JPWO2009116336A1 - スクリーン印刷版及びスクリーン印刷版の製造方法 - Google Patents

スクリーン印刷版及びスクリーン印刷版の製造方法 Download PDF

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Abstract

スキージ圧の不均衡によるメッシュ痕を効果的に低減できると共に、製造に要する時間やコストを削減でき生産性に優れるスクリーン印刷版を提供する。複数の経糸3及び緯糸4が交差して平面状に編みこまれたメッシュ層5と、メッシュ層5の一面側に形成され、平坦なシート体によって平滑処理された第一平滑面6を有する印刷側レジスト層7と、メッシュ層5の他面側に形成され、平坦なシート体によって平滑処理された第二平滑面8を有するスキージ側レジスト層9とを有する。

Description

本発明は、孔版印刷に用いられる印刷版及びその製造方法に関するものであり、特に、スクリーン印刷に用いられるスクリーン印刷版及びその製造方法に関するものである。
従来、孔版印刷方式の一つとして、スクリーン印刷と呼ばれる印刷法がある。スクリーン印刷とは、紗と呼ばれるメッシュのスクリーンを用いた印刷法であり、使用するインキの種類を選ばない、版面に柔軟性があり被印刷対象物に対する適応性が高い、インキの厚さを選ばない、版の原理がシンプルである、等の様々な利点を有する。そのため、商業印刷物だけではなく、プリント配線や液晶基板といった工業製品にも広く利用されている。
スクリーン印刷の製版方法について、図7を用いてより具体的に説明する。図7(a)はスクリーン印刷版54の平面図であり、図7(b)は図7(a)のA−A断面図であり、図7(c)はスクリーン印刷版54を用いて印刷した被印刷対象物55の断面図である。まず、所定の枠に複数の経糸50及び緯糸51を交差して編みこんだ紗と呼ばれるメッシュのスクリーンを用意する。そして、メッシュの隙間を充填するように、スクリーンの全面に耐酸性感光膜(レジスト)52を塗布し、原版(ポジフィルム等)を用いて露光、現像する。すると、図7(a)及び図7(b)に示すように、原版のパターンに応じてレジスト52の一部が除去され、開口部53が形成される。こうして、スクリーン印刷版54が形成される。
スクリーン印刷は、図7(b)に示すように、スクリーン印刷版54を被印刷対象物55に押し当て、上からインク56(図7(c)参照。以下同じ)を塗布することで行われる。詳細には、インク56をスクリーン印刷版54上に乗せ、ゴムヘラ等を用いて一面に塗りのばしていく(「スキージ」等と呼ばれる)。すると、インク56が開口部53を通じて被印刷対象物55に転写される。そして、スクリーン印刷版54を取り除くと、図7(c)に示すように、開口部53の平面形状に応じた形状で、インク56が被印刷対象物55に印刷される。
しかし、上述したようなスクリーン印刷版54を用いると、被印刷対象物55の被印刷面に傷をつけるおそれがある。すなわち、図7(b)に示すように、レジスト52と被印刷対象物55とが直に接する構成なので、スキージの際にスクリーン印刷版54が被印刷対象物55に押し付けられると、その圧力によって被印刷面に傷(「メッシュ痕」等と呼ばれる)がつく場合があった。特に、経糸50と緯糸51との交差部K(図7(a),(b):一点鎖線円部参照)には、表面段差があるので、スキージ圧の不均衡を生じさせ、被印刷対象物55に対して強い圧力がかかり、被印刷面に傷をつけやすいという問題があった。
そこで、印刷版に、レジスト以外の硬質層を付加する構成が採られることがあった。例えば特許文献1に示すように、印刷版の印刷面側(被印刷対象物に対向する面)に金属層を電着する構成等が知られている。このように構成すると、スキージ圧の不均衡によって生じたストレスが金属層によってブロックされ、被印刷対象物に伝わらない。これにより、スキージ圧の不均衡による被印刷面へのメッシュ痕を低減することができる。
また、特許文献2に示すように、印刷版の印刷面側に突起部(印刷突起部)を設ける構成も知られている。このように構成すると、印刷版の突起部以外における箇所を被印刷対象物に対して非接触状態にできるので、スキージ圧による被印刷面へのメッシュ痕を低減することができる。
特開平10−186298号公報 特開平06−64359号公報
しかし、従来の印刷版には、以下に掲げる問題があった。例えば、特許文献1に示す印刷版によれば、製造に要する時間とコストが大きいという問題があった。すなわち、特許文献1に示す印刷版は、電着という電気化学反応を利用しているので、その反応に要する時間を短縮することは物理的、コスト的に難しいという側面があった。当然ながら、形成する金属層を薄膜化すれば反応に要する時間を短縮することは可能であるが、そうすると、金属層の硬度が十分に保てず、スキージ圧をブロックする能力が低下する。従って、メッシュ痕を十分に低減するためには、電着に要する時間を十分に短縮することができず、印刷版の製造に要する時間やコストを削減できないという本質的な問題があった。
また、特許文献2に示す印刷版によれば、複数の突起部(以下、「リブ」と称す)間の間隔を広くすることが難しいという問題があった。例えば、リブとリブとの間に被印刷面を配置した場合、被印刷面が大きくなると、リブ間の間隔を広くする必要がある。しかし、あまりにリブ間の間隔を広くすると、印刷版がたわんで被印刷面に接触する場合があり好適ではなかった。
この問題を解決するためには、リブの高さや幅を増大させて、印刷版のたわみを軽減するという方法が考え得る。しかし、リブの幅が大きくなりすぎると、複数の被印刷対象物が一枚のマザー基板中にあった場合、その大きさやピッチを狭めることができないという問題があった。特に、被印刷対象物が液晶基板であった場合などは、使用できるマザー基板の面積が決められており、その中でいくつのパネル個数(被印刷対象物)を面付けできるかが重要な問題となる。こうした場合、リブの幅が大きくなると、その分印刷可能面積が削減されて、面付けできるパネルの個数が制限されてしまい、パネルの生産性を著しく損なわせていた。
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、スキージ圧の不均衡によるメッシュ痕を効果的に低減できると共に、製造に要する時間やコストを削減でき生産性に優れるスクリーン印刷版及びスクリーン印刷版の製造方法の提供を課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明に係るスクリーン印刷版は、「複数の経糸及び緯糸が交差して平面状に編みこまれたメッシュ層と、
該メッシュ層の一面側に形成され、平坦なシート体によって平滑処理された第一平滑面を有し、被印刷対象物と当接する第一レジスト層と、
前記メッシュ層の他面側に形成され、平坦なシート体によって平滑処理された第二平滑面を有する第二レジスト層と
を有することを特徴とする」ものとすることができる。
ここで、「経糸及び緯糸」としては、例えばポリエステル等の合成繊維、シルク、ステンレススチール等の金属繊維、等の材質が例示できる。また、「被印刷対象物」としては、紙、ガラス、合成樹脂、金属、布、木材、陶磁器、等、様々な材質が例示できる。さらに、平面形状だけではなく、曲面形状を有する物体も含まれる。また、「被印刷対象物」に印刷する媒体として、顔料や染料を用いた通常のインクだけではなく、紫外線硬化型インクや接着剤等も一例として挙げることができる。
また、「他面側」とは、平面状に編みこまれたメッシュ層の両面側のうち、「被印刷対象物に対向して使用され」る「一面側」の裏面側のことであり、印刷時にゴムヘラ等を用いてスキージされる側の面を示している。
さらに、「平坦なシート体」としては、例えばポリエチレンテレフタラート(PET)やポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエチレン等の薄膜フィルムが例示できるが、平坦な表面形状を有するものであれば、その材質は前述のものに限定されない。
また、「第一レジスト層」及び「第二レジスト層」は、メッシュ層に直接塗布したものでも良いし、感光性フィルムに塗布したものをメッシュ層に転写したものでも良い。要するに、直接法、間接法、及び直間法の何れの手法で形成させたものでも構わない。
本発明のスクリーン印刷版によれば、被印刷対象物に対向して使用される第一レジスト層だけではなく、その他面側に形成される第二レジスト層が平滑処理されている。すなわち、メッシュ層の両面のうち、ゴムヘラ等でスキージする平面側が平滑処理されているから、経糸と緯糸との交差部分における表面段差が平滑化され、スキージ圧の不均衡を生じさせない。これにより、当該不均衡に起因するストレスが発生しないので、効果的にメッシュ痕を低減できるスクリーン印刷版が提供できる。
また、本発明のスクリーン印刷版によれば、メッシュ層の他面側が第二レジスト層によって平滑処理されている。従って、一面側に金属層を蒸着する従来の印刷版に比べて、製版に要する時間とコストとを大幅に短縮できるスクリーン印刷版が提供できる。さらに、本発明のスクリーン印刷版によれば、リブを設けて被印刷対象物を保護する必要が無いから、マザー基板中における被印刷対象物(パネル)の大きさやピッチを狭める必要が無い。よって、パネルの生産性に優れるスクリーン印刷版が提供できる。
また、本発明に係るスクリーン印刷版において、「前記第二平滑面の表面粗さは、Rzが0.01μm以上5μm以下であることを特徴とする」ものとしても良い。
ここで、「Rz」とは、十点平均高さを示し、抽出断面曲線から基準長さだけを抜き取った部分において、最高から5番目までの山頂の標高の平均値と、最深から5番目までの谷底の標高の平均値との差の値をマイクロメートル(μm)で表わしたものを云う。
従って、本発明のスクリーン印刷版によれば、第二平滑面の表面粗さがRzで0.01μm以上5μm以下である。これにより、スキージ圧の不均衡による被印刷面へのメッシュ痕を低減し、生産性に優れるスクリーン印刷版を提供できる。
ところで、スキージ圧の不均衡を低減する別の方法として、例えば第二レジスト層の膜厚を厚くした構成も考え得る。膜厚を厚くすればその表面が平坦化される傾向があるし、スキージの際に発生する圧力が被印刷面へと伝わり難くなるからである。しかし、この構成によれば、第二レジスト層の形成に要する時間が増大して、スクリーン印刷版の製造タクトが大きくなるという問題がある。また、第二レジスト層の膜厚があまりに厚いと、印刷時に要するインクの量も増大して好ましくなかった。
これに対し、本発明のスクリーン印刷版によれば、メッシュ層の他面側に、平坦なシート体によって平滑処理された第二平滑面を有している。これにより、第二レジスト層の膜厚を増大させることなく、Rzが0.01μm以上5μm以下という平滑なスキージ面を得ており、製造タクトを短縮できると同時に印刷時に要するインクの量も低減できる。
また、本発明のスクリーン印刷版において、「前記第一平滑面及び前記第二平滑面の表面粗さは、Rzが0.01μm以上5μm以下であることを特徴とする」ものとしても良い。
本発明のスクリーン印刷版によれば、第二平滑面に加え、さらに第一平滑面もRzが0.01μm以上5μm以下である。従って、メッシュ痕を低減できると共にインク滲み等の問題を低減し、より高性能なスクリーン印刷を実現するスクリーン印刷版を提供できる。
さらに、本発明のスクリーン印刷版において、「前記第一平滑面の表面粗さは、Rzが0.01μm以上5μm以下であり、前記第二平滑面の表面粗さは、Rzが0.01μm以上3μm以下であることを特徴とする」ものとしても良い。
本発明のスクリーン印刷版によれば、第一平滑面の表面粗さはRzが0.01μm以上5μm以下であり、かつ、第二平滑面の表面粗さは、Rzが0.01μm以上3μm以下である。従って、より高性能なスクリーン印刷を実現するスクリーン印刷版を提供できる。
また、本発明のスクリーン印刷版において、「前記第一平滑面の表面粗さは、Rzが0.01μm以上3μm以下であり、前記第二平滑面の表面粗さは、Rzが0.01μm以上5μm以下であることを特徴とする」ものとしても良い。
本発明のスクリーン印刷版によれば、第一平滑面の表面粗さはRzが0.01μm以上3μm以下であり、かつ、第二平滑面の表面粗さは、Rzが0.01μm以上5μm以下である。従って、高性能なスクリーン印刷を実現するスクリーン印刷版を提供できる。
さらに、本発明のスクリーン印刷版において、「前記第一平滑面及び前記第二平滑面の表面粗さは、Rzが0.01μm以上3μm以下であることを特徴とする」ものとしても良い。
本発明のスクリーン印刷版によれば、第二平滑面に加え、さらに第一平滑面もRzが0.01μm以上3μm以下である。従って、よりメッシュ痕を低減できると共にインク滲み等の問題を低減し、高性能なスクリーン印刷を実現するスクリーン印刷版を提供できる。
本発明に係るスクリーン印刷版の製造方法は、「複数の経糸及び緯糸が交差して平面状に編みこまれたメッシュ層の一面側から、第一レジスト剤を塗布して第一レジスト層を形成する第一レジスト層形成工程と、
前記第一レジスト層の表面に、平坦な第一シート体を貼着し、前記第一レジスト層の表面を前記第一シート体の貼着面に倣って平滑処理する第一平坦化工程と、
前記第一シート体を前記第一レジスト層の表面から剥離する第一剥離工程と、
前記メッシュ層の他面側から、第二レジスト剤を塗布して第二レジスト層を形成する第二レジスト層形成工程と、
前記第二レジスト層の表面に、平坦な第二シート体を貼着し、前記第二レジスト層の表面を前記第二シート体の貼着面に倣って平滑処理する第二平坦化工程と、
前記第二シート体を前記第二レジスト層の表面から剥離する第二剥離工程と
を有する」ものとすることができる。
ここで、「一面側」及び「他面側」とは、平面状のメッシュ層のいずれか一面側であることを示している。すなわち、何れか一方が、印刷時において被印刷対象物に対向して使用される一面側であり、他方が、スキージされる他面側であることを示している。
また、「第一レジスト剤を塗布」する回数は、一回のみであっても良いし、複数回であっても良い。「第二レジスト剤を塗布」する回数も同様である。さらに、「第一レジスト剤を塗布」する回数と「第二レジスト剤を塗布」する回数とは同じであっても良いし、互いに異なる回数を選択しても良い。必要に応じて適宜に選択可能である。
さらに、「第一レジスト層の表面を第一シート体の貼着面に倣って平滑処理する」方法としては、以下の方法が例示できる。すなわち、「第一レジスト層の表面全体に第一シート体を貼着し、その後、第一レジスト層全体を第一シート体側からメッシュ層側へと押圧及びスキージする」方法、及び「第一レジスト層の表面に第一シート体を押圧すると同時に、スキージしながら当該表面の全体に第一シート体を貼着していく」方法、等である。
また、第一レジスト層及び第二レジスト層を露光するタイミングとしては、本発明においては特に限定されない。例えば、「第一剥離工程」及び「第二剥離工程」の後、でも良いし、「第一剥離工程」及び「第二剥離工程」の前、でも良いし、「第一平坦化工程」及び「第二平坦化工程」の前、でも構わない。さらに、「第一レジスト層を露光する第一露光工程を具備すると共に、第二レジスト層を露光する第二露光工程を具備する」としても良い。
さらに、「第一平坦化工程」及び「第二平坦化工程」の回数は、各一回に限定されるものではない。第一レジスト層及び第二レジスト層を露光する前と後とで二回以上行っても当然構わない。さらに、「第一平坦化工程」及び「第二平坦化工程」は、何れか一方が終了した後に他方の工程を行うものであっても良いし、各工程を同時に行うものでも良い。同様にして、「第一剥離工程」及び「第二剥離工程」は、何れか一方が終了した後に他方の工程を行うものであっても良いし、同時に行っても良い。
従って、本発明のスクリーン印刷版の製造方法によれば、第一レジスト層形成工程、第一平坦化工程、及び第一剥離工程が具備されているから、メッシュ層の一面側に、平滑処理された第一レジスト層を得ることができる。また、第二レジスト層形成工程、第二平坦化工程、及び第二剥離工程が具備されているから、メッシュ層の他面側にも、平滑処理された第二レジスト層を得ることができる。これにより、メッシュ層の両面側のレジスト層が平滑処理されているから、スキージの際にスキージ圧の不均衡が起きず、印刷面へのメッシュ痕を効果的に低減できる。また、金属層等を別途形成する従来の印刷版に比べ、レジスト層を加工することによって平滑面を得ているから、製版に要する時間とコストを大幅に低減できる製造方法が提供できる。
また、本発明に係るスクリーン印刷版の製造方法において、「前記第一シート体が貼着された状態で前記第一レジスト層を乾燥させる片面乾燥工程をさらに具備し、
該片面乾燥工程の後に、前記第二レジスト層形成工程、前記第二平坦化工程、及び前記第二剥離工程を行う」ものとすることができる。
ところで、第一シート体を第一レジスト層から剥離する前に第二シート体を貼着すると、第一レジスト層及び第二レジスト層が各シート体(第一シート体及び第二シート体)に挟まれた状態で乾燥されることになる。そうすると、レジスト層内の溶剤蒸発(なお、溶剤としては、有機溶剤だけではなく水分も含まれる)が各シート体によって妨げられ、乾燥時間が長くなる傾向があった。
これに対し、本発明によれば、第一シート体が貼着された状態で第一レジスト層を乾燥させる片面乾燥工程を具備している。これにより、第一レジスト層の乾燥が第二シート体によって妨げられないので、乾燥に要する時間を可及的に短くすることができる。さらに、片面乾燥工程の後に第二レジスト層形成工程乃至第二剥離工程が行われるので、第二レジスト層の乾燥が第一シート体によって妨げられることもない。これにより、乾燥に要する時間をさらに効率化することができ、製造に要する時間を大幅に減縮し得るスクリーン印刷版の製造方法が提供できる。
また、本発明に係るスクリーン印刷版の製造方法において、「前記第一シート体及び前記第二シート体がそれぞれ前記第一レジスト層及び前記第二レジスト層に貼着された状態で、前記第一レジスト層及び前記第二レジスト層を乾燥させる両面乾燥工程をさらに具備し、
該両面乾燥工程の後に、前記第一剥離工程及び前記第二剥離工程を行う」ものとすることができる。
従って、本発明のスクリーン印刷版の製造方法によれば、両面乾燥工程が具備されているから、より平滑性の高い第一レジスト層または第二レジスト層を得る事が期待できる。何故ならば、一方のレジスト層の乾燥工程を終了した後に、他方のレジスト層の乾燥工程や剥離工程を行うと、他方のレジスト層の乾燥が進行する間に一方のレジスト層の表面にゴミや溶剤等が付着する場合が考えられる。これに対し、本発明のスクリーン印刷版の製造方法によれば、第一レジスト層と第二レジスト層との乾燥工程がほぼ同時に進行するので、一方のレジスト層の表面にゴミや溶剤等が付着する懸念が払拭される。これにより、一層平滑性の高い第一レジスト層または第二レジスト層を得る事が期待できるので、印刷完成度の高いスクリーン印刷版の製造方法が提供できる。
このように、本発明のスクリーン印刷版及びスクリーン印刷版の製造方法によれば、被印刷対象物に対向して使用される一面側と、スキージされる他面側との両面に平滑処理されたレジスト層を得ることができる。これにより、効果的にメッシュ痕を低減できると共に、製版に要する時間とコストとを大幅に短縮できるスクリーン印刷版が提供できる。
本発明のスクリーン印刷版の断面を模式的に示した図である。 メッシュ痕の測定結果を示すグラフ及び表である。 スクリーン印刷版の製造方法の流れを示すフローチャートである。 スクリーン印刷版の製造方法を説明する説明図である。 スクリーン印刷版の別の製造方法の流れを示すフローチャートである。 スクリーン印刷版の別の製造方法を説明する説明図である。 従来のスクリーン印刷を説明する説明図である。
以下、本発明の一実施形態であるスクリーン印刷版及びスクリーン印刷版の製造方法について、図1乃至図4に基づいて説明する。図1はスクリーン印刷版の断面を模式的に示した図であり、図2はスクリーン印刷版を用いた印刷時におけるメッシュ痕の測定結果を示す(a)表及び(b)グラフであり、図3はスクリーン印刷版の製造方法の流れを示すフローチャートであり、図4はスクリーン印刷版の製造方法を説明する説明図である。
図1は、本例のスクリーン印刷版1の断面を模式的に示したものである。なお、図1では、説明を簡単にするために、各構成要素の縮尺を任意に変更している。また、メッシュ層5、印刷側レジスト層7、及びスキージ側レジスト層9の一部を省略して示している。本発明のスクリーン印刷版1は、図1に示すように、複数の経糸3及び緯糸4が交差して編みこまれたメッシュ層5と、第一平滑面6を有する印刷側レジスト層7と、第二平滑面8を有するスキージ側レジスト層9とを有している。
メッシュ層5は、経糸3及び緯糸4で構成されている。経糸3及び緯糸4は、ポリアリレートよりなる繊維の糸が縦横に交差して編みこまれたものが、950mm×1100mmの枠体2の一面に貼られている。経糸3及び緯糸4の編みこみ形式としては、平織り法やあや織り法などが一般に知られているが、本実施形態では平織り法(経糸3と緯糸4とが交互に交錯した織り組織)により編みこまれている。
印刷側レジスト層7は、メッシュ層5の一面側に形成されている。ここで、「一面側」とは、被印刷対象物(本例では液晶基板)に当接して使用される面を示している。印刷側レジスト層7は、より詳細にはメッシュ層5の一面側に、公知の感光性乳剤を25μmの厚さで塗布して形成されている。また、印刷側レジスト層7は、被印刷対象物と接する側の表面に第一平滑面6を有している。第一平滑面6は、平坦な第一シート体10(後述する)によって平滑処理されており、その表面粗さは、Rzで2.30μmを達成している。ここで、「印刷側レジスト層7」が、本発明の「第一レジスト層」に相当する。
スキージ側レジスト層9は、メッシュ層5の他面側に形成されている。ここで、「他面側」とは、「一面側」の裏面側であり、スクリーン印刷時にゴムヘラ等を用いてスキージされる側を示している。スキージ側レジスト層9は、より詳細にはメッシュ層5の他面側に、公知の感光性乳剤を5μmの厚さで塗布して形成されている。また、スキージ側レジスト層9は、スキージ側の表面に第二平滑面8を有している。第二平滑面8は、平坦な第二シート体13(後述する)によって平滑処理されており、その表面粗さは、Rzで1.60μmを達成している。ここで、「スキージ側レジスト層9」が、本発明の「第二レジスト層」に相当する。なお、本例では「一面側」が「印刷側レジスト層7」であり、「他面側」が「スキージ側レジスト層9」である場合を例示しているが、この逆(「一面側」が「スキージ側レジスト層9」であり、「他面側」が「印刷側レジスト層7」である場合)であっても構わない。
続いて、本例のスクリーン印刷版1を用いてスクリーン印刷した場合における、メッシュ痕の測定結果を図2に示す。なお、図2では、比較の為に、本例のスクリーン印刷版1以外の印刷版を用いた場合におけるメッシュ痕の測定結果も併記している。
図2(a)は、本例のスクリーン印刷版1を用いて印刷した場合における、被印刷対象物に現れたメッシュ痕の面積を測定した結果を示すグラフである。ここで、図2(a)の各測定項目は、以下のように対応している。
すなわち、
加工の有無
両面F無し:第一平滑面6及び第二平滑面8を有さないスクリーン印刷版(両面とも平滑加工が施されていない)
片面F :第一平滑面6のみを有するスクリーン印刷版(印刷側レジスト層7のみ平滑加工が施されている)
両面F :第一平滑面6及び第二平滑面8を有するスクリーン印刷版1(両面とも平滑加工が施されている)
メッシュ痕の大きさ:被印刷面中で測定エリア65×195[μm]をマザー基板中で10箇所測定し、得たそれぞれの値の平均をメッシュ痕の面積として示したものである。
Ave. :被印刷面の測定エリア中におけるメッシュ痕の面積平均値を示したものである。
Max. :被印刷面の測定エリア中におけるメッシュ痕の面積最大値を示したものである。
Min. :被印刷面の測定エリア中におけるメッシュ痕の面積最小値を示したものである。
また、図2(b)は、図2(a)の測定結果をグラフ化したものである。棒線部は、図2(a)において測定されたメッシュ痕のばらつき範囲(最大値から最小値)を示しており、黒丸部は、メッシュ痕の平均値を示している。
本測定により、第一平滑面6及び第二平滑面8の存在による、印刷時のメッシュ痕の影響について確認した。
図2に示すように、両面とも平滑処理を施さないスクリーン印刷版(両面F無し)に比べて、平滑処理を施されたスクリーン印刷版(片面F、及び両面F)は、メッシュ痕の大きさの最大値と最小値とが何れも小さくなることが判明した。また、メッシュ痕のばらつき範囲(最大値−最小値)も小さくなっており、面積平均値も低減している。
特に、第一平滑面6及び第二平滑面8を有する本例のスクリーン印刷版1(両面F)は、第一平滑面6のみを有するもの(片面F)に比べてメッシュ痕の面積平均値、面積最大値、面積最小値、及びばらつき範囲の何れもが小さくなっており、メッシュ痕の低減に関して高い効果を有していることが判明した。
続いて、図3及び図4に基づき、本例のスクリーン印刷版の製造方法T1について説明する。なお、図4及び(後述の)図6では、枠体2の図示を省略している。まず、図3に示すように、ステップS1において、枠体2(図4参照。以下同じ)に貼られたメッシュ層5(図4参照。以下同じ)を浄水や中性洗剤等を用いて洗浄する。そして、所定時間放置して、自然乾燥により乾燥させる(「S1:洗浄工程」)。
次に、ステップS2において、メッシュ層5の一面側に印刷側レジスト層7を形成する。本例では、メッシュ層5に直接感光性乳剤を塗布することで印刷側レジスト層7を形成している。より詳細には図4(a)に示すように、まず、枠体2を所定の傾斜角度に立てかけ、メッシュ層5の一面側に感光性乳剤を塗布する。そして、乾燥機を使用して約40℃で乾燥させる。その後、再度感光性乳剤を塗布し、再度約40℃で乾燥させる。こうして、印刷側レジスト層7の厚みが25μmになるまで、乳剤の塗布と乾燥とを繰り返す(「S2:印刷側レジスト層形成工程」)。印刷側レジスト層7の厚みが25μmに達したら、乳剤を塗布した段階で(すなわち乾燥する前に)、ステップS3へと移行する。
ステップS3の「印刷側レジスト層平坦化工程」では、印刷側レジスト層7の表面(被印刷対象物と接する側の表面)に第一シート体10を貼着する。第一シート体10は、表面が平坦かつ平滑なもので、枠体2の内寸法と略等しく厚さ100.01μm程度であるポリエチレンテレフタラートのフィルムを採用している。より詳細には図4(b)に示すように、印刷側レジスト層7の一辺側に第一シート体10を配置し、その表面をバケット11で押圧し、摺動させながら(スキージ)他辺側へ向って貼着していく。当該押圧は、印刷側レジスト層7の表面側からメッシュ層5側へと向って第一シート体10を押し付けて行う。これにより、印刷側レジスト層7の表面が第一シート体10に倣って平滑化される。印刷側レジスト層7の他辺側まで貼着を終えると、ステップS4へと移行する。
ステップS4の「片面乾燥工程」では、第一シート体10を貼着した状態で印刷側レジスト層7を乾燥させる。乾燥条件としては特に限定されるものではないが、本例では乾燥機を使用して約40℃で乾燥させている。ステップS3において平滑化された印刷側レジスト層7は、乾燥に伴って平滑な状態を維持して硬化していく。本例では、第一シート体10が貼着されているので、乾燥に伴い乳剤が収縮する現象も低減される。また、本例によれば、メッシュ層5の他面側にはレジスト層が形成されておらず、シート体も配置されていないので、比較的迅速に乾燥が終了する。所定時間が経過し、印刷側レジスト層7の乾燥が終了すると、ステップS5へと移行する。
ステップS5の「第一剥離工程」では、ステップS4にて貼着した第一シート体10を印刷側レジスト層7の表面から剥離する。そうすると、図4(c)に示すように、印刷側レジスト層7に第一平滑面6が形成される。そして、ステップS6に移行する。
ステップS6の「印刷側レジスト層露光・現像工程」では、まず、第一平滑面6を有する印刷側レジスト層7を露光する。より詳細には、所定の印刷形状に対応したポジフィルムを印刷側レジスト層7に密着させ、超高圧水銀灯を所定時間照射させて印刷側レジスト層7を露光する。そうすると、ポジフィルムの形状に応じて印刷側レジスト層7が局所的に感光して硬化する。そして、印刷側レジスト層7を枠2やメッシュ層5ごと水中に沈めて揺動させる。すると、未感光部分の印刷側レジスト層7がメッシュ層5上より脱落し、所望の開口部12が形成された印刷側レジスト層7が得られる(例えば図4(d)参照)。印刷側レジスト層7の現像が終了すると、ステップS7に移行する。
ステップS7の「スキージ側レジスト層形成工程」では、メッシュ層5の他面側にスキージ側レジスト層9を形成する。本例では、メッシュ層5に直接感光性乳剤を塗布して形成している。より詳細には図4(d)に示すように、メッシュ層5の他面側に感光性乳剤を塗布する。本例では、スキージ側レジスト層9の厚みは5μmである。従って、印刷側レジスト層7とは異なり、一回の乳剤塗布でスキージ側レジスト層9を得ている。乳剤を塗布した段階で(すなわち乾燥する前に)、ステップS8へと移行する。
ステップS8では、スキージ側レジスト層9の表面(スキージ面)に第二シート体13を貼着する。第二シート体13は、第一シート体10と同様にポリエチレンテレフタラートのフィルムを採用している。サイズも第一シート体10と同様である。より詳細には図4(e)に示すように、スキージ側レジスト層9の一辺側に第二シート体13を配置し、その表面をバケット11で押圧し、スキージしながら他辺側へ向って貼着していく。当該押圧は、スキージ側レジスト層9の表面側からメッシュ層5側へと向って第二シート体13を押し付けて行う。これにより、スキージ側レジスト層9の表面が第二シート体13に倣って平滑化される(「S8:スキージ側レジスト層平坦化工程」)。他辺側まで貼着を終えると、ステップS9へと移行する。
ステップS9の「スキージ側レジスト層乾燥工程」では、第二シート体13を貼着した状態でスキージ側レジスト層9を乾燥させる。乾燥の過程については、「S4:片面乾燥工程」とほぼ同じなので、詳細な説明は省略する。所定時間が経過し、スキージ側レジスト層9の乾燥が終了すると、ステップS10へと移行する。
ステップS10の「第二剥離工程」では、ステップS9にて貼着した第二シート体13をスキージ側レジスト層9の表面から剥離する。そうすると、図4(f)に示すように、スキージ側レジスト層9に第二平滑面8が形成される。そして、ステップS11に移行する。
ステップS11の「スキージ側レジスト層露光・現像工程」では、第二平滑面8を有するスキージ側レジスト層9を露光する。露光の過程については、「S6:印刷側レジスト層露光・現像工程」とほぼ同じなので、詳細な説明は省略する。スキージ側レジスト層9の露光、現像が終了すると、図4(g)に示すような、開口部12が形成されたスクリーン印刷版1を得ることができる。
なお、上記では、ステップS5が終了した後にステップS6を行う場合を例示したが、この例には限定されない。ステップS5が終了した後にステップS7に移行し、かつ、ステップS10が終了した後にステップS6及びステップS11に移行しても良い。つまり、第一シート体10を印刷側レジスト層7の表面から剥離した後にスキージ側レジスト層9の形成を行い、その後、第二シート体をスキージ側レジスト層9の表面から剥離した後に、印刷側レジスト層7及びスキージ側レジスト層9の露光・現像を行う場合も例示できる。前述のように、ステップS6の終了後にステップS7以降を行うと、印刷側レジスト層7を露光によって硬化させた後にスキージ側レジスト層9の形成等を行える。これにより、スキージ側レジスト層9の平滑処理中に印刷側レジスト層7の平滑性が損なわれるおそれが無いという利点がある。一方、ステップS10の終了後にステップS6及びステップS11を行うと、各レジスト層の露光・現像作業を一括して行え、作業効率が良いという利点がある。
以上、説明したように、本例のスクリーン印刷版の製造方法T1によれば、スキージ側レジスト層形成工程S7乃至第二剥離工程S10が具備されているから、メッシュ層5の他面側に第二平滑面8を有するスキージ側レジスト層9を得ることができる。これにより、スキージ時におけるスキージ圧の不均衡が起きず、被印刷対象物へのメッシュ痕を効果的に低減できる。また、金属層等を別途形成する従来の印刷版に比べ、レジスト層を加工することによって平滑面を得ているから、製版に要する時間とコストを大幅に低減できる製造方法が提供できる。さらに、片面乾燥工程S4を具備しているから、メッシュ層5の他面側にはレジスト層やシート体が配置されていないので、比較的迅速に乾燥工程が終了する。従って、スクリーン印刷版1の生産性を高めることができる。
このような製造方法T1によって得られたスクリーン印刷版1について、第一平滑面6及び第二平滑面8の表面粗さについて測定した。測定条件としては、市販の触針式表面粗さ測定機を用い、カットオフ値を0.80mmとしてRz値を6回測定し、その平均値を測定結果とした。その結果、第一平滑面6の表面粗さは2.30μmであり、第二平滑面8の表面粗さは1.60μmという値を記録した。
比較として、S3乃至S5、及びS8乃至S10の工程を経ずに得られた従来のスクリーン印刷版(いわゆる「両面とも平滑加工を施されていない」スクリーン印刷版)は、上記条件にて測定した結果、スキージ側レジスト層9の平滑度が6.10μmであった。すなわち、本例のスクリーン印刷版の製造方法T1によって、第一平滑面6及び第二平滑面8の表面粗さが何れもRzで3.0μm以下である、という高い平滑度を実現していることが確認できた。
なお、参考までに、上記の製造方法T1において、本例のメッシュ層5以外を用いて作成した場合のスクリーン印刷版1について、同条件にて測定した結果を表1に示す。
Figure 2009116336
ここで、表1中の「メッシュ層の種類」とは、以下の通りである。
メッシュ層5:本例のメッシュ層5(ポリアリレートの繊維糸より構成したメッシュ層)
比較例1 :ポリエステルの繊維糸より構成したメッシュ層
比較例2 :ステンレスの鋼線より構成したメッシュ層
比較例3 :カレンダー処理を施したステンレス鋼線のメッシュ層
上記に示すように、本発明のスクリーン印刷版の製造方法T1によれば、第一平滑面6のRzが0.01μm以上5μm以下であり、第二平滑面8のRzが0.01μm以上3μm以下、という高い平滑度を有するスクリーン印刷版1を得られることが確認できた。特に、本例のメッシュ層5によれば、、第一平滑面6及び第二平滑面8のRzが双方とも0.01μm以上3μm以下であるという、高い平滑度を有するスクリーン印刷版1を得られている。
次に、本発明の別の実施形態であるスクリーン印刷版の製造方法T2について、図5及び図6に基づき説明する。図5はスクリーン印刷版の別の製造方法の流れを示すフローチャートであり、図6はスクリーン印刷版の別の製造方法を説明する説明図である。
図5に示すように、本例のスクリーン印刷版の製造方法T2では、まず、ステップU1において、枠体2(図6参照。以下同じ)内に配設されたメッシュ層5(図6参照。以下同じ)を浄水や中性洗剤等を用いて洗浄する。そして、所定時間放置して、自然乾燥により乾燥させる。
次に、ステップU2において、図6(a)に示すようにメッシュ層5の一面側に印刷側レジスト層7を形成する(「U2:印刷側レジスト層形成工程」)。印刷側レジスト層7の形成方法については、ステップS2の「印刷側レジスト層形成工程」と同様であるので、詳細な説明は省略する。印刷側レジスト層7の厚みが25μmに達したら、乳剤を塗布した段階で(すなわち乾燥する前に)、ステップU3へと移行する。
ステップU3の「印刷側レジスト層平坦化工程」では、印刷側レジスト層7の表面を第一シート体10によって平滑処理する(図6(b)参照)。印刷側レジスト層7の平坦化工程については、「S3:印刷側レジスト層平坦化工程」と同様であるので詳述は省く。ステップU3において第一シート体10の貼着を終えると、ステップU4へと移行する。
ステップU4では、印刷側レジスト層7に第一シート体10が貼着された状態で、スキージ側レジスト層9を形成する(「U4:スキージ側レジスト層形成工程」)。より詳細には図6(c)に示すように、メッシュ層5の他面側に5μmの厚みで感光性乳剤を塗布する。この時、印刷側レジスト層7の表面には、第一シート体10が貼着されたままの状態である。スキージ側レジスト層9を形成すると、ステップU5へ移行する。
ステップU5の「スキージ側レジスト層平坦化工程」では、スキージ側レジスト層9の表面を第二シート体13にて平滑処理する(図6(d)参照)。当該平滑処理については、「S8:スキージ側レジスト層平坦化工程」と同様であるので詳述は省く。ステップU5が終了すると、ステップU6に移行する。
ステップU6では、第一シート体10及び第二シート体13を貼着した状態で、印刷側レジスト層7及びスキージ側レジスト層9を乾燥させる。本例では、印刷側レジスト層7の乾燥終了を待つことなくスキージ側レジスト層9の平坦化工程が行われる。従って、印刷側レジスト層7とスキージ側レジスト層9との乾燥がほぼ同時に進行する(図6(e)参照)。印刷側レジスト層7及びスキージ側レジスト層9の乾燥が終了すると、ステップU7に移行する。
ステップU7の「第一剥離工程」では、ステップU3にて貼着した第一シート体10を印刷側レジスト層7の表面から剥離する。そして、ステップU8の「第二剥離工程」に移行し、第二シート体13をスキージ側レジスト層9の表面から剥離する。そうすると、図6(f)に示すように、第一平滑面6を有する印刷側レジスト層7を得られると同時に、第二平滑面8を有するスキージ側レジスト層9が得られる。そして、ステップU9に移行する。
ステップU9では、超高圧水銀灯によって印刷側レジスト層7を所定時間露光する。さらにその後、スキージ側レジスト層9を露光し、現像する。すると、図6(g)に示すように、印刷側レジスト層7及びスキージ側レジスト層9に開口部12が形成され、所望の形状のスクリーン印刷版1が完成する。
以上のように、本例のスクリーン印刷版の製造方法T2によると、ステップU6の両面乾燥工程が具備されているから、印刷側レジスト層7とスキージ側レジスト層9との乾燥がほぼ同時に進行する。従って、各レジスト層の平滑性が損なわれることなく乾燥工程が進行するので、高い平滑性を有するスクリーン印刷版1を実現し得る。これにより、一層印刷完成度を高め得るスクリーン印刷版1が提供できる。
以上、説明したように、本例のスクリーン印刷版1によれば、第二平滑面8を有するスキージ側レジスト層9を得ることができる。これにより、効果的にメッシュ痕を低減できると共に、製版に要する時間とコストとを大幅に短縮できるスクリーン印刷版1が提供できる。また、本例のスクリーン印刷版1によれば、スキージ側レジスト層9を厚膜化することなく(5μm)第二平滑面8を得ている。これにより、インク量を増やすことなくスクリーン印刷をすることが可能となり、生産性の高いスクリーン印刷を実現するスクリーン印刷版1を得ることができる。
また、本例のスクリーン印刷版の製造方法T1によれば、ステップS4の片面乾燥工程を具備している。これにより、印刷側レジスト層7が迅速に乾燥するので、製造に要する時間を大幅に減縮し得る。一方、本例のスクリーン印刷版の製造方法T2によれば、ステップU6の両面乾燥工程が具備されている。これにより、印刷側レジスト層7とスキージ側レジスト層9との乾燥がほぼ同時に進行するので、高い平滑性を有するスクリーン印刷版1を実現し得る。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、直接法にてレジスト層を形成する「S2:印刷側レジスト層形成工程」、「S7:スキージ側レジスト層形成工程」、「U2:印刷側レジスト層形成工程」、及び「U4:スキージ側レジスト層形成工程」を例示したが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、既に所定形状にパターニングされたフィルム状の感光性乳剤をメッシュ層5の表面に転写する間接法や、メッシュ層5の表面にフィルム状の感光性乳剤を転写し、転写された感光性乳剤を露光、現像する直間法を用いても良い。さらに、これらの方法を適宜に組み合わせてもよく、その形態は特に限定されない。
また、ステップS5の「第一剥離工程」の後に印刷側レジスト層7の露光を行う「S6:印刷側レジスト層露光・現像工程」を例示したが、露光のタイミングはこの例に限定されない。例えば、「S3:印刷側レジスト層平坦化工程」の前であっても良いし、「S11:スキージ側レジスト層露光・現像工程」の前でも良い。但し、本例のように、「S11:スキージ側レジスト層露光・現像工程」の前に「S8:印刷側レジスト層平坦化工程」を行うと、露光によってスキージ側レジスト層9の表面が硬化する前に、平滑処理を行えるので、より高い平滑性を有する第二平滑面8を得ることができる。

Claims (5)

  1. 複数の経糸及び緯糸が交差して平面状に編みこまれたメッシュ層と、
    該メッシュ層の一面側に形成され、平坦なシート体によって平滑処理された第一平滑面を有し、被印刷対象物と当接する第一レジスト層と、
    前記メッシュ層の他面側に形成され、平坦なシート体によって平滑処理された第二平滑面を有する第二レジスト層と
    を有することを特徴とするスクリーン印刷版。
  2. 前記第二平滑面の表面粗さは、Rzが0.01μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン印刷版。
  3. 複数の経糸及び緯糸が交差して平面状に編みこまれたメッシュ層の一面側から、第一レジスト剤を塗布して第一レジスト層を形成する第一レジスト層形成工程と、
    前記第一レジスト層の表面に、平坦な第一シート体を貼着し、前記第一レジスト層の表面を前記第一シート体の貼着面に倣って平滑処理する第一平坦化工程と、
    前記第一シート体を前記第一レジスト層の表面から剥離する第一剥離工程と、
    前記メッシュ層の他面側から、第二レジスト剤を塗布して第二レジスト層を形成する第二レジスト層形成工程と、
    前記第二レジスト層の表面に、平坦な第二シート体を貼着し、前記第二レジスト層の表面を前記第二シート体の貼着面に倣って平滑処理する第二平坦化工程と、
    前記第二シート体を前記第二レジスト層の表面から剥離する第二剥離工程と
    を有することを特徴とするスクリーン印刷版の製造方法。
  4. 前記第一シート体が貼着された状態で前記第一レジスト層を乾燥させる片面乾燥工程をさらに具備し、
    該片面乾燥工程の後に、前記第二レジスト層形成工程、前記第二平坦化工程、及び前記第二剥離工程を行う
    ことを特徴とする請求項3に記載のスクリーン印刷版の製造方法。
  5. 前記第一シート体及び前記第二シート体がそれぞれ前記第一レジスト層及び前記第二レジスト層に貼着された状態で、前記第一レジスト層及び前記第二レジスト層を乾燥させる両面乾燥工程をさらに具備し、
    該両面乾燥工程の後に、前記第一剥離工程及び前記第二剥離工程を行う
    ことを特徴とする請求項3に記載のスクリーン印刷版の製造方法。
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