JP2016195079A - 搬送装置及び搬送装置用治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送作業の効率の低下を抑制可能な搬送装置及び搬送装置用治具を提供する。
【解決手段】搬送装置10は、搬送の対象となる積層電極Lを板状の第1拘束板P1と第2拘束板P2との間に挟み込んで把持するハンド1を備え、ハンド1は、第1拘束板P1を支持する支持部16と、第2拘束板P2を第1拘束板P1と第2拘束板P2とが対向する第1方向D1に沿って第1拘束板P1側に押圧する押圧部8と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、搬送装置及び搬送装置用治具に関する。
対象物を水平方向の両側から挟み込んで把持する把持部と、対象物の上面を吸着する吸着部と、を備え、対象物を搬送する搬送装置が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。これらの搬送装置によれば、対象物を安定して搬送することができる。
特開平9−131685号公報 特開2005−52921号公報 特開2013−39644号公報
上述の搬送装置において対象物を安定して搬送するには、固定手段による作用が対象物に適切に及ぶ必要がある。このため、例えば、紙、樹脂フィルム、及び金属箔等のシート状物を複数枚積層した状態で製造ラインの次の工程に搬送する場合、あるいは、治具上に対象物を複数並べた状態で製造ラインの次の工程に搬送する場合等は、対象物を安定して搬送することが困難となる。このような場合でも、対象物同士、または対象物と治具とを一旦テープ等で固定し、一体化することで対象物を安定して搬送することができるものの、事前の準備作業が必要となるため、作業効率が低下していた。
本発明は、搬送作業の効率の低下を抑制可能な搬送装置及び搬送装置用治具を提供する。
本発明の一態様に係る搬送装置は、搬送の対象となる対象物を把持する把持部を備え、把持部は、板状の第1治具を支持する支持部と、対象物を介して第1治具と対向して配置された板状の第2治具を第1治具と第2治具とが対向する対向方向に沿って第1治具側に押圧する押圧部と、を有する。
この搬送装置では、把持部は、支持部により第1治具を支持すると共に、押圧部により第1治具と第2治具とが対向する対向方向に沿って第2治具を第1治具側に押圧する。これにより、把持部は、第1治具と第2治具との間に対象物を挟み込んで把持することができる。したがって、対象物として積層された複数のシート状の電極を搬送する場合であっても、電極同士がずれ難く、予めテープ及びボルト等で電極同士を固定する必要がない。この結果、搬送作業の効率の低下を抑制することが可能となる。
把持部は、第1治具を把持部に対して対向方向に交差する交差方向に固定する固定部を更に備えてもよい。この場合、固定部により把持部に対する第1治具の位置が交差方向に固定されるので、把持部により対象物をより確実に把持した状態で搬送することができる。
支持部と固定部とは一体化されていてもよい。この場合、部品点数を減らすことができる。
固定部は、交差方向に沿って互いになす距離を変える一対の固定部材を有してもよい。この場合、第1拘束板を交差方向に容易に固定することができる。
対象物は、対向方向に積層された積層体であってもよい。この場合、上述のように積層体を構成する物同士を予めテープ及びボルト等で固定する必要がないため、搬送作業の効率の低下を抑制することが可能となる。
対象物は、電池の電極組立体を構成する正極及び負極を含む積層体であってもよい。この場合、正極及び負極の積層後、第1治具及び第2治具を、他の工程でも治具として利用することができる。
上記押圧部は、第1治具又は第2治具を搬送する際に、第1治具又は第2治具を吸着保持する吸着保持部を有してもよい。この場合、第1治具又は第2治具を容易に搬送することができる。
上記押圧部は、第1治具又は第2治具を押圧部に対して位置決めする位置決め部を有しもよい。この場合、第1治具又は第2治具が押圧部に対して位置決めされるので、第1治具又は第2治具を搬送先において目的とする位置に精度よく載置することができる。
本発明の別の態様に係る搬送装置用治具は、上記搬送装置において第1治具として用いられる搬送装置用治具であって、対向方向から見て対象物と重なる重複部と、対向方向から見て対象物の周縁からはみ出すように重複部から延びる延在部を備える。
この搬送装置用治具は、対向方向から見て対象物と重なる重複部を備えるので、第1治具として用いたときに、対象物を第2治具との間に挟み込むことができる。また、対向方向からみて対象物の周縁からはみ出すように延びる延在部と、を備えるので、第1治具として用いたときに、支持部による支持を延在部に対して行うことができる。このため、支持部を対象物と干渉させずに用いることができる。この結果、搬送作業の効率の低下を抑制することが可能となる。
本発明のさらに別の態様に係る搬送装置用治具は、上記搬送装置において第1治具として用いられる搬送装置用治具であって、対向方向から見て対象物と重なる重複部と、対向方向から見て対象物の周縁からはみ出すように重複部から延びる延在部と、を備え、延在部には貫通孔が設けられている。
この搬送装置用治具は、対象物が電池の電極組立体を構成する正極及び負極を含む積層体であり、対象物の周縁からはみ出すように延びる延在部に貫通孔を備えるので、貫通孔を利用して、第1治具及び第2治具と積層体とを固定することができる。したがって、例えば、積層体を固定した状態で、電池の組立作業を行うことができる。
本発明によれば、搬送作業の効率の低下を抑制することができる。
第1実施形態に係る搬送装置の構成図である。 図1の第1拘束板及び第2拘束板を第1方向から見た平面図である。 第1実施形態の搬送装置を適用する積層型電池の製造方法全体の概略を示す製造ラインの工程図である。 図1の搬送装置により積層電極を搬送する搬送方法を示すフローチャートである。 第1拘束板を吸着保持する工程を説明する斜視図である。 第1拘束板を搬送する工程を説明する斜視図である。 第1拘束板を載置する工程を説明する斜視図である。 第2拘束板を吸着保持する工程を説明する斜視図である。 第1拘束板を固定する工程を説明する斜視図である。 図9の第1拘束板を第1方向から見た平面図である。 図10のX−X線に沿っての断面図である。 積層電極を搬送する工程を説明する斜視図である。 第2実施形態の第1拘束板を固定する工程における第1拘束板を第1方向から見た平面図である。 図13のXIII−XIII線に沿っての断面図である。 第3実施形態に係る第1拘束板及び第2拘束板を第1方向から見た平面図である。 第4実施形態に係る第1拘束板及び第2拘束板を第1方向から見た平面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。また、説明中、「上」、「下」等の方向を示す語は、図面に示された状態に基づいた便宜的な語である。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る搬送装置の構成図である。図1に示されるように、搬送装置10は、搬送の対象となる対象物を互いに対向する第1拘束板P1(第1治具)と第2拘束板P2(第2治具)との間に挟み込んだ状態で把持するハンド1(把持部)と、ハンド1により把持された対象物を搬送する搬送部(不図示)とを備えている。ハンド1は、いわゆるエンドエフェクタ(ロボットハンド)である。ここでは、対象物はシート状の電極が積層されてなる積層電極Lであるとして説明を行う。図1では、積層電極L、第1拘束板P1、及び第2拘束板P2のそれぞれの一部が破断された状態が示されている。
ハンド1は、ベース2と、アーム接続部4と、一対のチャック6a及びチャック6bと、押圧部8と、を備えている。
ベース2は、矩形状の板状部材であり、例えば、ステンレス鋼等の金属により構成されている。ベース2は、第1方向D1(対向方向)(上下方向)で互いに対向する第1面2a及び第2面2bと、第1方向D1に直交する第2方向D2で互いに対向する第1端面2c及び第2端面2dと、を有している。
アーム接続部4は、ベース2の第1面2a側に配置され、搬送部のアームと接続される部分である。アーム接続部4は、例えば、ボルト等の固定具によりアームと接続される。
一対のチャック6a及びチャック6bは、ベース2の第2面2b側に配置されている。一対のチャック6a及びチャック6bは、第2方向D2で互いに対向している。チャック6aは、第2面2bの第1端面2c側の角部のそれぞれから第1方向D1に沿って下方に延びる一対のフレーム12に固定されている。チャック6bは、第2面2bの第2端面2d側の角部のそれぞれから第1方向D1に沿って下方に延びる一対のフレーム12に固定されている。チャック6a及びチャック6bのそれぞれは、第1拘束板P1を固定して支持する部材である。
チャック6a及びチャック6bのそれぞれは、第1方向D1及び第2方向D2に直交する第3方向D3(交差方向)に沿って設けられたレール60と、レール60上を移動することにより第3方向D3に沿って互いになす距離を変える第1部材61及び第2部材62と、第1部材61及び第2部材62に設けられた一対の突出部14及び一対の支持部16と、を有している。一対の突出部14は、第2方向D2に沿って押圧部8が配置されている方向に第1部材61及び第2部材62から突出する部材である。一対の支持部16は、突出部14と一体化され、突出部14の下端部から第3方向D3に沿って鍔状に張り出す部材である。第1部材61及び第2部材62のそれぞれは、突出部14及び支持部16と一体化されている。
第1部材61では、支持部16は、突出部14の下端部から第3方向D3に沿って第2部材62の反対側に張り出している。第2部材62では、支持部16は、突出部14の下端部から第3方向D3に沿って第1部材61の反対側に張り出している。即ち、チャック6a及びチャック6bのそれぞれにおいて、第1部材61の支持部16、第1部材61の突出部14、第2部材62の突出部14、及び第2部材62の支持部16は、第3方向D3に沿ってこの順に並んでいる。
押圧部8は、ベース2の第2面2b側において、4本のフレーム12により画定される空間に配置されている。押圧部8は、押圧板18と、シリンダー20と、吸着保持部22と、位置決めピン24(位置決め部)(図5参照)と、を有している。押圧部8は、シリンダー20によって駆動され、押圧板18を押し当てることにより、第2拘束板P2を第1方向D1に沿って第1拘束板P1側に押圧する装置である。
押圧板18は、ベース2よりも一回り小さい矩形状の板状部材であり、例えば、ステンレス鋼等の金属により構成されている。押圧板18は、チャック6a及びチャック6bの間に配置されている。押圧板18は、第1方向D1で互いに対向する第1面18a及び第2面18bを有している。押圧板18は、ベース2と略平行に配置されている。
シリンダー20は、第2面2bの中央部から第1方向D1に沿って下方に延びている。シリンダー20は、第1方向D1に沿って伸縮する部材である。シリンダー20は、例えば、エアシリンダーである。シリンダー20の先端は、押圧板18の第1面18aに固定されている。シリンダー20は、2本のガイドロッドを有している。
吸着保持部22は、押圧板18に設けられている。吸着保持部22は、第1拘束板P1又は第2拘束板P2を搬送する際に、第1拘束板P1又は第2拘束板P2を吸着保持する装置である。吸着保持部22は、例えば、真空吸着、磁気的な吸着等により第1拘束板P1又は第2拘束板P2を吸着保持する。
位置決めピン24(図5参照)は、第1方向D1に沿って下方に突出するように、押圧板18の第2面18b側に設けられている。位置決めピン24の先端は、テーパー形状をなしている。位置決めピン24は、第1拘束板P1及び第2拘束板P2に設けられた後述のピン挿入孔33(図2参照)に対応して設けられている。位置決めピン24は、ピン挿入孔33に挿入及び嵌合されることで、第1拘束板P1及び第2拘束板P2を押圧部8に対して位置決めする。本実施形態では、2つの位置決めピン24が設けられている。
図2は、図1の第1拘束板及び第2拘束板を第1方向から見た平面図である。図1及び図2に示されるように、第1拘束板P1及び第2拘束板P2は互いに同一形状を有している。
第1拘束板P1及び第2拘束板P2は、搬送装置10に合わせて作製された搬送装置用治具である。第1拘束板P1及び第2拘束板P2のそれぞれは、第1方向D1で互いに対向する第1面30a及び第2面30bを有する板状部材である。第1拘束板P1及び第2拘束板P2のそれぞれは、重複部31と、複数の延在部32と、ピン挿入孔33と、貫通孔34と、を有している。
重複部31は、略矩形板状をなしている。重複部31は、積層電極Lを第1拘束板P1と第2拘束板P2との間に挟み込んだ際に、第1方向D1から見て積層電極Lと重なる部分である。重複部31は、第2方向D2で互いに対向する第1端面31a及び第2端面31bと、第3方向D3で互いに対向する第3端面31c及び第4端面31dと、を有している。第1端面31aは、チャック6aと対向する面である。第2端面31bは、チャック6bと対向する面である。なお、重複部31は、第1方向D1から見て必ずしも全体が積層電極Lと重なる必要はなく、少なくとも一部が積層電極Lと重なっていればよい。
延在部32は、積層電極Lを第1拘束板P1と第2拘束板P2との間に挟み込んだ際に、第1方向D1から見て積層電極Lの周縁からはみ出すように重複部31から重複部31の外方へ延びる部分である。本実施形態では、4つの延在部32が設けられている。4つの延在部32のそれぞれは、重複部31の四隅のそれぞれから第2方向D2に沿って重複部31の外方に延びている。4つの延在部32のうち2つは、第2方向D2に沿って第1端面31aから延びている。残りの2つは、第2方向D2に沿って第2端面31bから延びている。
第1端面31aから延びる一対の延在部32は、第3方向D3に沿って互いに離間している。第2端面31bから延びる一対の延在部32は、第3方向D3に沿って互いに離間している。なお、延在部32は、第1方向D1から見て必ずしも全体が積層電極Lの周縁からはみ出す必要はないが、全ての延在部32について、少なくとも一部が積層電極Lの周縁からはみ出している。
ピン挿入孔33は、重複部31の第1面30a側に設けられている。本実施形態では、2つのピン挿入孔33が設けられている。2つのピン挿入孔33のそれぞれは、位置決めピン24と嵌合する形状を有している。2つのピン挿入孔33のそれぞれは、テーパー形状のピン導入部を有し、第1拘束板P1の内側(第2面30b側)にいくにしたがって、孔径が小さくなり、ピンと同径となっている。
貫通孔34は、延在部32に設けられている。本実施形態では、4つの貫通孔34が設けられている。
図3は、本実施形態の搬送装置を適用する積層型電池の製造方法全体の概略を示す製造ラインの工程図である。積層型電池は、例えば、リチウムイオン二次電池である。積層型電池の製造方法は、電極である正極及び負極を製造する正極製造工程及び負極製造工程を含んでいる。正極製造工程は、具体的には、混錬(S11)、塗工(S12)、プレス(S13)、検査(S14)、減圧乾燥(S15)、及び切断(S16)の各工程を含んでいる。
混練工程では、活物質層の主成分である活物質粒子と、バインダ及び導電助剤等の粒子とを混練機内の溶媒中で混練し、各粒子の分散性がよい電極合剤を製造する。バインダは、例えばポリアミドイミド、ポリイミド等の熱可塑性樹脂であってもよく、主鎖にイミド結合を有するポリマー樹脂であってもよい。溶媒は、例えばNMP(N−メチルピロリドン)、メタノール、メチルイソブチルケトン等の有機溶媒であってもよく、水であってもよい。導電助剤は例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、及びグラファイト等の炭素系材料である。
塗工工程では、ロール状に巻かれた帯状の金属箔を繰り出し、その金属箔の表面に、電極合剤を間欠的または連続的に塗布する。電極合剤が塗布された金属箔は、電極合剤の塗布の直後に乾燥炉内を通過する。これにより、電極合剤に含まれる溶媒が乾燥及び除去されると共に、樹脂よりなるバインダが活物質粒子同士を結合する。これにより、活物質粒子の間に微細な間隙(空孔)を有する活物質層が形成される。
プレス工程では、帯状の金属箔の表面に形成された活物質層をロールにより所定の圧力でプレスする。これにより、活物質層が圧縮され、活物質の密度が適切な値に高められる。次いで、外観検査工程が実施される。外観検査工程では、活物質層の表面状態をカメラ等で確認し、良品及び不良品の判定を行う。減圧乾燥工程では、活物質層が形成された帯状の金属箔を、真空乾燥炉内に収容して減圧高温化にて乾燥する。これにより、活物質層に残留するわずかな溶媒を除去する。次いで、切断工程が実施される。切断工程では、例えば、打ち抜き機を用いて、活物質層が形成された金属箔を所定の形状に打ち抜いて切断することで、正極を形成する。
正極製造工程では、これらの各工程が順に行われることにより、矩形の金属箔の両面に正極活物質層を備え、一辺にて金属箔が延在するタブを備えた正極が製造される。本実施形態では、正極製造工程は、正極を袋状セパレータに収納し、セパレータ収納式正極とする電極収容工程(S17)を更に含んでいる。
一方、負極製造工程は、具体的には、混錬(S18)、塗工(S19)、ロールプレス(S20)、検査(S21)、減圧乾燥(S22)、及び切断(S23)の各工程を含んでいる。負極製造工程では、これらの各工程が順に行われることにより、矩形の金属箔の両面に負極活物質層を備え、一辺にて金属箔が延在するタブを備えた負極が製造される。正極製造工程及び負極製造工程は平行して行われる。
積層型電池の製造方法は、更に、上記正極製造工程(上記S11〜S17)で製造された正極、及び上記負極製造工程(上記S18〜S23)で製造された負極を用い、電極組立体を形成する組立工程を含んでいる。組立工程は、電極積層(S24)、厚さ計測(S25)、及び厚さ調整(S26)の各工程を含む積層工程と、タブ溶接工程(S27)とを有している。
電極積層工程では、ピッカー等の積層設備で、セパレータ収納式正極と、負極とを所定枚数まで交互に積層する。厚さ計測工程では、積層電極Lを検査装置に搬送し、所定の荷重を加えた状態で、その厚さを計測する。このとき、電極の表面に局所的な荷重を加えると損傷の一因となるため、第1拘束板P1及び第2拘束板P2により積層電極Lを狭持した状態で、荷重の付加と計測が行われる。厚さ調整工程では、厚さ計測工程の計測結果に応じて、樹脂製の厚さ調整シートを積層体に加えて、積層電極Lの厚さを調整する。ここで、厚さ調整シートは、第1拘束板P1及び第2拘束板P2による積層電極Lの挟持を解除した状態で、積層電極Lに加えられる。タブ溶接工程では、同極のタブ同士を抵抗溶接により接続し、一体化する。これにより電極組立体が形成される。溶接に先立ち、積層電極Lが位置ずれを起こさないように、厚さ計測時に積層電極Lを狭持した第1拘束板P1及び第2拘束板P2をボルトで固定する。
積層型電池の製造方法は、更に、缶収容(S28)、封缶(S29)、注液(S30)、仮封止(S31)、エージング(S32)、及び本封止(S33)の各工程を更に含んでいる。缶収容工程では、例えば一面側が開口する有底の電槽缶に、組立工程(S24〜S27)で形成された電極組立体を収容する。封缶工程では、電槽缶の開口に蓋を溶接等で接合し、電槽缶の開口を塞ぐ。注液工程では、電槽缶と蓋とからなるケースの内部に注液口から電解液を注入する。仮封止工程では、注液口が仮封止される。エージング工程では、電極組立体と、ケースとを有する蓄電構造体を所定時間及び所定温度で保持する。本封止工程では、仮封止を解除して、注液口を封止部材で本封止する。この後、電池としての検査工程などを経て出荷されるが、ここでは省略する。
積層型電池の製造方法では、組立工程(S24〜S27)で形成された電極組立体を用いて、これらの各工程が順に行われることにより、積層型電池が製造される。
本実施形態の搬送装置10は、積層設備で積層された積層電極Lを、厚さ計測のための検査装置まで搬送する。また、第1拘束板P1及び第2拘束板P2は、搬送後、厚さ計測及びタブ溶接時も治具として用いられる。特に延在部32の貫通孔34は、タブ溶接前にボルトを挿通し、第1拘束板P1及び第2拘束板P2の固定のために用いられる。
図4は、図1の搬送装置により積層電極を搬送する搬送方法を示すフローチャートである。図4に示されるように、本実施形態に係る搬送方法は、第1拘束板P1を吸着保持する工程(S1)と、第1拘束板P1を搬送する工程(S2)と、第1拘束板P1を載置する工程(S3)と、第2拘束板P2を吸着保持する工程(S4)と、第2拘束板P2を搬送する工程(S5)と、第1拘束板P1を固定する工程(S6)と、第2拘束板P2を載置する工程(S7)と、積層電極Lを搬送する工程(S8)と、を含んでいる。
以下、図5〜図12を参照しながら、各工程について説明する。
(1)第1拘束板P1を吸着保持する工程(S1)
図5は、第1拘束板を吸着保持する工程を説明する斜視図である。図5に示されるように、搬送装置10は、第1拘束板P1及び第2拘束板P2が保管されている所定の場所(以下、保管場所という)の上方にハンド1を移動させる。第1拘束板P1及び第2拘束板P2は、保管場所において、下方から第2拘束板P2及び第1拘束板P1の順に、第1面30aが上方を向いた状態で積層されている。したがって、押圧板18の第2面18bと、第1拘束板P1の第1面30aとが第1方向D1に沿って対向する。ここで、シリンダー20が伸長し、押圧板18の第2面18bがチャック6a及びチャック6bのそれぞれの下端よりも下方に位置する状態とされる。
続いて、搬送装置10は、押圧板18の第2面18bが第1拘束板P1の第1面30aと接触するまで、第1方向D1に沿って下方にハンド1を移動させる。これにより、位置決めピン24が対応するピン挿入孔33に挿入及び嵌合されて、第1拘束板P1が押圧部8に対して第2方向D2及び第3方向D3に位置決めされる。続いて、搬送装置10は、押圧板18に設けられた吸着保持部22により、第1拘束板P1の第1面30aを吸着する。これにより、第1拘束板P1が吸着保持された状態となる。
(2)第1拘束板P1を搬送する工程(S2)
図6は、第1拘束板を搬送する工程を説明する斜視図である。図6に示されるように、搬送装置10は、第1拘束板P1を吸着保持した状態で、第1方向D1に沿って上方にハンド1を移動させる。続いて、搬送装置10は、シート状の電極が積層されて積層電極L(図1参照)が形成される所定の場所(以下、積層場所という)の上方に、ハンド1を移動させる。続いて、搬送装置10は、第1方向D1に沿って下方にハンド1を移動させる。これにより、搬送装置10は、第1拘束板P1を保管場所から積層場所に搬送する。
(3)第1拘束板P1を載置する工程(S3)
図7は、第1拘束板を載置する工程を説明する斜視図である。図7に示されるように、搬送装置10は、積層場所において、吸着保持部22による第1拘束板P1の吸着を解除する。これにより、搬送装置10は、第1拘束板P1を積層場所に載置する。
(4)第2拘束板P2を吸着保持する工程(S4)
図8は、第2拘束板を吸着保持する工程を説明する斜視図である。図8に示されるように、本実施形態では、本工程の前に、積層場所に載置された第1拘束板P1の第1面30a上に、公知の方法により電極が積層されて積層電極Lが形成される。即ち、このような積層電極Lの形成は、第1拘束板P1を載置する工程(S3)後であって、第2拘束板P2を吸着保持する工程(S4)前に実施される。なお、当該積層電極Lの形成は、第1拘束板P1を載置する工程(S3)後であって、第1拘束板P1を固定する工程(S6)前であれば、どのタイミングで実施されてもよく、第2拘束板P2を吸着保持する工程(S4)又は第2拘束板P2を搬送する工程(S5)と並行して実施されてもよい。
第2拘束板P2を吸着保持する工程(S4)では、搬送装置10は、第1拘束板P1を吸着保持する工程(S1)と同様に、押圧板18の第2面18bが第2拘束板P2の第1面30aと接触するまで、第1方向D1に沿って下方へハンド1を移動させる。これにより、位置決めピン24(図5参照)が対応するピン挿入孔33(図2参照)に挿入及び嵌合されて、第2拘束板P2が押圧部8に対して位置決めされる。続いて、搬送装置10は、押圧板18に設けられた吸着保持部22により、第2拘束板P2の第1面30aを吸着する。これにより、第2拘束板P2が吸着保持された状態となる。
(5)第2拘束板P2を搬送する工程(S5)
第1拘束板P1を搬送する工程(S2)と同様に、搬送装置10は、第2拘束板P2を吸着保持した状態で、第1方向D1に沿って上方へハンド1を移動させる。続いて、搬送装置10は、積層場所の上方にハンド1を移動させる。これにより、搬送装置10は、第2拘束板P2を保管場所から積層場所の上方に搬送する。このとき、押圧板18の第2面18bと積層電極Lとが、第2拘束板P2を介して第1方向D1に沿って対向した状態となる。
(6)第1拘束板P1を固定する工程(S6)
図9は、第1拘束板を固定する工程を説明する斜視図である。図9に示されるように、まず、搬送装置10は、シリンダー20を収縮させ、押圧板18及び第2拘束板P2の下方に、積層電極L及び第1拘束板P1を収容可能な空間を形成する。続いて、搬送装置10は、第1方向D1に沿って下方へハンド1を移動させる。
図10は、図9の第1拘束板を第1方向から見た平面図である。図10では、簡単のために第1拘束板P1以外が省略されて示されている。図11は、図10のX−X線に沿っての断面図である。図11では、第1拘束板P1と、図10において省略された第2拘束板P2、積層電極L、チャック6a、及び押圧板18とが模式的に示されている。図11では、第1拘束板P1及び第2拘束板P2の第1端面31a側の部分と、チャック6aとが示されている。以下では、まず、チャック6aにより第1拘束板P1の第1端面31a側の部分を固定する工程について説明する。
図11(a)に示されるように、ハンド1が第1方向D1に沿って下方に移動される際、チャック6aは、第1部材61及び第2部材62を互いに近接させた状態(以下、閉じた状態という)とされる。図11(b)に示されるように、この状態でハンド1が下方に移動されると、第1部材61及び第2部材62のそれぞれの支持部16が、第1拘束板P1の第1端面31aから延びる一対の延在部32の間を通過する。
搬送装置10は、各支持部16が第1拘束板P1の第2面30bよりも下方に出た時点で、ハンド1の移動を停止させる。具体的には、各支持部16の上面が第2面30bよりも所定距離だけ下方に位置した時点で、ハンド1の移動を停止させる。なお、積層場所において、第1拘束板P1が載置された面には、各支持部16を第1拘束板P1の第2面30bよりも下方に位置させるための凹部が形成されている。
続いて、図11(c)に示されるように、チャック6aは、第1部材61及び第2部材62を互いに離間させた状態(以下、開いた状態という)とされる。これにより、各突出部14は、第1拘束板P1の第1端面31aから延びる一対の延在部32の間において各延在部32に当接し、第3方向D3に沿って一対の突出部14が互いに離間する方向に各延在部32を押圧する。即ち、各延在部32は、第3方向D3の片側から力を受ける。この結果、チャック6aの一対の突出部14によって、第1拘束板P1の第1端面31a側の部分がハンド1に対して第3方向D3に固定された状態となる。即ち、一対の突出部14のそれぞれは、第1拘束板P1の固定部材として機能すると共に、一対の突出部14は、固定部として機能している。
同様に、チャック6b(図1参照)の突出部14によって、第1拘束板P1の第2端面31b(図2参照)側の部分もハンド1に対して第3方向D3に固定された状態となる。各支持部16は、上述のように、各支持部16の上面が第2面30bよりも所定距離だけ下方に位置した状態にある。このため、チャック6a及びチャック6bが開いた状態とされたとき、各支持部16は、各延在部32と干渉することなく各延在部32の下方に潜り込む。
(7)第2拘束板P2を載置する工程(S7)
図11(d)に示されるように、搬送装置10は、シリンダー20を伸長させ、第2拘束板P2を第1方向D1に沿って下方に移動させる。搬送装置10は、第2拘束板P2が積層電極L上に接触する。これにより、搬送装置10は、第2拘束板P2を積層電極L上に載置する。
(8)積層電極Lを搬送する工程(S8)
図12は、積層電極を搬送する工程を説明する斜視図である。図12に示されるように、搬送装置10は、積層電極L上に載置した第2拘束板P2を、押圧部8により第1方向D1に沿って第1拘束板P1側に押圧する。続いて、搬送装置10は、ハンド1を上方に移動させる。これにより、各延在部32の下方に潜り込んでいた各支持部16が延在部32に引っかかり、第1拘束板P1の第1方向D1に沿う下方への移動が制限された状態となる。この結果、積層電極Lが第1拘束板P1と第2拘束板P2との間に挟み込まれる。このように、搬送装置10は、ハンド1により積層電極Lを第1拘束板P1と第2拘束板P2との間に挟み込んで把持した状態で搬送する。
以上のように構成された第1実施形態に係る搬送装置10では、ハンド1は、チャック6a及びチャック6bの支持部16により第1拘束板P1の第2面30bを支持すると共に、押圧部8により第2拘束板P2の第1面30aを第1方向D1に沿って第1拘束板P1側に押圧する。これにより、ハンド1は、互いに対向する第1拘束板P1の第1面30aと第2拘束板P2の第2面30bとの間に、積層電極Lを挟み込んで把持することができる。したがって、積層電極Lでは、電極同士がずれ難く、予めテープ及びボルト等で電極同士を固定する必要がない。この結果、搬送作業の効率の低下を抑制することが可能となる。
また、チャック6a及びチャック6bのそれぞれは、第3方向D3に沿って互いに離間及び近接する一対の突出部14を有している。チャック6a及びチャック6bのそれぞれが、第1拘束板P1の第1端面31a及び第2端面31bのそれぞれから延びる一対の延在部32の間において開いた状態とされると、各突出部14は、第1拘束板P1の第1端面31aから延びる一対の延在部32の間において各延在部32に当接し、第3方向D3に沿って一対の突出部14が互いに離間する方向に各延在部32を押圧する。この結果、チャック6a及びチャック6bのそれぞれの一対の突出部14によって、第1拘束板P1の第1端面31a側の部分及び第2端面31b側の部分のそれぞれがハンド1に対して第3方向D3に固定された状態となる。したがって、搬送装置10は、ハンド1により積層電極Lをより確実に把持した状態で搬送することができる。
また、支持部16と突出部14とは一体化されている。このため、部品点数を減らすことができる。
また、押圧部8は、押圧板18の第2面18b側に吸着保持部22を有している。このため、搬送装置10は、第1拘束板P1及び第2拘束板P2を搬送する際に、吸着保持部22により第1拘束板P1及び第2拘束板P2の第1面30aを吸着保持することができる。したがって、第1拘束板P1及び第2拘束板P2を容易に搬送することができる。
また、押圧部8は、押圧板18の第2面18b側に、複数の位置決めピン24を有している。これに対応して、第1拘束板P1及び第2拘束板P2の第1面30a側には、複数のピン挿入孔33が設けられている。このため、搬送装置10は、位置決めピン24をピン挿入孔33に挿入及び嵌合させた状態で、第1拘束板P1及び第2拘束板P2の搬送を行うことができる。これにより、第1拘束板P1及び第2拘束板P2は、押圧部8に対して第2方向D2及び第3方向D3に位置決めされ、押圧部8に対して第2方向D2及び第3方向D3へずれ難くなる。したがって、搬送装置10は、第1拘束板P1及び第2拘束板P2を安定して搬送することができる。
特に、第1拘束板P1及び第2拘束板P2は、複数の位置決めピン24により位置決めされる。このため、第1拘束板P1及び第2拘束板P2を吸着保持部22により吸着保持して搬送する際、第1拘束板P1及び第2拘束板P2は、押圧部8に対して、一本の位置決めピンを用いた場合に生じる位置決めピン24を回転軸とした回転方向へのずれが、生じ難くなる。したがって、搬送装置10は、第1拘束板P1及び第2拘束板P2を、搬送先である積層場所において目的とする位置に精度よく載置することができる。この結果、第1拘束板P1と第2拘束板P2とが、積層場所において第1方向D1から見て互いに精度よく重なり合う。更に、位置決めピン24及びピン挿入孔33はいずれもテーパー形状をなしているため、挿入し易い。
また、押圧部8は、エアシリンダーによって駆動される。このため、押圧部8の構成を簡素化することができる。
第1実施形態に係る第1拘束板P1は、第1方向D1から見て積層電極Lと重なる重複部31を備えている。このため、第1拘束板P1を搬送装置10に用いる場合、積層電極Lを第2拘束板P2との間に挟み込むことができる。また、第1拘束板P1は、第1方向D1から見て積層電極Lの周縁からはみ出すように重複部31から重複部31の外方に延びる延在部32を備えている。このため、第1拘束板P1を搬送装置10に用いる場合、支持部16による第1拘束板P1の支持、及び突出部14による第1拘束板P1の固定を第1拘束板P1の延在部32に対して行うことができる。延在部32上には、積層電極Lは配置されていないので、突出部14及び支持部16を積層電極Lに干渉させずに、用いることができる。この結果、搬送作業の効率の低下を抑制することが可能となる。
(第2実施形態)
続いて、図13及び図14を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1拘束板P1及び第2拘束板P2の形状、及び、チャック6a及びチャック6bの構成の点で、第1実施形態と相違し、その他の点で第1実施形態と一致している。
図13は、第2実施形態の第1拘束板を固定する工程における第1拘束板を第1方向から見た平面図である。図13では、簡単のために第1拘束板P1以外が省略されて示されている。図13に示されるように、第2実施形態に係る第1拘束板P1では、延在部32は第1端面31a側及び第2端面31b側のそれぞれに1つずつ配置されている。各延在部32は、第1端面31a及び第2端面31bのそれぞれの第3方向D3の略中央に配置されている。図示を省略するが、第2拘束板P2(図14参照)についても、第1拘束板P1と同様の形状となっている。
図14は、図13のXIII−XIII線に沿っての断面図である。図14では、第1拘束板P1と、図13において省略され第2拘束板P2、積層電極L、チャック6a、及び押圧板18とが模式的に示されている。図14では、第1拘束板P1及び第2拘束板P2の第1端面31a側の部分と、チャック6aとが示されている。
図14に示されるように、第2実施形態に係るチャック6aの第1部材61では、支持部16は、突出部14の下端部から第3方向D3に沿って第2部材62側に張り出している。第2部材62では、支持部16は、突出部14の下端部から第3方向D3に沿って第1部材61側に張り出している。即ち、チャック6aにおいて、第1部材61の突出部14、第1部材61の支持部16、第2部材62の支持部16、及び第2部材62の突出部14は、第3方向D3に沿ってこの順に並んでいる。図示を省略するが、チャック6bについても、チャック6aと同様の構成となっている。
第2実施形態に係る第1拘束板を固定する工程(S6)として、以下では、まず、チャック6aにより第1拘束板P1の第1端面31a側の部分を固定する工程について説明する。
図14(a)に示されるように、ハンド1が第1方向D1に沿って下方に移動される際、チャック6aは開いた状態とされる。図14(b)に示されるように、この状態でハンド1が更に下方に移動されると、第1部材61及び第2部材62のそれぞれの支持部16が、第1拘束板P1の第1端面31aから延びる延在部32の第3方向D3の両側を通過する。
搬送装置10は、各支持部16が第1拘束板P1の第2面30bよりも下方に出た時点で、ハンド1の移動を停止させる。具体的には、各支持部16の上面が第2面30bよりも所定距離だけ下方に位置した時点で、ハンド1の移動を停止させる。なお、積層場所において、第1拘束板P1が載置された面には、各支持部16を第1拘束板P1の第2面30bよりも下方に位置させるための凹部が形成されている。
続いて、図14(c)に示されるように、チャック6aは閉じた状態とされる。これにより、一対の突出部14は、延在部32の第3方向D3の両側に当接し、延在部32を第3方向D3に沿って挟み込む。即ち、各延在部32は、第3方向D3の両側から等しい力を受ける。この結果、チャック6aの一対の突出部14によって、第1拘束板P1の第1端面31a側の部分がハンド1に対して第3方向D3に固定された状態となる。
同様に、チャック6b(図1参照)の突出部14によって、第1拘束板P1の第2端面31b(図13参照)側の部分もハンド1に対して第3方向D3に固定された状態となる。これにより、第1拘束板P1が2か所で支持部16に対して第3方向D3に位置決めされる。このとき、各支持部16は、各延在部32の下方に位置している。上述のように、各支持部16の上面が第2面30bよりも所定距離だけ下方に位置した時点で、ハンド1の移動が停止される。このため、チャック6a及びチャック6bが閉じた状態とされたとき、各支持部16は、各延在部32と干渉することなく各延在部32の下方に潜り込む。
以上のように構成された第2実施形態では、第1実施形態と同様の効果が奏される。第1実施形態の各延在部32は、各突出部14により、第3方向D3の片側のみから力を受ける。これに対して、第2実施形態の各延在部32は、一対の突出部14により、第3方向D3の両側から等しい力を受ける。したがって、第1実施形態に比べて、第2実施形態では、延在部32の破損が生じ難くなる。
また、第1拘束板P1を固定する工程(S6)において、第1実施形態では、ハンド1を下方に移動させることにより、支持部16を第1拘束板P1の第2面30bよりも下方に位置させるためには、支持部16に一対の延在部32の間の空間を通過させる必要がある。一対の延在部32の間の間隔が狭い場合、支持部16と延在部32とが衝突するおそれがある。これに対して、第2実施形態では、支持部16に延在部32の両側を通過させればよい。したがって、支持部16と延在部32とが衝突するおそれが小さくなる。
(第3実施形態)
続いて、図15を参照して、第3実施形態について説明する。図15は、第3実施形態に係る第1拘束板及び第2拘束板を第1方向から見た平面図である。図15に示されるように、第1拘束板P1及び第2拘束板P2は互いに同一形状を有している。第3実施形態は、第1拘束板P1及び第2拘束板P2のそれぞれが、第1端面31a及び第2端面31bに加えて、第3端面31cから重複部31の外方に延びる一対の延在部32を有している点で、第2実施形態と相違している。また、第3実施形態は、搬送装置がチャック6a及びチャック6bに加えて、第3端面31cから延びる一対の延在部32に対応するチャック(不図示)を有している点で、第2実施形態と相違し、その他の点で第2実施形態と一致している。更に、第3実施形態は、第1端面31a及び第2端面31bのそれぞれから重複部31の外方に延びる延在部32の第3方向D3での幅が、第2実施形態と相違している。
第3端面31cから延びる一対の延在部32は、第2方向D2に沿って互いに離間している。第3実施形態に係る搬送装置は、第3端面31cから延びる一対の延在部32に対応するチャックとして、第1実施形態のチャック6a及びチャック6bのように、開いた状態で第1拘束板P1を固定する方式のチャック(不図示)を備えている。このチャックにより、第1拘束板P1が支持部16に対して、第2方向D2に位置決めされた状態となる。
以上のように構成された第3実施形態では、第2実施形態と同様の効果が奏される。また、第3実施形態では、第1拘束板P1が支持部16に対して、チャック6a及びチャック6bにより第3方向D3に位置決めされるのに加え、第3端面31cから延びる一対の延在部32に対応するチャックにより第2方向D2にも位置決めされる。したがって、第1拘束板P1が支持部16に対してずれ難くなるので、積層電極Lをより安定して搬送することができる。また、第1端面31a及び第2端面31bのそれぞれから重複部31の外方に延びる延在部32の第3方向D3での幅が、第1実施形態に比べて狭い。このため、支持部16が、延在部32の両側を通過して、第1拘束板P1の第2面30bよりも下方に到達する際、支持部16と延在部32とが衝突して互いに破損する可能性を第2実施形態よりも更に低くすることができる。
(第4実施形態)
続いて、図16を参照して、第4実施形態について説明する。図16は、第4実施形態に係る第1拘束板及び第2拘束板を第1方向から見た平面図である。図16に示されるように、第1拘束板P1及び第2拘束板P2は互いに同一形状を有している。第4実施形態は、第3端面31cから重複部31の外方に延びる延在部32の形状の点で、第3実施形態と相違している。更に、第4実施形態は、第3端面31cから延びる延在部32に対応するチャック(不図示)の構成の点で、第3実施形態と相違し、その他の点で第3実施形態と一致している。
第3端面31cから延びる1つの延在部32は、第3端面31cの第2方向D2の略中央に配置されている。第3実施形態に係る搬送装置は、第3端面31cから延びる延在部32に対応するチャック(不図示)として、第2実施形態のチャック6a及びチャック6bのように、閉じた状態で第1拘束板P1を固定する方式のチャックを備えている。このチャックにより、第1拘束板P1が支持部16に対して、第2方向D2に位置決めされた状態となる。
以上のように構成された第4実施形態では、第3実施形態と同様の効果が奏される。また、第3実施形態では、第3端面31cから延びる延在部32についても、第1端面31a及び第2端面31bから延びる延在部32と同様の理由で破損が生じ難くなる。また、第3端面31cから延びる延在部32に対応するチャックについても、チャック6a及びチャック6bと同様の理由で、支持部16と延在部32とが衝突して破損する可能性が低くなる。
なお、本発明に係る搬送装置は、上記実施形態に限定されない。例えば、第2拘束板P2は、第1拘束板P1と同一形状でなくてもよい。第2拘束板P2は、押圧部8により押圧されて第1拘束板P1との間に積層電極Lを挟み込むことができれば、どのような形状であってもよい。
また、支持部16は、第1拘束板P1を支持可能であればよく、突出部14と別体であってもよい。
また、突出部14は、第1拘束板P1を支持部16に対して第1方向D1に交差する方向に位置決めできればよい。ハンド1は、必ずしも突出部14を備える必要はないが、一対の突出部14を備えると、第1拘束板P1の位置決め精度が向上する。また、ハンド1が二対以上の突出部14を備えると、第1拘束板P1の位置決め精度が更に向上する。
また、搬送の対象となる対象物は、積層電極Lに限らず、第1拘束板P1と第2拘束板P2との間に挟み込んで把持できるものであれば、どのような物であってもよい。例えば、積層体ではなく、段ボール箱といった箱体等であってもよい。また、例えば、レトルト食品、及び洗剤のパウチ等、形状の安定しないものを対象物としてもよい。このような形状の安定しないものを対象物とする場合も、第1拘束板P1と第2拘束板P2との間に対象物を挟み込んで圧力を加えることで安定する。更に、このように形状の安定しないものを複数並べたものを対象物とする場合も、第1拘束板P1と第2拘束板P2との間に対象物を並べた状態で挟持することで、同時に安定して搬送することができる。
また、位置決めピン24及びピン挿入孔33は、必ずしも設けられなくてもよいし、1つの位置決めピン24及びピン挿入孔33が設けられてもよい。複数の位置決めピン24及びピン挿入孔33が設けられると、第1拘束板P1の位置決め精度が向上する。
1…ハンド(把持部)、6a,6b…チャック、8…押圧部、10…搬送装置、14…突出部(固定部、固定部材)、16…支持部、22…吸着保持部、24…位置決めピン(位置決め部)、31…重複部、32…延在部、34…貫通孔、D1…第1方向(対向方向)、D2…第2方向、D3…第3方向(交差方向)、L…積層電極(積層体)、P1…第1拘束板(第1治具)、P2…第2拘束板(第2治具)。

Claims (10)

  1. 搬送の対象となる対象物を把持する把持部を備え、
    前記把持部は、
    板状の第1治具を支持する支持部と、
    前記対象物を介して前記第1治具と対向して配置された板状の第2治具を前記第1治具と前記第2治具とが対向する対向方向に沿って前記第1治具側に押圧する押圧部と、
    を有する、搬送装置。
  2. 前記把持部は、前記第1治具を前記把持部に対して前記対向方向に交差する交差方向に固定する固定部を更に備える、請求項1に記載の搬送装置。
  3. 前記支持部と前記固定部とは一体化されている、請求項2に記載の搬送装置。
  4. 前記固定部は、前記交差方向に沿って互いになす距離を変える一対の固定部材を有する、請求項2または請求項3に記載の搬送装置。
  5. 前記対象物は、前記対向方向に積層された積層体である、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の搬送装置。
  6. 前記対象物は、電池の電極組立体を構成する正極及び負極を含む積層体である、請求項5に記載の搬送装置。
  7. 前記押圧部は、前記第1治具又は前記第2治具を搬送する際に、前記第1治具又は前記第2治具を吸着保持する吸着保持部を有する、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の搬送装置。
  8. 前記押圧部は、前記第1治具又は前記第2治具を前記押圧部に対して位置決めする位置決め部を有する、請求項7に記載の搬送装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載される搬送装置において前記第1治具として用いられる搬送装置用治具であって、
    前記対向方向から見て前記対象物と重なる重複部と、
    前記対向方向から見て前記対象物の周縁からはみ出すように前記重複部から延びる延在部と、を備える、搬送装置用治具。
  10. 請求項6に記載される搬送装置において前記第1治具として用いられる搬送装置用治具であって、
    前記対向方向から見て前記対象物と重なる重複部と、
    前記対向方向から見て前記対象物の周縁からはみ出すように前記重複部から延びる延在部と、を備え、
    前記延在部には貫通孔が設けられている、搬送装置用治具。
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