JP2016198758A - ガス吸着材、及びこれを用いた真空断熱材 - Google Patents

ガス吸着材、及びこれを用いた真空断熱材 Download PDF

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Abstract

【課題】高温での活性化が不要にも拘らず安全であり、減圧環境下でもターゲットガスに対する吸着性能に優れているガス吸着材を実現できるようにする。【解決手段】真空断熱材は、内部環境を減圧状態にし、熱伝導領域に置かれることによって断熱効果を発揮し、外装材と、芯材と共に外装材内に収容されるガス吸着材と、を備える。ガス吸着材は、水分吸着材と、酸素欠損構造を有する遷移金属の酸化物と、水素吸着材と、を有効成分として含有し、減圧環境下でターゲットガスを吸着する。【選択図】図1

Description

本発明は、ガス吸着材、及びこれを用いた真空断熱材に関するものであり、特に、減圧環境でターゲットガスを吸着可能なガス吸着材と、このガス吸着材をガスバリア性の樹脂フィルム中に収容した真空断熱材に関するものである。
最近では、省エネルギーを推進する動きが活発化し、家電製品や設備機器で優れた断熱効果を有する真空断熱材が求められている。真空断熱材として、グラスウールやシリカ粉末などの微細空隙を有する芯材を、ガスバリア性を有する外装材で覆い、外装材の内部を減圧密封したものが知られている。真空断熱材の優れた断熱効果を長期にわたって維持するために、真空断熱材へ侵入する水蒸気や酸素、窒素などのガスを除去するためのガス吸着材が芯材と共に真空断熱材に減圧密封されている。
ガス吸着材として、水分を不可逆的に固定吸着する化学型吸着材が知られている。酸化カルシウムCaOはこの一例である。一方、真空断熱材の外装材を透過してくる大気中の酸素及び窒素に対しては、酸化カルシウム等の水分吸着材は吸着能を有していない。したがって、真空断熱環境における減圧状態を維持するためには、これらガスに対する吸着材が必要である。
酸素や窒素に対し吸着能力を示すものとして、バリウムゲッターやジルコニウム−バナジウム−鉄の三元系合金からなる金属吸着材が知られている。金属吸着材は、減圧環境中で400℃以上の高温で活性化される必要があるため、減圧環境をプラスチックフィルムと金属箔を多層化した外装材を利用して構築することが多い真空断熱材では、外装材が溶融して破損するため、金属吸着材をそもそも活性化することができない。
一方、事前に活性化する必要がないガス吸着材として、例えば、窒素・酸素吸着性Ba−Li合金がある。特許文献1に、Ba−Li合金を窒素及び酸素のゲッター材として用いた真空断熱材が開示されている。詳しくは、Ba−Li合金と水分吸着材とを混合することにより、大気中でゲッター材を放置し得る時間を長くすることができる。
特開1996−159377号公報
使用済み家電製品が破砕処理される際、真空断熱材と共にガス吸着材も破砕されてBa−Li合金が露出する。破砕時の粉塵の発生を抑えるために散水されると、Ba−Li合金は水との反応性が非常に高いために、水素ガスが一気に大量発生する。したがって、Ba−Li合金は安全性の観点から実用され得るものとして普及するに至っていない。
そこで、本発明は、高温での活性化が不要にも拘らず安全であり、減圧環境下でもターゲットガスに対する吸着性能に優れているガス吸着材、及び、これを用いた真空断熱材を提供することを目的とする。
本発明者は、前記目的を達成可能な金属ガス吸着材について鋭意検討したところ、酸素欠損構造を有する遷移金属の酸化物であるチタン酸化物又はセリウム酸化物が、アルカリ土類金属の酸化物(例えば酸化カルシウム)と併用された時に、活性化処理を必要とすることなく、真空状態での使用にも拘らず酸素吸着性能に優れていることを見出すに至った。酸素欠損構造を有するチタン酸化物又はセリウム酸化物は大気圧下での酸素吸着の機能についてしか検討されておらず、真空断熱材への適用は考慮されたことはない。事実、真空状態での酸素吸着効果に関する報告は見当たらなかった。
また、酸素欠損構造を有する遷移金属の酸化物と、水素吸着材とを併用することにより、さらに優れたガス吸着材となることを見出した。
前記目的を達成するために、本発明は、水分吸着材と、酸素欠損構造を有するチタン酸化物又はセリウム酸化物等の遷移金属の酸化物と、水素吸着材と、を有効成分として含有し、減圧環境下でターゲットガスを吸着するガス吸着であることと、内部環境を減圧状態にし、熱伝導領域に置かれることによって、断熱効果を発揮する真空断熱材であって、外装材と、芯材と共に外装材内に収容されるガス吸着材と、を備え、ガス吸着材は、水分吸着材と、酸素欠損構造を有するチタン酸化物又はセリウム酸化物等と、水素吸着材と、を有効成分として含有し、減圧環境下でターゲットガスを吸着する真空断熱材であることを特徴とする。
本発明によれば、高温での活性化が不要にも拘らず安全であり、減圧環境下でもターゲットガスに対する吸着性能に優れているガス吸着材、及び、これを用いた真空断熱材を提供することができる。
本発明の真空断熱材の一例を示す模式断面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本発明の吸着材が適用される真空断熱材は、グラスウールやシリカ粉末などの微細空隙を有する芯材を、ガスバリア性を有する外装材で覆い、外装材の内部を減圧密封したものが知られており、冷蔵庫、冷凍庫、給湯容器、自動車用断熱材、建造物用断熱材、自動販売機、保冷箱、保温庫、保冷車等に使用されている。
図1は、真空断熱材1の一例を示す模式断面図である。図1に示されるように、本発明に係る真空断熱材1は、芯材6及び吸着材7を2枚の外装材で挟むように内包、密閉するように構成されている。
2枚の外装材2の周囲は、開口端を残して3方が封止(例えば、ヒートシール)されて全体として袋状の形態を成し、これに芯材6及び吸着材7を収容した後内部を減圧し開口部を封止(例えば、ヒートシール)する。符号8は、開口部が封止された接合部である。以下、本発明の真空断熱材の各部材について説明する。
本発明における外装材2に、ガスバリア性を有し、気体侵入を抑止可能な種々の材料及び複合材料であれば、従来の如何なるものも利用できる。通常、外装材は、熱可塑性樹脂や金属箔やプラスチックフィルム等をラミネート加工することでバリア性を付与したものであり、芯材を空気や水分から隔離する役割を果たす。
好ましい形態によれば、図1に示すように、外装材2に使用できるラミネートフィルムは、最内層を熱溶融層(熱溶融フィルム)5とし、中間層にはガスバリア層(ガスバリアフィルム)4として金属箔又は金属蒸着層を有し、最外層には表面保護層(表面保護フィルム)3を有する形態を備えている。
熱溶着フィルム5は、外装材2の熱溶着層が熱と圧力により溶融した後に固化したものであり、外装材2を所定の形状に保持する役割を果たすものである。また、ガスや水蒸気が外装材2の端部から真空断熱材1内へ侵入することを抑える役割を果たすものである。
熱溶着フィルム5は、通常のシール法(例えば、ヒートシール)によって接着できるものであれば特に限定されない。熱溶着フィルムを構成する材料としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリアクリロニトリル等の熱可塑性樹脂などが挙げられる。なお、上記材料は、単独で使用されても又は2種類以上の混合物であってもよい。また、熱溶着フィルム5は、単層であっても又は2層以上の積層形態であってもよい。後者の場合、各層は、同様の組成を有していても又は異なる組成を有していてもよい。
熱溶着フィルム5の厚みは、特に制限されず、公知の厚みと同様の厚みでありうる。具体的には、熱溶着フィルム5の厚みは、好ましくは10〜100μmである。10μmより薄い場合、ヒートシール時に十分な密着強度を得ることができない虞があり、100μmより厚い場合、屈曲性等の加工性が悪くなる虞がある。なお、熱溶着フィルムが2層以上の積層構造を有する場合には、熱溶着フィルムの厚みは、合計厚みを意味する。また、この場合には、各層の厚みは、同じであっても又は異なっていてもよい。
ガスバリアフィルムとしては、特に制限されず、アルミニウム箔や銅箔などの金属箔や、ポリエチレンテレフタレートフィルムやエチレン−ビニルアルコール共重合体へアルミニウムや銅等の金属原子や、アルミナやシリカ等の金属酸化物を蒸着したフィルム等が使用できる。ガスバリアフィルムの厚みは、特に制限されず、公知の厚みと同様の厚みでありうる。
表面保護フィルム3は、特に制限されず、外装材の表面保護フィルムとして通常使用されるのと同様の材料が使用できる。表面保護フィルムを構成する材料としては、例えば、ナイロン−6、ナイロン−66などのポリアミド(ナイロン)(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)などのポリオレフィン、ポリイミド、ポリアクリレート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリルニトリル樹脂(PAN)などが挙げられる。
表面保護フィルム3の厚みは、特に制限されず、公知の厚みと同様の厚みでありうる。具体的には、表面保護フィルム3の厚みは、好ましくは10〜100μmである。10μmより薄い場合、バリア層の保護が十分でない虞がある。また100μmより厚い場合、熱溶着フィルムと同様に屈曲性等の加工性が悪くなる虞がある。なお、表面保護フィルム3が2層以上の積層構造を有する場合には、上記厚みは、合計厚みを意味する。また、この場合には、各層の厚みは、同じであっても又は異なっていてもよい。
また、これらのフィルムは周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていてもよい。なお、上記材料は、単独で使用されても又は2種以上の混合物であってもよい。また、表面保護フィルムは、単層であっても又は2層以上の積層形態であってもよい。後者の場合、各層は、同様の組成を有していても又は異なる組成を有していてもよい。
外装材2の厚みは、特に制限されない。具体的には、好ましくは1〜100μmである。上記したような薄さの外装材であれば、ヒートブリッジをより有効に抑制・防止して断熱性能が向上でき、また、ガスバリア性及び加工性にも優れる。
また、別の好ましい形態によれば、ガスバリア性フィルムからなる外装材2は、金属箔を積層したラミネートフィルムからなる面と、金属箔を積層しないラミネートフィルムからなる面の少なくとも2面で構成され、金属箔を積層しないラミネートフィルムからなる面には、少なくとも内層側にアルミニウム蒸着を施したエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物からなるフィルム層、もしくは内層側にアルミニウム蒸着を施したポリエチレンテレフタレート樹脂組成物からなるフィルム層のいずれかを有する。
また、本発明による外装材2は、上記のようなラミネートフィルムでなくてもよく、例えば、金属容器やガラス容器、樹脂と金属の積層されたガスバリア容器のようなものであってもよい。そのようなプラスチックラミネートフィルム容器としては、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、金属蒸着フィルムなどの1種又は2種以上のフィルムをラミネートした容器などが使用できる。
図1に示すように、芯材6は、外装材の内部に配置されている。本発明で使用できる芯材は、真空断熱材の骨格となり、真空空間を形成する。ここで、芯材6の材質としては、特に限定されず、公知の材料を使用できる。具体的には、グラスウール、ロックウール、アルミナ繊維、熱伝導率の低い金属からなる金属繊維等の無機繊維;ポリエステルやポリアミド、アクリル、ポリオレフィン、アラミドなどの合成繊維や木材パルプから製造されるセルロース、コットン、麻、ウール、シルクなどの天然繊維、レーヨンなどの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維等の有機繊維などが挙げられる。上記芯材材料は、単独で使用されても又は2種以上の混合物であってもよい。これらのうち、グラスウールが好ましい。これらの材料からなる芯材は、繊維自体の弾性が高く、また繊維自体の熱伝導率が低く、なおかつ工業的に安価である。
図1の吸着材7は、本発明のガス吸着材を紛体又は圧縮成型体にした状態でガス透過性開放部を有するハードケース、又はガス透過性フィルム等の内に収納した構成である。ガス透過性開放部の一例としては、ハードケースの上端の開放面である。圧縮成型体を粒状、又はペレット状の塊状体として形成し、この塊状体の複数を芯材中に分散させてもよい。
本発明に係るガス吸着材は、水分吸着材と酸素欠損構造を有する遷移金属酸化物とを含有する混合物(組成物)である。水分吸着材として、化学的な水分吸着材であるアルカリ土類酸化物が好ましく、特に、酸化カルシウムがコスト面において好ましい。物理化学的な水分吸着材としては、ゼオライト、アルミナ、シリカゲルなどもあるがゼオライトが好ましい。アルカリ土類酸化物としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウムの中のいずれか1種以上である。ゼオライトは、疎水性ゼオライトであって、多孔性結晶性アルミノケイ酸塩からなり、ゼオライト骨格中のシリカ対アルミナ比(Si/Al)が1〜1500であり、好ましくは、5〜1000であり、さらに好ましいのは5.5〜500のものがよい。遷移金属酸化物は、酸素欠損構造を有していれば特に限定されないが、例えばチタン酸化物及びセリウム酸化物の少なくとも一方が好ましい。
酸素欠損構造を有するチタン酸化物とは、特に、二酸化チタンの結晶構造を保持し、TiO2-x(x:0.1以上0.5以下)のものであり、二酸化チタン中の酸素原子数の0.01%から50%が脱離したものが好ましい。このようなチタン酸化物としては、公知のものを用いることができる(特開2004-137087、特開平11−12115参照)。
さらに、チタン酸化物に代えて、又は、チタン酸化物に加えて、酸素欠損を有する他の遷移金属酸化物、例えば、セリウム酸化物をガス吸着成分(脱酸素成分)として用いることもできる。酸素欠損構造を有するセリウム酸化物とは、特に、二酸化セリウムの結晶構造を保持し、CeO2-x(x:0.1以上0.7以下)のものであり、二酸化セリウム中の酸素原子数の0.01%から50%が脱離したものが好ましい。このようなセリウム酸化物としては、公知のものを用いることができる(WO2008/099935、WO2008/140004、特開2008-178859、特開2007-222868参照)。
酸素欠損を有するチタン酸化物又はセリウム酸化物等の酸素吸着速度はとても大きく、粉体のまま大気中に出すと吸着熱により発熱し、大気中の酸素との反応で発火する虞がある。これに対して、樹脂とチタン酸化物又はセリウム酸化物等との混合物や二酸化炭素によるキャッピングにより、対処する手法も知られている。しかしながら、減圧下においては、樹脂との混合物は、樹脂からのアウトガスが発生し、二酸化炭素によるキャッピングも同様に二酸化炭素がアウトガスになる可能性が高い。
したがって、チタン酸化物又はセリウム酸化物等を真空断熱材に挿入する以前での大気中でのハンドリングの問題点が存在する。そこで、チタン酸化物又はセリウム酸化物等を水分吸着材と混合する、さらにはチタン酸化物又はセリウム酸化物等の核を水分吸着材で覆う有核錠の形態を利用する等により酸素欠損を有するチタン酸化物又はセリウム酸化物等と酸素との反応を律速させることができる。
酸素欠損を有するチタン酸化物又は酸化セリウム等の酸素欠損構造を有する遷移金属酸化物と組み合わせる水分吸着材として、例えば、酸化カルシウムやゼオライト又はそれらの混合物を用いることができ、それらの比表面積はBET測定法において、0.1〜1000m2/gが好ましく、1〜500m2/gがより好ましく、3〜300m2/gがさらに好ましい。
ガス吸着材におけるチタン酸化物又はセリウム酸化物等と水分吸着材との含有比率は、所望の脱酸素性能、水分吸着性能が得られるかぎり特に限定されるものではないが、例えば、チタン酸化物又はセリウム酸化物等と水分吸着材との含有比率は、1:4〜1:4000である。
ガス吸着材は水素吸着材を含むことが好ましい。本発明者が鋭意検討したところ、酸素欠損を有するチタン酸化物又はセリウム酸化物等が水素還元によって製造された場合には、減圧状態でチタン酸化物又はセリウム酸化物等から水素が放出されることが分かった。これは、水素還元により酸素欠損構造を作り出すため、その欠損部分にトラップされた水素が減圧状態における酸素吸着過程でチタン酸化物又はセリウム酸化物等から放出されることによるものである。したがって、真空断熱材中に既述のチタン酸化物又はセリウム酸化物等を適用した場合水素が放出され、真空断熱材の熱伝導率が却って悪化することがあり得ることが明らかとなった。水素は、熱伝導率が窒素、酸素、水と比べて、高い気体であり、真空断熱材中に存在することで熱伝導率の劣化に大きく影響する。したがって、本願発明のガス吸着材は、水素吸着成分を含有することが好ましい。水素吸着材と酸素欠損を有するチタン酸化物又はセリウム酸化物等とを同一空間に置くことによって、チタン酸化物又はセリウム酸化物等が酸素を吸着する過程で放出される水素を脱水素材が吸着することによって、存在する微量水素を水に変換し、変換された水は、ガス吸着材に併存する水分吸着材によって吸着され、減圧環境の熱伝導率の劣化を抑えることが可能になる。
ガス吸着材におけるチタン酸化物又はセリウム酸化物等と水素吸着材との含有比率は、所望の脱酸素性能、脱水素性能が得られるかぎり特に限定されるものではないが、例えば、チタン酸化物又はセリウム酸化物等に対する水素吸着材の重量比を0.01以上、好ましくは0.02以上、より好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.1以上とすることにより良好な熱伝導率を有する真空断熱材が実現できる。チタン酸化物又はセリウム酸化物等に対する水素吸着材の重量比は、高くてもよいが、経済性の観点からは低い方が好ましく、5以下、好ましくは4.5以下、より好ましくは2以下、さらに好ましくは1以下とすることができる。
さらに、所望の脱酸素性能、脱水素性能を得るために、芯材によって外装材内に形成された空隙の容量に対して、0.01mg/L以上、好ましくは0.1mg/L以上、より好ましくは0.5mg/L以上、さらに好ましくは1mg/L以上、よりさらに好ましくは10mg/L以上の酸素欠損構造を有するチタン酸化物又はセリウム酸化物等の遷移金属酸化物と、これに対して上記重量比となる水素吸着材とを含有することが好ましい。
水素吸着材は、酸化パラジウム、酸化亜鉛、パラジウム、チタン、ニッケル、及びマグネシウムのいずれか1種又はこれらの混合物とすることができる。
(真空断熱材の作製)
延伸ナイロン(25μm)、ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)、アルミ箔(7μm)、そして、高密度ポリエチレンフィルム(50μm)をドライラミネートして貼り合わせたラミネートフィルムを真空断熱材の外装とし、芯材として平均繊維径約4μmの短繊維グラスウールの積層体を使用した。ガス吸着材を以下の実施例に従って調整し、これを積層体に含ませ、外装を用いて真空断熱材を作成した。真空断熱材の熱伝導率をHFM436(ネッチジャパン製)を用いて評価した。
(実施例1)
酸素欠損したチタン酸化物8.6mgと、酸化カルシウム4.0g(吉澤石灰製)と、酸化パラジウム(PdO:会社名和光純薬工業)0.1mgとを混合し、通気性のある不織布(70mm×70mm、山中産業製)に収納し、4方シールすることで水分吸着材を得た。既述の通り真空断熱材(290mm×410mm×12mm)を作成し、室温で1日後の熱伝導率と、加速試験を14日間行った後の熱伝導率とを求めた。1日後の熱伝導率と加速試験後の熱伝導率との差は0.27mW/m・Kであった。真空断熱材の空隙空間容積に対するチタン酸化物の含有量(mg/L)は、6.70である。酸素欠損したチタン酸化物に対する酸化パラジウムの重量比(PdO/TiO2-x)は、0.012である。
(実施例2)
酸素欠損したチタン酸化物を8.5mgとし、酸化パラジウムを0.2mgとした以外は実施例1と同様にした。1日後の熱伝導率と加速試験後の熱伝導率との差は0.25mW/m・Kであった。真空断熱材の空隙空間容積に対するチタン酸化物の含有量(mg/L)は、6.62である。PdO/TiO2-xは、0.024である。
(実施例3)
酸素欠損したチタン酸化物を7.0mgとし、酸化パラジウムを1.7mgとした以外は実施例1と同様にした。1日後の熱伝導率と加速試験後の熱伝導率との差は0.24mW/m・Kであった。真空断熱材の空隙空間容積に対するチタン酸化物の含有量(mg/L)は、5.45である。PdO/TiO2-xは、0.24である。
(実施例4)
酸素欠損したチタン酸化物を3.0mgとし、酸化パラジウムを5.7mgとした以外は実施例1と同様にした。1日後の熱伝導率と加速試験後の熱伝導率との差は0.23mW/m・Kであった。真空断熱材の空隙空間容積に対するチタン酸化物の含有量(mg/L)は、2.34である。PdO/TiO2-xは、1.9である。
(実施例5)
酸素欠損したチタン酸化物を1.7mgとし、酸化パラジウムを7.0mgとした以外は実施例1と同様にした。1日後の熱伝導率と加速試験後の熱伝導率との差は0.27mW/m・Kであった。真空断熱材の空隙空間容積に対するチタン酸化物の含有量(mg/L)は、1.32である。PdO/TiO2-xは、4.1である。
(実施例6)
酸素欠損したチタン酸化物を50mgとし、酸化パラジウムを1.0mgとした以外は実施例1と同様にした。1日後の熱伝導率と加速試験後の熱伝導率との差は0.23mW/m・Kであった。真空断熱材の空隙空間容積に対するチタン酸化物の含有量(mg/L)は、38.94である。PdO/TiO2-xは、0.020である。
(比較例1)
酸化パラジウムを添加せず、酸素欠損したチタン酸化物を8.7mgとした以外は実施例1と同様にした。1日後の熱伝導率と加速試験後の熱伝導率との差は0.83mW/m・Kであった。真空断熱材の空隙空間容積に対するチタン酸化物の含有量(mg/L)は、6.77である。PdO/TiO2-xは、0である。
(比較例2)
酸素欠損したチタン酸化物を8.65mgとし、酸化パラジウムを0.05mgとした以外は実施例1と同様にした。1日後の熱伝導率と加速試験後の熱伝導率との差は0.51mW/m・Kであった。真空断熱材の空隙空間容積に対するチタン酸化物の含有量(mg/L)は、6.74である。PdO/TiO2-xは、0.006である。
(比較例3)
酸素欠損したチタン酸化物を添加せず、酸化パラジウムを8.7mgとした以外は実施例1と同様にした。1日後の熱伝導率と加速試験後の熱伝導率との差は0.31mW/m・Kであった。
表1及び表2にそれぞれ実施例1〜6の結果及び比較例1〜3の結果をまとめて示す。
Figure 2016198758
Figure 2016198758
酸素欠損した遷移金属に対する水素吸着材の重量比が0.01以上あれば熱伝導率が良好な真空断熱材が得られた。
(参考例1)
酸素欠損を有するチタン酸化物(酸化チタン、ティラックNUT 赤穂化成品)100mgと、ZSM−5型ゼオライト0.5g(東ソー)及び酸化カルシウム4.0g(吉澤石灰製)とを混合し、通気性のある不織布(70mm×70mm、山中産業製)に収納し、4方シールすることでガス吸着材を得た。既述の通り、真空断熱材(290mm×410mm×12mm)を作成し、室温での3日後の熱伝導率は2.11mW/m・Kであった。さらに、環境温度・湿度を周期的に変化させる等した加速試験を行ったところ、7日後の熱伝導率は2.75mW/m・Kであった。初期(3日後)の熱伝導率と、7日後の熱伝導率との差分(熱伝導率変化)は、0.64である。真空断熱材の空隙空間容積に対するチタン酸化物の含有量(mg/L)は、77.87である。なお、空隙空間容積は、真空断熱材体積と芯材の空隙率との積とした。
(参考例2)
酸素欠損したチタン酸化物100mgと酸化カルシウム4.0g(吉澤石灰製)とを混合し、通気性のある不織布(70mm×70mm、山中産業製)に収納し、4方シールすることで水分吸着材を得た。上記の通り真空断熱材を作成し、室温での3日後の熱伝導率は2.10mW/m・Kであった。さらに、加速試験を行ったところ、7日後の熱伝導率は2.58mW/m・Kであった。熱伝導率変化は、0.48である。真空断熱材の空隙空間容積に対するチタン酸化物の含有量(mg/L)は、77.87である。
(参考例3)
酸素欠損したチタン酸化物15mgと酸化カルシウム4.0g(吉澤石灰製)とを混合し、通気性のある不織布(70mm×70mm、山中産業製)に収納し、4方シールすることで水分吸着材を得た。上記の通り真空断熱材を作成し、室温での3日後の熱伝導率は2.08mW/m・Kであった。さらに、加速試験を行ったところ、7日後の熱伝導率は2.60mW/m・Kであった。熱伝導率変化は、0.52である。真空断熱材の空隙空間容積に対するチタン酸化物の含有量(mg/L)は、11.68である。
(参考例4)
酸素欠損したチタン酸化物50mgと酸化カルシウム4.0g(吉澤石灰製)とを混合し、通気性のある不織布(70mm×70mm、山中産業製)に収納し、4方シールすることで水分吸着材を得た。上記の通り真空断熱材を作成し、室温での3日後の熱伝導率は1.99mW/m・Kであった。さらに、加速試験を行ったところ、7日後の熱伝導率は2.61mW/m・Kであった。熱伝導率変化は、0.62である。真空断熱材の空隙空間容積に対するチタン酸化物の含有量(mg/L)は、38.94である。
(参考例5)
酸素欠損したチタン酸化物500mgと酸化カルシウム4.0g(吉澤石灰製)とを混合し、通気性のある不織布(70mm×70mm、山中産業製)に収納し、4方シールすることで水分吸着材を得た。上記の通り真空断熱材を作成し、室温での3日後の熱伝導率は2.08mW/m・Kであった。さらに、加速試験を行ったところ、7日後の熱伝導率は2.67mW/m・Kであった。熱伝導率変化は、0.59である。真空断熱材の空隙空間容積に対するチタン酸化物の含有量(mg/L)は、389.4である。
(参考例6)
酸素欠損したチタン酸化物5mgと酸化カルシウム4.0g(吉澤石灰製)とを混合し、通気性のある不織布(70mm×70mm、山中産業製)に収納し、4方シールすることで水分吸着材を得た。上記の通り真空断熱材を作成し、室温での3日後の熱伝導率は2.09mW/m・Kであった。さらに、加速試験を行ったところ、7日後の熱伝導率は2.72mW/m・Kであった。熱伝導率変化は、0.63である。真空断熱材の空隙空間容積に対するチタン酸化物の含有量(mg/L)は、3.89である。
酸素欠損を有するチタン酸化物が真空断熱材の空隙容量に対して僅かでも含まれていれば(チタン酸化物の含有量(mg/L)が0.1mg以上)、熱伝導率変化が小さく真空断熱材内のガス吸収が効果的に行われていることが分かる。
(比較例4)
ガス吸着材に酸素欠損を有するチタン酸化物を用いることなく酸化カルシウム4.0g(吉澤石灰製)のみとして真空断熱材を作製した。室温での3日後の熱伝導率は2.09mW/m・Kであった。さらに、加速試験を行ったところ、7日後の熱伝導率は2.78mW/m・Kであった。熱伝導率変化は、0.69である。
表3に参考例1〜6、比較例4の結果をまとめて示す。
Figure 2016198758
(実施例7)
酸素欠損したセリウム酸化物15mg(酸化セリウム、三井金属鉱業)と、酸化カルシウム4.0g(吉澤石灰製)と、酸化パラジウム(和光純薬工業)1mgとを混合し、通気性のある不織布(70mm×70mm、山中産業製)に収納し、4方シールすることでガス吸着材を得た。既述の通り、真空断熱材(290mm×410mm×12mm)を作成し、室温での3日後の熱伝導率を測定したところ2.08mW/m・Kであった。さらに、環境温度・湿度を周期的に変化させる等した加速試験を行ったところ、1月後の熱伝導率は3.13mW/m・Kであった。真空断熱材の空隙空間容積に対するセリウム酸化物の含有量(mg/L)は、11.68である。3日後の熱伝導率と加速試験後の熱伝導率との差分は、1.05mW/m・Kであった。酸素欠損したセリウム酸化物に対する酸化パラジウムの重量比(PdO/CeO2-x)は、0.067である。
(実施例8)
酸素欠損したセリウム酸化物15mg(三井金属鉱業)と、酸化カルシウム4.0g(吉澤石灰製)と、酸化パラジウム3mg(和光純薬工業)とを混合し、通気性のある不織布(70mm×70mm、山中産業製)に収納し、4方シールすることでガス吸着材を得た。既述の通り、真空断熱材(290mm×410mm×12mm)を作成し、室温での3日後の熱伝導率を測定したところ2.08mW/m・Kであった。さらに、加速試験を行ったところ、1月後の熱伝導率は3.37mW/m・Kであった。真空断熱材の空隙空間容積に対するセリウム酸化物の含有量(mg/L)は11.68である。3日後の熱伝導率と加速試験後の熱伝導率との差分は、1.29mW/m・Kであった。PdO/CeO2-xは、0.20である。
(実施例9)
酸素欠損したセリウム酸化物15mg(三井金属鉱業)と、酸化カルシウム4.0g(吉澤石灰製)と、酸化パラジウム5mg(和光純薬工業)とを混合し、通気性のある不織布(70mm×70mm、山中産業製)に収納し、4方シールすることでガス吸着材を得た。既述の通り、真空断熱材(290mm×410mm×12mm)を作成し、室温での3日後の熱伝導率を作成したところ2.15mW/m・Kであった。さらに、加速試験を行ったところ、1月後の熱伝導率は3.38mW/m・Kであった。真空断熱材の空隙空間容積に対するセリウム酸化物の含有量(mg/L)は、11.68である。3日後の熱伝導率と加速試験後の熱伝導率との差分は、1.23mW/m・Kであった。PdO/CeO2-xは、0.33である。
(実施例10)
酸素欠損したセリウム酸化物15mg(三井金属鉱業)と、酸化カルシウム4.0g(吉澤石灰製)と、酸化パラジウム10mg(和光純薬工業)とを混合し、通気性のある不織布(70mm×70mm、山中産業製)に収納し、4方シールすることでガス吸着材を得た。既述の通り、真空断熱材(290mm×410mm×12mm)を作成し、室温での3日後の熱伝導率を測定したところ2.13mW/m・Kであった。さらに、加速試験を行ったところ、1月後の熱伝導率は3.42mW/m・Kであった。真空断熱材の空隙空間容積に対するセリウム酸化物の含有量(mg/L)は、11.68である。3日後の熱伝導率と加速試験後の熱伝導率との差分は、1.29mW/m・Kであった。PdO/CeO2-xは、0.67である。
(実施例11)
酸素欠損したセリウム酸化物15mg(三井金属鉱業)と、酸化カルシウム4.0g(吉澤石灰製)及びZSM−5型ゼオライト0.5g(東ソー)と、酸化パラジウム(和光純薬工業)1mgとを混合し、通気性のある不織布(70mm×70mm、山中産業製)に収納し、4方シールすることでガス吸着材を得た。既述の通り、真空断熱材(290mm×410mm×12mm)を作成し、室温での3日後の熱伝導率を測定したところ2.16mW/m・Kであった。さらに、加速試験を行ったところ、1月後の熱伝導率は3.36mW/m・Kであった。真空断熱材の空隙空間容積に対するセリウム酸化物の含有量(mg/L)は、11.68である。3日後の熱伝導率と加速試験後の熱伝導率との差分は、1.20mW/m・Kであった。PdO/CeO2-xは、0.067である。
(参考例7)
酸素欠損したセリウム酸化物1mg(三井金属鉱業)と、酸化カルシウム4.0g(吉澤石灰製)とを混合し、通気性のある不織布(70mm×70mm、山中産業製)に収納し、4方シールすることでガス吸着材を得た。既述の通り、真空断熱材(290mm×410mm×12mm)を作成し、熱伝導率を作成したところ2.04mW/m・Kであった。さらに、加速試験を行ったところ、1月後の熱伝導率は3.78mW/m・Kであった。真空断熱材の空隙空間容積に対するセリウム酸化物の含有量(mg/L)は、0.78である。3日後の熱伝導率と加速試験後の熱伝導率との差分は、1.74mW/m・Kであった。PdO/CeO2-xは、0である。
(比較例5)
ガス吸着材に酸素欠損を有するセリウム酸化物、酸化パラジウムを用いることなく酸化カルシウム4.0g(吉澤石灰製)のみとして真空断熱材を作製した。室温での3日後の熱伝導率は2.11mW/m・Kであった。さらに、加速試験を行ったところ、1月後の熱伝導率は3.94mW/m・Kであった。3日後の熱伝導率と加速試験後の熱伝導率との差分は、1.83mW/m・Kと高い値であった。
表4に実施例7〜11、参考例7、比較例5の結果をまとめて示す。
Figure 2016198758
(実施例12)
酸素欠損した酸化チタン15mgと、酸化カルシウム7.0g(吉澤石灰製)と、酸化パラジウム(和光純薬工業)1.0mgとを混合し、通気性のある不織布(70mm×70mm、山中産業製)に収納し、4方シールすることで水分吸着材を得た。酸素欠損した酸化チタンに対する水素吸着材の重量比は0.067である。既述の通り、真空断熱材(290mm×410mm×12mm)を作成し、3日後の熱伝導率を測定したところ、1.95mW/m・Kであった。
(実施例13)
酸素欠損した酸化チタン15mgと、酸化カルシウム7.0g(吉澤石灰製)と、酸化パラジウム(和光純薬工業)0.5mgとを混合し、通気性のある不織布(70mm×70mm、山中産業製)に収納し、4方シールすることで水分吸着材を得た。酸素欠損した酸化チタンに対する水素吸着材の重量比は0.033である。既述の通り、真空断熱材(290mm×410mm×12mm)を作成し、3日後の熱伝導率を測定したところ、1.98mW/m・Kであった。
表5に実施例12、13の結果をまとめて示す。
Figure 2016198758
以上説明した実施例によれば、水分吸着材だけでなく、酸素欠損を有するチタン酸化物又はセリウム酸化物等と水素吸着材とを含むガス吸着材を真空断熱材に適用することによって、真空断熱材内のターゲットガスを確実に除去することができる。

Claims (9)

  1. 水分吸着材と、
    酸素欠損構造を有する遷移金属の酸化物と、
    水素吸着材と、を有効成分として含有し、
    減圧環境下でターゲットガスを吸着する、ガス吸着材。
  2. 前記遷移金属の酸化物がチタン酸化物又はセリウム酸化物である。請求項1に記載のガス吸着材。
  3. 前記水分吸着材がアルカリ土類酸化物である、請求項1又は2に記載のガス吸着材。
  4. 前記アルカリ土類酸化物が、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、及び酸化バリウムのいずれか1種又はこれらの混合物である請求項3に記載のガス吸着材。
  5. 前記水素吸着材が酸化パラジウム、酸化亜鉛、パラジウム、チタン、ニッケル、及びマグネシウムのいずれか1種又はこれらの混合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載のガス吸着材。
  6. 前記遷移金属の酸化物に対する前記水素吸着材の重量比は0.01以上、5以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載のガス吸着材。
  7. 内部環境を減圧状態にし、熱伝導領域に置かれることによって、断熱効果を発揮する真空断熱材であって、
    外装材と、
    芯材と共に前記外装材内に収容されるガス吸着材とを備え、
    前記ガス吸着材は、水分吸着材と、酸素欠損構造を有する遷移金属の酸化物と、水素吸着材と、を有効成分として含有し、減圧環境下でターゲットガスを吸着する、真空断熱材。
  8. 前記遷移金属の酸化物はチタン酸化物又はセリウム酸化物である、請求項7に記載の真空断熱材。
  9. 前記遷移金属の酸化物に対する前記水素吸着材の重量比が、0.01以上、5以下である、請求項7又は8に記載の真空断熱材。
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