JP2007152286A - 高耐熱性触媒担体及びその製造方法 - Google Patents

高耐熱性触媒担体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】担持された貴金属の粒成長をさらに抑制する。
【解決手段】水酸化アルミニウムを焼成することで形成され層間に空隙をもつ多層構造を有し、平均層間距離が0.01μm以上かつ 0.1μm以下の範囲にあるアルミナからなる。
α−アルミナ単品の場合より平均層間距離が小さいので、それに貴金属を担持した排ガス浄化用触媒では、従来に比べて貴金属の移動がさらに規制されるため、貴金属の粒成長が抑制される。
【選択図】なし

Description

本発明は、自動車エンジンなどからの排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒に用いられる触媒担体に関し、詳しくは貴金属を担持した排ガス浄化用触媒の耐熱性に優れる触媒担体に関する。
従来より、自動車の排ガス浄化用触媒として、CO及びHCの酸化とNOx の還元とを同時に行って排気ガスを浄化する三元触媒が用いられている。このような三元触媒としては、コーディエライトなどからなる耐熱性基材にγ−アルミナからなる多孔質担体層を形成し、その多孔質担体層に白金(Pt)、ロジウム(Rh)などの貴金属を担持させたものが広く知られている。
ところで近年、排ガス浄化用触媒の設置場所がエンジンに近いマニホールド直下とされる傾向があり、また高速走行の機会が増加していることから、排ガス浄化用触媒は高温に晒される場合が多くなっている。ところが従来の排ガス浄化用触媒では、高温の排ガスによりγ−アルミナの焼結が進行し、これに伴う貴金属の粒成長によって触媒活性点が減少するため浄化性能が劣化するという不具合があった。
また近年では、二酸化炭素の排出量を抑制するために、酸素過剰の混合気を供給するリーンバーンエンジンが主流になっている。しかしながら、酸素過剰のリーン雰囲気下で 800℃以上の高温が作用した場合には、貴金属の粒成長が著しい。
そこで本願出願人は、特開平08−338897号公報にみられるように、貴金属を担持した担体を非酸化性雰囲気中にて 800℃以上で熱処理する製造方法を提案している。この製造方法によれば、多孔質担体が焼結して細孔が収縮するため、担持されている貴金属は多孔質担体で緊密に取り囲まれる。したがってリーン雰囲気下で高温が作用しても貴金属の移動が多孔質担体によって規制されているため、貴金属の粒成長を抑制することができる。
ところが特開平08−338897号公報に記載の製造方法で製造された排ガス浄化用触媒であっても、高速走行での減速時における燃料カット走行など、酸素過剰のリーン雰囲気下で 800℃を超える高温が長時間作用すると、貴金属に粒成長が生じることが明らかとなった。これは、細孔外に担持されている貴金属粒子が物理的及び化学的に担体に固定されておらず、自由に移動できることが原因であると考えられる。
そこで本願出願人は、特開2004−141864号公報において、水酸化物を焼成することで形成され層間に空隙をもつ多層構造を有するα−アルミナの層間に貴金属を担持した排ガス浄化用触媒を提案している。この触媒によれば、担持された貴金属は層間に挟み込まれた状態となっているので、高温時においても貴金属粒子が移動するのが抑制され、貴金属粒子どうしが凝集して層の間隔以上に粒成長するのが抑制される。またα−アルミナ自身も高耐熱性であるので、担体自身の焼結による貴金属の粒成長も抑制されている。これらの相乗作用によって、酸素過剰のリーン雰囲気下で 800℃を超える高温が長時間作用しても、貴金属は高分散状態を維持する。
しかしながら、層間に空隙をもつ多層構造を有するα−アルミナを担体とした場合であっても、焼成条件によっては層の間隔が大きくなり、貴金属粒子が空隙内で移動して粒成長するのを完全に抑制することが困難であった。そのためセリアなどの酸化物粒子を層間の空隙にさらに充填して貴金属の移動を抑制しているが、製造工数が多大となるという問題がある。
特開平08−338897号 特開2004−141864号
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、特許文献2に記載の担体自体の構造及び製造方法を改良することで、担持された貴金属の粒成長をさらに抑制することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明の高耐熱性触媒担体の特徴は、水酸化アルミニウムを焼成することで形成され層間に空隙をもつ多層構造を有し、平均層間距離が0.01μm以上かつ 0.1μm以下の範囲にあるアルミナからなることにある。
上記触媒担体は、XRD分析によって得られる回折パターンの強度がα−アルミナ単品の回折パターンの強度の50%以下であることが好ましく、5%以下であることがさらに望ましい。
そして本発明の高耐熱性触媒担体を製造するための本発明の製造方法の特徴は、水酸化アルミニウム粉末を1000℃〜1200℃の温度で焼成することで、層間に空隙をもつ多層構造を有し、平均層間距離が0.01μm以上かつ 0.1μm以下の範囲にあるアルミナからなる高耐熱性触媒担体を製造する方法であって、水酸化アルミニウム粉末にミリング処理を行ってサブミクロンサイズの細孔を表面に形成した後に焼成を行うことにある。
本発明の触媒担体は層間に空隙をもつ多層構造を有し、平均層間距離が0.01μm以上かつ 0.1μm以下の範囲にある。特許文献2に記載のα−アルミナの平均層間距離は 0.1μmを超えていたが、本発明の触媒担体ではそれより平均層間距離が小さい。したがって本発明の触媒担体における層間の空隙に貴金属を担持した排ガス浄化用触媒によれば、従来に比べて貴金属の移動がさらに抑制されるため、貴金属の粒成長が抑制され耐熱性に優れている。また従来と同等の耐熱性とするなら、貴金属の担持量を低減することができる。さらにセリアなどの酸化物粒子を層間の空隙に介在させる必要がないので、製造工数並びにコストを大きく低減することができる。
触媒担体の層間距離を測定するには、従来は水銀圧入法を用いている。しかしこの測定法では水銀を含む廃棄物が発生するため、量産時の品質検査法としては好ましくない。また断面の電子顕微鏡観察によって測定することも考えられるが、熟練した技能者が測定する必要があるとともに測定時間が長い。さらに直径数μmの粒子を切断することは困難であり、現実的ではない。しかし、本発明の触媒担体においては、層間距離の指標としてXRD分析によって得られる回折パターンの強度比を採用することができる。すなわち、XRD分析によって得られる触媒担体の回折パターンの強度がα−アルミナ単品のピークの強度の50%以下であれば、平均層間距離を 0.1μm以下と推定することができる。したがって水銀を含む廃棄物が発生することがなく、短時間で測定できるので、量産時の品質検査法として相応しい。
そして本発明の製造方法によれば、表面細孔によって水酸化アルミニウム粉末の内部への熱伝達が促進されるため、低温で焼成しても細孔分布を狭くすることが可能となり、平均層間距離をより小さくすることができる。したがって本発明の触媒担体を安定して製造することができる。
本発明の触媒担体は、水酸化アルミニウムを焼成することで形成され、層間に空隙をもつ多層構造を有し、平均層間距離が0.01μm以上かつ 0.1μm以下の範囲にあるアルミナからなる。水酸化アルミニウムを1000℃〜1200℃で焼成すると、焼成条件に応じてθ−アルミナ、κ−アルミナ、χ−アルミナ、α−アルミナなどの結晶構造をもつ多層構造のアルミナが生成する。焼成時には、結晶内で層状に密着していた水酸化アルミニウムが変態するとともに収縮し、それによって層間に空隙をもつアルミナが生成すると考えられている。
本発明では、平均層間距離が0.01μm以上かつ 0.1μm以下であることを構成要件としている。平均層間距離が0.01μm未満すなわち10nm未満では、層間に貴金属を担持することが困難となる。また 0.1μmすなわち 100nmを超えると、貴金属が移動し易くなって粒成長を抑制することが困難となる。なお平均層間距離は、水銀圧入法で気孔率を測定した結果から求められる容積頻度が最大となる細孔径と同義であり、そのようにして測定することができる。また「α化率」を測定することで、平均層間距離を精度高く推定することが可能である。
「α化率」とは、触媒担体中のα−アルミナ結晶の含有量を意味するものであり、XRD分析によって得られるα−アルミナ単品の回折パターンの強度に対する触媒担体のそれの割合をいう。回折パターンにおけるα−アルミナ結晶を特定できるピークは( 012)面又は( 113)面によるものなので、測定対象の触媒担体におけるこのいずれか、あるいは両方の回折強度(ピーク高さ)がα−アルミナ単品のそれに対する割合を測定して「α化率」とする。このα化率が50%を超えると、α−アルミナ結晶が多くなって平均層間距離が 0.1μmを超えるため好ましくない。α化率を5%以下とすれば平均層間距離が0.05μm以下となり、α化率を1%以下とすれば平均層間距離が0.03μm以下となることがわかっている。
なお平均層間距離あるいはα化率の大まかな値は、触媒担体の真密度(空隙の容積を除いた密度)から推定することも可能である。多層構造を有するアルミナは、嵩密度(空隙の容積を含んだ密度)はほぼ同等であるが、真密度が大きく異なることが明らかとなった。すなわち、真密度が大きいものほど空隙の容積が大きいため平均層間距離が大きく、逆に真密度が小さいものほど平均層間距離が小さい。
焼成条件は、大気中など酸化性雰囲気下にて1000℃〜1200℃の範囲で行う。焼成温度が高いほどα化率が大きくなり、大きな層間距離をもつ部分が多くなる。また1000℃未満では、多層構造のアルミナとすることが困難である。したがって焼成温度は、1000℃に近いなるべく低温が望ましい。
焼成の前工程として、水酸化アルミニウム粉末にミリング処理を行ってサブミクロンサイズの細孔を表面に形成することが望ましい。形成される表面細孔によって、焼成工程における水酸化アルミニウム粉末の内部への熱伝達が促進されるため、1100℃以下の低温での焼成が可能となるとともに細孔分布をより狭くすることが可能となるので、層間距離の大部分を 0.01μm〜 0.1μmの範囲とすることができる。すなわち焼成条件のばらつきの許容範囲を広げることができ、本発明の触媒担体を安定して製造することができる。なおミリング処理は、湿式又は乾式のどちらで行ってもよいが、乾式で行う方が好ましい。ミリング媒体としては、アルミナボールを用いるのが好ましい。
本発明の高耐熱性触媒担体の層間の空隙に担持される貴金属としては、Pt,Rh,Pd,Ir,Ruなど従来の排ガス浄化用触媒に用いられているものを用いることができる。特に、高い触媒活性を有するものの粒成長しやすいPtの場合に効果的である。また貴金属の担持量は、担体に対して 0.1重量%以上であり、好ましくは 0.5〜20重量%である。
本発明の高耐熱性触媒担体の層間の空隙に貴金属を担持するには、貴金属化合物薬液を用い毛細管現象を利用して空隙に含浸させ、その後蒸発乾固することで担持することができる。この場合、担体に吸着しにくい貴金属化合物薬液を用いることが望ましい。吸着しやすい薬液を用いると、表面に担持される貴金属が多くなり、それらが高温時に粒成長するという不具合がある。
なお蒸発乾固する際には、溶媒が完全に蒸発するまで撹拌など外部から力を加えることが望ましい。特に、溶媒が完全に蒸発するまで撹拌などの外部剪断力を加え続けることが望ましい。溶媒が残っている状態で撹拌などを停止すると、貴金属化合物薬液と担体とが分離して空隙に貴金属を十分に担持することが困難となる。しかし溶媒が完全に蒸発するまで撹拌などの外部剪断力を加え続ければ、貴金属化合物薬液と担体との分離が回避され、層間の空隙に貴金属を均一かつ十分に担持することができる。
以下、参考例、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(参考例)
市販の水酸化アルミニウム粉末(住友化学(株)製)を、1000℃〜1200℃の間の種々の焼成条件で焼成し、種々のアルミナ粉末を調製した。これらのアルミナ粉末についてXRD分析を行い、( 012)面(2θ=25.54deg)又は( 113)面(2θ=43.27deg)での回折強度を求め、α−アルミナ単品の対応する回折強度との比(α化率)を算出した。
一方、これらのアルミナ粉末について、水銀ポロシメータを用い、容積頻度が最大となる細孔径をそれぞれ測定した。容積頻度が最大となる細孔径は、層間距離の平均値(平均層間距離)に相当する。そしてα化率を横軸に、平均層間距離を縦軸にとってグラフ化したものを図1に示す。
図1から、α化率と平均層間距離との間には、相関係数が0.9342という高い相関関係がある。すなわちα化率を測定することで、平均層間距離を精度高く推定することができる。
(実施例1)
市販の水酸化アルミニウム粉末(住友化学(株)製)を 120℃で2時間乾燥して脱水し、その後大気中にて1050℃で焼成した。焼成条件は、室温から約 1.5時間かけて1050℃まで昇温し、すぐさま6時間以上かけて室温まで冷却した。
得られたアルミナ粒子について、水銀ポロシメータを用いて測定した。その結果から、容積頻度ピークを示す細孔径(平均層間距離)、嵩密度、真密度を求めた。嵩密度は空隙の容積を含んだ密度であり、真密度は空隙の容積を除いた密度である。さらに、嵩密度と真密度の値から、全体の体積中に空隙が占める容積の推定値(空隙率)を算出した。これらの値を表1に示す。
さらに得られたアルミナ粒子についてXRD分析を行い、( 012)面(2θ=25.54deg)又は( 113)面(2θ=43.27deg)での回折強度を求め、α−アルミナ単品の対応する回折強度との比(α化率)を算出した。結果を表1に示す。
上記アルミナ粉末にPtを 3.2重量%となるように担持してPt担持粉末を調製し、Pt担持粉末46.5重量部と、セリア−ジルコニア固溶体粉末 150重量部と、アルミナゾル(日産化学社製)13重量部と水を混合してPt入りスラリーを調製した。
一方、安定化ジルコニア粉末にRhを 0.7重量%となるように担持してRh担持粉末を調製し、Rh担持粉末60.4重量部と、γ−アルミナ粉末7重量部と、アルミナゾル(日産化学社製)7重量部と水を混合してRh入りスラリーを調製した。
コージェライト製モノリスハニカム基材を用意し、先ずPt入りスラリーをウォッシュコートして下触媒層を形成し、次いでRh入りスラリーをウォッシュコートして上触媒層を形成した。ハニカム基材1Lあたり、Ptは 1.5g担持され、Rhは 0.4g担持されている。こうして実施例1に係る三元触媒を調製した。
(実施例2)
市販の水酸化アルミニウム粉末(住友化学(株)製)を 120℃で2時間乾燥して脱水し、その後大気中にて1075℃で焼成した。焼成条件は、室温から約 1.5時間かけて1075℃まで昇温し、すぐさま6時間以上かけて室温まで冷却した。
得られたアルミナ粒子の平均層間距離、嵩密度、真密度、空隙率、及びα化率を測定し、結果をそれぞれ表1に示す。
このアルミナ粉末を用い、実施例1と同様にして三元触媒を調製した。
(比較例1)
市販の水酸化アルミニウム粉末(住友化学(株)製)を 120℃で2時間乾燥して脱水し、その後大気中にて1100℃で焼成した。焼成条件は、室温から約 1.5時間かけて1100℃まで昇温し、1100℃で 3.5時間保持した後、6時間以上かけて室温まで冷却した。
得られたアルミナ粒子の嵩密度、真密度、空隙率、及びα化率を測定し、結果をそれぞれ表1に示す。
このアルミナ粉末を用い、実施例1と同様にして三元触媒を調製した。
<試験・評価>
Figure 2007152286
表1から、各実施例のアルミナは平均層間距離が 0.1μm( 100nm)未満であり、比較例1に比べて小さい。このことは、真密度の差にも表れている。
V型8気筒のガソリンエンジン(排気量約 4.3L)を搭載したエンジンベンチの排気系に実施例2及び比較例1の三元触媒をそれぞれ装着し、触媒床温 950℃、フューエルカット条件で50時間の高温耐久試験を行った。その後、触媒入りガス温度を室温から徐々に昇温し、 THC、CO及びNOx の浄化率を連続的に測定して、各浄化率が50%に到達した時の温度(50%浄化温度)を測定した。また触媒入りガス温度を60℃から 430℃に急激に昇温したときの THC、CO及びNOx の浄化率を連続的に測定し、各浄化率が50%に達するまでの時間(ウォームアップ時間)を測定した。さらに、空燃比をリッチ側からリーン側に徐々に変化させ、 THC又はCOの時間−浄化率曲線とNOx の時間−浄化率曲線とが交差する点の浄化率(クロスポイント浄化率)をそれぞれ測定した。結果を表2に示す。
また、V型8気筒のガソリンエンジン(排気量約 4.3L)を搭載したエンジンベンチの排気系に実施例2及び比較例1の三元触媒をそれぞれ装着し、触媒入りガス温度 900℃にて、リッチ雰囲気とリーン雰囲気をそれぞれ1秒−1秒で交互に繰り返すのを50時間行う繰り返し耐久試験を行った。その後、上記と同様にして50%浄化温度、ウォームアップ時間、クロスポイント浄化率をそれぞれ測定し、結果を表3に示す。
Figure 2007152286
Figure 2007152286
表2及び表3より、実施例2の三元触媒は比較例1に比べて低温浄化性能に優れ、高い浄化性能を示していることがわかる。これは、実施例2の三元触媒では耐久試験時におけるPtの粒成長が抑制されたことを意味し、表1を参酌すると、平均層間距離が小さなアルミナにPtを担持したことによる効果であることが明らかである。
(実施例3)
市販の水酸化アルミニウム粉末(住友化学(株)製)を、 120℃の空気中にて24時間以上乾燥させた。得られた乾燥粉末 500gを約5Lのセラミック容器に入れ、直径約5mmのアルミナボール約 800個を加えて、750rpmで約4時間回転させるミリング処理を行った。これにより水酸化アルミナ粒子の表面には、図2に示すようにサブミクロンサイズの細孔が形成された。
得られた粉末を、大気中にて1048℃で焼成した。焼成条件は、室温から約 1.8時間かけて1048℃まで昇温し、すぐさま6時間以上かけて室温まで冷却した。
得られたアルミナ粉末に対して、20重量%となる量のγ−アルミナ粉末を混合し、 1000kgfの加重を加えて押し固めた、これを金属ふるいを用いて開砕し、 0.5〜 1.7mmの径のペレットに整粒した。
(比較例2)
市販の水酸化アルミニウム粉末(住友化学(株)製)を、 120℃の空気中にて24時間以上乾燥させた。得られた乾燥粉末の粒子表面には、図3に示すようにサブミクロンサイズの細孔は存在しない。この乾燥粉末を、ミリング処理を行うことなく、大気中にて1046℃で焼成した。焼成条件は、室温から約 1.7時間かけて1046℃まで昇温し、すぐさま6時間以上かけて室温まで冷却した。
得られたアルミナ粉末に対して、20重量%となる量のγ−アルミナ粉末を混合し、 1000kgfの加重を加えて押し固めた、これを金属ふるいを用いて開砕し、 0.5〜 1.7mmの径のペレットに整粒した。
<試験・評価>
実施例3及び比較例2のペレットについて、水銀ポロシメータにて、約5.5kPa〜約228MPaの浸透圧力を付加して細孔内に水銀を連続的に注入し、細孔径 6.4nm〜 230μmの細孔容積分布をそれぞれ測定した。結果を図4に示す。
図4から明らかなように、実施例3のアルミナ粉末には0.01μm〜 0.1μmの範囲に細孔容積頻度の大きなピークを有している。これは比較例2に比べて層間距離が小さくなっていることを意味し、水酸化アルミニウムの状態でミリング処理を行うことによって平均層間距離を小さくできることが明らかである。
上記実施例では三元触媒に本発明の触媒担体を用いたが、酸化触媒、NOx 吸蔵還元型触媒、NOx 選択還元触媒など、種々の触媒の担体として用いることができることは言うまでもない。
α化率と平均層間距離との関係を示すグラフである。 ミリング処理後の水酸化アルミニウム粒子の表面構造を示す顕微鏡写真である。 ミリング処理前の水酸化アルミニウム粒子の表面構造を示す顕微鏡写真である。 細孔分布を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 水酸化アルミニウムを焼成することで形成され、層間に空隙をもつ多層構造を有し、平均層間距離が0.01μm以上かつ 0.1μm以下の範囲にあるアルミナからなることを特徴とする高耐熱性触媒担体。
  2. XRD分析によって得られる回折パターンの強度がα−アルミナ単品の回折パターンの強度の50%以下である請求項1に記載の高耐熱性触媒担体。
  3. XRD分析によって得られる回折パターンの強度がα−アルミナ単品の回折パターンの強度の5%以下である請求項1に記載の高耐熱性触媒担体。
  4. 水酸化アルミニウム粉末を1000℃〜1200℃の温度で焼成することで、層間に空隙をもつ多層構造を有し、平均層間距離が0.01μm以上かつ 0.1μm以下の範囲にあるアルミナからなる高耐熱性触媒担体を製造する方法であって、
    水酸化アルミニウム粉末にミリング処理を行ってサブミクロンサイズの細孔を表面に形成した後に該焼成を行うことを特徴とする高耐熱性触媒担体の製造方法。
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