JP2016190903A - 粘着剤組成物及び粘着フィルム - Google Patents
粘着剤組成物及び粘着フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016190903A JP2016190903A JP2015070272A JP2015070272A JP2016190903A JP 2016190903 A JP2016190903 A JP 2016190903A JP 2015070272 A JP2015070272 A JP 2015070272A JP 2015070272 A JP2015070272 A JP 2015070272A JP 2016190903 A JP2016190903 A JP 2016190903A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- meth
- mass
- sensitive adhesive
- pressure
- acrylic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Adhesive Tapes (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Abstract
Description
高速剥離性が劣る場合は低速で剥離することが考えられるが、低速での剥離は効率が悪い。
そのため、粘着フィルムには、剥離速度を上げて効率を向上させる観点から、高速剥離性に優れることが求められる。
そのため、粘着フィルムには、剥離速度が変わっても剥離力が変化し難いこと、即ち、剥離速度依存性が低いことも求められる。
また、本発明は、当該粘着剤組成物に由来する粘着剤層を備え、加熱処理後の高速剥離性に優れ、かつ、剥離速度依存性が低い粘着フィルムを提供することを課題とする。
<1> カルボキシ基を有するモノマーに由来する構成単位を含み、酸価が40mgKOH/g以上90mgKOH/g以下であり、重量平均分子量が300000以上1800000以下である(メタ)アクリル系ポリマーと、
架橋剤と、
テルペンフェノール系タッキファイヤーと、を含み、
前記(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対する前記テルペンフェノール系タッキファイヤーの含有量が0.1質量部以上5質量部以下である、粘着剤組成物。
前記(メタ)アクリル系ポリマーと前記(メタ)アクリル系オリゴマーとの合計質量に対する(メタ)アクリル系オリゴマーの割合が1質量%以上40質量%以下であり、
前記テルペンフェノール系タッキファイヤーの前記含有量が、前記(メタ)アクリル系ポリマーと前記(メタ)アクリル系オリゴマーとの合計100質量部に対する前記テルペンフェノール系タッキファイヤーの含有量であり、
下記の式により算出される酸価の合計が40mgKOH/g以上90mgKOH/g以下である、<1>に記載の粘着剤組成物。
また、本発明によれば、当該粘着剤組成物に由来する粘着剤層を備え、加熱処理後の高速剥離性に優れ、かつ、剥離速度依存性が低い粘着フィルムを提供できる。
本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「粘着剤層」とは、粘着剤組成物の架橋反応が終了した後の物質を意味する。
本明細書において「(メタ)アクリル系ポリマー」又は「(メタ)アクリル系オリゴマー」とは、これらを構成するモノマーのうち、少なくとも主成分であるモノマーが(メタ)アクリロイル基を有するモノマーであるポリマー又はオリゴマーを意味する。ここでいう主成分であるモノマーとは、ポリマー又はオリゴマーを構成するモノマーの中で最も含有率(質量%)が大きいモノマーを意味する。本発明における(メタ)アクリル系ポリマー又は(メタ)アクリル系オリゴマーのある実施態様では、主成分である(メタ)アクリロイル基を有するモノマーに由来する構成単位の含有率が全構成単位の50質量%以上である。
本明細書において「(メタ)アクリル」は「アクリル」及び「メタクリル」の両方を意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を意味し、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル」及び「メタクリロイル」の両方を意味する。
本発明の粘着剤組成物は、カルボキシ基を有するモノマーに由来する構成単位を含み、酸価が40mgKOH/g以上90mgKOH/g以下であり、重量平均分子量が300000以上1800000以下である(メタ)アクリル系ポリマーと、架橋剤と、テルペンフェノール系タッキファイヤーと、を含み、前記(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対する前記テルペンフェノール系タッキファイヤーの含有量が0.1質量部以上5質量部以下である。
本発明者は、少量のテルペンフェノール系タッキファイヤーを、カルボキシ基を含有する(メタ)アクリル系ポリマー及び架橋剤とともに含む粘着剤組成物が、予想外にも、加熱による粘着力の上昇を抑えられ、高速剥離時に良好な剥離性を示すとともに、粘着力の剥離速度依存性を低く抑えられることを見出した。
本発明の粘着剤組成物が、このような効果を奏し得る理由については明らかではないが、本発明者は以下のように推測している。
本発明の粘着剤組成物では、(メタ)アクリル系ポリマーと、テルペンフェノール系タッキファイヤーと、が架橋剤を介して架橋されることで、粘弾性と濡れ性とのバランスがとれるため、剥離速度依存性が低く抑えられると考えられる。
また、一般的に、粘着フィルムを被着体から剥離した際に、被着体を汚染してしまい、被着体を廃棄する必要が生じる場合がある。そのため、粘着フィルムには、被着体を汚染する性質(以下、「汚染性」ともいう。)が低いこと、すなわち、被着体を汚染し難いことが求められる。さらに、オリゴマーを含む粘着剤組成物は、剥離の際にオリゴマーが被着体の表面に残りやすく、被着体を汚染しやすい傾向にある。特に、加熱処理によって粘着剤層の粘着力が上昇して剥離し難くなると、被着体の表面をより汚染しやすくなる。
これに対し、本発明の粘着剤組成物では、該粘着剤組成物に含まれるオリゴマーの架橋点が多く、架橋されていないオリゴマーが少ないため、被着体を汚染し難く、低い汚染性を示す。
本発明の粘着剤組成物に含まれる(メタ)アクリル系ポリマーは、カルボキシ基を有するモノマーに由来する構成単位を含み、酸価が40mgKOH/g以上90mgKOH/g以下であり、重量平均分子量が300000以上1800000以下である。
また、(メタ)アクリル系ポリマーの酸価が40mgKOH/g以上90mgKOH/g以下であることで、被着体から容易に脱落しない程度に十分な粘着力を粘着剤層に付与しつつ、優れた高速剥離性も保持させ得る。
さらに、(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量が300000以上であることで、粘着剤層の粘弾性を調整しやすく、1800000以下であることで、架橋剤と混合してもゲル化し難くなり、混合後に貯蔵できる期間(以下、「ポットライフ」ともいう。)が長く、粘着フィルムを製造しやすい。
本発明の粘着剤組成物に含まれる(メタ)アクリル系ポリマーは、1種のみであってもよく、モノマーの組成、重量平均分子量等が異なる2種以上であってもよい。
カルボキシ基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシ基を有するポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、桂皮酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、マレイン酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フマル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,2−ジカルボキシシクロヘキサンモノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、及びω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。カルボキシ基を有するモノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
アルキル(メタ)アクリレートは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、(メタ)アクリル系ポリマーの全構成単位に占めるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位の割合は、汚染性を低く抑える観点からは、全構成単位に対して97質量%以下が好ましく、96質量%以下がより好ましく、95質量%以下が更に好ましい。
同様の観点から、(メタ)アクリル系ポリマーは、全構成単位に対してアクリルモノマーに由来する構成単位を60質量%以上含むことがより好ましく、80質量%以上含むことが更に好ましい。
その他の構成単位を構成するモノマーとしては、具体的には、ベンジル(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートに代表される環状基を有する(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、及びエトキシエチル(メタ)アクリレートに代表されるアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン、及びビニルトルエンに代表される芳香族モノビニル、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルに代表されるシアン化ビニル、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、及びバーサチック酸ビニルに代表されるビニルエステル、並びにこれらのモノマーの各種誘導体が挙げられる。また、水酸基、グリシジル基、アミド基又はN−置換アミド基、三級アミノ基等の、カルボキシ基以外の官能基を有するモノマーが挙げられる。
また、(メタ)アクリル系ポリマーの酸価は、被着体から容易に脱落しない程度に十分な粘着力を粘着剤層に付与しつつ、優れた高速剥離性も保持させる観点から、80mgKOH/g以下が好ましく、75mgKOH/g以下がより好ましい。
(1)(メタ)アクリル系ポリマーの溶液を剥離紙に塗布し、100℃で2分間乾燥し、フィルム状の(メタ)アクリル系ポリマーを得る。
(2)上記(1)で得られたフィルム状の(メタ)アクリル系ポリマーとテトラヒドロフランとを用いて、固形分濃度が0.2質量%である試料溶液を得る。
(3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、下記条件にて、標準ポリスチレン換算値として、(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を測定する。
測定装置:高速GPC(型番:HLC−8220 GPC、東ソー(株)製)
検出器:示差屈折率計(RI)(HLC−8220に組込、東ソー(株)製)
カラム:TSK−GEL GMHXL(東ソー(株)製)を直列に4本接続
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
試料濃度:0.2質量%
注入量:100μL
流量:0.6mL/分
ホモポリマーとしたときのTgが−50℃以下であるモノマーとしては、具体的には、ブチルアクリレート(−57℃)、2−エチルヘキシルアクリレート(−76℃)、ラウリルメタクリレート(−65℃)、オクチルアクリレート(−65℃)、イソオクチルアクリレート(−58℃)、イソノニルアクリレート(−58℃)、及びイソミリスチルアクリレート(−56℃)が挙げられる。
なお、絶対温度(K)から273を引くことで絶対温度(K)をセルシウス温度(℃)に換算でき、セルシウス温度(℃)に273を足すことでセルシウス温度(℃)を絶対温度(K)に換算できる。
本発明の粘着剤組成物は、カルボキシ基を有するモノマーに由来する構成単位を含み、酸価が70mgKOH/g以上であり、重量平均分子量が1000以上30000以下である(メタ)アクリル系オリゴマーを更に含むことが好ましい。
本発明の粘着剤組成物が上記要件を満たす(メタ)アクリル系オリゴマーを更に含むことで、加熱処理による粘着力の上昇がより抑えられる。
カルボキシ基を有するモノマーの種類は、特に制限されない。
カルボキシ基を有するモノマーとしては、既述の(メタ)アクリル系ポリマーにおけるカルボキシ基を有するモノマーを挙げることができ、好ましい例も同様である。
アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を構成するアルキル(メタ)アクリレートとしては、既述の(メタ)アクリル系ポリマーにおけるアルキル(メタ)アクリレートを挙げることができ、好ましい例も同様である。
(メタ)アクリル系オリゴマーは、全構成単位に対してアクリルモノマーに由来する構成単位を60質量%以上含むことがより好ましく、70質量%以上含むことが更に好ましい。
その他の構成単位を構成するモノマーとしては、既述の(メタ)アクリル系ポリマーにおけるその他の構成単位を構成するモノマーが挙げられる。
また、(メタ)アクリル系オリゴマーの酸価は、被着体から容易に脱落しない程度に十分な粘着力を粘着剤層に付与しつつ、優れた高速剥離性も保持させ、かつ、粘着剤層のヘイズを少なくする観点から、200mgKOH/g以下が好ましく、180mgKOH/g以下がより好ましく、160mgKOH/g以下が更に好ましい。
ホモポリマーとしたときのTgが−50℃以下であるモノマーとしては、既述の(メタ)アクリル系ポリマーにおけるホモポリマーとしたときのTgが−50℃以下であるモノマーが挙げられる。
(メタ)アクリル系オリゴマーの割合が1質量%以上であると、(メタ)アクリル系オリゴマーの添加による効果が十分に得られる。(メタ)アクリル系オリゴマーの割合が40質量%以下であると、加熱処理による粘着力の上昇を抑制できるため、高速剥離性がより優れる。また、(メタ)アクリル系ポリマーと(メタ)アクリル系オリゴマーとが十分に架橋されるため、(メタ)アクリル系オリゴマーが被着体に残り難くなり、汚染性をより低く抑えられる。
本発明の粘着剤組成物は、架橋剤を含む。架橋剤の種類は、本発明の粘着剤組成物に含まれる(メタ)アクリル系ポリマー、後述のテルペンフェノール系タッキファイヤー、及び任意成分である(メタ)アクリル系オリゴマーを架橋できるものであれば、特に制限されない。
架橋剤としては、例えば、エポキシ基を有するエポキシ化合物、及びイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を用いることができる。
透明性を重視する用途としては、例えば、光学部材の表面保護フィルム用途が挙げられる。
架橋剤としてのエポキシ化合物の市販品としては、例えば、三菱ガス化学(株)製の「テトラッド−X」及び「テトラッド−C」の商品名により市販されているものを好適に使用できる。
架橋剤としてのイソシアネート化合物の市販品としては、例えば、日本ポリウレタン(株)製の「コロネートHX」、「コロネートHL−S」、「コロネートL」、「コロネート2031」、「コロネート2030」、「コロネート2234」、「コロネート2785」、「アクアネート200」、及び「アクアネート210」、住化バイエルウレタン(株)製の「スミジュールN3300」、「デスモジュールN3400」、及び「スミジュールN−75」、旭化成工業(株)製の「デュラネートE−405−80T」、「デュラネート24A−100」、及び「デュラネートTSE−100」、並びに、三井武田ケミカル(株)製の「タケネートD−110N」、「タケネートD−120N」、「タケネートM−631N」及び「MT−オレスターNP1200」の商品名により市販されているものを好適に使用できる。
架橋に寄与する官能基の当量が、カルボキシ基(又は合計したカルボキシ基)1当量に対して0.5当量以上であると、粘着剤層が十分に硬くなり、加熱処理による粘着力の上昇を抑制できるため、高速剥離性がより優れる。また、架橋していない(メタ)アクリル系オリゴマーの量が低く抑えられるため、汚染性をより低く抑えられる。架橋に寄与する官能基の当量が、カルボキシ基(又は合計したカルボキシ基)1当量に対して2.0当量以下であると、(メタ)アクリル系ポリマーと反応していない架橋剤の量が低く抑えられるため、汚染性をより低く抑えられる。
架橋剤の含有量は、(メタ)アクリル系ポリマーに含まれるカルボキシ基〔本発明の粘着剤組成物が既述の(メタ)アクリル系オリゴマーを含む場合には、(メタ)アクリル系ポリマーに含まれるカルボキシ基と(メタ)アクリル系オリゴマーに含まれるカルボキシ基との合計〕1当量に対して、架橋に寄与する官能基が0.55当量以上1.6当量以下となる量がより好ましく、0.6当量以上1.2当量以下となる量が更に好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、テルペンフェノール系タッキファイヤーを含む。
テルペンフェノール系タッキファイヤーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
テルペンフェノール系タッキファイヤーの含有量が(メタ)アクリル系ポリマー(又はアクリル系ポリマーと(メタ)アクリル系オリゴマーとの合計)100質量部に対して0.1質量部以上であると、テルペンフェノール系タッキファイヤーの添加による効果が十分に得られる。テルペンフェノール系タッキファイヤーの含有量が(メタ)アクリル系ポリマー(又はアクリル系ポリマーと(メタ)アクリル系オリゴマーとの合計)100質量部に対して5質量部以下であると、タッキファイヤー本来の性質の1つである粘着力を付与する効果が小さく、加熱処理による粘着力の上昇を十分に抑制できるため、高速剥離性がより優れる。
また、同様の観点より、テルペンフェノール系タッキファイヤーの含有量は、0.3質量部以上4質量部以下が好ましく、0.5質量部以上3質量部以下がより好ましい。
本発明の粘着剤組成物が、(メタ)アクリル系ポリマー、架橋剤、テルペンフェノール系タッキファイヤー、及び任意成分である(メタ)アクリル系オリゴマー以外に含んでもよい他の成分としては、例えば、架橋触媒、キレート剤、溶剤、耐候性安定剤、可塑剤、軟化剤、染料、顔料、無機充填剤、酸化防止剤、(メタ)アクリル系ポリマー以外のポリマー、及び(メタ)アクリル系オリゴマー以外のオリゴマーが挙げられる。
なお、本発明の粘着剤組成物では、架橋点となる官能基がカルボキシ基であるため、架橋触媒を含まなくても架橋反応を終了させられる。
粘着剤組成物がこれらの他の成分を含む場合、当該他の成分の含有量は、本発明の効果が発揮される範囲内において、適宜設定できる。
本発明の粘着剤組成物に使用される(メタ)アクリル系ポリマー及び(メタ)アクリル系オリゴマーの製造方法は、特に制限されない。例えば、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、及び塊状重合に代表される公知の重合方法で、モノマーを重合して製造できる。これらの中でも、重合方法としては、処理工程が比較的簡単であり、かつ、短時間で行える点で、溶液重合が好ましい。
有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、カプロイルペルオキシド、ジ−i−プロピルペルオキシジカルボナト、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカルボナト、t−ブチルペルオキシビバラト、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−アミルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−α−クミルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)ブタン、及び2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルペルオキシシクロヘキシル)ブタンが挙げられる。
アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス−i−ブチルニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス−シクロヘキサン−1−カルボニトリル、及び2,2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)が挙げられる。
(メタ)アクリル系オリゴマーの製造に際しては、(メタ)アクリル系オリゴマーを構成するモノマーの合計量100質量部に対して0.1質量部以上20質量部以下の範囲が好ましく、1質量部以上10質量部以下の範囲がより好ましい。
連鎖移動剤としては、例えば、シアノ酢酸、シアノ酢酸の炭素数1〜8のアルキルエステル類、ブロモ酢酸、ブロモ酢酸の炭素数1〜8のアルキルエステル類、α‐メチルスチレン、アントラセン、フェナントレン、フルオレン、及び9−フェニルフルオレンに代表される芳香族化合物類、p−ニトロアニリン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p−ニトロ安息香酸、p−ニトロフェノール、及びp−ニトロトルエンに代表される芳香族ニトロ化合物類、ベンゾキノン及び2,3,5,6−テトラメチル−p−ベンゾキノンに代表されるベンゾキノン誘導体類、トリブチルボランに代表されるボラン誘導体、四臭化炭素、四塩化炭素、1,1,2,2−テトラブロモエタン、トリブロモエチレン、トリクロロエチレン、ブロモトリクロロメタン、トリブロモメタン、及び3−クロロ−1−プロペンに代表されるハロゲン化炭化水素類、クロラール及びフラルデヒドに代表されるアルデヒド類、炭素数1〜18のアルキルメルカプタン類、チオフェノール及びトルエンメルカプタンに代表される芳香族メルカプタン類、メルカプト酢酸、メルカプト酢酸の炭素数1〜10のアルキルエステル類、炭素数1〜12のヒドロキシアルキルメルカプタン類、並びに、ビネン及びターピノレンに代表されるテルペン類が挙げられる。
本発明の粘着フィルムは、基材と、前記基材上に設けられ、本発明の粘着剤組成物に由来する粘着剤層と、を備える。すなわち、本発明の粘着フィルムは、基材と、本発明の粘着剤組成物に由来する粘着剤層とが、積層されている。本発明の粘着フィルムは、本発明の粘着剤組成物に由来する粘着剤層を有することで、加熱処理後の高速剥離性に優れ、かつ、剥離速度依存性が低くなる。
高速剥離時の粘着力(剥離力)が0.45N/25mm以下であることで、粘着フィルムを被着体から容易に剥離できる。特に、広幅での剥離性が良好となる。
剥離速度依存率が170%以下であることで、剥離速度に依存することなく、粘着フィルムを被着体から容易に剥離できる。
本明細書において「剥離速度依存率」とは、剥離速度0.3m/分(低速剥離)における粘着力(以下、「低速剥離力」ともいう。)に対する剥離速度10m/分(高速剥離)における粘着力(以下、「高速剥離力」ともいう。)の割合であり、以下の計算式によって求められる。
剥離速度依存率(%)=(高速剥離力/低速剥離力)×100
(1)精密天秤にて質量を正確に測定した250メッシュの金網(100mm×100mm)に、粘着剤層を約0.25g貼付し、ゲル分が漏れないように、貼付した粘着剤層を内側にして、金網を5回折り畳み、試料とする。その後、精密天秤にて質量を正確に測定する。
(2)得られた試料を酢酸エチル80mlに3日間浸漬する。
(3)試料を取り出して少量の酢酸エチルにて洗浄し、120℃で24時間乾燥させる。その後、精密天秤にて質量を正確に測定する。
(4)下式によりゲル分率を算出する。
ゲル分率(質量%)=(Z−X)/(Y−X)×100
但し、Xは金網の質量(g)、Yは粘着剤層を貼付した金網の浸漬前の質量(g)、Zは浸漬後乾燥させた、粘着剤層を貼付した金網の質量(g)である。
すなわち、本発明の粘着フィルムは、加熱処理工程において被着体の表面を保護又は補強し、加熱処理工程後、容易に剥がせる耐熱性の粘着フィルムとして使用可能である。
液晶表示装置に使用される光学部材は、液晶表示装置の組み立ての際に、液晶の配向の乱れを解消する目的で、例えば70℃〜90℃で加熱処理される場合がある。
液晶表示装置に使用される光学部材の一種である透明導電性フィルムは、導電性物質の結晶化工程(即ち、アニール工程)において、例えば100℃〜250℃で加熱処理される。透明導電性フィルムの粘着フィルムが貼り付けられる面は、透明電極が形成された面であっても、もう一方の面であってもよい。
フレキシブルプリント基板及びリジッドプリント配線基板は、ホットプレス工程において、例えば100℃〜250℃で加熱処理される。
100℃〜250℃で加熱処理される被着体としては、例えば、透明導電性フィルム、フレキシブルプリント基板、及びリジッドプリント基板が挙げられる。
〔製造例1〕
温度計、攪拌機、還流冷却器、及び逐次滴下装置を備えた反応容器内に、酢酸エチル31.7質量部、アルキルアクリレートとして2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)23.5質量部、カルボキシ基を有するモノマーとしてアクリル酸(AA)1.5質量部、及び重合開始剤として2、2’−アゾビス−i−ブチロニトリル(商品名:V−60、和光純薬工業(株)製))0.013質量部を入れ、撹拌しながら、反応容器内の温度を還流が発生するまで上昇させた。還流開始から20分後、2EHAを70.5質量部と、AAを4.5質量部と、V−60を0.038質量部と、を酢酸エチル9.2質量部に溶解させた溶液を120分かけて滴下し、滴下終了後、更に150分かけて反応を完結させた。反応完結後、固形分が35質量%となるようにメチルエチルケトンで希釈し、(メタ)アクリル系ポリマーの溶液を調製した。なお、「固形分」とは(メタ)アクリル系ポリマーの溶液から溶媒等の揮発性成分を除去した残渣量を意味する。
重量平均分子量(Mw)は、既述の方法で測定したものである。
酸価及びTgは、既述の方法で計算したものである。製造例1で得られた(メタ)アクリル系ポリマーの酸価は、具体的には、次のようにして計算した。なお、(メタ)アクリル系ポリマーに使用された全モノマー中のAAの含有率は、6.0質量%であり、AAの分子量は、72.1である。また、AA1分子中に含まれるカルボキシ基の数は1である。
製造例1で得られた(メタ)アクリル系ポリマーの酸価(mgKOH/g)={(6.0/100)÷72.1}×56.1×1000×1=46.7
各製造例2〜7では、製造例1におけるモノマーの組成を表1に示すように変更するとともに、溶剤の量、重合開始剤の量等を調整することで、表1に示すように、(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量を調整したこと以外は、製造例1と同様の方法により、(メタ)アクリル系ポリマーの溶液を調製した。
得られた(メタ)アクリル系ポリマーのモノマー組成(単位:質量%)、重量平均分子量(Mw、単位:万)、酸価(単位:mgKOH/g)、及びTg(単位:℃)を表1に示す。
重量平均分子量(Mw)は、既述の方法で測定したものである。
酸価及びTgは、既述の方法で計算したものである。
表1中の各モノマーについて記載されたTgは、既述の方法で測定した、そのモノマーをホモポリマーとしたときのTgである。
〔製造例A〕
温度計、撹拌機、還流冷却器、及び逐次滴下装置を備えた反応容器内に、アルキルアクリレートとして2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)5.1質量部、カルボキシ基を有するモノマーとしてアクリル酸(AA)0.9質量部、トルエン19質量部、メチルエチルケトン(MEK)19質量部、及び重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(商品名:V−601、和光純薬工業(株)製)0.4質量部を入れ、撹拌しながら、反応容器内の温度を還流が発生するまで上昇させた。還流開始から10分後、2EHAを45.9質量部、AAを8.1質量部、及びV−601を5.4質量部と、をMEK8.8量部に溶解させた溶液を90分かけて滴下し、滴下終了後、更に230分かけて反応を完結させた。反応完結後、固形分が35質量%となるようにトルエンで希釈し、(メタ)アクリル系オリゴマーの溶液を調製した。なお、「固形分」とは(メタ)アクリル系オリゴマーの溶液から溶媒等の揮発性成分を除去した残渣量を意味する。
重量平均分子量(Mw)は、既述の方法で測定したものである。
酸価は、既述の方法で計算したものである。具体的には、製造例Aで得られた(メタ)アクリル系オリゴマーの酸価は、次のようにして計算した。なお、(メタ)アクリル系オリゴマーに使用された全モノマー中のAAの含有率は、15.0質量%であり、AAの分子量は、72.1である。
製造例Aで得られた(メタ)アクリル系オリゴマーの酸価(mgKOH/g)={(15.0/100)÷72.1}×56.1×1000=116.7
各製造例B〜Dでは、製造例Aにおけるモノマーの組成を表2に示すように変更するとともに、溶剤の量、重合開始剤の量等を調整することで、表2に示すように、(メタ)アクリル系オリゴマーの重量平均分子量を調整したこと以外は、製造例Aと同様の方法により、(メタ)アクリル系オリゴマーの溶液を調製した。
得られた(メタ)アクリル系オリゴマーのモノマー組成(単位:質量%)、重量平均分子量(Mw、単位:万)、及び酸価(単位:mgKOH/g)を表2に示す。
重量平均分子量(Mw)は、既述の方法で測定したものである。
酸価は、既述の方法で計算したものである。
表2中の各モノマーについて記載されたTgは、既述の方法で測定した、そのモノマーをホモポリマーとしたときのTgである。
<実施例1>
製造例1で調製した(メタ)アクリル系ポリマーの溶液(固形分:35質量%)95質量部と、製造例Aで調製した(メタ)アクリル系オリゴマーの溶液(固形分:35質量%)5質量部と、架橋剤(エポキシ化合物、商品名:テトラッド−C、三菱ガス化学(株)製)3.14質量部((メタ)アクリル系ポリマーに含まれるカルボキシ基及び(メタ)アクリル系オリゴマーに含まれるカルボキシ基の合計カルボキシ基1当量に対して、エポキシ化合物に含まれるエポキシ基が1.0当量)と、タッキファイヤー(商品名:YSポリスターTH130、テルペンフェノール系タッキファイヤー、ヤスハラケミカル(株)製)1質量部と、を混合し、十分に撹拌して実施例1の粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物の組成等の詳細を表3に示す。
表3中の酸価の合計は、既述の方法で計算したものである。具体的には、実施例1の粘着剤組成物の酸価の合計は、次のようにして計算した。
実施例1の粘着剤組成物の酸価の合計(mgKOH/g)=46.7×{95/(95+5)}+116.7×{5/(95+5)}=50.2
上記で得られた粘着剤組成物を用い、以下のようにして、試験用粘着フィルムを作製した。ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(商品名:ルミラーU35、厚さ:125μm、東レ(株)製)の上に、乾燥後の塗布量が20g/m2となるように粘着剤組成物を塗布し、熱風循環式乾燥機にて100℃で60秒間乾燥して粘着剤組成物の層を形成した。次いで、シリコーン系離型剤で表面保護された離型フィルム(商品名:フィルムバイナ(登録商標)100E−0010NO23、藤森工業(株)製)の上に、粘着剤組成物の層が接するようにPETフィルムを載置し、加圧ニップロールで圧着して貼り合わせた。その後、23℃、50%RHの環境下で7日間、架橋反応を終了させるための養生を行い、粘着剤層を有する試験用粘着フィルムを作製した。
得られた粘着剤層のゲル分率を表3に示す。なお、ゲル分率は、既述の方法で測定したものである。
1.加熱処理後の高速剥離性
上記で作製した試験用粘着フィルムを25mm×150mmの大きさに切断し、得られた試験用粘着フィルム片から離型フィルムを剥がし、ハードコート処理されたPETフィルム(商品名:KBフィルムG01S、(株)きもと製)のハードコート処理された面に貼り合わせ、2kgのゴムロールを1往復して圧着し、試験片を得た。この試験片を、23℃、50%RH環境下で1時間放置した後、150℃環境下で1時間加熱処理を行い、続いて23℃、50%RH環境下で1時間放置した。
放置後の試験片について、試験用粘着フィルムを長辺(150mm)方向に剥離した場合の180°剥離における粘着力(単位:N/25mm)を、剥離速度10m/分(高速剥離)の条件で測定し、以下の評価基準に従って、加熱処理後の高速剥離性を評価した。結果を表3に示す。
A:0.2N/25mmを超えて0.35N/25mm以下である場合(高速剥離性が非常に優れる)
B:0.1N/25mmを超えて0.2N/25mm以下であるか、又は0.35N/25mmを超えて0.4N/25mm以下である場合(高速剥離性が優れる)
C:0.05/25mmを超えて0.1N/25mm以下であるか、又は0.4N/25mmを超えて0.45N/25mm以下である場合(高速剥離性がやや劣るが許容範囲内)
D:0.05/25mm以下、又は0.45N/25mmを超える場合(高速剥離性が劣り許容範囲外)
上記の1.加熱処理後の高速剥離性の評価に用いた試験片と同様の方法により作製した試験片について、試験用粘着フィルムを長辺(150mm)方向に剥離した場合の180°剥離における粘着力(単位:N/25mm)を、剥離速度0.3m/分(低速剥離)の条件で測定した。そして、この低速剥離した場合における粘着力の値と、上記の1.加熱処理後の高速剥離性の評価にて測定された高速剥離した場合における粘着力の値とを以下の計算式にあてはめて、剥離速度依存率(%)を算出し、以下の評価基準に従って、剥離速度依存性を評価した。なお、剥離速度依存率の値は高いほど、剥離速度依存性が高いことを示す。
結果を表3に示す。
剥離速度依存率(%)=(高速剥離力/低速剥離力)×100
A:剥離速度依存率が140%以下である場合(剥離速度依存性が非常に低い)
B:剥離速度依存率が140%を超えて155%以下である場合(剥離速度依存性が低い)
C:剥離速度依存率が155%を超えて170%以下である場合(剥離速度依存性がやや高いが許容範囲内)
D:剥離速度依存率が170%を超える場合(剥離速度依存性が高く許容範囲外)
上記の1.加熱処理後の高速剥離性の評価において、試験片から試験用粘着フィルムを高速剥離した後のハードコート処理されたPETフィルムのハードコート処理面上に、2μLの純水を滴下し、滴下から30秒後に、接触角測定装置(装置名:Drop Master DM−701、協和界面科学(株)製)を用いて、水の接触角(θ1)を測定した。
得られた値と、予め測定しておいた、試験用粘着フィルムを貼り付けていないハードコート処理面の水の接触角の値(θ0=84°)との差の絶対値(Δθ=|θ1−θ0|)を算出した。そして、算出した絶対値(Δθ)を汚染性の指標とし、以下の基準に従って評価した。結果を表3に示す。
B:Δθが2.0を超え4.5以下である場合(汚染性が低い)
C:Δθが4.5を超え7.5以下である場合(汚染性がやや高い)
D:Δθが7.5を超えている場合(汚染性が高い)
各実施例2〜26及び各比較例1〜7では、実施例1における(メタ)アクリル系ポリマー、(メタ)アクリル系オリゴマー、タッキファイヤー、及び架橋剤の種類、(メタ)アクリル系ポリマー及び(メタ)アクリル系オリゴマーの配合比率、並びにタッキファイヤー及び架橋剤の配合量を表3に示すものにするとともに、架橋剤の配合量を、(メタ)アクリル系ポリマーに含まれるカルボキシ基及び(メタ)アクリル系オリゴマーに含まれるカルボキシ基の合計カルボキシ基1当量に対して、架橋剤に含まれる架橋に寄与する官能基(例えば、架橋剤がエポキシ化合物の場合にはエポキシ基であり、イソシアネート化合物の場合にはイソシアネート基である。)が表3に示す当量となるように調整したこと以外は実施例1と同様にして、粘着剤組成物を得た。
得られた粘着剤組成物を用い、実施例1と同様にして、試験用粘着フィルムを作製した。そして、作製した試験用粘着フィルムについて、実施例1と同様にして、加熱処理後の高速剥離性、剥離速度依存性、及び汚染性の評価を行った。結果を表3に示す。
表3中のタッキファイヤーの商品名、種類、及び製造元の詳細は、以下のとおりである。
U115:YSポリスターU115(商品名)、テルペンフェノール系、ヤスハラケミカル(株)製
T100:YSポリスターT100(商品名)、テルペンフェノール系、ヤスハラケミカル(株)製
TH130:YSポリスターTH130(商品名)、テルペンフェノール系、ヤスハラケミカル(株)製
T160:YSポリスターT160(商品名)、テルペンフェノール系、ヤスハラケミカル(株)製
S145:YSポリスターS145(商品名)、テルペンフェノール系、ヤスハラケミカル(株)製
TR105:YSレジンTR105(商品名)、芳香族変性テルペン、ヤスハラケミカル(株)製
SX100:YSレジンSX100(商品名)、スチレン系、ヤスハラケミカル(株)製
エポキシ:TETRAD(登録商標)−C(商品名)、エポキシ化合物、三菱ガス化学(株)製
イソシアネート:スミジュール(登録商標)N3300(商品名)、イソシアネート化合物、住化バイエルウレタン(株)製
テルペンフェノール系タッキファイヤーを含まない比較例1の粘着剤組成物は、加熱処理後の高速剥離性がやや劣り、かつ、剥離速度依存性が高かった。
テルペンフェノール系タッキファイヤー以外のタッキファイヤーを含む比較例2の粘着剤組成物は、加熱処理後の高速剥離性が劣り、かつ、剥離速度依存性が高かった。
テルペンフェノール系タッキファイヤー以外のタッキファイヤーを含む比較例3の粘着剤組成物は、加熱処理後の高速剥離性がやや劣り、かつ、剥離速度依存性が高かった。
(メタ)アクリル系ポリマーと(メタ)アクリル系オリゴマーとの合計100質量部に対するテルペンフェノール系タッキファイヤーの含有量が0.1質量部よりも少ない比較例4の粘着剤組成物は、加熱処理後の高速剥離性がやや劣り、かつ、剥離速度依存性が高かった。
(メタ)アクリル系ポリマーと(メタ)アクリル系オリゴマーとの合計100質量部に対するテルペンフェノール系タッキファイヤーの含有量が5質量部よりも多い比較例5の粘着剤組成物は、加熱処理後の高速剥離性が劣り、かつ、剥離速度依存性が高かった。
(メタ)アクリル系ポリマーの酸価が40mgKOH/gよりも低い比較例6の粘着剤組成物は、加熱処理後の高速剥離性が劣り、かつ、汚染性が高かった。
(メタ)アクリル系ポリマーの酸価及び合計の酸価が90mgKOH/gよりも高い比較例7の粘着剤組成物は、加熱処理後の高速剥離性が劣っていた。
(メタ)アクリル系オリゴマーの酸価が70mgKOH/g以上の粘着剤組成物(例えば、実施例1、10、11等)では、70mgKOH/gより低い粘着剤組成物(例えば、実施例9)と比較して、加熱処理後の高速剥離性に優れ、剥離速度依存性がより低く、かつ、汚染性がより低くなる傾向が認められた。
Claims (7)
- カルボキシ基を有するモノマーに由来する構成単位を含み、酸価が40mgKOH/g以上90mgKOH/g以下であり、重量平均分子量が300000以上1800000以下である(メタ)アクリル系ポリマーと、
架橋剤と、
テルペンフェノール系タッキファイヤーと、を含み、
前記(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対する前記テルペンフェノール系タッキファイヤーの含有量が0.1質量部以上5質量部以下である、粘着剤組成物。 - カルボキシ基を有するモノマーに由来する構成単位を含み、酸価が70mgKOH/g以上であり、重量平均分子量が1000以上30000以下である(メタ)アクリル系オリゴマーを更に含み、
前記(メタ)アクリル系ポリマーと前記(メタ)アクリル系オリゴマーとの合計質量に対する(メタ)アクリル系オリゴマーの割合が1質量%以上40質量%以下であり、
前記テルペンフェノール系タッキファイヤーの前記含有量が、前記(メタ)アクリル系ポリマーと前記(メタ)アクリル系オリゴマーとの合計100質量部に対する前記テルペンフェノール系タッキファイヤーの含有量であり、
下記の式により算出される酸価の合計が40mgKOH/g以上90mgKOH/g以下である、請求項1に記載の粘着剤組成物。
- 前記架橋剤の含有量は、前記(メタ)アクリル系ポリマーに含まれるカルボキシ基と前記(メタ)アクリル系オリゴマーに含まれるカルボキシ基との合計1当量に対して、架橋に寄与する官能基が0.5当量以上2.0当量以下となる量である、請求項2に記載の粘着剤組成物。
- 前記(メタ)アクリル系オリゴマーは、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であるモノマーに由来する構成単位を、前記(メタ)アクリル系オリゴマーの全構成単位に対して50質量%以上含む、請求項2又は請求項3に記載の粘着剤組成物。
- 前記(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、−50℃以下である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
- 前記架橋剤は、エポキシ化合物及びイソシアネート化合物からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
- 基材と、前記基材上に設けられ、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の粘着剤組成物に由来する粘着剤層と、を備える粘着フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015070272A JP6419627B2 (ja) | 2015-03-30 | 2015-03-30 | 粘着剤組成物及び粘着フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015070272A JP6419627B2 (ja) | 2015-03-30 | 2015-03-30 | 粘着剤組成物及び粘着フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016190903A true JP2016190903A (ja) | 2016-11-10 |
JP6419627B2 JP6419627B2 (ja) | 2018-11-07 |
Family
ID=57245199
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015070272A Active JP6419627B2 (ja) | 2015-03-30 | 2015-03-30 | 粘着剤組成物及び粘着フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6419627B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020516741A (ja) * | 2017-04-13 | 2020-06-11 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 感圧接着剤組成物 |
JP2021095510A (ja) * | 2019-12-18 | 2021-06-24 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 粘着組成物および粘着シート |
CN116514534A (zh) * | 2023-04-21 | 2023-08-01 | 厦门海赛米克新材料科技有限公司 | 一种陶瓷封装用流延片及其制备方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008258545A (ja) * | 2007-04-09 | 2008-10-23 | Nitto Denko Corp | 配線回路基板用両面粘着テープ又はシートおよび両面粘着テープ付き配線回路基板 |
JP2014094984A (ja) * | 2012-11-07 | 2014-05-22 | Nitto Denko Corp | 粘着剤組成物、粘着シート、及び、光学部材 |
JP2014224227A (ja) * | 2013-04-15 | 2014-12-04 | 日東電工株式会社 | 粘着剤組成物、粘着剤層、および粘着シート |
-
2015
- 2015-03-30 JP JP2015070272A patent/JP6419627B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008258545A (ja) * | 2007-04-09 | 2008-10-23 | Nitto Denko Corp | 配線回路基板用両面粘着テープ又はシートおよび両面粘着テープ付き配線回路基板 |
JP2014094984A (ja) * | 2012-11-07 | 2014-05-22 | Nitto Denko Corp | 粘着剤組成物、粘着シート、及び、光学部材 |
JP2014224227A (ja) * | 2013-04-15 | 2014-12-04 | 日東電工株式会社 | 粘着剤組成物、粘着剤層、および粘着シート |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020516741A (ja) * | 2017-04-13 | 2020-06-11 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 感圧接着剤組成物 |
JP7010301B2 (ja) | 2017-04-13 | 2022-01-26 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 感圧接着剤組成物 |
JP2021095510A (ja) * | 2019-12-18 | 2021-06-24 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 粘着組成物および粘着シート |
CN116514534A (zh) * | 2023-04-21 | 2023-08-01 | 厦门海赛米克新材料科技有限公司 | 一种陶瓷封装用流延片及其制备方法 |
CN116514534B (zh) * | 2023-04-21 | 2024-04-30 | 厦门海赛米克新材料科技有限公司 | 一种陶瓷封装用流延片及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6419627B2 (ja) | 2018-11-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6419626B2 (ja) | 粘着剤組成物及び粘着フィルム | |
JP6042592B1 (ja) | 粘着性組成物、粘着剤および粘着シート | |
JP2011162593A (ja) | 粘着剤組成物及び粘着シート | |
JP6552433B2 (ja) | 保護フィルム用粘着剤組成物及び保護フィルム | |
JP6291492B2 (ja) | 粘着剤組成物、粘着フィルム、及び物品の処理方法 | |
JPWO2016147318A6 (ja) | 粘着性組成物、粘着剤および粘着シート | |
JP5484104B2 (ja) | 粘着剤組成物及び粘着シート | |
JP7434696B2 (ja) | フォルダブルディスプレイ用粘着剤組成物、及びフォルダブルディスプレイ用光学部材 | |
JP6419627B2 (ja) | 粘着剤組成物及び粘着フィルム | |
JP2020100103A (ja) | 保護シートおよび積層体 | |
JP6811631B2 (ja) | フィルム用粘着剤組成物及び粘着シート | |
JP6352196B2 (ja) | 粘着剤組成物及び粘着フィルム | |
TWI821454B (zh) | 保護薄膜用黏著劑組成物及保護薄膜 | |
JP2020158653A (ja) | 粘着剤組成物及び粘着シート | |
JP7376408B2 (ja) | 粘着剤組成物及び粘着剤層付き光学部材 | |
JP7275463B2 (ja) | 粘着剤組成物及び粘着シート | |
JP2018127539A (ja) | 粘着剤組成物及び粘着フィルム | |
JP6422771B2 (ja) | 粘着剤組成物及び粘着フィルム | |
JP7280840B2 (ja) | 耐熱性粘着シート用粘着剤組成物及び耐熱性粘着シート | |
JP7268278B2 (ja) | 粘着剤組成物、粘着シート、及び光学部材 | |
JP7168148B2 (ja) | 偏光板用粘着剤組成物及び粘着剤層付偏光板 | |
JP6943732B2 (ja) | 保護フィルム用粘着剤組成物及び保護フィルム | |
JP2023145214A (ja) | 光学フィルム用粘着剤組成物、粘着シート、光学部材、及び表示装置 | |
JP2020132788A (ja) | ガラス飛散防止フィルム用粘着剤組成物及びガラス飛散防止フィルム | |
JP2021143269A (ja) | 車両保護フィルム用粘着剤組成物及び車両保護フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170920 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180607 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180807 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180910 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20181002 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20181010 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6419627 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |