JP2016184652A - 光電変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光電変換を行なう光吸収層への光の入射効率を高め、光電変換装置の光電変換効率を向上させる。【解決手段】 光電変換装置10は、基板1と、基板1上に位置する第1導電型の第1の半導体層2と、第1の半導体層2の上面の一部である第1領域を被覆する第1の電極層3と、第1の半導体層2の上面の第1領域とは異なる第2領域を被覆する、第1導電型とは異なる第2導電型の第2の半導体層4と、第2の半導体層4上に位置する第2の電極層5とを具備する。【選択図】 図1
Description
本発明は、薄膜の半導体層を具備する光電変換装置に関する。
太陽光発電等に使用される光電変換装置として、カルコパイライト系化合物から成る半導体層を光吸収層として用いたものがある(例えば特許文献1参照)。このような光電変換装置は、ガラス等の基板の上に、金属電極等の下部電極と、CIGSなどの金属カルコゲナイドを含む光吸収層と、この光吸収層にヘテロ接合した、硫化インジウムを含むバッファ層と、透明導電膜等の上部電極とが、この順に積層されて構成されている。
そして、上部電極側から入射した光が光吸収層で光電変換されることによって電力が得られる。
光電変換装置には、光電変換効率の向上が常に要求される。光電変換装置の光電変換効率を高めるためには、光電変換を行なう光吸収層への光の入射効率を高めることが有効である。本発明の一つの目的は、光電変換を行なう光吸収層への光の入射効率を高め、光電変換装置の光電変換効率を向上させることにある。
本発明の一態様に係る光電変換装置は、基板と、該基板上に位置する第1導電型の第1の半導体層と、該第1の半導体層の上面の一部である第1領域を被覆する第1の電極層と、前記第1の半導体層の上面の前記第1領域とは異なる第2領域を被覆する、前記第1導電型とは異なる第2導電型の第2の半導体層と、該第2の半導体層上に位置する第2の電極層とを具備する。
本発明によれば、光電変換を行なう第1の半導体層への光の入射効率を高め、光電変換装置の光電変換効率を向上させることができる。
以下に本発明について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<第1実施形態の光電変換装置>
図1は、本発明の第1実施形態に係る光電変換装置を示す断面図である。なお、図1においては図示の都合上、1つの第1の電極層3、1つの第2の半導体層4および第2の電極層5が設けられている例を示しているが、実際の光電変換装置10においては、図面左
右方向に複数の第1の電極層3、複数の第2の半導体層4および第2の電極層5が配設されていてもよい。
図1は、本発明の第1実施形態に係る光電変換装置を示す断面図である。なお、図1においては図示の都合上、1つの第1の電極層3、1つの第2の半導体層4および第2の電極層5が設けられている例を示しているが、実際の光電変換装置10においては、図面左
右方向に複数の第1の電極層3、複数の第2の半導体層4および第2の電極層5が配設されていてもよい。
基板1は、第1の半導体層2を支持するためのものであり、第1の半導体層2が光電変換可能な波長の光を透過可能な透光性を有している。基板1に用いられる材料としてはガラス等の透光性部材が用いられ、例えば、厚さ1〜3mm程度の青板ガラス(ソーダライムガラス)が挙げられる。
第1の半導体層2は基板1の主面上に位置している半導体層である。第1の半導体層2は、光を吸収してキャリア(電子および正孔)を発生させる機能を有する、いわゆる光吸収層である。第1の半導体層2は、例えば1μm〜3μm程度の厚みであり、第1導電型(ここではp型の例を示す)を有している。第1の半導体層2としては、II−VI族化合物、I−III−VI族化合物およびI−II−IV−VI族化合物等の化合物半導体等が挙げられる。
II−VI族化合物とは、12族元素(II−B族元素ともいう)と16族元素(VI−B族元素ともいう)との化合物半導体である。II−VI族化合物としては、例えば、CdTe等が挙げられる。
I−III−VI族化合物とは、11族元素(I−B族元素ともいう)と13族元素(III−B族元素ともいう)と16族元素との化合物である。I−III−VI族化合物としては、例
えば、CuInSe2(二セレン化銅インジウム、CISともいう)、Cu(In,Ga)Se2(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)2(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)が挙げられる。あるいは、光吸収層3は、薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等の多元化合物半導体薄膜にて構成されていてもよい。
えば、CuInSe2(二セレン化銅インジウム、CISともいう)、Cu(In,Ga)Se2(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)2(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)が挙げられる。あるいは、光吸収層3は、薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等の多元化合物半導体薄膜にて構成されていてもよい。
I−II−IV−VI族化合物とは、11族元素と12族元素と14族元素(IV−B族元素ともいう)と16族元素との化合物である。I−II−IV−VI族化合物としては、例えば、Cu2ZnSnS4(CZTSともいう)、Cu2ZnSn(S,Se)4(CZTSSeともいう)、およびCu2ZnSnSe4(CZTSeともいう)が挙げられる。
第1の半導体層2は、スパッタリング法、蒸着法などのいわゆる真空プロセスによって形成可能であるほか、いわゆる塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによって形成することもできる。塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスは、第1の半導体層2の構成元素の錯体溶液を基板1の上に塗布し、その後、乾燥・熱処理を行うプロセスである。
第1の電極層3は、第1の半導体層2の上面の一部である第1領域を被覆している。第1の電極層3は、第1の半導体層2でキャリア分離した一方のキャリア(ここでは正孔)を取り出す電極である。
第1の電極層3の平面視形状は、円形状や多角形状等の島状体であってもよく、直線や曲線等の線状体であってもよい。島状体の幅あるいは線状体の短手方向の幅は、例えば、50〜400μmである。
第1の電極層3としては、例えば、金(Au)や銀(Ag)、銅(Cu)等の金属、あるいはZnOやIn2O3、SnO2等の半導体が用いられる。第1の電極層3として上記半導体が用いられる場合、電気抵抗率を低くするために、Al、B、Ga、In、SnおよびF等のうちの何れかの元素が含まれても良い。このような元素が含まれた半導体の
具体例としては、例えば、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、BZO(Boron Zinc Oxide
)、GZO(Gallium Zinc Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine tin Oxide)等がある。
具体例としては、例えば、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、BZO(Boron Zinc Oxide
)、GZO(Gallium Zinc Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine tin Oxide)等がある。
第1の電極層3は、例えば、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、MOCVD法、ALD法、めっき法等の各種薄膜形成方法や、スクリーン印刷法、スプレー塗布法、インクジェット塗布法等の導電ペーストを用いた塗布法で形成され得る。また、第1の電極層3は、複数の導電層が積層されたものであってもよい。
第2の半導体層4は、第1の半導体層2の上面の上記第1領域とは異なる第2領域を被覆している。第2の半導体層4は、上記第1導電型とは異なる第2導電型(ここではn型の例を示す)の半導体層であり、第1の半導体層2と第2の半導体層4とでpn接合を形成している。なお、第2の半導体層4は、複数の積層体であってもよく、第1の半導体層2との界面に高電気抵抗率を有する層を含んでいてもよい。
第2の半導体層4の平面視形状は、円形状や多角形状等の島状体であってもよく、直線や曲線等の線状体であってもよい。島状体の幅あるいは線状体の短手方向の幅は、例えば、50〜400μmである。第2の半導体層4は、第1の電極層3と離間しており、その間隔は、例えば、50〜400μmである。
第2の半導体層4としては、CdS、ZnS、In2S3、ZnSe、ZnO等の化合物半導体やシリコン(Si)等の半導体が用いられる。これらの半導体には、不純物元素がドーピングされていてもよい。
第2の半導体層4は、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、MOCVD法、ALD法、めっき法、スクリーン印刷法、塗布法、スプレー塗布法、インクジェット塗布法、ゾルゲル法、または、溶液析出法(CBD法)等で作製され得る。
第2の電極層5は、第2の半導体層4の上面を被覆している。第2の電極層5は、第2の半導体層4からキャリア(ここでは電子)を取り出す電極である。
第2の電極層5としては、例えば、金(Au)や銀(Ag)、銅(Cu)等の金属、あるいはZnOやIn2O3、SnO2等の半導体が用いられる。第2の電極層5として上記半導体が用いられる場合、電気抵抗率を低くするために、Al、B、Ga、In、SnおよびF等のうちの何れかの元素が含まれても良い。
第2の電極層5は、例えば、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、MOCVD法、ALD法、めっき法等の各種薄膜形成方法や、スクリーン印刷法、スプレー塗布法、インクジェット塗布法等の導電ペーストを用いた塗布法で形成され得る。また、第2の電極層5は、複数の導電層が積層されたものであってもよい。
以上のように、第1実施形態に係る光電変換装置10は、第1の電極層3、第2の半導体層4および第2の電極層5が第1の半導体層2の一方主面側に設けられている。このような構成によって、基板1側から光電変換を行なう第1の半導体層2への光の入射効率を高めることができる。その結果、光電変換装置の光電変換効率を向上させることができる。つまり、従来の特許文献1のような構成では、第1の半導体層上に第2の半導体層および透明導電膜から成る上部電極層が設けられており、これら第2の半導体層や上部電極層で光が吸収されたり、反射されたりし、第1の半導体層へ到達する光の入射効率は低かった。これに対し、上記第1実施形態に係る光電変換装置10では、第2の半導体層4や第1の電極層3および第2の電極層5をすべて光が入射される側とは反対側に設けることができ、第1の半導体層2への光の入射効率が高くなる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。以下に種々の変形例を示す。
<第2実施形態の光電変換装置>
図2は、第2実施形態の光電変換層20の断面図である。第2実施形態の光電変換装置20において、第1実施形態の光電変換装置10と同じ構成のものには同じ符号を付しており、詳細な説明は省略する。
図2は、第2実施形態の光電変換層20の断面図である。第2実施形態の光電変換装置20において、第1実施形態の光電変換装置10と同じ構成のものには同じ符号を付しており、詳細な説明は省略する。
第2実施形態の光電変換装置20は、基板1と第1の半導体層2との界面に第1の絶縁層6が介在している。このような構成によって、第1の絶縁層6がパッシベーション膜として機能し、バンドベンディングによる電界効果を生じさせることによって第1の半導体層2の表面でのキャリアの再結合を低減できる。また、第1の絶縁層6が基板1と第1の半導体層2との接着性を高めることができる。その結果、光電変換装置20の光電変換効率をさらに向上させることができる。
第1の絶縁層6は電気抵抗率が1Ω・m以上のものが用いられ得る。このような第1の絶縁層6としては、Al2O3、SiO2、ZrO2、MgOおよびTiO2の等の金属酸化物またはポリイミド樹脂等の耐熱性樹脂が挙げられる。また、第1の絶縁層6の厚みは15〜200nm程度であればよい。
第1の絶縁層6は、蒸着法、スパッタリング法、ゾルゲル法、スクリーン印刷法、塗布法、めっき法、スプレー塗布法、インクジェット塗布法等の成膜方法を用いて作製することができる。また、必要に応じて、フォトリソグラフィー法、リフトオフ法、ディスペンサーを用いた塗布法、レーザスクライブ等のパターン形成法を組み合わせることによって、第1の絶縁層6を所望のパターン形状にしてもよい。
<第3実施形態の光電変換装置>
図3は、第3実施形態の光電変換層30の断面図である。第3実施形態の光電変換装置30において、第1実施形態の光電変換装置10および第2実施形態の光電変換装置20と同じ構成のものには同じ符号を付しており、詳細な説明は省略する。
図3は、第3実施形態の光電変換層30の断面図である。第3実施形態の光電変換装置30において、第1実施形態の光電変換装置10および第2実施形態の光電変換装置20と同じ構成のものには同じ符号を付しており、詳細な説明は省略する。
第3実施形態の光電変換装置30は、第1の半導体層2と第1の電極層3との界面の一部および第1の半導体層2と第2の半導体層4との界面の一部に第2の絶縁層7が介在している。このような構成によって、第2の絶縁層7がパッシベーション膜として機能し、バンドベンディングによる電界効果を生じさせることによって第1の半導体層2の表面でのキャリアの再結合を低減できる。その結果、光電変換装置20の光電変換効率をさらに向上させることができる。
第2の絶縁層7は電気抵抗率が1Ω・m以上のものが用いられ得る。このような第2の絶縁層7としては、Al2O3、SiO2、ZrO2、MgOおよびTiO2の等の金属酸化物またはポリイミド樹脂等の耐熱性樹脂が挙げられる。また、第2の絶縁層7の厚みは15〜200nm程度であればよい。
第2の絶縁層7は、蒸着法、スパッタリング法、ゾルゲル法、スクリーン印刷法、塗布法、めっき法、スプレー塗布法、インクジェット塗布法等の成膜方法を用いて作製することができる。また、必要に応じて、フォトリソグラフィー法、リフトオフ法、ディスペンサーを用いた塗布法、レーザスクライブ等のパターン形成法を組み合わせることによって、第2の絶縁層7を所望のパターン形状にしてもよい。
第2の絶縁層7によるパッシベーション機能とキャリアの取り出しとを良好に行なって光電変換効率をさらに高めるという観点からは、第1の半導体層2と第1の電極層3との界面における第2の絶縁層7の占有面積率は、10〜90%、好ましくは50〜90%であってもよい。同様に、第2の絶縁層7によるパッシベーション機能とキャリアの取り出しとを良好に行なって光電変換効率をさらに高めるという観点からは、第1の半導体層2と第2の半導体層4との界面における第2の絶縁層7の占有面積率は、10〜90%、好ましくは50〜90%であってもよい。
1:基板
2:第1の半導体層
3:第1の電極層
4:第2の半導体層
5:第2の電極層
6:第1の絶縁層
7:第2の絶縁層
10、20、30:光電変換装置
2:第1の半導体層
3:第1の電極層
4:第2の半導体層
5:第2の電極層
6:第1の絶縁層
7:第2の絶縁層
10、20、30:光電変換装置
Claims (6)
- 基板と、
該基板上に位置する第1導電型の第1の半導体層と、
該第1の半導体層の上面の一部である第1領域を被覆する第1の電極層と、
前記第1の半導体層の上面の前記第1領域とは異なる第2領域を被覆する、前記第1導電型とは異なる第2導電型の第2の半導体層と、
該第2の半導体層上に位置する第2の電極層と
を具備する光電変換装置。 - 前記基板と前記第1の半導体層との界面に第1の絶縁層が介在している、請求項1に記載の光電変換装置。
- 前記第1の絶縁層の電気抵抗率が1Ω・m以上である、請求項2に記載の光電変換装置。
- 前記第1の半導体層と前記第1の電極層との界面の一部および前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との界面の一部に第2の絶縁層が介在している、請求項1乃至3のいずれかに記載の光電変換装置。
- 前記第2の絶縁層の電気抵抗率が1Ω・m以上である、請求項4に記載の光電変換装置。
- 前記第1の半導体層は、I−III−VI族化合物またはI−II−IV−VI族化合物を主とし
て含む、請求項1乃至5のいずれかに記載の光電変換装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015063893A JP2016184652A (ja) | 2015-03-26 | 2015-03-26 | 光電変換装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015063893A JP2016184652A (ja) | 2015-03-26 | 2015-03-26 | 光電変換装置 |
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JP2015063893A Pending JP2016184652A (ja) | 2015-03-26 | 2015-03-26 | 光電変換装置 |
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JP (1) | JP2016184652A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20210343839A1 (en) * | 2020-04-30 | 2021-11-04 | Innoscience (Suzhou) Technology Co., Ltd. | Semiconductor device and method for manufacturing the same |
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2015
- 2015-03-26 JP JP2015063893A patent/JP2016184652A/ja active Pending
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US20210343839A1 (en) * | 2020-04-30 | 2021-11-04 | Innoscience (Suzhou) Technology Co., Ltd. | Semiconductor device and method for manufacturing the same |
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