JP2016188051A - 操向制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】爪式のサイドクラッチが接続状態に戻る場合において、サイドクラッチの爪の弾きを確実に回避できる操向制御システムを提供する。【解決手段】左右の走行装置に対し原動機の動力を分配するための一対の駆動列3のそれぞれに、爪式のサイドクラッチ6及びサイドブレーキ7を設けた操向制御システム1において、サイドブレーキ7の制動状態からサイドクラッチ6の接続状態への移行を抑制する抵抗機構70を備える。操向制御システム1は、車両の旋回方向及び旋回半径を設定する操向レバー11を備える。抵抗機構70は、操向レバー11に操作抵抗を作用させる流体ダンパである。【選択図】図11

Description

本発明は、サイドクラッチ・サイドブレーキ式操向制御システムに関する。
従来より、クローラ式走行車両(例えばコンバイン)等に適用される操向制御システムとして、例えば特許文献1に開示されているサイドクラッチ・サイドブレーキ式操向制御システムが公知である。この操向制御システムは、左右の車軸(走行駆動軸)に動力を分配するための左右一対の駆動列を備え、左右一対の駆動列の各々にサイドクラッチ及びサイドブレーキが設けられた構成を有する。
このサイドクラッチ・サイドブレーキ式操向制御システムの操作具としては、例えば特許文献1に開示されているような、直進位置から左右に傾倒可能とした操向レバーが公知である。この操向レバーを旋回内側に(左旋回なら左側に)ある程度傾倒することで、旋回内側のサイドクラッチが切れ、旋回内側の車軸が減速し、車両は旋回半径の大きな状態で緩旋回する。操向レバーを旋回内側にさらに大きく傾倒すると、旋回内側のサイドクラッチが切れることに加え、旋回内側のサイドブレーキが掛かり、旋回内側の車軸が大きく減速、さらには停止し、これにより、車両は旋回半径の小さな状態で急旋回(旋回内側の車軸が停止するとブレーキターン)する。
特開平10−262417号公報
しかしながら、サイドブレーキが掛かっている状態からオペレータが操作レバーを放すと、戻しバネによってサイドクラッチは接続状態に戻ろうとする。しかしながら、エンジンによって回転しているサイドクラッチの駆動側に対して、サイドクラッチの被駆動側の回転は停止している。よって、サイドクラッチが接続する直前の状態でサイドクラッチの爪同士の噛み合いが動力伝達のための回転によって阻害されるため、サイドクラッチは接続状態に円滑に移行しない。そして、爪同士が急に噛み合うことによって、サイドクラッチは接続状態に移行する。このように、サイドブレーキが掛かっている状態からオペレータが操作レバーを放すと、サイドクラッチに弾きが生じる。
一方、サイドブレーキが掛かっている状態からオペレータが操作レバーに手を添えながらゆっくりと操向レバーの位置を戻す場合には、サイドクラッチは円滑に接続状態に移行できる。つまり、サイドブレーキが掛かっている状態からサイドクラッチの接続状態に移行する場合に、弾きが生じることなく円滑にサイドクラッチを接続させるためには、オペレータの技量が要求される。従って、このような特別な技量がなくても、サイドクラッチの接続時にサイドクラッチの弾きを確実に回避できる操向制御システムが望まれている。
本発明は、サイドクラッチの弾きを確実に回避できる操向制御システムを提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1に係る発明は、
左右の走行装置に対し原動機の動力を分配するための一対の駆動列のそれぞれに、爪式のサイドクラッチ及びサイドブレーキを設けた操向制御システムにおいて、
前記サイドブレーキの制動状態から前記サイドクラッチの接続状態への移行を抑制する抵抗機構を備える、としたものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載した操向制御システムにおいて、
車両の旋回方向及び旋回半径を設定する操向操作手段を備え、
前記抵抗機構は、前記操向操作手段に操作抵抗を作用させるダンパを含む、としたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載した操向制御システムにおいて、
車両の旋回方向及び旋回半径を設定する操向操作手段を備え、
前記抵抗機構は、前記操向操作手段に操作抵抗を作用させる摩擦機構を含む、としたものである。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載した操向制御システムにおいて、
一対の前記駆動列を覆うミッションケースと、
前記ミッションケースに相対回転自在に支持されるサイドクラッチ軸と、
各前記サイドクラッチ軸に摺動自在に取り付けられるシフタとを備え、
前記抵抗機構は、前記サイドブレーキが制動する前記シフタの位置から、前記サイドクラッチの接続位置に前記シフタが戻る間に、前記シフタに抵抗を作用させる、としたものである。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載した操向制御システムにおいて、
前記抵抗機構は、前記サイドクラッチ軸の表面よりも大きい摩擦係数を有する摩擦部であって、
前記摩擦部は、前記シフタが前記サイドクラッチ軸に対して摺動する範囲において前記サイドクラッチ軸の外表面に形成されている、としたものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1に係る発明によれば、爪式のサイドクラッチは切断状態から接続状態に比較的ゆったりと復帰できる。つまり、サイドクラッチの被駆動側が走行装置によって回転し始めるときにその駆動側と接続することができるので、当該操向制御システムは、サイドクラッチの弾きを確実に回避できる。従って、サイドクラッチの弾きを確実に回避できる操向制御システムを提供することができる。
請求項2に係る発明によれば、ダンパによって操向操作手段に操作抵抗が作用するので、サイドクラッチは切断状態から接続状態に比較的ゆったりと復帰できる。つまり、当該操向制御システムは、サイドクラッチの弾きを確実に回避できる。
請求項3に係る発明によれば、摩擦機構によって操向操作手段に操作抵抗が作用するので、サイドクラッチは切断状態から接続状態に比較的ゆったりと復帰できる。つまり、当該操向制御システムは、サイドクラッチの弾きを確実に回避できる。
請求項4に係る発明によれば、シフタは、サイドブレーキの制動位置からサイドクラッチの接続位置に、比較的ゆったりと戻ることができる。つまり、当該操向制御システムは、サイドクラッチの弾きを確実に回避できる。
請求項5に係る発明によれば、摩擦部によってシフタに抵抗が作用するので、シフタは、サイドブレーキの制動位置からサイドブレーキの接続位置に、比較的ゆったりと戻ることができる。つまり、当該操向制御システムは、サイドクラッチの弾きを確実に回避できる。
操向制御システムを適用したトランスミッションのスケルトン図である。 トランスミッションの平面断面図である。 トランスミッションの側面一部断面図である。 図2に示すトランスミッションの平面断面図の一部拡大図である。 ミッションケースに固定されるアクスルケースを示す図であって、トランスミッションの一部の平面断面図である。 トランスミッションのミッションケースにおけるブリーザの構成を示す斜視図である。 操向操作手段の背面図である。 サイドクラッチのシフタを作動させる操向用アクチュエータの背面断面図である。 操向用アクチュエータの一部断面を含む背面図である。 操向用アクチュエータの側面断面図である。 第1実施形態の操向制御システムに用いられる操向操作手段に連結される抵抗機構の背面断面図である。 操向操作手段の傾倒角度と操向操作手段に掛かる抵抗機構による操作抵抗の値との関係を示すグラフである。 第2実施形態の操向制御システムに用いられる操向操作手段、及び、この操向操作手段に連結される摩擦機構の背面図である。 第3実施形態の操向制御システムを適用したトランスミッションの一部平面断面図である。 第4実施形態の操向制御システムに用いられる操向操作手段、及び、この操向操作手段に操作抵抗を作用させる抵抗機構を示す図である。
<第1実施形態>
まず、本発明のサイドクラッチ・サイドブレーキ式操向制御システムの適用対象である車両について説明する。当該車両は、例えば収穫機であって、クローラ式走行装置、ホイル(タイヤ)式走行装置等の左右一対の走行装置を備えている。当該車両には、内燃機関等の原動機(図示せず)、及び、この原動機の出力を走行装置に分配するためのトランスミッション2が搭載されている。図1に示すように、本発明の実施形態としての操向制御システム1は、トランスミッション2に適用されるものである。
トランスミッション2の構成について、図1及び図2を用いて説明する。
図1は、操向制御システム1を適用したトランスミッション2のスケルトン図である。
図2は、トランスミッション2の平面断面図である。
トランスミッション2は、ミッションケース20を有し、互いに同一軸心上に配置される左右一対の車軸4L・4R(総称して「車軸4」とする)をミッションケース20において支持している。各車軸4は、左右一対の走行装置の駆動軸として、当該車両に適用される。以下に述べるトランスミッション2における各構成部材及び部分の位置、並びに、方向については、車軸4の長手方向がトランスミッション2の左右方向であることを前提とする。
ミッションケース20内には、車軸4と平行のサイドクラッチ軸21が、軸受21aを介してミッションケース20に回転自在に支持されている。サイドクラッチ軸21の左右各端部の外周壁には、軸受21aの内輪が相対回転可能に嵌め合わされている。軸受21aの外輪は、ミッションケース20に相対回転不能に固定されている。
サイドクラッチ軸21の左右中央部には、分配ギア22が固定されている。ミッションケース20内には、分配ギア22から左右一対の車軸4L・4Rへと動力を分配するための一対の駆動列3L・3R(総称して「駆動列3」とする)が設けられている。また、ミッションケース20内には、互いに同一軸心上に配置される左右一対の中間軸24L・24R(総称して「中間軸24」とする)が設けられている。各中間軸24は、サイドクラッチ軸21及び左右一対の車軸4L・4Rに平行であって、左右一対の軸受24aを介してミッションケース20に回転自在に支持されている。
分配ギア22の左側におけるサイドクラッチ軸21の左部には左シフタ5Lが装着され、分配ギア22の右側におけるサイドクラッチ軸21の右部には右シフタ5Rが装着されている(左右シフタ5L・5Rを総称して「シフタ5」とする)。シフタ5は、サイドクラッチ軸21の軸心方向に摺動自在、且つ、相対回転不能にサイドクラッチ軸21に装着されている。以下、各シフタ5について、分配ギア22の側を内側とし、分配ギア22に対して反対側を外側とする。左シフタ5Lの右端部には左サイドギア23Lが形成されており、右シフタ5Lの左端部には右サイドギア23Rが形成されている(左右サイドギア23L・23Rを総称して「サイドギア23」とする)。即ち、各シフタ5の内側端部にサイドギア23が形成されている。
分配ギア22の左右各端部には、クラッチ爪6aが形成されている。各サイドギア23L・23Rの内側端部には、クラッチ爪6bが形成されている。こうして、分配ギア22の左端部のクラッチ爪6aと左サイドギア23Lのクラッチ爪6bとにより、爪式(噛み合い式)の左サイドクラッチ6Lが構成されている。分配ギア22の右端部のクラッチ爪6aと右サイドギア23Rのクラッチ爪6bとにより、爪式(噛み合い式)の右サイドクラッチ6Rが構成されている(左右サイドクラッチ6L・6Rを総称して「サイドクラッチ6」とする)。
サイドクラッチ軸21の左右端部に、それぞれコイルバネである戻しバネ5aが巻かれている。戻しバネ5aによって、シフタ5が分配ギア22に向かって押されている。即ち、各戻しバネ5aは、各サイドクラッチ6が接続する方向にシフタ5を押している。各シフタ5の外側端部は、筒形状を有している。戻しバネ5aは、シフタ5の筒状部分の内周側に配置される。左シフタ5Lの筒状部分を含む外(左)側端部とミッションケース20の左側部との間において、左サイドブレーキ7Lが構成され、右シフタ5Rの筒状部分を含む外(右)側端部とミッションケース20の右側部との間において、右サイドブレーキ7Rが構成されている(左右サイドブレーキ7L・7Rを総称して「サイドブレーキ7」とする)。各サイドブレーキ7は、摩擦板7a・7b及び押圧板7cを有する。摩擦板7aは、シフタ5の筒状の外側端部に相対回転不能に取り付けられており、摩擦板7bは、ミッションケース20の左右各側部に相対回転不能に取り付けられている。摩擦板7a・7bは、シフタ5に対して、サイドクラッチ軸21の軸方向に沿ってそれぞれ摺動自在である。押圧板7cは、シフタ5に固定されている。
各シフタ5が内側方の最大摺動位置にあって各サイドクラッチ6が接続している状態においては、押圧板7cが摩擦板7a・7bから離れるとともに、摩擦板7a・7b同士も離れている。この状態は、サイドブレーキ7の非作動状態(言い換えると、非制動状態)である。シフタ5がサイドクラッチ軸21に沿って戻しバネ5aに抗して外側方に摺動するにつれ、シフタ5と一体に移動する押圧板7cが摩擦板7a・7bに接近し、やがて押圧板7cによって摩擦板7a・7b同士が圧接される。この状態は、サイドブレーキ7の作動状態(言い換えると、制動状態)である。摩擦板7a・7b同士が圧接し始めてからシフタ5が外側方に摺動するにつれ、摩擦板7aと摩擦板7bとの間の摩擦圧が増大する。これにより、シフタ5(即ち、分配ギア22から離れたサイドギア23)に付加されるサイドブレーキ7の制動力が増大する。
ミッションケース20には、前後方向を向く左右一対の回動軸30L・30R(総称して「回動軸30」とする)が内外貫通状に支持されている。ミッションケース20の外部に位置する各回動軸30の外端には、油圧アクチュエータである左右一対の操向用アクチュエータ34L・34R(総称して「操向用アクチュエータ34」とする)が設けられている。
一方、ミッションケース20内において、各回動軸30に形成されたフォ−ク30aは、各シフタ5に係合している。回動軸30の軸心回りの回動により、フォ−ク30aが回動軸30の軸心を中心に回動する。これにより、シフタ5がサイドクラッチ軸21に沿って左右方向に摺動する。なお、操向用アクチュエータ34の動きに応じてシフタ5をサイドクラッチ軸21に沿って摺動できるものであれば、操向用アクチュエータ34とシフタ5とを連係する構造は、このような回動軸30及びフォ−ク30aの構造に限らず、どのようなものでもよい。
左中間軸24Lの右端には、左大径ギア25Lが固定されている。左大径ギア25Lは、左シフタ5Lの摺動にかかわらず、常時、左サイドギア23Lと噛み合っている。また、左中間軸24Lに固定された左小径ギア26Lと、左車軸4Lに固定された左大径ギア27Lとが噛み合っている。こうして、分配ギア22、左サイドギア23L、左大径ギア25L、左小径ギア26L、及び、左大径ギア27Lにより、分配ギア22から左車軸4Lへと動力を伝達する左駆動列3Lが構成されている。
右中間軸24Rの左端には、右大径ギア25Rが固定されている。右大径ギア25Rは、右シフタ5Rの摺動にかかわらず、常時、右サイドギア23Rと噛み合っている。また、右中間軸24Rに固定された右小径ギア25Rと、右車軸4Rに固定された右大径ギア27Rとが噛み合っている。こうして、分配ギア22、右サイドギア23R、右大径ギア25R、右小径ギア26R、及び、右大径ギア27Rにより、分配ギア22から右車軸4Rへと動力を伝達する右駆動列3Rが構成されている。なお、以下、左右大径ギア25L・25R、左右小径ギア26L・26R、左右大径ギア27L・27Rをそれぞれ総称して「大径ギア25」「小径ギア26」「大径ギア27」とする。
ここで、図1は、車両の直進状態(左右車軸4L・4Rが同一速度で回転する状態)を示している。この状態において、左右のシフタ5L・5Rは、各戻しバネ5aの付勢力に基づく内側方の最大摺動位置にあり、左右のサイドクラッチ6L・6Rが接続し、両サイドブレーキ7L・7Rが非作動状態であって、且つ、両サイドギア23L・23Rが分配ギア22と一体に回転自在な状態となっている。従って、各駆動列3、即ち、サイドギア23と大径ギア25と小径ギア26と大径ギア27とを介して、左車軸4Lと右車軸4Rとには、原則的には均等に、分配ギア22の回転力が伝達される。
図3は、トランスミッション2の側面一部断面図である。
図3に示すように、ミッションケース20の上部には、左右方向を指す入力軸28が支持されている。入力軸28の一端は、ミッションケース20の外部に突出している。入力軸28のこの一端部には、プーリ28aが固定されている。プーリ28aは、エンジン等の原動機(図示せず)の出力を入力軸28に伝達するためのベルト式伝動装置の従動プーリを構成している。ミッションケース20の上部には、入力軸28の回転動力によって駆動される変速装置(図示せず)が設けられている。この変速装置は、例えば油圧式無段変速装置である。変速装置の出力は、伝動ギア列29を介して、分配ギア22に伝達される。
ここで、シフタ5L・5Rに対する戻しバネ5aの焼き付きを防止する構成について、図4を用いて説明する。
図4は、図2に示す平面断面図の一部拡大図である。
シフタ5には、スラストワッシャ5bと無給油カラー5cとが取り付けられている。無給油カラー5cは、自己潤滑性を有する部材である。圧縮コイルバネである戻しバネ5aの内側端は、無給油カラー5cに接触する。無給油カラー5cは、戻しバネ5aとスラストワッシャ5bとに挟まれる。スラストワッシャ5bと無給油カラー5cとが取り付けられた位置よりも内側において、シフタ5には、ブッシュ5dが取り付けられている。ブッシュ5dは、シフタ5とサイドクラッチ軸21の外表面との間に位置する。このような構成により、戻しバネ5aの内側端がスラストワッシャ5bに接触することが無くなるとともに、戻しバネ5aとスラストワッシャ5bとが自己潤滑性を有する無給油カラー5cに接触できる。そのため、戻しバネ5aとスラストワッシャ5bとの焼き付きを防止できる。
なお、図示しないが、ブッシュ5dがツバを有するようにブッシュ5dの形状を改良することにしてもよい。即ち、スラストワッシャ5bとブッシュ5dのこのツバとを接触させるように、スラストワッシャ5bと戻しバネ5aとこのブッシュ5dとをシフタ5に取り付ける場合には、ブッシュ5dの組み付けの間違いを防止できる。
次に、車両の旋回時におけるトランスミッション2及び操向制御システム1の状態について、図2に示す左旋回時の状態を例に挙げて説明する。なお、ここでは、後述の補助クラッチ8は切れているものとする。
車両を直進状態から左旋回させる場合に、操向制御システム1は、右サイドクラッチ6Rの接続状態を構成する位置に右シフタ5Rを保持したまま、左シフタ5Lを外側(左)方に摺動させる。これにより、左サイドギア23Lのクラッチ爪6bが分配ギア22の左側のクラッチ爪6aから外れる。即ち、左サイドクラッチ6Lが切断する。これにより、車両は緩やかに左旋回する。更に、左シフタ5Lに固定された押圧板7cが、左サイドブレーキ7Lの摩擦板7a・7b同士を圧接する。
左シフタ5Lの左方への摺動が進むにつれて、摩擦板7aと摩擦板7bとの間の摩擦圧が増大することにより、左シフタ5Lに付加される制動力が増大する。左シフタ5Lに付加される左サイドブレーキ7Lの制動力は、分配ギア22から離間した左サイドギア23Lから、左大径ギア25L、左小径ギア26L及び左大径ギア27Lを介して、左車軸4Lに伝達される。この制動力によって左車軸4Lの回転速度が右車軸4Rの回転速度よりも小さくなることにより、車両は更に小さな旋回半径で左旋回することができる。
更に、左方に摺動する左シフタ5Lが最大摺動位置に達すると、左サイドブレーキ7Lの摩擦板7a・7b同士が完全に圧着することにより、左シフタ5Lの回転が停止される。そして、左サイドギア23Lに付加される制動力は、左駆動列3Lを介して左車軸4Lに伝達される。これにより、旋回内側の左車軸4Lが完全に制動されて、左ブレーキターンが実現する。
なお、右旋回時において、操向制御システム1は、左サイドクラッチ6Lの接続状態を構成する位置に左シフタ5Lを保持したまま、右シフタ5Rを外側方、即ち、右方に摺動することにより、右サイドクラッチ6Rを切断して、更に右サイドブレーキ7Rを掛ける。この状態の詳細については、上述の左旋回時の説明を参照するものとし、図示も省略する。
次に、補助クラッチ8について説明する。図2に示すように、左中間軸24Lの右端の左大径ギア25Lと、右中間軸24Rの左端の右大径ギア25Rとの間には、接合力が可変である補助クラッチ8が設けられている。補助クラッチ8は、左大径ギア25Lに相対回転不能に取り付けられた摩擦板8aと、右大径ギア25Rに相対回転不能に取り付けられた摩擦板8bとから構成される摩擦板式クラッチである。補助クラッチ8の接合力は、摩擦板8a・8b同士の押圧度の調整によって可変である。なお、補助クラッチ8は、接合力が可変であるように構成されていれば、どのような構造であってもよい。補助クラッチ8が接続することにより、左大径ギア25Lと右大径ギア25Rとの間、即ち、左駆動列3Lと右駆動列3Rとの間において、動力(トルク)を伝達できる。そして、補助クラッチ8の接合力の調整により、左駆動列3Lと右駆動列3Rとの間で伝達されるトルク量を調整できる。
補助クラッチ8には、中間軸24の軸心方向(左右方向)に摺動可能な押圧部材8cが設けられている。押圧部材8cは、軸心方向の一方側(以後、「クラッチ接続側」とする)に摺動することにより、摩擦板8a・8b同士を圧接させ(補助クラッチ8を接続させ)、更にはその圧接度(即ち、補助クラッチ8の接合力)を増大させる。また、押圧部材8cは、軸心方向の他方側(以後、「クラッチ離間側」とする)に摺動することにより、摩擦板8a・8b同士の圧接度を減少させ、更には摩擦板8a・8b同士を離間させる(補助クラッチ8を切らせる)。
ミッションケース20内には、補助クラッチ用シフタ9が設けられている。補助クラッチ用シフタ9は、フォーク軸9a及びフォーク9bを有する。左右方向を向くフォーク軸9aは、その軸心方向に摺動自在にミッションケース20に支持されている。フォーク軸9aは、バネ9eによってクラッチ離間側に押されている。フォーク9bの一端は、フォーク軸9aに固定されている。フォーク9bの一端は、ボス状に形成されており、固定ピン9cを介してフォーク軸9aに固定されている。フォーク9bの他端には、補助クラッチ8の押圧部材8cが取り付けられている。フォーク9bと押圧部材8cとは、互いに一体として中間軸24の軸心方向に移動できる。クラッチ接続側へのフォーク軸9aの摺動により、摩擦板8a・8b同士の圧接度、即ち、補助クラッチ8の接合力が増大する。クラッチ離間側へのフォーク軸9aの摺動により、摩擦板8a・8b同士の圧接度が減少し、更には補助クラッチ8が切断する。
図3に示すように、ミッションケース20には、前後方向を向く回動軸17が内外貫通状に支持されている。ミッションケース20の外部にある回動軸17の外端には、アーム16が固定されている(図1参照)。一方、ミッションケース20内の回動軸17の内端部には半割状のカム面17aが形成されている。固定ピン9cの外端部は、カム面17aを受けるカム受け面9dとして構成されている。このように、アーム16及び回動軸17等によって、補助クラッチ用シフタ9を操作するための操作機構15が構成されている(図1参照)。
図2に示すように、カム面17aがカム受け面9dに平行であって、カム面17aとカム受け面9dとが互いに密着した状態のときには、フォーク軸9aがクラッチ離間側の最大摺動位置に配置されており、補助クラッチ8は切断している。そして、アーム16の作動に応じて回動軸17がその軸心回りに回転することによって、カム面17aがカム受け面9dを押す。これにより、フォーク軸9aがクラッチ接続側に摺動する。この摺動量に応じてフォーク9b及び押圧部材8cが移動することによって、摩擦板8a・8b同士が圧接する。これにより、補助クラッチ8が接続する。補助クラッチ8の接合力は、この摺動量に応じて設定される。
従って、図2に示すように、旋回内側である左サイドクラッチ6Lが切断した状態に移行しても、右大径ギア25Rから左大径ギア25Lへと、即ち、右駆動列3Rから左駆動列3Lへと、設定された接合力に応じたトルクが補助クラッチ8を介して伝達される。これにより、旋回内側である左車軸4Lに、若干の駆動力が付与される。これにより、旋回中に予想外の走行抵抗を受けることによって旋回内側の左車軸4Lが停止する事態を防止できる。従って、オペレータが所望する旋回を得ることができる。
次に、補助クラッチ8の接合圧を調節する手段等について説明する。図1に示すように、トランスミッション2を備えた車両には、補助クラッチ8の接合圧の設定用操作具として、レバー12が設けられている。補助クラッチ用シフタ9を制御するためのアーム16は、レバー12の操作位置に対応した位置に回動することにより、補助クラッチ用シフタ9の位置を制御するとともに、レバー12の操作によって設定された値に摩擦板8a・8b同士の圧接度を対応させる。
更に、車両には、レバー12の操作によって設定された値から補助クラッチ接合圧を任意に増大することができるように、ペダル13が設けられている。ペダル13は、リンク機構14を介して、アーム16に機械的に連結されている。
ペダル13が使用される状況の例は、例えば、車両が旋回中にぬかるみにはまった場合である。旋回する車両において、旋回外側の駆動列3からは、レバー12の操作によって設定された接合圧で接続している補助クラッチ8を介して、サイドクラッチ6が切断した状態にある旋回内側の駆動列3へと動力が伝達される。しかしながら、オペレータは、設定された補助クラッチ8の接合圧では動力の伝達量が足りないと感じる場合等に、緊急的にペダル13を踏み込むことにより、その踏込み量に応じて補助クラッチ8の接合力を増大させることができる。
ここで、ペダル13は、その踏込み操作により、補助クラッチ8の接合圧を、レバー12の操作によって設定された接合圧よりも増大させるためのものである。従って、踏み込まれていないペダル13の位置(ペダル13の非踏込み位置)を、レバー12の操作によって設定された接合圧を現出させる位置に固定しておくことが考えられる。
次に、操向操作手段としての操向レバー11の操作に基づいたサイドクラッチ6の作動及びサイドブレーキ7の作動について、図7を用いて説明する。
図7は、操向レバー11の背面図である。
操向レバー11は、その傾倒角度Tを零とする直進位置から左右各側に最大角度Tmaxまで傾倒可能な構成を有する。操向レバー11の基端のボス部11aが、水平方向且つ前後方向を向く枢軸51に装着されている。枢軸51は、相対移動不能に車両に設けられている。操作レバー11は、枢軸51の軸心を中心にして左右に回動自在である。
なお、直進位置(傾倒角度T=0)から左方の傾倒角度Tを左傾倒角度LT、直進位置から右方の傾倒角度Tを右傾倒角度RTとする。後述のようにコントローラ10による操向用アクチュエータ34の制御によって、操向レバー11を直進位置から左側に傾倒して左傾倒角度LTを増大させるにつれ、左シフタ5Lが左方(外側方)へと摺動し、操向レバー11を直進位置から右側に傾倒して右傾倒角度RTを増大させるにつれ、右シフタ5Rが右方(外側方)へと摺動する。
操向レバー11の傾倒角度Tが直進位置から左右各側の角度T1に達するまでは旋回内側のサイドクラッチ6は接続したまま、即ち、両サイドクラッチ6L・6Rが接続したままであるため、直進状態が保持される。直進位置から角度T1までの傾倒角度Tの範囲は、サイドクラッチ6の「遊び」の領域である。傾倒角度Tが角度T1に達すると、左側のバルブスイッチ53L又は右側のバルブスイッチ53RがONに切り替わるとともに、旋回内側のサイドクラッチ6が切断する。傾倒角度Tが角度T1以上且つ角度T2未満において増大する場合には、旋回内側のサイドクラッチ6が切断している一方、旋回内側のサイドブレーキ7はまだ作動しない状態であって、旋回内側の車軸4が慣性力で空転可能な状態である。
傾倒角度Tが角度T2に達すると、旋回内側のサイドブレーキ7の摩擦板7a・7b同士が圧接し始める。即ち、旋回内側のサイドブレーキ7が効き始める。傾倒角度Tが角度T2から最大角度Tmaxに向けて増大するにつれて、旋回内側のサイドブレーキ7の摩擦板7a・7b同士の圧接度、即ち、サイドブレーキ7の制動力が増大する。傾倒角度Tが最大角度Tmaxに達した時点では、旋回内側のサイドブレーキ7の摩擦板7a・7b同士が十分に圧接しているため、旋回内側の車軸4の回転を確実に停止できる。
次に、左右の操向用アクチュエータ34L・34Rを含む車両操向用アクチュエータセットの構造について、図8乃至図10を用いて説明する。
図8は、シフタ5を作動させる操向用アクチュエータ34の背面断面図である。
図9は、操向用アクチュエータ34の一部断面を含む背面図である。
図10は、操向用アクチュエータ34の側面断面図である。
車両操向用アクチュエータセットは、油路ブロック38に、電磁式方向制御弁32とリリーフ弁33と操向用アクチュエータ34とが組み入れられた構成を有する。なお、図1に図示される一方で図8乃至図10には図示されない一対のチェック弁39も油路ブロック38に組み入れられている。
油路ブロック38には、互いに平行である左右一対のシリンダ孔が形成されている。各シリンダ孔には、ピストン35と、ピストンロッド36と、ピストン35を初期位置に向かって押すバネ37とが組み入れられている。このようにして、左右一対の油圧アクチュエータである操向用アクチュエータ34L・34Rが構成されている。各ピストンロッド36の先端は、油路ブロック38から突出しており、回動軸30L・30Rの外端にそれぞれ接続される。
各シリンダ孔のうち、ピストンロッド36に対して反対側に位置するピストン35の一側は、作動油室34aを構成する。また、シリンダ孔の中央部には、リリーフポート34bが設けられている。油路ブロック38には、ポンプポート38aとドレンポート38dとが設けられている。ポンプポート38aは、油圧ポンプ31(図1参照)からの吐出油を受け付ける流入孔である。ドレンポート38dは、油路ブロック38内からミッションケース20の内部へと油を排出するための流出孔である。
車両操向用アクチュエータセットは、ポンプポート38aから油路ブロック38に流入した吐出油が、方向制御弁32を介して、左操向用アクチュエータ34Lの作動油室34a、右操向用アクチュエータ34Rの作動油室34a、及び、ドレンポート38dのうちのいずれかに送られるように構成されている。また、車両操向用アクチュエータセットは、左右の操向用アクチュエータ34L・34Rのリリーフポート34bからの油が、各チェック弁39を介して合流した後に、ドレンポート38dへと送られるよう構成されている。
方向制御弁32がコントローラ10からの指令信号に基づいて位置制御されることにより、各操向用アクチュエータ34L・34Rの作動油室34aへの油の供給と作動室34aからの油の排出とが制御される。このように、方向制御弁32のソレノイド制御に基づいて制御されるという意味において、操向用アクチュエータ34は、電子制御式アクチュエータである。
各操向用アクチュエータ34について、該当するシフタ5が内側方の最大摺動位置にあってサイドクラッチ6が接続するようにセットされた状態は、操向用アクチュエータ34の非作動状態である。
方向制御弁32は、左旋回位置L、中立位置N、右旋回位置Rの三つの位置に切換可能な構成を有する(図1参照)。方向制御弁32は、コントローラ10からの指令信号に基づき、ソレノイド32aの励磁且つソレノイド32bの解磁によって左旋回位置Lに位置制御される。また、方向制御弁32は、ソレノイド32bの励磁且つソレノイド32aの解磁によって右旋回位置Rに、両ソレノイド32a・32bの解磁によって中立位置Nに、位置制御される。
方向制御弁32は、左旋回位置Lにあるときに、左操向用アクチュエータ34Lの作動油室34aをポンプポート38aに連通して、左操向用アクチュエータ34Lを作動状態にする。また、右操向用アクチュエータ34Rの作動油室34aをドレンポート38dに連通して、右操向用アクチュエータ34Rを非作動状態にする。一方、方向制御弁32は、右旋回位置Rにあるときに、右操向用アクチュエータ34Rの作動油室34aをポンプポート38aに連通して、右操向用アクチュエータ34Rを作動状態にする。また、左操向用アクチュエータ34Lの作動油室34aをドレンポート38dに連通して、左操向用アクチュエータ34Lを非作動状態にする。そして、方向制御弁32は、中立位置Nにあるときに、ポンプポート38a及び両操向用アクチュエータ34L・34Rの作動油室34aをドレンポート38dに連通して、両操作用アクチュエータ34L・34Rを非作動状態にする。図8においては、左操向用アクチュエータ34Lが作動状態に伸長し、右操向用アクチュエータ34Rが非作動状態に収縮している。
図8に示すように、方向制御弁32は、ソレノイドセット32cを備え、油路ブロック38に組み入れられている。ソレノイドセット32cには、両ソレノイド32a・32b(図1参照)が組み込まれ、コントローラ10からの指令信号32Ls・32Rsを受け付けることができるように、ハーネス32dによってコントローラ10が接続されている。指令信号32Lsを受けることによってソレノイド32aが励磁され、一方、指令信号32Rsを受けることによってソレノイド32bが励磁される(図1参照)。
図7に示すように、操向レバー11の基端のボス11aには、扇形状を有するアーム52が連結されている。アーム52の円弧型縁の一部には、凹み52aが設けられている。車両において、アーム52の近傍には、左右のバルブスイッチ53L・53Rが設けられている。各バルブスイッチ53L・53Rの押当子53aは、アーム52の凹み52a内に位置している。操向レバー11が直進位置(傾倒角度T=0)の位置にあるときには、両方の押当子53aが凹み52aに嵌入している。これにより、バルブスイッチ53L・53Rは、OFFの状態となる。コントローラ10は、左右のバルブスイッチ53L・53RがOFFの状態であるときに、方向制御弁32を中立位置N(図1参照)に制御する。
直進位置から左側又は右側に操向レバー11を回動させると、一方の押当子53aは、凹み52aから抜けてアーム52の円弧型縁に押される。これにより、左側のバルブスイッチ53L又は右側のバルブスイッチ53RがスイッチONの状態となる。それから、ソレノイド32a・32bのいずれかが励磁されるようにコントローラ10からの指令信号により、方向制御弁32が左旋回位置L又は右旋回位置Rに切り替えられる。そして、方向制御弁32の位置制御に応じて、左右の操向用アクチュエータ34L・34Rのうちのいずれかの作動油室34aに油圧ポンプ31(図1参照)から吐出油が供給される。
リリーフ弁33(図8参照)は、リリーフ圧が可変である可変リリーフ弁として構成されている。バネ受け41の位置調整によってバネ43の圧縮度を調整することにより、その圧縮度に応じてリリーフ圧が調整される。このリリーフ圧の調整により、作動状態とされた操向用アクチュエータ34のピストンロッド36が更に伸長可能となり、その伸長量が調整され、即ち、旋回内側のシフタ5の外側方への摺動量が設定される。その摺動量に応じて、サイドブレーキ7の制動力(摩擦板7a・7bの圧接度)が決定される。
ここで、リリーフ弁33の構造について詳述する。図8に示すように、リリーフ弁33は、油路ブロック38において鉛直方向に沿って組み入れられている。リリーフ弁33は、ポート部材40、バネ受け41、リリーフ弁体42、及び、バネ43を有する。ポート部材40は、油路ブロック38に固定されている。バネ受け41は、ポート部材40の下部に配置されるとともに、上下に摺動自在に油路ブロック38に組み入れられている。リリーフ弁体42は、上下に摺動自在にポート部材40内嵌入されている。圧縮コイルバネであるバネ43は、バネ受け41内に設けられている。バネ43の上端は、リリーフ弁体42に押し当てられており、下端はバネ受け41の底面に押し当てられている。
ポート部材40の上端部には、油路ブロック38において上方に向かって開口する入口ポート33aが形成されている。ポート部材40の中央部には、水平方向に向かって開口する吐出ポート33bが形成されている。入口ポート33aは、両操向用アクチュエータ34L・34Rのリリーフポート34bに連通している。吐出ポート33bは、油路ブロック38内に形成された油路38bを介して、ドレンポート38dに連通している。なお、図8乃至図10には図示されていないが、ドレンポート38d側への逆流を防ぐチェック弁39L・39R(図1参照)は、それぞれ、各操向用アクチュエータ34L・34Rのリリーフポート34bと入口ポート33aとの間に形成される各油路の途中に設けられている。
リリーフ弁体42が上方に摺動することによって入口ポート33aが閉じられるので、リリーフ弁33が作動する。即ち、操向用アクチュエータ34のピストン35の摺動によって作動油室34aがリリーフポート34bに連通する状態になっていても、リリーフポート34bからリリーフ弁33までリリースされた油がドレンポート38dまでドレンされることはないので、作動油室34a内の油圧においては、ピストン35に対するストローク圧が保たれる(作動油室34a内の油圧は、ピストン35を更にストロークさせることができる程度に保たれる)。
一方、リリーフ弁体42が下方に摺動することによって入口ポート33aが吐出ポート33bに連通するので、リリーフ弁33が非作動状態となる。即ち、入口ポート33aが開いている場合には、操向用アクチュエータ34のピストン35の摺動によって作動油室34aがリリーフポート34bに連通する状態になっていれば、そのリリーフポート34bからリリーフ弁33までリリースされた油がドレンポート38dにドレンされる。従って、リリーフ弁33の非作動状態においては、作動油室34a内の油圧は、それ以上ピストン35をストロークさせることができない状態にまで低下する。
リリーフ弁体42とバネ受け41の底面との間に設けられるバネ43は、リリーフ弁体42を上方に押している。ポート部材40に対して上下に摺動可能なバネ受け41の上下位置の調整により、バネ43の撓み量が調整される。これにより、リリーフ弁33のリリーフ圧が調整される。
更に、ポート部材40に対してバネ受け41の位置が所定位置から下方に移動すると、バネ受け41の底面とリリーフ弁体42との間の距離が、バネ43の自然長よりも大きくなる。このとき、リリーフ弁体42には、バネ43による押圧力がかからない。よって、入口ポート33aが吐出ポート33bに連通して、リリーフ弁33は非作動状態となる。バネ43を自然長に保つ(即ち、リリーフ弁体42にバネ43の押圧力を負荷しない)バネ受け41のこの摺動領域は、後述するように、旋回内側のサイドクラッチ6が接続したままの状態に保たれる操向レバー11の傾倒範囲(即ち、傾倒角度Tが角度T1未満である範囲)に対応する。
バネ受け41を上下に移動させる手段としては、油路ブロック38内において、リリーフ弁33の下方にカム板44が設けられている。ここで、図9と図10とに示すように、バネ受け41の底端部の外面は、正面視(背面視又は側面視)において下向きに突出した円弧形状を有する。図9に示すように、バネ受け41の底端部の形状に合わせて、カム板44の上端部には、正面(背面)視において円弧状の凹部44aが形成されている。バネ受け41を上下に移動させるこの手段は、カム板44における凹部44aのカムとしての左右両側部分にバネ受け41の底端部が乗り上げることにより、バネ受け41が上昇するように構成されている。
油路ブロック38には、カム枢軸部材45が挿入されている。カム枢軸部材45は、前後方向を向く軸心を有する。カム枢軸部材45の外端部は、油路ブロック38の外部に配置されている。この外端部には、カム操作アーム46が固定されている。カム枢軸部材45の内端部が、図9に示すようにブッシュ45aに嵌め込まれることにより、油路ブロック38内において回動自在に支持されている。カム板44は、カム枢軸部材45に固定されている。
なお、図10に示すように、油路38bの下方においては、油路38bと平行の油路38cが形成されている。油路38bと油路38cとは、ドレンポート38dに連通する。カム板44が固定されたカム枢軸部材45は、油路38cの一部が拡張されることによって構成される室内に配置されている。
図8乃至図10に示すように、カム操作アーム46は、リンク機構50を介して、操向レバー11のアーム52に連結されている。リンク機構50は、アーム52側のリンクロッド47、カム操作アーム46側のリンクロッド49、及び、リンクロッド47とリンクロッド49とを連結するリンクアーム48によって構成される。リンクロッド47の一端部47aは、アーム52に回転自在に連結されている。リンクロッド47の他端部47bは、リンクアーム48の一端部に回転自在に連結されている。リンクロッド49の一端部49aは、リンクアーム48の他端部に回転自在に連結され、リンクロッド49の他端部49bは、カム操作アーム46の先端に回転自在に連結されている。リンクアーム48は、リンクロッド47・49が連結される両端部の間の部分において、枢軸48aに支持されている。
操向レバー11の回動によってリンクロッド47が押し引きされると、リンクアーム48が枢軸48aを中心にして回動する。これにより、リンクロッド49が押し引きされ、更に、カム操作アーム46がカム枢軸部材45を中心に回動する。図9に示すカム操作アーム46の操作位置Sは、図7に示す操向レバー11の直進位置(傾倒角度T=0)に対応する。カム操作アーム46は、この操作位置Sから上方と下方とに回動可能であり、操作位置Sよりも上方の位置Lmは、最大角度Tmaxに達した操向レバー11の左傾倒角度LTに対応する。一方、操作位置Sよりも下方の位置Rmは、最大角度Tmaxに達した操向レバー11の右傾倒角度RTに対応する。
なお、設計上の都合で、カム操作アーム46の上下回動方向と操向レバー11の左右回動方向との関係は、上述と逆の関係であってもよい。カム操作アーム46が操作位置Sから上方又は下方のいずれかに回動しても、即ち、操向レバー11を直進位置から左右のいずれかに傾倒しても、カム板44における凹部44aの左右両側のカムのいずれかが、カム操作アーム46の回動角度に応じたリフト量によってバネ受け41を押し上げる。
直進位置から右方又は左方に傾倒することによって操向レバー11が角度T1で傾倒するときに、操向レバー11に連係されたリリーフ弁33において、バネ受け41は、バネ43を自然長に保つ範囲の限界位置である上述の所定位置まで移動する。一方、作動状態の操向用アクチュエータ34において、作動油室34aとリリーフポート34bとの連通が開始されるときに位置するピストン35の摺動位置(ピストンロッド36の伸長量)は、クラッチ爪6bが分配ギア22のクラッチ爪6aから外れるとき、即ち、サイドクラッチ6が切断されるときに位置するシフタ5の摺動位置に対応する。
従って、オペレータが操向レバー11を直進位置から角度T1まで傾倒する場合に、旋回内側のサイドクラッチ6が切断する時点において、作動状態にある操向用アクチュエータ34のリリーフポート34bからリリーフ弁33の入口ポート33aに、作動油室34a内の油がリリーフされる。この時点においては、バネ受け41が上述の所定位置に達していることにより、リリーフ弁体42が摺動上端位置にあるとしてもリリーフ弁体42とバネ受け41の底面との間隔はバネ43の自然長に一致する。また、入口ポート33aが閉じられ、且つ、リリーフ弁33が作動状態となっている。しかし、この時点において、バネ43の押圧力(即ち、リリーフ圧)が略零であるため、入口ポート33aにリリーフポート34bからの油が流入すると直に、リリーフ弁体42は、流入する油の圧力によって押し下げられる。従って、この時点においては、作動油室34a内の油圧が吐出ポート33bに開放されることによってピストン35のストロークが停止し、且つ、シフタ5の摺動位置は、サイドクラッチ6が切断していてもサイドブレーキ7がまだ作動しない位置に留まる。
リリーフポート34bが作動油室34aに連通した以後は、操向レバー11の操作によって角度T1から最大角度Tmaxまでの範囲において任意に設定される傾斜角度Tに基づいて、バネ受け41の位置が設定される。設定されるバネ受け41の位置に基づき、バネ43の撓み量、即ち、リリーフ弁33のリリーフ圧が設定される。従って、作動状態の操向用アクチュエータ34のピストン35は、設定されたリリーフ圧に作動油室34a内の油圧が達するまで油圧で押される。これにより、ピストン35は、シフタ5を摺動させる。そして、作動油室34a内の油圧が設定されたリリーフ圧に達することによって、リリーフ弁33が開かれる。リリーフ弁33が開かれるこの時点において、ピストン35及びシフタ5の摺動が停止する。このリリーフ圧の上昇に応じて旋回内側のサイドブレーキ7の摩擦板7a・7b同士が圧接し、その圧接度に対応する制動力が旋回内側の車軸4に作用する。
次に、方向制御弁32、リリーフ弁33、及び、操向用アクチュエータ34の作動について、操向レバー11を直進位置から左方に回動する場合を例に説明する。
操向レバー11を直進位置から左方に回動し始めると、左側のバルブスイッチ53Lの押当子53aがアーム52の凹み52aから抜け、バルブスイッチ53LがONする。これに伴って、コントローラ10から指令信号32Lsが発せられる。指令信号32Lsに基づいてソレノイド32aが励磁することにより、方向制御弁32が左旋回位置Lに移動する。これにより、左操向用アクチュエータ34Lの作動油室34aに油が供給される。作動油室34aに流入する油の圧力に応じて、ピストン35が移動するとともにピストンロッド36が油圧ブロック38の外部に伸長する。そして、左シフタ5Lが外側に移動する。
一方、カム操作アーム46は、操向レバー11の傾倒角度Tが増大するにつれ、図9に示す操作位置Sから位置Lmに向かって回動する。カム操作アーム46の回動に伴って、カム板44は、回動するとともにリリーフ弁33のバネ受け41を上方に押し上げる。その押し上げ量に応じて、バネ43の圧縮度、即ち、リリーフ弁33のリリーフ圧が設定される。バネ43が自然長に保たれるバネ受け41のこの押し上げの範囲は、リリーフポート34bと作動油室34aとが連通するまでのピストン35のストロークの範囲に対応している。従って、傾倒角度Tが角度T1に達するまでは、リリーフ弁33の作動又は非作動とは関係なく、ピストン35が摺動するとともにピストンロッド36が油路ブロック38の外部に伸長していく。
操向レバー11の傾倒角度Tが角度T1に到達する場合には、ピストン35及びこれに連係されるシフタ5Lが傾斜角度Tに対応する位置にまで摺動することによって、左シフタ5L側のクラッチ爪6bが分配ギア22側のクラッチ爪6aから外れる。即ち、左サイドクラッチ5Lが切断する。左サイドクラッチ5Lが切断する時点において、リリーフポート34bは、作動油室34aに連通している。角度T1以上且つ角度T2未満の傾倒角度Tの範囲において、リリーフ弁33のバネ受け41は、リリーフ作動する位置にセットされる。角度T2以上且つ最大角度Tmax以下の傾倒角度Tの範囲においては、リリーフ圧によって決定される左シフタ5Lの位置に応じて、左サイドブレーキ7Lの制動力が決定される。そして、左傾倒角度LTが最大角度Tmaxに達すると、カム操作アーム46が図9に示す位置Lmにまで回動することによって、バネ受け41が最大量押し上げられる。これにより、バネ43の撓み量、即ち、リリーフ圧が最大になる。そして、左シフタ5Lが外側方の最大摺動位置まで移動することにより、左サイドブレーキ7Lが最大制動力を発揮する。
次に、操向レバー11に操作抵抗を作用させる抵抗機構70について、図11を用いて説明する。
図11は、第1実施形態の操向制御システム1に用いられる操向レバー11に連結される抵抗機構70の背面断面図である。
抵抗機構70は、リニア式の流体ダンパである。なお、抵抗機構としては、ロータリ式の流体ダンパが用いられてもよい。抵抗機構70は、シリンダ72、枢軸73、アーム74、及び、ピストンロッド75を有する。シリンダ72には、ケース72aとケース72bとが接合されることによって形成されている。シリンダ72の内部には、油又は気体が封入されている。トランスミッション2が搭載される車両のフレーム(図示せず)には、抵抗機構70のうちのケース72a・72bが固定される。これにより、車両における抵抗機構70の位置が決定される。
アーム74は、枢軸73を介して操向レバー11に連結されている。アーム74は、ピストンロッド75の一端に固定されている。
ピストンロッド75は、操向レバー11の傾倒に伴って図中の左右に移動できる。操向レバー11が左方に傾倒する場合に、ピストンロッド75は、図中の左方に移動し、且つ、操向レバー11が右方に傾倒する場合に、ピストンロッド75は、図中の右方に移動する。シリンダ72において、ピストンロッド75が貫通するケース72a・72bの壁部には、それぞれ、オイルシール76a・76bが取り付けられている。
シリンダ72の内部には、受圧室71が形成されている。受圧室71内には、流体が満たされている。受圧室71は、サイドクラッチ領域Rn、右サイドブレーキ領域Rfa、及び、左サイドブレーキ領域Rfbを含む。シリンダ72の内周壁の形状によって、これらの領域の境界を形成する内周壁の位置が領域ごとに異なっている。詳細には、シリンダ72の内周壁のうち、右サイドブレーキ領域Rfaを形成する穴72d及び左サイドブレーキ領域Rfbを形成する穴72eの外径は、サイドクラッチ領域Rnを形成する穴72cよりもピストン部75cの外径に近い。
ピストンロッド75のピストン部75cは、ピストンロッド75の中部においてフランジ状に突出する部分である。ピストン部75cには、オリフィス孔75dが形成されている。オリフィス孔75dは、ピストン部75cの右押圧面75eから左押圧面75fに渡って貫通している。また、ピストン部75cの外周壁面75hには、オイルシール76cが取り付けられている。ピストン部75cは、操向レバー11の傾倒に伴って、ピストンロッド75とともに移動する。
シリンダ72の内周壁には、段差72fと段差72hとが形成されている。段差72fを境に、シリンダ72の内部が右サイドブレーキ領域Rfaとサイドクラッチ領域Rnとに区画される。段差72hを境に、シリンダ72の内部がサイドクラッチ領域Rnと左サイドブレーキ領域Rfbとに区画される。
受圧室71内の流体は、右サイドブレーキ領域Rfaをピストン部75cが移動する場合及び左サイドブレーキ領域Rfbをピストン部75cが移動する場合には、オリフィス孔75dを通過する必要がある。そのため、サイドクラッチ領域Rnにあるピストン部75cが右方に移動することによってピストン部75cの右押圧面75eが右サイドブレーキ領域Rfaに進入する時には、操向レバー11に掛かる操作抵抗が増大する。一方、右サイドブレーキ領域Rfaにあるピストン部75cが左方に移動することによってピストン部75cの外周壁面75hが段差72fを通過する時には、操向レバー11に掛かる操作抵抗が減少する。サイドクラッチ領域Rnと左サイドブレーキ領域Rfbとの間を移動するピストン部75cによって、操向レバー11に掛かる操作抵抗は同様に増大又は減少する。
サイドクラッチ領域Rnから右サイドブレーキ領域Rfaへ右押圧面75eが進入を開始する時点は、右サイドクラッチ6Rの切断の開始点に一致する。サイドクラッチ領域Rnから右サイドブレーキ領域Rfaへ右押圧面75eが進入を開始する時点とは、ピストン部75cが移動する方向に沿って、右押圧面75eの位置が段差72fの位置に一致する時点である。サイドクラッチ領域Rnから左サイドブレーキ領域Rfbへ左押圧面75fが進入を開始する時点は、左サイドクラッチ6Lの切断の開始点に一致する。サイドクラッチ領域Rnから左サイドブレーキ領域Rfbへ左押圧面75fが進入を開始する時点とは、ピストン部75cが移動する方向に沿って、左押圧面75fの位置が段差72hの位置に一致する時点である。
右サイドブレーキ7Rが最大制動力を発揮する状態において、ピストン部75cの右押圧面75eは、シリンダ72の内周壁の一端面72iに接しておらず、右サイドブレーキ領域Rfaに位置している。左サイドブレーキ7Lが最大制動力を発揮する状態において、ピストン部75cの左押圧面75fは、シリンダ72の内周壁の他端面72jに接しておらず、左サイドブレーキ領域Rfbに位置している。
一方、右サイドブレーキ領域Rfaからサイドクラッチ領域Rnに向かってピストン部75cが移動する場合には、ピストン部75cが移動する方向に沿って右押圧面75eの位置が段差72fの位置に一致する時点までに、操向レバー11に操作抵抗が掛かる。この操作抵抗によって操向レバー11の回動が抑制されるため、右サイドクラッチ6Rの切断状態から接続状態への移行が抑制される。そして、右サイドブレーキ領域Rfaからサイドクラッチ領域Rnに向かってピストン部75cが移動する場合に、ピストン部75cの外周壁面75hが段差72fを通過した後には、操向レバー11に掛かる操作抵抗が解消される。このように、抵抗機構70は、右サイドブレーキ7Rが最大制動力を発揮する状態から、右サイドクラッチ6Rの切断状態の開始点に右サイドクラッチ6Rが戻る間に、右サイドクラッチ6Rの切断状態から接続状態への迅速な移行を抑制する操作抵抗を操向レバー11に作用させる。
また、左サイドブレーキ領域Rfbからサイドクラッチ領域Rnに向かってピストン部75cが移動する場合に、ピストン部75cが移動する方向に沿って左押圧面75fの位置が段差72hの位置に一致する時点までには、操向レバー11に操作抵抗が掛かる。この操作抵抗によって操向レバー11の回動が抑制されるため、左サイドクラッチ6Lの切断状態から接続状態への移行が抑制される。そして、左サイドブレーキ領域Rfbからサイドクラッチ領域Rnに向かってピストン部75cが移動する場合に、ピストン部75cの外周壁面75hが段差72hを通過した後には、操向レバー11に掛かる操作抵抗が解消される。このように、抵抗機構70は、左サイドブレーキ7Lが最大制動力を発揮する状態から、左サイドクラッチ6Lの切断状態の開始点に左サイドクラッチ6Lが戻る間に、左サイドクラッチ6Lの切断状態から接続状態への迅速な移行を抑制する操作抵抗を操向レバー11に作用させる。
以上の操向レバー11の傾倒角度Tと操向レバー11に掛かる抵抗機構70による操作抵抗の値との関係を示したものが、図12のグラフである。
傾倒角度Tが直進位置から角度T1までの範囲において操向レバー11が傾倒する場合に操向レバー11に掛かる操作抵抗は、所定の最小値R0である。操向レバー11の傾倒により、傾倒角度Tが角度T1に達する時点において、操作抵抗が増大し始める。また、操向レバー11が更に傾倒することによって操作抵抗が所定の一定値Rhに達した後には、その値Rhが、サイドブレーキ7が最大制動力を発揮する状態に至るまで、即ち、傾倒角度Tが最大角度Tmaxに至るまで持続する。
一方、サイドブレーキ7が最大制動力を発揮する状態からサイドクラッチ6の切断状態の開始点にサイドクラッチ5が戻る場合、即ち、傾倒角度Tが最大角度Tmaxから角度T1に向かって減少する場合には、操向レバー11に一定値Rhの操作抵抗が掛かる。また、操向レバー11の傾倒角度Tが更に減少することにより、操作抵抗は最小値R0となる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態としての操向制御システムについて、図13を用いて説明する。なお、以下において、第1実施形態の操向制御システム1の構成と同一の構成については、同符号を付し、説明を省略する。
図13は、第2実施形態の操向制御システムに用いられる操向レバー110、及び、操向レバー110に連結される摩擦機構80の背面図である。図13(A)は、操向レバー110が直進位置にある操向レバー110及び摩擦機構80の状態を示しており、図13(B)は、操向レバー110が直進位置から右方に傾倒した状態にある操向レバー110及び摩擦機構80の状態を示している。
抵抗機構としての摩擦機構80は、アーム81、隆起部材82、ストッパ83、支持杆84、枢軸85、ボス86、及び、引張バネ87を有する。トランスミッション2が搭載される車両のフレームには、摩擦機構80のうちの枢軸85が固定される。これにより、車両における摩擦機構80の位置が決定される。
支持杆84の基部であるボス86は、枢軸85に回転自在に連結されている。支持杆84は、枢軸85の中心軸線85cを中心にして回転できる。支持杆84の一端には隆起部材82が設けられ、他端部には引張バネ87の一端が取り付けられている。引張バネ87の他端は、車両のフレームに対して固定されている。
アーム81は、操向レバー110の操作に応じて図中の時計回りと反時計回りとに回転可能に、ボス111に取り付けられる。アーム81は、ボス111に対して操向レバー110の反対側に位置する。扇形状を有するアーム81のうち、円弧形状の縁の中心部は、その両脇の部分よりも凹んでいる。この中心部を非摩擦領域81aと称し、これら両脇の部分を摩擦領域81b・81cと称する。
なお、図示しないが、操向レバー110の基端のボス111には、第1実施形態の操向制御システム1における操向レバー11と同様に、左右のバルブスイッチ53L・53RのONとOFFとを切り替える機構を備える(図7参照)。
引張コイルバネである引張バネ87は、隆起部材82をアーム81に向かわせるように支持杆84を引っ張っている。これにより、支持杆84には、支持杆84を枢軸85回りに回転させる弾性力が掛かっている。言い換えると、支持杆84には、隆起部材82を上方に移動させる弾性力が掛かっている。
しかしながら、弾性力による支持杆84の回転力及び隆起部材82の移動力は、ストッパ83によって制限されている。ストッパ83は、車両のフレームに対して固定されている。操向レバー110の傾倒角度Tが角度T1未満である状態においては、支持杆84がストッパ83に接触することにより、隆起部材82が非摩擦領域81aの下方に位置してアーム81に接触しない。このように、ストッパ83は、アーム81に対する隆起部材82の接触を制限している。
隆起部材82は、操向レバー110の傾倒に応じて、サイドブレーキ7が作動する状態のときにアーム81に接触するとともに、制動力が解消される場合にアーム81との接触が解消される。なお、隆起部材82は、円柱形状を有し、その周囲に摩擦材が貼付されている。
操向レバー110が傾倒することにより、傾倒角度Tが角度T1に達する時点において、アーム81の摩擦領域81b・81cに対する隆起部材82の接触が開始されるため、支持杆84とストッパ83との接触が解消される。操向レバー110が右方に傾倒する場合には、摩擦領域81bに隆起部材82が接触する。操向レバー110が左方に傾倒する場合には、摩擦領域81cに隆起部材82が接触する。摩擦領域81b・81cに隆起部材82が接触するときには、アーム81の円弧形状の縁と隆起部材82との間において摩擦が生じるため、操向レバー110の傾倒を抑制する操作抵抗が操向レバー110に掛かる。
右サイドブレーキ7Rが最大制動力を発揮する状態において、隆起部材82は、円弧形状の縁の端から外れることはなく、摩擦領域81bに接触している。左サイドブレーキ7Lが最大制動力を発揮する状態において、隆起部材82は、円弧形状の縁の端から外れることはなく、摩擦領域81cに接触している。
摩擦領域81bに隆起部材82が接触している状態から操向レバー110が左方に傾倒する場合に、隆起部材82の摩擦領域81bに対する接触が解消される時点までには、操向レバー110に操作抵抗が掛かる。この操作抵抗によってアーム81及び操向レバー110の回動が抑制されるため、右サイドクラッチ6Rの切断状態から接続状態への移行が抑制される。そして、隆起部材82の摩擦領域81bに対する接触が解消される非摩擦領域81aにアーム81が回転すると、操向レバー110に掛かる操作抵抗が解消される。
また、摩擦領域81cに隆起部材82が接触している状態から操向レバー110が右方に傾倒する場合に、隆起部材82の摩擦領域81cに対する接触が解消される時点までには、操向レバー110に操作抵抗が掛かる。この操作抵抗によってアーム81及び操向レバー110の回動が抑制されるため、左サイドクラッチ6Lの切断状態から接続状態への移行が抑制される。そして、隆起部材82の摩擦領域81cに対する接触が解消される非摩擦領域81aにアーム81が回転すると、操向レバー110に掛かる操作抵抗が解消される。
このように、摩擦機構80は、サイドブレーキ7が最大制動力を発揮する状態から、サイドクラッチ6の切断状態の開始点にサイドクラッチ6が戻る間に、サイドクラッチ6の切断状態から接続状態への迅速な移行を抑制する操作抵抗を操向レバー110に作用させる。
なお、操向レバー110の傾倒角度Tと操向レバー110に掛かる摩擦機構80による操作抵抗の値との関係については、上述の図12に示すものと同様である。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態としての操向制御システムについて、図14を用いて説明する。なお、以下において、第1実施形態の操向制御システム1の構成と同一の構成については、同符号を付し、説明を省略する。
図14は、第3実施形態の操向制御システムを適用したトランスミッション2aの一部平面断面図である。
第3実施形態の操向制御システムは、摩擦部21fを含む抵抗機構88を備える。摩擦部21fは、シフタ5がサイドクラッチ軸21に対して摺動する範囲においてサイドクラッチ軸21の外表面に形成されている。摩擦部21fは、サイドクラッチ軸21の表面よりも大きい摩擦係数を有する。摩擦部21fは、サイドクラッチ軸21の外表面に摩擦材を被覆して形成されている。
なお、摩擦部21fとしては、サイドクラッチ軸21の外表面に表面加工が施されることによって形成されるものであってもよく、サイドクラッチ軸21の外表面に貼り付けられるシート状のものであってもよい。
なお、トランスミッション2aの右部が図示されていないが、サイドクラッチ軸21の右部にも、摩擦部21fは形成されている。
左シフタ5Lが外側方(左方)に移動することによってブッシュ5dが摩擦部21fに接触する時には、左シフタ5Lに掛かる摺動抵抗が増大する(一定値Rh(図12参照))。一方、左シフタ5Lが内側方(右方)に移動することによってブッシュ5dと摩擦部21fとの接触が解消される時には、左シフタ5Lに掛かる摺動抵抗が減少する(最小値R0(図12参照))。左シフタ5Lが外側方(左方)に移動することによってブッシュ5dの外端5d1と摩擦部21fとの接触が開始される時点は、左サイドクラッチ6Lの切断の開始点に一致する。
左サイドブレーキ7Lが最大制動力を発揮する状態において、ブッシュ5dの内端5d2は、摩擦部21fよりも図中の左方(外側方)には位置しておらず、ブッシュ5dは摩擦部21fに接触している。
ブッシュ5dと摩擦部21fとが接触している状態において、左シフタ5Lが内側方(右方)に移動する場合に、ブッシュ5dと摩擦部21fとの接触が解消される時点までには、左シフタ5Lに摺動抵抗(Rh)が掛かる。この摺動抵抗(Rh)は、左サイドクラッチ6Lの切断状態から接続状態への移行を抑制する。しかし、左シフタ5Lが内側方(右方)に移動する場合に、ブッシュ5dの外端5d1が摩擦部21fを通過した後には、左シフタ5Lに掛かる摺動抵抗(Rh)が解消(R0)される。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態としての操向制御システムについて、図15を用いて説明する。なお、以下において、第1実施形態の操向制御システム1の構成と同一の構成については、図示されているものには同符号を付し、説明を省略する。
図15は、第4実施形態の操向制御システムに用いられる操向レバー120、及び、操向レバー120に操作抵抗を作用させる抵抗機構89を示す図である。図15(A)は、操向レバー120及び抵抗機構89の背面図である。図15(B)は、図15(A)に示すB−B線の断面図である。図15(C)は、操向レバー120の傾倒角度と抵抗機構89による操作抵抗の値との関係を示すグラフである。
抵抗機構89は、デテント機構90を含む。デテント機構90は、ボール93、ボール93が摺接する板部91並びにそれと対向するボール93保持用のケース92、及び、圧縮コイルバネであるバネ94を有する。板部91には、右側凹部91aと左側凹部91bとが設けられている。右側凹部91aと左側凹部91bとは、板部91の表面91cから窪んだ部分である。板部91は、トランスミッション2が搭載される車両のフレームに固定される。これにより、車両における板部91の位置が決定される。
ケース92は、操向レバー120に固定されている。ケース92は、フック部92aとキャップ部92bとを含む。バネ94は、キャップ部92bの底に受けられている。ボール93は、キャップ部92bの外に向かってバネ94に押されている。ケース92においては、フック部92aが操向レバー120に固定されている。操向レバー120が傾倒すると、ケース92も一緒に移動する。そのときのケース92の移動軌跡と一致するように、板部91はアーチ状に形成されている。
操向レバー120が直進位置にある場合には、ボール93は、右側凹部91aと左側凹部91bとの中間に位置して何れにも嵌っておらず、板部91の表面91cに接している。また、傾倒角度Tが増大して角度T1に達する時点においても、ボール93は板部91の表面91cに接している。操向レバー120の右傾倒角度RTが角度T2に達する時点においては、右側凹部91aにボール93が嵌り込む。
操向レバー120の左傾倒角度LTが角度T2に達する時点においては、左側凹部91bにボール93が嵌り込む。傾倒角度Tが角度T2以上で操向レバー120が更に傾倒する場合に、ボール93は、右側凹部91a又は左側凹部91bから板部91の表面91cに乗り上げたうえで、再度、表面91c上を移動する。右側凹部91a又は左側凹部91bに嵌り込んだボール93を板部91の表面91cに乗り上げさせる場合にだけ、オペレータが操作する操向レバー120に操作抵抗(Rh)が掛かる。
左右のサイドブレーキ7L・7Rが最大制動力を発揮する状態において、ボール93は、表面91cに接触している。ボール93が表面91cの上を滑動するときには、操向レバー120に操作抵抗(R0)が掛かる。
このように、抵抗機構89は、サイドブレーキ7が最大制動力を発揮する状態から、サイドクラッチ6の切断状態の開始点にサイドクラッチ6が戻るときに、短時間だけサイドクラッチ6の切断状態から接続状態への移行を抑制する操作抵抗を操向レバー120に作用させる。
なお、第1実施形態〜第4実施形態において、トランスミッション2・2aは、オイル量検知用のボルト19を有する(図4参照)。ボルト19は、ミッションケース20のうち、サイドクラッチ6とサイドブレーキ7とを収容する部分に位置している。ミッションケース20には、ボルト19を通すための孔20aが形成されている。
孔20aの位置の詳細について、サイドクラッチ軸21の軸心21cから摩擦板7aの根元までの距離L1は、軸心21cから孔20aの中心までの距離L2よりも長い。つまり、孔20aの位置は、サイドクラッチ軸21の半径方向に沿って、各サイドブレーキ7の摩擦板7a・7bよりも軸心21cの近くである。
このような位置にオイル量検知用のボルト19が取り付けられることによれば、オペレータは、摩擦板7a・7b同士の十分な潤滑のために必要なオイル量を適切に検知できる。従って、トランスミッション2を傾けて車両に搭載する場合でも、この位置において検知される適切な量のオイルによって摩擦板7a・7bを適切に潤滑することができる。そのため、サイドクラッチ6及びサイドブレーキ7の焼き付きを防止できる。なお、このような位置に、目盛の付いた取付式の油面計を設けることにより、ミッションケース20の外部からオイル量を目視できるように、ミッションケース20が構成されていてもよい。
次に、ミッションケース20に車軸4を組み付けるための構成について、図5を用いて説明する。
図5は、ミッションケース20に固定されるアクスルケース4sを示す図であって、トランスミッション2・2aの一部の平面断面図である。
ミッションケース20は、左側部分20Lと右側部分20Rとを含む。左側部分20Lと右側部分20Rとは、互いに分離可能に接合されている。ミッションケース20の右側部分20Rには、右車軸4Rが固定されている。同様に、左車軸4Lは、ミッションケース20の左側部分20Lに固定される(図示せず)。
車軸4を収容するアクスルケース4sは、ボルト4bによってミッションケース20に固定されている。車軸4の内側端は、アクスルケース4sから突出したうえで、大径ギア27に差し込まれている。アクスルケース4sは、ブラケット4aを有する。ブラケット4aを含むアクスルケース4sは、複数のボルト4bを取り外すことによってミッションケース20から分離される。このとき、車軸4を大径ギア27から抜くことができる。図5においては、ミッションケース20の右側に右車軸4Rが取り付けられており、ミッションケース20の左側から左車軸4L(図1参照)が取り外されている。
更に、複数のボルト20bをミッションケース20から取り外すことによって、右側部分20Rのうちの外側部分2Reを内側部分2Riから分離できる。外側部分2Reが内側部分2Riから取り外されることによって、軸受27aと軸受27bとともに大径ギア27をミッションケース20の外部に取り出すことができる。
このような構成によれば、ミッションケース20の外部から、大径ギア27、小径ギア26、及び、車軸4を含むアクスルケース4sを容易に交換することができる。更に、現状の小径ギア26及び現状の大径ギア27と、現状とは異なる歯数を有する小径ギア26と、現状とは異なる歯数を有する大径ギア27とを用いたうえで、これらの組み合わせを替えることによって、駆動列3の減速比を適宜変更できる。また、これらを定期的に容易に交換又は整備することができる。
次に、ミッションケース20におけるブリーザ60の構成について、図3及び図6を用いて説明する。図6は、ミッションケース20におけるブリーザ60の構成を示す斜視図である。なお、図中には、トランスミッション2・2aの左右方向と上下方向とを示す。
図3に示すように、ミッションケース20の上面又は下面ではなく、前面部には、塀部Peが形成されている。塀部Peは、ミッションケース20の前面部においてリブ状に隆起した部分である。塀部Peは、鋳造によってミッションケース20を製造する際に成形される。また、この前面部は、後述の第一室R1と第二室R2と第三室R3とを含むブリーザ室の仕切壁69を構成する。
図6に示すように、塀部Peの端面20sは平面であって、操向用アクチュエータ34が組み込まれた油路ブロック38における接合面が、端面20sに装着される。塀部Peには、4つの螺子孔Phが形成されている。油路ブロック38は、4つの螺子孔Phにボルト38fがそれぞれ埋め込まれることによって、ミッションケース20に固定される(図3と図6とにおいては、2つのボルト38fのみを図示する)。
塀部Peは、第一仕切壁P1と第二仕切壁P2とを含む。第一仕切壁P1と第二仕切壁P2とにより、塀部Peによって囲まれる領域は、第一室R1と第二室R2と第三室R3に区画される。ミッションケース20の前面部のうち、第一室R1の側面が形成される部分には、連通口61が形成されている。連通口61は、ミッションケース20の内部と第一室R1とを連通する小孔である。更に、ミッションケース20の内部には、空気導入口20iが形成されている(図3参照)。第一室R1の内部には、連通口61と空気導入口20iとを通って空気が導入される。
第一仕切壁P1には、スリット状の連通溝62が形成されている。第二仕切壁P2には、スリット状の連通溝63が形成されている。連通溝62によって、第一室R1と第二室R2とが連通する。連通溝63によって、第二室R2と第三室R3とが連通する。更に、塀部Peのうち、第三室R3を囲う部分には、スリット状のブリーザ溝64と、連通口65とが形成されている。ブリーザ溝64は、第三室R3とミッションケース20の外部とを連通する。なお、ブリーザ溝64に代えて、必要に応じて塀部Peの側面に連通口を設ける。連通口65は、第三室R3とミッションケース20の外部とを連通する小孔である。連通口65には、上方を向くブリーザ管66が取り付けられる。図6においては、ブリーザ溝64とブリーザ管65との両方を図示しているが、ブリーザ60は何れか一つを有していればよい。
以上のように、トランスミッション2・2aのブリーザ60には、ミッションケース20の上面部ではなく、前面部が利用されている。また、ブリーザ60における何れの開口及び溝もミッションケース20の上面を向いていない。即ち、雨や水等が入り難い位置に、これら開口及び溝が形成されている。
1 操向制御システム
3L・3R 駆動列
5L・5R シフタ
6L・6R サイドクラッチ
7L・7R サイドブレーキ
11 操向レバー(操向操作手段)
20 ミッションケース
21 サイドクラッチ軸
21f 摩擦部
70・88・89 抵抗機構
80 摩擦機構

Claims (5)

  1. 左右の走行装置に対し原動機の動力を分配するための一対の駆動列のそれぞれに、爪式のサイドクラッチ及びサイドブレーキを設けた操向制御システムにおいて、
    前記サイドブレーキの制動状態から前記サイドクラッチの接続状態への移行を抑制する抵抗機構を備える、操向制御システム。
  2. 車両の旋回方向及び旋回半径を設定する操向操作手段を備え、
    前記抵抗機構は、前記操向操作手段に操作抵抗を作用させるダンパを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の操向制御システム。
  3. 車両の旋回方向及び旋回半径を設定する操向操作手段を備え、
    前記抵抗機構は、前記操向操作手段に操作抵抗を作用させる摩擦機構を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の操向制御システム。
  4. 一対の前記駆動列を覆うミッションケースと、
    前記ミッションケースに相対回転自在に支持されるサイドクラッチ軸と、
    各前記サイドクラッチ軸に摺動自在に取り付けられるシフタとを備え、
    前記抵抗機構は、前記サイドブレーキが制動する前記シフタの位置から、前記サイドクラッチの接続位置に前記シフタが戻る間に、前記シフタに抵抗を作用させる、ことを特徴とする請求項1に記載の操向制御システム。
  5. 前記抵抗機構は、前記サイドクラッチ軸の表面よりも大きい摩擦係数を有する摩擦部であって、
    前記摩擦部は、前記シフタが前記サイドクラッチ軸に対して摺動する範囲において前記サイドクラッチ軸の外表面に形成されている、ことを特徴とする請求項4に記載の操向制御システム。
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