JP2017141004A - 作業車両 - Google Patents

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伊藤 志郎
Shiro Ito
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Abstract

【課題】油圧多板クラッチ形態のPTOクラッチの製作の容易化を図る。【解決手段】ミッションケース12内に前後支持メタル部材80,81を設け、これら前後支持メタル部材80,81には、PTOクラッチ38の油圧多板クラッチC5を備えた出力伝動軸85を支持し、前記前後支持メタルの一方側支持メタル81に、出力伝動軸85の端部を支持する軸受用孔85jを形成すると共に、該一方側支持メタル81部から突出し軸受83を嵌合し得る円柱部81aと、この円柱部81aの一部を膨出状に形成し内部に油路を形成したブロック部81b,81cと、摩擦板制動機構の制動板91bを係合して回転方向の移動を規制する固定部としての延長部81dを一体成形してなる。【選択図】図9

Description

本発明は、農業用トラクタ等の作業車両に関し、特にPTOクラッチ機構の改良に関する。
従来の農業用トラクタの後部に作業機を回転駆動するためのPTO軸を設けている。例えば特許文献1におけるように、ミッションケースの後部に装着されるPTO軸の近傍において、同一軸心に設けられた駆動軸と従動軸の間に、油圧多板クラッチを設けた構成が公知である(特許文献1)。
特開2005−90664号公報
上記の特許文献1の構成では、油圧多板クラッチの後部に従動側の軸を設ける必要があり、このため、ピストン部への作動油供給の油路は、従動軸を前後に長く穿設しなければならず、加えて潤滑油用油路の都合2本の油路を形成する必要があり製作加工に手間を要する。またクラッチバルブはミッションケースの後面に設けることとなるため、作業機連結用3Pリンクブラケットの装着に制約を生じる。
この発明は上記に鑑み、油路形成関連構成のための製作容易化を図る。
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
請求項1に記載の発明は、例えば、ミッションケース12内に前後支持メタル部材80,81を設け、前記前後支持メタル部材80,81には、PTOクラッチ38の油圧多板クラッチC5を備えた入力伝動軸38b又は出力伝動軸85の少なくとも一方を支持し、前記前後支持メタル部材の一方側支持メタル部材81に、入力伝動軸38b又は出力伝動軸85の端部を支持する軸受用孔85jを形成すると共に、該一方側支持メタル81部から突出し軸受83を嵌合し得る円柱部81aと、この円柱部81aの一部を膨出状に形成し内部に油路を形成したブロック部81b,81cと、摩擦板制動機構の制動板91bを係合して回転方向の移動を規制する固定部としての延長部81dを一体成形してなる作業車両とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、例えば、前記前後支持メタル部材の一方側支持メタル部材81は、複数の軸を平行に支持でき、該支持メタル部材81に形成された前記軸受用孔85jは、他の軸受用孔が貫通状態であるのに対し、盲状の孔座に形成され、前記入力伝動軸38b又は出力軸85の端部を支持する構成とした。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、例えば、作動油の供給を受けて油圧多板クラッチC5の駆動側摩擦板84a,84a…及び従動側摩擦板86a,86a…の係合と離脱を切り替えるピストン87に対して前記作動油を供給する作動油供給油路88は、前記一方側支持メタル81のブロック部81b,81cに穿設した油路88a〜88cと、前記油圧多板クラッチC5の駆動側シリンダ84に形成する油路88d,88eとを有する。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、例えば、駆動側摩擦板84a,84a…及び従動側摩擦板86a,86a…に潤滑油を供給する潤滑用油路89は、前記入力伝動軸38b又は出力伝動軸85に前後方向に穿設した潤滑第1油路89aと、該潤滑第1油路89aに連続すべく該入力伝動軸38b又は出力伝動軸85の半径方向に穿設した潤滑第2油路89bと、該潤滑第2油路の開口に一致させて前記駆動側シリンダ84又は従動側シリンダ86のボス部に穿設した潤滑第3油路89cとを有する。
本発明によると、前後支持メタルの一方側支持メタル81は複数の軸を支持すると共に、PTOクラッチ38の入力伝動軸38b又は出力伝動軸85の端部を支持するが、この一方側支持メタル81には、軸受用孔85jを形成し軸受83を嵌合し得る円柱部81aと、この円柱部81aの一部を膨出状に形成し内部に油路を形成したブロック部81bと、制動板91bの凸条部91cを係合して回転方向の移動を規制する固定部としての延長部81cを一体的に成形して、PTOクラッチ38をコンパクトにかつ組み立て容易とする。
トラクタ全体の側面図である。 トラクタ全体の正面図である。 トラクタ全体の背面図である。 トラクタ全体の平面図である。 伝動機構を示す線図である。 (A)は特に走行系伝動機構を示す断面図、(B)は特にPTO系伝動機構を示す断面図である。 (A)(B)はPTO軸支持構成及び防塵構造を示す断面図、(C)はその背面図である。 ミッションケースの側面図である。 PTOクラッチの拡大側断面図である。 後支持メタル装着状態を示す背面図である。 (A)は後支持メタルの正面図、(B)は後支持メタルの背面図、(C)は(B)のS1−S1断面図、(D)は(B)のS2−S2断面図である。 油圧回路図である。 (A)は時間−電流関係グラフ、(B)は時間−圧力関係グラフである。 (A)は前後進切替機構の制御ブロック図、(B)は比例ソレノイドの電流制御ブロック図である。 (A)はクラッチ支持構成を示す側面図、(B)はその一部の拡大図である。 (A)は踏み込み量(ポテンショメータ値)−電流関係グラフ、(B)は踏み込み量(ポテンショメータ値)−圧力関係グラフである。 フローチャート図である。 フローチャート図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図4に示す本実施形態の作業車両としてのトラクタ1は、動力源が発生する動力によって、自走しながら圃場等での作業を行う農用トラクタ等の作業車両である。トラクタ1は、前輪2と、後輪3と、動力源としてのエンジン4と、変速装置(トランスミッション)5とを備えている。このうち、前輪2は、主に操舵用の車輪、すなわち、操舵輪として設けられる。後輪3は、主に駆動用の車輪、すなわち、駆動輪として設けられる。後輪3には、機体前部のボンネット6内に搭載されるエンジン4で発生した回転動力を、変速装置(トランスミッション)5で適宜減速して伝達可能になっており、後輪3は、この回転動力によって駆動力を発生する。また、この変速装置5は、エンジン4で発生した回転動力を、必要に応じて前輪2にも伝達可能になっており、この場合は、前輪2と後輪3との四輪が駆動輪となり駆動力を発生する。すなわち、変速装置5は、二輪駆動と四輪駆動との切り替えが可能になっており、エンジン4の回転動力を減速し、減速された回転動力を前輪2、後輪3に伝達可能である。また、トラクタ1は、機体後部に、ロータリ(図示省略)等の作業機を装着可能な連結装置7が配設されている。連結装置7は、例えば、中央上部のトップリンク7aや下部左右のロアリンク7b,7bからなる3点リンクとされ、トラクタ1の機体後部に作業機を連結する。トラクタ1は、後術のように左右のリフトアームを油圧で回動することで、リフトロッド、このリフトロッドと連結しているロアリンク7b等を介して作業機を昇降させることができる。
トラクタ1は、機体上の操縦席8の周りはキャビン9で覆われている。トラクタ1は、キャビン9の内部において、操縦席8前側のダッシュボード10からステアリングハンドル11が立設されると共に、操縦席8の周りにクラッチペダル、ブレーキペダル、アクセルペダル等の各種操作ペダルや前後進レバー、変速レバー等の各種操作レバーが配置されている。
図5は、変速装置5のミッションケース12内の伝動機構13を示す線図である。変速装置5は、ミッションケース12(図1参照)と、このミッションケース12内に配置されエンジン4から後輪3等へ回転動力を伝達する伝動機構13とを含んで構成される。伝動機構13は、エンジン4からの回転動力を前輪2、後輪3、及び、機体に装着した作業機に伝達し、これらをエンジン4からの回転動力によって駆動するものである。
具体的には、伝動機構13は、入力軸14、前後進切替機構15、高低変速機構としてのHi−Lo変速機構16、主変速機構17、副変速機構18、2WD/4WD切替機構19、PTO駆動機構20等を含んで構成される。伝動機構13は、エンジン4が発生させた回転動力を入力軸14、前後進切替機構15、Hi−Lo変速機構16、主変速機構17、副変速機構18を順に介して後輪3に伝達することができる。また、伝動機構13は、エンジン4が発生させた回転動力を入力軸14、前後進切替機構15、Hi−Lo変速機構16、主変速機構17、副変速機構18、2WD/4WD切替機構19を順に介して前輪2に伝達することができる。さらに、伝動機構13は、エンジン4が発生させた回転動力を入力軸14、PTO駆動機構20を順に介して作業機に伝達することができる。
入力軸14は、エンジン4の出力軸に結合されており、エンジン4からの回転動力が入力される。
前後進切替機構15は、エンジン4から伝達された回転動力を、前進方向回転又は後進方向回転に切り替え可能なものである。前後進切替機構15は、前進側ギヤ段15a、後進側ギヤ段15b、逆転カウンタギヤ15c、油圧多板クラッチ形態の前進油圧多板クラッチC1、後進油圧多板クラッチC2を含んで構成される。前・後進油圧多板クラッチC1、C2は、係合/解放状態を切り替えることで前後進切替機構15における動力の伝達経路を切り替え可能である。前後進切替機構15は、前・後進油圧多板クラッチC1、C2の係合/解放状態に応じて入力軸14に伝達された回転動力を、伝達経路を変えてカウンタ軸21に伝達する。
前後進切替機構15は、前進油圧多板クラッチC1が係合状態、後進油圧多板クラッチC2が解放状態である場合に、入力軸14に伝達された回転動力を、前進側ギヤ段15a、前進油圧多板クラッチC1を介して前進方向回転でカウンタ軸21に伝達する。前後進切替機構15は、前進油圧多板クラッチC1が解放状態、後進油圧多板クラッチC2が係合状態である場合に、入力軸14に伝達された回転動力を後進側ギヤ段15b、逆転ギヤ15c、後進油圧多板クラッチC2を介して後進方向回転で、カウンタ軸21に伝達する。これにより、前後進切替機構15は、トラクタ1の前後進を切り替えることができる。
また、前後進切替機構15は、メインクラッチとしても機能し、前・後進油圧多板クラッチC1、C2を共に解放状態とすることで、ニュートラル状態となり、前輪2、後輪3側への動力伝達を遮断することができる。前後進切替機構15は、例えば、作業員によって前後進切替レバーが操作されることで油圧制御によって前進、後進、ニュートラルを切り替えることができる。また、クラッチペダルを踏み込み操作することで前・後進油圧多板クラッチC1、C2を共に解放状態にできる。
Hi−Lo変速機構16は、エンジン4から伝達された回転動力を、高速段又は低速段で変速可能なものである。Hi−Lo変速機構16は、Hi(高速)側ギヤ段16a、Lo(低速)側ギヤ段16b、油圧多板クラッチ(Hi(高速)側クラッチ)C3、油圧多板クラッチ(Lo(低速)側クラッチ)C4を含んで構成される。油圧多板クラッチC3、C4は、係合/解放状態を切り替えることでHi−Lo変速機構16における動力の伝達経路を切り替え可能である。Hi−Lo変速機構16は、油圧多板クラッチC3、C4の係合/解放状態に応じて、カウンタ軸21に伝達された回転動力を、伝達経路を変えて変速軸22に伝達する。Hi−Lo変速機構16は、油圧多板クラッチC3が係合状態、油圧多板クラッチC4が解放状態である場合に、カウンタ軸21に伝達された回転動力を、油圧多板クラッチC3、Hi側ギヤ段16aを介して変速して変速軸22に伝達する。
Hi−Lo変速機構16は、油圧多板クラッチC3が解放状態、油圧多板クラッチC4が係合状態である場合に、カウンタ軸21に伝達された回転動力を、油圧多板クラッチC4、Lo側ギヤ段16bを介して変速して変速軸22に伝達する。これにより、Hi−Lo変速機構16は、エンジン4からの回転動力をHi側ギヤ段16aの変速比、あるいは、Lo(低速)側ギヤ段16bの変速比で変速して後段に伝達することができる。Hi−Lo変速機構16は、例えば、作業員によって図外Hi−Lo切替スイッチ(高低変速操作スイッチ)がオン/オフされることで油圧制御によってHi(高速)側、Lo(低速)側を切り替えることができ、高速と低速の2段のうちのいずれかで変速することができる。また、Hi−Lo変速機構16は、上記の構成によりトラクタ1の走行中に変速可能である。
主変速機構17は、エンジン4から伝達された回転動力を、複数の変速段のいずれかで変速可能である。主変速機構17は、シンクロメッシュ式の変速機構であり、ここでは、エンジン4から前後進切替機構15、及び、Hi−Lo変速機構16を介して伝達される回転動力を変速可能である。主変速機構17は、複数の変速段として第1速ギヤ段17a、第2速ギヤ段17b、第3速ギヤ段17c、第4速ギヤ段17d、第5速ギヤ段17e、第6速ギヤ段17fを含んで構成される。主変速機構17は、第1速ギヤ段17a〜第6速ギヤ段17fの変速軸22との結合状態に応じて、変速軸22に伝達された回転動力を、第1速ギヤ段17a〜第6速ギヤ段17fのいずれかを介して変速して変速軸23に伝達する。これにより、主変速機構17は、エンジン4からの回転動力を第1速ギヤ段17a〜第6速ギヤ段17fのいずれかの変速比で変速して後段に伝達することができる。主変速機構17は、例えば、作業員によって主変速操作レバー(図示せず)が操作されることで複数の変速段のうちの1つを選択し切り替えることができ、第1速ギヤ段17a〜第6速ギヤ段17fの6段のうちのいずれかで変速することができる。また、主変速機構17は、上記の構成によりトラクタ1の走行中に変速可能である。
副変速機構18は、エンジン4から前後進切替機構15、Hi−Lo変速機構16、及び、主変速機構17を順に介して伝達される回転動力を変速可能である。副変速機構18は、第1副変速機24、第2副変速機25等を含んで構成され、変速軸23に伝達された回転動力を、第1副変速機24、第2副変速機25等を介して変速して変速軸26に伝達する。第1副変速機24は、エンジン4から伝達され主変速機構17等で変速された回転動力を高速段又は低速段で変速して駆動輪である後輪3側に伝達可能である。第2副変速機25は、エンジン4から伝達され主変速機構17等で変速された回転動力を第1副変速機24よりもさらに低速の超低速段で変速して駆動輪である後輪3側に伝達可能である。なお、第2副変速機25は仕様の簡素化等が求められる場合には省略するものである。
副変速機構18の第1副変速機24は、第1ギヤ24a、第2ギヤ24b、第3ギヤ24c、第4ギヤ24d、シフタ24eを含んで構成される。第1ギヤ24aは、変速軸23と一体回転可能に結合され変速軸23からの回転動力が伝達(入力)される。第2ギヤ24bは、第1ギヤ24aと噛み合っている。第3ギヤ24cは、第2ギヤ24bと一体回転可能に結合されている。第4ギヤ24dは、第3ギヤ24cと噛み合っている。シフタ24eは、第1ギヤ24a、第4ギヤ24dと変速軸26との結合状態を切り替えるものである。すなわち、変速軸26と一体に設けるクラッチ爪26aと、第1ギヤ24aに一体のクラッチ爪24acと、第4ギヤ24dに一体のクラッチ爪24dcとが同径同歯数に形成されて隣接状態に配置されており、シフタ24eがクラッチ爪26aとクラッチ爪24acが同時係合すると第1ギヤ2aから変速軸26に動力が伝わり、クラッチ爪26aとクラッチ爪24dcが同時係合すると第4ギヤ24dから変速軸26に動力が伝わる構成である。なおシフタ24eがクラッチ爪24ac及びクラッチ爪24dcのいずれにも係合しない位置にシフト可能に各クラッチ爪を配置構成している。
シフタ24eは、第1ギヤ24aと変速軸26とを一体回転可能に結合するHi(高速)側位置、第4ギヤ24dと変速軸26とを一体回転可能に結合するLo(低速)側位置、第1ギヤ24a、第4ギヤ24dのいずれもが変速軸26と結合せず、解放される中立位置(ニュートラル位置)に移動可能である。第1副変速機24は、シフタ24eの位置に応じて、変速軸23に伝達された回転動力を、伝達経路を切り替えて変速軸26に伝達する。
副変速機構18の第2副変速機25は、第1ギヤ25a、第2ギヤ25b、第3ギヤ25c、第4ギヤ25d、シフタ25eを含んで構成される。第1ギヤ25aは、第1副変速機24の第4ギヤ24dと一体回転可能に結合されている。第2ギヤ25bは、第1ギヤ25aと噛み合っている。第3ギヤ25cは、第2ギヤ25bと一体回転可能に結合されている。第4ギヤ25dは、第3ギヤ25cと噛み合っている。シフタ25eは、第4ギヤ25dと変速軸26との結合状態を切り替えるものである。すなわち、変速軸26と一体に設けるクラッチ爪26bと、第4ギヤ25dに一体のクラッチ爪25dcとが同径同歯数に形成されて隣接状態に配置されており、シフタ25eがクラッチ爪26bとクラッチ爪25dcが同時係合すると第4ギヤ25dから変速軸26に動力が伝わる構成である。
シフタ25eは、第4ギヤ25dと変速軸26とを一体回転可能に結合する超Lo(超低速)側位置、第4ギヤ25dと変速軸26とが結合されず、解放される中立位置(ニュートラル位置)に移動可能である。この場合は、変速軸26の回転は、第1副変速機24のシフタ24e位置に支配される。第2副変速機25は、シフタ25eの位置に応じて、変速軸23に伝達された回転動力を、伝達経路を切り替えて変速軸26に伝達する。第2副変速機25は、第1副変速機24がニュートラルの状態で、シフタ25eが超Lo側位置にある場合、変速軸23に伝達された回転動力を、第1副変速機24の第1ギヤ24aから、第2ギヤ24b、第3ギヤ24c、第4ギヤ24d、第2副変速機25の第1ギヤ25a、第2ギヤ25b、第3ギヤ25c、第4ギヤ25d、シフタ25eを介して順次減速して変速軸26に伝達する。これにより、第2副変速機25は、エンジン4からの回転動力を、第2ギヤ24b、第3ギヤ24c、第4ギヤ24d、第1ギヤ25a、第2ギヤ25b、第3ギヤ25c、第4ギヤ25dを介した超Lo(超低速)側の変速比で変速して後段に伝達することができる。また、第2副変速機25は、シフタ25eが中立位置にある場合、第4ギヤ25dが変速軸26に対して空転する状態、すなわち、ニュートラルの状態となる。
したがって、副変速機構18は、変速軸23に伝達された回転動力を、第1副変速機24と第2副変速機25とを組み合わせることで、高速と低速と超低速の3段のうちのいずれかで変速して変速軸26に伝達することができる。
そして、変速装置5の伝動機構13は、変速軸26に伝達された回転動力を、後輪デフ27、後車軸28、減速用の遊星歯車減速機構29等を介して後輪3に伝達する。この結果、トラクタ1は、後輪3がエンジン4からの回転動力により駆動輪として回転駆動する。
2WD/4WD切替機構19が油圧多板クラッチC6、C7を含んで構成されると共に、前輪増速機構としても機能する。2WD/4WD切替機構19は、伝達軸19a、Hi(高速)側ギヤ段19b、Lo(低速)側ギヤ段19c、油圧多板クラッチ(Lo(低速)側クラッチ)C6、油圧多板クラッチ(Hi(高速)側クラッチ)C7、伝達軸19dを含んで構成される。油圧多板クラッチC6、C7は、係合/解放状態を切り替えることで2WD/4WD切替機構19における動力の伝達経路を切り替え可能である。2WD/4WD切替機構19は、油圧多板クラッチC6、C7の係合/解放状態に応じて、伝達軸19aに伝達された回転動力を、伝達経路を変えて伝達軸19dに伝達する。2WD/4WD切替機構19は、油圧多板クラッチC6が係合状態、油圧多板クラッチC7が解放状態である場合に、伝達軸19aに伝達された回転動力を、Lo側ギヤ段19c、油圧多板クラッチC6を介して変速して伝達軸19dに伝達する。
2WD/4WD切替機構19は、変速軸26に伝達された回転動力を、前輪2側に伝達するか否かを切り替えるものである。2WD/4WD切替機構19は、伝達軸19a、Hi側ギヤ段19b、Lo側ギヤ段19c、伝達軸19d、シフタ19e含んで構成される。伝達軸19aは、変速軸26からの回転動力が、ギヤ30、ギヤ31、伝達軸32、カップリング33等を介して伝達(入力)される。第1ギヤ19bは、伝達軸19aが挿入され、当該伝達軸19aに対して相対回転可能に組み付けられる。
変速装置5の伝動機構13は、伝達軸19dに伝達された回転動力を、前輪デフ34、前車軸35、縦軸36、遊星歯車減速機構37等を介して前輪2に伝達する。この結果、トラクタ1は、前輪2及び後輪3がエンジン4からの回転動力により駆動輪として回転駆動し、四輪駆動で走行することができる。2WD/4WD切替機構19は、油圧多板クラッチC6、C7が共に解放状態となることで、伝達軸19aに伝達された回転動力の伝達軸19d側への動力伝達が遮断される。この結果、トラクタ1は、二輪駆動で走行することができる。
PTO駆動機構20は、エンジン4から伝達される回転動力を変速して機体後部のPTO軸40(図5参照)から作業機に出力することで、エンジン4からの動力によって作業機を駆動するものである。PTO駆動機構20は、PTOクラッチ機構38、PTO変速機構39、PTO軸40等を含んで構成される。
PTOクラッチ機構38は、PTO軸40側への動力の伝達と遮断とを切り替えるものである。PTOクラッチ機構38は、ギヤ38a、油圧多板クラッチC5、入力伝動軸38bを含んで構成される。ギヤ38aは、入力軸14と一体回転可能に結合されたギヤ41と噛み合っている。油圧多板クラッチC5は、係合/解放状態が切り替わることで、ギヤ38aと入力伝動軸38bとの間の動力の伝達状態を切り替えるものである。PTOクラッチ機構38は、油圧多板クラッチC5が係合状態となることでPTO軸40側へ動力を伝達するPTO駆動状態となり、入力軸14からギヤ41を介してギヤ38aに伝達された回転動力を、油圧多板クラッチC5を介して伝達軸38bに伝達する。PTOクラッチ機構38は、油圧多板クラッチC5が解放状態となることでPTO軸40側への動力の伝達が遮断されたPTO非駆動状態(ニュートラル状態)となり、ギヤ38aに伝達された回転動力の伝達軸38b側への伝達が遮断される。
なお、このトラクタ1は、ギヤ38aと噛み合うギヤ70a、当該ギヤ70aと噛み合うギヤ70b等を介してギヤポンプ70が設けられている。ギヤポンプ70は、伝動機構13等の油圧系統に油圧を付与するものである。
PTO変速機構39は、PTO軸40側に動力を伝達する際に変速を行うものである。PTO変速機構39は、Hi(高速)側ギヤ段39a、Lo(低速)側ギヤ段39b、伝達軸39c、シフタ39dを含んで構成される。PTO変速機構39は、シフタ39dの位置に応じて、入力伝動軸38bに伝達された回転動力を、Hi側ギヤ段39a、あるいは、Lo側ギヤ段39bを介して変速して、伝達軸39cに伝達する。
PTO軸40は、自在継ぎ手軸(図示せず)を介して作業機側入力軸(図示せず)に結合され、エンジン4からの回転動力を作業機に伝達するものである。PTO軸40は、伝達軸39cが機体中心から偏った位置にあるため、第1ギヤ44、第2ギヤ45等を介して伝動可能に機体左右中心に配置される。
PTO軸40支持構成を詳細に説明すると、図7のように、PTO軸40の前側端はミッションケース12内に一体形成された支持壁46に軸支され、途中をミッションケース12後壁に形成した貫通孔部に軸支され、この軸支部の軸受47の移動規制等のため、ミッションケース12の後面にボルトで締結した第1のPTOメタル48を設けている。さらにこの第1のPTOメタル48の後面に第2のPTOメタル49をボルト及びノックピンで締結してなる。上記軸受47と第1のPTOメタル48との間に第1シール50を設け、第1のPTOメタル48の外面と第2のPTOメタル49との間に第2シール51を配設している。即ち、第1シール50は第1のPTOメタル48の内周に形成したシール保持空間に配置し、第2シール51は第2のPTOメタル49の内周に形成したシール保持空間に配置する。
そして、これら第1シール50と第2シール51の間のPTO軸40外周部にはグリスを充填するもので、第1のPTOメタル48にグリスニップル52を設け、該グリスニップル52を経て注入されるグリスはグリス充填孔53を経てPTO軸外周に到達でき、背中向きに対向するシール50,51間にグリスが充填保持される構成としている。
すなわち、前記第1のシール50及び第2のシール51は、それぞれに外周の環状の取付部50a,51aからPTO軸40の外周面に接するシールリップ50b,51bを保持する保持部50c,51cを有し、これら保持部50c,51c同士を適宜の間隔をおいて対向すべく配置することにより、PTO軸40の外周部に環状の空間部が形成される。この空間部に上記グリス充填孔53を連通する。
上記のように、ダブルのシール50,51とグリス充填によって耐泥水性を向上できる。
また、第1、第2のシール50,51はいずれもオイルシールとスリーブを一体化した軸付シール構成としており、取扱い性が良い。
なお、符号54はPTOカバーである。
なお、本実施形態のミッションケース12は、前後方向前側のフロントミッションケース12Fと、前後方向後側のリヤミッションケース12Rとに分かれている。フロントミッションケース12Rとリヤミッションケース12Rの2つのケース構成でもよいが、本実施例では、更にスペーサ状のスペーサケース12Sをこれらのケース12F,12Rとの間に挟んで構成している(図6,図8)。
前記PTO伝動構成において、前記ギヤ41に連動するギヤ38a及びPTOクラッチ38の多板クラッチC5を支持する中空の前記入力伝動軸38bは、クラッチC5及び出力伝動軸85を経由して、高低2速に変速するPTO変速部の前記変速用ギヤ39a,39bに動力を伝達すると共に、前記フロントミッションケース12Fの前後の支持メタル部材80,81を介して支持されている。すなわち、PTO変速用ギヤ39a,39bを前方に、PTOクラッチ38側を後方に向け、軸受を介して前支持メタル80及び後支持メタル81に支持する構成であり、特に後支持メタル81への支持連結構成は次のようになっている。後支持メタル81は、複数の軸を平行に支持でき、上記PTO出力伝動軸85は、その後端面を該後支持メタル81に形成した凹状受部81aに嵌合装着した軸受を介して支持する構成としている。該後支持メタル81は、フロントミッションケース12Fの内周に一体的に成形する取付座12Fa,12Fa…に重合して複数のフランジボルト82,82…(図10では6本)によって固定され、走行系の前記カウンタ軸21,変速軸22,変速軸23,伝達軸32,伝達軸19d及びPTO伝動系の前記出力伝動軸85,伝達軸39c用の夫々軸受用孔21j,22j,23j(21jと同軸芯),32j,19dj,85j及び39cjを形成し夫々に軸受を介在し軸支持している。
上記PTO伝動系の前記出力伝動軸85の支持構造および油圧多板クラッチC5について詳述する。前記後支持メタル81に形成の軸受用孔85jは、その他の軸受用孔が貫通状態であるのに対し、盲状の孔座に形成され、出力伝動軸85の端部を支持する構成となっている。なお、この軸受用孔85jは、後支持メタル81の前側に突出し軸受83を嵌合し得る円柱部81aと、この円柱部81aの一部を膨出状に形成した油路形成用のブロック部81bを一体成形している。該油路形成用のブロック部81bの背面側においてフロントミッションケース12Fの外周に向けて油路形成用の第2のブロック部81cを一体成形している。
入力伝動軸38bに構成される前記油圧多板クラッチC5は、該入力伝動軸38bとスプライン嵌合して一体回転する駆動側シリンダ84と、この駆動側シリンダ84に相対回転可能で軸線方向に摺動自在に支持された駆動側摩擦板84a,84a…と、該入力伝動軸38bと同軸で相対回転自在に設けるPTO出力伝動軸85と、このPTO出力伝動軸85に相対回転不能に支持された従動側シリンダ86と、上記駆動側摩擦板84a,84a…と交互に対向するよう該従動側シリンダ86に相対回転不能で軸線方向に摺動自在に支持された従動側摩擦板86a,86a…と、作動油の供給を受けて上記駆動側摩擦板84a,84a…及び従動側摩擦板86a,86a…の係合、離脱を切り替えるピストン87と、該ピストン87に対して作動油を供給する作動油供給油路88と、上記駆動側摩擦板84a,84a…及び従動側摩擦板86a,86a…に潤滑油を供給する潤滑油供給油路89を備えている。
また、前記ピストン87の前側には作動油の供給による作動圧が解除されるピストン87を前記駆動側摩擦板84a,84a…及び従動側摩擦板86a,86a…の離脱をする方向に付勢するスプリング90を備えている。さらに、このピストン87の外周に突出する突起体を一体に成形し、駆動側シリンダ84の外周側に嵌合させた制動板91,91を係合又は離脱に切り替える構成としている。この制動板91のうち、第1の制動板91aはやや幅広に形成して駆動側シリンダ84の外周に沿って回転且つ軸線方向に摺動自在に設けられ、第1の制動板91aよりもやや薄い第2の制動板91bは同じく駆動側シリンダ84の外周に設けられるが、制動板91bの外周に凸条部91cを形成し、該凸条部91cを固定側に係止させることによって回転不能に構成し、ピストン87が前記駆動側摩擦板84a,84a…及び従動側摩擦板86a,86a…の離脱をする方向に作用するとき、スプリング90の付勢力と相俟って第1及び第2制動板91a,91bを係合させるとともに、駆動側シリンダ84に制動力を付与できる摩擦板制動機構を構成としている。なお、制動板91bの凸条部91cを係合して回転方向の移動を規制する固定部として、前記後支持メタル81のブロック部81bに一体成型する延長部81dを構成する。該延長部81dには貫通孔又は凹部81eを形成し、上記凸条部91cを係合する構成としている。
前記作動油供給油路88は、前記後支持メタル81の第2のブロック部81cに第1油路88aを穿設し、前記ブロック部81bには該第1油路88aに連結すべく穿設した第2油路88bと該第2油路88bに連続する第3油路88cを穿設し、駆動側シリンダ84に形成する環状の第4油路88dに接続されている。第4油路88dはピストン87を収容する室に通じる第5油路88eに連通する。第5油路88eの出口からの作動油によってピストン87を押圧できる構成としている。なお、第1油路88aの入口側は前記フロントミッションケース12Fの取付座12Faと同形態に形成した凸条部12Fbに形成した油路92出口と前後に対向させ両者間に図外Oリングで密閉する構成である。該油路92入口側はフロントミッションケース12の外側面に開口し、この開口部に前記クラッチバルブ57の圧油供給口を対向させて装着するものである。もって上記第1油路88aへの作動油供給が、前記クラッチバルブ57の切替に基づき行われる。
また、前記潤滑油供給油路89は、前記出力伝動軸85に前後方向に穿設した潤滑第1油路89aとこの油路89aに連続すべく該出力伝動軸85の半径方向に穿設した潤滑第2油路89b、及び該潤滑第2油路の開口に一致させて前記従動側シリンダ86のボス部に穿設した潤滑第3油路89cからなる。作動油供給油路88には所定圧力の作動油が供給され、ピストン87を押圧すべくなされるが、必然にこの作動油供給油路88から作動油の滲出が生じ、該滲出油が出力伝動軸85を迂回して潤滑第1油路89aに達することによって駆動側と従動側の摩擦板84a,84bを潤滑できる構成である。なお、出力伝動軸85に第2油路89bと第3油路89cを連通する環状溝89dを形成している。
なお前記ピストン87が作動油の作用を受けないで駆動側と従動側の摩擦板84a,84bが離脱するクラッチオフのとき潤滑第3油路89cから潤滑油が供給されるが、クラッチオンし摩擦板84a,84bが係合すべくピストン87が移動するとそのボス部が潤滑第3油路89cの出口を塞いで潤滑を遮断する構成である。
上記のように、後支持メタル81は複数の軸を支持すると共に、PTOクラッチ38の出力伝動軸85の端部を支持するが、この後支持メタル81には、軸受用孔85jを形成し軸受83を嵌合し得る円柱部81aと、この円柱部81aの一部を膨出状に形成し内部に油路を形成したブロック部81b,81cと、制動板91bの凸条部91cを係合して回転方向の移動を規制する固定部としての延長部81dを一体的に成形して、PTOクラッチ38をコンパクトにかつ組み立て容易とする。
なお、上記実施例では、2重筒構成の出力伝動軸85側を後支持メタル81に軸受する構成としたが、内外入替えて入力伝動軸38b側を支持し、潤滑油路89を構成する形態でもよく、入力伝動軸38bと出力伝動軸85共に軸受支持する構成としてもよい。また、潤滑油供給油路89の第3油路89cについて、上記実施例では従動側シリンダ86側ボスに形成するが、入力伝動軸38bを内側に配置する構成では駆動側シリンダ84側ボスに形成する構成となる。
また、PTOクラッチ機構38はフロントミッションケース12F内に配置する一方、油圧多板クラッチC5の制御用のクラッチバルブ57はフロントミッションケース12Fの左側の外面に設けるものであるから(図8)、油圧多板クラッチC5とクラッチバルブ57の両者は接近状態に配置でき、後支持メタル81に穿設する作動油供給油路に対してクラッチバルブ57の配置設計が容易となる。
図12は油圧回路図で、油圧ポンプ70はメインポンプ70aとサブポンプ70bを備え、メインポンプ70aによる圧油は、一旦外部油圧制御バルブ75に入り、この外部油圧制御バルブ75にアンロード状態に迂回する油路75aを形成し、この油路を介して作業機昇降制御バルブ74に圧油が供給され、作業機昇降シリンダ機構LCに圧油を給排する構成としている。
一方前記サブポンプ70bの圧油は、パワステアリング制御バルブ76、PTOクラッチ制御バルブ77及び前後進クラッチ制御バルブ78に供給されるよう構成されている。
前記クラッチバルブ77は、切替バルブ77aの上手側に電磁比例バルブ77bを配置し、比例ソレノイド77cへの通電電流値の変更により切替バルブ77aへの供給油量を変更調整できる構成とし、油圧多板クラッチC5を徐々に接続するよう構成し、急なオン切替を防いでいる。
前後進切替機構15の前後進多板クラッチC1,C2への圧油の給排制御を司る前後進クラッチ制御バルブ78について説明する。サブポンプ70bから供給される圧油を受けて、前進多板クラッチC1又は後進多板クラッチC2への供給回路に切り替える3位置切替の前後進切替バルブ78aを有する。この前後進切替バルブ78aには前進ソレノイド78af及び後進ソレノイド78arを備え、前進ソレノイド78afの励磁によって前進多板クラッチC1側へ圧油供給し、後進ソレノイド78arの励磁によって後進多板クラッチC2側へ圧油供給できる。該前後進切替バルブ78aの上手側には、2位置切替して圧油を前後進切替バルブ78aに供給可能な状態と供給遮断の状態に切り替える安全バルブ78bと、可変リリーフバルブ78cと、この可変リリーフバルブ78cのリリーフ圧調整用の比例減圧バルブ78dとを備えている。
油圧ポンプ70と前後進切替バルブ78aを結ぶ油路に分岐油路を設けて前記可変リリーフバルブ78cが介装される。該可変リリーフバルブ78cのスプールは、バネとパイロットポートの油圧にて付勢され、このバネ圧とパイロット圧との合算圧によって入口側の油圧を制御する。いま、パイロットポートのパイロット圧が低いときは、該可変リリーフバルブ78cのスプールが開き易くなり、油が多量にタンクへ戻るので、該可変リリーフバルブ78cの入口側の油圧、即ち前記前後進切替バルブ78aへ流れる油圧の圧力が低圧となる。一方、パイロットポートのパイロット圧が高くなるのに伴い、該可変リリーフバルブ78cのスプールが開き難くなり、該可変リリーフバルブ78cの入口側の油圧即ち前記前後進切替バルブ78aへ流れる油圧の圧力が高圧となる。このように、該可変リリーフバルブ78cのパイロット圧を増減することにより、前後進切替バルブ78aへの供給圧を制御できる。なお、前記可変リリーフバルブ78cのパイロット圧を制御するために、ソレノイド式比例減圧バルブ78dが設けられている。該比例減圧バルブ78dは、コントローラからの信号によって比例ソレノイド78dsへの制御電流Isを増減することにより、該比例減圧バルブ78dから出力される圧力が変化し、前記パイロット圧pを制御する構成である。 そして、この制御電流Isが時間経過とともに除々に上昇する関係グラフを予め設定しておくものである。
詳述すると、前記前後進切替バルブ78aの切替作動信号を受け、前進指令又は後進指令の信号を受けると、比例ソレノイド78dsには、制御電流Isとしてクラッチミート状態まで最大電流Imaxが流れ、一旦低下したのち、除々に当該制御電流Isの値が上昇し、再び最大電流Imaxに達するべく設定する(図13(A))。このような制御電流Isの変化は、前記パイロット圧を高低変化させるとともに、前後進切替バルブ78aひいては前進油圧多板クラッチC1又は後進油圧多板クラッチC2への油圧の圧力が制御される(同図(B))。
ところで、前記前後進切替バルブ78aの切替作動は、ステアリングハンドル11の近傍に配設した前後進切替レバー79による。該前後進切替レバー79を、前進F−中立N−後進Rの各操作位置に切り替えることによって、前後進切替バルブ78aを図示の中立Nから前進F側又は後進R側に切替える。すなわち前後進切替レバー79における上記操作位置に対応する前進スイッチ79f、後進スイッチ79r、及び中立スイッチ79nを配設し、各スイッチ79f,79r,79nのオン作動に基づいて前後進切替バルブ78aの前進ソレノイド78af又は後進ソレノイド78arを励磁する構成である(図14(A))。
また、前記クラッチペダル100に、踏み込み量を検出するポテンショメータ101と、踏み込み限度位置を検出するリミットスイッチ102を備える。
具体的には、クラッチペダル100を支持するペダル支持軸103に遊嵌するボス100aにストッパプレート100bを一体的に設ける。常時はスプリング104で上昇側(切側)に付勢するクラッチペダル100の上昇位置を固定ストッパ105に接当する範囲に設定している。このストッパプレート100bの回動範囲内に、リミットスイッチ102を設けている。クラッチオフの踏み込み位置に対応する箇所においてリミットスイッチ102の作動アーム102aを配置させストッパプレート100bの接当によってリミットスイッチ102をオンする構成としている(図15)。
ポテンショメータ101はその本体101aをペダル支持軸103の下方において機体側に適宜固定して設け、該本体101aに回動可能に設ける係止アーム101bの切欠部101cに、クラッチペダル100のアーム部に突出する係止ピン106を係合させて設ける。クラッチペダル100の踏み込みによって、係止ピン106は、係止アーム101bを回動し本体101a内部の検出部を作動させて踏み込み量に相当する検出値を出力できる構成としている。
従って、ポテンショメータ101はペダル踏み込み限度から開放状態までを検出できる形態とし、ペダル踏み込み状態、ペダル開放状態、およびこれらの中間状態を検出でき、該中間状態において、前記比例減圧バルブ78dへの電流値Ipに対応する制御圧力Ppとペダル100の踏み込み量とを予め設定しておき、検出踏み込み量に応じた制御圧力Ppで前進クラッチC1又は後進クラッチC2を作動する構成である(図16)。
フローチャート図17のステップ108〜ステップ111に示すとおりである。即ち、上記クラッチペダル100のポテンショメータ101がペダル踏み込み限度を検出しおよびリミットスイッチ102がオンする状態になると(ステップ112、113)、前記前後進切替バルブ78aのソレノイドが消磁され中立に戻すことにより、前進クラッチC1、後進クラッチC2をともに切りとする(ステップ114、115)。これとともに、前記安全バルブ78bの安全ソレノイド78bsを励磁する。この安全ソレノイド78bsが励磁されると、上手側からの圧油の供給を遮断する。したがって前進クラッチC1又は後進クラッチC2に対して新たな圧油供給が遮断され、不測のクラッチ接合による伝動状態を回避でき安全である。クラッチペダル80の踏み込み限度位置ではクラッチ制御圧力Ppは0であり、一方ポテンショメータ81がクラッチペダル80の開放状態を検出すると、クラッチ制御圧力Ppは設定される最大圧力Pmaxに達する構成である。
比例減圧バルブ78dの比例ソレノイド78dsへの電流制御について、制御コントローラ90の中央処理装置(CPU)は、クロック信号と時間−昇圧特性線(図13(B))に基づいて、同図(A)の関係に基づいて刻々必要な指定電流値Isnを呼出し又は演算し、定電流出力回路に出力する。この定電流出力回路は、上記比例ソレノイド78dsに通電する実際の電流値を常時検出し、微小単位時間毎に当該検出電流値Idと指定電流値Isnとを比較しながら、低いときにはONして高め、高いときにはOFFして低下させるスイッチング動作を行うことにより、CPUが制御電流値Isを指定電流値Isnに略一致させることができる(図14(B))。
ところで、ポテンショメータ101とリミットスイッチ102の設置によって、一方が検出異常を他方で検知できるが、この異常の場合に応急処置を実行してトラクタによる作業を極力中断させないように図っている。例えば、図17のステップ116、117でポテンショメータ101異常が判定された場合、図18のフローチャートのように、リミットスイッチ102のオン出力によって前進(及び後進)ソレノイド78afオフし、前進(及び後進)クラッチC1をオフするが(ステップ201〜ステップ204)、この状態からリミットスイッチ102がオフする、すなわちクラッチペダル100を踏込限度位置から解放することで、前記前後進切替レバーによる昇圧特性線を呼出し(ステップ208)、ポテンショメータ101の異常出力に関わらず、前進(又は後進)油圧多板クラッチC1を入りに切替え、機体を前進させることができる。
12 ミッションケース
38 PTOクラッチ
38b (PTO)入力伝動軸
80,81 支持メタル部材
81a 円柱部
81b ブロック部
81c (第2の)ブロック部
81d 延長部
83 軸受
84 駆動側シリンダ
84a 駆動側摩擦板
85 (PTO)出力伝動軸
85a 軸受用孔
86a 従動側摩擦板
87 ピストン
88 作動油供給油路
88a〜88e 油路
89 潤滑油供給油路
89a,89b,89c 潤滑油路
91 摩擦板制動機構
91b 制動板
C5 油圧多板クラッチ

Claims (4)

  1. ミッションケース(12)内に前後支持メタル部材(80,81)を設け、前記前後支持メタル部材(80,81)には、PTOクラッチ(38)の油圧多板クラッチ(C5)を備えた入力伝動軸(38b)又は出力伝動軸(85)の少なくとも一方を支持し、前記前後支持メタル部材の一方側支持メタル(81)に、前記入力伝動軸(38b)又は出力伝動軸(85)の端部を支持する軸受用孔(38bj)を形成すると共に、該一方側支持メタル(81)から突出し軸受(83)を嵌合し得る円柱部(81a)と、前記円柱部(81a)の一部を膨出状に形成し内部に油路を形成したブロック部(81b,81c)と、摩擦板制動機構の制動板(91b)を係合して回転方向の移動を規制する固定部としての延長部(81d)を一体成形してなる作業車両。
  2. 前記前後支持メタル部材の前記一方側支持メタル(81)は、複数の軸を平行に支持でき、前記一方側支持メタル(81)に形成された前記軸受用孔(38bj)は、他の軸受用孔が貫通状態であるのに対し、盲状の孔座に形成され、前記入力伝動軸軸(38b)又は出力伝動軸(85)の端部を支持する構成とした請求項1に記載の作業車両。
  3. 作動油の供給を受けて油圧多板クラッチ(C5)の駆動側摩擦板(84a,84a…)及び従動側摩擦板(86a,86a…)の係合と離脱を切り替えるピストン(87)に対して前記作動油を供給する作動油供給油路(88)は、前記一方側支持メタル(81)のブロック部(81b,81c)に穿設した油路(88a〜88c)と、前記油圧多板クラッチ(C5)の駆動側シリンダ(84)に形成する油路(88d,88e)とを有する請求項1に記載の作業車両。
  4. 駆動側摩擦板(84a,84a…)及び従動側摩擦板(86a,86a…)に潤滑油を供給する潤滑用油路(89)は、前記伝達軸(38b)に前後方向に穿設した潤滑第1油路(89a)と、該潤滑第1油路(89a)に連続すべく該伝達軸(38b)の半径方向に穿設した潤滑第2油路(89b)と、該潤滑第2油路(89b)の開口に一致させて駆動側シリンダ(84)又は従動側シリンダ(86)のボス部に穿設した潤滑第3油路(89c)とを有する請求項1に記載の作業車両。
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