JP2016190505A - 制御システム - Google Patents

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    • B60W2050/0006Digital architecture hierarchy

Abstract

【課題】車両構成の変更に容易に対応でき、また、好ましくない挙動制御が行われることを効果的に防止することが可能な制御システムを提供する。【解決手段】制御システムのドメイン制御部21は、指針層21aにてシステムの制御指針を設定し、その制御指針の下で、システム動作層21cにおいてシステム制御モードを設定する。さらに、そのシステム制御モードの下、機器挙動層21dにおいて、車載機器制御モードを設定する。その際、ドメイン制御部21は、制約層21bにより、システム制御モード及び車載機器制御モードの少なくとも一方に関して、その設定に対して制約条件を課し、制約条件に該当するか否かにより、設定を禁止もしくは許可するようにしている。このため、制御対象となる車載機器の状況などの要因に基づいて制約条件を定めることにより、好ましくない制御指針や制御モードの設定を防止することが可能となる。【選択図】図2

Description

本発明は、複数の車載機器を連携して制御するための制御システムに関する。
例えば、特許文献1には、車両構成が変更される場合に、車両モードに応じた制御手段による制御対象に対する挙動制御の変更が容易な車両制御装置について記載されている。
この特許文献1の車両制御装置は、車両モード毎に、機能ドメインECU及びサブドメインECUが制御対象に対して実行する挙動制御を、車両構成に応じてモード情報として記憶している。そして、車両制御装置は、車両が置かれた車両環境に基づき設定される車両モードに応じて、記憶しているモード情報に基づき、各機能ドメインECU及び各サブドメインECUが制御対象に対して実行する挙動制御を管理する。
特開2010‐241298号公報
上述したように、特許文献1では、各機能ドメインECU及び各サブドメインの上位に位置する車両制御装置が、車両モード毎に、各機能ドメインECU及び各サブドメインECUが制御対象に対して実行する挙動制御を一元的にモード情報として記憶している。
しかしながら、このように、車両制御装置によって、各機能ドメインECU及び各サブドメインECUをも含めたモード情報の一元的管理を行うと、記憶するモード情報が大規模となり、車両構成に応じてモード情報を変更する場合にも、多大な工数が必要になってしまう。また、車両制御装置におけるモード情報によって、各機能ドメインECU及び各サブドメインECUが制御対象に対して実行する挙動制御を管理するようにした場合、制御対象の状況や、外部要因から見て、必ずしも好ましくない挙動制御を行ってしまう可能性も否定できない。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、さらに車両構成の変更に容易に対応可能な制御システムを提供することを第1の目的とする。さらに、好ましくない挙動制御が行われることを効果的に防止することが可能な制御システムを提供することを第2の目的とする。
上記第1の目的を達成するために、本発明による制御システム(10)は、複数の車載機器(30〜35)を連携して制御するためのものであって、
複数の車載機器を、各車載機器の役割に応じて複数のドメインに区分し、それらドメイン毎に、対応するドメインに属する車載機器の制御を統括するドメイン制御部(21〜23)と、
ドメイン制御部からの指令に基づき、車載機器を制御する機器制御部(24〜29)と、を備え、
ドメイン制御部は、
ドメインに属する車載機器により構成されるシステムの制御指針として予め複数の制御指針が定められ、その複数の制御指針の中から1つの制御指針を選択して、システムの制御指針を設定する制御指針設定部(21a〜23a)と、
システムの制御指針毎に、選択可能なシステムの制御モードとして複数のシステム制御モードが定められており、制御指針設定部により設定された制御指針の下で選択可能な複数のシステム制御モードの中から、1つのシステム制御モードを選択して、システムの制御モードを設定するシステム制御モード設定部(21c〜23c)と、を備える。
本発明に係る制御システムは、上述したように、ドメイン制御部に、そのドメインに属する車載機器により構成されるシステムの制御指針や制御モードなどの状態管理を行うための構成を設けている。このため、車載機器を削除したり、追加したりして、車載機器構成(車両構成)を変更する場合であっても、制御内容の改変等の影響が及ぶのは、主として、その車載機器が属するドメインの範囲に留めることができる。従って、車載機器構成が相違する場合でも、従来よりも容易に本発明の制御システムを適用可能となる。
また、第2の目的を達成するために、本発明による制御システム(10)では、上述したドメイン制御部が、制御指針及びシステム制御モードの少なくとも一方に関して、その設定に対して制約条件を課し、制約条件に該当するか否かにより、設定を禁止もしくは許可する制約条件賦課部(21b〜23b)を備える。
ドメイン制御部は、システムの状態管理として、まず、システムの制御指針を設定し、その設定された制御指針の下でシステムの制御モードを設定する。その際、制約条件賦課部は、制御指針及びシステム制御モードの少なくとも一方に関して、その設定に対して制約条件を課し、制約条件に該当するか否かにより、設定を禁止もしくは許可する。このため、制御対象となる車載機器の状況や、他のシステム構成の状況などの要因に基づいて制約条件を定めることにより、車載機器の状況や外部要因から見て好ましくない制御指針や制御モードの設定を効果的に防止することが可能となる。
上記括弧内の参照番号は、本発明の理解を容易にすべく、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、なんら本発明の範囲を制限することを意図したものではない。
また、上述した特徴以外の、特許請求の範囲の各請求項に記載した技術的特徴に関しては、後述する実施形態の説明及び添付図面から明らかになる。
ハイブリッド車両における車載機器を制御対象とした場合において、第1実施形態における制御システムが有する各種機能の一例を機能ブロックにより示した図である。 各ドメイン制御部の内部論理構造を示した図である。 エネルギードメイン制御部の指針層、制約層、システム動作層、及び機器挙動層における状態設定を説明するための図である。 各ドメイン制御部の指針層における状態設定及びその調停処理について説明するための図である。 第2実施形態における制御システムの統合制御部、ドメイン制御部、機器制御部、及びECUが階層化された様子を示す図である。 統合制御部の指針層、制約層、及びシステム動作層のそれぞれの状態設定の一例を示した図である。 エネルギードメイン制御部の指針層、制約層、システム動作層、及び機器挙動層のそれぞれの状態設定の一例を示している。 MG制御部の指針層、制約層、システム動作層、及び機器挙動層のそれぞれの状態設定の一例を示した図である。 ECUの制約層、システム動作層、及び機器挙動層のそれぞれの状態設定の一例を示した図である。 制御システムの統合制御部、エネルギードメイン制御部、MG制御部、及びECU40の各層にて設定され得る状態の一例を示した図である。 運転者が先行車両への追従の応答性を選択するスイッチを切り換えた場合に、ドメイン制御部の制御指針や制約条件が変化する様子を示した図である。 統合制御部とエネルギードメイン制御部との各層における状態が設定される時間的な関係を説明するための図である。 エンジンの暖気が必要な状態から、エンジンの暖気が不要な状態に変化した場合において、MG制御部及びECUの層の状態が変化する様子を示した図である。 いずれかの層における状態が変化した場合に、その下位の層や他の制御部の各層の状態の設定を見直すための処理を示すフローチャートである。 図14のフローチャートにおける状態変更処理の詳細を示すフローチャートである。 変形例について説明するための図である。
(第1実施形態)
本発明に係る制御システムの第1実施形態を、図面を参照しつつ説明する。以下に説明する実施形態では、車両の走行駆動源として、エンジンと電動モータとを有するハイブリッド車両に搭載される各種の車載機器に対して、本発明による制御システムを適用した例について説明する。しかしながら、本発明による制御システムは、ハイブリッド車両における車載機器の制御に適用されるばかりでなく、エンジンのみを有する通常の車両や、電動モータのみを有する電動車両の各種の車載機器の制御に適用されても良い。
図1は、上述したハイブリッド車両における車載装置の制御システム10が有する各種機能の一例を機能ブロック図として表したものである。ただし、図1には、制御システム10が有する機能の全てが示されている訳ではない。これは、説明の便宜のため、図1には、本実施形態に係る制御システム10の特徴を説明するために必要な構成の一例しか示していないためである。
図1において、制御システム10は、車載機器としてのエンジン30、モータジェネレータ(MG)31、エアコン装置32、シートヒータ33、ブレーキ装置34、ステアリング装置35を制御するための機能を有する。なお、上述したように、制御システム10は、さらに、トランスミッション、サスペンション、車載高圧バッテリ、車室内照明などの車載機器を制御するための機能を有していても良い。
図1に示すように、制御システム10は、各種の車載機器30〜35を制御するための機能が予め複数の論理ブロック(機能ブロック)20〜29に区分けされ、それら複数の論理ブロック20〜29間の連結関係を規定することによって構成されている。すなわち、制御システム10における各種の車載機器30〜35を制御するための論理構造が、論理ブロック20〜29と、それら論理ブロック20〜29間の連結関係によって規定されている。そして、制御システム10は、複数の論理ブロック20〜29が、規定された連結関係に従って連携して動作することにより、各種の車載機器30〜35を制御する。
本実施形態に係る制御システム10においては、各車載機器30〜35の役割に応じて、各車載機器30〜35を複数のドメインに区分し、それらドメイン毎に、対応するドメインに属する車載機器30〜35の制御を統括するドメイン制御部が設けられている。このドメイン制御部は、少なくとも1つの論理ブロックから構成される。
具体的には、図1に示す例では、エンジン30及びMG31が、車両を加速させたり、減速させたり、あるいは速度を一定に保つための動力を車両に作用させる役割を担うため、それらの車載機器の制御を統括するドメイン制御部として、エネルギードメイン制御部21が設けられている。また、車室内の空調を行うエアコン装置32やシートヒータ33などの車室内の環境を調節する役割を担う車載機器の制御を統括するドメイン制御部として、ボデードメイン制御部22が設けられている。さらに、ブレーキ装置34やステアリング装置35など、車両の挙動の安定化や車両の進行方向を決定する役割を担う車載機器の制御を統括するドメイン制御部として運動ドメイン制御部23が設けられている。
さらに、制御システム10は、上記の各ドメイン制御部21〜23による制御を連携、協調させるための統合制御部20を備えている。この統合制御部20は、各ドメイン制御部21〜23において設定される制御指針に関する最終決定権を有する。各ドメイン制御部21〜23は、それぞれのドメインに属する車載機器の状態や、車両の運転者の意思に基づいて、各ドメインに属する車載機器から構成されるシステムの制御方針である制御指針を決定する。そして、各ドメイン制御部21〜23にて決定された制御指針の組み合わせが好ましくなく、整合しないものである場合、原則として、各ドメイン制御部21〜23間で調停を図る。しかしながら、各ドメイン制御部21〜23での調停ができない場合には、統合制御部20が、各ドメイン制御部21〜23の最終的な制御指針を決定する。この点に関しては、後に、具体的な事例に基づいて詳しく説明する。
また、本実施形態に係る制御システム10では、図1に示すように、各ドメイン制御部21〜23の下に、対応するドメイン制御部21〜23からの指令に従い、各車載機器30〜35の動作状態を制御する機器制御部24〜29が設けられている。例えば、図1に示す例では、エネルギードメイン制御部21の下に、エンジン30を制御するエンジン制御部(EMS制御部)24及びMG32を制御するMG制御部25が設けられている。また、ボデードメイン制御部22の下に、エアコン装置32を制御するエアコン制御部26及びシートヒータ33を制御するシートヒータ制御部27が設けられている。さらに、運動ドメイン制御部23の下に、ブレーキ装置34を制御するブレーキ制御部28及びステアリング装置35を制御するステアリング制御部29が設けられている。
なお、制御システム10は、実際には、各論理ブロック20〜29を、プログラムやデータベースとして、電子制御装置(ECU)に実装することにより具現化される。この際、論理ブロック20〜29間の連結関係(上下関係)が維持できる限り、各論理ブロック20〜29を実装する電子制御装置の数は任意である。例えば、すべての論理ブロック20〜29を1つの電子制御装置に実装しても良いし、各論理ブロック20〜29を、それぞれ別個の電子制御装置に実装しても良い。
次に、図1に論理ブロック20〜29として例示した、制御システム10が有する各種の機能について詳しく説明する。
制御システム10には、各論理ブロック20〜29が与えられた機能を発揮するために必要な各種の情報が入力される。例えば、図示しない各種のセンサによって、ハイブリッド車両の運転のため、運転者によって操作される各種の操作部(アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー、ステアリングホイールなど)の操作が検出され、その操作検出信号が制御システム10に入力される。また、車両の走行状態(例えば、速度、加速度など)や、各種の車載機器の動作状態(例えば、エンジン回転数、モータ回転数、ブレーキ油圧、操舵角など)を検出するセンサからの動作検出信号も、制御システム10に入力される。
その他にも、スポーツモード、エコモード、ノーマルモードから車両の走行モードを選択するためのスイッチからの信号や、エアコン装置32などの車載機器を操作するためのスイッチからの信号も、制御システム10に入力される。
さらに、本実施形態による制御システム10は、例えばアダプティブクルーズコントロールや、レーンキープアシストコントロールなどの半自動運転や、車両の周囲の状況をカメラ等により認識し、交通規制の遵守及び障害物の回避などを行いつつ、目的地に到達する完全自動運転を行うことが可能なものである。そのため、自動運転と手動運転との選択スイッチが設けられており。その選択スイッチからの信号も制御システム10に入力される。
上述した各種の信号は、制御システム10の統合制御部20や各ドメイン制御部21〜23に与えられる。例えば、エネルギードメイン制御部21には、アクセルペダル及びシフトレバーの操作検出信号の他、エンジン30やMG31の動作状態を検出する動作検出信号が与えられる。そして、エネルギードメイン制御部21は、それら操作検出信号及び動作検出信号に基づいて、車両を加速させたり、車速を維持させたりするための、車両全体としての必要駆動トルクを算出する。そして、エネルギードメイン制御部21は、車両全体の必要駆動トルクからエンジン30及びMG31が分担すべき駆動トルクを算出して、EMS制御部24及びMG制御部25に出力する。また、エネルギードメイン制御部21は、車両の減速時等において、MG31が発生すべき回生電力量を定め、MG制御部25に出力する。この際、エネルギードメイン制御部21は、MG31による回生ブレーキでは、必要な制動トルクが得られない場合、その不足する制動トルクの発生を運動ドメイン制御部23に指示する。すると、運動ドメイン制御部23は、ブレーキ制御部28を介してブレーキ装置34を作動させ、不足制動トルクを発生させる。
EMS制御部24は、エネルギードメイン制御部21から出力された目標エンジントルクを達成するために必要な制御信号をエンジン30に出力する。より詳細には、EMS制御部24は、エンジン30の運転状態を検出する各種のセンサ(回転数、温度、空気流量等)からのセンサ信号を入力する。そして、センサ信号から把握されるエンジンの運転状態から現状の発生トルクを算出する。そして、EMS制御部24は、目標エンジントルクとの差分のトルクを増減するためのエンジン運転状態を算出する。そして、算出したエンジン運転状態を達成するための燃料噴射量と燃料噴射時期、及び点火時期を算出し、これらに応じた噴射制御信号及び点火制御信号を出力する。
MG制御部25も、エネルギードメイン制御部21から出力された目標MGトルクを実現するための制御信号をMG31に出力する。例えば、MG制御部25は、MG31が発生する駆動トルクによりエンジントルクをアシストする場合、MG31が目標MGトルクを発生するように、例えばベクトル制御によりMG31の各ステータコイルへの通電電流を制御する。また、MG制御部25は、回生ブレーキ時には、エネルギードメイン制御部21において定められた回生電力量が得られるように、MG31のインバータを制御する。
ボデードメイン制御部22には、車両のメインスイッチ信号、エアコン装置32の操作信号、シートヒータ33の操作信号、乗員検出信号の他、車室内外の温度検出信号、日射量の検出信号、シートの温度検出信号などが与えられる。そして、車両に乗員が乗車しており、エアコン装置32やシートヒータ33などの操作信号が検出された場合には、その操作信号や各種の検出信号に基づいて、車室内環境を、車両の乗員によって指示された環境に一致させるべく、エアコン装置32やシートヒータ33などを制御するための制御信号を生成し、エアコン制御部26及びシートヒータ制御部27に出力する。
エアコン制御部26は、ボデードメイン制御部22からの制御信号に従って、エアコン装置32のファンの回転数や、エアミックスドアの開度を制御することにより、車室内の温度や湿度を制御する。また、シートヒータ制御部27は、ボデードメイン制御部22からの制御信号に従って、シートに内蔵されたヒータへの通電電流を制御することによりシート温度を制御する。
また、運動ドメイン制御部23には、自動運転と手動運転との選択スイッチからの信号の他、車両の周囲の状況を検出するための検出信号などが与えられる。そして、運動ドメイン制御部23は、自動運転が選択された場合、検出された車両周囲の状況に応じて、速度の調節や、進行方向の制御を行うべく、ブレーキ制御部28及びステアリング制御部29に制御信号を出力する。さらに、運動ドメイン制御部23は、速度の調節を行う場合には、その速度調節に関する情報をエネルギードメイン制御部21にも与えることにより、車両に発生する駆動力の調節を指示する。このようにして、運動ドメイン制御部23は、必要に応じて、ブレーキ制御と、エンジン制御及びモータ制御を連携させる。また、運動ドメイン制御部23は、手動運転が選択された場合、原則として、車両の運転操作に従って、操舵や制動が行われるように、ブレーキ制御部28及びステアリング制御部29に制御信号を出力する。
ブレーキ制御部28は、運動ドメイン制御部23から出力された制御信号に従い、ブレーキ装置34の動作を制御する。また、ステアリング制御部29も、運動ドメイン制御部23から出力された制御信号に従い、ステアリング装置35の動作を制御する。
ここで、エネルギードメイン制御部21を代表例として、各ドメイン制御部21〜23の内部論理構造について説明する。なお、各ドメイン制御部21〜23は、同様の内部論理構造を有している。
各ドメイン制御部21〜23は、図2に示すように、指針層21a〜23a、制約層21b〜23b,システム動作層21c〜23c、及び機器挙動層21d〜23dからなる4層の階層構造を有している。指針層21a〜23aは、該当するドメインに属する車載機器により構成されるシステムの制御指針として予め複数の制御指針が定められており、その複数の制御指針の中から1つの制御指針を選択して、システムの制御指針を設定する。
例えば、エネルギードメイン制御部21の指針層21aにおいては、図3に示すように、「SOC変動抑制」、「燃費優先」、「短時間最適」の3つの制御指針が定められている。「SOC変動抑制」とは、MG31に対して電源を供給する高圧バッテリ(図示せず)のSOC(State Of Charge)の変動を極力抑えることを優先する制御指針である。これにより、高圧バッテリの寿命を保つことが可能となる。「燃費優先」とは、車両が目的地に達するまでの車両の走行予定経路の路面勾配を地図データに基づいて把握し、例えば、下り坂に差し掛かる前までに、SOCを下限付近まで低下させ、下り坂にて電力回生によりSOCを回復させるなど、積極的にMG31によるアシストや電力回生などを行って、エンジン30による燃料消費を抑制する制御指針である。「短時間最適」とは、例えば信号間などにおいて、車両が発進してから停止するまでを基準単位として、MG31の発生トルクによる発進、車両の加速時におけるエンジン30とMG31との連携(MG31によるアシスト)、減速時のMG31による電力回生といった、所定のアシスト/回生パターンで車両を走行させる制御指針である。なお、制御指針は、これら例示の制御指針に限られるものではなく、別の制御指針を追加したり、別の制御指針で置き換えたりすることも可能である。
エネルギードメイン制御部21の指針層21aでは、上記の制御指針の中から、例えば、目的地設定の有無、及び高圧バッテリの状態などに基づいて、いずれかの制御指針を選択する。なお、高圧バッテリの状態は、環境温度、SOC、SOH(State Of Health)、高圧バッテリの使用時間などから検出することができる。
例えば、指針層21aは、高圧バッテリの性能が低下する極低温時や、高圧バッテリの劣化が進行している場合には、制御指針として「SOC変動抑制」を選択する。また、高圧バッテリの劣化の兆候が見られない場合であって、車両の目的地が設定されている場合には、「燃費優先」を選択する。一方、車両の目的地が設定されていない場合には、「短時間最適」を選択する。
制約層21bは、下位層となるシステム動作層21c及び/又は機器挙動層21dにおける、システム制御モード及び/又は車載機器の制御モードの設定に対して制約条件を課すものである。
例えば、エネルギードメイン制御部21の制約層21bは、制御指針として「燃費優先」が選択された場合に、「充放電可能」、「充電のみ」、「放電のみ」の3つの制約条件の中から1つの制約条件を選択して設定する。例えば、「充放電可能」が選択されると、高圧バッテリとMG31間で、充電を行うことも、放電を行うこともともに許可される。すなわち、MG31をモータとして作動させることも、ジェネレータとして作動させることもともに許可される。このため、図3の例に示すように、システム動作層21cは、システム制御モードとして、「ENG駆動」、「HV駆動」、「MG駆動」のいずれも設定可能となっている。
しかし、制約条件として「充電のみ」が選択されると、高圧バッテリからMG31への放電、すなわち、MG31をモータとして作動させることが禁止される。この場合、システム動作層21cでのシステム制御モードとして、車両の減速時以外に、「HV駆動」及び「MG駆動」に設定することが禁止される。例えば、システム動作層21cにおいて、車両の減速時以外は、「ENG駆動」だけが選択可能とされることで、「HV駆動」及び「MG駆動」への設定を禁止することができる。
また、制約条件として「充電のみ」が選択された場合、システム動作層21cでの設定の禁止に代えて、もしくは加えて、機器挙動層21dでの車載機器の制御モードとして、車両の減速時以外に、「ENG作動、MG作動」及び「ENG停止、MG作動」に設定することを禁止するようにしても良い。システム動作層21cと機器挙動層21dとの少なくとも一方において上述した設定を禁止することで、高圧バッテリからMG31への放電を禁止することができるためである。
一方、制約条件として「放電のみ」が選択されると、MG31が発生した回生電力による高圧バッテリの充電、すなわち、MG31をジェネレータとして作動させることが禁止される。この場合、システム動作層21cでのシステム制御モードとして、減速時に、「HV駆動」及び「MG駆動」に設定することが禁止される。例えば、システム動作層21cにおいて、車両の減速時は、「ENG駆動」だけが選択可能とされることで、「HV駆動」及び「MG駆動」への設定を禁止することができる。
また、制約条件として「放電のみ」が選択された場合、システム動作層21cでの設定の禁止に代えて、もしくは加えて、機器挙動層21dでの車載機器の制御モードとして、車両の減速時に、「ENG作動、MG作動」及び「ENG停止、MG作動」に設定することを禁止するようにしても良い。
なお、制約層21bにおいて、いずれの制約条件を課すかは、高圧バッテリのSOCに基づいて決定することができる。すなわち、高圧バッテリのSOCが上限値に近い場合、過充電を防止するため、「放電のみ」が選択される。高圧バッテリのSOCが、上限値と下限値との中間領域に属する場合、「充放電可能」が選択される。高圧バッテリのSOCが下限値に近い場合、「充電のみ」が選択される。
システム動作層21cは、制御指針及び制約条件毎に、選択可能なシステムの制御モードとして複数のシステム制御モードが定められており、指針層21aにて設定された制御指針の下で選択可能な複数のシステム制御モードの中から、車両の走行環境や走行状態、車載機器の動作状態などに応じて、1つのシステム制御モードを選択して、システムの制御モードを設定するものである。
例えば、エネルギードメイン制御部21の指針層21aにて「燃費優先」との制御指針が設定され、制約層21bにおいて「充放電可能」との制約条件が設定された場合、システム動作層21cは、燃費優先との制御指針に合致するように、エンジン30とMG31とから構成されるハイブリッドシステムの制御モードを設定する。具体的には、上述したように、車両の走行予定経路の下り坂に差し掛かる前までに、「MG駆動」や「HV駆動」への設定を多用し、SOCを下限付近まで低下させる。そして、車両が下り坂の走行を開始すると、「MG駆動」の下で、MG31に回生電力を発生させ、高圧バッテリのSOCの回復を図る。
機器挙動層21dは、システム動作層21cにより設定されたシステム制御モードの下で選択可能な、当該システムを構成する車載機器の複数の制御モードの中から1つの車載機器制御モードを選択して設定するものである。
例えば、エネルギードメイン制御部21の機器挙動層21dは、システム制御モードとして「HV駆動」が選択された場合、「ENG作動、MG作動」、「ENG停止、MG作動」、「ENG作動、MG停止」、「ENG停止、MG停止」の中から1つの車載機器制御モードを設定する。例えば、機器挙動層21dは、車両の走行予定経路における路面勾配に加え、車両の走行状態や運転者の運転操作などに応じて、適切な車載機器制御モードを選択して設定する。例えば、平坦路であっても、車両を素早く加速させるときには、「ENG作動、MG作動」を選択し、加速が緩慢で良い場合には、「ENG停止、MG作動」を選択する。
さらに、機器挙動層21dは、設定した車載機器制御モードに従って車載機器を作動させるために、車載機器に対して実行する制御内容を定め、その制御内容に応じた制御信号を出力する。例えば、機器挙動層21dは、車載機器制御モードとして「ENG作動、MG作動」を設定した場合、車載機器に対して実行する制御内容として、エンジン30によって発生させるトルクと、MG31によって発生させるトルクとをそれぞれ決定する。このようにして決定されたエンジン発生トルクとMG発生トルクとが、それぞれEMS制御部24、MG制御部25に与えられる。
EMS制御部24は、与えられたエンジン発生トルクに応じたトルクをエンジン30が発生するように、エンジン30における燃料噴射や点火を制御する。また、MG制御部25は、与えられたMG発生トルクに応じたトルクをMG31が発生するように、MG31の各ステータコイルへの通電電流を制御する。
なお、図3では、「燃費優先」の制御指針の下で選択される制約条件、「充放電可能」との制約条件の下で選択されるシステム制御モード、及び「HV駆動」のシステム制御モードの下で選択される車載機器制御モードの一例を示した。しかし、他の制御指針が選択された場合、選択対象となる制約条件は、異なることもあるし、同じであることもある。同様に、制約条件が異なる場合であっても、選択対象となるシステム制御モードが、異なることもあるし、同じであることもある。さらに、システム制御モードが異なる場合であっても、選択対象となる車載機器制御モードが、異なることもあるし、同じであることもある。
このように、本実施形態に係る制御システム10は、各ドメイン制御部21〜23に、そのドメインに属する車載機器により構成されるシステムの制御指針や制御モードなどの状態管理を行うための構成を設けている。このため、車載機器を削除したり、追加したりして、車載機器構成(車両構成)を変更する場合であっても、制御内容の改変等の影響が及ぶのは、主として、その車載機器が属するドメインの範囲に留めることができる。従って、車載機器構成が相違する場合でも、比較的容易に本実施形態の制御システム10を適用可能となる。
また、本実施形態の制御システム10では、ドメイン制御部21は、システムの状態管理として、まず、指針層21aにてシステムの制御指針を設定し、その設定された制御指針の下で、システム動作層21cにおいてシステム制御モードを設定する。さらに、システム動作層21cにて設定されたシステム制御モードの下、機器挙動層21dにおいて、車載機器制御モードを設定する。その際、ドメイン制御部21は、制約層21bにより、システム制御モード及び車載機器制御モードの少なくとも一方に関して、その設定に対して制約条件を課し、制約条件に該当するか否かにより、設定を禁止もしくは許可するようにしている。このため、制御対象となる車載機器の状況や、他のシステム構成の状況などの要因に基づいて制約条件を定めることにより、車載機器の状況などから見て好ましくない制御指針や制御モードの設定を効果的に防止することが可能となる。
ここで、各ドメイン制御部21〜23の指針層21a〜23aにて設定される制御指針の調停について、図4を参照して説明する。
本実施形態による制御システム10では、上述したように、各ドメイン制御部21〜23は、それぞれのドメインに属する車載機器からなるシステムを制御する際の制御指針をそれぞれ独自に定める。例えば、エネルギードメイン制御部21は、上述したように、「SOC変動抑制」、「燃費優先」、「短時間最適」の3つの制御指針から制御指針を定める。
また、ボデードメイン制御部22は、図4に示すように、車両のメインスイッチ信号や乗員検出信号などに基づいて、例えば、「車室内快適向上」、「起動準備処理」、「車両放置」の3つの制御指針から制御指針を定める。「車室内快適向上」とは、エアコン装置32やシートヒータ33を用いて、車室内の環境の快適性を向上する制御を行うための制御指針である。「起動準備処理」とは、乗員が乗車しているときに、エアコン装置32やシートヒータ33の制御を開始できるように、それらの起動準備を行うための制御指針である。「車両放置」とは、乗員が車両から降車し、エアコン装置32やシートヒータ33の制御を行う必要がないときに採用される制御指針である。
さらに、運動ドメイン制御部23は、図4に示すように、例えば、「自動運転」、「手動運転」の2つの制御指針から制御指針を定める。「自動運転」とは、上述したアダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシストコントロールなどの半自動運転や、運転者がステアリング操作やアクセル/ブレーキ操作を一切行うことなく、車両を目的地まで走行させる完全自動運転を行うための制御指針である。「手動運転」は、運転者の運転操作に応じて、車両の発進、加速、車速維持、減速、停止などを行うための制御指針である。
このように予め定められた制御指針の中から、それぞれのドメインに属する車載機器の状態や、車両の運転者の意思に基づいて、各ドメイン制御部21〜23が、それぞれ独自に制御指針を設定する場合、各ドメイン制御部21〜23にて設定される制御指針の組み合わせが必ずしも好ましくなく、整合しないものとなる可能性がある。
例えば、ボデードメイン制御部22が、乗員が車両から降車したことに基づいて、「車両放置」との制御指針を設定した場合に、運動ドメイン制御部23は、「自動運転」を制御指針として設定したままとすることは好ましくない。なぜならば、乗員は車両から降車しているのであり、そのような車両が自動運転される必要はないためである。そのため、ボデードメイン制御部22において、「車両放置」との制御指針が設定された場合に、運動ドメイン制御部23において「自動運転」が設定されていたならば、運動ドメイン制御部23は、制御指針を「手動操作」に切り換えることにより、制御指針の調停を行う。
また、運動ドメイン制御部23が、車両の乗員からの指示により、制御指針を「手動操作」から「自動運転」に切り換えた場合、エネルギードメイン制御部21の制御指針が「SOC変動抑制」に設定されていると、MG31による発生トルクや電力の回生を十分に活用することができず、目標通りの自動運転を行うことに支障が生じる可能性がある。従って、エネルギードメイン制御部21は、可能であれば、「SOC変動抑制」以外の制御指針に切り換えて、制御指針の調停を行う。
ただし、例えば、高圧バッテリの劣化が進行しており、エネルギードメイン制御部21が「SOC変動抑制」以外の制御指針の設定不可と判定した場合には、エネルギードメイン制御部21は、その旨を統合制御部20へ通知する。統合制御部20は、このように、各ドメイン制御部21〜23の制御指針が整合しない場合に、各ドメイン制御部21〜23の最終的な制御指針を決定する。
例えば、上記の例では、統合制御部20は、車両の目的地が設定されており、その目的地までの走行距離が比較的短い場合には、高圧バッテリの寿命に与える影響も小さいので、最終的な制御指針として、「SOC変動抑制」以外の制御指針の設定をエネルギードメイン制御部21に命じる。一方、統合制御部20は、例えば高圧バッテリの劣化度合いが激しかったり、車両が長時間走行する予定であったりして、「SOC変動抑制」以外の制御指針を取ると、高圧バッテリの寿命に多大な影響を及ぼすと判断した場合には、運動ドメイン制御部23に「手動操作」を制御指針とするように命じる。この場合、統合制御部20もしくは運動ドメイン制御部23は、車両の乗員に対して、自動運転が利用できない状況であることを報知することが望ましい。
このように、本実施形態による制御システム10では、各ドメイン制御部21〜23にて決定された制御指針の組み合わせが好ましくなく、整合しないものである場合、原則として、各ドメイン制御部21〜23間で調停を図る。しかし、各ドメイン制御部21〜23での調停ができない場合には、統合制御部20が、各ドメイン制御部21〜23の最終的な制御指針を決定する。従って、各ドメイン制御部21〜23の制御指針が整合しない事態の発生を防止することができる。
なお、上述した第1実施形態では、各ドメイン制御部21〜23の内部論理構造として、4階層に階層化され、指針層21a〜23aとシステム動作層21c〜23cとの間に、
制約層21b〜23bを配置する例について説明した。
しかしながら、制約層21b〜23bは、指針層21a〜23aの上位に配置されて、指針層21a〜23aにおける制御指針の設定、システム動作層21c〜23cにおけるシステム制御モードの設定、及び機器挙動層21d〜23dにおける車載機器制御モードの設定の少なくとも1つに対して制約条件を課すものであっても良い。このようにすると、制約条件に照らすと、設定すべきではない制御指針がある場合に、その制御指針の設定自体を防止することができるようになる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る制御システムの第2実施形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、第2実施形態のハード構成は、第1実施形態のハード構成と実質的にほぼ同様であるため、その説明を省略する。
上述した第1実施形態では、各ドメイン制御部21〜23が4階層に階層化された内部論理構造を有する例について説明した。しかしながら、統合制御部20及び機器制御部24〜29も、ドメイン制御部21〜23と同様に階層化しても良い。以下、第2実施形態として、統合制御部20及び機器制御部24〜29の内部論理構造も階層化した例について説明する。なお、本実施形態では、制御システム10により車両の自動運転を行う例について説明する。
図5は、統合制御部20、ドメイン制御部21〜23、機器制御部24〜29、及び機器制御部24〜29が実装されるECUの階層化された内部論理構造を示している。図5に示すように、統合制御部20は、指針層20a、制約層20b、及びシステム動作層20cの3層に階層化される。なお、統合制御部20に機器挙動層が設けられない理由は、統合制御部20が直接的に制御の実行責任を担う車載機器が、統合制御部20に割り当てられていないためである。もし、そのような車載機器が統合制御部20に割り当てられた場合、統合制御部20は機器挙動層20dを持ち、その機器挙動層20dにおいて、車載機器に出力する制御信号を生成する。
図6は、統合制御部20の指針層20a、制約層20b、及びシステム動作層20cのそれぞれの状態設定の一例を示している。図6に示す例では、統合制御部20の制御指針として「快適優先」、「燃費優先」、「走行優先」の3つが予め定められている。指針層20aは、例えば、車両の走行モード(スポーツモード、エコモード、ノーマルモード)を選択するためのスイッチからの信号に基づいて、いずれかの制御指針を選択する。なお、スポーツモードが選択された場合、制御指針は「走行優先」となり、エコモードが選択された場合、制御指針は「燃費優先」となり、ノーマルモードが選択された場合、制御指針は「快適優先」となる。
また、図6に示す例では、制御指針として「燃費優先」が選択された場合に、制約層20bは、「加減速度制限」、「電力生成燃料最小化」、「熱生成燃料最小化」の3つの制約条件の中から1つの制約条件を選択して設定する。例えば、「加減速度制限」が選択されると、車両の最大加速度や最大減速度が、それぞれ所定値以下に制限される。また、「電力生成燃料最小化」が選択されると、エンジン30における燃料消費を極力少なくするため、MG31による駆動トルクの発生及び電力回生をより積極的に行うように制約を課す。例えば、回生ブレーキの作動条件を緩和し、回生ブレーキにより回生電力が得られやすくする。同時に、MG31による作動領域を拡大して、MG31の作動比率を高める。「熱生成燃料最小化」が選択されると、熱エネルギーを発生するためにエンジン30にて消費される燃料が極力少なくなるよう制約を課す。具体的には、例えば、エアコン装置32がエンジン30によって駆動されるコンプレッサを使用する場合には、コンプレッサの駆動を禁止したり、制限したりする。あるいは、エアコン装置32が電動コンプレッサを使用する場合には、その電動コンプレッサによる電力消費を禁止したり、制限したりする。
さらに、図6に示す例では、制約条件として「加減速度制限」が選択された場合に、システム動作層20cは、「経路予測制御」、「目的地変更過渡制御」、「経路変更対応制御」の3つのシステム制御モードの中から1つのシステム制御モードを選択して設定する。「経路予測制御」は、車両が目的地に達するまでの走行予想経路を算出し、その算出した走行予想経路において、車両にて消費される、もしくは生成されるエネルギーを予測しつつ、消費されるエネルギーと生成されるエネルギーとの差が極力小さくなるように、エンジン30、MG31などの制御状態を定める制御モードである。「目的地変更過渡制御」は、車両の乗員によって、途中で目的地が変更された場合に、新たな目的地への走行予想経路を算出し、その走行予想経路に基づいて、消費されるエネルギーと生成されるエネルギーとの差が極力小さくなるように、エンジン30、MG31などの制御状態を定める制御モードである。「経路変更対応制御」も、例えば走行予想経路が工事などで走行できない場合や渋滞で混雑している場合に、当初の走行予想経路から別の走行予想経路に変更するとともに、その変更後の走行予想経路に基づいて、消費されるエネルギーと生成されるエネルギーとの差が極力小さくなるように、エンジン30、MG31などの制御状態を定める制御モードである。
次に、ドメイン制御部としてエネルギードメイン制御部21について説明する。エネルギードメイン制御部21は、図5に示すように、指針層21a、制約層21b、システム動作層21c、及び機器挙動層21dの4層に階層化されている。図7は、エネルギードメイン制御部21の指針層21a、制約層21b、システム動作層21c、及び機器挙動層21dのそれぞれの状態設定の一例を示している。
図7に示す例では、エネルギードメイン制御部21の制御指針として「所定時間内追従」、「所定距離範囲内追従」、「エネルギー変動抑制優先」の3つが予め定められている。「所定時間内追従」とは、先行車両が加速や減速などを行った場合に、その先行車両の速度変化に対して、所定時間内で追従するように制御する制御指針である。「所定距離範囲内追従」とは、先行車両が加速や減速などを行った場合に、基準とする車間距離の変化が所定距離範囲内に収まるように制御する制御指針である。「エネルギー変動抑制優先」とは、高圧バッテリのSOCの変動の抑制を主眼とした制御指針である。
指針層21aは、例えば、先行車両への追従が早い、普通、遅いを選択する選択スイッチからの信号に基づいて、いずれかの制御指針を選択する。なお、「先行車両への追従:早い」が選択された場合、制御指針は「所定時間内追従」となり、「先行車両への追従:普通」が選択された場合、制御指針は「所定距離範囲内追従」となり、「先行車両への追従:遅い」が選択された場合、制御指針は「エネルギー変動抑制優先」となる。
また、図7に示す例では、制御指針として「所定距離範囲内追従」が選択された場合に、制約層21bは、「目標SOC上下制約」、「目標SOC上限制約」、「目標SOC下限制約」の3つの制約条件の中から1つの制約条件を選択して設定する。この制約条件の選択は、高圧バッテリの状態に加え、統合制御部20の制約層20bの設定内容の影響を受ける。この制約層20bからの影響については、後に詳しく説明する。
なお、「目標SOC上下限制約」が選択されると、高圧バッテリのSOCが通常の上限、及び下限よりも厳しく制限される。また、「目標SOC上限制約」が選択されると、高圧バッテリのSOCの上限のみが厳しく制限される。さらに、「目標SOC下限制約」が選択されると、高圧バッテリのSOCの下限のみが厳しく制限される。
さらに、図7に示す例では、制約条件として「目標SOC上下限制約」が選択された場合に、システム動作層21cは、「ENG再起動制御」、「停止制御」、「駆動/回生制御」の3つのシステム制御モードの中から1つのシステム制御モードを選択して設定する。このシステム制御モードの選択は、制約層20bの場合と同様に、統合制御部20のシステム動作層20cの設定内容の影響を受ける。
なお、「ENG再起動制御」とは、車両が停止して、エンジン30がアイドリングストップにより停止されている場合に、運転者の走行開始意図を予測して、MG31によりエンジン30の再起動を行う制御モードである。「停止制御」とは、車両が惰性走行可能な場合に、エンジン30及びMG31の駆動を停止させる制御モードである。「駆動/回生制御」とは、MG31の駆動トルクにより車両を発進させたり、エンジン30の発生駆動トルクをアシストしたり、MG31により回生電力を発生させたりする制御モードである。
本実施形態の制御システム10においては、エネルギードメイン制御部21は、機器制御部を介することなく、直接的に制御の実行責任を担う車載機器が割り当てられている。その車載機器は、エンジン30とMG31のインバータとの冷却系を統合した統合冷却装置である。統合冷却装置は、同じ冷却液がエンジン30とMG31のインバータとに循環するようにして、エンジンの冷却系と、MG31のインバータの冷却系とを共通化したものである。統合冷却装置は、それぞれの温度調節(冷却等)の必要性に応じて、ポンプ及び流路切換弁などを用いて、冷却液がエンジン30だけを循環する状態、冷却液がインバータだけを循環する状態、及び冷却液がエンジン30及びインバータを循環する状態のいずれかに切り換え可能に構成される。
そして、エンジン30の温度調節だけが必要である場合には、エネルギードメイン制御部21の機器挙動層21dが、「WPオン、ENG冷却」の車載機器制御モードとなり、ポンプ及び流路切換弁を制御して、冷却液がエンジン30だけを循環するようにする。これにより、エンジン30の発熱温度が適切となるように、温度調節制御を行うことができる。一方、インバータの温度調節だけが必要である場合には、機器挙動層21dが、「WPオン、MG冷却」の車載機器制御モードとなり、ポンプ及び流路切換弁を制御して、冷却液がインバータだけを循環するようにする。これにより、MG31の駆動電流を調節するために動作するインバータの温度調節を適切に行うことが可能となる。さらに、エンジン30及びインバータの双方の温度調節が必要である場合には、機器挙動層21dが、「WPオン、ENG/MG冷却」の車載機器制御モードとなり、エンジン30及びインバータの双方を冷却液が循環するようにする。
なお、ドメイン制御部21〜23に対して、直接的に制御の実行責任を担う車載機器が割り当てられていない場合には、ドメイン制御部21の機器挙動層21dは省略可能である。また、統合制御部20が、機器挙動層を有していない場合には、ドメイン制御部21の機器挙動層21dは、統合制御部20の機器挙動層からの影響を受けることはない。
次に、機器制御部としてMG制御部25を例にとり、その内部論理構造を説明する。MG制御部25は、図5に示すように、指針層25a、制約層25b、システム動作層25c、及び機器挙動層25dの4層に階層化されている。図8は、MG制御部25の指針層25a、制約層25b、システム動作層25c、及び機器挙動層25dのそれぞれの状態設定の一例を示している。
図8に示す例では、MG制御部25の制御指針として「エンジン停止禁止」、「エンジン停止許可」、「エンジン起動禁止」の3つが予め定められている。指針層25aは、例えば、エンジン30の温度に基づいて、いずれかの制御指針を選択する。例えば、エンジン30の温度が所定の下限温度よりも低い場合には、エンジン30を暖気するために、「エンジン停止禁止」の制御指針を選択する。そして、エンジン30の温度が所定の下限温度以上に上昇すると、「エンジン停止許可」の制御指針を選択する。ただし、エンジン30の温度が所定の上限温度以上に上昇すると、オーバーヒートを防止するため、「エンジン起動禁止」の制御指針を選択する。
また、図8に示す例では、制御指針として「エンジン停止許可」が選択された場合に、制約層25bは、「エンジン暖気不要」、「エンジン暖気不要」、「エンジン加熱防止」の3つの制約条件の中から1つの制約条件を選択して設定する。この制約条件の選択は、エンジン30の温度に加え、上位層であるエネルギードメイン制御部21の制約層21bの設定内容の影響を受ける。
なお、制約条件として「エンジン暖気不要」が選択されると、エンジン30の始動、停止をなんらの制限もなく行うことができる。「エンジン暖気必要」が選択されると、エンジン30の停止や、エンジン回転数が制約を受ける。「エンジン加熱防止」が選択されると、停止しているエンジン30の起動の他、エンジン30が起動中である場合には、エンジン回転数が所定回転数以下に制限される。
さらに、図8に示す例では、制約条件として「ENG暖気不要」が選択された場合に、システム動作層25cは、「所定車速以下でアイドリングストップ(IS)制御」、「車両停止でアイドリングストップ制御」、「ENG起動・連携制御」の3つのシステム制御モードの中から1つのシステム制御モードを選択して設定する。「所定車速以下でIS制御」とは、車両の走行速度が所定車速以下に低下した場合、車両が停止していなくとも、エンジン30を停止させる制御モードである。「車両停止でIS制御」とは、車両が停止してから、エンジン30も停止させる制御モードである。「ENG起動・連携制御」とは、IS制御で停止したエンジン30の起動を行うとともに、起動したエンジン30とMG31とを連携して制御する制御モードである。
例えば、エンジン30の暖気が十分になされている場合には、エンジン30の停止期間を延ばすために「所定車速以下でIS制御」が選択される。一方、エンジン30の暖気の程度が不十分である場合には、「車両停止でIS制御」が選択される。また、アイドリングストップによりエンジン30が停止しているときから、車両が減速して停止するまでは、「ENG起動・連携制御」が選択される。
さらに、図8に示す例では、システム制御モードとして「ENG起動・連携制御」が選択された場合に、機器挙動層25dは、「MGでENG再始動」、「MG休止」、「MGによる回生」、「MG駆動」の4つの車載機器制御モードの中から1つの車載機器制御モードを選択して設定する。この車載機器制御モードの選択は、主として、車両の走行状態に基づいて選択されるが、エネルギードメイン制御部21の機器挙動層21dの影響を受ける場合がある。そして、機器挙動層25dは、設定した車載機器制御モードに従いつつ、目標とする動作状態に応じた制御信号をMG31に出力する。
次に、MG制御部25が実装されるECU40の状態管理について説明する。ECU40は、図5に示すように、制約層40b、システム動作層40c、及び機器挙動層40dの3層に階層化されている。図9は、ECU40の制約層40b、システム動作層40c、及び機器挙動層40dのそれぞれの状態設定の一例を示している。なお、この状態管理は、例えばAUTOSARなどの車載ソフトウエアプラットフォームにおけるベーシックソフトウエアにより実行される。
図9に示す例では、ECU40の制約層40bにおいて、「省電力縮退許可」、「省電力縮退禁止」、「起動停止」の3つの制約条件が定められている。制約層40bは、ECU40に実装されるMG制御部25の制約層25bの設定内容の影響を受けて、いずれかの制約条件を設定する。なお、「省電力縮退許可」とは、ECU40の機能の一部を休止して、ECUにおける電力消費を低減することを許可することを意味する。この場合、ECU40は動作可能であるが、処理速度や処理能力などの性能が低下する。「省電力縮退禁止」とは、ECU40の処理能力を確保するため、ECU40の機能の一部休止を禁止することを意味する。「起動停止」とは、いわゆるスリープなど、ECU40の主要な機能を停止することを意味する。
また、図9に示す例では、制約条件として「省電力縮退許可」が選択された場合に、システム動作層40cは、「EMS単独」、「EMS‐MG連携」、「EMS−MG−BAT連携」の3つのシステム制御モードの中から1つのシステム制御モードを選択して設定する。このシステム制御モードの選択は、MG制御部25のシステム動作層25cの設定内容に基づき行われる。
「EMS単独」とは、EMS制御部24だけがエンジン30の駆動制御を実行し、MG制御部25によるMG31の駆動は休止される制御モードである。「EMS‐MG連携」とは、EMS制御部24とMG制御部25とが連携して、エンジン30及びMG31を駆動する制御モードである。「EMS‐MG‐BAT連携」とは、MG31以外に高圧バッテリの電力を消費する場合に、MG31にて使用可能な高圧バッテリのSOCを予測しつつ、EMS制御部24とMG制御部25とが連携して、エンジン30及びMG31を駆動する制御モードである。
さらに、図9に示す例では、システム制御モードとして「ENG−MG連携」が選択された場合に、機器挙動層40dは、「全制御用MPUコア作動」、「一部制御用MPUコア作動」、「他ECUの制御値流用」の3つの車載機器制御モードの中から1つの車載機器制御モードを選択して設定する。この車載機器制御モードの選択は、MG制御部25の機器挙動層25dの影響を受けて行われる。
「全制御用MPUコア作動」は、エンジン30とMG31とを連携して制御する際に、例えば目標とする制御状態を予測するための制御用MPUコアの全てを作動させる制御モードである。「一部制御用MPUコア作動」は、上記の制御用MPUコアの一部を作動させる制御モードである。「他ECUの制御値流用」は、ECU40にて、制御状態の予測を行わず、他のECUからの制御値を流用する制御モードである。これらの制御モードは、MG制御部25の機器挙動層25dにおけるMG制御のための処理内容や処理負荷に応じて選択される。
以上、図5から図9を用いて、制御システム10の統合制御部20、エネルギードメイン制御部21、MG制御部25、及びECU40の各層にて設定される制御指針や、制御モードの状態について説明した。さらに、図10に、あるタイミングにおいて、制御システム10の統合制御部20、エネルギードメイン制御部21、MG制御部25、及びECU40の各層にて設定され得る状態の一例を示す。
このような各層における状態は、図5に示すように、統合制御部20、ドメイン制御部21〜23、機器制御部24〜29、ECU40において、それぞれ、指針層、制約層、システム動作層、機器挙動層の順番で、上位層の設定内容に応じて、設定されていく。さらに、図5に示すように、ドメイン制御部の制約層及びシステム動作層、機器制御部の制約層、システム動作層、及び機器挙動層、ECUのシステム動作層及び機器挙動層は、上位の制御部の隣接層での設定内容の影響を受ける。
ただし、このようにして設定される各層の状態は、車両の走行環境、車両の走行状態、運転者の運転操作、運転者による各種スイッチ操作、車載機器の状態などの各種の要因によって時々刻々と変化する。例えば、図11に示すように、運転者が先行車両への追従の応答性を選択するスイッチを切り換えた場合、統合制御部20の状態に変化が無くとも、ドメイン制御部21の制御指針や制約条件は変化する。
そのため、以下に、各層の設定状態がどのように変化するかの事例をいくつか説明する。まず、図12に基づき、統合制御部20とエネルギードメイン制御部21とを例に取り、各層における状態が設定される時間的な関係を説明する。
まず、最初にステップS1として示すように、統合制御部20の指針層20a及びエネルギードメイン制御部の指針層21aにおいて、それぞれの制御指針が設定される。統合制御部20の指針層20aとエネルギードメイン制御部の指針層21aとは、相互に独立して、制御指針を設定するためである。
次に、ステップS2として示すように、処理は、統合制御部20の制約層20b及びエネルギードメイン制御部21の制約層21bの状態設定に移行する。ただし、これら制約層20b、21bの状態設定に関しては、ステップS3として示すように、統合制御部20の制約層20bの設定が先に行われ、次に、ステップS4として示すように、エネルギードメイン制御部21の制約層21bの設定が行われる。エネルギードメイン制御部21の制約層21bの設定には、上位の制御部の隣接層として、統合制御部20の制約層20bの設定内容の影響を受けるためである。
例えば、図12に示す事例では、統合制御部20の制約層20bにおいて、「加減速度制限」が設定されたため、ドメイン制御部21の制約層21bでは、指針層21aにて設定された制御指針の下で選択可能な制約条件の中から、その「加減速度制限」に整合する選択肢を選定する。具体的には、加速度及び減速度の双方を制限する必要があるため、エネルギードメイン制御部21の制約層21bでは、「SOC上下限制約」を選定する。
その後、ステップS5として示すように、処理は、統合制御部20のシステム動作層20c及びエネルギードメイン制御部21のシステム動作層21cの状態設定に移行する。このシステム動作層20c、21cの状態設定においても、制約層20b、21bの場合と同様に、ステップS6として示すように、統合制御部20のシステム動作層20cの設定が先に行われ、次に、ステップS7として示すように、エネルギードメイン制御部21のシステム動作層21cの設定が行われる。
その後、状態設定処理は、ステップS8として示すように、エネルギードメイン制御部21の機器挙動層21dに移行する。そして、ステップS9として示すように、機器挙動層21dの状態設定が実行される。
次に、このようにして設定された状態が、上述した各種の要因によって、いずれかの層において変化した場合の、他の制御部に及ぼす影響について、図13を参照しつつ説明する。
図13には、エンジン30の暖気が必要な状態から、エンジン30の暖気が不要な状態に変化した事例を示している。この場合、エネルギードメイン制御部21の制約層21bの制約条件は「目標SOC上下限制約」のまま変化しないが、MG制御部25の制約層25bにおいて、制約条件が「ENG暖気必要」から「ENG暖気不要」に変化する。
エンジン30の暖気完了前は、ECU40の機能が縮退してしまうと、エンジン30の暖気処理に支障を生ずる可能性があるため、ECU40の制約層40bは、「省電力縮退禁止」に設定されている。さらに、エンジン30の暖気処理中は、エンジン30の暖気を優先するため、エンジン30とMG30との連携制御は行われない。そのため、ECU40のシステム動作層40cは「EMS単独」に設定されている。
その後、エンジン30の暖気が完了すると、MG制御部25の制約層25bの制約条件が「ENG暖気必要」から「ENG暖気不要」に変化する。すると、その影響を受けて、ECU40の制約層40bの制約条件が「省電力縮退禁止」から「省電力縮退許可」に変化する。さらに、エンジン30とMG31との連携制御が可能になるため、それに備えて、ECU40のシステム動作層40cでは、システム制御モードが「EMS単独」から「EMS−MG連携」に変化する。
上述した、いずれかの層における状態が変化した場合に、その下位の層や他の制御部の各層の状態の設定を見直すための処理について、図14及び図15のフローチャートを参照して説明する。なお、図14及び図15のフローチャートに示す処理は、各制御部においてそれぞれ実行される。
まず、図14のフローチャートのステップS100において、上述した各種の要因の変化により、いずれかの制御部の階層の状態変更要求を受け付けたか否かを判定する。状態変更要求を受け付けたと判定した場合にはステップS110の処理に進み、受け付けていないと判定された場合には、図14のフローチャートに示す処理を終了する。
ステップS110では、要求を受け付けた制御部の階層を状態変更処理対象層に設定する。その後、ステップS120に進んで、状態変更処理を実行する。この状態処理の詳細は、図15のフローチャートに示されている。
図15のフローチャートに示すように、状態変更処理が開始されると、まずステップS200において、受け付けた状態変更要求及び/又は同じ制御部における上位層の状態に基づいて、状態変更処理対象層の状態を変更する。次いで、ステップS210において、上位の制御部の隣接層からの影響を考慮する必要があるか否かを判断する。上位制御部の隣接層からの影響を考慮する必要がある場合には、ステップS210に進んで、ステップS200において変更した状態を補正する補正処理を実行する。一方、上位制御部の隣接層からの影響を考慮する必要がない場合には、そのまま、図15のフローチャートの処理を終了する。
このようにして、図14のフローチャートのステップS120での状態変更処理が終了すると、ステップS130に進んで、状態変更処理対象層が指針層であったか否かを判定する。状態変更処理対象層は指針層ではないと判定されると、ステップS140の処理に進み、指針層であると判定されると、ステップS160の処理に進む。
ステップS140では、状態変更処理対象層の属する制御部に対して、下位制御部があり、その下位制御部に対して状態変更要求を出力済みであるか否かを判定する。状態変更要求が出力済みでない場合には、ステップS150の処理に進み、出力済みである場合には、ステップS160の処理に進む。ステップS150では、下位制御部の隣接層に対して状態変更要求を出力する。一方、ステップS160では、状態変更処理を行った層の下位層があるか否かを判定する。下位層がある場合には、ステップS170に進んで、その下位層を、状態変更処理対象に設定する。
これにより、いずれかの制御部の層の状態が変更された場合、同じ制御部の下位に位置する各層の状態の見直しと、下位に位置づけられる制御部の隣接層以下の層の状態の見直しとが実行されることになる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能なものである。
例えば、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、制約層において、予め定められた複数の制約条件の中から1つの制約条件が選択されると、その選択された制約条件に対して、下位に位置するシステム動作層や機器挙動層の選択可能な制御モードが紐付られ、その紐付けられた制御モードの中から、制御モードを選択するものであった。
しかし、例えば図16に示すように、指針層の各制御指針に対して、システム動作層のシステム制御モードを紐付け、さらにシステム制御モードに対して、機器挙動層の車載機器制御モードを紐付けた上で、制約層の制約条件は、それら紐付けられた制御モードの中で選択が禁止される制御モードを指定するものであっても良い。この場合、図15に示すように、制約層の制約条件として、ある条件付きで選択を許可するような設定も容易に行うことができる。
10 制御システム
20 統合制御部
21 エネルギードメイン制御部
22 ボデードメイン制御部
23 運動ドメイン制御部
21a〜23a 指針層
21b〜23b 制約層
21c〜23c システム動作層
21d〜23d 機器挙動層

Claims (17)

  1. 複数の車載機器(30〜35)を連携して制御するための制御システム(10)であって、
    前記複数の車載機器を、各車載機器の役割に応じて複数のドメインに区分し、それらドメイン毎に、対応するドメインに属する車載機器の制御を統括するドメイン制御部(21〜23)と、
    前記ドメイン制御部からの指令に基づき、前記車載機器を制御する機器制御部(24〜29)と、を備え、
    前記ドメイン制御部は、
    前記ドメインに属する前記車載機器により構成されるシステムの制御指針として予め複数の制御指針が定められ、その複数の制御指針の中から1つの制御指針を選択して、前記システムの制御指針を設定する制御指針設定部(21a〜23a)と、
    前記システムの制御指針毎に、選択可能な前記システムの制御モードとして複数のシステム制御モードが定められており、前記制御指針設定部により設定された前記制御指針の下で選択可能な前記複数のシステム制御モードの中から、1つのシステム制御モードを選択して、前記システムの制御モードを設定するシステム制御モード設定部(21c〜23c)と、を備える制御システム。
  2. 前記ドメイン制御部は、さらに、
    前記制御指針及び前記システム制御モードの少なくとも一方に関して、その設定に対して制約条件を課し、制約条件に該当するか否かにより、設定を禁止もしくは許可する制約条件賦課部(21b〜23b)と、を備える請求項1に記載の制御システム。
  3. 前記ドメイン制御部は、さらに、
    前記システム制御モード設定部により設定された前記システムの制御モードの下で選択可能な、当該システムを構成する前記車載機器の複数の制御モードの中から1つの車載機器制御モードを選択して設定する車載機器制御モード設定部(21d〜23d)を備える請求項2に記載の制御システム。
  4. 前記ドメイン制御部には、前記機器制御部を介さずに、直接、制御を行う前記車載機器が割り当てられ、
    前記車載機器制御モード設定部は、前記ドメイン制御部に割り当てられた前記車載機器の制御モードを設定するとともに、設定した制御モードに従って前記車載機器を作動させるための制御信号を出力するものである請求項3に記載の制御システム。
  5. 前記ドメイン制御部における制御論理構造は階層構造をなし、最上位から、前記制御指針設定部、前記制約条件賦課部、前記システム制御モード設定部、及び前記車載機器制御モード設定部の順に階層化されており、
    前記制約条件賦課部は、下位層となる前記システム制御モード設定部と前記車載機器制御モード設定部との少なくとも一方における、前記システム制御モード及び/又は前記車載機器の制御モードの設定に対して前記制約条件を課すものである請求項3又は4に記載の制御システム。
  6. 前記ドメイン制御部における制御論理構造は階層構造をなし、最上位から、前記制約条件賦課部、前記制御指針設定部、前記システム制御モード設定部、及び前記車載機器制御モード設定部の順に階層化されており、
    前記制約条件賦課部は、下位層となる前記制御指針設定部、前記システム制御モード設定部、及び前記車載機器制御モード設定部の少なくとも1つにおける、前記制御指針、前記システム制御モード、及び前記車載機器の制御モードの少なくとも1つの設定に対して前記制約条件を課すものである請求項3又は4に記載の制御システム。
  7. 前記ドメイン毎に設けられた複数の前記ドメイン制御部において、1つの前記ドメイン制御部の前記制御指針設定部にて前記制御指針が変更される場合、他の前記ドメイン制御部の前記制御指針設定部は、自身の制御指針が前記1つの前記ドメイン制御部にて変更された前記制御指針と整合するように、前記制御指針の調停を行う請求項1乃至6のいずれかに記載の制御システム。
  8. 複数の前記ドメイン制御部の上位に設けられ、複数の前記ドメイン制御部において相互に整合する前記制御指針が設定できない場合に、複数の前記ドメイン制御部のそれぞれの最終的な前記制御指針を決定する統合制御部(20)を備える請求項7に記載の制御システム。
  9. 複数の前記ドメイン制御部の上位に設けられた統合制御部を有し、
    前記統合制御部は、
    複数の前記ドメインに属する前記車載機器により構成される車両システム全体の制御指針として予め複数の制御指針が定められ、前記複数の制御指針の中から1つの制御指針を選択して、前記車両システム全体の制御指針を設定する車両システム制御指針設定部(20a)と、
    前記車両システム全体の制御指針毎に、選択可能な前記車両システム全体の制御モードとして複数の車両システム制御モードが定められており、前記車両システム制御指針設定部により設定された前記制御指針の下で選択可能な前記複数の車両システム制御モードの中から1つの車両システム制御モードを選択して、前記車両システム全体の制御モードを設定する車両システム制御モード設定部(20c)と、を備える請求項2乃至6のいずれかに記載の制御システム。
  10. 前記統合制御部は、さらに、
    前記車両システム全体の前記制御指針及び前記車両システム制御モードの少なくとも一方に関して、その設定に対して車両システム制約条件を課し、前記車両システム制約条件に該当するか否かにより、設定を禁止もしくは許可する車両システム制約条件賦課部(20b)と、を備える請求項9に記載の制御システム。
  11. 前記ドメイン制御部の前記制約条件賦課部は、前記統合制御部の前記車両システム制約条件賦課部による前記車両システム制約条件を考慮して、前記制約条件を定める請求項10に記載の制御システム。
  12. 前記ドメイン制御部の前記システム制御モード設定部は、前記統合制御部の前記車両システム制御モード設定部により設定される前記車両システム全体の制御状態を考慮して、前記システム制御モードを設定する請求項9乃至11のいずれかに記載の制御システム。
  13. 前記機器制御部は、
    制御対象となる前記車載機器の制御指針として予め複数の制御指針が定められ、前記複数の制御指針の中から1つの制御指針を選択して、前記車載機器の制御指針を設定する機器制御指針設定部(25a)と、
    前記車載機器の制御指針毎に、選択可能な前記車載機器の制御モードとして複数の車載機器制御モードが定められており、前記機器制御指針設定部により設定された前記制御指針の下で選択可能な前記複数の車載機器制御モードの中から1つの車載機器制御モードを選択して、前記車載機器の制御モードを設定する機器制御モード設定部(25c)と、
    前記機器制御モード設定部によって設定された制御モードに従って前記車載機器を作動させるために、前記車載機器に対して実行する制御内容を定め、その制御内容に応じた制御信号を出力する機器制御内容設定部(25d)と、
    前記車載機器の前記制御指針、前記車載機器制御モード、及び前記車載機器に対する制御内容の少なくとも1つに関し、その設定に対して車載機器制約条件を課し、前記車載機器制約条件に該当するか否かにより、設定を禁止もしくは許可する機器制約条件賦課部(25b)と、を備える請求項4に記載の制御システム。
  14. 前記機器制御部の前記機器制約条件賦課部は、前記ドメイン制御部の前記制約条件賦課部による前記制約条件を考慮して、前記車載機器の前記制御指針、前記車載機器制御モード、及び前記車載機器に対する制御内容の少なくとも1つの設定に対する前記車載機器制約条件を定める請求項13に記載の制御システム。
  15. 前記機器制御部の前記機器制御モード設定部は、前記ドメイン制御部の前記システム制御モード設定部により設定される前記システムの制御モードを考慮して、前記車載機器の制御モードを設定する請求項13又は14に記載の制御システム。
  16. 前記機器制御部の前記機器制御内容設定部は、前記ドメイン制御部の前記車載機器制御モード設定部により設定される前記車載機器の制御モードを考慮して、前記車載機器に対する制御内容を設定する請求項13乃至15のいずれかに記載の制御システム。
  17. 前記制約条件には、設定を禁止する条件を示す禁止条件と、設定を許可する条件を示す許可条件とが含まれる請求項1乃至16のいずれかに記載の制御システム。
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