JP2006281155A - 触媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 触媒が担持された酸化物粒子を、多孔質基材に担持してなる触媒体において、触媒成分の反応利用効率を高め、触媒成分の使用量を低減する。
【解決手段】 多孔質基材10と、多孔質基材10の表面上に順次積層された酸化物粒子からなる第1のコート層21、第2のコート層22と、第2のコート層22の上に設けられた触媒成分30と、を備え、第1のコート層21を構成する酸化物粒子の粒径は、第2のコート層22を構成する酸化物粒子の粒径よりも大きい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、触媒成分が担持されたアルミナなどの酸化物粒子を、コージェライトなどの多孔質基材に担持してなる触媒体に関し、たとえば、自動車排気浄化用、燃料電池用、環境浄化用に使用される触媒体に関する。
従来より、自動車の排ガス等に含まれるHC、CO、NOx等の有害成分を浄化するための触媒成分としては、一般にPt、Pd、Rh等の貴金属が使用されている。
また、そのような触媒成分としては、より高活性であり且つ複数種類の物質に対して活性を示すことの可能なものとして、ナノメートルオーダの一次粒子径を持つ一種の単体微粒子または二種以上の固溶体微粒子である基粒子と、この基粒子の表面の少なくとも一部を被覆する1種以上の貴金属または貴金属酸化物からなる表面被覆層とよりなる触媒粒子が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
そして、従来では、このような触媒成分においては、コージェライトからなる多孔質基材を用いることにより、当該触媒成分をこの多孔質基材の表面に高分散に担持することが行われている。
しかし、コージェライトの表面積では、上記触媒成分を高分散に担持させるためには十分でなく、かつコージェライトと上記触媒成分との結合力が弱いため、十分な担持量を確保することができない。
そこで、従来より、γ−アルミナ(Al23)を代表とする、高い比表面積を有する粒子状の酸化物粒子を担体として、上記触媒成分の担持を行う前に、この酸化物粒子をコージェライトの表面上に約数10μmという厚さでにコーティングし、その後、コーティングされた酸化物粒子に対して触媒成分をさらに担持していた。
特開2003−80077号公報
しかしながら、コージェライトからなる多孔質基材の上にγ−アルミナからなる酸化物粒子を担持させ、さらにこの酸化物粒子に触媒成分を担持させる従来の構成では、酸化物粒子であるγ−アルミナの厚さがコージェライト上において数10μmにもなるため、次に述べるようないくつかの問題点がある。
まず、従来の触媒体では、触媒成分はγ−アルミナの表面ならびに内部に存在することになるが、反応ガスの拡散性により、厚いγ−アルミナの内部に存在する触媒成分は十分に機能しないという問題がある。
しかしながら、コージェライトモノリス基材上にコーティングされたγ−アルミナの厚さを小さくすることは、γ−アルミナに触媒成分を担持する際に、触媒成分がγ−アルミナ粒子の隙間を通過し、その下のコージェライトの表面からコージェライトモノリス基材の孔内部にまで到達してしまうためできなかった。
また、γ−アルミナは、高い比表面積を有するが、それ自体は耐熱性が低いため、長時間の使用によってγ−アルミナが形状変化を起こし、そのため、触媒成分がγ−アルミナの内部に埋没し、触媒機能を失活することになっていた。
このため、必要な排ガスの浄化性能すなわち十分な触媒機能を達成するためには、初期の段階より、過剰な触媒成分を担持させる必要があり、触媒成分の使用量が多く、利用効率が低くなってしまうという問題があった。
さらに、コージェライトモノリス基材上にコーティングされたγ−アルミナの層は、従来では上述したように約数10μmという厚さであり、反応ガスの通過面積が小さいため、このγ−アルミナの層が大きな通気抵抗となっていた。
そのため、従来の触媒体を自動車の排ガス浄化用の触媒体に用いた場合、エンジン出力が低下したり、熱容量が大きくなることで温度上昇が遅くなるため、エンジン始動から触媒体が活性化するまでの時間が長くかかるという問題があった。
さらに、上記排ガス浄化用の触媒体は、約1000℃付近の高温下で長時間使用されるため、この高温での使用に伴って、上述した触媒成分のγ−アルミナの内部への埋没という問題に加えて、熱によるシンタリングが発生するという問題が生じる。
すると、このシンタリングによって、触媒成分が移動、あるいは、触媒成分同士が結合してしまい、反応活性な比表面積が低下してしまい、浄化性能が劣化してしまう。このことからも、初期に必要とされる触媒量より、たとえば7割程度多く触媒成分を担持する必要があり、環境負荷とコスト高という問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、触媒が担持された酸化物粒子を、多孔質基材に担持してなる触媒体において、触媒成分の反応利用効率を高め、触媒成分の使用量を低減することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、多孔質基材(10)と、多孔質基材(10)の表面上に順次積層された酸化物粒子からなる第1のコート層(21)、第2のコート層(22)と、第2のコート層(22)の上に設けられた触媒成分(30)と、を備え、第1のコート層(21)を構成する酸化物粒子の粒径は、第2のコート層(22)を構成する酸化物粒子の粒径よりも大きいことを特徴とする触媒体が提供される。
ここで、本発明の触媒体においては、酸化物粒子の粒径は、一般的に用いられる平均粒径であり、一次粒子径であっても、一次粒子が凝集した二次粒子の径であってもどちらでもよい。
それによれば、第2のコート層(22)は、第1のコート層(21)よりも粒径の小さな酸化物粒子からなるものとなる。そのため、第2のコート層(22)は、触媒成分(30)を通過させない緻密な層であって、且つ、粒子径小さいから触媒成分(30)を担持するための表面積が大きな層とすることができる。
また、粒径の大きな第1のコート層(21)を、粒径の小さな第2のコート層(22)と多孔質基材(10)との間に介在させることにより、この第1のコート層(21)が土台となって多孔質基材(10)の細孔の蓋をした状態となるため、その上の第2のコート層(22)を多孔質基材(10)の細孔に入り込まないようにすることができる。
そのため、多孔質基材(10)上に担持される第2のコート層(22)は、多孔質基材(10)の細孔の内部には、ほとんど入りこまない状態で、第1のコート層(21)の酸化物粒子およびその隙間に配置される。その結果、第2のコート層(22)は、多孔質基材(10)の表面に配置されることになり、第2のコート層(22)の厚さは、必要な範囲で極力薄くすることができる。
また、第1のコート層(21)も、それを構成する酸化物粒子の粒径が大きいものにできるため、第2のコート層(22)の土台として多孔質基材(10)の細孔を閉塞するためには、さほど厚くなくてもよい。
また、第1のコート層(21)の酸化物粒子は、多孔質基材(10)の表面にて多孔質基材(10)の細孔の蓋をするだけで、細孔にはほとんど入り込まないので、多孔質基材(10)において細孔による空隙は残り、多孔質基材(10)の熱による膨張・収縮を緩和する機能すなわち熱衝撃性は確保される。
こうして、本発明では、多孔質基材(10)の表面上において薄く形成された第1および第2のコート層(21、22)の上に、触媒成分(30)が担持された形となるため、結果的に、多孔質基材(10)の表面に触媒成分(30)が薄く配置された構成を実現できる。
このように、本発明の触媒体によれば、多孔質基材(10)上の酸化物粒子の層の厚さを従来に比べて極力薄くできることから、上記した通気抵抗を小さくでき、また、触媒成分(30)が酸化物粒子の下の多孔質基材(10)の細孔に入り込むことはほとんどなく、多孔質基材(10)の表面に効率的に配置される。
したがって、本発明によれば、触媒成分(30)が担持された酸化物粒子を、多孔質基材(10)に担持してなる触媒体において、触媒成分(30)の反応利用効率を高め、触媒成分(30)の使用量を低減することができる。
ここにおいて、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の触媒体において、第1のコート層(21)を構成する酸化物粒子の粒径は、多孔質基材(10)の平均細孔径の1/2倍〜1/4倍であり、第2のコート層(22)を構成する酸化物粒子の粒径は、多孔質基材(10)の平均細孔径の1/25倍〜1/65倍であることを特徴としている。
このような酸化物粒子の粒径とすれば、第1のコート層(21)を構成する酸化物粒子が、多孔質基材(10)の細孔にほとんど入り込まず、また、第2のコート層(22)によって緻密で表面積の大きな酸化物粒子の層が適切に実現できる。
また、請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の触媒体において、多孔質基材(10)はコージェライトであり、第1のコート層(21)を構成する酸化物粒子の粒径は、600nm〜1000nmであり、第2のコート層(22)を構成する酸化物粒子の粒径は、30nm〜80nmであることを特徴としている。
このように、多孔質基材(10)がコージェライトである場合においては、第1のコート層(21)を構成する酸化物粒子の粒径は、600nm〜1000nmであり、第2のコート層(22)を構成する酸化物粒子の粒径は、30nm〜80nmであることが好ましい。
多孔質基材(10)がコージェライトである場合において、本発明者の行った調査の結果により、コージェライト細孔径の平均細孔径1μm〜2μmであるので、上述した酸化物粒子の粒径が好ましいことを確認した。
また、請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3に記載の触媒体において、第1および第2のコート層(21、22)を構成する酸化物粒子は、CeO2、ZrO2、Al23、TiO2、SiO2、MgO、Y23、Ni23およびこれらの組成物から選ばれる一種または二種以上の化合物のいずれかから構成することを特徴としている。
それによれば、触媒成分の担体である酸化物粒子として、従来のγ−アルミナよりも耐熱性に優れるものを提供することが可能になる。つまり、この中から、より耐熱性に優れるθ−アルミナ、チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)等を、酸化物粒子として使用することで、酸化物粒子自体の形状変化を軽減することができ、触媒成分の埋没も防ぐことができる。
より具体的には、請求項5に記載の発明のように、請求項4に記載の触媒体においては、酸化物粒子として、θ−アルミナまたはδ−アルミナからなるものを採用することができる。
本発明者は、従来のγ−アルミナの耐熱化を検討した。γ−アルミナの温度を600℃付近から上昇させていくと、800℃付近でθ−アルミナに相変化し、δ−アルミナを経て、1200℃付近でα−アルミナに相変化する。
ここで、γ−アルミナの比表面積は150〜300m2/gであり、θ−アルミナおよびδ−アルミナの比表面積は30〜100m2/gであり、α−アルミナの比表面積は1〜2m2/gである。なお、コージェライトの比表面積はα−アルミナの比表面積と同程度である。
つまり、酸化物粒子として、θ−アルミナまたはδ−アルミナを採用すれば、多少、γ−アルミナに比べて比表面積は多少小さくなるものの、実用上は問題なく、しかも、耐熱性に優れた酸化物粒子を提供することができる。
また、請求項6に記載の発明のように、請求項4に記載の触媒体においては、酸化物粒子は、SiO2も好適である。
本発明者の検討によれば、SiO2をコート層(21、22)の原料とすることにより、触媒成分(30)との密着性が向上し、高温での長時間使用に対して、触媒成分(30)の凝集等による触媒劣化すなわちシンタリングを抑制できる。
その結果、活性の高い触媒機能を持続することが実現可能となり、高温での耐久性能が向上した触媒体を提供することができる。ちなみに、耐熱性向上が期待できるコート層(21、22)−触媒成分(30)の具体的な組合せとしては、SiO2コート−CeO2微粒子、SiO2コート−CeO2・ZrO2複合酸化物微粒子などがあげられる。
また、請求項7に記載の発明では、請求項1〜請求項6に記載の触媒体において、触媒成分(30)は、ナノメートルオーダの一次粒子径を持つ一種の単体微粒子または二種以上の化合物微粒子である基粒子(1)と、この基粒子(1)の表面の少なくとも一部を被覆する一種以上の金属またはそれらの組成物とからなる触媒粒子であることを特徴としている。
ここで、一種の単体微粒子とは、一種の元素または化合物よりなる微粒子のことであり、二種以上の化合物微粒子とは、二種以上の元素または化合物が固溶した微粒子のことである。また、本発明において固溶した微粒子とは、物質AとBとが混合した状態、物質AとBとが反応して初期の構造と異なっている状態を含むものである。
本発明によれば、触媒成分(30)を、1個の触媒粒子全体として、ナノメートルオーダ(100nm以下程度)のサイズのものにできるとともに、従来の単なるナノメートルオーダの貴金属触媒粒子よりも、比表面積が大きく、高活性なものにできる。
そして、本発明では、基粒子も触媒活性を持つものにすることができ、基粒子と一種以上の金属またはそれらの組成物とを、互いに異なる物質に対して触媒活性を示すものになるように選択することができるので、1種の触媒粒子で複数種類の物質に対して活性を示すことができる。
また、本発明においては、基粒子と一種以上の金属またはそれらの組成物との一方を触媒、他方を助触媒とすることができる。つまり、触媒成分(30)として、より高活性であり且つ複数種類の物質に対して活性を示すことの可能な触媒粒子を提供することができる。
ここで、請求項8に記載の発明のように、請求項7に記載の触媒体においては、基粒子(1)としては、金属酸化物、金属炭化物および炭素材料から選ばれたものよりなるものにできる。
具体的に、請求項9に記載の発明のように、請求項8に記載の触媒体においては、前記金属酸化物としては、Ce、Zr、Al、Ti、Si、Mg、W、Sr、Niの酸化物およびそれらの組成物から選ばれる一種の単体、または二種以上の化合物からなるものを採用できる。
また、請求項10に記載の発明のように、請求項8または請求項9に記載の触媒体においては、前記金属炭化物としては、SiCまたはその化合物からなるものを採用することができる。
また、請求項11に記載の発明のように、請求項8〜請求項10に記載の触媒体においては、前記炭素材料としては、グラファイトを採用することができる。
また、請求項12に記載の発明では、請求項7〜請求項11に記載の触媒体において、基粒子(1)の表面の少なくとも一部を被覆する一種以上の金属またはそれらの化合物が、50nm未満の粒径を持つ超微粒子であることを特徴としている。
基粒子(1)の少なくとも一部を被覆する一種以上の金属またはそれらの化合物は、粒子の形や層の形で被覆を行うことが可能であるが、粒子の場合、50nm未満の粒径を持つ超微粒子であることが好ましい。50nm以上の粒径では、ナノメータサイズの基粒子表面を被覆することが困難になる。
また、請求項13に記載の発明では、請求項7〜請求項12に記載の触媒体において、基粒子(1)の表面の少なくとも一部を被覆する一種以上の金属またはそれらの組成物が、1〜30原子層からなる被覆層(2)であることを特徴としている。
一方、基粒子(1)の少なくとも一部を被覆する一種以上の金属またはそれらの組成物が層である場合は、1〜30原子層からなる被覆層(2)であることが好ましい。表面被覆層が30原子層よりも厚くなると、1個の触媒粒子全体としてナノメートルオーダのサイズの確保が難しくなることや、表面被覆層自体が粒子化し比表面積が小さくなるため、好ましくない。
また、請求項14に記載の発明のように、請求項7〜請求項13に記載の触媒体においては、基粒子(1)の表面の少なくとも一部を被覆する一種以上の金属またはそれらの組成物は、純度が99%以上のものであることが好ましい。
さらに、請求項15に記載の発明のように、請求項7〜請求項14に記載の触媒体においては、基粒子(1)の表面の全体ではなく一部が、前記一種以上の金属またはそれらの組成物にて被覆されていることが好ましい。
それによれば、基粒子が触媒活性を持つものである場合等において、一種以上の金属またはそれらの組成物にて被覆されずに露出する基粒子の表面を介して、基粒子の特性を有効に活かすことができる。
また、請求項16に記載の発明のように、請求項7〜請求項15に記載の触媒体においては、前記一種以上の金属またはそれらの組成物としては、Pt、Rh、Pd、Au、Ag、Ruおよびそれらの酸化物から選ばれる一種以上の単体、または二種以上の化合物を採用することができる。
さらに、請求項17に記載の発明では、請求項1〜請求項16に記載の触媒体において、第2のコート層(22)の上に、さらに、第2のコート層(22)を構成する酸化物粒子よりも粒径の大きな酸化物粒子からなる第3のコート層(23)が設けられており、この第3のコート層(23)の上に触媒成分(30)が設けられていることを特徴としている。
上述したように第2のコート層(22)を構成する酸化物粒子は、粒径が小さいから、表面積を確保できるが、粒径が小さすぎて第2のコート層(22)が緻密になりすぎた場合、かえって表面積が小さくなる可能性がある。
そのような場合、第2のコート層(22)よりも粒径の大きな酸化物粒子からなる第3のコート層(23)を第2のコート層(22)の上に設け、これに触媒成分(30)を担持させれば、触媒成分(30)を担持するための表面積を適切に確保できる。
ここで、請求項18に記載の発明のように、第3のコート層(23)を構成する酸化物粒子の粒径は、100nm〜1000nmであるものにできる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。
[構成・製法等]
図1は、本発明の実施形態に係る触媒体の模式的な構成を示す断面図である。
図1に示されるように、本実施形態の触媒体は、大きくは、多孔質基材10と、多孔質基材10の表面上に順次積層された酸化物粒子からなる第1のコート層21、第2のコート層22と、第2のコート層22の上に設けられた触媒成分30と、を備えて構成されている。
ここで、多孔質基材10は、コージェライトなど、表面に細孔を有する構造体である。本例では、多孔質基材10としては、本発明者の行った実測結果によれば細孔の平均径、すなわち、平均細孔径が1μm〜2μm程度のコージェライトからなるものを採用している。
また、図1に示されるように、本実施形態の触媒体においては、第1のコート層21を構成する酸化物粒子の粒径は、第2のコート層22を構成する酸化物粒子の粒径よりも大きいものとなっている。ここで、酸化物粒子の粒径は、一般的に用いられる平均粒径であり、一次粒子径であっても、一次粒子が凝集した二次粒子の径であっても、どちらでもよい。
具体的には、第1のコート層21を構成する酸化物粒子の粒径は、多孔質基材10の平均細孔径の1/2倍〜1/4倍であり、第2のコート層22を構成する酸化物粒子の粒径は、多孔質基材10の平均細孔径の1/25倍〜1/65倍である。
このような酸化物粒子の粒径とすれば、第1のコート層21を構成する酸化物粒子が、多孔質基材10の細孔にほとんど入り込まず、また、第2のコート層22によって緻密で表面積の大きな酸化物粒子の層が適切に実現できる。
下側の第1のコート層21の酸化物粒子は、後述するように、スラリーの状態で多孔質基材10の表面に塗布されるため、この酸化物粒子の粒径が多孔質基材10の平均細孔径よりも小さくても、1/2倍〜1/4倍であれば、スラリー状態における表面張力などにより、酸化物粒子は多孔質基材10の細孔にほとんど侵入しない。
また、上側の第2のコート層22の酸化物粒子も、後述するように、第1のコート層21が形成された多孔質基材10の上に塗布される。また、このとき、多孔質基材10の細孔は、第2のコート層22の土台としての第1のコート層21により蓋をされた状態となっている。
そのため、第2のコート層22の酸化物粒子の粒径が多孔質基材10の平均細孔径の1/25倍〜1/65倍であれば、この酸化物粒子は、多孔質基材10の細孔の内部には、ほとんど入りこまない状態で、第1のコート層21の酸化物粒子およびその隙間に配置され、緻密な層を形成する。
より具体的には、本例のように、多孔質基材10がコージェライトであるときに、第1のコート層21を構成する酸化物粒子の粒径は、600nm〜1000nmであり、第2のコート層22を構成する酸化物粒子の粒径は、30nm〜80nmであることが好ましい。
これは、上述したように、多孔質基材10がコージェライトである場合において、本発明者の実測結果によれば、コージェライトの平均細孔径は1μm〜2μmであることによる。このようなコージェライトモノリス基材の孔の実測値に基づけば、上述したような酸化物粒子の粒径が好ましい。
また、図1に示されるように、触媒体において触媒成分30は、上側の第2のコート層22に担持され固定されている。
ここで、第1および第2のコート層21、22を構成する酸化物粒子としては、CeO2、ZrO2、Al23、TiO2、SiO2、MgO、Y23、Ni23およびこれらの組成物から選ばれる一種または二種以上の化合物のいずれかから構成されるものを採用することができる。
より具体的には、このような酸化物粒子としては、θ−アルミナ、δ−アルミナまたはSiO2からなるものにできる。本例では、触媒成分30との決着力の強いSiO2を、酸化物粒子としている。
なお、図1では、各酸化物粒子は独立した粒子として示されているが、SiO2(シリカ)を酸化物粒子として用いた場合、実際には、シリカのガラス転移温度以上の焼成によって、互いの酸化物粒子が溶けてつながった形となる。
また、触媒成分30としては、従来より一般的に用いられているPt、Pd、Rh等の貴金属粒子を採用することができるが、それ以外のもの、触媒機能を有するものであれば何でもよい。
本例では、図2に示されるように、より高活性であり且つ複数種類の物質に対して活性を示すことの可能な触媒成分30として、ナノメートルオーダの一次粒子径を持つ一種の単体微粒子または二種以上の化合物微粒子である基粒子1と、この基粒子1の表面の少なくとも一部を被覆する1種以上の貴金属または貴金属酸化物からなる表面被覆層2とよりなる触媒粒子を採用している。
ここで、基粒子1の一次粒子径とは、1個の基粒子1の径のことであり、一次粒子径がナノオーダであるとは、通常、一次粒子径が100nm以下である。本例では、基粒子1の一次粒子径は、1nm〜50nm程度である。
また、基粒子1として、一種の単体微粒子とは、一種のセラミックや金属等の元素または化合物よりなる微粒子のことであり、二種以上の化合物微粒子とは、二種以上のセラミックや金属等の元素または化合物が固溶した微粒子のことである。
このような基粒子1としては、金属酸化物、金属炭化物および炭素材料から選ばれたものよりなるものにできる。
具体的に、金属酸化物としては、Ce、Zr、Al、Ti、Si、Mg、W、Sr、Niの酸化物およびそれらの組成物から選ばれる一種の単体、または二種以上の化合物を採用することができ、金属炭化物としては、SiCまたはその化合物を採用することができ、炭素材料としては、グラファイトを採用することができる。
このようなナノオーダの微粒子である基粒子1の調製方法としては、特に限定されるものではないけれども、共沈法、ゾルゲル法、メッキ法、さらには超音波アシスト還元法などがあげられる。
また、二種以上の化合物の性状、組成比なども特に限定されるものではなく、温度特性、耐久特性などの浄化性能を向上させるために、これら二種以上の化合物の性状、組成比などを適宜調整すればよい。
そして、図2に示される触媒成分30は、このような基粒子1の表面の少なくとも一部を、一種以上の金属またはそれらの組成物により被覆したものとしている。ここで、一種以上の金属またはそれらの組成物とは、触媒機能を持つ貴金属または貴金属酸化物などを用いることができる。
そして、これら一種以上の金属またはそれらの組成物を、50nm未満の粒径を持つ超微粒子として基粒子1の表面に付着させたり、1または複数の原子層からなる被覆層として基粒子1の表面に付着させる。
このように、ナノオーダの基粒子1上に超微粒子または被覆層を形成させると、触媒成分30として高活性な触媒粒子を実現することができる。これは、次のような理由によるものと考えられる。
粒径が小さくなれば、比表面積が大きくなり、触媒活性を持つサイトが増加する。したがって、活性の高い触媒粒子となるので触媒量を低減させても、現状レベルの性能を満足することができる。
それに加え、このような触媒粒子としての触媒成分30の有効性について、基粒子として酸化セリウム(セリア)、基粒子上に存在する超微粒子としてPtを用い、これを自動車の排ガス浄化用触媒に適用した場合を例に説明する。
基粒子であるセリアは酸素を吸収・放出する酸素吸放出能(酸素吸蔵脱離機能)を有しており、排ガス中の酸素濃度が高い場合にCeが酸化されて4+となり、酸素が取り込まれてCeO2となる。また、酸素濃度が低い場合は、Ceが還元されて3+になり、CeO3/2となる。
この場合、O2分子が直接セリア内部に出入りするよりも、解離して原子状態Oになったほうが出入りしやすいと考えられる。一方、触媒であるPtは酸素の解離を助ける役割をしていると考えられる。したがって、助触媒と触媒とがより近接している方が、酸素の出入りをすばやく行うことができ、酸素吸蔵脱離速度に優れると言える。
以上のことから、ナノオーダの基粒子1上に超微粒子または表面被覆層2を形成させた触媒粒子にすると、比表面積が高く、高活性というだけでなく、排ガス中の酸素濃度の変化にも早急に対応することができる。
また、単に、セリア等の基粒子1の表面に、粒径が50nm未満の超微粒子を存在させることによって、高活性な触媒粒子を得ることができるが、特に、セリア等の結晶性の基粒子表面に、数原子層の表面被覆層を触媒層として形成することにより、より高活性な触媒粒子を得ることができる。
この理由は、基粒子1の表面に形成させた数原子層の触媒層が、基粒子の結晶構造を反映した格子構造をとることができるためである。つまり、一種以上の金属またはそれらの組成物を被覆層として基粒子1の表面に付着させる方が、単に超微粒子として存在する場合の表面格子構造と異なる構造を採ることから、電子状態が変化して触媒活性が高まると考えられる。
そのため、図2の例では、基粒子1の表面の少なくとも一部に、表面被覆層2が形成されている。以下、この触媒成分30としての触媒粒子について、以下に述べる特徴点は、表面被覆層2を、基粒子1の表面を被覆する超微粒子に置き換えた場合でもあてはまるものである。
この表面被覆層2は、基粒子1の表面を1〜30原子層の厚さにて被覆する1種以上の貴金属または貴金属酸化物からなるものである。表面被覆層2としては、Pt、Rh、Pd、Au、Ag、Ru等の貴金属、およびそれらの貴金属酸化物から選ばれる一種以上の単体、または二種以上の化合体からなるものにできる。
この1〜30原子層レベルの表面被覆層2は、非常に織密で結晶性が高く、格子欠陥がなく、不純物が少ない層を示すが、当該表面被覆層を構成する一種以上の貴金属または貴金属酸化物の純度が99%以上であることが好ましい。このような表面被覆層2の性状や純度は、TEM像や元素分析法等で確認することができる。
この表面被覆層2の形成方法としては、同時蒸発法、共沈法、ゾルゲル法、メッキ法、超音波アシスト還元法等があげられるが、超音波アシスト還元法や同時蒸発法がナノレベルで均一な複合組成物を得ることが出来るという点で優れている。
このように、図2に示される触媒粒子は、ナノオーダの基粒子1を担体として、該基粒子1の表面の少なくとも一部が、触媒機能を持つ表面被覆層2により1〜30原子層といった原子層レベル(数nm程度)の厚さに被覆されたものである。
そのため、表面被覆層2も含めた1個の触媒粒子全体として、ナノオーダ(100nm以下程度)のサイズにできるとともに、従来の単なるナノオーダの貴金属触媒粒子よりも、比表面積が大きく、高活性なものが得られる。
なお、表面被覆層2が30原子層よりも厚くなると、1個の触媒粒子全体としてナノオーダのサイズの確保が難しくなり、また、表面被覆層2自体が粒成長し比表面積が小さくなるので好ましくない。
この表面被覆層2の場合の厚みについて、Ptの場合を例に説明する。
面方位によって多少差はあるものの、Ptの層間隔は約0.2nm程度である。本例の触媒粒子では、上述の気相法である同時蒸発法によって表面被覆層2を形成することが好ましいが、表面被覆層2が30原子層以上ということは、Pt層の厚みが6nm以上になる。
検討の結果、同時蒸発法では30原子層以上積層させることは困難である。また、積層の厚みが多くなると表面被覆層2に期待している基粒子1の結晶構造の反映効果が少なくなり、触媒粒子としての性質が強くなり表面被覆層としてもメリットが少なくなる。
以上のことより、表面被覆層2の厚みは1〜30原子層が適している。
また、超微粒子の場合は、上記した原子層による規定ではなく、50nm未満の粒径が好ましく、50nm以上の粒径では、ナノメータサイズの基粒子表面を被覆することが困難になる。
また、この図2に示される触媒成分30としての触媒粒子は、基粒子1も触媒活性を持ち、基粒子1と表面被覆層2とを、互いに異なる物質に対して触媒活性を示すものを選択することができるため、1種の触媒粒子で複数種類の物質に対して活性を示すことができる。
上記の理由から、メカニズムの詳細はよくわからないが、相乗的に触媒機能を高めることができ、複数の有毒物質に対して分解活性の高い触媒粒子が実現できる。
具体的に、触媒機能の相乗効果が期待できる表面被覆層2にてコートされた基粒子1の組合せとしては、PtにてコートされたCeO2微粒子、PtにてコートされたCeO2−ZrO2固溶微粒子、Auにてコ一トしたTiO2微粒子、Ptにてコートされた炭素粒子などがあげられる。
こうして、図2に示される触媒粒子によれば、より高活性であり且つ複数種類の物質に対して活性を示す触媒成分30を提供することができる。
なお、上記触媒粒子においては、基粒子1の表面の全体ではなく一部が、表面被覆層2にて被覆されていることが好ましい。このように被覆することで、基粒子1が、単なる担体ではなく触媒活性を持つものである場合等、表面被覆層2にて被覆されずに露出する基粒子1の表面を介して、基粒子1の特性を有効に活かすことができる。
たとえば、この触媒粒子として、CeO2(基粒子1)をPt(表面被覆層2)で被覆したものは、上述したように、自動車の排ガス浄化用触媒として用いられる。このとき、表面被覆層2であるPtはHCの酸化やNOxの還元が行われる触媒として機能するが、基粒子1であるCeO2は、酸素を吸収・放出する機能(酸素吸放出能)を持つ助触媒として機能する。
そのため、触媒周囲の雰囲気(排ガス)中の酸素の過不足に応じて、CeO2から酸素が放出されたり、CeO2へ酸素が吸収されたりすることにより、HCの酸化やNOxの還元を行うための酸素雰囲気を適切に実現することができ、排ガス浄化を適切に行うことができる。
そして、このような働きは、CeO2とPtとが接している両者の境界部で効果的に行われると考えられ、図3に示されるように、基粒子1であるCeO2粒子の表面の全体ではなく一部を表面被覆層2であるPt層にて被覆することにより、当該境界部の領域を多くすることができ、有効である。
上記表面被覆層2による基粒子1表面の被覆割合は、TEM像等で確認することができる。本発明者の検討では、基粒子1の表面の0.5〜60%程度を被覆するものが好ましい。
図1に示される本実施形態の触媒体は、次のようにして調製する。
まず、第1のコート層21を構成する酸化物粒子を分散させたスラリーを用意し、このスラリーに多孔質基材10を含浸させ、その後、乾燥・焼成することで第1のコート層21が形成された多孔質基材10が得られる。
続いて、第2のコート層22を構成する酸化物粒子を分散させたスラリーを用意し、このスラリーに、第1のコート層21付きの多孔質基材10を含浸させ、その後、乾燥・焼成することで、第1のコート層21の上に第2のコート層22を形成する多孔質基材10を得る。
ここでは、超音波アシスト還元法によって、触媒成分として上記図2に示されるような基粒子1の表面を表面被覆層2により被覆してなる触媒粒子を形成した場合について、述べる。
超音波アシスト還元法とは、基粒子と金属前駆体とを溶媒中に混在させ、この溶媒に超音波を照射することにより、基粒子の表面に、金属前駆体が還元した金属であってナノメートルオーダの金属微粒子または数原子層からなる被覆層を析出させるものである。
まず、触媒成分30を分散させたスラリーを用意する。具体的には、ビーカーなどの容器中に、上記溶媒として水やエタノール等の有機溶媒などを入れるとともに、この溶媒中にて基粒子と金属前駆体とを分散する。そして、この容器を超音波発生器(ソノリアクター)にセットして、超音波を照射する。
基粒子としてCeO2、金属前駆体としてPtCl2を用いた例をとって、超音波アシスト還元法の原理について述べる。溶媒中にて基粒子と金属前駆体とを分散させると、CeO2、Pt2+イオン、Cl-イオンが溶媒中に分散する。
そして、溶媒中に含まれる還元剤によって、CeO2表面の活性点を核としてPt2+イオンが還元して金属化することにより、CeO2表面に表面被覆層としてPt金属が析出する。
そして、Pt金属の析出が進行して行くが、このとき、超音波によってCeO2表面にキャビティ(泡)が発生する。このキャビティの存在によりPt金属がCeO2表面に分散して析出するとともに、キャビティの消滅の衝撃によりPt金属の結晶成長が抑制される。
超音波アシスト還元法では、このようなメカニズムにより、基粒子の表面に、金属前駆体が還元した金属であってナノメートルオーダの金属微粒子または数原子層からなる表面被覆層を析出してなる触媒粒子を調製できる。
また、超音波アシスト還元を活性化させる手段として、上述の還元剤を添加してもよい。このような還元剤としては、特に限定されるものではないが、アルコール類、アミン類、糖類、界面活性剤などがあげられる。具体的には、アルコール類としてはエタノール、プロパノール、アミン類としては、ジエタノールアミン、糖類としてはショ糖、界面活性剤としてはアルカリ性活性剤などがある。
還元剤の添加量についても、特に限定されるものではなく、溶媒に対して0.01wt%(重量%)以上、つまり、還元剤は液相中の0.01wt%以上であればよい。ただし、還元剤の割合をコントロールすることにより、還元析出する金属粒径をコントロールすることが可能であり、希望とする金属粒径に対する還元剤の割合を選定することが望ましい。
還元剤の割合が多いと、反応が速くなるために、金属粒子の成長が促進され、金属粒径が大きくなる。これに対し、還元剤の割合が少ないと、金属粒子の成長がゆっくりとなり、かつ成長よりも他の活性点への析出も促進されるため、金属粒径が小さくなる傾向にある。
また、上記超音波アシスト還元法において、照射超音波の周波数としては、特に限定されるものではないが、20〜300kHzが望ましい。周波数は、金属前駆体によって、最適値が異なり、一般的には、液相に溶解する金属前駆体に対しては、高周波数を使用し、液相に不溶な金属前駆体に対しては、低周波数を使用することが望ましい。
以上、超音波アシスト還元法により、上記図2に示される触媒粒子としての触媒成分30が得られる。そして、この触媒成分30は、水や有機溶媒などの溶媒に分散され、スラリーを形成する。
上記触媒成分30を分散させたスラリーに、第1および第2のコート層21、22付きの多孔質基材10を含浸させ、その後、乾燥・焼成する。これにより、図1に示される本実施形態の触媒体が得られる。
[効果等]
本実施形態によれば、多孔質基材10と、多孔質基材10の表面上に順次積層された酸化物粒子からなる第1のコート層21、第2のコート層22と、第2のコート層22の上に設けられた触媒成分30と、を備え、第1のコート層21を構成する酸化物粒子の粒径は、第2のコート層22を構成する酸化物粒子の粒径よりも大きいことを特徴とする触媒体が提供することができる。
それによれば、第2のコート層22は、第1のコート層21よりも粒径の小さな酸化物粒子からなるものとなる。そのため、第2のコート層22は、触媒成分30を通過させない緻密な層であって、且つ、粒子径小さいから触媒成分30を担持するための表面積が大きな層とすることができる。
また、粒径の大きな第1のコート層21を、粒径の小さな第2のコート層22と多孔質基材10との間に介在させることにより、この第1のコート層21が土台となって多孔質基材10の細孔を閉塞した状態となるため、その上の第2のコート層22を多孔質基材10の細孔に入り込まないようにすることができる。
そのため、多孔質基材10上に担持される第2のコート層22は、多孔質基材10の細孔の内部には、ほとんど入りこまない状態で、第1のコート層21の酸化物粒子およびその隙間に配置される。その結果、第2のコート層22は、多孔質基材10の表面に配置されることになり、第2のコート層22の厚さは、必要な範囲にて極力薄くすることができる。
また、第1のコート層21も、それを構成する酸化物粒子の粒径が大きいものにできるため、第2のコート層22の土台として多孔質基材10の細孔を閉塞するためには、さほど厚くなくてもよい。
また、第1のコート層21の酸化物粒子は、多孔質基材10の表面にて多孔質基材10の細孔を閉塞するだけで、細孔にはほとんど入り込まないので、多孔質基材10において細孔による空隙は残り、多孔質基材10の熱による膨張・収縮を緩和する機能を持っているので熱衝撃性は確保される。
つまり、コージェライトなどの多孔質基材の細孔に触媒成分を入り込ませず、多孔質基材の表層への触媒成分の集中的な担持を実現するためには、多孔質基材の表層における細孔を何らかの部材で充填して封止するとよい。
しかし、そのようにしてしまうと、多孔質基材における細孔の空隙を活かした熱衝撃性能が発揮されず、多孔質基材ひいては触媒体の耐熱性が低下してしまう。
その点、本実施形態の触媒体は、多孔質基材10における細孔の空隙は存在するため、そのような問題は回避される。
こうして、本実施形態では、多孔質基材10の表面上において薄く形成された第1および第2のコート層21、22の上に、触媒成分30が担持された形となるため、結果的に、多孔質基材10の表面に触媒成分30が薄く配置された構成を実現することができる。
このように、本実施形態の触媒体によれば、多孔質基材10上の酸化物粒子の層の厚さを従来に比べて極力薄くできるので、上記した通気抵抗を小さくでき、また、触媒成分30は酸化物粒子の下の多孔質基材10の細孔に入り込むことはほとんどなく、多孔質基材10の表面に効率的に形成される。
したがって、本実施形態によれば、触媒成分30が担持された酸化物粒子を、多孔質基材10に担持してなる触媒体において、触媒成分30の反応利用効率を高め、触媒成分30の使用量を低減することができる。そして、本実施形態によれば、環境にやさしく安価な触媒体を提供できる。
また、本実施形態の触媒体においては、第1のコート層21を構成する酸化物粒子の粒径は、多孔質基材10の平均細孔径の1/2倍〜1/4倍であり、第2のコート層22を構成する酸化物粒子の粒径は、多孔質基材10の平均細孔径の1/25倍〜1/65倍であることも特徴のひとつである。
上述したように、このような酸化物粒子の粒径とすれば、第1のコート層21を構成する酸化物粒子が、多孔質基材10の細孔にほとんど入り込まず、また、第2のコート層22によって緻密で表面積の大きな酸化物粒子の層が適切に実現できる。
また、本実施形態の触媒体では、多孔質基材10がコージェライトである場合には、第1のコート層21を構成する酸化物粒子の粒径は、600nm〜1000nmであり、第2のコート層22を構成する酸化物粒子の粒径は、30nm〜80nmであることも特徴のひとつである。
上述したように、本発明者の行った調査の結果によれば、コージェライトの平均細孔径は、1μm〜2μmであり、この実測値に基づいて、上述した酸化物粒子の粒径が好ましい。
また、本実施形態の触媒体においては、第1および第2のコート層21、22を構成する酸化物粒子は、CeO2、ZrO2、Al23、TiO2、SiO2、MgO、Y23、Ni23およびこれらの組成物から選ばれる一種または二種以上の化合物のいずれかから構成されるものであることも特徴のひとつである。
それによれば、触媒成分30の担体である酸化物粒子として、従来のγ−アルミナよりも耐熱性に優れるものを提供することが可能になる。つまり、この中から、より耐熱性に優れるθ−アルミナ、チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)等を、酸化物粒子として使用することで、酸化物粒子自体の形状変化を軽減することができ、触媒成分の埋没も防ぐことができる。
より具体的には、上述したように、本実施形態の触媒体においては、酸化物粒子として、θ−アルミナまたはδ−アルミナからなるものを採用することができる。
本発明者は、従来のγ−アルミナの耐熱化を検討した。γ−アルミナの温度を600℃付近から上昇させていくと、800℃付近でθ−アルミナに相変化し、δ−アルミナを経て、1200℃付近でα−アルミナに相変化する。
ここで、γ−アルミナの比表面積は150〜300m2/gであり、θ−アルミナおよびδ−アルミナの比表面積は30〜100m2/gであり、α−アルミナの比表面積は1〜2m2/gである。なお、コージェライトモノリス基材の比表面積はα−アルミナの比表面積と同程度である。
つまり、酸化物粒子として、θ−アルミナまたはδ−アルミナを採用すれば、多少、γ−アルミナに比べて比表面積は小さくなるものの、実用上は問題なく、しかも、耐熱性に優れた酸化物粒子を提供することができる。
また、上述したが、本実施形態においては、酸化物粒子は、SiO2からなるものであってもよく、本例では、そのようにしている。
SiO2をコート層21、22の原料に用いた場合、詳細なメカニズムは不明であるが、本発明者の検討によれば、SiO2をコート層21、22の原料とすることにより、触媒成分30との密着性が向上し、高温での長時間使用に対して、触媒成分30の凝集等による触媒劣化すなわちシンタリングを抑制できる。
その結果、活性の高い触媒機能を持続することが実現可能となり、高温での耐久性能が向上した触媒体を提供することができる。具体的に、耐熱性向上が期待できるコート層21、22−触媒成分30の組合せとしては、SiO2コート−CeO2微粒子、SiO2コート−CeO2・ZrO2複合酸化物微粒子などがあげられる。
また、本実施形態の触媒体においては、触媒成分30は、上記図2に示されるような、ナノメートルオーダの一次粒子径を持つ一種の単体微粒子または二種以上の化合物微粒子である基粒子1と、この基粒子1の表面の少なくとも一部を被覆する一種以上の金属またはそれらの組成物と、よりなる触媒粒子を採用することも特徴のひとつである。
それによれば、触媒成分30を、1個の触媒粒子全体として、ナノメートルオーダ(100nm以下程度)のサイズのものにできるとともに、従来の単なるナノメートルオーダの貴金属触媒粒子よりも、比表面積が大きく、高活性なものにできる。
そして、本実施形態では、基粒子1も触媒活性を持つものにすることができ、基粒子1と一種以上の金属またはそれらの組成物とを、互いに異なる物質に対して触媒活性を示すものになるように選択することができるため、1種の触媒粒子で複数種類の物質に対して活性を示すことができる。
つまり、本実施形態によれば、触媒成分30として、より高活性であり且つ複数種類の物質に対して活性を示すことの可能な触媒粒子を提供することができる。また、この図2に示される触媒成分30として用いられる触媒粒子について、上述したさらなる特徴や効果などが存在することは、既述の通りである。
また、本実施形態によれば、多孔質基材10の表面上に酸化物粒子からなる第1のコート層21、第2のコート層22を順次積層形成し、第2のコート層22の上に触媒成分30を担持させてなる触媒体の製造方法であって、以下の各工程を行うことを特徴とする製造方法が提供される。
(1)まず、第1のコート層21を構成する酸化物粒子を分散させたスラリーを用意し、このスラリーに多孔質基材10を含浸させた後、焼成により第1のコート層21が形成された多孔質基材10を作成する第1工程。
(2)第1工程に続いて、第2のコート層22を構成する酸化物粒子として粒径が第2のコート層22を構成する酸化物粒子の粒径よりも大きい粒子を分散させたスラリーを用意し、このスラリーに第1のコート層21が形成された多孔質基材10を含浸させた後、焼成により第1のコート層21の上に第2のコート層22が形成された多孔質基材10を作成する第2工程。
(3)触媒成分30を分散させたスラリーに、第1および第2のコート層21、22が形成された多孔質基材10を含浸させた後、焼成を行う第3工程。
以上、第1工程から第3工程により、上記図1に示される本実施形態の触媒体ができあがる。この製造方法においても、上記した本実施形態の触媒体について述べたのと同様の作用効果が発揮される。
つまり、本製造方法によれば、本実施形態の触媒体を適切に製造することができるとともに、触媒成分30が担持された酸化物粒子を、多孔質基材10に担持してなる触媒体において、触媒成分30の反応利用効率を高め、触媒成分30の使用量を低減することができる。そして、環境にやさしく安価な触媒体を提供できる。。
また、このような特徴点を有する本実施形態の製造方法においても、さらに、次のような特徴点を備えた製造方法とすることができる。なお、以下の製造方法における各特徴点に係る作用効果は、上述したとおりである。
(4)第1のコート層21を構成する酸化物粒子の粒径として、多孔質基材10の平均細孔径の1/2倍〜1/4倍のものを用い、第2のコート層22を構成する酸化物粒子の粒径として、多孔質基材10の平均細孔径の1/25倍〜1/65倍のものを用いること。
(5)多孔質基材10としてコージェライトを用い、第1のコート層21を構成する酸化物粒子として粒径が600nm〜1000nmのものを用い、第2のコート層22を構成する酸化物粒子として粒径が30nm〜80nmのものを用いること。
(6)第1および第2のコート層21、22を構成する酸化物粒子として、CeO2、ZrO2、Al23、TiO2、SiO2、MgO、Y23、Ni23およびこれらの組成物から選ばれる一種または二種以上の化合物のいずれかから構成されるものを、用いること。
(7)酸化物粒子として、θ−アルミナまたはδ−アルミナまたはSiO2からなるものを採用すること。
(8)触媒成分30として、上記図2に示されるような、ナノメートルオーダの一次粒子径を持つ一種の単体微粒子または二種以上の化合物微粒子である基粒子1と、この基粒子1の表面の少なくとも一部を被覆する一種以上の金属またはそれらの組成物と、よりなる触媒粒子を採用すること。なお、本製造方法において採用される、この触媒粒子について、上述したさらなる特徴や効果などが存在することは、既述の通りである。
[変形例]
ここで、本実施形態の変形例について述べておく。図3は、本実施形態の変形例としての触媒体の模式的な構成を示す断面図である。
図3に示される例では、第2のコート層22の上に、さらに、第2のコート層22を構成する酸化物粒子よりも粒径の大きな酸化物粒子からなる第3のコート層23が設けられており、この第3のコート層23の上に触媒成分30が設けられている。
上述したように第2のコート層22を構成する酸化物粒子は、粒径が小さいから、表面積を確保できるが、粒径が小さすぎて第2のコート層22が緻密になりすぎた場合、かえって表面積が小さくなる可能性がある。
そのような場合、第2のコート層22よりも粒径の大きな酸化物粒子からなる第3のコート層23を第2のコート層22の上に設け、これに触媒成分30を担持させれば、触媒成分30を担持するための表面積を適切に確保することができる。
ここで、第3のコート層23を構成する酸化物粒子の粒径は、多孔質基材10がコージェライトである場合において、第1のコート層21を構成する酸化物粒子の粒径よりも小さく且つ第2のコート層22を構成する酸化物粒子の粒径よりも大きいものとして、たとえば、100nm〜1000nm程度にすることができる。
また、この第3のコート層23を構成する酸化物粒子としては、第1および第2のコート層21、22を構成する酸化物粒子と同様、たとえばCeO2、ZrO2、Al23、TiO2、SiO2、MgO、Y23、Ni23およびこれらの組成物などにできる。
そして、この第3のコート層23を有する本例の触媒体は、上記製造方法において、第1の工程、第2の工程を行った後、第3のコート層23を構成する酸化物粒子を分散させたスラリーを用意し、このスラリーに第1のコート層21および第2のコート層22が形成された多孔質基材10を含浸させた後、焼成により第2のコート層22の上に第3のコート層23が形成された多孔質基材10を作成する工程を行い、その後、上記第3の工程を行うことにより、製造できる。
次に、本実施形態について、以下の実施例に基づいて、より具体的に述べる。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
以下に述べる実施例は、主に、多孔質基材としてコージェライトモノリス基材を用い、第1および第2のコート層を構成する酸化物粒子としてシリカ(SiO2)粒子を用い、触媒成分としては、基粒子としてのCeO2・ZrO2複合酸化物(以下、Ce−Zr複合酸化物という)の表面を貴金属であるPtおよびRhで被覆してなる上記図2に準ずる触媒粒子を用いたものである。
本実施例の触媒体は、排ガス浄化用、環境浄化用、燃料電池用など幅広く多くの分野で適用可能であるが、本実施例に限定されないことは言うまでもない。
[第1の例]
純水150mlに対して、粒径が約800nmのシリカ粒子の粉末を約16.7g、約10%混合した。この溶液に酢酸を加えて、溶液pHを3〜4に調整し、分散性をよくした。この溶液をボールミルなどの粉砕機にて16時間粉砕することで、第1コート層の原料としての粒径のそろったシリカ粒子のスラリーが得られた。
この得られた第1のコート層用のシリカ粒子スラリーを、コージェライトモノリス基材の表面に塗布するにあたっては、次のような方法にて行った。
当該シリカ粒子スラリー中にコージェライトモノリス基材を含浸させ、これを150℃の熱風発生器による乾燥工程に供することにより、シリカ粒子をコージェライトモノリス基材に1.8g担持した。その後、これを、1050℃、1時間の焼成工程に供することにより、目的物を得た。
こうして、コージェライトモノリス基材の表面に第1のコート層としてのシリカからなる層が形成される。この状態のものを、第1のシリカコート層付きコージェライトモノリス基材ということにする。
第2のコート層の原料作成方法としては、粒径が約50nmのシリカ粒子のスラリーを純水と1:1で希釈混合することで作成した。この第2のコート層用のシリカ粒子スラリーを、第1のシリカコート層付きコージェライトモノリス基材の表面に塗布するにあたっては、次のような方法にて行った。
第2のコート層用のシリカ粒子スラリー中に、第1のシリカコート層付きコージェライトモノリス基材を含浸させ、これを150℃の熱風発生器による乾燥工程に供することにより、当該シリカ粒子を当該基材に1.0g担持した。その後、これを、1050℃、1時間の焼成工程に供することにより、目的物を得た。
こうして、コージェライトモノリス基材の表面に、シリカからなる第1のコート層および第2のコート層が形成される。この状態のものを、第1および第2のシリカコート層付きコージェライトモノリス基材ということにする。
なお、第1のコート層用のシリカ粒子スラリーへのコージェライトモノリス基材の含浸時、および、第2のコート層用のシリカ粒子スラリーへの第1のシリカコート層付きコージェライトモノリス基材の含浸時には、シリカ粒子間の隙間の少ないコート層を得ることを目的として、たとえば100kHz程度の超音波照射を行ってもよい。
このことは、たとえば、シリカ粒子のスラリー溶液の入ったビーカーなどの容器を、超音波発生器(ソノリアクター)、および超音波洗浄器にセットすることにより、行うことができる。
触媒成分の作成方法として、ここでは、上記超音波アシスト還元法を用いて行った。その方法としては、まず、水またはエタノール等の有機溶媒などからなる溶媒1000ml中に基粒子となるCe−Zr複合酸化物を25gを秤量し、溶解させた。
そして、得られたCe−Zr複合酸化物のスラリーに、25kHzで30分間攪拌しながら超音波を照射することにより、Ce−Zr複合酸化物をナノオーダーに微細化するとともに分散させた。
そこへ、表面被覆層となる貴金属原料としてPtCl2を0.1g、RhCl3溶液を0.157ml秤量し、攪拌しながら超音波を照射し、微細化したCe−Zr複合酸化物のスラリーと混合した。さらに、PtCl2のPtに対する還元剤としてアルカノールアミンを約10ml添加した。
この超音波照射により塩化白金および塩化ロジウムが還元され、Pt粒子およびRh粒子となる。なお、上記した各超音波照射は、たとえば、上記した各原料を混合した溶媒の入った容器を超音波発生器(ソノリアクター)にセットすることにより、行うことができる。
こうして得られた混合液体について、遠心分離機による洗浄を実施することにより触媒粒子の前駆体としての固形物が得られる。この前駆体としての固形物は、基粒子としてのCe−Zr複合酸化物の表面に貴金属であるPtおよびRhが担持されたものである。なお、この後、粉体として触媒体を得たいのであれば、遠心分離後に残った上記固形物を400℃にて仮焼すればよい。
このようにして得られた固形物を、水や有機溶媒などの溶媒に分散させて分散溶液を調製する。そして、この分散溶液に硝酸を加え、溶液のpHを約3程度に調整することにより、コージェライトモノリス基材へ担持しやすいスラリーとする。なお、それ以外に、ホモジナイザー、媒体撹拌ミル等を用いることによっても、コージェライトモノリス基材へ担持しやすいスラリーを調製することが可能である。
次に、上記分散溶液から作成されたスラリーを再度25kHzで超音波照射することにより、触媒成分をナノオーダーへ微細化させる。それにより、本実施例における触媒成分が分散した触媒成分スラリー溶液が得られる。
第1および第2のシリカコート層付きコージェライトモノリス基材へ触媒成分を担持するにあたっては、次のような方法にて行った。
上記触媒成分スラリー溶液中に第1および第2のシリカコート層付きコージェライトモノリス基材を含浸させ、これを150℃の熱風発生器による乾燥工程に供することにより、触媒成分を当該基材に1.4g担持した。その後、これを、500℃、2時間の焼成工程に供することにより、目的物を得た。
こうして、第1および第2のシリカコート層付きコージェライトモノリス基材の表面に触媒成分が集中的に担持された状態として、本例における触媒体が得られる。
[第2の例]
本例では、上記第1の例における第2のコート層用のシリカ粒子の第1のシリカコート層付きコージェライトモノリス基材への担持量を1.0gに代えて0.5gとした。それによって、第2のコート層をより薄いものとした。それ以外は、上記第1の例と変わりなく、上記同様に触媒成分の担持まで行い触媒体を作成した。
[第3の例]
本例では、上記第1の例における第2のコート層用のシリカ粒子の第1のシリカコート層付きコージェライトモノリス基材への担持量を1.0gに代えて0.2gとした。それによって、第2のコート層をより薄いものとした。それ以外は、上記第1の例と変わりなく、上記同様に触媒成分の担持まで行い触媒体を作成した。
[第4の例]
本例では、上記第1の例における第1のコート層用のシリカ粒子のコージェライトモノリス基材への担持量を1.8gに代えて1.0gとした。それによって、第1のコート層をより薄いものとした。それ以外は、上記第1の例と変わりなく、上記同様に触媒成分の担持まで行い触媒体を作成した。
[第5の例]
本例では、上記第1の例における第1のコート層用のシリカ粒子のコージェライトモノリス基材への担持量を1.8gに代えて0.5gとした。それによって、第1のコート層をより薄いものとした。それ以外は、上記第1の例と変わりなく、上記同様に触媒成分の担持まで行い触媒体を作成した。
そして、上記本実施例における第1〜第5の例の各触媒体について、触媒成分がコージェライトモノリス基材の表面に集中して担持されているかどうかを確認した。その方法としては、電子線マイクロアナライザ(EPMA)によるモノリス断面の元素マッピングによる確認の方法を採用した。
その結果、第1〜第5の例の各触媒体において、触媒成分は、コージェライトモノリス基材の表層のコート層に集中して担持されていることが確認できた。
次に、第1〜第5の例の各触媒体を排ガス浄化用触媒として用いた場合において、その耐熱性の確認を行った。
第1〜第5の例の各触媒体を電気炉の中央に設置し、大気中にて800℃で5時間、加熱エージングを行った。このエージングの加熱条件は、従来の触媒体であれば、触媒成分の熱によるシンタリングが発生し劣化する条件である。
そして、第1〜第5の例の各触媒体において、上記エージングを行ったものと行わなかったものとについて、貴金属粒子径をCO吸着量測定装置にて測定することにより、耐熱性を評価した。
その結果、第1〜第5の例の各触媒体における貴金属粒子径はエージング前とエージング後でほとんど変化がなかった。このことから、本実施例の上記第1〜第5の例にて作製された排ガス浄化用の触媒体における貴金属粒子は、熱によるシンタリングが抑制されていることが確認できた。
なお、上記実施形態では、触媒成分30として、主として、上記図2に示されるような、ナノメートルオーダの一次粒子径を持つ一種の単体微粒子または二種以上の化合物微粒子である基粒子1と、この基粒子の表面の少なくとも一部を被覆する1種以上の貴金属または貴金属酸化物からなる表面被覆層2とよりなる触媒粒子を採用した例を述べたが、触媒成分30としては、従来より一般的に用いられているPt、Pd、Rh等の貴金属粒子、および、それ以外にも触媒機能を有するものを、各実施形態において採用できることはもちろんである。
以上より、本発明の触媒体は、多孔質基材と、多孔質基材の表面上に順次積層された酸化物粒子からなる第1のコート層、第2のコート層と、第2のコート層の上に設けられた触媒成分と、を備え、第1のコート層を構成する酸化物粒子の粒径は、第2のコート層を構成する酸化物粒子の粒径よりも大きいことを要部としたものであり、その他の部分については適宜設計変更が可能である。
本発明の実施形態に係る触媒体の模式的な構成を示す断面図である。 上記実施形態に用いられる触媒成分の一例を示す図である。 上記実施形態の変形例としての触媒体の模式的な構成を示す断面図である。
符号の説明
1…基粒子、2…表面被覆層、10…多孔質基材、
21…第1のコート層、22…第2のコート層、30…触媒成分。

Claims (18)

  1. 多孔質基材(10)と、
    前記多孔質基材(10)の表面上に順次積層された酸化物粒子からなる第1のコート層(21)、第2のコート層(22)と、
    前記第2のコート層(22)の上に設けられた触媒成分(30)と、を備え、
    前記第1のコート層(21)を構成する酸化物粒子の粒径は、前記第2のコート層(22)を構成する酸化物粒子の粒径よりも大きいことを特徴とする触媒体。
  2. 前記第1のコート層(21)を構成する酸化物粒子の粒径は、前記多孔質基材(10)の平均細孔径の1/2倍〜1/4倍であり、
    前記第2のコート層(22)を構成する酸化物粒子の粒径は、前記多孔質基材(10)の平均細孔径の1/25倍〜1/65倍であることを特徴とする請求項1に記載の触媒体。
  3. 前記多孔質基材(10)はコージェライトであり、
    前記第1のコート層(21)を構成する酸化物粒子の粒径は、600nm〜1000nmであり、前記第2のコート層(22)を構成する酸化物粒子の粒径は、30nm〜80nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の触媒体。
  4. 前記第1および第2のコート層(21、22)を構成する酸化物粒子は、CeO2、ZrO2、Al23、TiO2、SiO2、MgO、Y23、Ni23およびこれらの組成物から選ばれる一種または二種以上の化合物のいずれかから構成されるものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の触媒体。
  5. 前記酸化物粒子は、θ−アルミナまたはδ−アルミナからなるものであることを特徴とする請求項4に記載の触媒体。
  6. 前記酸化物粒子は、SiO2からなるものであることを特徴とする請求項4に記載の触媒体。
  7. 前記触媒成分(30)は、ナノメートルオーダの一次粒子径を持つ一種の単体微粒子または二種以上の化合物微粒子である基粒子(1)と、この基粒子(1)の表面の少なくとも一部を被覆する一種以上の金属またはそれらの組成物と、よりなる触媒粒子であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の触媒体。
  8. 前記基粒子(1)は、金属酸化物、金属炭化物および炭素材料から選ばれたものよりなることを特徴とする請求項7に記載の触媒体。
  9. 前記金属酸化物は、Ce、Zr、Al、Ti、Si、Mg、W、Sr、Niの酸化物およびそれらの組成物から選ばれる一種の単体、または二種以上の化合物からなることを特徴とする請求項8に記載の触媒体。
  10. 前記金属炭化物は、SiCまたはその化合物からなることを特徴とする請求項8または9に記載の触媒体。
  11. 前記炭素材料はグラファイトであることを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1つに記載の触媒体。
  12. 前記基粒子(1)の表面の少なくとも一部を被覆する一種以上の金属またはそれらの組成物が、50nm未満の粒径を持つ超微粒子であることを特徴とする請求項7ないし11のいずれか1つに記載の触媒体。
  13. 前記基粒子(1)の表面の少なくとも一部を被覆する一種以上の金属またはそれらの組成物が、1〜30原子層からなる被覆層(2)であることを特徴とする請求項7ないし12のいずれか1つに記載の触媒体。
  14. 前記基粒子(1)の表面の少なくとも一部を被覆する一種以上の金属またはそれらの組成物は、純度が99%以上のものであることを特徴とする請求項7ないし13のいずれか1つに記載の触媒体。
  15. 前記基粒子(1)の表面の全体ではなく一部が、前記一種以上の金属またはそれらの組成物にて被覆されていることを特徴とする請求項7ないし14のいずれか1つに記載の触媒体。
  16. 前記触媒成分(30)における前記一種以上の金属またはそれらの組成物とは、Pt、Rh、Pd、Au、Ag、Ruおよびそれらの酸化物から選ばれる一種以上の単体、または二種以上の化合物であることを特徴とする請求項7ないし15のいずれか1つに記載の触媒体。
  17. 前記第2のコート層(22)の上に、さらに前記第2のコート層(22)を構成する酸化物粒子よりも粒径の大きな酸化物粒子からなる第3のコート層(23)が設けられており、この第3のコート層(23)の上に前記触媒成分(30)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1つに記載の触媒体。
  18. 前記第3のコート層(23)を構成する酸化物粒子の粒径は、100nm〜1000nmであることを特徴とする請求項17に記載の触媒体。
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