JP2016186894A - 非水電解質蓄電素子用負極、及び非水電解質蓄電素子 - Google Patents
非水電解質蓄電素子用負極、及び非水電解質蓄電素子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016186894A JP2016186894A JP2015066838A JP2015066838A JP2016186894A JP 2016186894 A JP2016186894 A JP 2016186894A JP 2015066838 A JP2015066838 A JP 2015066838A JP 2015066838 A JP2015066838 A JP 2015066838A JP 2016186894 A JP2016186894 A JP 2016186894A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- negative electrode
- nonaqueous electrolyte
- storage element
- binder
- active material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/13—Energy storage using capacitors
Landscapes
- Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
Si及びSnから選ばれる少なくとも一つの元素を含む負極活物質の結着性を高めた負極を提供し、充放電サイクル性能が向上した非水電解質蓄電素子を提供する。
【解決手段】
負極活物質とバインダーを含む非水電解質蓄電素子用負極において、前記負極活物質は、Si及びSnから選ばれる少なくとも一つの元素を含む金属単体、合金又は化合物を含み、前記バインダーは、ナフチリジン環構造を有する樹脂であるか、ナフチリジン環構造に加えて、ポリアクリロニトリル構造又はポリアクリル酸(ポリメタクリル酸)構造を有する樹脂である。
【選択図】 図1
Description
そして、この共重合体よりなる結着剤について、「それぞれアクリル酸単位およびメタクリル酸単位の影響により、共重合体の結晶化度は低くなる。よって、これらの共重合体は、柔軟性が高くなる。また、これらの共重合体は、それぞれアクリル酸単位およびメタクリル酸単位を含有するため、高い接着性も有する。」(0022)という作用により、「特に低温でのサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供することが可能となる。」(0017)という効果を奏すると記載されている。
また、この非水電解質二次電池について、「前記負極が負極活物質として、リチウムイオンを吸蔵放出可能なケイ素の酸化物または錫の酸化物を用いた」(請求項2)、「有機バインダーがポリアクリル酸からなり、」(請求項5)、「電極活物質と導電助材と有機バインダーからなる電極を200℃〜450℃で熱処理して用いた。」(0013)と記載されている。
そして、この熱処理の効果について、「活物質、有機バインダー、導電助材の熱的に活性な部分(微粉、合成時の未反応部分等)が加熱により変化し、リフロー温度でも安定になったことにあると推測できる。また、200℃以上の加熱は有機物に大きな変化を与える。有機バインダーは、熱処理により大きく電解液との濡れ性が向上する。これは、200℃付近で分解が始まるため、有機バインダーの表面の官能基等が改質されたか、有機バインダーの一部が分解し多孔質になったためと考えられる。」(0024)と記載されている。
前記負極活物質として挙げられた「シリコン系負極活物質および錫系負極活物質」について、「充放電時、リチウムとの反応による体積変化が200〜300%であって非常に大きい。」(0010)、「負極活物質は、充放電サイクルが行われるにつれ体積が変化し、これにより、電池のサイクル寿命が短縮されるなど電池性能の劣化現象が発生することになる。」(0012)と記載されている。
そして、「負極材料組成物に含まれるバインダーの種類と量は、負極活物質の充放電サイクルによる体積変化に影響を与える。」(0012)、「負極用バインダーとして、分子量が大きいポリアクリロニトリル-アクリル酸共重合体を用いることにより、集電体および電極混合物間の密着性が向上すると共に、有機系電解液に対する溶解、又は膨潤を減少させて、充放電を繰り返しても活物質の剥離及び脱落を防止することができ、これにより、前記負極用バインダーを用いて製造されたリチウム二次電池の容量や出力維持率の低下を抑制できる効果を得ることができる。」(0027)、「上記のような負極混合物を集電体上に塗布、乾燥および圧延して製作される。この際、乾燥温度は200℃以下にし、望ましくは150℃以下が要求される。200℃よりも高い温度ではポリアクリロニトリルが速く分解されて目的とする効果を得ることができない。」(0039)と記載されている。また、実施例に記載されている乾燥温度は130℃のみである(0052)、(0058)。
また、集電体と、この複合粒子を有し、さらに炭素質物質及びバインダを含むリチウムイオン二次電池用負極(請求項8,9)の発明、及び、これの製造方法として、前記複合粒子、炭素質物質、及び主骨格がポリアクリロニトリルであるバインダを含む混合物を得る工程、前記混合物を100℃〜160℃の範囲内で熱処理する工程、を含むリチウムイオン二次電池用負極の製造方法(請求項15,16)の発明も記載されている。
そして、上記の各発明について、「高容量で、優れた充放電サイクル性を示す複合粒子‥を用いたリチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池用負極の製造方法、及びリチウムイオン二次電池を提供することができる。」(0028)と記載され、前記製造方法における熱処理の作用効果として、「溶媒の除去、バインダの高強度化が進み、複合粒子間及び複合粒子と集電体間の密着性を向上することができる。」(0081)と記載されている。
上記の課題に対し、密着性や柔軟性の優れたバインダーについて、ポリアクリル酸又はポリメタクリル酸とエチレンとの共重合体(特許文献1)や、ポリアクリル酸を200℃以上で熱変性したもの(特許文献2)、ポリアクリロニトリル構造を含む樹脂材料(特許文献3,4)等が検討されている。
しかし、充放電サイクル性能の向上は未だ十分でない。また、ポリアクリロニトリル構造を含む樹脂材料をバインダーに用いる場合、熱処理温度として200℃を超えるものについての検討はされていない。
(1)負極活物質とバインダーを含む合剤層を有する非水電解質蓄電素子用負極において、前記負極活物質は、Si及びSnから選ばれる少なくとも一つの元素を含む金属単体、合金又は化合物を含み、前記バインダーは、ナフチリジン環構造を有する樹脂である非水電解質蓄電素子用負極。
(2)前記バインダーは、ナフチリジン環構造に加えて、ポリアクリロニトリル構造を有する樹脂である(1)の非水電解質蓄電素子用負極。
(3)前記バインダーは、ナフチリジン環構造に加えて、ポリアクリル酸構造又はポリメタクリル酸構造の少なくとも一方を有する樹脂である(1)又は(2)の非水電解質蓄電素子用負極。
(4)前記負極活物質は、さらに炭素材料を含む前記(1)〜(3)のいずれかの非水電解質蓄電素子用負極。
(5)正極と、前記(1)〜(4)のいずれかの負極と、非水電解質とを備える非水電解質蓄電素子。
本発明者らは、上記の負極合剤層の形成に当たり、分散用の溶媒を含むスラリーを塗布した後の加熱温度を変化させて、加熱温度が蓄電素子の電極特性に与える影響について検討した。すると、驚くべきことに、250℃以上、好ましくは300℃以上の温度を採用することによって、充放電サイクル性能が顕著に向上することを見出した。
図2は、非特許文献1に記載の耐炎化工程によるポリアクリロニトリルの構造変化を示している。
図2(a)に記載の構造を有するポリアクリロニトリルを200〜300℃で熱処理すると、図2(b)に記載の隣接したニトリル基の環化反応と同時に不均化反応(脱水素反応)が起こることによって、図2(c)の、一番左の括弧内の構造として表されるアクリドン環、左から2番目の括弧内の構造として表されるナフチリジン環、及び左から3番目の括弧内の構造として表される水素化ナフチリジン環が生成される。
本発明者らが行った300℃以上での熱処理では、ニトリル基の殆どが環化したため、未反応ニトリルのCN三重結合が消失したと考えられる。また、負極作成時の熱処理は、集電体の酸化防止や、バインダーの変性防止のため、減圧下又は不活性雰囲気下で行うから、酸素を含むアクリドン環の生成は起こり難いと考えられる。したがって、上記のIR吸収スペクトルは、アクリロニトリル構造の少なくとも一部がナフチリジン環構造に変化したことを示すものである。
なお、バインダーがナフチリジン環構造を有することは、熱分解GC/MS分析(Pyrolysis Gas Chromatography Mass Spectrometry)によって確認することができる。
なお、本発明を電気二重層キャパシタに適用する場合、電極材料には、活性炭、カーボンナノチューブ、フラーレン等の静電容量の大きい炭素材料等を用いることができる。電極材料以外の部材については、リチウム二次電池と同様の形態で実施することができる。
負極活物質としては、Si又はSnの金属単体、Si又はSnと遷移金属(Ti、Cr、Cu、Ni、Co等)との合金、若しくはSi又はSnの酸化物又は窒化物等の化合物の中から1種以上を選択することができる。Siを含む物質を用いることにより、放電容量の大きい、高エネルギー密度の非水電解液蓄電素子を得ることができる。Si又はSnを含む物質は、Liイオンと固溶体や金属間化合物を形成することにより、Liイオンを多量に貯蔵することができる。Si又はSnを含む物質としては、SiとOとを構成元素に含む一般式SiOx(x<2)で表される物質が好ましい。
負極のバインダーには、ポリアクリロニトリル構造を有する樹脂材料に250℃以上の熱処理を加えたものを使用する。当該熱処理により、前記樹脂材料の隣り合うニトリル基の少なくとも一部がナフチジン環に構造変化し、弾性率の高いバインダーを得ることができる。
ポリアクリロニトリル構造を有する樹脂材料は、アクリロニトリルのホモ重合体、又はアクリロニトリルとメタクリロニトリルの共重合体を主骨格とするものである。この主骨格に、接着性を高めるアクリル酸モノマー及び/又はメタクリル酸モノマーを付加重合したアクリロニトリル−アクリル酸(メタクリル酸)共重合体であることが好ましい。この樹脂材料には、さらに柔軟性を付与するために、直鎖エーテル等を適宜付加することができる。
前記の共重合体中、アクリル酸(メタクリル酸)の含有割合は、主骨格100質量部に対して、1〜50質量部であることが好ましく、2〜40質量部がより好ましく、5〜30質量部が特に好ましい。50質量部以下とすることにより、耐電解液性を良好にし、1質量%以上とすることにより、可撓性を付与することができる。
なお、アクリル酸モノマー及び/又はメタクリル酸モノマーの付加重合は、後述の負極活物質と樹脂材料を混合したスラリーを集電体に塗布した後の熱処理と同時に行ってもよい。
上記のSi又はSnを含む負極活物質に、上記のポリアクリロニトリル構造を有する樹脂材料を、負極の総質量に対して1〜50質量%、好ましくは2〜30質量%添加し、必要に応じて導電剤、増粘剤、フィラー等の他の構成成分を混練し、N−メチルピロリドン、トルエン等の有機溶媒又は水に混合させた後、得られた混合液(スラリー)を銅箔等の集電体の上に塗布し又は圧着し、減圧下又は不活性雰囲気下、250℃以上の温度で、2〜50時間熱処理した後、プレスすることにより、集電体上に負極合剤層が形成された負極を作製する。熱処理を減圧下又は不活性雰囲気下で行う理由は、負極集電体に用いる銅箔の酸化防止、及びバインダー樹脂材料の酸化分解の防止のためである。
前記塗布方法については、例えば、アプリケーターロールなどのローラーコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレード方式、スピンコーティング、バーコータ等の手段を用いて任意の厚さ及び任意の形状に塗布することが好ましいが、これらに限定されるものではない。
リチウム二次電池に適用する場合の正極活物質としては、二酸化マンガン、五酸化バナジウムのような遷移金属化合物や、硫化鉄、硫化チタンのような遷移金属カルコゲン化合物、Li1+xMeO2(1≦x、MeはCo、Ni及びMnから選択される一種以上の遷移金属)で表されるα−NaFeO2型、又はLiMn2O4等のスピネル型のリチウム遷移金属複合酸化物、これらの複合酸化物の遷移金属サイト又はリチウムサイトをAl、V、Fe、Cr、Ti、Zn、Sr、Mo、W、Mgなどの金属元素、若しくはP、Bなどの非金属元素で置換した化合物、LiFePO4等のオリビン型のリン酸化合物を用いることができる。
この中では、Li1+αMe1−αO2(0<α、Meは遷移金属)で表されるリチウム過剰型α−NaFeO2型の正極活物質が、負極活物質の高容量性を活かす組み合わせとして好ましい。
正極のバインダーには、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),ポリフッ化ビニリデン(PVDF),ポリエチレン,ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM),スルホン化EPDM,スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のゴム弾性を有するポリマーを1種または2種以上の混合物として用いることができる。負極と同じ樹脂材料を用いてもよい。また、バインダーの添加量は、正極の総質量に対して1〜50質量%が好ましく、特に2〜30質量%が好ましい。
正極活物質及びバインダーに、必要に応じて導電剤、増粘剤、フィラー等の他の構成成分を混練し、溶媒と混合した後、負極と同様の手段を用いてアルミニウム箔等の集電体の上に塗布又は圧着し、80〜120℃の温度で乾燥して正極を作製することができる。
本発明に係る非水電解質蓄電素子に用いる非水電解質は、限定されるものではなく、一般に非水電解質二次電池等への使用が提案されているものが使用可能である。非水電解質に用いる非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状炭酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル等の鎖状エステル類;テトラヒドロフランまたはその誘導体;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジブトキシエタン、メチルジグライム等のエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキソランまたはその誘導体;エチレンスルフィド、スルホラン、スルトンまたはその誘導体等の単独またはそれら2種以上の混合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
セパレータとしては、織布、不織布、合成樹脂微多孔膜等を用いることができ、特に、合成樹脂微多孔膜が好適に用いることができる。その材質としては、ナイロン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、およびポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等のポリオレフィンが例示される。なかでもポリエチレンおよびポリプロピレン製微多孔膜、またはこれらを複合した微多孔膜などのポリオレフィン系微多孔膜が、厚さ、膜強度、膜抵抗等の面で好適に用いられる。
蓄電素子の形状は特に限定されるものではなく、本発明は、角形、楕円形、コイン形、ボタン形、シート形蓄電素子等の様々な形状の非水電解液蓄電素子に適用可能である。
図3に角型素子の一例を示す。セパレータを挟んで巻回された正極及び負極よりなる電極群2が角形の容器3に収納され、正極リード4’を介して正極端子4が、負極リード5’を介して負極端子5が容器外に導出されている。
本発明に係る非水電解質蓄電素子は、特に電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)などの自動車用電源として用いる場合に、複数の蓄電素子を集合して構成した蓄電装置として搭載することができる。
図4に、蓄電素子1が集合した蓄電ユニット20をさらに集合した蓄電装置30の一例を示す。
(負極の作製)
活物質として、カーボンで被覆されたSiOx(xは約1、カーボン含有率6質量%、D50=5μm、以下、単に「SiO」という。)、炭素材料として、流動法窒素ガス吸着法により測定されたBET比表面積が7.7m2/gであり、粒径(D50)が10μmの鱗片状黒鉛(TIMCAL Ltd製、SFG−15)を使用した。
バインダーに用いる樹脂材料として、ポリアクリロニトリルを主骨格としポリアクリル酸構造を含む樹脂を用いた。前記樹脂は、アクリロニトリルとアクリル酸ブチルとの共重合体である。
前記SiOと前記炭素材料とを4:6の質量比で混合した。前記樹脂材料を固形分として93質量%含有するN−メリルピロリドン溶液を加え、さらに、分散用の溶媒としてN−メチルピロリドンを適量追加して混練分散し、スラリーを調製した。前記スラリーは、固形分換算で、前記SiO、前記炭素材料、及び前記樹脂を54:36:10の質量比で含有する。このスラリーを厚さ20μmの銅箔集電体の片面に塗布した後、ロールプレスを行った。次に、密閉容器中に載置し、トラップを経由した真空ポンプに接続し、該容器をマントルヒーターで加熱することにより、250℃で5時間、10−1Pa以下の減圧下で熱処理して、非水電解液蓄電素子用負極を作製した。このようにして、銅箔集電体上に合剤層を形成した。スラリーの塗布量は、熱処理後の塗布質量が3.2mg/cm2となるように調整した。前記プレス条件は、前記合剤層の多孔度が34%となるように調節した。
上記の負極を作用極とし、対極及び参照極をLi金属とし、非水電解質として、1MのLiClO4をエチレンカーボネートとジエチルカーボネート(体積比1:1)の混合溶媒に溶解した非水電解液を用い、非水電解質蓄電素子を作製した。
前記非水電解質蓄電素子に対して、1サイクルの初期充放電を行った。充電は、充電電流0.1CmA、充電下限電圧0.02V(vs.Li/Li+)、充電時間16hの定電流定電圧充電とし、1サイクル目の放電は、放電電流0.2CmA、放電終止電位2.0V(vs.Li/Li+)の定電流放電とした。
次に、初回容量確認試験を行った。充電は、充電電流0.2CmA、充電下限電圧0.02V(vs.Li/Li+)、充電時間8hの定電流定電圧充電とし、放電は、放電電流0.2CmA、放電終止電位2.0V(vs.Li/Li+)の定電流放電とし、この充放電を2サイクル繰り返した。この容量確認試験における1サイクル目の放電容量を「初回放電容量(mAh/g)」とし、1サイクル目の充電容量に対する放電容量の百分率を「初回クーロン効率(%)」として求めた。
続いて、30サイクルの充放電サイクル試験を行った。充電は、充電電流1.0CmA、充電終止電圧0.02V(vs.Li/Li+)、充電時間3hの定電流定電圧充電とし、放電は、放電電流1.0CmA、放電終止電圧2.0V(vs.Li/Li+)の定電流放電とし、この充放電を30サイクル繰り返した。
その後、充放電サイクル試験後の容量確認試験を行った。条件は、上記初回容量確認試験と同一である。0.2CmA、0.02V(vs.Li/Li+)の定電流定電圧充電を8時間、0.2CmA、2.0V(vs.Li/Li+)の定電流放電を2サイクル行い、放電容量を測定した。
この容量確認試験における1サイクル目の放電容量の、上記「初回放電容量」に対する百分率を「容量維持率(%)」として求めた。
熱処理温度を、それぞれ300℃、350℃、400℃とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜4の負極を作製した。
熱処理温度を、それぞれ150℃、200℃とした以外は、実施例1と同様にして、比較例1,2の負極を作製した。
バインダーに用いる樹脂材料をアクリロニトリル−アクリル酸共重合体からポリフッ化ビニリデンに変更し、熱処理温度をそれぞれ150℃、200℃、250℃、300℃、350℃、400℃とした以外は、実施例1と同様にして、比較例3〜8の負極を作製した。
比較例1,2は、従来の推奨温度である150℃や、200℃で熱処理を行った結果であり、容量維持率は40%台以下である。
これに対して、250℃で熱処理を行った実施例1は、67.7%の容量維持率を示し、300℃〜400℃で熱処理を行った実施例2〜4は、96.7%以上と、さらに高い容量維持率を示している。また、300℃〜400℃で熱処理を行った実施例2〜4は、初回クーロン効率についても優れている。
これは、200℃以下の熱処理では、樹脂材料のニトリル基の環状構造への変化が起こらず、弾性率が低いままであるが、250℃以上の熱処理で、環状構造の生成がある程度進行し、さらに、300℃以上の熱処理で、大部分のニトリル基が環状構造に変化し、弾性率が飛躍的に高まったためと推察される。
実施例1〜4と比較例1,2の各負極において、SEM−EDX分析を行ったところ、250℃までの熱処理では、CがSi及びOの分布と重なるように不均一に分布していたことから、バインダーがSiO粒子の近傍に凝集していることが認められた。これに対して、300℃以上の熱処理では、Cの分布はSi及びOの分布に依存せず、合剤層全体に比較的均一に分布していた。したがって、負極を300℃以上で熱処理したことにより、一度融解したバインダーが合剤全体の活物質と均一に分布し、且つ、ナフチリジン環構造が形成されたことにより、SiO粒子の膨張収縮に伴う合剤層の体積変化を顕著に抑制する作用が備えられたため、優れた結着性が発現し、高い初回放電容量と良好な充放電サイクル性能を示したものと推察される。
2 電極群
3 容器
4 正極端子
4’正極リード
5 負極端子
5’負極リード
20 蓄電ユニット
30 蓄電装置
Claims (5)
- 負極活物質とバインダーを含む合剤層を有する非水電解質蓄電素子用負極において、
前記負極活物質は、Si及びSnから選ばれる少なくとも一つの元素を含む金属単体、合金又は化合物を含み、
前記バインダーは、ナフチリジン環構造を有する樹脂であることを特徴とする非水電解質蓄電素子用負極。 - 前記バインダーは、ナフチリジン環構造に加えて、ポリアクリロニトリル構造を有する樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質蓄電素子用負極。
- 前記バインダーは、ナフチリジン環構造に加えて、ポリアクリル酸構造又はポリメタクリル酸構造の少なくとも一方を有する樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の非水電解質蓄電素子用負極。
- 前記負極活物質は、さらに炭素材料を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解質蓄電素子用負極。
- 正極と、請求項1〜4のいずれかに記載の負極と、非水電解質とを備えることを特徴とする非水電解質蓄電素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015066838A JP6635283B2 (ja) | 2015-03-27 | 2015-03-27 | 非水電解質蓄電素子用負極、及び非水電解質蓄電素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015066838A JP6635283B2 (ja) | 2015-03-27 | 2015-03-27 | 非水電解質蓄電素子用負極、及び非水電解質蓄電素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016186894A true JP2016186894A (ja) | 2016-10-27 |
JP6635283B2 JP6635283B2 (ja) | 2020-01-22 |
Family
ID=57202698
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015066838A Active JP6635283B2 (ja) | 2015-03-27 | 2015-03-27 | 非水電解質蓄電素子用負極、及び非水電解質蓄電素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6635283B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113613768A (zh) * | 2019-03-29 | 2021-11-05 | 东洋油墨Sc控股株式会社 | 分散剂、分散体、树脂组合物、复合材料浆料、电极膜及非水电解质二次电池 |
WO2024031327A1 (zh) * | 2022-08-09 | 2024-02-15 | 宁德时代新能源科技股份有限公司 | 负极极片及二次电池 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003257480A (ja) * | 2002-02-27 | 2003-09-12 | Fuji Photo Film Co Ltd | 電解質組成物及び非水二次電池 |
JP2010518581A (ja) * | 2007-02-06 | 2010-05-27 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 新規結合剤を含む電極、並びにその製造方法及び使用方法 |
JP2014146471A (ja) * | 2013-01-28 | 2014-08-14 | Nippon Zeon Co Ltd | 二次電池負極用スラリー組成物、その製造方法、二次電池用負極、及び二次電池 |
-
2015
- 2015-03-27 JP JP2015066838A patent/JP6635283B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003257480A (ja) * | 2002-02-27 | 2003-09-12 | Fuji Photo Film Co Ltd | 電解質組成物及び非水二次電池 |
JP2010518581A (ja) * | 2007-02-06 | 2010-05-27 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 新規結合剤を含む電極、並びにその製造方法及び使用方法 |
JP2014146471A (ja) * | 2013-01-28 | 2014-08-14 | Nippon Zeon Co Ltd | 二次電池負極用スラリー組成物、その製造方法、二次電池用負極、及び二次電池 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
PIPER, D.M. ET AL.: "Conformal Coatings of Cyclized-PAN for Mechanically Resilient Si nano-Composite Anodes", ADVANCED ENERGY MATERIALS, vol. 3, JPN6019005828, 2013, DE, pages 697 - 702, XP055215468, ISSN: 0004137927, DOI: 10.1002/aenm.201200850 * |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113613768A (zh) * | 2019-03-29 | 2021-11-05 | 东洋油墨Sc控股株式会社 | 分散剂、分散体、树脂组合物、复合材料浆料、电极膜及非水电解质二次电池 |
EP3950108A4 (en) * | 2019-03-29 | 2022-05-11 | Toyo Ink SC Holdings Co., Ltd. | DISPERSANT, DISPERSED MATERIAL, RESIN COMPOSITION, MIXED SUSPENSION, ELECTRODE FILM AND NON-AQUEOUS ELECTROLYTE RECHARGEABLE BATTERY |
WO2024031327A1 (zh) * | 2022-08-09 | 2024-02-15 | 宁德时代新能源科技股份有限公司 | 负极极片及二次电池 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6635283B2 (ja) | 2020-01-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5302456B1 (ja) | 非水二次電池 | |
CN106797022B (zh) | 钾离子二次电池或钾离子电容器 | |
US10476078B2 (en) | Positive electrode for secondary battery, method of preparing the same, and lithium secondary battery including the positive electrode | |
JP7015447B2 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP6750196B2 (ja) | 非水系リチウム電池及びその使用方法 | |
CN108780926B (zh) | 制备二次电池的方法 | |
JP2012174546A (ja) | 非水電解質二次電池 | |
WO2012160762A1 (ja) | リチウムイオン二次電池用電極及びその製造方法、並びにその電極を用いたリチウムイオン二次電池 | |
US10604410B2 (en) | Negative electrode active material for lithium secondary battery and method of preparing the same | |
JP5586116B2 (ja) | リチウム二次電池用の正極合材およびその使用 | |
JP7163983B2 (ja) | 有機硫黄材料、電極およびリチウムイオン二次電池並びに製造方法 | |
JP7084544B2 (ja) | 硫黄-炭素複合体及びそれを含むリチウム二次電池 | |
JP2016207318A (ja) | 非水電解質二次電池用負極及び非水電解質二次電池 | |
JP6635283B2 (ja) | 非水電解質蓄電素子用負極、及び非水電解質蓄電素子 | |
CN114788063A (zh) | 非水电解液二次电池 | |
JP7136244B2 (ja) | 有機硫黄材料、電極およびリチウムイオン二次電池並びに製造方法 | |
JP5272810B2 (ja) | キャパシタ | |
JP5189466B2 (ja) | リチウム二次電池 | |
JP3975481B2 (ja) | 電極材料およびそれを用いたリチウム電池 | |
JP5504853B2 (ja) | リチウム二次電池の使用方法 | |
JP7072673B2 (ja) | LiOHを含むリチウム二次電池用電極、その製造方法、及び当該電極を含むリチウム二次電池 | |
JP7363846B2 (ja) | 炭素材粒子、電極、二次電池及び二次電池の使用方法 | |
JP7431040B2 (ja) | シリコン材料、蓄電デバイス用電極、蓄電デバイス及びシリコン材料の製造方法 | |
JP2011129366A (ja) | 非水系リチウム二次電池 | |
JP2017183046A (ja) | リチウムイオン二次電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180110 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190226 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20190419 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190626 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20191023 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20191112 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20191121 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20191204 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6635283 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |