JP2016185822A - 作業シート保管ケース - Google Patents
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Abstract
【解決手段】合成樹脂製のシート体2aからなり開口3を有する袋体2と、この袋体2の開口3縁又はその近傍に設けられる雌雄咬合型のスライダ付線ファスナ4と、このスライダ付線ファスナ4の設置位置よりも袋体2の内側に配設される雌雄咬合型の線ファスナ5と、を有し、袋体2は、その側縁2b近傍で、かつ、スライダ付線ファスナ4と線ファスナ5の間に、シート体2の重なり部2aを貫通してなる孔6を備えることを特徴とする作業シート保管ケース1Aによる。
【選択図】図1
Description
より具体的な作業内容としては、系統操作後の系統復旧時に、上記作業シートが札掛けされたバルブ等を元の状態に戻してから、バルブ等に吊り下げられる作業票補助標識(作業シート)を回収し、最終的に回収された作業票補助標識の数が予め準備した作業票補助標識の数と同じであることを確認することで、操作対象の操作忘れの有無を確認している。
また、発電用設備の定期点検や工事の際にもこの札掛け作業を行うため、作業票補助標識(作業シート)は、通常、屋外で長期間雨曝しになる。
また、特定の操作対象に割り当てられる作業票補助標識(作業シート)が、1枚でない場合もあった。
従来、上述のような作業シートの保護ケースとして繰り返し使用が可能な、スライダ付線ファスナを備える袋体を用いていた。また、この場合、この袋体を操作対象であるバルブ等に吊り下げ保持する必要性から、この袋体に紐等を取り付ける必要があった。
ところが、このようなスライダ付線ファスナを備える袋体は、紐等を取り付けるのに適した構成を備えていない。
このため、作業現場では、スライダ付線ファスナを備える袋体の縁部に貫通孔を形成して、紐等の掛着具を取り付けて使用していた。しかしながら、この貫通孔から袋内に雨水が侵入して、作業シートが損傷するなどの不具合が生じ、作業の妨げになっていた。
また、特許文献2には、線ファスナと孔を備えた袋体が開示されているので、特許文献2に開示される発明を用いれば、本発明の目的を達成できるとも考えられる。しかしながら、特許文献2に開示される発明を本発明の代替品として用いる場合は、以下に示すような不具合が生じることが予測される。
特許文献2に開示される発明は、そもそも商品を陳列し、販売する際に使い切りを前提として用いられる袋体である。従って、本発明のような繰り返しの使用にはそもそも適していない。
この点をより具体的に説明すると、特許文献2に開示される発明では、袋体の開口に配されるシート体を折り返して開口を閉止する構造であるため、その開閉作業が煩雑であった。しかも、開口の封止には接着剤が用いられているため、経時変化に伴い接着剤の接着力が低下して、最終的には開口を封止できなくなることが予測される。さらに、特許文献2に開示される発明の場合は、開口近傍に形成される孔はその周囲に補強部材あるいは補強構造を何ら備えていないので、使用開始後ほどなく孔が広がったり、孔が引きちぎれる等の不具合が生じることが予測される。
従って、特許文献2に開示される発明の場合は、利便性が低く、かつ、十分な耐久性も備えていなかった。
上記構成の第1の発明において、袋体は作業シートを収納保持するという作用を有する。また、袋体の開口は、作業シートを袋体に出し入れ可能にするという作用を有する。さらに、袋体の開口縁から奥まった位置に配設される第2の線ファスナは、開閉可能に袋体を封止するという作用を有する。
また、上記第2の線ファスナよりも開口縁寄りに取設される第1の線ファスナは、開口縁を開閉させるという作用を有する。さらに、第1の線ファスナは、袋体のより内側に配される第2の線ファスナの意図しない開放を抑制するという作用を有する。
また、第1の線ファスナと第2の線ファスナの間に配されるシート体の重なり部に孔を形成することで、袋体内への雨水等の侵入を防止しながら、袋体に、例えば、紐等の掛着具を直接着脱可能にするという作用を有する。この場合、袋体に紐等の掛着具を取設するためのループ等の構成を付加する必要がなくなる。
さらに、この場合、孔の周囲に第1の線ファスナ及び第2の線ファスナが配されることで、使用時の孔の変形や、孔の周囲のシート体が引きちぎれるのを妨げるという作用を有する。
上記構成の第2の発明は、第1の発明と同じ作用に加えて、第1の線ファスナと第2の線ファスナとの間に配されるシート体の強度を向上させるという作用を有する。また、シート体の強度が向上する領域に孔が形成されるので、使用時の孔の変形や、孔の周囲のシート体が引きちぎれるという不具合が生じるのをより確実に抑制するという作用を有する。この結果、第2の発明の耐久性を一層向上させるという作用を有する。
上記構成の第3の発明は、第1又は第2の発明と同じ作用に加えて、第1の線ファスナと第2の線ファスナとの間に配されるシート体に形成される水抜き孔は、孔から浸入する雨水を、袋体の外に排出するという作用を有する。
なお、この水抜き孔は、第3の発明を所望の位置に吊り下げ保持した場合に、孔よりも可能な限り離れた鉛直下方側に形成するとよい。
このような第3の発明によれば、孔から雨水が浸入しても水抜き孔から排出できるので、線ファスナを開放した際に、袋体内に水が浸入するのを防止できる。
上記構成の第4の発明は、第1乃至第3のそれぞれの発明と同じ作用に加えて、スライダが確実に線ファスナを咬合あるいは開放するように作用する。
上記構成の第5の発明は、第4の発明と同じ作用に加えて、スライダの占有領域を除く開口の幅を、開口を通過する作業シートの一辺の長さよりも大きく設定しておくことで、作業シートの開口の通過をスムーズにするという作用を有する。
上記構成の第6の発明は、第1乃至第4のそれぞれの発明と同じ作用に加えて、第1の線ファスナと第2の線ファスナが袋体の周囲のうち連続する半周囲に設けられることで、広く開閉するように作用する。
特に、第1の線ファスナと第2の線ファスナの間に配されるシート体に孔を形成することで、結果的に、孔の周囲が第1の線ファスナ及び第2の線ファスナにより補強されることになる。このため、孔に掛着具を取設した場合に、孔が広がる(変形する)、孔が引きちぎれる等の不具合が起き難くなる。
また、第1の発明によれば、第1の線ファスナと第2の線ファスナを備える既存の密封容器体における、第1の線ファスナと第2の線ファスナの間に配されるシート体を貫通する孔を形成するだけで、上述のような独自の効果を有する作業シート保管ケースを構成することができる。
この場合、その製造時に、第1の線ファスナと第2の線ファスナを備える既存の密封容器体に対し、掛着具を着脱可能にするループ等を取り付ける等のパーツの追加が必要ないので、その構造をシンプルにできるだけでなく、第1の発明の製造コストを廉価にできるというメリットもある。
また、第1の発明は、第2の線ファスナに加えて第1の線ファスナを備えているので、第2の線ファスナで開口を封止した後、さらに、第1の線ファスナによっても袋体の開口縁を封止できる。
この場合、第1の線ファスナにより開口縁又はその近傍が閉止されることで、封止された第2の線ファスナの周囲のシート体に、第2の線ファスナの咬合を解除させるような外力が作用するのを好適に抑制できる。この結果、線ファスナによる水密性を好適に維持できる。
この結果、第3の発明における第2の線ファスナの内側の袋体内に雨水を浸入し難くすることができる。これにより、第3の発明による作業シートの保護効果を向上できる。
また、第1の線ファスナとして袋体の開口縁又はその近傍に設けられる封止構造として特にスライダ付線ファスナを採用することで、袋体の開口縁を開放する際に、開口縁を引っ張って広げる必要がなくなる。この場合、第1の線ファスナと第2の線ファスナの間のシート体が伸びたり、あるいは、変形したりする恐れが少なくなる。このことは、その内側に配置される第2の線ファスナが伸びたり、あるいは、変形したりするリスクも少なくできることを意味している。よって、第1乃至第3の発明の耐久性を大幅に向上させることができる。
また、袋体の開口縁又はその近傍に設けられる封止構造として特に第1の線ファスナを採用することで、袋体の開口縁を開放する際に、開口縁を引っ張って広げる必要がなくなる。この場合、第1の線ファスナと第2の線ファスナの間のシート体が伸びたり、あるいは、変形したりする恐れが少なくなる。このことは、その内側に配置される第2の線ファスナが伸びたり、あるいは、変形したりするリスクも少なくできることを意味している。よって、第1の発明の耐久性を大幅に向上させることができる。
図1(a)は本発明の実施例1に係る作業シート保管ケースの側面図であり、図1(b)は本発明の実施例1に係る作業シート保管ケースの平面図である。
図1(a),(b)に示すように、実施例1に係る作業シート保管ケース1Aは、合成樹脂製のシート体2aからなり開口3を有する袋体2と、この袋体2の開口縁又はその近傍に設けられる雌雄咬合型のスライダ付線ファスナ4と、このスライダ付線ファスナ4の配設位置よりも袋体2の内側に配置される雌雄咬合型の線ファスナ5と、からなり、この袋体2は、その側縁2b近傍で、かつ、スライダ付線ファスナ4と線ファスナ5の間に、シート体2aの重なり部を貫通して形成される孔6を備えるものである。
なお、袋体2は、例えば、矩形状のシート体2aを、折り返し部2cを形成しながら2つ折りにし、その側縁2b,2bを熱圧着してシール部2dを形成することで袋体2を形成してもよい。
図2(a)は本発明の実施例1に係る作業シート保管ケースのスライダ付線ファスナの咬合部の開放状態を示す断面図であり、図2(b)は同咬合部の閉止状態を示す断面図である。なお、図1に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図1(a),(b)に示すように、スライダ付線ファスナ4は、主に線ファスナ4aとスライダ4bとにより構成されるものである。また、図2(a),(b)に示すように、スライダ付線ファスナ4における線ファスナ4aは、雌構造4a1及び雄構造4a2とにより構成され、これらは袋体2を構成するシート体2aの内側面に一体に固設されている。
また、雌構造4a1及び雄構造4a2はともに合成樹脂製であるため、これらはいずれも適度な変形性を有している。このため、図2(a)に示すように、線ファスナ4aにおける雌構造4a1と雄構造4a2とを向い合せて、双方を強く押し合わせることで、図2(b)に示すように、雌構造4a1と雄構造4a2とを咬合させることができる。
具体的には、図1(a)に示すように、スライダ4bはその内部に、雌構造4a1と雄構造4a2を押し合わせて咬合させる領域と、雌構造4a1と雄構造4a2を引離して離間させる領域を連続して備えている。
このため、上述のように構成されるスライダ4bを、図1(a)の紙面左方向にスライドさせると、線ファスナ4aは閉じた状態(図2(b)を参照)になる。また、スライダ4bが紙面左側に配される状態からスライダ4bを紙面右方向にスライドさせると、線ファスナ4aは開いた状態(図2(b)を参照)になる。
なお、図2(a),(b)では、雌構造4a1及び雄構造4a2を鉤状の構造体により構成する場合を例に挙げて説明しているが、雌構造4a1及び雄構造4a2を図2(a),(b)に示される形態に特定する必要はなく、目的とする機能を発揮させることができれば図2(a),(b)に示す以外の構造でもよい。
図3(a)は本発明の実施例1に係る作業シート保管ケースの線ファスナの咬合部の開放状態を示す断面図であり、図3(b)は同咬合部の閉止状態を示す断面図である。なお、図1,2に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図3に示すように、実施例1に係る作業シート保管ケース1Aの線ファスナ5は、雌構造5a1及び雄構造5a2により構成されるものである。また、雌構造5a1及び雄構造5a2はともに、袋体2を構成するシート体2aの内側に一体に固設されている。
また、この線ファスナ5は、上述のスライダ付線ファスナ4とは異なり、互いに向い合せに配置した雌構造5a1及び雄構造5a2を、使用者が、例えば、手で押し合わせて咬合させることで、袋体2の開口3を封止することができる。
また、この線ファスナ5は、雌構造5a1及び雄構造5a2をそれぞれ備えるシート体2aを互いに離間させることでその咬合を解除することができる。すなわち、袋体2の開口3を開放することができる。
また、実施例1に係る作業シート保管ケース1Aによれば、袋体2を吊り下げ保持させるための、例えば、紐9等の掛着具を着脱可能に取設するのに必要な構成は、シート体2aに穿設される孔6のみである。
この場合、袋体2に別途ループ等のパーツを付加する場合に比べて、実施例1に係る作業シート保管ケース1Aの製造にかかる原材料費を廉価にできるだけでなく、作業工程もシンプルにできる。
また、線ファスナを二重に備える既存の袋体をそのまま流用して実施例1に係る作業シート保管ケース1Aを製造することができる。
この場合、実施例1に係る作業シート保管ケース1Aの製造コストを一層廉価にできるというメリットを有する。
また、実施例1に係る作業シート保管ケース1Aでは、開口3の縁部又はその近傍に配される線ファスナ(スライダ付線ファスナ4)は、スライダ4bのスライド操作により開閉されるため、スライダ付線ファスナ4を開閉させるにあたり、その周囲のシート体2aを引っ張る必要が無い。
このため、スライダ付線ファスナ4と線ファスナ5の間に配されるシート体2aの変形や劣化、並びに、破損を好適に防止できる。
従って、袋体2の開口3縁又はその近傍に設けられる閉止構造をスライダ付線ファスナ4に特定することによっても、実施例1に係る作業シート保管ケース1Aの耐久性を向上できる。但し、このようなスライダ付線ファスナ4を用いることで発揮される効果を考慮しない場合には、開口3の縁部又はその近傍に配される線ファスナとしてスライド付線ファスナを用いなくともよい。
さらに、袋体2の左右側縁2b,2bを熱圧着してこの部分にシール部2dを形成する場合、シール部2dは他の領域のシート体2aよりも相対的に厚くて固いので、このようなシール部2dが孔6の近傍に形成されることによっても、孔6周辺のシート体2aの変形や劣化、並びに、破損を好適に防止できる。よって、袋体2がシール部2dを有する場合、孔6の周囲のシート体2aはシール部2dによっても補強されることになり、これによっても実施例1に係る作業シート保管ケース1Aの耐久性が向上する。
より具体的には、図1に示すように、袋体2内に作業シート7を横長状に配置して収納する場合は、「作業シート7の一辺」は作業シート7の長辺Rとなる。そして、この場合、開口3の幅Pを作業シート7の長辺Rよりも大きく設定しておけばよい。
あるいは、特に図示しないが、袋体2内に作業シート7を縦長状に配置して収納する場合は、「作業シート7の一辺」は作業シート7の短辺Qとなる。そして、この場合、開口3の開口幅Pを作業シート7の長辺Qよりも大きく設定しておけばよい。
このように袋体2の開口3の開口幅Pを、この開口3を通過する「作業シート7の一辺」の長さ(R又はQ)よりも大きく設定しておくことで、作業シート7を撓ませたり、折り曲げたりすることなく袋体2に作業シート7を出し入れすることができる。
この場合、袋体2から作業シート7を出し入れする際に、作業シート7が破損するリスクを大幅に低減できる。よって、実施例1に係る作業シート保管ケース1Aの機能性を向上できる。
従って、この領域のシート体2aを補強することで、実施例1に係る作業シート保管ケース1Aの耐久性を向上できる。
より具体的には、スライダ付線ファスナ4と線ファスナ5の間に配されるシート体2aを、他の領域のシート体2aよりも厚くする、又は、その表面又は内部に補強材を設ける、あるいは、補強構造を備える、ことでこの領域のシート体2aを補強するとよい。
なお、シート体2aの表面又は内部に補強材を設けるとは、例えば、シート体2aの表面に合成樹脂からなるメッシュ材を貼設したり、その厚み方向断面に合成樹脂からなるメッシュ材を封止することである。
また、シート体2aが補強構造を備えるとは、例えば、シート体2aの製造時にシート体2aの厚みの一部を大きくするなどによりメッシュ構造やストライプ構造をシート体2aと一体に形成することである。
いずれも、スライダ付線ファスナ4と線ファスナ5の間に配されるシート体2aの強度を大幅に向上することができる。これにより、実施例1に係る作業シート保管ケース1Aの耐久性を向上できる。
また、作業シート7を収容保持する領域のシート体2aを透光材により構成してもよい。この場合、実施例1に係る作業シート保管ケース1Aに作業シート7を収納したまま、袋体2の外から袋体2内に収容される作業シート7の記載内容を確認することができる。
さらに、シート体2aを透光材で構成する場合は、スライダ付線ファスナ4及び線ファスナ5を構成する、雌構造4a1と雄構造4a2とを、及び、雌構造5a1と雄構造5a2とを、それぞれ異なる色の合成樹脂により構成してもよい。
この場合、雌構造4a1と雄構造4a2とが、及び、雌構造5a1と雄構造5a2とが、しっかり咬合している場合は、それぞれを構成する合成樹脂の色が混ざり合って見えるので、それぞれの咬合状態を目視により容易に確認できる。
図4は本発明の実施例2に係る作業シート保管ケースの平面図である。なお、図1乃至図3に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例2に係る作業シート保管ケース1Bは、上述の実施例1に係る作業シート保管ケース1Aのスライダ付線ファスナ4と線ファスナ5の間に配されるシート体2aが水抜き孔8を備えるものである。
実施例1に係る作業シート保管ケース1Aでは、孔6に、例えば、紐9等の掛着具を取設して、図示しないバルブ等の取付け対象に掛着保持させた場合に、孔6から雨水が浸入してスライダ付線ファスナ4と線ファスナ5の間に溜まる可能性がある。
この場合、袋体2の開口3が線ファスナ5により水密に封止されていても、線ファスナ5を構成する雌構造5a1及び雄構造5a2を引離して開口3を開いた際に、スライダ付線ファスナ4と線ファスナ5の間に溜まった雨水が袋体2の内部に浸入して作業シート7が濡れてしまうという懸念があった。
また、このような事態を回避するためには、袋体2の線ファスナ5を開放する前に、予めスライダ付線ファスナ4と線ファスナ5の間に雨水が溜まっていないかを確認し、雨水が溜まっている場合は、その都度開口3から雨水を排出してから線ファスナ5を開放する必要があった。
通常、発電用設備の系統操作時又は工事、あるいは、保守点検時には、一人の作業員が多数のバルブ等の設備を操作する必要があり、その一つ一つに設けられる作業シート保管ケース1Aに対して上述の作業を逐一行うことは極めて煩雑であった。
この場合、袋体2のスライダ付線ファスナ4と線ファスナ5の間に浸入した雨水が、線ファスナ5の開放時に袋体2内に流入するという不具合を回避できる。
よって、実施例2に係る作業シート保管ケース1Bによれば、より高機能な作業シート保管ケースを提供できる。
なお、図4では、袋体2のスライダ付線ファスナ4と線ファスナ5の間に配されるシート体2aにおいて、孔6が形成されない側の側縁2bの一部にシール部2dを形成しないでおき、側縁2bの未接合部を水抜き孔8として用いる場合を例に挙げて説明しているが、水抜き孔8の形態は図4に示されるものに特定される必要はない。より具体的には、孔6から浸入した雨水を外部に排出できるよう構成されるものであれば、袋体2に単に孔を形成しておくだけでもよい。また、この場合、袋体2のシート体2aに形成される水抜き孔8は、重なり合うシート体2aを貫通するものでなくともよい。つまり、重なり合うシート体2aのいずれか一方に水抜き孔8が形成されるだけでも十分に目的を達することができる。
この場合、作業シート保管ケース1B掛着対象に吊り下げ保持した状態で、孔6から浸入した雨水を水抜き孔8から効率良く排出することができる。
そして、特に図4に示すように、シート体2aの側縁2bにシール部2dに代えて水抜き孔8を形成する場合は、水抜き用の孔をシート体2aに形成する手間が必要ないので、その製造工程をシンプルにできる。
さらに、実施例2に係る作業シート保管ケース1Bでは、水抜き孔8を形成する代わりに、スライダ付線ファスナ4と線ファスナ5の間に配されるシート体2aを、十分な強度を有するメッシュ材に置き換えてもよい。
この場合、このメッシュ材の空隙を孔6としても水抜き孔8としても利用できるので、スライダ付線ファスナ4及び線ファスナ5の間に雨水が溜まるという不具合自体が起こらなくなる。
図5は本発明の実施例3に係る作業シート保管ケースの平面図である。なお、図1乃至図4に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。また、ここでは先に述べた実施例1に係る作業シート保管ケース1Aとの相違点に重点をおいて説明する。
実施例3に係る作業シート保管ケース1Cは、袋体2の周縁にその上端と側縁2bのいずれか一方に形成されるL字形の開口3を備え、この開口3を閉止するための二重の線ファスナ5を備え、さらに、線ファスナ5,5の間でかつ開口3が形成されない側縁2bの近傍に、例えば、紐9等の掛着具を着脱させるための孔6が形成されてなるものである。
つまり、実施例3に係る作業シート保管ケース1Cでは、袋体2の周縁の半周囲に開口3が形成されている。
この場合、袋体2の内部への作業シート7の出し入れが容易になる。より具体的には、実施例3に係る作業シート保管ケース1Cによれば、袋体2を構成するシート体2aを互いに離間させるように、袋体2の開口3を開放することができる。この結果、袋体2のいずれかの辺にのみ開口3を形成する場合に比べて、開口3が形成される領域が相対的に大きくなるので、袋体2の一辺に形成される開口の幅が作業シート7の一辺よりもさほど大きくなくとも作業シート7の出し入れをスムーズにできる。この結果、実施例3に係る作業シート保管ケース1Cによれば、コンパクトな作業シート保管ケースを提供できる。
また、L字形の開口3の角部は弧状に形成されているので、直角に形成されるよりも気密性が向上すると共に開閉操作も容易となっている。
また、このようなつまみ部及びその基部を形成するシート体2aを補強しておいてもよい。なお、シート体2aの補強方法としては、先の実施例1において述べた方法を支障なく使用できる。この場合、つまみ部の基部の劣化の進行を遅延させることができる。よって、実施例3に係る作業シート保管ケース1Cの耐久性を向上できる。
さらに、先の実施例2に係る作業シート保管ケース1Bに設けられる水抜き孔8を実施例3に係る作業シート保管ケース1Cに設けてもよい。なお、実施例3に係る作業シート保管ケース1Cに水抜き孔8を設ける場合は、孔6から離れた位置に配される線ファスナ5,5の間に配される単数又は複数のシート体2aを貫通してなる水抜き孔8を設けるとよい。
このように、線ファスナ5,5間に配されるシート体2aが水抜き孔8を備えることで、孔6から浸入した雨水が線ファスナ5,5の間に溜まるのを防止できるので、線ファスナ5,5の開放時に雨水で作業シート7が濡れるのを防止できる。
この場合、開口3縁の開閉をスライダ4bのスライド動作により行うことができるので、開口3を開放するのに開口3縁を形成するシート体2aを引っ張る必要がなくなる。これにより、袋体2の開口3縁の劣化を好適に防止できるので、実施例3に係る作業シート保管ケース1Cの耐久性を向上できる。
Claims (6)
- 合成樹脂製のシート体からなり開口を有する袋体と、この袋体の開口縁又はその近傍に設けられる雌雄咬合型の第1の線ファスナと、この第1の線ファスナの設置位置よりも前記袋体の内側に配設される雌雄咬合型の第2の線ファスナと、を有し、
前記袋体は、その側縁近傍で、かつ、前記第1の線ファスナと前記第2の線ファスナの間に、前記シート体の重なり部を貫通してなる孔を備えることを特徴とする作業シート保管ケース。 - 前記第1の線ファスナと前記第2の線ファスナとの間に配される前記シート体は、他の領域のシート体よりも厚い、又は、その表面又は内部に補強材を備えている、又は、補強構造を備えている、ことを特徴とする請求項1記載の作業シート保管ケース。
- 前記第1の線ファスナと前記第2の線ファスナとの間に配される前記シート体は、少なくとも1つの水抜き孔を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の作業シート保管ケース。
- 前記第1の線ファスナは、スライダを備えて咬合するスライダ付線ファスナであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の作業シート保管ケース。
- 前記スライダの占有領域を除く前記開口の幅は、前記開口を通過する作業シートの一辺の長さよりも大きいことを特徴とする請求項4記載の作業シート保管ケース。
- 前記第1の線ファスナと前記第2の線ファスナは前記袋体の周囲のうち連続する半周囲に設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の作業シート保管ケース。
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