JP2016191004A - 固形描画材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ワックスと、体質材と、隠蔽性顔料とを含む固形描画材であって、さらに、粘着性付与剤と、基材としての融点60〜90℃、かつ、JIS K7210:1999で定めるメルトフローレートが400〜3,000g/10minであるエチレン酢酸ビニル共重合体5〜20重量%と、融点30℃以下の潤滑成分と、改質剤とを含むことを特徴とする固形描画材。
【選択図】図1
Description
たとえば、下記特許文献1には、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂20〜40%、パラフィン、硬化ロウ等のワックス類20〜40%、顔料と体質材(タルク、炭酸カルシウム、粘土類)からなる書写可能な成形用組成物が開示されており、複雑な形に成形しても強度的に十分である、とされている。
下記特許文献2には、少なくとも顔料、エチレン酢酸ビニル共重合体、及びワックスからなる固形描画材が開示されており、アート紙、コート紙などの平滑な紙面に描いても濃度が高い、とされている。
下記特許文献4には、樹脂成分、45℃以上の融点のワックス成分、顔料、二酸化チタン及び体質材を含有する固形描画材が開示されており、紙面だけでなく非吸収面にも描画可能で布やティッシュペーパー等で容易に消去できる、とされている。
そこで本発明は、筆記面としての紙面やコート紙面のみならず金属あるいは岩材の表面上に、隠蔽性の高い輪郭のはっきりした目立つ塗膜を作ることができ、筆記面としての紙面やコート紙面のみならず金属あるいは石材の表面を修正テープのように被覆することができる固形描画材を提供することを課題とする。
さらに、粘着性付与剤と、基材としての融点60〜90℃であるエチレン酢酸ビニル共重合体と、融点30℃以下の潤滑成分と、改質剤と、を含むことを特徴とする。
さらに、前記粘着性付与剤は、テルペン樹脂、テルペン樹脂変性物、マレイン酸樹脂誘導体、クマロン・インデン樹脂、クマロン・インデン樹脂誘導体、スチレン系樹脂、イソプレン系樹脂、松脂、ロジンエステル及び石油樹脂から成る群から選ばれる1つ又は2以上の混合物であることが望ましい。具体的にはテルペンフェノール樹脂、水添テルペンフェノール樹脂、水添テルペン樹脂、芳香族変性水添テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂などのテルペン樹脂変性物の使用が更に望ましい。また、この粘着性付与剤の配合量としては、1〜10重量%が望ましい。
また、成分として揮発成分を含まないため、外部に紙巻きをしたり、ホルダーに収容したり、また、キャップを装着したりすることが不要であり、裸芯のまま直接手指で保持してもベタついたりすることはない。さらに、特にホルダー等の補強手段を設けずとも、裸芯の状態で筆記するのに十分な強度を有することともなっている。
(1)実施例及び比較例の組成及び製法
基材(EVA(溶融温度67℃、メルトフローレート:1,000、酢酸ビニルモノマーの含有率:28重量%)、商品名:ウルトラセン#735、東ソー株式会社製):12.0重量%
ワックス(ハゼロウ):15.0重量%
ワックス(パラフィンワックス(融点66℃)、商品名:150F、日本製蝋株式会社製):14.0重量%
体質材(タルク、商品名:ハイミクロン、竹原化学株式会社製):10.0重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン、商品名:JR−701、チタン工業株式会社製):30.0重量%
粘着性付与剤(テルペンフェノール樹脂、商品名:YSレジンLP、ヤスハラケミカル株式会社製):5.0重量%
改質剤(分岐長鎖二塩基酸、商品名:SB−20、岡村製油株式会社製):3.0重量%
潤滑成分(流動パラフィン、商品名:Lily70(融点−10℃以下)、日油株式会社製):9.7重量%
顔料分散剤(高分子アミノ化合物、商品名:フィラノールPA−107、日油株式会社製):1.0重量%
濡れ剤(ポリオキシアルキレンエーテル、商品名:ディスパノール、日油株式会社製):0.3重量%
上記配合組成物をニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練した後、加熱溶融させ、所定の型に流し込み、冷却、固化して、直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
基材(EVA、商品名:ウルトラセン#735):13.0重量%
ワックス(ハゼロウ):16.2重量%
ワックス(パラフィンワックス、商品名:150F):16.2重量%
体質材(タルク、商品名:ハイミクロン):15.0重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン、商品名:JR−701):5.0重量%
隠蔽性顔料(鉄黒、商品名:BL−100、チタン工業株式会社製):10.0重量%
隠蔽性顔料(カーボンブラック、商品名:MA−100、三菱化学株式会社製):5.0重量%
粘着性付与剤(テルペンフェノール樹脂、商品名:YSレジンLP):5.4重量%
改質剤(分岐長鎖二塩基酸、商品名:SB−20):3.2重量%
潤滑成分(流動パラフィン、商品名:Lily70):9.7重量%
顔料分散剤(高分子アミノ化合物、商品名:フィラノールPA−107):1.0重量%
濡れ剤(ポリオキシアルキレンエーテル、商品名:ディスパノール):0.3重量%
上記配合組成物を実施例1と同様にして、直径が10.0mmの図1に示すような黒色の固形描画材10を得た。
基材(EVA、商品名:ウルトラセン#735):13.0重量%
ワックス(ハゼロウ):16.2重量%
ワックス(パラフィンワックス、商品名:150F):16.2重量%
体質材(タルク、商品名:ハイミクロン):15.1重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン、商品名:JR−701):11.0重量%
隠蔽性顔料(有機顔料(赤顔料)、商品名:918レッドM−1、大日精化工業株式会社製):6.0重量%
隠蔽性顔料(有機顔料(赤顔料)、商品名:セイカファーストレッド1531B、大日精化工業株式会社製):4.0重量%
粘着性付与剤(テルペンフェノール樹脂、商品名:YSレジンLP):5.4重量%
改質剤(分岐長鎖二塩基酸、商品名:SB−20):3.2重量%
潤滑成分(流動パラフィン、商品名:Lily70):9.7重量%
顔料分散剤(高分子アミノ化合物、商品名:フィラノールPA−107):0.1重量%
濡れ剤(ポリオキシアルキレンエーテル、商品名:ディスパノール):0.1重量%
上記配合組成物を実施例1と同様にして、直径が10.0mmの図1に示すような赤色の固形描画材10を得た。
基材(EVA、商品名:ウルトラセン#735):13.0重量%
ワックス(ハゼロウ):16.2重量%
ワックス(パラフィンワックス、商品名:150F):16.2重量%
体質材(タルク、商品名:ハイミクロン):15.0重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン、商品名:JR−701):13.0重量%
隠蔽性顔料(有機顔料(黄顔料)、商品名:セイカファーストエロー2300(M)、大日精化工業株式会社製):6.0重量%
粘着性付与剤(テルペンフェノール樹脂、商品名:YSレジンLP):5.4重量%
改質剤(分岐長鎖二塩基酸、商品名:SB−20):3.2重量%
潤滑成分(流動パラフィン、商品名:Lily70):9.7重量%
顔料分散剤(高分子アミノ化合物、商品名:フィラノールPA−107):2.0重量%
濡れ剤(ポリオキシアルキレンエーテル):0.3重量%
上記配合組成物を実施例1と同様にして、直径が10.0mmの図1に示すような黄色の固形描画材10を得た。
基材(EVA、商品名:ウルトラセン#735):13.0重量%
ワックス(ハゼロウ):16.2重量%
ワックス(パラフィンワックス、商品名:150F):16.2重量%
体質材(タルク、商品名:ハイミクロン):17.4重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン、商品名:JR−701):15.0重量%
隠蔽性顔料(有機顔料(青顔料)、商品名:シアニンブルーHS−4、大日精化工業株式会社製):5.0重量%
粘着性付与剤(テルペンフェノール樹脂、商品名:YSレジンLP):5.4重量%
改質剤(分岐長鎖二塩基酸、商品名:SB−20):0.8重量%
潤滑成分(流動パラフィン、商品名:Lily70):9.7重量%
顔料分散剤(高分子アミノ化合物、商品名:フィラノールPA−107):1.0重量%
濡れ剤(ポリオキシアルキレンエーテル、商品名:ディスパノール):0.3重量%
上記配合組成物を実施例1と同様にして、直径が10.0mmの図1に示すような青色の固形描画材10を得た。
基材(EVA、商品名:ウルトラセン#735):13.0重量%
ワックス(ハゼロウ):16.2重量%
ワックス(パラフィンワックス、商品名:150F):16.2重量%
体質材(タルク、商品名:ハイミクロン):13.8重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン、商品名:JR−701):11.0重量%
隠蔽性顔料(有機顔料(黄顔料)、商品名:セイカファーストエロー2300(M)):2.0重量%
隠蔽性顔料(有機顔料(緑顔料)、商品名:シアニングリーン2GO、大日精化工業株式会社製):5.0重量%
粘着性付与剤(テルペンフェノール樹脂、商品名:YSレジンLP):5.4重量%
改質剤(分岐長鎖二塩基酸、商品名:SB−20):6.4重量%
潤滑成分(流動パラフィン、商品名:Lily70):9.7重量%
顔料分散剤(高分子アミノ化合物、商品名:フィラノールPA−107):1.0重量%
濡れ剤(ポリオキシアルキレンエーテル、商品名:ディスパノール):0.3重量%
上記配合組成物を実施例1と同様にして、直径が10.0mmの図1に示すような緑色の固形描画材10を得た。
基材(EVA、商品名:ウルトラセン#735):12.0重量%
ワックス(ハゼロウ):15.0重量%
ワックス(パラフィンワックス、商品名:150F):14.0重量%
体質材(タルク、商品名:ハイミクロン):14.5重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン、商品名:JR−701):30.0重量%
粘着性付与剤(テルペンフェノール樹脂、YSレジンLP):0.5重量%
改質剤(分岐長鎖二塩基酸、商品名:SB−20):3.0重量%
潤滑成分(流動パラフィン、商品名:Lily70):9.7重量%
顔料分散剤(高分子アミノ化合物、商品名:フィラノールPA−107):1.0重量%
濡れ剤(ポリオキシアルキレンエーテル、商品名:ディスパノール):0.3重量%
上記配合組成物を実施例1と同様にして、直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
基材(EVA、商品名:ウルトラセン#735):13.0重量%
ワックス(ハゼロウ):13.9重量%
ワックス(パラフィンワックス、商品名:150F):14.9重量%
体質材(タルク、商品名:ハイミクロン):12.7重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン、商品名:JR−701):5.0重量%
隠蔽性顔料(鉄黒、商品名:BL−100):10.0重量%
隠蔽性顔料(カーボンブラック、商品名:MA−100):5.0重量%
粘着性付与剤(テルペンフェノール樹脂、商品名:YSレジンLP):11.0重量%
改質剤(分岐長鎖二塩基酸、商品名:SB−20):3.2重量%
潤滑成分(流動パラフィン、商品名:Lily70):10.0重量%
顔料分散剤(高分子アミノ化合物、商品名:フィラノールPA−107):1.0重量%
濡れ剤(ポリオキシアルキレンエーテル、商品名:ディスパノール):0.3重量%
上記配合組成物を実施例1と同様にして、直径が10.0mmの図1に示すような黒色の固形描画材10を得た。
基材(EVA、商品名:ウルトラセン#735):13.0重量%
ワックス(ハゼロウ):17.6重量%
ワックス(パラフィンワックス、商品名:150F):17.6重量%
体質材(タルク、商品名:ハイミクロン):17.9重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン、商品名:JR−701):11.0重量%
隠蔽性顔料(有機顔料(赤顔料)、商品名:918レッドM−1):6.0重量%
隠蔽性顔料(有機顔料(赤顔料)、商品名:セイカファーストレッド1531B):4.0重量%
粘着性付与剤(テルペンフェノール樹脂、商品名:YSレジンLP):5.4重量%
改質剤(分岐長鎖二塩基酸、商品名:SB−20):3.2重量%
潤滑成分(流動パラフィン、商品名:Lily70):3.0重量%
顔料分散剤(高分子アミノ化合物、商品名:フィラノールPA−107):1.0重量%
濡れ剤(ポリオキシアルキレンエーテル、商品名:ディスパノール):0.3重量%
上記配合組成物を実施例1と同様にして、直径が10.0mmの図1に示すような赤色の固形描画材10を得た。
基材(EVA、商品名:ウルトラセン#735):13.0重量%
ワックス(ハゼロウ):12.8重量%
ワックス(パラフィンワックス、商品名:150F):12.8重量%
体質材(タルク、商品名:ハイミクロン):11.5重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン、商品名:JR−701):13.0重量%
隠蔽性顔料(有機顔料(黄顔料)、商品名:セイカファーストエロー2300(M)):5.0重量%
粘着性付与剤(テルペンフェノール樹脂、商品名:YSレジンLP):5.4重量%
改質剤(分岐長鎖二塩基酸、商品名:SB−20):3.2重量%
潤滑成分(流動パラフィン、商品名:Lily70):22.0重量%
顔料分散剤(高分子アミノ化合物、商品名:フィラノールPA−107):1.0重量%
濡れ剤(ポリオキシアルキレンエーテル、商品名:ディスパノール):0.3重量%
上記配合組成物を実施例1と同様にして、直径が10.0mmの図1に示すような黄色の固形描画材10を得た。
基材(EVA、商品名:ウルトラセン#735):12.0重量%
ワックス(ハゼロウ):15.5重量%
ワックス(パラフィンワックス、商品名:150F):15.5重量%
体質材(タルク、商品名:ハイミクロン):18.0重量%
隠蔽性顔料(着色樹脂顔料(蛍光桃顔料)、商品名:NKP−4017、日本蛍光株式会社製):20.0重量%
粘着性付与剤(テルペンフェノール樹脂、商品名:YSレジンLP):5.0重量%
改質剤(分岐長鎖二塩基酸、商品名:SB−20):3.0重量%
潤滑成分(流動パラフィン、商品名:Lily70):10.0重量%
顔料分散剤(高分子アミノ化合物、商品名:フィラノールPA−107):1.0重量%
上記配合組成物を実施例1と同様にして、直径が10.0mmの図1に示すような蛍光桃色の固形描画材10を得た。
基材(EVA、商品名:ウルトラセン#735):12.0重量%
ワックス(ハゼロウ):15.0重量%
ワックス(パラフィンワックス、商品名:150F):15.0重量%
体質材(タルク、商品名:ハイミクロン):10.2重量%
隠蔽性顔料(着色樹脂顔料(蛍光黄顔料)、商品名:NKP−4005、日本蛍光株式会社製):30.0重量%
粘着性付与剤(テルペンフェノール樹脂、商品名:YSレジンLP):5.0重量%
改質剤(分岐長鎖二塩基酸、商品名:SB−20):3.0重量%
潤滑成分(流動パラフィン、商品名:Lily70):9.8重量%
上記配合組成物を実施例1と同様にして、直径が10.0mmの図1に示すような蛍光黄色の固形描画材10を得た。
基材(EVA、商品名:ウルトラセン#735):12.0重量%
ワックス(ハゼロウ):17.0重量%
ワックス(パラフィンワックス、商品名:150F):17.0重量%
体質材(タルク、商品名:ハイミクロン):12.0重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン、商品名:JR−701):30.0重量%
潤滑成分(流動パラフィン、商品名:Lily70):10.7重量%
顔料分散剤(高分子アミノ化合物、商品名:フィラノールPA−107):1.0重量%
濡れ剤(ポリオキシアルキレンエーテル、商品名:ディスパノール):0.3重量%
上記配合組成物を実施例1と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
基材(EVA、商品名:ウルトラセン#735):12.0重量%
ワックス(ハゼロウ):15.9重量%
ワックス(パラフィンワックス、商品名:150F):15.9重量%
体質材(タルク、商品名:ハイミクロン):12.0重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン、商品名:JR−701):30.0重量%
改質剤(分岐長鎖二塩基酸、商品名:SB−20):3.2重量%
潤滑成分(流動パラフィン、商品名:Lily70):11.0重量%
上記配合組成物を実施例1と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような白色の固形描画材10を得た。
基材(EVA、商品名:ウルトラセン#735):13.0重量%
ワックス(ハゼロウ):16.7重量%
ワックス(パラフィンワックス、商品名:150F):16.7重量%
体質材(タルク、商品名:ハイミクロン):17.2重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン、商品名:JR−701):5.0重量%
隠蔽性顔料(鉄黒、商品名:BL−100):10.0重量%
隠蔽性顔料(カーボンブラック、商品名:MA−100):5.0重量%
粘着性付与剤(テルペンフェノール樹脂、商品名:YSレジンLP):5.4重量%
潤滑成分(流動パラフィン、商品名:Lily70):11.0重量%
上記配合組成物を実施例1と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような黒色の固形描画材10を得た。
基材(EVA、商品名:ウルトラセン#735):16.0重量%
ワックス(ハゼロウ):18.0重量%
ワックス(パラフィンワックス、商品名:150F):18.0重量%
体質材(タルク、商品名:ハイミクロン):18.4重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン、商品名:JR−701):11.0重量%
隠蔽性顔料(有機顔料(赤顔料)、商品名:918レッドM−1):7.0重量%
隠蔽性顔料(有機顔料(赤顔料)、商品名:セイカファーストレッド1531B):3.0重量%
粘着性付与剤(テルペンフェノール樹脂、商品名:YSレジンLP):5.4重量%
改質剤(分岐長鎖二塩基酸、商品名:SB−20):3.2重量%
上記配合組成物を実施例1と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような赤色の固形描画材10を得た。
(EVA(融点72℃、メルトフローレート6)、商品名:エバフレックスEV260、三井・デュポンポリケミカル株式会社製):13.0重量%
ワックス(ハゼロウ):16.2重量%
ワックス(パラフィンワックス、商品名:150F):16.2重量%
体質材(タルク、商品名:ハイミクロン):18.0重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン、商品名:JR−701):13.0重量%
隠蔽性顔料(有機顔料(黄顔料)、商品名:セイカファーストエロー2300(M)):3.0重量%
隠蔽性顔料(有機顔料(黄顔料)、商品名:セイカファーストエロー2500、大日精化工業株式会社製):1.0重量%
粘着性付与剤(テルペンフェノール樹脂、商品名:YSレジンLP):5.4重量%
改質剤(分岐長鎖二塩基酸、SB−20):3.2重量%
潤滑成分(流動パラフィン、商品名:Lily70):11.0重量%
上記配合組成物を実施例1と同様にして直径が10.0mmの図1に示すような黄色の固形描画材10を得た。
基材(ロジンエステル:16.0重量%
ワックス(ハゼロウ):34.0重量%
体質材(タルク、商品名:ハイミクロン):24.0重量%
隠蔽性顔料(二酸化チタン、商品名:JR−701):18.0重量%
隠蔽性顔料(有機顔料(青顔料)、商品名:シアニンブルーHS−4):8.0重量%
上記配合組成物を実施例1と同様にして、直径が10.0mmの図1に示すような青色の固形描画材10を得た。
上記実施例1〜8及び比較例1〜5の固形描画材について、筆記性(PET)、筆記性(ガラス)、筆記性(SUS)、定着性(PET)、定着性(ガラス)、定着性(SUS)、筆記性(玄武岩粗面)、定着性(玄武岩粗面)、耐熱筆記性(SUS)、折損強度φ10について評価、確認した。
上記の各実施例及び比較例に係る固形描画材を、それぞれそのまま用いてPETフィルム上、ガラス板上、SUS板上及び玄武岩粗面上に描画し、その時の描線の様子を1〜5の5段階で評価した。評価基準は以下の通りとした。
5:描線が濃く、はっきりと見える。
4:描線に乱れが見られるが、見苦しくない。
3:描線は掠れており、見苦しい。
2:描線はかなり掠れており、注意しないと見えない。
1:描線はほとんど見えない、もしくは描けない。
上記(2−1)で描いた描線を、それぞれ手指で軽く擦り、その時の描線の残り方を1〜5の5段階で評価した。評価基準は以下の通りとした。
5:描線は全く消えない。
4:ほとんど消えない。
3:描線の形は消えずに残る。
2:消えてしまうが少し跡が残る。
1:完全に消えて跡が残らない(ただし、上記(2−1)の評価がD又はEであった場合はこの評価とした)。
上記(2−1)の試験において筆記性(SUS)で使用したSUS板を250℃まで熱し、その上に描画し、その時の描線の様子を1〜5の5段階で評価した。評価基準は以下の通りとした。
5:描線が濃く、はっきりと見える。
4:描線に乱れが見られるが、見苦しくない。
3:描線は掠れており、見苦しい。
2:描線はかなり掠れており、注意しないと見えない。
1:描線はほとんど見えない、もしくは描けない。
上記(2−1)の試験において紙面に描いた際に筆記圧の調整を行いながら描画した際の各実施例及び比較例に係る固形描画材の様子を観察し、その時の各固形描画材自身の様子を1〜5の5段階で評価した。
5:力を入れて筆記しても折れない(70N以上)。
4:通常の使用でほとんど折れない(60N以上70N未満)。
3:通常の使用で折れる場合がある(50N以上60N未満)。
2:通常の使用で折れやすい(40N以上50N未満)。
1:通常の使用で頻繁に折れて、実用に適さない(40N未満)。
顔料分散剤及び濡れ剤が添加されていない実施例12に係る固形描画材においては、SUS表面及び玄武岩粗面に対する筆記性は、実施例1及び2と比べて劣るものとなった。
濡れ剤が添加されていない実施例11に係る固形描画材においては、耐熱筆記性及び玄武岩粗面に対する定着性は実施例1及び2と比べて劣るものとなった。
隠蔽性顔料100に対して顔料分散材が1よりも少ない実施例3においては、SUS表面及び玄武岩粗面上に対する筆記性が、実施例1及び2と比べ劣るものとなった。これは、顔料分散剤が隠蔽性顔料に対して少なく、隠蔽性顔料に吸着した顔料分散材が少なく、隠蔽性顔料が十分に分散せず、隠蔽性が得られる部分とそうでない部分とが生じ、描線に乱れが生じたもの推測された。
まず、比較例1は顔料分散剤及び濡れ剤は配合されているものの、粘着性付与剤と改質剤が配合されていないため、塗膜が形成されれば目立つものの、塗膜を形成し、筆記面上に粘着させる力に劣るため、筆記性に劣り、定着力も低いものと推測された。
比較例2は粘着性付与剤が配合されていないため、PETフィルム、ガラス、SUSの表面及び玄武岩粗面に輪郭のはっきりした目立つ塗膜を粘着させることができず、当然、隠蔽性も劣るものであると推測された。
比較例4は、潤滑剤としての流動パラフィンが配合されていないため、非吸収面上について粘着させ塗膜を形成させる力が弱く、そのため定着力も低いと推測された。
比較例5は、配合するEVAのメルトフローレートが6g/10minと低く、塗膜をPETフィルム、ガラスの表面に粘着させ塗膜を形成させる力はあり、それなりに定着力を発揮されるものの、SUS表面及び玄武岩粗面への筆記性に劣るものと推測された。
Claims (9)
- ワックスと、体質材と、隠蔽性顔料とを含む固形描画材であって、
さらに、粘着性付与剤と、基材としての融点60〜90℃、かつ、JIS K7210:1999で定めるメルトフローレートが400〜3,000g/10minであるエチレン酢酸ビニル共重合体5〜20重量%と、融点30℃以下の潤滑成分と、改質剤と、を含むことを特徴とする固形描画材。 - 前記粘着性付与剤を1〜10重量%含むことを特徴とする請求項1記載の固形描画剤。
- 前記エチレン酢酸ビニル共重合体は酢酸ビニルモノマーを10重量%以上の割合で重合させたものであることを特徴とする請求項1記載の固形描画材。
- 前記潤滑成分を3〜20重量%含むことを特徴とする請求項1記載の固形描画材。
- 前記改質剤を1〜5重量%含むことを特徴とする請求項1記載の固形描画材。
- 顔料分散剤をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の固形描画材。
- 前記顔料分散剤を、前記隠蔽性顔料100に対して1〜10含むことを特徴とする請求項6記載の固形描画材。
- 前記隠蔽性顔料に対する濡れ剤をさらに含むことを特徴とする請求項6記載の固形描画材。
- 前記粘着性付与剤がテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水添テルペンフェノール樹脂、水添テルペン樹脂、芳香族変性水添テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂などのテルペン樹脂変性物から選ばれるテルペン樹脂変性物、マレイン酸樹脂誘導体、クマロン・インデン樹脂、クマロン・インデン樹脂誘導体、スチレン系樹脂、イソプレン系樹脂、松脂、ロジンエステル及び石油樹脂から成る群から選ばれる1つ又は2以上の混合物であることを特徴とする請求項1記載の固形描画材。
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