JP2016190990A - 化学蓄熱材及び化学蓄熱材形成用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形された状態における強度及び熱伝導率が高い化学蓄熱材や、そのような化学蓄熱材を任意の形状に成形することのできる化学蓄熱材形成用組成物の提供。
【解決手段】第2族元素化合物と、ホウ素化合物と、シリコーンポリマーと、を含有する化学蓄熱材。第2族元素化合物として、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム及び酸化バリウムが好ましく、第2族元素化合物と、ホウ素含有化合物と、アルコキシシラン、その加水分解物及びその縮合物から選択される少なくとも一種と、樹脂と、を含有する化学蓄熱材形成用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、化学蓄熱材及び化学蓄熱材形成用組成物に関する。
近年、化石燃料の消費量を減少させて省エネルギー化を達成するために、工場や発電所における排熱を蓄えて利用する、蓄熱技術の開発が進められている。このような蓄熱技術としては、例えば水から氷への変化に代表されるような、物質の相転移を伴って熱を蓄える技術(潜熱蓄熱)が知られている。
潜熱蓄熱では、一般的に熱を蓄えておくことが可能な時間が短い傾向にある。また、潜熱蓄熱は、単位体積当たりに蓄熱可能な熱量(蓄熱密度)が低い傾向にある。従って、潜熱蓄熱では、長時間に渡る蓄熱や熱の輸送は難しい。
このような状況に鑑みて、蓄熱技術の中でも、長時間の蓄熱が可能で、且つ、蓄熱密度が高いことから、熱の輸送を容易にすることができる化学蓄熱材に注目が集まっている。
化学蓄熱について、より具体的に説明する。例えば、酸化カルシウム/水系の化学蓄熱であれば、化学蓄熱材中の酸化カルシウムが水和する際に発生する熱を放出することができ、逆に、酸化カルシウムが水和することで生成した水酸化カルシウムを加熱して脱水することにより化学蓄熱材に蓄熱することができる。このように、化学蓄熱材を用いれば、物質の化学的変化に伴う発熱と吸熱を利用して、熱の放出と蓄熱を繰り返すことが可能になる。
化学蓄熱材は、例えば熱交換器に充填され、熱回収される。酸化カルシウム等の無機粉体を化学蓄熱材とする熱交換器(以下、熱交換型反応器とも言う)で熱回収を行う場合、化学蓄熱材は粉末状では熱伝導率が低いことから、熱交換面から離れている場所からの熱の回収が難しく、熱の回収効率が低くなってしまう傾向にある。また、粉末状の化学蓄熱材では、充填時に隙間ができてしまうこともあり、取り扱いが難しい。
このような問題に対して、粉末状に比べて熱伝導性が高く、取り扱いが容易なペレット状の化学蓄熱材を用いる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、熱交換型反応器の熱交換効率を向上させるために、熱交換面に化学蓄熱材からなる層を形成する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−227772号公報 特開2012−127588号公報
ところで、化学蓄熱材に用いられる、酸化カルシウム等の無機粉体は、水和することで体積が増大し、逆に脱水されることにより体積が減少する。特許文献1で開示された技術では、粘土鉱物を含有させることでペレット状の化学蓄熱材の強度を向上させ、化学蓄熱材の体積の増大や減少による微粉化を防ぐことを目的としている。しかし、特許文献1で開示された技術は、ペレット状に成形した化学蓄熱材の強度を向上させる技術としては十分満足できるものではない。また、特許文献2で開示された技術では、熱交換面に形成された化学蓄熱材の強度については考慮されていない。
また、ペレット状に成形した化学蓄熱材は、その内部に水が浸透し難いことから、無機粉体の含有量と比べて十分な発熱性能(化学蓄熱材が投入される水の温度を上昇させる能力)を有さない場合がある。
このように、未だに、ペレット状に成形された状態における強度及び熱伝導率が高い化学蓄熱材については見出されていないのが現状である。更には、そのような化学蓄熱材を任意の形状に成形することのできる化学蓄熱材形成用組成物についても見出されていない。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、成形された状態における強度及び熱伝導率が高い化学蓄熱材や、そのような化学蓄熱材を任意の形状に成形することのできる化学蓄熱材形成用組成物を提供することを目的とする。
本発明は、第2族元素化合物と、ホウ素化合物と、シリコーンポリマーと、を含有する化学蓄熱材に関する。
また、前記第2族元素化合物は、酸化カルシウムであり、前記化学蓄熱材における、カルシウム原子の含有量は13〜59質量%であり、ホウ素原子の含有量は0.4〜11.3質量%であり、ケイ素原子の含有量は4.8〜33.2質量%であることが好ましい。
また、前記第2族元素化合物は、酸化マグネシウムであり、前記化学蓄熱材における、マグネシウム原子の含有量は8.3〜46.5質量%であり、ホウ素原子の含有量は0.5〜11.9質量%であり、ケイ素原子の含有量は6.2〜35.1質量%であることが好ましい。
また、前記第2族元素化合物は、酸化ストロンチウムであり、前記化学蓄熱材における、ストロンチウム原子の含有量は24.5〜75.8質量%であり、ホウ素原子の含有量は0.2〜9.8質量%であり、ケイ素原子の含有量は2.8〜28.6質量%であることが好ましい。
また、前記第2族元素化合物は、酸化バリウムであり、前記化学蓄熱材における、バリウム原子の含有量は33.7〜83.1質量%であり、ホウ素原子の含有量は0.2〜8.6質量%であり、ケイ素原子の含有量は2.0〜25.0質量%であることが好ましい。
また、本発明は、第2族元素化合物と、ホウ素含有化合物と、アルコキシシラン、その加水分解物及びその縮合物からなる群より選択される少なくとも一種と、樹脂と、を含有する化学蓄熱材形成用組成物に関する。
また、前記第2族元素化合物として、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムのうち少なくとも一方を含有することが好ましい。
また、前記ホウ素含有化合物として、ホウ酸、トリアルキルボレート及びトリアリールボレートからなる群より選択される少なくとも一種を含有することが好ましい。
また、前記樹脂として、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、水酸基含有アクリル樹脂及びブチラール樹脂からなる群より選択される少なくとも一種を含有することが好ましい。
また、更に、ガラスファイバーを含有することが好ましい。
また、前記アルコキシシランは、トリエトキシシラン及びテトラエトキシシランの少なくとも一方であることが好ましい。
また、本発明は、前記金属基材表面の化学蓄熱材形成用組成物を200〜1200℃で30〜120分間焼成する焼成化学蓄熱材形成用組成物を金属基材表面に塗布する塗布工程と、前記塗布工程後に、前記焼成工程と、を含む化学蓄熱材の形成方法に関する。
本発明によれば、成形された状態における強度及び熱伝導率が高い化学蓄熱材や、そのような化学蓄熱材を任意の形状に成形することのできる化学蓄熱材形成用組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<化学蓄熱材>
本実施形態に係る化学蓄熱材は、第2族元素化合物と、ホウ素化合物と、シリコーンポリマーと、を含有する。
化学蓄熱材の含有する第2族元素化合物は、可逆的な化学反応を行うことができるものであれば特に限定されない。第2族元素化合物とは、第2族元素である、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム及びラジウムから選択されるいずれかの金属を含む化合物である。第2族元素化合物としては、水和することによって発熱し、水和した後に、逆に脱水することによって蓄熱するものであることが好ましい。
水和することによって発熱し、水和した後に、逆に脱水することによって蓄熱する第2族元素化合物としては、表1に記載した化合物を例示することができる。表1の「蓄熱操作温度」は、示された化合物が発熱反応している際の温度であり、「蓄熱密度」は、示された化合物の単位体積当たりの放出される熱エネルギー量である。
Figure 2016190990
表1に挙げた第2族元素化合物の中でも、蓄熱操作温度及び蓄熱密度が高いことから、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムのうち少なくとも一方を化学蓄熱材に含有させることが好ましい。また、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムは、安価に入手することが可能である。また、酸化ストロンチウム及び酸化バリウムも、第2族元素化合物として好ましく用いることができる。
化学蓄熱材の含有するホウ素化合物は、後述する化学蓄熱材形成用組成物の含有するホウ素含有化合物に由来する酸化ホウ素等である。化学蓄熱材は、ホウ素化合物を含有することによって、ペレット状に成形された状態における強度が向上する。化学蓄熱材がホウ素化合物を含有することによる、強度が向上する理由は必ずしも明らかではないが、後述のシリコーンポリマーにホウ素原子が含有されることによって、シリコーンポリマーの融点が下がって伸縮しやすくなる(柔軟性が増す)ことに因ると考えられる。
化学蓄熱材の含有するシリコーンポリマーは、後述する化学蓄熱材形成用組成物の含有する、アルコキシシラン、その加水分解物及びその縮合物からなる群より選択される少なくとも一種(以下、アルコキシシラン等と言う場合がある)が縮合したシリコーンポリマーである。アルコキシシラン等が縮合したシリコーンポリマーは、後述する焼成工程で、ケイ素に結合したアルコキシ基が全て脱離した構造になるのが好ましい。シリコーンポリマーは、緻密な三次元構造を形成しており、化学蓄熱材が崩壊するのを防ぐ。また、シリコーンポリマーは、緻密な三次元構造の内部に第2族元素化合物を保持することができる。
シリコーンポリマーとしては、トリエトキシシラン及びテトラエトキシシランの少なくとも一方、その加水分解物及びその縮合物からなる群より選択される少なくとも一種が縮合したシリコーンポリマーが、より緻密な三次元構造を形成することができることから好ましい。
また、化学蓄熱材におけるシリコーンポリマーの含有量は、12〜83質量%であることが好ましい。化学蓄熱材におけるシリコーンポリマーの含有量が、12質量%未満であると、化学蓄熱材が崩壊しやすくなってしまう傾向にあり、83質量%よりも多いと、化学蓄熱材の放出できる熱量が少なくなってしまう傾向にある。
第2族元素化合物が酸化カルシウムの場合には、化学蓄熱材における、カルシウム原子の含有量は13〜59質量%であり、ホウ素原子の含有量は0.4〜11.3質量%であり、ケイ素原子の含有量は4.8〜33.2質量%であることが好ましい。化学蓄熱材の含有する、カルシウム原子は酸化カルシウムに、ホウ素原子はホウ素化合物に、ケイ素原子はシリコーンポリマーに、それぞれ由来する。
化学蓄熱材におけるカルシウム原子の含有量が、13質量%未満である場合には、酸化カルシウムが少ないことから化学蓄熱材の放出できる熱量が少なくなってしまう傾向にある。化学蓄熱材におけるカルシウム原子の含有量が、59質量%よりも多い場合には、シリコーンポリマーが少なくなることから化学蓄熱材が崩壊しやすくなってしまう傾向にある。
化学蓄熱材におけるホウ素原子の含有量が、0.4質量%未満である場合には、化学蓄熱材の強度が低下してしまう傾向にある。化学蓄熱材におけるホウ素原子の含有量が、11.3質量%よりも多い場合には、シリコーンポリマーが少なくなることによって化学蓄熱材が崩壊しやすくなってしまう傾向にある。
化学蓄熱材におけるケイ素原子の含有量が、4.8質量%未満である場合には、シリコーンポリマーが少ないことから化学蓄熱材が崩壊しやすくなってしまう傾向にある。化学蓄熱材におけるケイ素原子の含有量が、33.2質量%よりも多い場合には、酸化カルシウムが少なくなってしまうことによって、化学蓄熱材の放出できる熱量が少なくなってしまう傾向にある。
第2族元素化合物が酸化カルシウムである場合と同様の理由によって、第2族元素化合物が酸化ベリリウムの場合には、化学蓄熱材における、ベリリウム原子の含有量は3.2〜24.4質量%であり、ホウ素原子の含有量は0.7〜12.6質量%であり、ケイ素原子の含有量は8.7〜37.1質量%であることが好ましい。
また、同様の理由によって、第2族元素化合物が酸化マグネシウムの場合には、化学蓄熱材における、マグネシウム原子の含有量は8.3〜46.5質量%であり、ホウ素原子の含有量は0.5〜11.9質量%であり、ケイ素原子の含有量は6.2〜35.1質量%であることが好ましい。
また、同様の理由によって、第2族元素化合物が酸化ストロンチウムの場合には、化学蓄熱材における、ストロンチウム原子の含有量は24.5〜75.8質量%であり、ホウ素原子の含有量は0.2〜9.8質量%であり、ケイ素原子の含有量は2.8〜28.6質量%であることが好ましい。
また、同様の理由によって、第2族元素化合物が酸化バリウムの場合には、化学蓄熱材における、バリウム原子の含有量は33.7〜83.1質量%であり、ホウ素原子の含有量は0.2〜8.6質量%であり、ケイ素原子の含有量は2.0〜25.0質量%であることが好ましい。
このように、第2族元素化合物がそれぞれ酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム及び酸化バリウムである場合における、各成分の好ましい質量換算での含有量は異なる。しかし、これらを物質量換算での含有量とすると、同等の値になる。また、第2元素化合物として、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム及び酸化バリウムから二種類以上を選択して併用してもよい。
なお、化学蓄熱材における、これらの原子(Ca、B、Si及びO)の含有量は、蛍光X線分析装置(XRF)等による組成分析により求めることができる。
化学蓄熱材は、必要に応じて第2族元素化合物、ホウ素化合物及びシリコーンポリマー以外の成分を含有してもよい。
化学蓄熱材は、後述する化学蓄熱材形成用組成物を原料にして形成されることで、多孔質材料となる。
また、化学蓄熱材は、後述する化学蓄熱材形成用組成物を原料にして、任意の形状に成形することが可能である。例えば、化学蓄熱材は熱交換器の熱交換面に形成してもよいし、ペレット状に成形してもよい。化学蓄熱材から放出された熱は、例えば、熱交換器によって外部に移動させて使用することができる。
続いて、化学蓄熱材の動作について説明する。化学蓄熱材は、発熱と、蓄熱と、を繰り返すことができる。
まず、化学蓄熱材からの発熱が行われる発熱工程においては、化学蓄熱材に水蒸気を接触させる。この際には、化学蓄熱材の含有する酸化カルシウム等の第2族元素化合物のモル量の1.2倍以下のモル量の水(水蒸気)を接触させるのが好ましい。化学蓄熱材に接触した水は、化学蓄熱材に形成された細孔内に浸透して、化学蓄熱材の内部でも良好に熱が発生する。化学蓄熱材に接触させる水が多すぎる場合、水そのものが熱量を消費し、トータルの発熱量を落としてしまう。化学蓄熱材から発生した熱は、熱交換器の熱媒体等によって回収される。化学蓄熱材に水蒸気を接触させる方法は限定されず、化学蓄熱材への水蒸気の噴霧、化学蓄熱材の液体水への浸漬、化学蓄熱材への液体水の添加(滴下、散布等)のいずれであってもよい。なかでも、化学蓄熱材へ均一に接触させやすいことから、水蒸気の噴霧によって化学蓄熱材に水蒸気を接触させることが好ましい。
一方、化学蓄熱材への蓄熱が行われる蓄熱工程においては、酸化カルシウム等が水和することによって生成する水酸化カルシウム等の第2族元素化合物を含有する化学蓄熱材を加熱する。化学蓄熱材が加熱されることで、化学蓄熱材中の第2族元素化合物の水酸化物は脱水されて、発熱工程前の状態(例えば、酸化カルシウム)に戻る。蓄熱工程において発生する水蒸気は、必要に応じて回収される。
発熱工程においては、化学蓄熱材の体積は増大する。より具体的には、化学蓄熱材中の第2族元素化合物の体積は、化学蓄熱材が水和して発熱することで約20%増大する。逆に、蓄熱工程においては、化学蓄熱材中の第2族元素化合物は脱水して蓄熱することに伴って体積が減少する。化学蓄熱材の体積の増大と減少の繰り返しは、所望の形状に形成された化学蓄熱材が崩壊して微粉化してしまう原因になる。
本実施形態に係る化学蓄熱材は、多孔質であるので、それ自体が、体積の増大と減少によって生じる形状の歪を吸収することができる。また、本実施形態に係る化学蓄熱材は、ホウ素化合物を含有することで柔軟性が増すと考えられる。従って、本実施形態に係る化学蓄熱材は、発熱と蓄熱を繰り返しても崩壊し難く、強度が高い。
<化学蓄熱材形成用組成物>
本実施形態に係る化学蓄熱材形成用組成物は、第2族元素化合物と、ホウ素含有化合物と、アルコキシシラン、その加水分解物及びその縮合物からなる群より選択される少なくとも一種と、樹脂と、を含有する。本実施形態に係る化学蓄熱材形成用組成物を用いて、上記の化学蓄熱材が形成される。
化学蓄熱材形成用組成物の含有する第2族元素化合物は、上記の化学蓄熱材の含有する第2族元素化合物と同様である。
しかし、化学蓄熱材形成用組成物の含有する第2族元素化合物は、水和した第2族元素化合物を用いることが好ましい。化学蓄熱材形成用組成物に水和した第2族元素化合物を含有させれば、後述する化学蓄熱材の形成における焼成工程において、第2族元素化合物は脱水して体積が減少する。従って、このように、水和した第2族元素化合物を含有させた化学蓄熱材形成用組成物を用いて形成した化学蓄熱材であれば、体積が膨張したとしても歪は生じ難いので、崩壊し難くなる傾向にある。化学蓄熱材形成用組成物の含有する第2族元素化合物としては、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム及び水酸化バリウム等が挙げられる。
特に、化学蓄熱材形成用組成物は、第2族元素化合物として、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムのうち少なくとも一方を含有することがより好ましい。水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムは、表1に示すように、蓄熱操作温度及び蓄熱密度が高い。
また、化学蓄熱材形成用組成物は、ホウ素含有化合物として、ホウ酸、トリアルキルボレート及びトリアリールボレートからなる群より選択される少なくとも一種を含有することが好ましい。化学蓄熱材形成用組成物がこれらのホウ素含有化合物を含有することで、化学蓄熱材におけるシリコーンポリマーの柔軟性が向上する。化学蓄熱材形成用組成物は、ホウ素含有化合物として、トリアルキルボレートを含有することがより好ましい。トリアルキルボレートとしては、トリメチルボレートやトリエチルボレートが挙げられる。トリアルキルボレートは、後述のアルコキシシラン等との反応性が高く、化学蓄熱材においてシリコーンポリマーの柔軟性を向上させる。化学蓄熱材においてシリコーンポリマーの柔軟性を向上することで、成形された状態における化学蓄熱材の強度が向上すると考えられる。
化学蓄熱材形成用組成物の含有するアルコキシシラン、その加水分解物及びその縮合物からなる群より選択される少なくとも一種は、化学蓄熱材においてシリコーンポリマーとなり、緻密な三次元構造を形成する。
アルコキシシラン等としては、例えば、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン、ジアルキルアルコキシシラン、及びこれらの部分縮合物等を挙げることができる。より具体的には、テトラアルキルシランの部分縮合物としては、MKCシリケートMS51(三菱化学株式会社製テトラアルコキシシランの縮合物)、エチルシリケート40(コルコート株式会社製テトラエトキシシランの縮合物)等を挙げることができる。
化学蓄熱材形成用組成物の含有するアルコキシシラン等としては、シリコーンポリマーが緻密な三次元構造を形成することができることから、トリエトキシシラン及びテトラエトキシシランの少なくとも一方、その加水分解物及びその縮合物からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
化学蓄熱材形成用組成物の含有する樹脂は、増粘剤としての役割を果たし、更に、塗布された化学蓄熱材の形状を維持するために必要である。
化学蓄熱材形成用組成物の含有する樹脂としては、上記の役割を果たすものであれば限定されず、天然樹脂と合成樹脂のいずれであってもよく、セルロース等の多糖類、たんぱく質、ポリフェノール、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂等から一種を選択して、もしくは複数種を組み合わせて用いることができる。化学蓄熱材形成用組成物は、樹脂として、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、水酸基含有アクリル樹脂及びブチラール樹脂からなる群より選択される少なくとも一種を含有することが好ましい。これらの樹脂は、水酸基含有樹脂であることから、第2族元素化合物及びアルコキシシラン等との親和性が高い。また、化学蓄熱材の形状を安定させる観点から、化学蓄熱材形成用組成物は、水酸基含有アクリル樹脂又はブチラール樹脂を含有するのが好ましい。
化学蓄熱材形成用組成物の含有する樹脂としては、体積平均分子量が100〜5,000,000であることが好ましい。化学蓄熱材形成用組成物の含有する樹脂の体積平均分子量は、ポリスチレン標準サンプル基準を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定することができる。
ブチラール樹脂として、より具体的には、エスレックBシリーズ及びKシリーズ(いずれも積水化学工業株式会社製)等を挙げることができる。また、水酸基含有アクリル樹脂として、より具体的には、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の2級水酸基モノマーや、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート等の3級水酸基モノマーと、その他のモノマーとを含んだモノマー混合液を常法によって重合して得ることができる重合体を挙げることができる。
なお、化学蓄熱材形成用組成物の含有する樹脂は、後述する化学蓄熱材の形成方法の焼成工程において除去される。
また、化学蓄熱材形成用組成物は、ガラスファイバーを含有することが好ましい。化学蓄熱材形成用組成物がガラスファイバーを含有することで、成形された状態における化学蓄熱材の強度が向上する。
更に、化学蓄熱材形成用組成物は、炭素からなる物質及び炭化水素のうち少なくとも一方を含有してもよい。化学蓄熱材形成用組成物が、炭素からなる物質及び炭化水素のうち少なくとも一方を含有することで、化学蓄熱材の内部や表面により多くの細孔が形成され、化学蓄熱材の形状を安定させることができる。
炭素からなる物質としては、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノファイバー等を挙げることができ、炭化水素としては、パラフィン、オレフィン、シクロアルカン等を挙げることができる。
より好ましくは、化学蓄熱材の内部や表面に、より細かい孔が形成され、化学蓄熱材の形状をより安定化させることができることから、化学蓄熱材形成用組成物には、カーボンブラック及び炭化水素を含有させることが好ましい。
なお、化学蓄熱材形成用組成物の含有する炭素からなる物質や炭化水素は、後述する化学蓄熱材の形成方法の焼成工程において除去される。
化学蓄熱材形成用組成物は、上記成分を分散させるために溶剤を含有することが好ましい。溶剤としては、有機溶剤及び水の少なくとも一方を用いることができる。有機溶剤としては、トルエン、キシレン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ等のエステル類、アルコール類等が挙げられる。
化学蓄熱材形成用組成物は、必要に応じて上記成分以外の成分を含有してもよい。
<化学蓄熱材の形成方法>
本実施形態に係る化学蓄熱材の形成方法の一例について説明する。本実施形態に係る化学蓄熱材の形成方法は、塗布工程と、焼成工程と、を含む。
塗布工程では、上記の各成分を任意の方法で混合した化学蓄熱材形成用組成物を金属基材表面に塗布する。各成分を混合する方法は特に限定されない。化学蓄熱材形成用組成物を塗布する金属材料は、特に限定されない。金属材料としては、熱交換器の熱交換面に用いられる金属材料が好ましく、例えば、アルミニウム、銅、鋼材、ステンレス等が挙げられる。塗布工程において、塗布される、化学蓄熱材形成用組成物の量は5〜50,000g/mであることが好ましい。化学蓄熱材形成用組成物の量が、5g/m未満だと、形成される化学蓄熱材から放出できる熱量が少なくなる傾向にあり、50,000g/mよりも多いと、形成される化学蓄熱材が崩壊しやすくなる傾向にある。化学蓄熱材の形成方法において、化学蓄熱材形成用組成物の塗布方法は特に限定されず、任意の方法を選択できる。
焼成工程では、塗布工程後に、金属基材表面の化学蓄熱材形成用組成物を焼成する。焼成工程は、電気炉等により行うことができるが、焼成する装置については特に限定されない。
化学蓄熱材形成用組成物は、焼成工程において焼成されることで、樹脂や、炭素からなる物質、炭化水素は気化されて、化学蓄熱材からは除去される。化学蓄熱材は、樹脂や、炭素からなる物質、炭化水素等が除去されることにより形成される細孔を有する。
焼成工程において、金属基材表面の化学蓄熱材形成用組成物は、200〜1200℃で焼成されることが好ましく、300〜1000℃で焼成されることがより好ましい。焼成工程において、金属基材表面の化学蓄熱材形成用組成物が、200℃未満の温度で焼成された場合には、焼成不足により化学蓄熱材が崩壊しやすくなる傾向にあり、1200℃よりも高い温度で焼成された場合には、第二族元素化合物が酸化物の状態を維持できず、化学蓄熱材の蓄熱性能が低下する傾向にある。
焼成工程において、金属基材表面の化学蓄熱材形成用組成物は、30〜120分間焼成されることが好ましい。化学蓄熱材の機能を阻害しない範囲で、樹脂、炭素からなる物質及び炭化水素が、焼成工程後の化学蓄熱材中に残存していてもよい。焼成工程における、焼成時間が、30分未満の場合には、焼成不足により化学蓄熱材が崩壊しやすくなる傾向にあり、120分よりも長い場合には、化学蓄熱材の内部に気泡が発生して、やはり化学蓄熱材が崩壊しやすくなる傾向にある。
本発明に係る化学蓄熱材の形成方法は、上記の方法に限定されない。本発明に係る化学蓄熱材は、例えばペレット状に形成してもよい。
次に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
表2に示す量(単位:質量部)の、ポリエチレングリコール樹脂(明成化学工業株式会社製、商品名「アルコックス」)、ブチラール樹脂(株式会社クラレ製、商品名「MowitalB20H」)と、エチルシリケートの低縮合物(コルコート株式会社製、商品名「エチルシリケート28」)と、有機溶媒(日本乳化剤株式会社製、商品名「MPG−130」、ポリエチレングリコールメチルエーテル)と、トリメチルボレート(東京化成工業株式会社製、商品名「Trimethyl Borate」)を混合した。この混合物に、更に表2に示す量の水酸化カルシウムを加えて、よく混合し、化学蓄熱材形成用組成物を得た。この化学蓄熱材形成用組成物をペレット状(円筒状、直径約5mm、高さ約10mm)に成形した。この成形した化学蓄熱材形成用組成物を電気炉に入れて1000℃で1時間焼成し、ペレット状の化学蓄熱材を得た。なお、水酸化カルシウムは焼成されることで脱水し、酸化カルシウムとなる。
[実施例2〜13及び比較例1〜4]
化学蓄熱材形成用組成物の成分を表2〜表4に示した量に変更した以外は実施例1と同様の工程により、化学蓄熱材形成用組成物及び化学蓄熱材を得た。
なお、実施例5においては、ガラスファイバー(セントラルグラスファイバー株式会社製、商品名「ミルドファイバー」)をブチラール樹脂と、エチルシリケートの低縮合物と、有機溶媒と、トリメチルボレートと、の混合物に更に加えた。実施例6においては、トリメチルボレートに代えて、ホウ酸を用いた。実施例7〜13においては、水酸化カルシウムに代えて、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムをそれぞれ用いた。
[化学蓄熱材の原子含有量]
化学蓄熱材の含有する、カルシウム原子、ケイ素原子及び酸素原子の合計中における、それぞれの原子の含有量(質量%)を「化学蓄熱材中の原子含有量」として表2〜表4に示した。「化学蓄熱材中の原子含有量」は、化学蓄熱材を蛍光X線分析装置(XRF)によって元素分析することで求めた。
[形状評価]
電気炉における焼成によって形成された直後の化学蓄熱材の形状(表2〜表4の「焼成後」)、及び、水に浸透させることで発熱させた後の化学蓄熱材の形状(表2〜表4の「発熱後」)について、目視にて評価した。ペレットの形状を保ち、ひび割れも生じない場合には「A」、微細なひび割れが生じるが、ペレットの形状を保っていた場合には「B」、著しい割れが生じた場合や、粉体状になってしまった場合には「C」とした。結果を表2〜表4に示す。なお、比較例2〜4に係る化学蓄熱材は、発熱後に形状が崩れペレットの形状を維持することができなかった。従って、表4においては、比較例2〜4に係る化学蓄熱材の発熱後の形状評価を「評価不可」とした。
[強度評価]
電気炉における焼成によって形成された直後の化学蓄熱材(表2〜表4の「焼成後」)、及び、水に浸透させることで発熱させた後の化学蓄熱材(表2〜表4の「発熱後」)について、引張圧縮試験機(テクノグラフ、ミネベア株式会社製)を用いて強度を評価した。具体的には、焼成後及び発熱後の、それぞれのペレット状の化学蓄熱材について、上下からの負荷によって押し潰される力(単位:N)を引張圧縮試験機で測定した。焼成後及び発熱後の化学蓄熱材の押し潰される力が、両方とも10N以上であれば、発熱と蓄熱の繰り返しにも耐えることができる強度を有すると判断できる。なお、比較例2〜4に係る化学蓄熱材は、形状を安定して保持することができず、引張圧縮試験機による強度の評価ができなかった。従って、表4においては、比較例2〜4に係る化学蓄熱材の強度の評価を「評価不可」とした。
Figure 2016190990
Figure 2016190990
Figure 2016190990
[発熱性能評価]
実施例1〜8のペレット状の化学蓄熱材について、発熱量を測定した。発熱量の測定は下記の手順で行った。
まず、断熱材によって覆われた容器に所定量の水を入れ、その水に化学蓄熱材を所定量(例えば5g)投入した。容器中の水はマグネチックスターラーによって攪拌し、その温度の上昇をシース型熱電対によって追跡した。実施例の化学蓄熱材が投入された水の、シース型熱電対によって測定される温度は大きく上昇した。化学蓄熱材の発熱量Q(単位:J)は、下記の式(1)によって求めることができる。式(1)中のΔTは、化学蓄熱材の投入後の水の最高温度から、化学蓄熱材を投入する直前の水の温度を差し引いた値(単位:K)である。また、Wは、カップ内の水の質量(単位:g)であり、Cpは水の比熱(J/g・K)である。
[数1]
Q=ΔT×W×Cp ・・・(1)
表2の実施例1〜4と表4の比較例1との比較から、「発熱後」及び「焼成後」ともに、実施例1〜4、6〜8の化学蓄熱材の方が比較例1の化学蓄熱材よりも強度評価の結果が良好であることが分かった。この結果から、第2族元素化合物と、ブチラール樹脂と、ホウ素含有化合物と、エチルシリケートの低縮合物と、を含有する化学蓄熱材形成用組成物を用いて形成された化学蓄熱材は、ホウ素含有化合物を含有しない化学蓄熱材形成用組成物を用いて形成された化学蓄熱材よりも、成形された状態における強度が高いことが確認された。
また、表2の実施例1〜4と表3の実施例7〜13との比較から、「発熱後」及び「焼成後」ともに、実施例7〜13の化学蓄熱材も実施例1〜4の化学蓄熱材と遜色のない強度を有することが分かった。これらの結果から、カルシウム以外の第二族元素からなる化合物も本発明に係る化学蓄熱材に用いることができることが確認された。
また、比較例2〜4の結果から、比較例2〜4の化学蓄熱材形成用組成物を用いて形成された化学蓄熱材は、形状評価の結果が芳しくないことが分かった。これらの結果から、化学蓄熱材形成用組成物が、第2族元素化合物、アルコキシシラン等及び樹脂のいずれかを含有しない場合には、ペレットの形状を維持できないことが確認された。
また、上記のように、実施例1〜13の化学蓄熱材が投入された水は温度が大きく上昇した。この結果から、実施例1〜13のペレット状の化学蓄熱材は、発熱性能を有することが確認された。なお、実施例1〜13のペレット状の化学蓄熱材の発熱量Qは、各化学蓄熱材の含有する酸化カルシウムの量から求められる発熱量の理論値と同等であった。
なお、第2族元素化合物と、ホウ素含有化合物と、アルコキシシラン等と、樹脂と、を含有する化学蓄熱材形成用組成物を用いて形成された化学蓄熱材は、上記のように粒子同士が結着していることから、粘土鉱物を含有するペレット状の化学蓄熱材(例えば、上記の特許文献1に記載された化学蓄熱材)に比べて、ペレットの内部まで水(水蒸気)が浸漬しやすいと考えられる。内部まで水(水蒸気)が浸漬しやすい、実施例の化学蓄熱材は、発熱性能(上記の「発熱性能評価」において、水の温度を上昇させる能力)が高いと予想される。

Claims (12)

  1. 第2族元素化合物と、ホウ素化合物と、シリコーンポリマーと、を含有する化学蓄熱材。
  2. 前記第2族元素化合物は、酸化カルシウムであり、
    前記化学蓄熱材における、カルシウム原子の含有量は13〜59質量%であり、ホウ素原子の含有量は0.4〜11.3質量%であり、ケイ素原子の含有量は4.8〜33.2質量%である請求項1に記載の化学蓄熱材。
  3. 前記第2族元素化合物は、酸化マグネシウムであり、
    前記化学蓄熱材における、マグネシウム原子の含有量は8.3〜46.5質量%であり、ホウ素原子の含有量は0.5〜11.9質量%であり、ケイ素原子の含有量は6.2〜35.1質量%である請求項1に記載の化学蓄熱材。
  4. 前記第2族元素化合物は、酸化ストロンチウムであり、
    前記化学蓄熱材における、ストロンチウム原子の含有量は24.5〜75.8質量%であり、ホウ素原子の含有量は0.2〜9.8質量%であり、ケイ素原子の含有量は2.8〜28.6質量%である請求項1に記載の化学蓄熱材。
  5. 前記第2族元素化合物は、酸化バリウムであり、
    前記化学蓄熱材における、バリウム原子の含有量は33.7〜83.1質量%であり、ホウ素原子の含有量は0.2〜8.6質量%であり、ケイ素原子の含有量は2.0〜25.0質量%である請求項1に記載の化学蓄熱材。
  6. 第2族元素化合物と、
    ホウ素含有化合物と、
    アルコキシシラン、その加水分解物及びその縮合物からなる群より選択される少なくとも一種と、
    樹脂と、を含有する化学蓄熱材形成用組成物。
  7. 前記第2族元素化合物として、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムのうち少なくとも一方を含有する請求項6に記載の化学蓄熱材形成用組成物。
  8. 前記ホウ素含有化合物として、ホウ酸、トリアルキルボレート及びトリアリールボレートからなる群より選択される少なくとも一種を含有する請求項6又は7記載の化学蓄熱材形成用組成物。
  9. 前記樹脂として、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、水酸基含有アクリル樹脂及びブチラール樹脂からなる群より選択される少なくとも一種を含有する請求項6から8のいずれかに記載の化学蓄熱材形成用組成物。
  10. 更に、ガラスファイバーを含有する請求項6から9のいずれかに記載の化学蓄熱材形成用組成物。
  11. 前記アルコキシシランは、トリエトキシシラン及びテトラエトキシシランの少なくとも一方である請求項6から10のいずれかに記載の化学蓄熱材形成用組成物。
  12. 請求項6から11のいずれかに記載の化学蓄熱材形成用組成物を金属基材表面に塗布する塗布工程と、
    前記塗布工程後に、前記金属基材表面の化学蓄熱材形成用組成物を200〜1200℃で30〜120分間焼成する焼成工程と、を含む化学蓄熱材の形成方法。
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