JP2016187766A - マイクロ波加熱用触媒材料、及び、マイクロ波加熱用触媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い排気ガス浄化性能を有し、かつ、排気ガスの温度が低い状態でも排気ガスを浄化することが可能な触媒材料及び触媒体を提供する。
【解決手段】排気ガス浄化用の触媒材料は、マイクロ波を吸収して発熱することが可能な磁性酸化物粒子と、前記磁性酸化物粒子の表面を被覆する触媒担持コート材と、を有する。前記触媒担持コート材は、触媒担持酸化物と、前記触媒担持酸化物に担持されたPt、Pd、Rhのうち少なくとも一種と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の排気ガスを浄化するための触媒材料、及び、触媒材料が基体に担持された触媒体に関する。
従来から、自動車の排気ガスを浄化する触媒材料を利用した排気ガス浄化装置が利用されている。通常の触媒材料が活性化するには250℃以上に加熱する必要があるため、従来は、排気ガスの熱を利用して触媒材料を加熱する。しかしながら、エンジンのコールドスタート直後は排気ガスの温度自体が低いため、触媒材料を十分に加熱することができない。また、近年の環境性能の高い自動車においては、排気ガスの温度が低下する傾向にあり、排気ガスの熱を利用しても触媒材料を十分な活性化温度まで加熱できない場合がある。
この対策として、電気的に触媒を加熱する方法が提案されており、その中でも、マイクロ波で触媒を加熱することが提案されている(特許文献1)。特許文献1の排気ガス浄化装置は、担体としてのハニカムに、白金・ロジウム・パラジウム系三元触媒と、マイクロ波を吸収して発熱するペロブスカイト型複合酸化物とを担持させた触媒成形体を備えたものが例示されている。この触媒成形体にマイクロ波を照射すると、ペロブスカイト型複合酸化物が発熱し、その熱によって三元触媒を活性化温度まで加熱することが可能である。
特開平5−171926号公報
しかしながら、上述した従来技術では、マイクロ波照射によって触媒材料が過昇温してしまい、貴金属粒子がシンタリングして触媒性能が劣化するおそれがある。また、上述した従来技術では、ペロブスカイト型複合酸化物と、白金・ロジウム・パラジウム系三元触媒等の貴金属粒子とをそれぞれ別個に担体に担持させることが必要であった。このため、それ自身で高い排気ガス浄化性能を有し、かつ、排気ガスの温度が低い状態でも排気ガスを浄化することが可能な触媒材料が望まれている。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、マイクロ波が照射され、且つ、内部に形成された複数の孔を介して排気ガスを流通させる基材の当該孔の内面に設けられる排気ガス浄化用の触媒材料が提供される。この触媒材料は、マイクロ波を吸収して発熱することが可能な磁性酸化物粒子と、前記磁性酸化物粒子の表面を被覆する触媒担持コート材と、を有し、前記触媒担持コート材は、触媒担持酸化物と、前記触媒担持酸化物に担持されたPt、Pd、Rhのうち少なくとも一種と、を有することを特徴とするマイクロ波加熱用触媒材料である。
このマイクロ波加熱用触媒材料は、マイクロ波を吸収して発熱することが可能な磁性酸化物粒子の表面を、Pt、Pd、Rhのうち少なくとも一種を含む触媒担持コート材で被覆しているので、その触媒材料自身が高い排気ガス浄化性能を有する。また、磁性酸化物粒子は、マイクロ波を吸収して発熱するので、排気ガスの温度が低い状態でも排気ガスを浄化することが可能である。また、貴金属触媒金属(Pt、Pd、Rh)を触媒担持酸化物に担持させたうえで、磁性酸化物粒子を触媒担持酸化物で被覆しているので、磁性酸化物粒子に触媒金属粒子を直接接触させるよりも、触媒金属の分散度を高めることができ、浄化性能を高めることが可能である。
(2)上記マイクロ波加熱用触媒材料において、前記磁性酸化物粒子は、キュリー温度が250℃以上600℃以下のフェライトで形成されているものとしてもよい。
この構成によれば、マイクロ波の照射によって触媒材料が加熱されても、磁性酸化物粒子がキュリー温度に到達すると自律的にその加熱が停止する。従って、マイクロ波照射によって触媒材料が過昇温することを防止でき、貴金属粒子のシンタリングによる触媒性能の劣化を抑制できる。
(3)上記マイクロ波加熱用触媒材料において、前記フェライトは、(Ni1-xZnx)Fe24(xは0≦x<1を満たす)であるものとしてもよい。
この構成によれば、xの値に依存してフェライトのキュリー温度が変わるので、望ましいキュリー温度を有する触媒材料を容易に得ることが可能である。
(4)上記マイクロ波加熱用触媒材料において、前記触媒担持酸化物は、γ−アルミナ又はθ−アルミナを主成分とするアルミナであるものとしてもよい。
一般に、γ−アルミナ又はθ−アルミナを主成分とするアルミナは、高い比表面積を有する。上記構成によれば、触媒性能をもつ貴金属触媒金属(Pt、Pd、Rh)を、高い比表面積を有するアルミナに担持させているので、触媒金属の分散度を高めることができ、浄化性能を更に高めることが可能である。
(5)上記マイクロ波加熱用触媒材料は、硝酸アルミニウム水溶液に前記磁性酸化物粒子を分散させ、その後、アンモニアを加えて水酸化アルミニウムを沈殿させることによって前記磁性酸化物粒子の表面を前記水酸化アルミニウムで被覆させた粉末を生成し、さらに、前記粉末を乾燥及び仮焼することによって作製したものであるものとしてもよい。
例えば、アルミナの原料としてγ−アルミナやθ−アルミナをそのまま用いて磁性酸化物粒子をアルミナと貴金属触媒金属で被覆する手法を用いると、磁性酸化物粒子の表面に、アルミナと貴金属触媒金属が別個に付着してしまう場合があり、貴金属触媒金属の分散度を高めることが難しい可能性がある。一方、上述の手順で触媒材料を作製すれば、高い分散度で貴金属触媒金属を担持したアルミナによって磁性酸化物粒子の表面を被覆することができるので、触媒性能をより高めることが可能である。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、基体とマイクロ波加熱用触媒材料とを備えたマイクロ波加熱用触媒体や、触媒材料又は触媒体の作成方法、それらを用いた排気ガスの浄化方法等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としてのマイクロ波加熱用触媒体を示す説明図。 磁性酸化物のキュリー温度を示す説明図。 マイクロ波加熱用触媒粉末の製造方法を示すフローチャート。 触媒材料サンプルの比表面積及び金属分散度を示す説明図。 触媒材料サンプルの排気ガス浄化率を示す説明図。 触媒材料サンプルの過熱による活性低下率を示す説明図。
図1(A)は、本発明の一実施形態としてのマイクロ波加熱用触媒体の構成を示す説明図である。このマイクロ波加熱用触媒体100は、排気ガス浄化用の触媒体であり、マイクロ波加熱用触媒材料を担持する担体としての基体120を備えている。図1(B)は基体120の正面図であり、図1(C)はその一部を拡大した模式図である。これらの図では、図示の便宜上、実際の寸法とは異なる寸法で個々の部材が描かれている。
基体120は、ハニカム形状を有しており、壁部122と、壁部122で区分された多数の孔124とを有する。これらの孔124は、排気ガス流路として機能する。基体120は、例えば、コージェライトなどのセラミックス材料を用いて形成することができる。或いは、耐熱鋼などの非セラミックス材料を用いて基体120を形成してもよい。多数の孔124は、基体120の入口から出口に至るまで直線的に貫通している。壁部122の内面122i(すなわち孔124の内面)には、マイクロ波加熱用触媒材料で形成されたコーティング層126が設けられている。コーティング層126は、周知のウォッシュコート法やディップコーティング法を利用して形成可能である。また、壁部122の表面に多孔質アルミナ等で構成されたウォッシュコート層が形成され、そのウォッシュコート層にマイクロ波加熱用触媒材料が分散担持されていてもよい。但し、マイクロ波加熱用触媒材料の担持形態としては、これ以外の任意の形態を利用することが可能である。
図1(D)は、コーティング層126に含まれるマイクロ波加熱用触媒材料300の粒子の断面構造を示す概念図である。この触媒材料300は、磁性酸化物粒子310と、磁性酸化物粒子310の表面を被覆する触媒担持コート材320とを有している。磁性酸化物粒子310は、磁性酸化物で形成された粒子である。磁性酸化物粒子310の粒径は、例えば0.1μm〜3.0μmの範囲とすることが好ましい。磁性酸化物としては、例えば、フェライトや、ペロブスカイト型構造を有し一般式La1-x Srx CoO3(0<x<1)で表されるランタン・ストロンチウム・コバルト系複合酸化物を利用可能である。触媒担持コート材320は、触媒担持酸化物322に触媒金属324が担持されたものである。触媒担持酸化物322としては、γ−アルミナ又はθ−アルミナを主成分とするアルミナを用いることが好ましい。この理由は、γ−アルミナやθ−アルミナは比表面積が大きいので、触媒金属324の分散度を高くすることができ、触媒性能を高めることが可能だからである。触媒金属324としては、Pt、Pd、Rhの一種以上を利用することが好ましい。なお、磁性酸化物粒子310と触媒担持酸化物322と触媒金属324の重量割合は、触媒材料の用途や触媒体へのコーティング方法に応じて適宜設定することが可能である。例えば、触媒材料300の粒子の重量を100%としたとき、磁性酸化物粒子310の重量割合を60〜95%の範囲とし、触媒担持酸化物322の重量割合を5〜35%の範囲とし、触媒金属324の重量割合を0.1〜5%の範囲とすることができる。なお、磁性酸化物粒子310は、その表面の全体が触媒担持コート材320によって覆われていることが好ましい。但し、触媒性能が過度に低下しない範囲内であれば、磁性酸化物粒子310の表面の一部が触媒担持コート材320によって覆われていなくても良い。
図2は、各種の磁性酸化物のキュリー温度を示す説明図である。ここでは、9種類のフェライトについてそのキュリー温度を示しているが、フェライト以外の磁性酸化物も利用可能である。図2のフェライトは、キュリー温度が250℃〜600℃の範囲にある。一般に、磁性酸化物のキュリー温度は、触媒材料が十分な活性を有する温度範囲として予め設定された好ましい温度範囲の下限値以上の値であることが好ましい。通常の触媒コンバータにおいて触媒が十分に活性化するのは約250℃である。従って、磁性酸化物のキュリー温度は、250℃以上とすることが好ましい。マイクロ波を照射して磁性酸化物を加熱すると、磁性酸化物はキュリー温度まで加熱され、キュリー温度に達すると加熱が自律的又は自発的に停止する。但し、磁性酸化物のキュリー温度が過度に高い場合には、加熱が自律的に停止する温度も高くなり、触媒成分であるPt、Pd、Rhがシンタリングして触媒活性が低下する可能性がある。このようなシンタリングが開始する温度は約600℃超である。従って、磁性酸化物のキュリー温度は、600℃以下とすることが好ましい。また、フェライトのうち、組成式(Ni1-xZnx)Fe24(xは0≦x<1を満たす)で表されるフェライトは、xの値に依存してキュリー温度が変わる性質がある。従って、このフェライトを利用すれば、用途に応じてxの値を調整することによって、望ましいキュリー温度を有する触媒材料を容易に得ることが可能である。
なお、マイクロ波MWとしては、典型的には周波数が2.45GHz又は915MHzの電磁波が利用される。但し、周波数が300MHz〜300GHzの任意の周波数のマイクロ波を利用してもよい。
図3は、本発明の一実施形態におけるマイクロ波加熱用触媒材料の製造方法を示すフローチャートである。工程T110では、磁性酸化物粒子310(図1(D))を合成する。例えば、組成式(Ni1-xZnx)Fe24で表されるフェライトを合成する場合には、その組成式に応じた比率でNiO、ZnO、Fe23を秤量し、溶媒にエタノールを用いて混合し、大気中60〜100℃で1〜10時間乾燥した後、大気雰囲気中700〜1200℃(好ましくは約800〜1100℃)で1〜5時間仮焼する。その後、ボールミルを用いて仮焼粉末を粉砕することによって磁性酸化物粒子310(フェライト粒子)の粉末を得る。この粉砕は、磁性酸化物粒子310の平均粒径が0.1μm〜3.0μmの範囲となるように行うことが好ましい。なお、平均粒径は、レーザー回折・散乱法を用いて測定される球相当径である。
工程T120では、磁性酸化物粒子310の表面を、触媒担持コート材320で被覆する。例えば、まず、硝酸アルミニウム水和物(Al(NO33・9H2O)を蒸留水に溶解させ、その後、工程T110で得られた磁性酸化物粒子310の粉末を投入し、スターラーで撹拌する。次に、硝酸アルミニウム水和物と磁性酸化物粒子310を含む混合水溶液を引き続き撹拌しながら、アンモニア水を滴下して水酸化アルミニウム(Al(OH)3)を沈殿させることにより、磁性酸化物粒子310の表面を水酸化アルミニウムで被覆させる。その後、吸引濾過法により溶媒を除去し、さらに大気中60〜120℃で10〜12時間乾燥させて溶媒を完全に除去したのち、大気雰囲気中400〜1100℃(好ましくは400〜900℃、更に好ましくは450〜550℃)で1〜2時間仮焼する。この仮焼によって、磁性酸化物粒子310の表面をγ−アルミナ又はθ−アルミナを主成分とするアルミナ(以下、「遷移アルミナ」と呼ぶ)で被覆した粉末が得られる。この遷移アルミナの比表面積(BET比表面積)は大きいほど良いが、α−アルミナの比表面積(約10m2/g)よりも大きいことが好ましく、20m2/g以上とすることが更に好ましい。一般に、仮焼温度を下げるほど遷移アルミナの比表面積が増加するので、これを利用して遷移アルミナの比表面積を調整することが可能である。また、仮焼温度が1200℃を越えるとα−アルミナとなってしまい、比表面積が急激に低下するので、仮焼温度は1200℃を越えないことが好ましい。次に、この粉末に、ジニトロジアンミン白金、硝酸パラジウム、硝酸ロジウムのうちの1種以上を蒸留水に溶解させた溶液を含浸させ、乾燥させた後、400〜600℃(好ましくは450〜550℃)で熱処理を行うことにより、磁性酸化物粒子310の表面を触媒担持コート材320で被覆した触媒材料300を得る。
なお、アルミナ源(出発物質)としては、硝酸アルミニウムを用いる代わりに、他の水溶性アルミニウム化合物(例えば塩化アルミニウム)を用いることが可能である。また、アルミナ源として、γ−アルミナ又はθ−アルミナを主成分とするアルミナ粉末を用いてもよい。但し、アルミナの原料としてγ−アルミナやθ−アルミナをそのまま用いて磁性酸化物粒子310をアルミナと触媒金属で被覆する手法を用いると、磁性酸化物粒子310の表面に、アルミナと触媒金属が別個に付着してしまう場合があり、触媒金属の分散度を高めることが難しい可能性がある。一方、アルミナ源として水溶性アルミニウム化合物を用いて上述の手順で触媒材料300を作製すれば、高い分散度で触媒金属を担持したアルミナによって磁性酸化物粒子310の表面を被覆することができるので、触媒性能をより高めることが可能である。
図4は、触媒材料サンプルに関する比表面積及び金属分散度の測定結果を示す説明図である。サンプルS1,S2は、図4に示した組成が得られるように、上述した図2の手順に従ってそれぞれ作製した。但し、サンプルS2では、磁性酸化物粒子310の表面をアルミナで被覆しておらず、貴金属粒子を磁性酸化物粒子310に直接含浸させた。これらのサンプルS1,S2は、磁性酸化物粒子310としていずれも組成式(Ni0.8Zn0.2)Fe24で表されるフェライトを用いており、また、貴金属の量も同じである。サンプル番号に「*」が付されているサンプルS2は比較例であり、サンプルS1は実施例である。なお、サンプルS1のコート材に含まれるアルミナの結晶構造をX線回折で調べたところ、γ−アルミナであった。
<比表面積及び金属分散度の評価>
図4のサンプルS1,S2について、比表面積をBET法を用いて測定し、貴金属分散度をCOパルス法を用いて測定した。サンプルS1では、比表面積の大きなアルミナ(γ−アルミナ)に貴金属が分散担持されているので、触媒材料粒子の比表面積が大きく、金属分散度も大きい。これに対して、貴金属のみを磁性酸化物粒子310に含浸させたサンプルS2では、比表面積が小さく金属分散度も小さい。一般に、貴金属触媒の分散度が高いほど、その触媒性能が高くなる傾向にある。従って、サンプルS1は、サンプルS2に比べて高い触媒性能(後述)を得ることが可能な構造を有していることが理解できる。なお、比表面積は大きいほど良いが、20m2/g以上であることが好ましい。また、金属分散度も大きいほど良いが、10%以上であることが好ましい。なお、触媒材料粒子の比表面積は、前述した工程T120において、磁性酸化物粒子310を水酸化アルミニウムで被覆した粉末を仮焼する際の仮焼温度を低下させるほど増加する。また、金属分散度は、触媒材料粒子の比表面積を増加させるなどの方法により増大させることができる。
<触媒性能の評価>
図5は、触媒材料サンプルに関する排気ガス浄化率の実験結果を示す説明図である。サンプルS1,S2は、図4のサンプルS1,S2と同じものである。サンプルS3,S4は、磁性酸化物粒子の材料として、サンプルS1の(Ni0.8Zn0.2)Fe24の代わりに、MgFe24又はY3Fe512を用いたものである。サンプルS1,S3,S4におけるアルミナ源(出発物質)としては、すべて硝酸アルミニウムを用いた。
これらのサンプルS1〜S4について、三元触媒材料としての触媒性能を評価した。具体的には、各サンプルの触媒粉末0.1gを石英ガラス製の反応管に充填し、その反応管に、C36:0.04%、NO:0.10%、CO:0.30%、H2:0.10%、H2O:2.00%、O2:0.33%、N2:bal.(残部)の組成からなり、室温のガスを、500ml/minの流量で流通させた。また、反応管に設置した触媒粉末を、周波数が2.45GHzで出力150Wのマイクロ波を照射して約300℃に加熱し、反応管から出てきたガスを、ガス分析装置にて分析した。図5には、こうして測定された浄化率(C36浄化率、CO浄化率、NO浄化率)を示している。なお、ここで言う浄化率は、下記式によって算出した。
浄化率={(マイクロ波加熱前の分析値−マイクロ波加熱時の分析値)/マイクロ波加熱前の分析値}×100 (単位:%)
比較例のサンプルS2では、3種類のガスの浄化率がいずれも低い値であり、特に、C36の浄化率が低い値であった。一方、実施例のサンプルS1,S3,S4は、3種類のガスのいずれについても比較例のサンプルS2に比べて十分に高い浄化率が得られた。
<過熱後の活性低下率>
図6は、図4及び図5に示したサンプルS1,S2について、過熱による活性低下率の実験結果を示す説明図である。ここでは、初期の状態での浄化率と、一旦800℃まで昇温させたのちに再度測定した浄化率とを比較した。前述したように、浄化率は、触媒粉末の温度を約300℃とした状態で測定した値である。活性低下率は、下記式によって算出した。
活性低下率={(初期の浄化率−800℃昇温後の浄化率)/初期の浄化率}×100 (単位:%)
サンプルS1では、過熱による活性低下率は比較的小さい。これに対して、サンプルS2では、過熱により触媒活性が大きく低下した。この理由は、サンプルS2では、貴金属のみを磁性酸化物粒子310に含浸させているので、高温で貴金属がシンタリングして貴金属粒子が結合してしまい、金属分散度が低下したためであると推定される。一方、サンプルS1では、遷移アルミナに貴金属を分散担持したコート材320を用いているので、高温になっても貴金属がシンタリングし難く、金属分散度がそれほど低下しないので、触媒活性がそれほど低下しなかったものと推定される。
・変形例
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
100…マイクロ波加熱用触媒体
120…基体
122…壁部
124…孔(排気ガス流路)
126…マイクロ波加熱用触媒材料のコーティング層
300…マイクロ波加熱用触媒材料
310…磁性酸化物粒子
320…触媒担持コート材
322…触媒担持酸化物
324…触媒金属

Claims (6)

  1. マイクロ波が照射され、且つ、内部に形成された複数の孔を介して排気ガスを流通させる基材の当該孔の内面に設けられる排気ガス浄化用の触媒材料であって、
    マイクロ波を吸収して発熱することが可能な磁性酸化物粒子と、
    前記磁性酸化物粒子の表面を被覆する触媒担持コート材と、
    を有し、
    前記触媒担持コート材は、触媒担持酸化物と、前記触媒担持酸化物に担持されたPt、Pd、Rhのうち少なくとも一種と、を有する、
    ことを特徴とするマイクロ波加熱用触媒材料。
  2. 請求項1に記載のマイクロ波加熱用触媒材料であって、
    前記磁性酸化物粒子は、キュリー温度が250℃以上600℃以下のフェライトで形成されている、ことを特徴とするマイクロ波加熱用触媒材料。
  3. 請求項2に記載のマイクロ波加熱用触媒材料であって、
    前記フェライトは、(Ni1-xZnx)Fe24(xは0≦x<1を満たす)である、ことを特徴とするマイクロ波加熱用触媒材料。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のマイクロ波加熱用触媒材料であって、
    前記触媒担持酸化物は、γ−アルミナ又はθ−アルミナを主成分とするアルミナである、ことを特徴とするマイクロ波加熱用触媒材料。
  5. 請求項4に記載のマイクロ波加熱用触媒材料であって、
    前記マイクロ波加熱用触媒材料は、硝酸アルミニウム水溶液に前記磁性酸化物粒子を分散させ、その後、アンモニアを加えて水酸化アルミニウムを沈殿させることによって前記磁性酸化物粒子の表面を前記水酸化アルミニウムで被覆させた粉末を生成し、さらに、前記粉末を乾燥及び仮焼することによって作製したものである、ことを特徴とするマイクロ波加熱用触媒材料。
  6. マイクロ波が照射され、且つ、内部に形成された複数の孔を介して排気ガスを流通させる基材と、前記基材の前記孔の内面に設けられた触媒材料とを備える排気ガス浄化用の触媒体であって、
    前記触媒材料が、請求項1〜5のいずれか一項に記載のマイクロ波加熱用触媒材料である、ことを特徴とするマイクロ波加熱用触媒体。
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