JP2016183756A - ワンウェイクラッチ - Google Patents
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Abstract
Description
上記したアイドルストップシステムでは、アイドルストップしてからエンジンが再始動するまでの間、ACGスタータを例えば圧縮行程終了後の位置まで逆回転させる所謂スイングバック制御を行うことで、エンジン再始動時にクランクシャフトが次の圧縮上死点にいたるまでにクランクシャフトを十分加速させ、再始動時に圧縮上死点を乗り越え易くしている。
ところで、特許文献2のようなパワーユニットを備えた鞍乗り型車両にも、特許文献1のようなACGスタータを用いたアイドルストップ制御を実施したい要望がある。しかしながら、クランクシャフトとプライマリドライブギヤとの間にエンジンブレーキ用のワンウェイクラッチを設けたパワーユニットの場合、クランクシャフト上にACGスタータを設けてスイングバックをすると、このスイングバックによってクランクシャフトが逆回転する際、プライマリドライブギヤがクランクシャフトに先んじて回転しようとする状況となる。このため、ワンウェイクラッチが係合し、プライマリドライブギヤにトルクが伝達されて車両が僅かに後退してしまう。
第一の軸部材(21f)に接続されるとともに外周面(52d)にカム面(52e)が形成される内輪(52,52’)と、
第二の軸部材(9d)に接続されるとともに前記内輪(52,52’)の径方向外側に配置される外輪(51)と、
前記内輪(52,52’)が形成する前記カム面(52e)と前記外輪(51)の内周面(51a)との間に配置される移動体(54)と、を備え、
前記移動体(54)は、前記カム面(52e)上でクラッチ径方向内側の収容位置(A1)にあるとき、前記外輪(51)の前記内周面(51a)との間に隙間(S1)を形成可能となり、前記カム面(52e)上でクラッチ径方向外側の係合位置(A2)にあるとき、前記外輪(51)の内周面(51a)と前記カム面(52e)とに係合可能となり、
前記カム面(52e)は、前記内輪(52,52’)が前記移動体(54)に対してクラッチ周方向の一方向に相対回動したときのみに、前記移動体(54)を前記係合位置(A2)に移動させるように傾斜し、
前記移動体(54)が前記係合位置(A2)にあるとき、前記内輪(52,52’)の前記一方向の回動の駆動力が前記外輪(51)に伝達可能となるワンウェイクラッチ(50,60,70)において、
前記移動体(54)は、クラッチ周方向に並ぶ複数の分割体(53)で構成され、
前記移動体(54)は、付勢部材(56)により前記内輪(52,52’)側に付勢され、
前記複数の分割体(53)の各々には、前記カム面(52e)と対向する分割側カム面(53b1)が構成されるとともに、前記外輪(51)の前記内周面(51a)と対向する係合面(53c)が前記分割側カム面(53b1)とは別に構成され、
前記係合面(53c)は、前記各分割体(53)のクラッチ径方向の幅よりもクラッチ周方向に長く形成され、
前記内輪(52,52’)が前記移動体(54)に対して前記一方向に相対回動すると、前記移動体(54)が前記カム面(52e)の傾斜に沿って前記係合位置(A2)に移動し、前記係合面(53c)と前記外輪(51)の前記内周面(51a)とを係合させることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、
前記移動体(54)をクラッチ周方向に付勢して前記移動体(54)を前記収容位置(A1)に戻すリターンスプリング(55)を備え、
前記リターンスプリング(55)は、前記内輪(52,52’)と前記移動体(54)との間に形成されるスプリングポケット(57)に収容されることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、
前記内輪(52,52’)の外周面(52d)にはクラッチ周方向と交差する段差部(52f)が形成され、
前記移動体(54)の前記内輪(52,52’)と対向する面(53e)には前記段差部(52f)と対向する係合段差部(53b)が形成され、
前記移動体(54)が前記収容位置(A1)にあるとき、前記段差部(52f)に前記係合段差部(53b)が当接することで、クラッチ周方向で前記移動体(54)の前記係合位置(A2)と反対側への移動が規制されることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、
前記各分割体(53)の隣接するもの同士の間にローラ(61)が配置され、
前記内輪(52’)の前記ローラ(61)と対向する面には第二カム面(52h)が構成され、
前記ローラ(61)は、前記第二カム面(52h)上でクラッチ径方向内側の収容位置(B1)にあるとき、前記外輪(51)の前記内周面(51a)との間に隙間(S2)を形成可能となり、前記第二カム面(52h)のクラッチ径方向外側の係合位置(B2)にあるとき、前記外輪(51)の前記内周面(51a)と前記第二カム面(52h)とに係合可能となり、
前記第二カム面(52h)は、前記内輪(52’)が前記移動体(54)に対して前記一方向に相対回動したときにのみに、前記ローラ(61)を前記係合位置(B2)に移動させるように傾斜し、
前記移動体(54)には、前記ローラ(61)と当接する当接面(53h)が構成され、
前記移動体(54)が前記係合位置(A2)に移動する際に、前記当接面(53h)が前記ローラ(61)に当接し、前記ローラ(61)を前記係合位置(B2)に移動させることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、
前記移動体(54)と前記ローラ(61)とを前記内輪(52’)の前記外周面(52d)上に配置した状態で、前記移動体(54)と前記ローラ(61)とがクラッチ周方向で連続するように配置されることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、
前記移動体(54)には、前記係合位置(A2)に移動する側に突起部(53i)が設けられ、
前記突起部(53i)の先端部には、隣接する前記移動体(54)に当接する当接部(53j)が構成されることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、
前記移動体(54)の側面部からクラッチ軸方向に延びるガイドピン(53m)と、
前記内輪(52,52’)に支持されて前記外輪(51)近傍まで延びるリング状部材(71)と、を備え、
前記リング状部材(71)にはガイド孔(71a)が構成され、前記ガイド孔(71a)に前記ガイドピン(53m)が挿通されて、前記移動体(54)の移動規制がなされることを特徴とする。
請求項2に記載した発明によれば、リターンスプリングを設けることで、内輪側から駆動力がかけられて移動体に対して内輪が回動する際の作動トルクを設定することができる。また、ワンウェイ作動後に内輪と移動体とを初期位置に戻ることができる。
請求項3に記載した発明によれば、クラッチ周方向と交差する段差部(52f)及び係合段差部(53b)を内輪(52,52’)及び移動体(54)にそれぞれ設けることで、移動体がクラッチ周方向において係合位置以外の位置へ移動することを規制し、移動体が安定して収容位置で保持されるため、移動体を係合位置へスムーズに移動させることができる。
請求項4に記載した発明によれば、移動体が係合位置に移動することで、ローラも係合位置に移動するため、係合状態をより強固にすることができる。
請求項5に記載した発明によれば、移動体とローラとをクラッチ周方向で連続するように配置することで、複数の移動体の一つがクラッチ周方向に移動した際に、隣接するローラと当接して移動させ、さらにローラは隣接する移動体と当接し移動させることができる。これにより、連続的に移動体及びローラを移動させ、全ての移動体を速やかに係合可能状態にすることができる。
請求項6に記載した発明によれば、各分割体の突起部により、複数の移動体の一つがクラッチ周方向に移動した際に、隣接する分割体と当接して移動させることができる。これにより、移動体を連続的に移動させ、全て移動体を速やかに係合可能な状態にすることができる。
請求項7に記載した発明によれば、移動体の側面部のガイドピンと内輪に支持されたリング状部材とによる簡単な構成で各分割体を移動規制し、ワンウェイ作動状態への移行及びその解除をスムーズに行うことができる。
図1に示す自動二輪車(小型車両)101において、その車体フレーム102は複数種の鋼材を溶接等により一体に結合してなる。車体フレーム102は、前輪懸架系を操向可能に支持するヘッドパイプ103から下後方へ単一のメインチューブ108を延ばし、ヘッドパイプ103と乗員着座用のシート109との間を低部として跨り易さを向上させた所謂バックボーン型とされる。メインチューブ108の後端部の下方にはピボットブラケット110が延び、ピボットブラケット110には後輪懸架系のスイングアーム112の前端部が上下揺動可能に支持される。メインチューブ108の後端部の上後方にはシートフレーム113が延び、シートフレーム113上にシート109が配置されると共に、シートフレーム113とスイングアーム112との間には後輪懸架系のリアクッション114が配置される。図中符号104は前輪、符号105はフロントフォーク、符号106はステアリングステム、符号107は操向ハンドル、符号111は後輪をそれぞれ示す。
図2を併せて参照し、エンジン1は、クランクシャフト9の回転中心軸線(クランク軸線)C1を左右方向に沿わせた空冷単気筒エンジンであり、クランクケース2の前端部から前方に向けてシリンダ3を略水平に(詳細にはやや前上がりに)突出させる。
クランクシャフト9は、クランクピン9aを支持する左右クランクウェブ9bと、左右クランクウェブ9bから左右外側に突出する左右ジャーナル部9cと、左右ジャーナル部9cからさらに左右外側に延びる左右延長軸(第二の軸部材)9dと、を有する。
図中符号15はシリンダ3の左側部内に設けられるカムチェーン室、符号17はシリンダヘッド3bに取り付けられる点火プラグ、符号18はシリンダヘッド3bの上側(吸気側)に接続されるスロットルボディ、符号19はシリンダヘッド3bの下側(排気側)に接続される排気管をそれぞれ示す。
遠心クラッチ21は、右方に開放する有底円筒状をなしてクランクシャフト9の右端部に相対回転可能に支持されるクラッチアウター21aと、クラッチアウター21aの内周側でクランクシャフト9の右端部に一体回転可能に支持されるクラッチインナー21bと、クラッチアウター21aの内周側でクラッチインナー21bに拡開作動可能に支持される複数の遠心ウェイト21cと、を有する。図中符号26はクラッチインナー21bの右側に形成される遠心分離式のオイルフィルタを示す。
遠心ウェイト21cは、クランクシャフト9の回転数(回転速度)の上昇に伴い拡開作動し、所定回転数以上でクラッチアウター21aの内周面に摩擦係合して、遠心クラッチ21を動力伝達可能な接続状態とする。
多板クラッチ22は変速用クラッチであり、右方に開放する有底円筒状をなしてメインシャフト5の右端部に相対回転可能に支持されるクラッチアウター22aと、クラッチアウター22aの内周側に配置されてメインシャフト5の右端部に一体回転可能に支持されるクラッチインナー22bと、クラッチアウター22a及びクラッチインナー22b間で軸方向に積層される複数のクラッチ板22cと、を有する。クラッチアウター22aの底壁左側には、プライマリドリブンギヤ20bが一体回転可能に支持される。
ACGスタータ27は、三相交流式の発電電動機であり、エンジン1を始動するスタータモーターとして機能すると共に、エンジン1の運転に伴い発電する交流発電機としても機能する。ACGスタータ27の作動は、図3に示すECU(Electronic Control Unit)200により制御される。
ステージ判定部204は、ローター角度センサー28の出力信号に基づいて、クランクシャフト9の一回転をステージ#0〜#35の36ステージに分割し、ローター角度センサー28が点火パルサーとして発生するパルス信号の検知タイミングを基準ステージ(ステージ#0)として現在のステージを判定する。
ステージ通過時間検知部205は、ステージ判定部204が新たなステージを判定してから次のステージを判定するまでの時間に基づいて、当該ステージの通過時間Δtnを検知する。
デューティー比設定部207は、ステージ判定部204による判定結果に基づいて、モータードライブ回路201の各パワーFETに供給するゲート電圧のデューティー比を動的に制御する。
なお、図中符号はシフトスピンドルの右側部に固定されて不図示のシフトドラムを連係させるマスターアーム、符号はシフトスピンドルの右端部に固定されて多板クラッチ22を連係させるクラッチアームをそれぞれ示す。
図4、図5を参照し、ワンウェイクラッチ50は、クランクシャフト9と同軸の円環状のもので、クラッチアウター21aの内周側カラー部21dに一体回転可能に外嵌する内輪52と、クラッチインナー21bの外周側カラー部21eに一体に設けられる外輪51と、内外輪52,51間に配置されるトルク伝達要素としての複数(6つ)の分割体53を有する移動体54と、分割体53の数と同数のリターンスプリング55と、リング状の付勢部材56と、を有する。
以下、ワンウェイクラッチ50の軸方向をクラッチ軸方向、径方向をクラッチ径方向、周方向をクラッチ周方向という。図中矢印Fはクランクシャフト9の正転方向、矢印Rはクランクシャフト9の逆転方向をそれぞれ示す。
分割体53の外周面(円周面)53cは、外輪51の内周面(円周面)51aに対向、整合する。分割体53の外周面53cは、外輪51の内周面51aに係合可能な係合面とされる。分割体53の外周面53cは、分割体53の径方向の幅よりもクラッチ周方向に長く構成される。分割体53の外周面53cのクラッチ軸方向の中央部には、クラッチ周方向に沿って延びる溝部53gが形成される。溝部53gは、複数の分割体53に跨って円環形状に連続し、この溝部53gに付勢部材56が嵌め込まれる。
図7を参照し、分割体53は、クラッチ径方向外側の係合位置A2にあるとき、カム面52eに沿って内輪52の外周面52dから離間し、外輪51の内周面51aと内輪52のカム面52eとに係合可能となる。
まず、移動体54が所定値以上の速度で回転する状態になると、クラッチ周方向で分割された移動体54の分割体53が遠心力でクラッチ径方向外側に移動し、分割体53の外周面53cが外輪51の内周面51aに当接する。このとき、分割体53と外輪51との間に回転速度差があると、摩擦により分割体53が加減速し、内輪52と分割体53との間に相対回転が生じる。
この状態から、分割体53に対して内輪52が逆転する方向に相対回転しようとしても、内輪52の段差部52fと分割体53の係合段差部53bとがクラッチ周方向で当接することで、前記相対回転が規制される。
このように設定することにより、遠心式の発進クラッチを有する小型車両用の内燃機関に、キックスタータ16を装備するために、伝動軸上にワンウェイクラッチ50を設けたものであっても、始動電動機兼用の発電機装置を装着し、高効率のスイングバック制御を行うことができる。
一方、本実施形態のワンウェイクラッチ50では、キックの踏み込みの勢いを利用してワンウェイ作動状態となるので、キックスタータの回転想定域の内、速度V1より低い回転速度域(破線で示す領域)からキック駆動が有効になり、クランキングのキックストロークが確保される。
また、ワンウェイクラッチ50の回転数が所定値未満であっても、内輪52が移動体54に対して相対回動すれば、移動体54が係合位置A2へ移動してワンウェイ作動状態となる。すなわち、遠心力により分割体53が遠心作動することの他、内輪52の回転速度(回転数)が低い初期入力時でも、移動体54に対して内輪52が先んじて回動することで、速やかにワンウェイ作動状態とすることができる。
また、ワンウェイクラッチ50によれば、クラッチ周方向と交差する段差部52f及び係合段差部53bを内輪52及び移動体54にそれぞれ設けることで、移動体54がクラッチ周方向において係合位置A2と反対側へ移動することを規制し、移動体54が安定して収容位置A1で保持されるため、移動体54を係合位置A2へスムーズに移動させることができる。
次に、図9〜図11を参照して、本発明の第二実施形態におけるワンウェイクラッチについて説明する。なお、第一実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略する。
ローラ61は、第二カム面52h上で比較的深い正転方向側に臨む位置(以下、収容位置B1という(図9参照)。)と、第二カム面52h上で比較的浅い逆転方向側に臨む位置(以下、係合位置B2という(図10参照)。)との間で移動可能である。
図10を参照し、ローラ61は、クラッチ径方向外側の係合位置B2にあるとき、外輪51の内周面51aと第二カム面52hとに接する。第二カム面52hは、分割体53が外輪51の内周面51aと係合する係合位置A2側に回動したときにのみに係合可能となるよう傾斜している。
まず、移動体54が所定値以上の速度で回転する状態になると、クラッチ周方向で分割された移動体54の分割体53が遠心力でクラッチ径方向外側に移動し、分割体53の外周面53cが外輪51の内周面51aに当接する。このとき、分割体53と外輪51との間に回転速度差があると、摩擦により分割体53が加減速し、内輪52と分割体53との間に相対回転が生じる。
この状態から、分割体53に対して内輪52が逆転する方向に相対回転しようとしても、内輪52の段差部52fと分割体53の係合段差部53bとがクラッチ周方向で当接することで、前記相対回転が規制される。
また、ワンウェイクラッチ60の回転数が所定値未満である初期入力時でも、移動体54に対して内輪52が先んじて回動することで、速やかにワンウェイ作動状態とすることができる。
次に、図11〜図13を参照して、本発明の第三実施形態におけるワンウェイクラッチについて説明する。なお、第一実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略する。
まず、移動体54が所定値以上の速度で回転する状態になると、クラッチ周方向で分割された移動体54の分割体53が遠心力でクラッチ径方向外側に移動し、分割体53の外周面53cが外輪51の内周面51aに当接する。このとき、分割体53と外輪51との間に回転速度差があると、摩擦により分割体53が加減速し、内輪52と分割体53との間に相対回転が生じる。
この状態から、分割体53に対して内輪52が逆転する方向に相対回転しようとしても、内輪52の段差部52fと分割体53の係合段差部53bとがクラッチ周方向で当接することで、前記相対回転が規制される。
また、ワンウェイクラッチ70の回転数が所定値未満である初期入力時でも、移動体54に対して内輪52が先んじて回動することで、速やかにワンウェイ作動状態とすることができる。
そして、上記各実施形態における構成は本発明の一例であり、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
21f 伝動筒(第一の軸部材)
50,60,70 ワンウェイクラッチ
51 外輪
51a 内周面
52,52’ 内輪
52d 外周面
52e カム面
52f 段差部
52h 第二カム面
53 分割体
53b 係合段差部
53b1 分割側カム面
53c 外周面(係合面)
53e 内周面(内輪と対向する面)
53h 一端部(当接面)
53i 突起部
53j 当接部
53m ガイドピン
54 移動体
55 リターンスプリング
56 付勢部材
57 スプリングポケット
61 ローラ
71 リング状部材
71a ガイド孔
A1,B1 収容位置
A2,B2 係合位置
S1,S2 隙間
Claims (7)
- 第一の軸部材(21f)に接続されるとともに外周面(52d)にカム面(52e)が形成される内輪(52,52’)と、
第二の軸部材(9d)に接続されるとともに前記内輪(52,52’)の径方向外側に配置される外輪(51)と、
前記内輪(52,52’)が形成する前記カム面(52e)と前記外輪(51)の内周面(51a)との間に配置される移動体(54)と、を備え、
前記移動体(54)は、前記カム面(52e)上でクラッチ径方向内側の収容位置(A1)にあるとき、前記外輪(51)の前記内周面(51a)との間に隙間(S1)を形成可能となり、前記カム面(52e)上でクラッチ径方向外側の係合位置(A2)にあるとき、前記外輪(51)の内周面(51a)と前記カム面(52e)とに係合可能となり、
前記カム面(52e)は、前記内輪(52,52’)が前記移動体(54)に対してクラッチ周方向の一方向に相対回動したときのみに、前記移動体(54)を前記係合位置(A2)に移動させるように傾斜し、
前記移動体(54)が前記係合位置(A2)にあるとき、前記内輪(52,52’)の前記一方向の回動の駆動力が前記外輪(51)に伝達可能となるワンウェイクラッチ(50,60,70)において、
前記移動体(54)は、クラッチ周方向に並ぶ複数の分割体(53)で構成され、
前記移動体(54)は、付勢部材(56)により前記内輪(52,52’)側に付勢され、
前記複数の分割体(53)の各々には、前記カム面(52e)と対向する分割側カム面(53b1)が構成されるとともに、前記外輪(51)の前記内周面(51a)と対向する係合面(53c)が前記分割側カム面(53b1)とは別に構成され、
前記係合面(53c)は、前記各分割体(53)のクラッチ径方向の幅よりもクラッチ周方向に長く形成され、
前記内輪(52,52’)が前記移動体(54)に対して前記一方向に相対回動すると、前記移動体(54)が前記カム面(52e)の傾斜に沿って前記係合位置(A2)に移動し、前記係合面(53c)と前記外輪(51)の前記内周面(51a)とを係合させることを特徴とするワンウェイクラッチ。 - 前記移動体(54)をクラッチ周方向に付勢して前記移動体(54)を前記収容位置(A1)に戻すリターンスプリング(55)を備え、
前記リターンスプリング(55)は、前記内輪(52,52’)と前記移動体(54)との間に形成されるスプリングポケット(57)に収容されることを特徴とする請求項1に記載のワンウェイクラッチ。 - 前記内輪(52,52’)の外周面(52d)にはクラッチ周方向と交差する段差部(52f)が形成され、
前記移動体(54)の前記内輪(52,52’)と対向する面(53e)には前記段差部(52f)と対向する係合段差部(53b)が形成され、
前記移動体(54)が前記収容位置(A1)にあるとき、前記段差部(52f)に前記係合段差部(53b)が当接することで、クラッチ周方向で前記移動体(54)の前記係合位置(A2)と反対側への移動が規制されることを特徴とする請求項1又は2に記載のワンウェイクラッチ。 - 前記各分割体(53)の隣接するもの同士の間にローラ(61)が配置され、
前記内輪(52’)の前記ローラ(61)と対向する面には第二カム面(52h)が構成され、
前記ローラ(61)は、前記第二カム面(52h)上でクラッチ径方向内側の収容位置(B1)にあるとき、前記外輪(51)の前記内周面(51a)との間に隙間(S2)を形成可能となり、前記第二カム面(52h)のクラッチ径方向外側の係合位置(B2)にあるとき、前記外輪(51)の前記内周面(51a)と前記第二カム面(52h)とに係合可能となり、
前記第二カム面(52h)は、前記内輪(52’)が前記移動体(54)に対して前記一方向に相対回動したときにのみに、前記ローラ(61)を前記係合位置(B2)に移動させるように傾斜し、
前記移動体(54)には、前記ローラ(61)と当接する当接面(53h)が構成され、
前記移動体(54)が前記係合位置(A2)に移動する際に、前記当接面(53h)が前記ローラ(61)に当接し、前記ローラ(61)を前記係合位置(B2)に移動させることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のワンウェイクラッチ。 - 前記移動体(54)と前記ローラ(61)とを前記内輪(52’)の前記外周面(52d)上に配置した状態で、前記移動体(54)と前記ローラ(61)とがクラッチ周方向で連続するように配置されることを特徴とする請求項4に記載のワンウェイクラッチ。
- 前記移動体(54)には、前記係合位置(A2)に移動する側に突起部(53i)が設けられ、
前記突起部(53i)の先端部には、隣接する前記移動体(54)に当接する当接部(53j)が構成されることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のワンウェイクラッチ。 - 前記移動体(54)の側面部からクラッチ軸方向に延びるガイドピン(53m)と、
前記内輪(52,52’)に支持されて前記外輪(51)近傍まで延びるリング状部材(71)と、を備え、
前記リング状部材(71)にはガイド孔(71a)が構成され、前記ガイド孔(71a)に前記ガイドピン(53m)が挿通されて、前記移動体(54)の移動規制がなされることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載のワンウェイクラッチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015065037A JP6413199B2 (ja) | 2015-03-26 | 2015-03-26 | ワンウェイクラッチ |
Applications Claiming Priority (1)
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS565828U (ja) * | 1979-06-27 | 1981-01-19 | ||
JPS6159029A (ja) * | 1984-08-31 | 1986-03-26 | Suzuki Motor Co Ltd | 自動2輪車の発進クラツチ |
JP2005207515A (ja) * | 2004-01-23 | 2005-08-04 | Honda Motor Co Ltd | ワンウェイクラッチ |
-
2015
- 2015-03-26 JP JP2015065037A patent/JP6413199B2/ja active Active
Patent Citations (3)
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CN106931053A (zh) * | 2017-04-18 | 2017-07-07 | 郭克亚 | 一种楔块式离合器 |
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