口率は低くなり、インク12が開口部3cを通過しにくくなる。インク12が開口部3cを通過しにくくなると、被印刷物に転移されるインク12の量が減少し、インク12が被印刷物上で均一に広がりにくくなる。従って、均一な膜厚の印刷塗膜や、印刷塗膜の端部(つまり、被印刷物との境界部分)が滑らかな印刷塗膜が得られにくくなる。また、メッシュ数を高くすると、紫外線を反射する糸の数も増えるため、スクリーン紗3が乱反射する紫外線量が増加しやすい。このため、遮蔽膜10における硬化させる必要のない領域(つまり、遮蔽膜10における紫外線が直接照射されていない領域)が硬化しやすくなり、所定の印刷パターンに細い線が含まれる場合には、細い線を含む所定の印刷パターンに対応する開口10aが形成されにくい(開口10aが塞がれやすい)。一方、メッシュ数を低くすると、開口率は高くなるが、スクリーン紗3の強度は低くなりやすく、また、所定の印刷パターンの形状に一致させた状態で開口10aを維持しつつ、遮蔽膜10をスクリーン紗3の表面に形成(保持)するのが難しくなる。特に、細い線を含む所定の印刷パターンに開口10aを対応させる場合には、開口10aが塞がれやすくなる(つまり、細い線を含む所定の印刷パターンに対応する開口10aが形成されにくい。)。
このため、スクリーン紗3のメッシュ数には、好ましい範囲がある。メッシュ数の好ましい範囲は、糸(経糸3a,緯糸3b)の材料,強度,直径などに依存するため、一義的に定めることはできないが、スクリーン紗3を版枠2に張る工程やスクリーン版1を用いて印刷する工程における糸切れを抑制できる十分な強度としたり、細い線を含む所定の印刷パターンを印刷しやすくしたりする観点から、経糸3aと緯糸3bのメッシュ数(つまり、スクリーン紗3のメッシュ数)は、それぞれ250メッシュ以上、特に300メッシュ以上、さらに330メッシュ以上とすることが好ましい。また、印刷塗膜の膜厚を均一にしたり、細い線を含む所定の印刷パターンを印刷しやすくしたりする観点から、経糸3aと緯糸3bのメッシュ数それぞれは、500メッシュ以下が好ましく、より好ましくは420メッシュ以下、さらに380メッシュ以下とすることが好ましい。なお、細い線とは、幅が30μm以下の線をいう。
経糸3aや緯糸3bとして、液晶ポリマーから形成される合成繊維を用いれば、スクリーン紗3の糸径が細いのでメッシュ数を高くしながら、開口率の低下を抑制できるとともに、スクリーン紗3での紫外線の反射率を低減することができる。すなわち、スクリーン紗3を版枠2に張るときの張力(例えば、21N/cm〜36N/cm)によって、スクリーン紗3のメッシュ数を高くしても、開口部3cが維持されやすく、開口率の低下を抑制できるとともに、紫外線の反射率を低減することができる。
経糸3aの直径d1及び緯糸3bの直径d2は、印刷塗膜の厚みなどを考慮して適宜選択することができるが、高密度に配列する細い線の印刷を容易にするためには、35μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがさらに好ましく、25μm以下、またさらに20μm以下であることが特に好ましい。経糸3aが並べられる方向における経糸3aの最大径と、緯糸3bが並べられる方向における緯糸3bの最大径のそれぞれを、30μm以下、特に20μm以下にすると、特にメッシュ数が高いスクリーン紗3において、インク12が開口部3cを通過しやすくなり、均一な膜厚の印刷塗膜や印刷塗膜の端部が滑らかな印刷塗膜が得られやすくなる。このため、20μm以下の幅、特に15μm以下の幅の細い線が配列する印刷パターンを印刷しやすくなる。なお、経糸3aが並べられる方向における経糸3aの最大径とは、X軸方向における経糸3aの幅(d1)であり、緯糸3bが並べられる方向における緯糸3bの最大径とは、Y軸方向における緯糸3bの幅(d2)である。
遮蔽膜10のZ軸方向における厚さは、薄膜の印刷塗膜を形成しやすくする観点では、薄い方が好ましいが、遮蔽膜10を安定して形成できることや、遮蔽膜10の耐久性を維持できることや、遮蔽膜10に形成される開口10aに充填されたインク12の広がりを制御するシール性を維持できることなどを考慮して決定することができる。厚さが薄い遮蔽膜10は、強度が低いため、開口10aを形成するときに水やエアーの吹き付けによって遮蔽膜10を除去する場合、遮蔽膜10におけるマスク11によって覆われていない領域も除去される可能性が有る。また、印刷した所定の印刷パターンの滲みを抑えるために、さらには繰り返しの印刷による耐久性を向上する観点からは、遮蔽膜10の厚さは、厚い方が好ましい。このような観点から、遮蔽膜10の厚さの上限値は、20μmであることが好ましく、15μmであることがより好ましい。遮蔽膜10の厚さの下限値としては、1μmであることが好ましく、5μmがより好ましく、8μmであることがさらに好ましい。ここで、遮蔽膜10の厚さとは、スクリーン紗3の厚さtに加算される分の厚さであり、遮蔽膜10を含むスクリーン紗3の厚さからスクリーン紗3のみの厚さtを減じた値(本実施形態では、上面3dと下面3eに形成された遮蔽膜10の厚さの合計)をいう。また、スクリーン紗3の上面3dに形成される遮蔽膜10の厚さは、例えば0〜2μmとすることができる。
なお、スクリーン紗3において、遮蔽膜10は、上面3dと下面3eの両面に設けられているが、下面3eだけに設けられていてもよい。遮蔽膜10とスクリーン紗3との密着性の向上、遮蔽膜10の耐久性の向上の観点からは、遮蔽膜10は、上面3dと下面3eの両面に設けられていることが好ましい。
ステップS104の処理では、図7に示すように、所定の印刷パターンに対応する形状のマスク11を、遮蔽膜10の上面10dに貼り付ける。マスク11としては、フィルムやガラスを用いることができる。
ステップS105の処理では、図8に示すように、スクリーン紗3の上方から、マスク11が貼り付けられた遮蔽膜10に対して紫外線を照射し、遮蔽膜10におけるマスク11で覆われていない領域(Z軸方向上方にマスク11が形成されていない遮蔽膜10の領域)を硬化させる。紫外線は、マスク11を透過しにくいため、遮蔽膜10におけるマスク11で覆われている領域(Z軸方向上方にマスク11が形成されている遮蔽膜10の領域)は、硬化しにくい。ここで、遮蔽膜10におけるマスク11で覆われていない領域が、紫外線が直接照射されている領域であり、遮蔽膜10におけるマスク11で覆われている領域が、紫外線が直接照射されていない領域である。
ステップS106の処理では、紫外線が照射された遮蔽膜10を現像し、図9に示すように、マスク11とマスク11で覆われた紫外線により硬化していない遮蔽膜10の領域とを除去する。このステップS106の処理により、所定の印刷パターンに対応する開口10aを遮蔽膜10に形成することができる。スクリーン印刷は、開口10aにインク12を充填し、スクリーン紗3の一部の領域により保持されたインク12を被印刷物に転移することにより行うことができる。図9では、遮蔽膜10に形成される5つの開口10aのうち1つの開口10aにおいて、インク12が充填された状態を示している。
なお、上述したステップS104の処理では、遮蔽膜10の上面10dにマスク11を貼り付けているが、遮蔽膜10の下面10eにマスク11を貼り付けてもよい。遮蔽膜10の下面10eにマスク11が貼り付けられる場合、ステップS105の処理では、スクリーン紗3の下方から、マスク11が貼り付けられた遮蔽膜10に対して紫外線を照射することができる。
ここで、本実施形態のスクリーン版1は、スクリーン紗3におけるピーク波長375nmの光の反射率が8%以下であり、遮蔽膜10が紫外線により硬化可能なジアゾ樹脂を含む。このため、本実施形態のスクリーン版1では、照射される紫外線をスクリーン紗3が乱反射しにくく、仮に、スクリーン紗3が照射される紫外線の一部を乱反射したとしても、乱反射した紫外線が、ジアゾ樹脂を硬化しにくい。また、本実施形態のスクリーン版1において、遮蔽膜10には、ジアゾ樹脂の他に、紫外線の照射によって硬化する物質が含まれていないため、遮蔽膜10における紫外線が直接照射されていない領域が硬化しにくく、遮蔽膜10における紫外線が直接照射されていない領域のみに開口10aが形成されやすい。従って、所定の印刷パターンに細い線が含まれる場合であっても、細い線を含む所定の印刷パターンに対応する開口10aが形成されやすい(開口10aが塞がれにくい)。つまり、本実施形態のスクリーン版1は、細い線を含む所定の印刷パターンを印刷しやすい。
一方、ピーク波長375nmの光の反射率が8%を超えるスクリーン紗3は、照射される紫外線を乱反射しやすく、乱反射した紫外線が、ジアゾ樹脂を硬化しやすい。従って、遮蔽膜10における紫外線が直接照射されていない領域が硬化しやすくなり、所定の印刷パターンに細い線が含まれる場合には、細い線を含む所定の印刷パターンに対応する開口10aが形成されにくくなる(開口10aが塞がれやすくなる)。つまり、ピーク波長375nmの光の反射率が8%を超えるスクリーン紗3が用いられるスクリーン版1は、細い線を含む所定の印刷パターンを印刷しにくい。
また、ピーク波長375nmの光の反射率が8%以下であるスクリーン紗3が用いられていたとしても、遮蔽膜10が、紫外線の照射によって硬化する物質として、ジアゾ樹脂以外の他の物質を含む場合、スクリーン紗3で乱反射した紫外線が、ジアゾ樹脂以外の他の物質を硬化しやすい。従って、遮蔽膜10における紫外線が直接照射されていない領域が硬化しやすくなり、所定の印刷パターンに細い線が含まれる場合には、細い線を含む所定の印刷パターンに対応する開口10aが形成されにくくなる(開口10aが塞がれやすくなる)。つまり、遮蔽膜10が、紫外線の照射によって硬化する物質として、ジアゾ樹脂以外の他の物質を含有するスクリーン版1は、細い線を含む所定の印刷パターンを印刷しにくい。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
合成繊維のモノフィラメントとして、ポリアリレート(液晶ポリエステル)からなる芯部分と、熱可塑性ポリマーを海部分の成分とし、ポリアリレート(液晶ポリエステル)を島部分の成分として構成された鞘部分と、からなる、直径23μmの芯鞘型複合繊維(株式会社クラレ製・製品名Vecry(登録商標))を用意した。この合成繊維を経糸3a及び緯糸3bとして、経糸3a、緯糸3bとも380メッシュの密度で平織りに製織し、スクリーン紗3を得た。
作製したスクリーン紗3の4辺方向における部位を紗張機のクランプにて挟持し、320mm×320mmのアルミ製の版枠2に張った。ここで、スクリーン紗3の中央部での張力は、テンションゲージSTG-75B(サン技研社製)を用いた測定で変位量1.0mm(28N/cm)であった。経糸3aと緯糸3bのバイアス角度は、ともに22.5度であった。このときの、スクリーン紗3における光の反射率を分光光度計(V−670、日本分光株式会社)を用いて測定したところ、ピーク波長375nmの光の反射率(以下、単に「反射率」ともいう)が7.5%であった。
紫外線の照射によって硬化する物質(以下、「紫外線硬化物質」ともいう)として、ジアゾ樹脂のみを含む感光性樹脂(東京プロセスサービス株式会社製、製品名:TC−120)を用意した。用意した感光性樹脂を、版枠2に張られたスクリーン紗3にバケットを用いて塗布し、塗布された感光性樹脂を乾燥させた。感光性樹脂の塗布及び乾燥を繰り返し、8μmの厚さの遮蔽膜10を形成した。その後、遮蔽膜10の上面10dに、隣り合う2つのマスク11の間隔が30μmとなるように、幅が15μmの線状のマスク11を複数貼り付けて(15μmライン/30μmスペース)露光(紫外線を照射)及び現像した。露光及び現像した遮蔽膜10を、40℃の温水中に1分浸漬後、高圧スプレーガンによる水洗浄で、遮蔽膜10における紫外線により硬化していない領域を溶解して除去した。これらの処理により実施例1のスクリーン版1を得た。
(実施例2)
実施例1で使用した合成繊維を経糸3a及び緯糸3bとして、経糸3a、緯糸3bとも330メッシュの密度で平織りに製織した以外は、実施例1と同様の方法で、版枠2に張った。このときの、スクリーン紗3における光の反射率を測定したところ、ピーク波長375nmの光の反射率が7.1%であった。その後、実施例1と同じ感光性樹脂を用いて実施例2のスクリーン版1を得た。
(実施例3)
実施例1で使用した合成繊維と同じ素材で、直径を30μmの芯鞘型複合繊維(株式会社クラレ製・製品名Vecry(登録商標))を用意した。この合成繊維を経糸3a及び緯糸3bとして、経糸3a、緯糸3bとも300メッシュの密度で平織りに製織し、スクリーン紗3を得た。作製したスクリーン紗3を、実施例1と同様の方法で版枠2に張った。このときの、スクリーン紗3における光の反射率を測定したところ、ピーク波長375nmの光の反射率が7.8%であった。その後、実施例1と同じ感光性樹脂を用いて実施例3のスクリーン版1を得た。
(比較例1)
合成繊維のモノフィラメントとして、ポリエステルからなる直径27μmの繊維を用意した。この合成繊維を経糸3a及び緯糸3bとして、経糸3a、緯糸3bとも420メッシュの密度で平織りに製織し、スクリーン紗3を得た。得られたスクリーン紗3を、実施例1と同様の方法で、版枠2に張り、版枠2に張られたスクリーン紗3を得た。このときの、スクリーン紗3における光の反射率を分光光度計(V−670、日本分光株式会社)を用いて測定したところ、ピーク波長375nmの光の反射率が8.3%であった。この版枠2に張られたスクリーン紗3を用いた以外の条件は、実施例1と同様の条件で、比較例1のスクリーン版1を得た。
(比較例2)
実施例1で使用した感光性樹脂の替わりに、紫外線硬化物質として、スチリルピリジニウム(SBQ)を付加したポリビニルアルコール(PVA)のみを含む感光性樹脂を用いた以外の条件は、実施例1と同様の条件で比較例2のスクリーン版1を得た。
(評価1)
実施例1〜3及び比較例1〜2のスクリーン版1において、遮蔽膜10に開口10aが形成されているか否かを拡大鏡により確認し、以下の評価基準に従って評価した。結果を後述する表1に示す。
≪評価基準≫
Good:遮蔽膜10に開口10aが確認できた。
Poor:遮蔽膜10に開口10aが確認できない。
表1に示すように、実施例1〜3のスクリーン版1は、遮蔽膜10に開口10aが形成されていることが確認できた。一方、比較例1〜2のスクリーン版1は、遮蔽膜10に開口10aが形成されていないことが確認できた。これらの結果から、実施例1〜3のスクリーン版1は、遮蔽膜10における紫外線が直接照射されていない領域が硬化しにくく、細い線を含む所定の印刷パターンに対応する開口10aが形成されやすいことが理解できた。従って、本実施形態のスクリーン版1は、細い線を含む所定の印刷パターンを印刷しやすいことが理解できた。一方、比較例1や比較例2のスクリーン版1は、遮蔽膜10における紫外線が直接照射されていない領域が硬化しやすく、細い線を含む所定の印刷パターンに対応する開口10aが形成できないことが理解できた。従って、ピーク波長375nmの光の反射率が8%を超えるスクリーン紗3が用いられるスクリーン版1や、ジアゾ樹脂以外の紫外線硬化物質を含有するスクリーン版1は、細い線を含む所定の印刷パターンを印刷しにくいことが理解できた。

Claims (4)

  1. 版枠と、
    液晶ポリマーを含む合成繊維の経糸と緯糸を用いてなり、前記版枠に張られているスクリーン紗と、
    所定の印刷パターンに対応する開口を備え、前記スクリーン紗に形成されている遮蔽膜と、を有し、
    前記スクリーン紗は、ピーク波長375nmの光の反射率が8%以下であり、
    前記遮蔽膜は、紫外線により硬化可能なジアゾ樹脂を含むことを特徴とするスクリーン版。
  2. 前記経糸が並べられる方向における前記経糸の最大径と、前記緯糸が並べられる方向における前記緯糸の最大径のそれぞれが30μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン版。
  3. 前記スクリーン紗のメッシュ数が300以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のスクリーン版。
  4. 前記遮蔽膜の厚さが20μm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のスクリーン版。
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