JP5104009B2 - 排気ガス浄化触媒及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、内燃機関から排出される排気ガスを浄化する処理に適用して好適な排気ガス浄化触媒及びその製造方法に関する。
近年、内燃機関から排出される排気ガス中に含まれる炭化水素系化合物(HC),一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NO)等の有害物質を除去するために、アルミナ(Al)等の金属酸化物担体に白金(Pt)等の貴金属粒子を担持した排気ガス浄化触媒が広く利用されるようになっている。
近年、排気ガス規制はますます厳しくなっており、このような規制をクリアするため、排気ガス浄化触媒には貴金属が多量に使用されている。しかし、貴金属を多量に使用することは、資源の枯渇の観点から望ましくない。
従来の排気ガス浄化触媒において、貴金属量が増える理由の一つは、貴金属粒子の耐久性を確保するためである。排気ガス浄化触媒は、高温又は長期間の使用により、担体に担持された貴金属粒子の凝集が進行し活性表面積が低下したり、活性点(貴金属)と排気ガスとの接触性が低下したりすることがある。これらを原因とする触媒の性能低下を、貴金属量の増加により抑制し、耐久性を確保していた。
よって、排気ガス浄化触媒の耐久性を他の手段で確保できれば、排気ガス浄化触媒に用いられる貴金属量を著しく減らすことが可能となる。
このような背景から、最近では、OSC(Oxygen Storage Component:酸素吸蔵物質)材として機能するセリウム(Ce)やマンガン(Mn)等の遷移金属又は遷移金属化合物を貴金属粒子近傍に配置し、貴金属粒子周囲の雰囲気変動を遷移金属又は遷移金属化合物によって抑制することにより、貴金属粒子の耐久性を向上させる試みがなされている(特許文献1〜4参照)。なお、このような方法によれば、貴金属粒子の耐久性向上に加えて、貴金属粒子の活性向上も期待することができる。
特開平8−131830号公報 特開2005−000829号公報 特開2005−000830号公報 特開2003−117393号公報
貴金属粒子周囲の雰囲気変動を遷移金属の化合物によって抑制する場合には、貴金属粒子と遷移金属の化合物粒子の双方が微粒子であり、かつ、互いに接触している必要性がある。しかしながら、従来の排気ガス浄化触媒では、貴金属粒子と遷移金属の化合物粒子とを接触させることができても双方が微粒子にならない。又は、微粒子になっても接触させることができないか、接触量が少ない。そのため、貴金属粒子近傍に遷移金属の化合物粒子を設計通りに配置させることは難しい。また、貴金属粒子の耐久性向上を図るためには、貴金属粒子の平均粒子径は2[nm]以上とすることが望ましく、貴金属粒子の活性向上を図るためには、貴金属粒子の平均粒子径は5[nm]以下とすることが望ましい。しかしながら、従来の含浸法を用いて製造された排気ガス浄化触媒は、貴金属粒子の平均粒子径は1[nm]以下になるために、貴金属粒子の耐久性向上や活性向上を期待することは難しい。
また、遷移金属の化合物は、金属酸化物担体として広く利用されているアルミナと固溶し易いために、遷移金属の化合物を貴金属粒子近傍に単に配置しただけでは貴金属粒子の活性向上効果は得られ難い。なお、このような問題を解決するために、遷移金属の化合物と固溶しない担体上に遷移金属の化合物を担持する排気ガス浄化触媒が考えられてはいるが、この排気ガス浄化触媒では、高温雰囲気下において遷移金属の化合物が移動し、遷移金属の化合物同士が接触することによって遷移金属の化合物が凝集してしまう。また、遷移金属の化合物の凝集を防止するために、逆ミセル法を利用して表面積が大きい遷移金属の化合物粒子を製造する方法も考えられるが、この方法では有機溶媒を使用するために製造コストや環境負荷が大きい。
上記課題を解決する本発明に係る排気ガス浄化触媒は、貴金属と、この貴金属と接触し、当該貴金属の移動を抑制する働きを持つ化合物と、この貴金属及び化合物を覆い、当該貴金属の移動を抑制しかつ当該化合物同士の接触による凝集を抑制する酸化物とを備え、初期の細孔容量Vaと、1000℃で3時間焼成した後の細孔容量Vbとが、不等式Vb≧Vaの関係を満たすことを要旨とする。
本発明に係る排気ガス浄化触媒によれば、貴金属粒子の耐久性向上や活性向上を図ることができ、ひいては高温での耐久性に優れた排気ガス浄化触媒とすることができる。
本発明に係る排気ガス浄化触媒の製造方法によれば、微細なアンカー二次粒子を包接材前駆体中に均一に分散させることが可能であり、ひいては本発明に係る排気ガス浄化触媒を有利に製造することができる。
以下、本発明の排気ガス浄化触媒の実施形態について、図面を用いつつ説明する。
図1は、本発明に係る排気ガス浄化触媒の一実施形態の模式図である。
同図に示す排気ガス浄化触媒10は、触媒活性を有する貴金属粒子11と、貴金属粒子11と接触し、貴金属粒子11の移動を抑制する働きを持つ化合物12と、貴金属粒子11と化合物12を覆い、貴金属粒子11の移動を抑制しかつ化合物12同士の接触に伴う化合物12の凝集を抑制する酸化物13とを備えている。
この化合物12は、貴金属粒子11を担持している。この貴金属粒子11を担持した化合物12は、酸化物13により隔てられた区画内に含まれている。化合物12は、図示した例では単体を示しているが、酸化物13により隔てられた区画内に複数個が含まれている集合体であってもよい。
図1に示した本発明の実施形態となる排気ガス浄化触媒10は、化合物12が貴金属粒子11を担持することにより貴金属粒子11の移動を抑制し、また、貴金属粒子11と化合物12とを酸化物13で覆うことにより、貴金属粒子11の移動を抑制するとともに、化合物12同士の凝集をも抑制する。
詳述すると、図1に示す排気ガス浄化触媒10は、化合物12が貴金属粒子11に接触して担持することにより、貴金属粒子11が化合物12に化学的に結合し、この化合物12は化学的結合のアンカー材として作用し、貴金属粒子11の移動を化学的に抑制する。また、この貴金属粒子11及び化合物12を酸化物13で覆い、包む形態とすることにより、貴金属粒子11の移動を物理的に抑制する。更に、粒子ユニット構造を有する触媒10は、この酸化物13により隔てられた区画内に貴金属粒子11と化合物12とを含むことにより、酸化物13により隔てられた区画を越えて化合物12が移動し、互いに接触して凝集することを抑制し、ひいては化合物12に担持された貴金属粒子11の凝集をも抑制する。
これらのことから、図1に示した構造を有する排気ガス浄化触媒10は、製造コストや環境負荷を大きくすることなく、貴金属粒子11の凝集による触媒活性低下を防止することができ、また、化合物12による貴金属粒子11の活性向上効果を維持することができる。よって、耐熱性が高く、長期間にわたり耐久性の優れた排気ガス浄化触媒とすることができる。
出願人は、図1に示した構造を有する排気ガス浄化触媒10に関して、先に特許出願を行った(特願2005−318370号明細書)。発明者らは、この特許出願から更に研究を進め、排気ガス浄化触媒の更なる耐久性の向上を目指した。排気ガス浄化触媒は、従来よりも高温の排気ガス環境においても、いっそう優れた性能を求められるようになっているからである。
発明者らの研究によれば、高温環境下においては、ガスの拡散性が低下する場合がある。したがって、上述した構造を有する排気ガス浄化触媒10について、触媒雰囲気が高温域になる場合であっても耐久性を更に向上させるためには、高温環境下におけるガスの拡散性を確保して、活性点である貴金属と排気ガスとの接触性を向上させる必要がある。
そこで、発明の排気ガス浄化触媒においては、この触媒の粉末について、初期の細孔容量Vaと、1000℃で3時間焼成した後の細孔容量Vbとが、不等式Vb≧Vaの関係を満たすことを要件とする。
上記構造を持った排気ガス浄化触媒において、高温雰囲気下でもガスの拡散性を確保し、触媒性能の低下を防止するためには、1000℃で3時間焼成した後でも、初期の細孔容量に比べて細孔容量が低下しないことが重要である。1000℃で3時間焼成の前後で細孔容量が低下する変化がないこと、すなわち、排気ガス浄化用触媒が曝露される、あらゆる温度領域下に触媒を配置しても、触媒と排気ガスとの接触性が保たれることにより、触媒の性能低下を抑制することが可能となる。つまり、1000℃で3時間という焼成条件は、触媒の高温での耐久性を評価する指標となる条件である。
図2は、図1に示した構造を有する排気ガス浄化触媒において、焼成温度と細孔容量との関係を、本発明例と、参考例とで比較して示すグラフである。本発明例は、1000℃で焼成したのちの細孔容量が、1000℃よりも低い温度で焼成したのちの細孔容量に比べて低下しておらず、むしろ増加している。これに対して、参考例は、1000℃よりも低い温度で焼成した場合の細孔容量は、本発明例よりも大きいが、1000℃で焼成した場合の細孔容量が、1000℃よりも低い温度で焼成したのちの細孔容量に比べて低下していて、本発明例よりも小さい細孔容量となっている。したがって、本発明例は、参考例よりも高温環境下における耐久性に優れている。
このような本発明例と参考例について、実機において920℃での耐久試験を行った結果を、耐久時間とHCの転化率との関係で図3に示す。図3から分かるように、本発明例は、920℃という高温における転化率が参考例よりも低く、優れた触媒性能を示していて、しかも、この耐久時間が長くても転化率の悪化が小さく、参考例よりも耐久性に優れている。
本発明に係る排気ガス浄化触媒が、触媒の粉末について、初期の細孔容量Vaと、1000℃で3時間焼成した後の細孔容量Vbとが、不等式Vb≧Vaの関係を満たすのは、本発明に係る排気ガス浄化触媒10においては、酸化物13に比べ、化合物12の方が耐熱性が低いために、高温雰囲気下における熱収縮の具合が大きく、その結果、化合物12と酸化物13との間に空間が生じるため、高温環境下においても所定の細孔が確保されたためであると考えられる。
本発明に係る排気ガス浄化触媒においては、1000℃という耐久温度環境に置かれること伴う細孔容量の減少変化がないことが重要ではあるが、細孔容量の絶対量としては、0.24ml/g以上あることが更に好ましい。細孔容量変化がないとしても、そもそもの細孔容量が少なすぎると、ガスとの接触性は低いため、性能向上が見込めないからである。
本発明における化合物は、Zrを含む酸化物であることが望ましい。例えば、排気ガス浄化触媒における貴金属がRhである場合に、このRhはZrやZrを含む酸化物に対し反応性が低く、活性酸素の授受や複合化合物の生成が生じ難い。このため、化合物がZrを含む酸化物であると、触媒活性を具備するRhの電子状態にほとんど影響を与えることがなく、Rhを活性なメタル状態かRh2O3の状態で維持することができる。また、Rhに限らず、貴金属がPtやPdの場合であっても、化合物がZrを含む酸化物である場合には、PtやPdと、このZrを含む酸化物との反応性が低く、活性酸素の授受や複合化合物の生成が生じ難く、よって触媒活性を具備するPtやPdの電子状態にほとんど影響を与えることがなく、活性状態で維持することができる。
本発明における酸化物は、酸化物の主成分が、Alを主成分とすることが望ましい。これは、Al2O3が排気ガス耐久雰囲気下においても耐熱性、特に高温水蒸気に対する耐久性が高く、耐久後も高い比表面積を有するため、貴金属粒子が化合物に担持されているクラスター同士の凝集を抑制する材料として適しているからである。また、酸化物がAlを主成分とすると、その形態はγ−Al2O3などのように単一の粒子となって凝集、成長し難く、排気ガス浄化触媒の製造過程における酸化物前駆体からの形成時に、上記クラスター間に入り込み易い特徴があるためである。
本発明における貴金属は、上記Rhに限られず、Pt、Pd及びRhから選ばれる少なくとも一種を含むものとすることができる。Pt、Pd及びRhは、いずれも排気ガス浄化触媒の触媒活性を具備する貴金属である。また、本発明で規定する触媒粉末の細孔容量は、貴金属の種類に依存しないため、貴金属種に限定なく同等の性能向上が見込める。
本発明における貴金属の平均粒子径は、2〜10nmであることが好ましい。貴金属の平均粒子径が2nmより小さい範囲ではシンタリングが進む。また、10nmより大きい範囲では、排気ガスとの反応性が著しく低下し、十分な触媒活性が得られなくなり、よって、より多くの貴金属を使用する必要がある。このような貴金属の粒子径は、初期状態ばかりでなく、耐久後においても上記の範囲を満たすことが好ましい。
貴金属と化合物の接触は、貴金属粒子の80%以上が化合物に接触がしていることが好ましい。この接触が80%より低いと、化合物に担持されず、化合物上に存在しない貴金属が20%以上存在することになり、この化合物上に存在しない貴金属がシンタリングを促進する。なお、貴金属粒子が化合物に接触している割合は、例えばTEM−EDXにより測定することが可能である。
本発明の排気ガス浄化触媒を製造するに当たっては、化合物に貴金属を担持させた後、この貴金属を担持した化合物を粉砕する工程と、粉砕後の化合物の周りに化合物を配置する工程とを含むことが好ましい。この工程のなかでも、化合物に貴金属を担持させた後に、この貴金属を担持した化合物を粉砕する工程を行うことは好適であり、本工程を含むことによって、微細なアンカー二次粒子を包接材前駆体中に均一に分散させることが可能である。また、この貴金属を担持した化合物を粉砕する工程を行うことは、本発明の排気ガス浄化触媒において、初期の細孔容量Vaと、1000℃で3時間焼成した後の細孔容量Vbとが、不等式Vb≧Vaの関係を満たすようにするために好適である。
図4は、貴金属を担持した化合物がジルコニアランタンである場合について、この化合物に貴金属を担持させたのち、ミルで粉砕した後の当該化合物の粒子径(二次粒子径)と、製造された排気ガス浄化触媒の細孔容量との関係の一例を示すグラフである。同図に示されるように、化合物の二次粒子径が大きい場合には、排気ガス浄化触媒の初期状態(未焼成)の細孔容量が、1000℃で3時間焼成した後の細孔容量よりも大きくなっているが、化合物がミルで粉砕され、二次粒子径が小さくなるに従って、排気ガス浄化触媒の初期状態(未焼成)の細孔容量と、1000℃で3時間焼成した後の細孔容量との差が小さくなり、初期の細孔容量Vaと、1000℃で3時間焼成した後の細孔容量Vbとが、不等式Vb≧Vaの関係を満たすようになる。したがって、排気ガス浄化触媒の製造過程で、貴金属を担持した化合物を粉砕する工程を行うことが好ましい。本発明の排気ガス浄化触媒において、初期の細孔容量Vaと、1000℃で3時間焼成した後の細孔容量Vbとが、不等式Vb≧Vaの関係を満たすようにするための、貴金属担持化合物の二次粒子径の具体的数値は、化合物等の種類等によって変化するので、必ずしも限定されない。製造する排気ガス浄化触媒に応じて、150nm未満の適切な二次粒径になるように破砕する。
本発明の排気ガス浄化触媒は、この排気ガス浄化触媒を含むスラリーを、耐火性無機材料からなるハニカム構造の耐火性無機担体の内壁面に塗布形成され、実際の使用に供される。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
表1に示す実施例1、参考例1、比較例1の排気ガス浄化触媒をハニカム担体の内壁面上に塗布作成した。
Figure 0005104009
触媒は、ハニカム状セラミック担体に塗布された2層構造とし、ハニカム担体の内壁面に近い層を内層とし、表面に近い層を表層とした。内層については、実施例1、参考例1、比較例1のいずれも同一条件の触媒層とし、表層については、実施例1、参考例1、比較例1で触媒層の粉末を異ならせた。表1中のコート量は、各層のハニカム担体単位容積当たりのコート量であり、最終焼成後の550℃における乾燥コート量である。貴金属量について、以下に述べる各例では触媒粉末における貴金属担持量は記していないが、各層のコート量において、表1中に示した貴金属量となるように、適宜担持量を調整した。
触媒粉末の製造過程において、粉砕後の化合物の粒子径は、レーザ散乱式粒度分布計を用いて測定した。
表層についての実施例、参考例及び比較例の触媒粉末は、以下のようにして作製した。
(実施例1)
市販の酸化ジルコニウム−酸化ランタン複合化合物に所定量のRhを担持し、400℃で1h、空気気流下で焼成した。得られた粉末をミルで粉砕し、化合物の粒子径(二次粒子径)を89nmとしたスラリを得た。
一方でベーマイト及び硝酸ランタン、硝酸、純水を混合してベーマイトスラリを得た。このベーマイトスラリと、先ほどのスラリとを混合し、攪拌した。この混合時には溶液pHが4.5を下回らないよう調整した。
この後、混合スラリを乾燥させた後、550℃で3時間、空気気流下で焼成した。
これによりRh粒子の周囲に酸化ジルコニウムと酸化ランタンとの複合粒子が存在し、さらにアルミナで覆われた触媒を得た。
(参考例1)
参考例は、本発明で所期した細孔容量の関係を有しない例である。
市販の酸化ジルコニウム−酸化ランタン複合化合物に所定量のRhを担持し、400℃で1h、空気気流下で焼成した。得られた粉末をミルで粉砕し、化合物の粒子径(二次粒子径)を132nmとしたスラリを得た。
一方でベーマイト及び硝酸ランタン、硝酸、純水を混合してベーマイトスラリを得た。このベーマイトスラリと先ほどのスラリとを混合攪拌した。この混合時には溶液pHが4.5を下回らないよう調整した。
この後、混合スラリを乾燥させた後、550℃で3時間、空気気流下で焼成した。
これによりRh粒子の周囲に酸化ジルコニウムと酸化ランタンとの複合粒子が存在し、さらにアルミナで覆われた触媒を得た。
(比較例1)
比較例1は、本発明に係る触媒の構造を具備しない、従来の触媒の例である。
ジルコン−アルミニウム複合化合物に所定量のRhを担持し、400℃で1h空気気流下で焼成した。これにより酸化ジルコニウム−酸化ランタン複合化合物上にRh粒子が担持された触媒を得た。
内層についての触媒粉末は、以下のようにして作製した。
市販の酸化ジルコニウム−酸化ランタン−セリウム複合化合物にPdを担持し、400℃で1h、空気気流下で焼成した。得られた粉末をミルで粉砕し、スラリーを得た。
一方でベーマイト及び硝酸ランタン、硝酸、純水を混合してベーマイトスラリを得た。このベーマイトスラリーと、先ほどのスラリとを混合し、攪拌した。この混合時に溶液pHが4.5を下回らないよう調整した。
この後、乾燥させた後、550℃で3時間、空気気流下で焼成した。
これによりPd粒子の周囲に酸化ジルコニウムと酸化ランタンと酸化セリウムとの複合粒子が存在し、さらにアルミナで覆われた触媒を得た。
内層触媒粉末及び表層触媒粉末の、ハニカム担体へのコーティングは、次のようにして行った。
上記した内層触媒粉末調整の操作で得られた触媒粉末を363.6g、ベーマイトを50.9g、10%硝酸を42.0g、イオン交換水を575.3g、磁性ポットに投入し、アルミナボールとともに振とう粉砕し、内層用触媒スラリーを得た。このときのスラリ粒径は2.8μmであった。
また、表層触媒粉末調整の操作で得られた実施例、参考例及び比較例の触媒粉末をそれぞれ363.6g、ベーマイトを50.9g、10%硝酸を42.0g、イオン交換水を575.3g、磁性ポットに投入し、アルミナボールとともに振とう粉砕し、各内層用触媒スラリーを得た。このときのスラリ粒径は2.8μmであった。
内層用触媒スラリーをセラミック製、ハニカム担体(900セル/2.5ミル、0.92L)に投入し、空気流にて、余剰スラリを除去し、120℃にて乾燥、400℃、空気気流中で焼成した。コート量は100g/Lであった。次に、表層触媒スラリーをそれぞれ同様に塗布した。コート量は100g/Lであった。
これにより内層にPdが2.4g/L、表層には表1中でそれぞれ示された量のRhを含む実施例及び比較例の触媒を得た。各々の触媒は、内層は共通のPdを含むコート層を持ち、表層には実施例、参考例及び比較例の成分とRhを含むコート層を有する。
かくして得られた実施例1、参考例1及び比較例1の排気ガス浄化触媒が形成されたハニカム担体を、日産自動車製V型6気筒、排気量3500cm3のガソリンエンジンの両バンクにそれぞれ設置し、触媒入口温度が900℃となるようハニカム担体の位置を調整した。そして、無鉛ガソリンで200時間運転する耐久試験を行った。
この耐久試験後、日産自動車製車両エンジンの排気側に触媒を配置し、車両評価モード(LA4モード、A、B-Bag)を走行し、走行中の出口ガス組成を連続分析計にて測定し、得られた出口ガス濃度から、モード中の排出ガス積算量を算出した。その結果を表1に併記する。
表1の実施例1は、表層触媒粉末について、調製後の細孔容量よりも1000℃で焼成後の細孔容量が大きい例であり、参考例1は、表層触媒粉末について、実施例1とは構造が同様であるが、調製後の細孔容量よりも1000℃で焼成後の細孔容量が小さい例であり、比較例1は、表層が従来の触媒粉末の例である。この実施例1は、比較例1よりも耐久試験後のHC排出量が少なく、優れた触媒性能を示している。また、この実施例1は、参考例1と比較しても、耐久試験後のHC排出量が少なく、高温での耐久性が参考例1よりも向上していることが明らかである。
また、実施例1の表層の触媒粉末について、TEMで観察したところ、耐久試験後においても、平均粒子径が10nm以下であり、貴金属の80%以上が化合物に接触していることが確認された。
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
本発明に係る排気ガス浄化触媒の一実施形態の模式図である。 排気ガス浄化触媒において、焼成温度と細孔容量との関係を示すグラフである。 耐久試験を行った結果を、耐久時間とHCの転化率との関係示すグラフである。 化合物の粒子径〈二次粒子径〉と、製造された排気ガス浄化触媒の細孔容量との関係の一例を示すグラフである。
符号の説明
10 排気ガス浄化触媒
11 貴金属粒子
12 化合物
13 酸化物

Claims (8)

  1. 貴金属と、
    この貴金属と接触し、当該貴金属の移動を抑制する働きを持つ化合物と、
    この貴金属及び化合物を覆い、当該貴金属の移動を抑制しかつ当該化合物同士の接触による凝集を抑制する酸化物と
    を備え、
    初期の細孔容量Vaと、1000℃で3時間焼成した後の細孔容量Vbとが、不等式Vb≧Vaの関係を満たすことを特徴とする排気ガス浄化触媒。
  2. 前記化合物が、主成分がZrを含む酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化触媒。
  3. 前記酸化物が、Alを主成分とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気ガス浄化触媒。
  4. 前記貴金属が、Pt、Pd及びRhから選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒。
  5. 前記貴金属の平均粒子径が2〜10nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒。
  6. 前記貴金属の80%以上が前記化合物に接触していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒を製造する方法であって、
    化合物に貴金属を担持させた後、この貴金属を担持した化合物を粉砕する工程と、
    粉砕後の化合物の周りに化合物を配置する工程と
    を含むことを特徴とする排気ガス浄化触媒の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒を含むスラリーを、耐火性無機担体にコーティングしてなることを特徴とする排気ガス浄化触媒。
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