JP2016188735A - 減圧乾燥装置および減圧乾燥方法 - Google Patents

減圧乾燥装置および減圧乾燥方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成でありながら、支持ピンを迅速に冷却して、基板を均一に処理することが可能な減圧乾燥装置および減圧乾燥方法を提供する。
【解決手段】基板Sを複数の中空ピン41によって下方から支持する。中空ピン41は内部に内部空間411を有し、チャンバ20内の気体を排出し減圧する排気ポンプ30と、複数の中空ピン41の内部空間411とが個別配管32と共有配管33によって接続されている。排気ポンプ30によって内部空間411内の気体が排出され該空間内が減圧されることで中空ピン41が冷却される。これにより、減圧乾燥処理中の基板Sと中空ピン41との温度差を低減し基板Sの表面の乾燥ムラの発生を抑制することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、処理液が付着した基板を減圧乾燥する技術に関する。
従来、液晶表示装置(LCD)用、プラズマディスプレイ(PDP)用、有機発光ダイオード(OLED)用、電界放出ディスプレイ(FED)用、太陽電池パネル用等のガラス基板、磁気/光ディスク用のガラス/セラミック基板、半導体ウェハ、電子デバイス基板、印刷用の印刷版等の各種の基板に対して、基板に塗布された処理液を乾燥させるために減圧乾燥装置が使用される。このような減圧乾燥装置は、基板を収容するチャンバと、チャンバ内の気体を排出する排気装置とを有する。
従来の減圧乾燥装置においては、基板を搬入したチャンバ内を真空ポンプにより減圧することで、フォトレジスト等の処理液の成分の中心である溶剤の蒸発を促進し、処理液を迅速に乾燥させるようにしている。このような減圧乾燥装置を使用して処理液を乾燥ささせた場合、風や熱等の外的要因の影響を防止して、処理液をムラなく乾燥させることが可能となる。
基板に塗布した処理液を乾燥し、薄膜を形成させる場合、処理液から溶剤が気化するときに生じる気化熱により基板の温度が低下する。例えば、処理液として低粘度のフォトレジストを使用する場合、フォトレジスト中に含まれる溶剤の量が多くなるため、気化熱量が増加し、基板の温度は減圧乾燥中に数度ないし十数度も低下する。一方、減圧乾燥時に基板を支持する支持ピンは、熱容量が大きなチャンバ等に連結されていることから、その温度がほとんど変化しない。このため、基板の温度と支持ピンとの間で温度差が生じることとなり、この温度差により乾燥状態が変化し乾燥ムラが発生するという問題が生じる。
特許文献1には、減圧乾燥処理において基板と支持ピンとの温度差を軽減するため、チャンバ内において基板を支持する支持ピンの周囲に冷却水を循環させることで支持ピンを冷却することが記載されている。
特開2006−302980号公報
しかしながら、特許文献1に係る減圧乾燥装置では、装置構成が複雑になり装置価格が高くなることにつながる。また、基板の処理工程にあわせてリアルタイムに支持ピンの冷却ができないという問題がある。
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、簡単な構成でありながら、支持ピンを迅速に冷却して、基板を均一に処理することが可能な減圧乾燥装置および減圧乾燥方法を提供すること目的とする。
請求項1に記載の発明は、基板に付着した処理液を減圧乾燥する減圧乾燥装置であって、前記基板を収容するチャンバと、前記チャンバ内において、前記基板を下方から支持する複数の中空ピンと、前記チャンバ内の流体を排出し減圧する排出手段と、を備え、前記排出手段は、前記複数の中空ピンの内部に形成される空間内の流体を排出し、前記空間内を減圧することで前記中空ピンを冷却することを特徴する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記排出手段による前記チャンバ内の流体の排出と、前記複数の中空ピンの前記空間内の流体の排出とを制御する制御部をさらに備え、前記制御部は、前記チャンバ内の流体の排出を開始した後に、前記複数の中空ピンの前記空間内の流体の排出を行うよう前記排出手段を制御することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記チャンバ内を加熱する加熱手段と、前記排気手段による前記チャンバ内の流体の排出と、前記複数の中空ピンの前記空間内の流体の排出とを制御する制御部と、をさらに備え、前記制御部は、前記複数の中空ピンに前記基板が支持される前に前記複数の中空ピンの前記空間内の流体の排出を行うように前記排出手段を制御することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発明において、前記複数の中空ピンの前記空間内の流体が液体であって、前記液体を前記空間内に充填する液体充填部を備え、前記排出手段は、前記空間内の前記液体を排出し、前記空間内を減圧することで前記複数の中空ピンを冷却することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の発明において、前記複数の中空ピンは、前記基板の有効領域の下方を支持するように配設されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、基板に付着した処理液を減圧乾燥する減圧乾燥方法であって、前記チャンバ内に配設された複数の中空ピンに前記基板と載置する載置工程と、前記チャンバ内の流体を排出し、前記チャンバ内を減圧する減圧工程と、前記複数の中空ピン内の内部に形成される空間内の流体を排出し、前記空間内を減圧することで前記複数の中空ピンを冷却する冷却工程と、を備えることを特徴とする減圧乾燥方法。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記減圧工程で前記チャンバ内の流体の排出を開始した後、前記冷却工程が行われることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記チャンバ内を加熱する加熱工程をさらに有し、前記載置工程が行われる前に、前記冷却工程を行うことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項6ないし請求項8に記載の発明において、前記複数の中空ピンの前記空間内の流体が液体であり、前記空間内に液体を充填する液体充填工程をさらに有し、前記冷却工程の前に、前記液体充填工程を行うことを特徴とする。
本発明によれば、基板を均一に減圧乾燥処理することにより、乾燥ムラの発生を抑制することができる。
基板処理システムの概略上面図である。 制御部の電気的構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る減圧乾燥装置の構成を示す概略図である。 第1実施形態に係る減圧乾燥装置における減圧乾燥処理の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態に係る減圧乾燥装置における減圧乾燥処理時の基板と中空ピンの温度変化を説明するための概要図である 第2実施形態に係る減圧乾燥装置の構成を示す概略図である。 第2実施形態に係る減圧乾燥装置における減圧乾燥処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態に係る減圧乾燥装置における減圧乾燥処理時の基板と中空ピンの温度変化を説明するための概要図である 第3実施形態に係る減圧乾燥装置の構成を示す概略図である。 第3実施形態に係る減圧乾燥装置における減圧乾燥処理の流れを示すフローチャートである。 第3実施形態に係る減圧乾燥装置における減圧乾燥処理時の基板と中空ピンの温度変化を説明するための概要図である 第4実施形態に係る減圧乾燥装置の構成を示す概略図である。 第4実施形態に係る減圧乾燥装置における減圧乾燥処理の流れを示すフローチャートである。 第4実施形態に係る減圧乾燥装置における減圧乾燥処理時の基板と中空ピンの温度変化を説明するための概要図である 基板の有効領域と中空ピンの位置関係を示す図である。
以下、基板処理システム1について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態にかかる基板処理システム1の概略構成を示す上面図である。基板処理システム1は、複数の処理装置を接続して一貫した処理を可能にしたコータ/デベロッパ装置である。
基板処理システム1は、主として、洗浄装置12、脱水ベーク装置13、レジスト塗布装置14、減圧乾燥装置15、プリベーク装置16、露光装置17、現像装置18、及びポストベーク装置19の各処理装置と、上記した装置群への基板Sの出入を行うインデクサー部11と、を備えている。
インデクサー部11から露光装置17までの行きラインには、洗浄装置12、脱水ベーク装置13、レジスト塗布装置14、減圧乾燥装置15、プリベーク装置16等が配置される。露光装置17からインデクサー部11までの帰りラインには、現像装置18、ポストベーク装置19等が配置される。
インデクサー部11には複数の基板Sを収納するカセットが載置される。インデクサー部11に配されるインデクサーロボットによりカセットから取り出された基板Sは、まず、洗浄装置12において洗浄される。洗浄装置12での処理を終えた基板Sは、脱水ベーク装置13に搬送され、脱水ベーク処理が行われる。脱水ベーク処理が行われた基板Sは、次にレジスト塗布装置14に搬送され、レジスト塗布処理が施される。レジスト塗布処理が施された基板Sは、次に減圧乾燥装置15に搬送され、基板Sの表面に塗布されたレジスト液の溶媒を減圧により蒸発させて、基板Sを乾燥させる。減圧乾燥が施された基板Sは、次にプリベーク装置16に搬送され、基板S表面のレジスト成分を固化させるため加熱処理が施される。加熱処理が施された基板Sは、次に露光装置17に搬送され、露光処理が施される。
これらの処理を終えた基板Sは、現像装置18に搬送され、現像処理が行われる。現像処理を終えた基板Sは、ポストベーク装置19に運ばれ、加熱処理を施される。その後、該基板Sは、インデクサーロボットによってインデクサー部11に載置される元のカセットに収容される。
なお、基板処理システム1は露光装置17を有しているが省略されてもよい。その場合、基板処理システム1を別体の露光装置を組合せて使用すればよい。
また、基板処理システム1は、各処理装置での処理および基板Sの搬送を制御する制御部60を有する。制御部60は、図2に示されるように、例えば、CPU61、ROM62、RAM63、記憶装置64等が、バスライン65を介して相互接続された一般的なコンピュータによって構成される。ROM62は基本プログラム等を格納しており、RAM63はCPU61が所定の処理を行う際の作業領域として供される。記憶装置64は、フラッシュメモリ、あるいは、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置によって構成される。
また、制御部60では、入力部66、表示部67、通信部68もバスライン65に接続されている。入力部66は、各種スイッチ、タッチパネル等により構成されており、オペレータから処理レシピ等の各種の入力設定指示を受ける。表示部67は、液晶表示装置、ランプ等により構成されており、CPU61による制御のもと各種の情報を表示する。通信部68は、LAN等を介したデータ通信機能を有する。また、制御部60には、各ロボットおよび各処理装置が制御対象として接続されている。
制御部60のCPU61が処理プログラムPを実行することによって、基板Sの搬送動作および各処理装置での処理動作が制御される。制御部60は、本発明における搬送制御部としての機能を有する。
<第1実施形態の減圧乾燥装置の構成>
図3は、第1実施形態に係る減圧乾燥装置15の構成を示す概略図である。減圧乾燥装置15は、上述の通り、レジスト液等の処理液が塗布された基板Sを減圧乾燥する装置である。図2に示すように、減圧乾燥装置15は、チャンバ20、排気ポンプ30、大気開放部34,制御部600を有する。
チャンバ20は、ベース部21および蓋部22を有する。ベース部21は、水平に拡がる板状の部材である。蓋部22は、ベース部21の上方を覆う有蓋筒状の部材である。ベース部21および蓋部22により構成される筐体の内部には、基板Sが収容される。また、蓋部22の下端部には、シール材23が備えられている。これにより、ベース部21と蓋部22との接触箇所における、チャンバ20の内部と外部との連通が遮断される。
ベース部21には、排気口29と後述する中空ピン41を配置するための挿通口28が設けられている。これにより、チャンバ20内に存在する流体である気体を、排気口29を介してチャンバ20外に排出できる。また、複数の中空ピン41を配置し基板Sをチャンバ20内で支持することができる。本実施形態のチャンバ20には、4つの排気口29が設けられている。図3には、4つの排気口29のうち2つのみ図示されている。なお、チャンバ20に設けられる排気口29の数は1つ〜3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。
チャンバ20の内部には、ベース部21に設けられた挿通口28に挿通され、基板Sを支持するための複数の中空ピン41が設けられている。挿通口28には、中空ピン41を収容するための収容部24が取り付けられており、収容部24は、中空ピン41を収容するための収容空間を有し、中空ピン41を挿通した状態でチャンバ20の内部の空間との間で1つの密閉空間を形成可能となっている。
複数の中空ピン41は、その上端に基板Sが載置され、基板Sを裏面から支持する。複数の中空ピン41は、図示を省略する支持部材によって保持されており、支持部材から上方へ延びる。複数の中空ピン41は、水平方向に分散して配置される。これにより、基板Sが安定的に支持される。図3では、2つの中空ピン41のみ図示されているが、中空ピン41の数は基板Sのサイズや厚み等に応じて設けられるものである。
複数の中空ピン41は、その内部に内部空間411を有する。内部空間411には流体である気体が存在する。中空ピン41の一端側には基板Sに当接支持するための支持部を有し、他端側には、内部空間411と後述する個別配管32を連通接続するための開口を有する。
排気ポンプ30は、チャンバ20内の気体を排出するポンプである。排気ポンプ30は共有配管33と個別配管31を介してチャンバ20の排気口29と接続されている。また、共有配管33と個別配管32を介して中空ピン41の開口と接続されている。これにより、排気ポンプ30が駆動すると、排気口29、個別配管31、共有配管33を介してチャンバ20内の気体が減圧乾燥装置15の外部へと排出される。また、中空ピン41の開口、個別配管32、共有配管33を介して中空ピン41の内部空間411内の気体が外部へと排出される。この排気ポンプ30は、一定の出力で駆動することによって、チャンバ20内および中空ピン41内を減圧排気する。チャンバ20及び中空ピン41からの減圧排気のタイミングの調整は後述するバルブによって行われる。
それぞれの配管の接続関係について説明する。共有配管33は、下流側の端部が排気ポンプ30に接続される。共有配管33の上流側は複数に分岐しており、共有配管33の上流側の端部と個別配管31の下流側の端部、個別配管32の下流側の端部とそれぞれ接続している。
共有配管33にはバルブ331が介挿されている。バルブ331は、チャンバ20、中空ピン41と排気ポンプ30との間に介在し、減圧排気の流量を調整する。本実施形態のバルブ331は、弁の角度を変えることによってその開度を調整するバタフライバルブである。なお、本実施形態ではバルブ331にバタフライバルブを用いられているが、その開度により減圧排気の流量を調整することができるバルブであればグローブバルブ(玉型弁)や、その他の公知のバルブが用いられてもよい。
それぞれの個別配管32には開閉弁321、開閉弁323が介挿されている。開閉弁321は、個別配管32と共有配管33が分岐する分岐位置との間に介在し、中空ピン41の内部空間411を減圧排気の実行、停止を制御する。開閉弁323は、中空ピン41の内部空間411が減圧排気された後、内部空間411に大気を送るための弁である。本実施形態では開閉弁321、323として開閉弁が用いられているが、これに限られるものではない。適宜公知のバルブが用いられてもよい。
大気開放部34は、開放配管341とバルブ342とを有する。開放配管341の一端は、ベース部21を介してチャンバ20の内部空間に接続し、他端は大気開放されている。また、開放配管341にはバルブ342が介挿されており、バルブ342を開閉することで大気遮断と開放を制御することができる。これにより、減圧されたチャンバ20内を大気圧に戻すことができる。なお、大気開放部34の代わりに不活性ガスを供給する機構としてもよい。不活性ガスとしては、例えば乾燥した窒素ガスやアルゴンガス等を供給してもよい。
制御部600は、減圧乾燥装置15の各部を制御する。図3中に概念的に示したように、制御部600は、CPU等の演算処理部611、RAM等のメモリ612およびハードディスクドライブ等の記憶部613を有するコンピュータにより構成されている。また、制御部600は、排気ポンプ30、開閉弁321,バルブ331,342とそれぞれ電気的に接続されている。
制御部600は、記憶部613に記憶されたコンピュータプログラムやデータをメモリ612に一時的に読み出し、当該コンピュータプログラムおよびデータに基づいて、演算処理部611が演算処理を行うことにより、減圧乾燥装置15の各部の動作を制御する。これにより、減圧乾燥装置15における減圧乾燥処理が実行される。なお、制御部600の代わりに基板処理システム1の全体を制御する制御部60が減圧乾燥装置15を制御するものであってもよい。
<第1実施形態の減圧乾燥処理の流れ>
続いて、この減圧乾燥装置15における減圧乾燥処理について図4,5を参照しつつ説明する。図4は、減圧乾燥装置15における減圧乾燥処理の流れを示したフローチャートである。図5は、減圧乾燥処理時の基板Sと中空ピン41の温度変化を説明するための概要図である。
図4に示すように、減圧乾燥装置15は、まずチャンバ20内に基板Sを載置する載置工程を行う(ステップS11)。載置工程では、減圧乾燥装置15は、蓋部22に連結された図示を省略する駆動機構に対して制御部600が動作指令を出すことによって蓋部22を鉛直方向に上昇させる。これにより、蓋部22とベース部21との間に基板搬入路が形成され、基板Sがチャンバ20内に搬入される。基板Sのチャンバ20内への搬入は搬送ロボット等を用いることができる。搬送ロボットは、基板Sをチャンバ20内に設けられた複数の中空ピン41上に載置する。基板Sが中空ピン41上に載置されると、駆動機構によって蓋部22が下降しベース部21との間で密閉空間を形成する。
本実施形態では、図5に示すように常温(例えば、摂氏23度)下で処理が行われるため、複数の中空ピン41および載置された基板Sは常温となっている。
続いて、密閉されたチャンバ20内に存在する流体である気体の排出を開始する(ステップS12)。具体的には、制御部600からの動作指令によりバルブ331の開度が調整される。排気ポンプ30は一定の出力で駆動しているため、バルブ331が開かれることで排気口29からチャンバ20内の気体が排出され、チャンバ20内を減圧する減圧工程が実施される。なお、この時、開閉弁321は、中空ピン41の内部空間411に存在する流体が排出されない状態(閉止状態)となっている。
図5に示すようにチャンバ20内の排気が開始される(言い換えると、チャンバ20内の減圧が開始される)と、基板S上に付着した処理液に含まれる溶媒の気化が始まる。処理液中から溶媒が気化すると気化熱により、図5中の一点鎖線で示すように基板Sの温度が急激に下がり始める。一方、基板Sの下方に接触しつつ支持する複数の中空ピン41の温度は、図5中の実線で示すようにほとんど変化しない。
チャンバ20内の気体の排出が開始されて所定時間を経過した後、制御部600は、開閉弁321を開放する。開閉弁321が開放されると、排気ポンプ30と中空ピン41の内部空間411は連通することとなり、内部空間411に存在する気体は排気ポンプ30によって一気に排気される(ステップS13)。中空ピン41の内部空間411から気体が一気に排気されると、内部空間411は急速に減圧された状態となる。これにより、図5で示すように内部空間411の温度が急速に低下することで、複数の中空ピン41の温度が低下する。すなわち、中空ピン41を冷却する冷却工程が実施されることとなる。
チャンバ20内の排気は継続して行われ、基板S上の処理液から気化する溶媒量が減少し、気化熱による基板Sの温度低下が停止する。所定の時間、チャンバ20内の排気が行われた後、制御部600からの動作指令によりバルブ331が閉止する。これにより、チャンバ20内の排気が終了する(ステップS14)。
チャンバ20内の排気が終了すると、チャンバ20内を減圧状態から常圧の状態に戻すため制御部600は大気開放部34に動作指令を出す。これにより、バルブ342が開放され開放配管341を介して大気がチャンバ20内に供給さる。そして、チャンバ20は大気開放されることとなる(ステップS15)。チャンバ20内が大気開放されると、基板Sおよびそれぞれの中空ピン41の温度は常温に向かって上昇する。並行して、バルブ323が開放され中空ピン41の内部空間411に空気が送り込まれる。
チャンバ20内が常圧に戻った後、搬送ロボット等により基板Sをチャンバ20内から搬出する(ステップS16)。搬出された基板Sはプリベーク装置16に搬入され熱処理が行われる。
以上のように、本実施形態の減圧乾燥装置15においては、チャンバ20内において基板Sを下方から支持する複数の支持部材を中空ピン41とし、それぞれの中空ピン41の内部に形成される内部空間411の気体を排出し、減圧することで中空ピン41を冷却することができる。これにより、減圧乾燥処理において基板Sと基板Sを支持する支持部材である中空ピン41との温度差を軽減することができ、基板Sの表面に生じる乾燥ムラを抑制することができる。
<第2実施形態の減圧乾燥装置の構成>
図6は、第2実施形態に係る減圧乾燥装置15Aの構成を示す概略図である。以下の説明において、第1実施形態と同一の要素については同一の符号を付し重複説明を省略する。なお、図1に示す基板処理システム1のうち減圧乾燥装置15に係る構成を後述する減圧乾燥装置15Aに置き換えることが可能である。
第1実施形態に係る減圧乾燥装置15との主たる相違点は、チャンバ20内を加熱するヒータ25を備える点と、個別配管32が共有配管33と接続される位置である。
ヒータ25は、ベース部21内に配設されている。ヒータ25は制御部600と電気的に接続されており、制御部600からの指令に従ってオン・オフが制御される。このようなヒータ25として、例えばマイカヒータや、その他公知のヒータを用いることができる。なお、ヒータ25は、ベース部21内に配設される構成に限定されるものではなく、例えばベース部21の上面に配設される構成としてもよい。また、ベース部21に配設されることに限定されず蓋部22に設けられても良く、これらを組合せて設けられてもよい。
個別配管32には開閉弁321、323が介挿されている。また、個別配管32は、共有配管33に介挿されるバルブ331と排気ポンプ30との間の管路に接続されている。これにより、バルブ331を閉止した状態で、開閉弁321を開放することで、チャンバ20内を排気せず中空ピン41の内部空間411のみ排気することができる。また、開閉弁321を閉止した状態で、開閉弁323を開放することで、内部空間411に気体を送り込むことができる。
<第2実施形態の減圧乾燥処理の流れ>
続いて、この減圧乾燥装置15Aにおける減圧乾燥処理について図7,8を参照しつつ説明する。図7は、減圧乾燥装置15Aにおける減圧乾燥処理の流れを示したフローチャートである。図8は、減圧乾燥処理時の基板Sと中空ピン41の温度変化を説明するための概要図である。
第1実施形態の減圧乾燥処理の流れとは、中空ピン41内を排気するタイミングが異なる。図7に示すように、減圧乾燥装置15Aは、まず中空ピン41の内部空間411に存在する気体を排気ポンプ30によって一気に排気する(ステップS21)。中空ピン41の内部空間411から気体が一気に排気されると、内部空間411は急速に減圧された状態となる。これにより、図8で示すように内部空間411の温度が急速に低下し、複数の中空ピン41の温度が低下する。すなわち、中空ピン41を冷却する冷却工程が実施されることとなる。
冷却工程の各部の動作について詳細に説明する。バルブ331,341、各開閉弁321は閉じた状態となっており、制御部600からの動作指令に従い、排気ポンプ30が動作した状態で開閉弁321を開放する。これにより、それぞれの中空ピン41の内部空間411内に存在する気体のみ排気ポンプ30により一気に排気される。内部空間411内の気体が排気された後は各開閉弁321を閉じても良い。
中空ピン41の冷却が行われた後に、チャンバ20内に基板Sを載置する載置工程が行われる(ステップS22)。載置工程では、減圧乾燥装置15Aは、蓋部22に連結された図示を省略する駆動機構に対して制御部600が動作指令を出すことによって蓋部22を鉛直方向に上昇させる。これにより、蓋部22とベース部21との間に基板搬入路が形成され、基板Sがチャンバ20内に搬入される。基板Sのチャンバ20内への搬入は搬送ロボット等を用いることができる。搬送ロボットは、基板Sをチャンバ20内に設けられた複数の中空ピン41上に載置する。基板Sが中空ピン41上に載置されると、駆動機構によって蓋部22が下降しベース部21との間で密閉空間を形成する。
上述したように、本実施形態においてはヒータ25によってチャンバ20内の温度が上昇しており、チャンバ20内に設けられた中空ピン41の温度も上昇した状態となっている。一方、外部からチャンバ20内に搬入される基板Sは常温であるため、図8に示すように、高温となった状態の支持ピン(図8の従来ピンの温度変化を参照)上に常温の基板Sが載置されると、温度差が大きいため乾燥ムラの原因となる。
これに対し、基板Sが中空ピン41に載置される前に、中空ピン41を冷却しておくことで、常温で搬入される基板Sとの温度差が小さくなり乾燥ムラを抑制することができる。
続いて、密閉されたチャンバ20内に存在する流体である気体の排出を開始する(ステップS23)。具体的には、制御部600からの動作指令によりバルブ331の開度が調整される。排気ポンプ30は一定の出力で駆動しているため、バルブ331が開かれることで排気口29からチャンバ20内の気体が排出され、チャンバ20内を減圧する減圧工程が実施される。なお、この時、開閉弁321は、中空ピン41の内部空間411に存在する流体が排出されない状態(閉止状態)となっている。
図8に示すようにチャンバ20内の排気が開始される(言い換えると、チャンバ20内の減圧が開始される)と、基板S上に付着した処理液に含まれる溶媒の気化が始まる。処理液中から溶媒が気化すると気化熱により、基板Sの温度が下がり始めるが、チャンバ20内がヒータにより加熱されているため、溶媒の気化が進むにつれて基板Sの温度が上昇する(図8中の一点鎖線参照)。一方、基板Sの下方に接触しつつ支持する複数の中空ピン41は冷却工程で冷却されたことで、基板Sの温度上昇に近い温度変化(図8中の実線参照)となる。
所定の時間、チャンバ20内の排気が行われた後、制御部600からの動作指令によりバルブ331が閉止する。これにより、チャンバ20内の排気が終了する(ステップS24)。
チャンバ20内の排気が終了すると、チャンバ20内を減圧状態から常圧の状態に戻すため制御部600は大気開放部34に動作指令を出す。これにより、バルブ342が開放され開放配管341を介して大気がチャンバ20内に供給さる。そして、チャンバ20は大気開放されることとなる(ステップS25)。この時、チャンバ20内の中空ピン41の温度はヒータ25の影響により高温状態となっている。
チャンバ20内が常圧に戻った後、搬送ロボット等により基板Sをチャンバ20内から搬出する(ステップS26)。搬出された基板Sはプリベーク装置16に搬入され熱処理が行われる。この時、並行して開閉弁323を開放すれば、中空ピン41の内部空間411に排気された気体を導入することができる。
以上のように、本実施形態の減圧乾燥装置15Aにおいては、チャンバ20内にヒータ25を設けて加熱状態で減圧乾燥処理を行うため処理後の中空ピン41は高温状態となっている。そのため、チャンバ20内において基板Sを下方から支持する複数の支持部材を中空ピン41に基板Sを載置する前に、それぞれの中空ピン41の内部に形成される内部空間411の気体を排出し、減圧することで中空ピン41を冷却する。これにより、加熱しながら行う減圧乾燥処理においても、基板Sと基板Sを支持する支持部材である中空ピン41との温度差を軽減することができ、基板Sの表面に生じる乾燥ムラを抑制することができる。
<第3実施形態の減圧乾燥装置の構成>
図9は、第3実施形態に係る減圧乾燥装置15Bの構成を示す概略図である。以下の説明において、第1実施形態と同一の要素については同一の符号を付し重複説明を省略する。なお、図1に示す基板処理システム1のうち減圧乾燥装置15に係る構成を後述する減圧乾燥装置15Bに置き換えることが可能である。
第1実施形態に係る減圧乾燥装置15との主たる相違点は、中空ピン41内の内部空間411に液体を供給する機構を有する点である。具体的には、個別配管32に介挿された開閉弁321と、内部空間411との間の配管路中に外部から水を供給するための配管が接続され、当該配管には開閉弁323が介挿されている。開閉弁323は制御部600と電気的に接続されており、制御部600から指令にしたがって、開閉弁323の開閉が制御される。内部空間411に水を供給する際、制御部600は開閉弁321を閉止し、開閉弁323を開放することで、内部空間411に水を充填することができる。内部空間411への水の充填が完了すると開閉弁323を閉止する。なお、内部空間411へ充填する流体の一例として水を供給しているがこれに限定されるものではない。
<第3実施形態の減圧乾燥処理の流れ>
続いて、この減圧乾燥装置15Bにおける減圧乾燥処理について図10,11を参照しつつ説明する。図10は、減圧乾燥装置15Bにおける減圧乾燥処理の流れを示したフローチャートである。図11は、減圧乾燥処理時の基板Sと中空ピン41の温度変化を説明するための概要図である。
図10に示すように、減圧乾燥装置15Bは、まず中空ピン41の内部空間411に液体である水を充填する液体充填工程を実行する(ステップS31)。液体充填工程では、制御部600が開閉弁321を閉止するとともに、開閉弁323を開放し、ユーティリティ等から常温の水を内部空間411に充填する。充填が完了すると開閉弁323を閉止する。これにより、開閉弁321と開閉弁323によって、個別配管32と内部空間411との間で閉空間が形成され当該空間に水が充填された状態となる。
次に、チャンバ20内に基板Sを載置する載置工程を行う(ステップS32)。載置工程では、減圧乾燥装置15Bは、蓋部22に連結された図示を省略する駆動機構に対して制御部600が動作指令を出すことによって蓋部22を鉛直方向に上昇させる。これにより、蓋部22とベース部21との間に基板搬入路が形成され、基板Sがチャンバ20内に搬入される。基板Sのチャンバ20内への搬入は搬送ロボット等を用いることができる。搬送ロボットは、基板Sをチャンバ20内に設けられた複数の中空ピン41上に載置する。基板Sが中空ピン41上に載置されると、駆動機構によって蓋部22が下降しベース部21との間で密閉空間を形成する。図11に示すように基板Sおよび複数の中空ピン41は常温(例えば、摂氏23度)となっている。
続いて、密閉されたチャンバ20内に存在する流体である気体の排気を開始する(ステップS33)。具体的には、制御部600からの動作指令によりバルブ331の開度が調整される。排気ポンプ30は一定の出力で駆動しているため、バルブ331が開かれることで排気口29からチャンバ20内の気体が排出され、チャンバ20内を減圧する減圧工程が実施される。なお、この時、開閉弁321は、中空ピン41の内部空間411に存在する水が排出されない状態(閉止状態)となっている。
チャンバ20内の排気が開始される(言い換えると、チャンバ20内の減圧が開始される)と、基板S上に付着した処理液に含まれる溶媒の気化が始まる。処理液中から溶媒が気化すると気化熱により、図11中の一点鎖線で示すように基板Sの温度が急激に下がり始める。一方、基板Sの下方に接触しつつ支持する複数の中空ピン41の温度は、図11中の実線で示すようにほとんど変化しない。
チャンバ20内の気体の排出が開始されて所定時間を経過した後、制御部600は、開閉弁321を開放する。開閉弁321が開放されると、排気ポンプ30と中空ピン41の内部空間411は連通することとなり、内部空間411に存在する液体である水は排気ポンプ30によって一気に排出される(ステップS34)。中空ピン41の内部空間411に水が充填された状態で急速に減圧されると液体である水は急速に凍結する。本実施形態では、凍結作用により中空ピン41を冷却する点に特徴を有する。中空ピン41の内部空間411内の水が凍結することでそれぞれの中空ピン41の温度が急速に低下する。すなわち、中空ピン41を冷却する冷却工程が実施されることとなる。なお、内部空間411から排出された水は排気ポンプ30に到達し、排気ポンプ30の熱により蒸発する。また、排気ポンプ30までの排出経路中に気液分離機構を設けてもよい。
チャンバ20内の排気は継続して行われ、基板S上の処理液から気化する溶媒量が減少し、気化熱による基板Sの温度低下が停止する。所定の時間、チャンバ20内の排気が行われた後、制御部600からの動作指令によりバルブ331が閉止する。これにより、チャンバ20内の排気が終了する(ステップS35)。
チャンバ20内の排気が終了すると、チャンバ20内を減圧状態から常圧の状態に戻すため制御部600は大気開放部34に動作指令を出す。これにより、バルブ342が開放され開放配管341を介して大気がチャンバ20内に供給さる。そして、チャンバ20は大気開放されることとなる(ステップS36)。チャンバ20内が大気開放されると、基板Sおよびそれぞれの中空ピン41の温度は常温に向かって上昇する。
チャンバ20内が常圧に戻った後、搬送ロボット等により基板Sをチャンバ20内から搬出する(ステップS37)。搬出された基板Sはプリベーク装置16に搬入され熱処理が行われる。
以上のように、本実施形態の減圧乾燥装置15Bにおいては、チャンバ20内において基板Sを下方から支持する複数の支持部材を中空ピン41とし、それぞれの中空ピン41の内部に形成される内部空間411に液体を充填し、当該空間を減圧することで液体である水が凍結し、中空ピン41を冷却することができる。これにより、減圧乾燥処理において基板Sと基板Sを支持する支持部材である中空ピン41との温度差を軽減することができ、基板Sの表面に生じる乾燥ムラを抑制することができる。特に、中空ピン41の内部空間411に充填する液体の量によって降温の程度を制御することができるため、より中空ピン41と基板Sとの温度差を軽減することができる。
<第4実施形態の減圧乾燥装置の構成>
図12は、第4実施形態に係る減圧乾燥装置15Cの構成を示す概略図である。以下の説明において、第3実施形態と同一の要素については同一の符号を付し重複説明を省略する。なお、図1に示す基板処理システム1のうち減圧乾燥装置15に係る構成を後述する減圧乾燥装置15Cに置き換えることが可能である。
第3実施形態に係る減圧乾燥装置15Bとの主たる相違点は、チャンバ20内を加熱するヒータ25を備える点である。なお、ヒータ25については、第2実施形態に係る減圧乾燥装置15Aで説明したものと同様であるため省略し、以降では、第4実施形態の減圧乾燥処理の流れについて説明する。
<第4実施形態の減圧乾燥処理の流れ>
この減圧乾燥装置15Cにおける減圧乾燥処理について図13,14を参照しつつ説明する。図13は、減圧乾燥装置15Cにおける減圧乾燥処理の流れを示したフローチャートである。図14は、減圧乾燥処理時の基板Sと中空ピン41の温度変化を説明するための概要図である。
第3実施形態の減圧乾燥処理の流れとは、中空ピン41内の水を排出するタイミングが異なる。図13に示すように、減圧乾燥装置15Cは、まず中空ピン41の内部空間411に液体である水を充填する液体充填工程を実行する(ステップS41)。液体充填工程では、制御部600が開閉弁321を閉止するとともに、開閉弁323を開放し、ユーティリティ等から常温の水を内部空間411に充填する。充填が完了すると開閉弁323を閉止する。これにより、開閉弁321と開閉弁323によって、個別配管32と内部空間411との間で閉空間が形成され当該空間に水が充填された状態となる。
そして、中空ピン41の内部空間411に充填された水を排気ポンプ30によって排出する(ステップS42)。中空ピン41の内部空間411から水が一気に排出されると、内部空間411は急速に減圧された状態となる。そして、内部空間411内の水は凍結する。図14に示すように内部空間411の温度が凍結により急速に低下し、複数の中空ピン41の温度が低下する。すなわち、中空ピン41を冷却する冷却工程が実施されることとなる。
冷却工程の各部の動作について詳細に説明する。バルブ331,341、各開閉弁321,323は閉じた状態となっており、制御部600からの動作指令に従い、排気ポンプ30が動作した状態で開閉弁321を開放する。これにより、それぞれの中空ピン41の内部空間411内に存在する水のみ排気ポンプ30により一気に排出される。内部空間411内の水が排出された後は各開閉弁321を閉じても良い。
中空ピン41の冷却が行われた後に、チャンバ20内に基板Sを載置する載置工程が行われる(ステップS43)。載置工程では、減圧乾燥装置15Cは、蓋部22に連結された図示を省略する駆動機構に対して制御部600が動作指令を出すことによって蓋部22を鉛直方向に上昇させる。これにより、蓋部22とベース部21との間に基板搬入路が形成され、基板Sがチャンバ20内に搬入される。基板Sのチャンバ20内への搬入は搬送ロボット等を用いることができる。搬送ロボットは、基板Sをチャンバ20内に設けられた複数の中空ピン41上に載置する。基板Sが中空ピン41上に載置されると、駆動機構によって蓋部22が下降しベース部21との間で密閉空間を形成する。
上述したように、本実施形態においてはヒータ25によってチャンバ20内の温度が上昇しており、チャンバ20内に設けられた中空ピン41の温度も上昇した状態となっている。一方、外部からチャンバ20内に搬入される基板Sは常温であるため、図14に示すように、高温となった状態の支持ピン(図14の従来ピンの温度変化を参照)上に常温の基板Sが載置されると、温度差が大きいため乾燥ムラの原因となる。
これに対し、基板Sが中空ピン41に載置される前に、中空ピン41を冷却しておくことで、常温で搬入される基板Sとの温度差が小さくなり乾燥ムラを抑制することができる。
続いて、密閉されたチャンバ20内に存在する流体である気体の排出を開始する(ステップS44)。具体的には、制御部600からの動作指令によりバルブ331の開度が調整される。排気ポンプ30は一定の出力で駆動しているため、バルブ331が開かれることで排気口29からチャンバ20内の気体が排出され、チャンバ20内を減圧する減圧工程が実施される。なお、この時、開閉弁321は、中空ピン41の内部空間411に存在する流体が排出されない状態(閉止状態)となっている。
図14に示すようにチャンバ20内の排気が開始される(言い換えると、チャンバ20内の減圧が開始される)と、基板S上に付着した処理液に含まれる溶媒の気化が始まる。処理液中から溶媒が気化すると気化熱により、基板Sの温度が下がり始めるが、チャンバ20内がヒータにより加熱されているため、溶媒の気化が進むにつれて基板Sの温度が上昇する(図14中の一点鎖線参照)。一方、基板Sの下方に接触しつつ支持する複数の中空ピン41は冷却工程で冷却されたことで、基板Sの温度上昇に近い温度変化(図14中の実線参照)となる。
所定の時間、チャンバ20内の排気が行われた後、制御部600からの動作指令によりバルブ331が閉止する。これにより、チャンバ20内の排気が終了する(ステップS45)。
チャンバ20内の排気が終了すると、チャンバ20内を減圧状態から常圧の状態に戻すため制御部600は大気開放部34に動作指令を出す。これにより、バルブ342が開放され開放配管341を介して大気がチャンバ20内に供給さる。そして、チャンバ20は大気開放されることとなる(ステップS46)。この時、チャンバ20内の中空ピン41の温度はヒータ25の影響により温度が上昇した状態となっている。
チャンバ20内が常圧に戻った後、搬送ロボット等により基板Sをチャンバ20内から搬出する(ステップS47)。搬出された基板Sはプリベーク装置16に搬入され熱処理が行われる。
以上のように、本実施形態の減圧乾燥装置15Cにおいては、チャンバ20内にヒータ25を設けて加熱状態で減圧乾燥処理を行うため処理後の中空ピン41は温度が高い状態となっている。そのため、チャンバ20内において基板Sを下方から支持する複数の支持部材を中空ピン41に基板Sを載置する前に、それぞれの中空ピン41の内部に形成される内部空間411の水を充填し、基板Sが載置される前に当該水を一気に排出し、内部空間411を減圧することで当該水を凍結させ中空ピン41を冷却する。これにより、減圧乾燥処理において基板Sと基板Sを支持する支持部材である中空ピン41との温度差を軽減することができ、基板Sの表面に生じる乾燥ムラを抑制することができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
例えば、基板Sを支持するために複数の中空ピン41が配設される位置を図15に示す位置としてもよい。図15は基板Sの有効領域Rと中空ピン41(図15の黒丸)との位置関係を説明するための図である。基板Sには最終製品に使用される領域(有効領域Rと呼ぶ)が決められている。有効領域Rに乾燥ムラ等が生じるとプロセス不良となる。そのため、少なくともと有効領域Rを下方から支持する支持部材については本発明の中空ピン41で支持することが好ましい。これにより、有効領域R内での乾燥ムラの発生を抑制することができる。一方、有効領域R外については、従来の支持ピン(図15の白丸)で支持すればよい。このように、基板Sの支持する領域で使用する支持部材を変えることで、機構を簡素化し装置コストを低下させることができる。
また、中空ピン41はチャンバ20に対して固定されている必要はない。例えば、中空ピン41を昇降可能とする駆動機構を設けることで、本発明の中空ピン41を昇降ピンとして使用することができる。
また、上記実施形態で記載されたチャンバ20、中空ピン41に接続される配管の経路は、この構成に限定されるものではない。装置設計において適宜配管の経路は変更されてもよい。
また、上記実施形態で記載された中空ピン41の内部空間411に充填する液体は一例である。そして充填される液体の量は、実験等により液体の量と温度変化との関係を測定し決めることができる。同様に液体の温度も実験等により適宜決めることができる。
また、上記実施形態では中空ピン41の内部空間411内の流体を排出する機構として、チャンバ20内の流体を排出する排気ポンプ30を用いたがこれに限られるものではなく、内部空間411内の流体を排出する別体の排気ポンプを用いてもよい。
また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
1 基板処理システム
15、15A、15B、15C 減圧乾燥装置
16 プリベーク装置
20 チャンバ
21 ベース部
23 排気口
25 ヒータ
30 排気ポンプ
34 大気開放部
41 中空ピン
60 制御部
600 制御部
R 有効領域
S 基板

Claims (9)

  1. 基板に付着した処理液を減圧乾燥する減圧乾燥装置であって、
    前記基板を収容するチャンバと、
    前記チャンバ内において、前記基板を下方から支持する複数の中空ピンと、
    前記チャンバ内の流体を排出し減圧する排出手段と、を備え、
    前記排出手段は、前記複数の中空ピンの内部に形成される空間内の流体を排出し、前記空間内を減圧することで前記中空ピンを冷却することを特徴する減圧乾燥装置。
  2. 請求項1に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記排出手段による前記チャンバ内の流体の排出と、前記複数の中空ピンの前記空間内の流体の排出とを制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記チャンバ内の流体の排出を開始した後に、前記複数の中空ピンの前記空間内の流体の排出を行うよう前記排出手段を制御することを特徴とする減圧乾燥装置。
  3. 請求項1に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記チャンバ内を加熱する加熱手段と、
    前記排気手段による前記チャンバ内の流体の排出と、前記複数の中空ピンの前記空間内の流体の排出とを制御する制御部と、をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記複数の中空ピンに前記基板が支持される前に前記複数の中空ピンの前記空間内の流体の排出を行うように前記排出手段を制御することを特徴とする減圧乾燥装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記複数の中空ピンの前記空間内の流体が液体であって、前記液体を前記空間内に充填する液体充填部を備え、
    前記排出手段は、前記空間内の前記液体を排出し、前記空間内を減圧することで前記複数の中空ピンを冷却することを特徴とする減圧乾燥装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記複数の中空ピンは、前記基板の有効領域の下方を支持するように配設されていることを特徴とする減圧乾燥装置。
  6. 基板に付着した処理液を減圧乾燥する減圧乾燥方法であって、
    前記チャンバ内に配設された複数の中空ピンに前記基板と載置する載置工程と、
    前記チャンバ内の流体を排出し、前記チャンバ内を減圧する減圧工程と、
    前記複数の中空ピン内の内部に形成される空間内の流体を排出し、前記空間内を減圧することで前記複数の中空ピンを冷却する冷却工程と、を備えることを特徴とする減圧乾燥方法。
  7. 請求項6に記載の減圧乾燥方法であって、
    前記減圧工程で前記チャンバ内の流体の排出を開始した後、前記冷却工程が行われることを特徴とする減圧乾燥方法。
  8. 請求項6に記載の減圧乾燥方法であって、
    前記チャンバ内を加熱する加熱工程をさらに有し、
    前記載置工程が行われる前に、前記冷却工程を行うことを特徴とする減圧乾燥方法。
  9. 請求項6ないし請求項8のいずれか一項に記載の減圧乾燥方法であって、
    前記複数の中空ピンの前記空間内の流体が液体であり、前記空間内に液体を充填する液体充填工程をさらに有し、
    前記冷却工程の前に、前記液体充填工程を行うことを特徴とする減圧乾燥方法。
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