JP2016184712A - 半導体装置及びそれを用いた電力変換装置 - Google Patents

半導体装置及びそれを用いた電力変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】広い安全動作領域を有するIGBT等の半導体装置を提供する。【解決手段】第1領域と第2領域はエミッタ電極104側のn−基板103の表面に形成され、第1領域と第2領域の間はトレンチ105で分離される。第1領域内の表面にn+ソース111とp+コンタクト層112aが形成され、少なくとも一部がエミッタ電極104と接するように構成される。n+ソース111とp+コンタクト層112aの下にpベース層113a、更にその下にnバリア層114が形成される。第2領域内の表面にp+コンタクト層112bが形成され、少なくとも一部がエミッタ電極104と接するように構成される。p+コンタクト層112bの下にpベース層113b、更にその下にnバリア層114よりキャリア濃度の高いn電界集中層115が形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置及びそれを用いた電力変換装置に係り、特に、トレンチゲート構造を有する絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:以下、IGBTと略する)に好適な半導体装置及びそれを用いた電力変換装置に関する。
従来、IGBTのゲート−エミッタ間閾値電圧(VGEth)のバラツキを抑制する技術として、CS層においてチャネル領域直下のCS層領域を第1のCS層領域とし、それ以外のCS層領域を第2のCS層領域として構成し、第1のCS層領域の不純物濃度を相対的に下げるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、トレンチIGBTデバイスのチャネル濃度を減少させる技術として、多数のトレンチIGBT構造を含むデバイスにおいて、多数のバイポーラ・トランジスタ(BJT)構造をこれらのIGBT構造と相互に組み合わせるものがあった(例えば、特許文献2参照)。
また、従来、IGBTの導通損失を増加させることなく低ノイズ特性を確保しスイッチ損失の低減を図る技術として、トレンチゲート型IGBTのデバイス構造を、ドリフトn-層がフローティングp層とトレンチゲートとの間の主表面に露出する、すなわち、ドリフトn-層の間にフローティングp層があり、このフローティングp層がトレンチゲートから離れている構造としたものがあった(例えば、特許文献3参照)。
また、従来、低損失と高耐圧とを保持しながら、ターンオンスイッチング期間中におけるdv/dtのゲート駆動回路による制御性の向上を図る技術として、ゲート電極がゲート絶縁膜と、層間膜となる厚い絶縁膜とで覆われるように、ゲート電極を幅の広いトレンチの側壁に設けたものがあった(例えば、特許文献4参照)。
また、従来、電力用半導体装置において低オン電圧を維持し且つスイッチング特性を良好にする技術として、第2導電型のコレクタ層から離間した位置で、メインセルとダミーセルとを区画するように間隔をおいて第1導電型の第1ベース層内に配設された複数のトレンチを含むよう電力用半導体装置を構成すると共に、メインセル内に第2導電型の第2ベース層と第1導電型のエミッタ層とを配設し、ダミーセル内に第2導電型のバッファ層を配設し、メインセルに隣接するトレンチ内にゲート絶縁膜を介してゲート電極を配設し、バッファ層とエミッタ電極との間に無限大の抵抗値を有するバッファ抵抗を挿入し、ダミーセルには、コレクタ層からバッファ層に流入して蓄積される第1導電型のキャリアの量を減少させる抑制構造を付加したものがあった(例えば、特許文献5参照)。
また、従来、絶縁ゲート型半導体装置においてパンチスルーを防止する技術として、n−型基板の上面に、p−型ベース領域を形成し、n−型基板とp−型ベース領域との間にn+型キャリア蓄積層を選択的に形成し、p−型ベース領域の表面にn+型エミッタ領域を選択的に形成し、n+型エミッタ領域及びp−型ベース領域を貫通してn−型基板まで到達するトレンチ溝を形成し、トレンチ溝の内部に絶縁膜を介してゲート電極を埋設し、p−型ベース領域とn+型エミッタ領域にエミッタ電極を接続し、n−型基板1の下面にp+型コレクタ領域を形成し、p+型コレクタ領域にコレクタ電極を接続して、絶縁ゲート型半導体装置を構成し、n+型エミッタ領域の直下に、n+型キャリア蓄積層より不純物濃度が高いn+型キャリア蓄積層が存在しないようにしたものがあった(例えば、特許文献6参照)。
特開2005−347289号公報 特表2003−520430号公報 特許第4644730号公報 特許第5452195号公報 特開2004−153112号公報 特開2011−233806号公報
IGBTは、コレクタ電極とエミッタ電極との間に流れる電流を、ゲート電極に印加する電圧によって制御するスイッチング素子である。IGBTが制御できる電力は、数十ワットから数十万ワットにまで及び、またスイッチング周波数も数十ヘルツから百キロヘルツ超と幅広いため、家庭用のエアコンディショナー、電子レンジ、自動車等の小中電力機器から、鉄道、発電機や製鉄所のインバータ等、大電力機器まで幅広く用いられている。
IGBTには、これら電力機器の高効率化のために低損失化が求められており、導通損失やスイッチング損失の低減が要求されている。同時に小型化・低コスト化のために、1素子当りの定格電流を向上し、部品点数を低減できるようにすることが要求されている。
IGBTのサイズを大きくすること無く1素子当りの定格電流を向上させるためには、ターンオフ時の安全動作領域(Reverse Bias Safe Operating Area:以下、RBSOA)を広げる必要がある。すなわち、より高い電流・電圧でもIGBTが破壊すること無く動作することが要求される。
IGBTの低損失化に関する従来の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術がある。同文献には、「本実施の形態1に係るCSTBTでは、CS層113においてチャネル領域直下のCS層領域を第1のCS層領域113aとし、それ以外のCS層領域を第2のCS層領域113bとして構成し、第1のCS層領域113aの不純物濃度を下げることにより、閾値電圧(VGEth)のバラツキを抑制するものである。また、チャネル直下以外の第2のCS層領域113bを高濃度にすることで、キャリア蓄積の効果を保ち、オン電圧を低下させることを可能とするものである。」と記載されている。
この記載から、同文献の開示する発明の構成は、キャリア蓄積層を備えたトレンチIGBTにおいて、チャネル直下のキャリア蓄積層領域の不純物濃度より、チャネル直下以外のキャリア蓄積層領域の不純物濃度を高くした構成であるが、それが解決しようとする課題は閾値電圧のバラツキを抑制することであることが理解される。
また、トレンチIGBTデバイスのチャネル濃度を減少させる技術として、特許文献2に記載の技術がある。同文献には、「新規な構造は、多数のトレンチIGBT構造を含むが、多数のバイポーラ・トランジスタ(BJT)構造をこれらのIGBT構造と相互に組み合わせることによって、従来型のトレンチIGBTデバイスのチャネル濃度を減少させる。正のゲート電圧が印加されるときにBJTメサには反転チャネルが形成されないために、ベース駆動が、従ってデバイスの飽和電流レベルが低下し(すべてがIGBTによる実現例の場合と比較して)、その短絡SOAが改善される。更に、この新規な構造は幅がより大きなメサを必要としないから、逆バイアスされたSOAは影響されない。」と記載されている。
しかし、解析の結果、例えば特許文献4に示されるような従来のIGBTにおいて定格電流を大幅に超えて電流を増加すると、チップ内部でインパクトイオン化に起因するセル間の電流集中が発生し、破壊に至ることが判明した。図12は特許文献4の構造において定格電流を超えてターンオフしたときの電流、電圧波形、及びチップ内部の最大温度の計算結果を示す。実線はインパクトイオン化の物理モデル有り、点線は無しの計算結果を示す。図13は図12のtにおいて内部の電流分布を出力した計算結果を示す。図12より、インパクトイオン化無しでは電流が0Aまで低下しターンオフが完了しているが、インパクトイオン化有りの場合、ターンオフ中に温度と電流が増加し絶縁破壊している。更に図13よりインパクトイオン化無しの場合は電流がセル毎に均一に流れているのに対し、インパクトイオン化有りの場合は1セルに電流が集中している。これらの解析結果から、インパクトイオン化によりセル間電流集中が発生し、局所的な発熱により破壊に至っていることが判明した。
図14はセル間電流集中が発生する原理の模式図である。図14は特許文献5に示される従来構造を例に示しているが、同様の現象は例えば特許文献1〜4に記載されるような構造においても起こりうる。
図14(a)はターンオフ波形を示し、各時刻t1〜t5のIGBTチップの内部状態が図14(b)〜(f)に示されている。図14(b)に示されるように、t1においてIGBTはオン状態でありn-基板には不純物濃度より高濃度の自由電子、正孔が蓄積される。ターンオフが開始すると、蓄積された正孔をエミッタ電極に、電子をコレクタ電極に排出しながらn-基板が空乏化し、コレクタ電圧が上昇する。図14(c)に示されるように、ゲート電圧Vgeが閾値電圧Vth以上となる期間においては、電子がn+ソースからコレクタ電極に向かって注入される。このとき内部に蓄積されている正孔は電子の負電荷を中和するように、電子電流とほぼ同じ経路を通ってエミッタ電極に排出される。従って、各トレンチゲートのチャネルを介して流れる電子電流はほぼ均等であるため、正孔電流も均等に分散されて流れる。
ゲート電圧が閾値電圧以下になると、図14(d)に示されるように、トレンチゲートからの能動的な電子注入は無くなるため、正孔電流の経路は不安定に(動きやすく)なる。このときトレンチの寸法や形状等のばらつきにより局所的にわずかに電界の強い箇所が不可避的に発生する。そのような箇所ではインパクトイオン化による電子注入が相対的に多くなるために、周辺の正孔電流が集中し始める。インパクトイオン化による電子の単位時間、単位体積当たりの発生率Geは(数1)の式に示されるように、近似的にインパクトイオン化係数αと電流密度Jの積で表される。
Figure 2016184712
図15はOkuto-Crowellモデルの式より算出したαと電界Eの関係を示す。α(E)は図15に示されるように、電界Eに強く依存する。従って一度正孔電流が集中し始めるとJの増加とともに、正孔電流の正電荷により電界が増加しα(E)も増加する。(数1)の式よりインパクトイオン化による電子注入Geが増加し、更に正孔電流が集中する。このような正帰還により、電流集中が増加していく(図14(e))。最終的には電流集中と局所的な発熱により、寄生サイリスタ(nソース/pベース/n基板/pコレクタ層)に電流が流れてオフできなくなるラッチアップが発生し、熱的な破壊に至る(図14(f))。
上記と同様の内容が図15のグラフ上にも図示されている。電界の高いセルAとそれ以外のセルで比較すると、わずかな電界のばらつきでもセルAのαは桁で増加する。セルAへの正孔電流集中とそれによる電界増加の正帰還により、セルAの電界不均一は拡大し、最大で臨界電界まで増加する。なお、図15の関係は複数提案されている式の一例だが、Okuto-Crowellモデル以外でも同様の傾向を示す。
以上より、上記のセル間電流集中による発熱を軽減し、広いRBSOAを有するIGBTを提供することが課題となる。
ところで、特許文献1に記載の技術は、閾値電圧のバラツキ抑制のための技術であって、電流集中を解決課題としていないことは上述の通りである。特許文献6も同様である。従って、電流集中を改善するためのデバイス構造を特許文献1または特許文献6に記載のデバイス構造に追加導入しようという動機が当業者に生じることは、通常、考えにくい。それを踏まえた上で、もし仮にそのような組合せを試みたとした場合にどのようなデバイス構造に至るか、念のため検討してみた。特許文献2には、見かけ上、後述する本発明の第1領域と第2領域との間にトレンチを設けたかのように見えるデバイス構造の記載がある。特許文献5も同様である。そこで、例えば、特許文献1または特許文献6に記載のデバイス構造に特許文献2または特許文献5に記載のトレンチを半ば無理やりに形成したとすると、トレンチで分離されたチャネル側の領域に2つの異なる濃度のキャリア蓄積層が形成されてしまう。すなわち、本発明のデバイス構造には到達しない。そのことが、後述する発明者独自の検討の結果、明らかとなった。つまり、通常は組み合わせる動機の生じない特許文献1または特許文献6と特許文献2または特許文献5とを仮に組み合わせたとしても、本発明の構成には到達しないことに留意すべきである。
上記課題を解決するために、本発明の半導体装置は、例えば、コレクタ電極と、前記コレクタ電極の表面に形成された第1導電型の第1半導体層と、前記第1半導体層の前記コレクタ電極が形成された側とは反対側に形成された第2導電型の半導体基板と、前記半導体基板の前記第1半導体層が形成された側とは反対側に形成されたエミッタ電極と、前記エミッタ電極と前記半導体基板との間に形成された複数のトレンチと、前記複数のトレンチのうちの少なくとも1つの内側に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極と前記エミッタ電極との間に形成された絶縁層と、前記ゲート電極が形成されたトレンチと前記ゲート電極との間に形成されたゲート絶縁層と、第1領域と、第2領域とを有する絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを複数セル備えて構成される半導体装置であって、前記第1領域は、前記ゲート絶縁層に接して形成され、かつ、前記半導体基板より不純物濃度の高い第2導電型の第2半導体層と、前記エミッタ電極の前記半導体基板側の表面に接して形成され、かつ、前記第1半導体層より不純物濃度の高い第1導電型の第3半導体層と、前記ゲート電極に接し、かつ、前記第2半導体層の前記半導体基板側に形成され、かつ、前記第3半導体層より不純物濃度の低い第1導電型の第4半導体層と、前記第4半導体層の前記半導体基板側に形成され、かつ、不純物濃度が前記半導体基板と同じかそれより高く前記第2半導体層より低い第2導電型の第5半導体層とを有し、前記第2領域は、前記エミッタ電極の前記半導体基板側の表面に接して形成され、かつ、前記第1半導体層より不純物濃度の高い第1導電型の第6半導体層と、前記第6半導体層の前記半導体基板側に形成され、かつ、不純物濃度が前記第5半導体層より高く前記第2半導体層より低い第2導電型の第7半導体層とを有し、前記第1領域と前記第2領域との間に、前記複数のトレンチのうちのいずれか1つを有することを特徴とする。
また、本発明の電力変換装置は、例えば、本発明の上記半導体装置を用いて構成されることを特徴とする。
本発明によれば、ターンオフ時の電流を分散させることでラッチアップによる発熱を軽減し、広いRBSOAを有するIGBTを提供することができる。
本発明の実施例1の半導体装置1000の断面模式図である。 本発明の実施例2の半導体装置2000の断面模式図である。 本発明の実施例2の第1の変形例である半導体装置2001の断面模式図である。 本発明の実施例2の第2の変形例である半導体装置2002の断面模式図である。 本発明の実施例3の半導体装置3000の断面模式図である。 本発明の実施例4の半導体装置4000の断面模式図である。 図6aの断面模式図におけるA−A’面のキャリア濃度分布を示す模式図である。 本発明の実施例5の半導体装置5000の断面模式図である。 本発明の実施例5の半導体装置5000の製造工程の例であって、シリコンのn基板103が用意される工程を示す図である。 本発明の実施例5の半導体装置5000の製造工程の例であって、ホトレジストがパターニングされ、エッチングによりトレンチ105と幅広トレンチ501が同時に形成される工程を示す図である。 本発明の実施例5の半導体装置5000の製造工程の例であって、熱処理により50〜100nm程度の熱酸化膜が形成される工程を示す図である。 本発明の実施例5の半導体装置5000の製造工程の例であって、ポリシリコンが堆積される工程を示す図である。 本発明の実施例5の半導体装置5000の製造工程の例であって、ゲート電極106、サイドウォールゲート502、フィールドプレート503が形成される工程を示す図である。 本発明の実施例5の半導体装置5000の製造工程の例であって、nソース111、pベース層113a、113b、nバリア層114、第2のnバリア層401、n電界集中層115が形成される工程を示す図である。 本発明の実施例5の半導体装置5000の製造工程の例であって、酸化膜の堆積によって絶縁層107、第1層間絶縁層505が形成される工程を示す図である。 本発明の実施例5の半導体装置5000の製造工程の例であって、酸化膜とシリコンのエッチングによりコンタクト溝507が形成され、更にその後のイオン注入とアニールによりpコンタクト層112a、112bが形成される工程を示す図である。 本発明の実施例5の半導体装置5000の製造工程の例であって、エミッタ電極104が堆積され、エミッタ電極とは反対側のn基板表面にnバッファ層116とpコレクタ層102がイオン注入とアニールによって形成され、コレクタ電極101が堆積される工程を示すと共に、図8aから本図までの一連の工程によって完成したIGBTのデバイス構成を示す図である。 本発明の実施例5のIGBTのターンオフ時におけるコレクタ−エミッタ間電圧の時間的変化を示す計算波形図である。 本発明の実施例5のIGBTのターンオフ時におけるコレクタ電流の時間的変化を示す計算波形図である。 本発明の実施例5のIGBTのターンオフ時におけるチップ内部の最大温度の時間的変化を示す計算波形図である。 図9a〜図9cのtにおける本発明のIGBTのチップ内部の電流密度分布の計算結果を示す図である。 図9a〜図9cのtにおける従来のIGBTのチップ内部の電流密度分布の計算結果を示す図である。 本発明のIGBTを採用した電力変換装置の一例を示す回路図である。 特許文献4に記載されている従来のIGBTのターンオフ時におけるコレクタ−エミッタ間電圧の時間的変化を示す計算波形図である。 特許文献4に記載されている従来のIGBTのターンオフ時におけるコレクタ電流の時間的変化を示す計算波形図である。 特許文献4に記載されている従来のIGBTのターンオフ時におけるチップ内部の最大温度の時間的変化を示す計算波形図である。 図12a〜図12cのtにおけるインパクトイオン化モデルの有る従来のIGBTチップ内部の電流密度分布の計算結果を示す図である。 図12a〜図12cのtにおけるインパクトイオン化モデルの無い従来のIGBTチップ内部の電流密度分布の計算結果を示す図である。 セル間電流集中が発生する原理を示す模式図であって、ターンオフ波形を示す図である。 セル間電流集中が発生する原理を示す模式図であって、図14aの時刻t1におけるIGBTチップの内部状態を示すチップ断面図である。 セル間電流集中が発生する原理を示す模式図であって、図14aの時刻t2におけるIGBTチップの内部状態を示すチップ断面図である。 セル間電流集中が発生する原理を示す模式図であって、図14aの時刻t3〜t4の正孔電流が集中し始めた段階におけるIGBTチップの内部状態を示すチップ断面図である。 セル間電流集中が発生する原理を示す模式図であって、図14aの時刻t3〜t4の図14dの段階よりも更に正孔電流が集中した段階におけるIGBTチップの内部状態を示すチップ断面図である。 セル間電流集中が発生する原理を示す模式図であって、図14aの時刻t5におけるIGBTチップの内部状態を示すチップ断面図である。 インパクトイオン化係数αと電界Eの関係、及びセル間の電界不均一が拡大する原理を示す模式図である。 特許文献1に示される従来のIGBTの断面図である。 特許文献2に示される従来のIGBTの断面図である。 仮に特許文献1と特許文献2とに示される両構造を組み合わせた場合に想定されるIGBTの構成の一例を示す断面模式図である。 図18aの断面模式図におけるB−B’面のキャリア濃度分布を示す模式図である。
以下、本発明の半導体装置及び電力変換装置の実施形態を、各実施例として図面を用いて詳細に説明する。
図1は実施例1の半導体装置1000のアクティブ領域における断面図の例を示す。実施例1は本発明を実施するための最小単位に近い構成である。実施例1のIGBTは、コレクタ電極101、pコレクタ層102(第1半導体層)、nバッファ層116(第9半導体層)、n基板103(半導体基板)、エミッタ電極104、トレンチ105、ゲート電極106、絶縁層107、ゲート絶縁層108、ダミートレンチ電極109、ダミートレンチ絶縁層110、及び第1領域、第2領域から構成される。第1領域はnソース111(第2半導体層)、pコンタクト層112a(第3半導体層)、pベース層113a(第4半導体層)、nバリア層114(第5半導体層)を有する。第2領域はpコンタクト層112b(第6半導体層)、pベース層113b(第8半導体層)、n電界集中層115(第7半導体層)を有する。アクティブ領域は本図に示される1セルが周期的に配置されている。
図1に示されるように、pコレクタ層102はn基板103の一方の表面に形成されている。コレクタ電極101はpコレクタ層102の表面上に形成されている。nバッファ層116はpコレクタ層102とn基板103の間に形成されている。エミッタ電極104はpコレクタ層102とは反対側のn基板103の表面に形成されている。第1領域と第2領域はエミッタ電極側のn基板103の表面に形成されており、第1領域と第2領域の間はトレンチ105で分離されている。第1領域内の表面にnソース111とpコンタクト層112aが形成され、少なくとも一部がエミッタ電極と接している。nソース111とpコンタクト層112aの下にpベース層113a、更にその下にnバリア層114が形成されている。第2領域内の表面にpコンタクト層112bが形成され、少なくとも一部がエミッタ電極と接している。pコンタクト層112bの下にpベース層113b、更にその下にnバリア層114よりキャリア濃度の高いn電界集中層115が形成されている。複数のトレンチ105の内、nソース111に接しているトレンチの内壁に沿ってゲート絶縁層108が形成され、更にその内側にゲート電極106が形成されている。nソース111に接していないトレンチの内壁に沿ってダミートレンチ絶縁層110が形成され、更にその内側にダミートレンチ電極109が形成されている。ダミートレンチ電極109は電気的にゲート電極と接続されていても良いし、エミッタ電極と接続されていても良い。あるいはゲート電極、エミッタ電極とは異なる電位に接続されていても良い。トレンチ105及びn基板103の少なくとも一部は絶縁層107に覆われている。
実施例1の特徴は、第2領域にnバリア層114よりキャリア濃度の高いn電界集中層115を形成することで、寄生サイリスタの存在しない第2領域に電流集中が発生し、寄生サイリスタの存在する第1領域を流れる電流が減少することである。且つ、第2領域は第1領域とはトレンチで分離されているため、第2領域の電流集中によって第1領域がラッチアップすることを抑制することができる。その原理の詳細は以下に記される。
n電界集中層115のキャリア濃度がnバリア層114より高くすることにより、ターンオフ動作中において第2領域のpベース層113bとn電界集中層からなるpn接合の電界が、第1領域のpベース層113aとnバリア層114からなるpn接合より高くなる。図14、15で示されるようにセル間電流集中は相対的に電界の強い箇所に発生するため、nソース111の無い(すなわちnソース/pベース層/n基板/pコレクタ層からなる寄生サイリスタが存在しない)第2領域に電流集中が発生し、第1領域への電流集中とそれによる寄生サイリスタのラッチアップを抑制することができる。
図9は一例として後述の実施例5の構成(断面模式図は図7に示される)において計算したターンオフ波形を示す。実線は本発明のIGBTを示し、点線は特許文献4に示される従来のIGBTの波形を示す。図9(c)はターンオフ中のチップ内最大温度を示す。本発明および従来のIGBTのラッチアップ開始時点が矢印で示されている。本発明は従来のIGBTより高い電流でターンオフしても電流が0Aまで低下しており、絶縁破壊していないことが確認されている。更に本発明のIGBTは、ラッチアップの開始が従来のIGBTより遅れるために、チップ内最大温度が低くなることが確認されている。図10は図9のtにおけるチップ内部の電流密度分布の計算結果を示す。図10(b)に示されるように、従来のIGBTにおいては1つのセルに電流が集中しているのに対し、本発明においてはセル間電流集中が複数の第2領域に発生しているために、第1領域の電流が分散していることが確認されている。以上のように本発明は、第2領域にセル間電流集中を発生させることによってラッチアップによる発熱を軽減し、ターンオフ時の破壊を抑制することができる。
なお、図1に示される構成例においては第2領域にpベース層113bを形成しているが、第2領域には必ずしもpベース層113bを形成しなくても良い。また、図1はnバッファ層116を形成しているが、必ずしも形成しなくても良い。
また、図1は第2領域と第2領域を交互に配置しているが、本発明は図1の配置に限定されるものではない。例えば第1領域または第2領域が1セル内に複数あっても良いし、各領域が部分的に連続で配置されていても良い。また、第1領域と第2領域はトレンチで間を区切られていれば良く、必ずしも隣接する必要は無い。
ところで、本発明に一見、類似するかのように見える構成として、上述の通り、特許文献1及び特許文献2に記載の構成があるが、本発明とは解決すべき課題および作用・効果が全く異なる。また、本発明は上記の2つの構成の単なる組み合わせとは異なる。以下でそれについて詳細に述べる。
図16は特許文献1に記載されている従来構造の断面図の一例を示す。図16は特許文献1から引用しているが、本発明との違いを明確にするため、各部の名称、番号は元文献から変更している。特許文献1はオン電圧を下げるためにnバリア層を形成する構成をベースとし、更に以下に記すような特徴を有する。すなわち閾値電圧のバラツキを抑制するために、nソース111の形成されているチャネル領域直下にキャリア濃度の低いnバリア層114が形成され、チャネル領域直下以外の領域にキャリア濃度の高い第2のnバリア層401が形成されている。図16からも明らかなように、特許文献1は寄生サイリスタの存在する第1領域のみで構成されている。対して本発明は、セル間電流集中によるラッチアップを抑制するために、寄生サイリスタの無い第2領域を形成し、第1領域とトレンチで分離することを特徴としており、特許文献1とは目的と構成が異なる。
更に本発明の一部の実施例において、上記とは別の顕著な違いを見ることができる。特許文献1に示される構造においてはnソース111の下にキャリア濃度の低いnバリア層114が形成され、それ以外の領域にnバリア層114より高濃度の第2のnバリア層401が形成されるのに対し、例えば図6に示されるような本発明の実施例4のIGBTでは第1領域内においてnソース111の下にキャリア濃度の高い第2のnバリア層401が形成され、それ以外の領域に低濃度のnバリア層114が形成されている。すなわち、特許文献1とは真逆の構成になっている。
図17は特許文献2に記載されている従来構造の断面図の一例を示す。図17は特許文献2から引用しているが、本発明との違いを明確にするため、各部の名称、番号は元文献から変更している。特許文献2は短絡時の安全動作領域(Short Circuit Safe Operating Area:以下、SCSOA)およびRBSOAの改善に関するものである。本発明の対象もRBSOAの改善であり、広義な意味での目的は一部同じであるが、それを実現するための構成および原理が異なる。特許文献2はnソース111の形成されるIGBT構造と、形成されないバイポーラ・トランジスタ(BJT)構造から構成される。このような構成により、n+ソース111の密度が減少し、全てがIGBT構造で形成された場合に比べて飽和電流が減少するためにSCSOAを向上することができる。また、特許文献2のRBSOA向上は、トレンチ底部に形成された浅いp層130によってトレンチ酸化物(本発明のゲート絶縁層108に相当)の電界を緩和することで実現される。対して本発明においては、セル間電流集中によるラッチアップを抑制することによってRBSOAの向上が実現されるため、原理が異なる。
更に、特許文献2においてIGBT構造は本発明の第1領域に相当するが、BJT構造は本発明の第2領域とは明確に異なる。その違いは、本発明の第2領域には第1領域のnバリア層114よりキャリア濃度の高いn電界集中層115が形成されるのに対し、特許文献2のBJT構造には第1領域(IGBT構造)と同じnバリア層114が形成されることである。従って、特許文献2と本発明は構成においても異なる。
図18aは、特許文献1に記載されている従来構造と、特許文献2に記載されている従来構造とを仮に組み合わせた場合に想定される構造を示す。図16に示される構造の第1領域間に図17に示されるBJT構造を挿入した構成である。図18aに示される従来の組み合わせ構造と本発明との違いは図18(b)に示されるような、図18(a)におけるBB’断面のキャリア濃度から明らかになる。図6(b)に示される本発明のキャリア濃度分布においては、第2領域のn電界集中層の濃度が第1領域のnバリア層114と第2のnバリア層401より高い。一方、図18(b)に示される従来の組み合わせ構造においてはBJT構造と第1領域に同じ濃度を有する第2のnバリア層114が形成される。BJT構造と第1領域に濃度差がないため、図18aの構成では本発明で実現されるような、第2領域にセル間電流集中を発生させることによるラッチアップの抑制と同等の効果を得ることができない。従って、特許文献1及び特許文献2に記載されている従来構造を互いに組み合わせても本発明には至らない。
図2は実施例2の半導体装置2000の断面の構成の例を示す。既に説明した図1に示された符号と同一の機能を有する部分については説明を省略する。実施例3以降の説明についても同様とする。
実施例2の特徴は1セル内に第1領域、第2領域とは別にフローティング領域を形成していることである。その他の特徴点については、上記実施例1と同様に構成するか、もしくは後述する実施例3以降の各実施例のように変形例として構成することが可能である。例えば、図2に示す構成においては、フローティング領域にはトレンチ105間の全面にpウェル201(第10半導体層)が形成され、pウェル201とエミッタ電極104の間は絶縁層107で分離されているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、後述する図7に示すように、pウェル201(第10半導体層)を有することを特に必須要件としない構成や、その他の変形例が可能である。このようにフローティング領域を形成することによってエミッタ開口部の幅Wの1セル内に占める比率が小さくなり、オン状態で裏面から注入される正孔がエミッタ電極104に抜けにくくなる。それによりトレンチゲートを介したエミッタ電極104からの電子の注入効率を高くすることができ、オン電圧を低減することができる。
上記のオン電圧低減効果を十分に発揮させるためには、エミッタ開口部の幅Wとフローティング領域の幅WはW<Wであることが望ましい。典型的にはW:W=1:2〜1:40である。
実施例2は図3に示される半導体装置2001のように、pウェル201の深さがトレンチ105より深くても良い。このような構成により、トレンチ下部周辺の電界を図2に示される構造より緩和し、ゲート絶縁層108及びダミートレンチ絶縁層110の信頼性を向上する効果がある。
実施例2のpウェル201は、図4に示される半導体装置2002のように、トレンチから離れていてもよい。このような構成により、電力変換装置において対アームに接続したダイオードのリカバリー時に過電圧が低減する効果がある。その原理の詳細は特許文献3に記載されている。
上記の通り、図2〜4のいずれの実施態様も、第1領域とフローティング領域とが互いに隣接して形成された構成となっている。
なお、本発明においては便宜上フローティング領域と呼称しているが、pウェル201は図2〜4の紙面奥行き方向の一部において、エミッタ電極と抵抗を介して電気的に接続されていても良い。
図5は実施例3の半導体装置3000の断面の構成の例を示す。実施例3の特徴は、第1領域の両脇に第2領域を形成し、更にその両脇にフローティング領域を形成していることである。すなわち、実施例2においては第2領域の両脇に第1領域が形成されていたのに対し、実施例3は第1領域と第2領域を入れ替えた配置になっている。つまり、第2領域とフローティング領域とが互いに隣接して形成された構成となっている。このような配置により、電流集中しやすい第2領域の1セル当たりの数を増やすことができ、大電流のターンオフ時に発生する電流集中を実施例2に比べて分散させる効果が見込める。それにより電流集中による局所的な温度上昇が軽減し、より高い電流でも破壊することなくターンオフすることができる。
図6は実施例4の半導体装置4000の断面の構成の例を示す。実施例4は上記実施例3の変形例であり、やはり、第2領域とフローティング領域とが互いに隣接して形成された構成となっている。実施例4の特徴は、第1領域においてnバリア層114と、第2領域側のトレンチ105との間に、キャリア濃度がnバリア層114より高く、n電界集中層115より低い第2のnバリア層401(第11半導体層)が形成されていることである。このような構成により、第2のnバリア層401のキャリア濃度が第1のnバリア層114より高いために、第1領域のトレンチゲートからの電子の注入効率を高め、オン電圧を低減することができる。また、第2のnバリア層401のキャリア濃度がn電界集中層より低いため、第2領域の電界強度が第1領域より高いという関係は維持され、第1領域への電流集中を抑制することができる。
図7は実施例5の半導体装置5000の断面の構成の例を示す。実施例5は上記実施例2〜4の変形例であり、その特徴は、上記実施例2〜4のフローティング領域に形成した幅広トレンチ501の内側にサイドウォールゲート502とフィールドプレート503が形成されていることである。その他の特徴点については、上記実施例1〜4と同様に構成することが可能である。例えば、図7においては、特に第2領域とフローティング領域とが互いに隣接して形成された構成を示しているが、本実施例はこの構成に限定されるものではなく、例えば、上記実施例2のように、第1領域とフローティング領域とが互いに隣接して形成された構成(図示せず)をも含む。以下は上記実施例2〜4のいずれの態様の変形例であるかに関わらず共通に成り立つ事項である。すなわち、サイドウォールゲート502とフィールドプレート503は、通常はポリシリコンで形成される。サイドウォールゲート502と幅広トレンチ501の側壁及び下面の間にサイドウォールゲート絶縁層504が形成されている。サイドウォールゲート502とフィールドプレート503の間に、サイドウォールゲート絶縁層504より厚く、且つゲート絶縁層108より厚い第1層間絶縁層505が形成されている。フィールドプレート503とn基板103の間には第2層間絶縁層506が形成されている。後述のように、サイドウォールゲート絶縁層504、ゲート絶縁層108は、通常、同じ製造プロセスで形成されるため、両者はほぼ同じ厚みで形成される。このようにサイドウォールゲートの片側が厚い絶縁層で覆われているため、通常のトレンチゲートで形成した場合に比べて帰還容量が低減し、高速化により損失が低減する効果がある。
更に、フィールドプレート503がサイドウォールゲート下部周辺の電界を緩和するため、サイドウォールゲート絶縁層504の信頼性を向上する効果がある。更に、ターンオン時のdV/dtの制御性を向上する効果がある。なお、その原理の詳細は特許文献4に記載されている。
実施例5は図7に示されるように、エミッタ電極104とpコンタクト層112a、112bの接触面の一部にコンタクト溝507が形成されていてもよい。
実施例5のサイドウォールゲート502、またはフィールドプレート503は、電気的にエミッタ電極と接続されていてもよいし、ゲート電極と接続されていてもよい。あるいはゲート電極、エミッタ電極とは異なる電位に接続されていてもよい。
図8a〜図8iは実施例5の製造工程の一例を示す。実施例5のIGBTは図8(a)に示される様に、シリコンのn基板103が用いられる。図8(b)においてホトレジストがパターニングされ、エッチングによりトレンチ105と幅広トレンチ501が同時に形成される。図8(c)において熱処理により50〜100nm程度の熱酸化膜が形成される。図8(d)においてポリシリコンが堆積される。その後、ホトレジストのパターニングとエッチング工程によりポリシリコンが分割され、図8(e)に示されるようなゲート電極106、サイドウォールゲート502、フィールドプレート503が形成される。図8(f)において一般的なホトリソ工程、イオン注入、およびアニールによる不純物の活性化工程を複数回繰り返すことにより、nソース111、pベース層113a、113b、nバリア層114、第2のnバリア層401、n電界集中層115が形成される。図8(g)において酸化膜の堆積によって絶縁層107、第1層間絶縁層505が形成される。図8(h)においてホトリソ工程の後、酸化膜とシリコンのエッチングによりコンタクト溝507が形成される。更にその後、イオン注入とアニールによりpコンタクト層112a、112bが形成される。図8(i)においてエミッタ電極104が堆積され、エミッタ電極とは反対側のn基板表面にnバッファ層116とpコレクタ層102がイオン注入とアニールによって形成され、コレクタ電極101が堆積され、IGBTが完成する。
実施例5は図8(b)に示されるように、トレンチ105と幅広トレンチ501を同時に形成することによって、特許文献4に示される従来構造から工程数を大幅に増加させることなく製作することができる。
図11は上述した各実施例で説明したIGBTを採用した電力変換装置を示す回路図の例である。601はゲート駆動回路、602はIGBT、603はダイオード、604,605は入力端子、606から608は出力端子であり、実施例1から5で説明したIGBTを適用して電力変換装置を構成している。
上述した各実施例で説明したIGBTを電力変換装置に適用することで、電力変換装置の出力電流の増加により性能を向上することができる。あるいはIGBTの広いRBSOAによってターンオフ時の破壊に対する十分なマージンが確保できるため、高信頼化を実現することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、上述した電極材料は一例であり、必ずしもこれに限定されるものではない。また、上述した各実施例では、第1導電型をp型とし、第2導電型をn型としたが、本発明は、第1導電型をn型とし、第2導電型をp型としても同様に成り立つ。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1000 実施例1の半導体装置
101 コレクタ電極
102 pコレクタ層(第1半導体層)
103 n基板(半導体基板)
104 エミッタ電極
105 トレンチ
106 ゲート電極
107 絶縁層
108 ゲート絶縁層
109 ダミートレンチ電極
110 ダミートレンチ絶縁層
111 nソース(第2半導体層)
112a 第1領域のpコンタクト層(第3半導体層)
112b 第2領域のpコンタクト層(第6半導体層)
113a 第1領域のpベース層(第4半導体層)
113b 第2領域のpベース層(第8半導体層)
114 nバリア層(第5半導体層)
115 n電界集中層(第7半導体層)
116 nバッファ層(第9半導体層)
2000 実施例2の半導体装置
201 pウェル201(第10半導体層)
2001 実施例2の変形例1の半導体装置
2002 実施例2の変形例2の半導体装置
3000 実施例3の半導体装置
4000 実施例4の半導体装置
401 第2のnバリア層(第11半導体層)
5000 実施例5の半導体装置
501 幅広トレンチ
502 サイドウォールゲート
503 フィールドプレート
504 サイドウォールゲート絶縁層
505 第1層間絶縁層
506 第2層間絶縁層
507 コンタクト溝
6000 実施例6の電力変換装置
601 ゲート駆動回路
602 IGBT
603 ダイオード
604、605 入力端子
606、607、608 出力端子

Claims (11)

  1. コレクタ電極と、
    前記コレクタ電極の表面に形成された第1導電型の第1半導体層と、
    前記第1半導体層の前記コレクタ電極が形成された側とは反対側に形成された第2導電型の半導体基板と、
    前記半導体基板の前記第1半導体層が形成された側とは反対側に形成されたエミッタ電極と、
    前記エミッタ電極と前記半導体基板との間に形成された複数のトレンチと、
    前記複数のトレンチのうちの少なくとも1つの内側に形成されたゲート電極と、
    前記ゲート電極と前記エミッタ電極との間に形成された絶縁層と、
    前記ゲート電極が形成されたトレンチと前記ゲート電極との間に形成されたゲート絶縁層と、
    第1領域と、
    第2領域と
    を有する絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを複数セル備えて構成される半導体装置であって、
    前記第1領域は、
    前記ゲート絶縁層に接して形成され、かつ、前記半導体基板より不純物濃度の高い第2導電型の第2半導体層と、
    前記エミッタ電極の前記半導体基板側の表面に接して形成され、かつ、前記第1半導体層より不純物濃度の高い第1導電型の第3半導体層と、
    前記ゲート電極に接し、かつ、前記第2半導体層の前記半導体基板側に形成され、かつ、前記第3半導体層より不純物濃度の低い第1導電型の第4半導体層と、
    前記第4半導体層の前記半導体基板側に形成され、かつ、不純物濃度が前記半導体基板と同じかそれより高く前記第2半導体層より低い第2導電型の第5半導体層と
    を有し、
    前記第2領域は、
    前記エミッタ電極の前記半導体基板側の表面に接して形成され、かつ、前記第1半導体層より不純物濃度の高い第1導電型の第6半導体層と、
    前記第6半導体層の前記半導体基板側に形成され、かつ、不純物濃度が前記第5半導体層より高く前記第2半導体層より低い第2導電型の第7半導体層と
    を有し、
    前記第1領域と前記第2領域との間に、前記複数のトレンチのうちのいずれか1つを有する
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記第6半導体層と前記第7半導体層との間に形成され、かつ、不純物濃度が前記第1半導体層より高く前記第6半導体層より低い、第1導電型の第8半導体層を更に有する
    ことを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項2に記載の半導体装置において、
    前記第1半導体層と前記半導体基板との間に形成され、かつ、不純物濃度が前記半導体基板と同じかそれより高く前記第2半導体層より低い、第2導電型の第9半導体層を更に有することを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項3に記載の半導体装置において、
    前記複数セルを構成する1つのセル内において、該セルに隣接する他のセルとの間に、前記エミッタ電極とは前記絶縁層を介して互いに分離されているフローティング領域を更に有する
    ことを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項4に記載の半導体装置において、
    前記フローティング領域の少なくとも一部に第1導電型の第10半導体層が形成される
    ことを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項5に記載の半導体装置において、
    前記第1領域と前記フローティング領域とが互いに隣接して形成される
    ことを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項5に記載の半導体装置において、
    前記第2領域と前記フローティング領域とが互いに隣接して形成される
    ことを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項7に記載の半導体装置において、
    前記第1領域において、前記第5半導体層と前記第2領域側の前記トレンチとの間に、キャリア濃度が前記第5半導体層より高く、前記第7半導体層より低い第2導電型の第11半導体層が形成されている
    ことを特徴とする半導体装置。
  9. 請求項4に記載の半導体装置において、
    前記フローティング領域に幅広トレンチが形成され、
    前記幅広トレンチの内側にサイドウォールゲート電極とフィールドプレートが形成され、
    前記サイドウォールゲート電極と前記半導体基板はサイドウォールゲート絶縁層で分離され、
    前記サイドウォールゲート電極と前記フィールドプレートは前記サイドウォールゲート絶縁層より厚い第1層間絶縁層で分離され、
    前記フィールドプレートと前記半導体基板は第2層間絶縁層で分離されている
    ことを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項9に記載の半導体装置において、
    前記サイドウォールゲート電極がエミッタ電極と同電位に接続されている
    ことを特徴とする半導体装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の半導体装置を備えた電力変換装置。
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