JP2016183756A - ワンウェイクラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】所定回転数未満では外輪から内輪へトルク伝達をせず、所定回転数以上では外輪から内輪へ一回転方向のトルク伝達を可能とする遠心作動式のワンウェイクラッチにおいて、内輪への回転入力の初期から外輪へのトルク伝達を可能にする。【解決手段】内輪52のカム面52eと外輪51の内周面51aとの間に配置される移動体54を備え、移動体54は、クラッチ周方向に並ぶ複数の分割体53で構成され、各分割体53の係合面53cは、各分割体53のクラッチ径方向の幅よりもクラッチ周方向に長く形成され、規定回転数未満では移動体54と外輪51との間に隙間S1が形成され、内輪52が移動体54に対して一方向に相対回動すると、移動体54がカム面52eの傾斜に沿って係合位置A2に移動し、内輪52と外輪51とを係合させる。【選択図】図6

Description

本発明は、ワンウェイクラッチに関する。
特許文献1には、クランクシャフト上にACGスタータを設けたスクータ型車両が開示されている。前記スクータ型車両は、走行時に信号待ちなどにより減速して停止するとエンジンが自動停止し、この自動停止状態からスロットルグリップを操作する等の発進操作が検知されると、ACGスタータにてクランキングしてエンジンを再始動させる所謂アイドルストップを行うことができる。
上記したアイドルストップシステムでは、アイドルストップしてからエンジンが再始動するまでの間、ACGスタータを例えば圧縮行程終了後の位置まで逆回転させる所謂スイングバック制御を行うことで、エンジン再始動時にクランクシャフトが次の圧縮上死点にいたるまでにクランクシャフトを十分加速させ、再始動時に圧縮上死点を乗り越え易くしている。
一方、特許文献2には、クランクシャフトとプライマリドライブギヤとの間にエンジンブレーキ用のワンウェイクラッチを設けたパワーユニットが開示されている。この構成によれば、エンジンブレーキ時に(キックスタート時や押しがけ時も同様に)、プライマリドライブギヤがクランクシャフトに先んじて回転しようとすると、ワンウェイクラッチを介してプライマリドライブギヤからクランクシャフトへトルクが伝達される。
ところで、特許文献2のようなパワーユニットを備えた鞍乗り型車両にも、特許文献1のようなACGスタータを用いたアイドルストップ制御を実施したい要望がある。しかしながら、クランクシャフトとプライマリドライブギヤとの間にエンジンブレーキ用のワンウェイクラッチを設けたパワーユニットの場合、クランクシャフト上にACGスタータを設けてスイングバックをすると、このスイングバックによってクランクシャフトが逆回転する際、プライマリドライブギヤがクランクシャフトに先んじて回転しようとする状況となる。このため、ワンウェイクラッチが係合し、プライマリドライブギヤにトルクが伝達されて車両が僅かに後退してしまう。
このような課題に対し、特許文献3に開示されるような遠心作動式のワンウェイクラッチが効果的である。このワンウェイクラッチは、その内輪を接続する軸が所定の回転数以上にならないとワンウェイクラッチとして機能しない(正逆何れも空転してトルク伝達しない)。クランクシャフトと遠心ワンウェイクラッチの外輪とを連結し、プライマリドライブギヤと遠心ワンウェイクラッチの内輪とを連結すれば、スイングバック時にクランクシャフトが逆回転しても、その回転数が低いことからワンウェイクラッチが係合せず、車両が後退しない。
特開2002−188548号公報 特開2013−228079号公報 特開2004−316886号公報
しかしながら、特許文献3のようなワンウェイクラッチを用いた構造でも、プライマリドライブギヤを介したキック始動を行う場合には課題があった。すなわち、キックアームによる軸の回動量は限られているため、キックアームの踏み降ろしでプライマリドライブギヤ及び内輪を加速させ、ワンウェイクラッチが係合可能な回転数になった時点では、キックストロークの残りが少なく、十分なクランキングを行うことが難しかった。
本発明は上記課題を解決するものであり、所定回転数未満では外輪から内輪へトルク伝達をせず、所定回転数以上では外輪から内輪へ一回転方向のトルク伝達を可能とする遠心作動式のワンウェイクラッチにおいて、内輪への回転入力の初期から外輪へのトルク伝達を可能にすることを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、
第一の軸部材(21f)に接続されるとともに外周面(52d)にカム面(52e)が形成される内輪(52,52’)と、
第二の軸部材(9d)に接続されるとともに前記内輪(52,52’)の径方向外側に配置される外輪(51)と、
前記内輪(52,52’)が形成する前記カム面(52e)と前記外輪(51)の内周面(51a)との間に配置される移動体(54)と、を備え、
前記移動体(54)は、前記カム面(52e)上でクラッチ径方向内側の収容位置(A1)にあるとき、前記外輪(51)の前記内周面(51a)との間に隙間(S1)を形成可能となり、前記カム面(52e)上でクラッチ径方向外側の係合位置(A2)にあるとき、前記外輪(51)の内周面(51a)と前記カム面(52e)とに係合可能となり、
前記カム面(52e)は、前記内輪(52,52’)が前記移動体(54)に対してクラッチ周方向の一方向に相対回動したときのみに、前記移動体(54)を前記係合位置(A2)に移動させるように傾斜し、
前記移動体(54)が前記係合位置(A2)にあるとき、前記内輪(52,52’)の前記一方向の回動の駆動力が前記外輪(51)に伝達可能となるワンウェイクラッチ(50,60,70)において、
前記移動体(54)は、クラッチ周方向に並ぶ複数の分割体(53)で構成され、
前記移動体(54)は、付勢部材(56)により前記内輪(52,52’)側に付勢され、
前記複数の分割体(53)の各々には、前記カム面(52e)と対向する分割側カム面(53b1)が構成されるとともに、前記外輪(51)の前記内周面(51a)と対向する係合面(53c)が前記分割側カム面(53b1)とは別に構成され、
前記係合面(53c)は、前記各分割体(53)のクラッチ径方向の幅よりもクラッチ周方向に長く形成され、
前記内輪(52,52’)が前記移動体(54)に対して前記一方向に相対回動すると、前記移動体(54)が前記カム面(52e)の傾斜に沿って前記係合位置(A2)に移動し、前記係合面(53c)と前記外輪(51)の前記内周面(51a)とを係合させることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、
前記移動体(54)をクラッチ周方向に付勢して前記移動体(54)を前記収容位置(A1)に戻すリターンスプリング(55)を備え、
前記リターンスプリング(55)は、前記内輪(52,52’)と前記移動体(54)との間に形成されるスプリングポケット(57)に収容されることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、
前記内輪(52,52’)の外周面(52d)にはクラッチ周方向と交差する段差部(52f)が形成され、
前記移動体(54)の前記内輪(52,52’)と対向する面(53e)には前記段差部(52f)と対向する係合段差部(53b)が形成され、
前記移動体(54)が前記収容位置(A1)にあるとき、前記段差部(52f)に前記係合段差部(53b)が当接することで、クラッチ周方向で前記移動体(54)の前記係合位置(A2)と反対側への移動が規制されることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、
前記各分割体(53)の隣接するもの同士の間にローラ(61)が配置され、
前記内輪(52’)の前記ローラ(61)と対向する面には第二カム面(52h)が構成され、
前記ローラ(61)は、前記第二カム面(52h)上でクラッチ径方向内側の収容位置(B1)にあるとき、前記外輪(51)の前記内周面(51a)との間に隙間(S2)を形成可能となり、前記第二カム面(52h)のクラッチ径方向外側の係合位置(B2)にあるとき、前記外輪(51)の前記内周面(51a)と前記第二カム面(52h)とに係合可能となり、
前記第二カム面(52h)は、前記内輪(52’)が前記移動体(54)に対して前記一方向に相対回動したときにのみに、前記ローラ(61)を前記係合位置(B2)に移動させるように傾斜し、
前記移動体(54)には、前記ローラ(61)と当接する当接面(53h)が構成され、
前記移動体(54)が前記係合位置(A2)に移動する際に、前記当接面(53h)が前記ローラ(61)に当接し、前記ローラ(61)を前記係合位置(B2)に移動させることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、
前記移動体(54)と前記ローラ(61)とを前記内輪(52’)の前記外周面(52d)上に配置した状態で、前記移動体(54)と前記ローラ(61)とがクラッチ周方向で連続するように配置されることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、
前記移動体(54)には、前記係合位置(A2)に移動する側に突起部(53i)が設けられ、
前記突起部(53i)の先端部には、隣接する前記移動体(54)に当接する当接部(53j)が構成されることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、
前記移動体(54)の側面部からクラッチ軸方向に延びるガイドピン(53m)と、
前記内輪(52,52’)に支持されて前記外輪(51)近傍まで延びるリング状部材(71)と、を備え、
前記リング状部材(71)にはガイド孔(71a)が構成され、前記ガイド孔(71a)に前記ガイドピン(53m)が挿通されて、前記移動体(54)の移動規制がなされることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、ワンウェイクラッチが所定値未満の速度(回転数)で回転する状態では、第二の軸部材及び外輪側が正逆を問わず回動しても、第一の軸部材及び内輪側へと駆動力が伝達されることはない。これに対して、ワンウェイクラッチが所定値以上の速度で回転する状態になると、移動体におけるクラッチ周方向に分割された分割体が遠心力でクラッチ径方向外側に移動する。これにより、分割体は外輪の内周面に当接し、摩擦により内輪と移動体との間に相対回転が発生する。すると、カム面の傾斜に沿って分割体がさらに外周側に移動し、分割体の係合面が外輪の内周面に当接、係合する。これにより、内輪側が外輪側よりも速く正転する際に内輪側の駆動力が外輪側に伝達可能なワンウェイ作動状態となる。このように、移動体におけるクラッチ周方向に並ぶ分割体を遠心作動させることで、内輪と移動体との位相差を発生させ易くし、速やかにワンウェイ作動状態に移行することができる。
請求項2に記載した発明によれば、リターンスプリングを設けることで、内輪側から駆動力がかけられて移動体に対して内輪が回動する際の作動トルクを設定することができる。また、ワンウェイ作動後に内輪と移動体とを初期位置に戻ることができる。
請求項3に記載した発明によれば、クラッチ周方向と交差する段差部(52f)及び係合段差部(53b)を内輪(52,52’)及び移動体(54)にそれぞれ設けることで、移動体がクラッチ周方向において係合位置以外の位置へ移動することを規制し、移動体が安定して収容位置で保持されるため、移動体を係合位置へスムーズに移動させることができる。
請求項4に記載した発明によれば、移動体が係合位置に移動することで、ローラも係合位置に移動するため、係合状態をより強固にすることができる。
請求項5に記載した発明によれば、移動体とローラとをクラッチ周方向で連続するように配置することで、複数の移動体の一つがクラッチ周方向に移動した際に、隣接するローラと当接して移動させ、さらにローラは隣接する移動体と当接し移動させることができる。これにより、連続的に移動体及びローラを移動させ、全ての移動体を速やかに係合可能状態にすることができる。
請求項6に記載した発明によれば、各分割体の突起部により、複数の移動体の一つがクラッチ周方向に移動した際に、隣接する分割体と当接して移動させることができる。これにより、移動体を連続的に移動させ、全て移動体を速やかに係合可能な状態にすることができる。
請求項7に記載した発明によれば、移動体の側面部のガイドピンと内輪に支持されたリング状部材とによる簡単な構成で各分割体を移動規制し、ワンウェイ作動状態への移行及びその解除をスムーズに行うことができる。
本発明の第一実施形態における自動二輪車の左側面図である。 上記自動二輪車のエンジンの駆動軸方向に沿う展開断面図である。 本実施形態の主構成を含むブロック図である。 図2の要部拡大図である。 図2に示すワンウェイクラッチの斜視図である。 上記ワンウェイクラッチを軸方向から見た第一作用説明図である。 図6の第二作用説明図である。 上記ワンウェイクラッチのロック作動制限の設定概念を示す説明図である。 本発明の第二実施形態におけるワンウェイクラッチを軸方向から見た第一作用説明図である。 図9の第二作用説明図である。 本発明の第三実施形態におけるワンウェイクラッチを軸方向から見た第一作用説明図である。 図11の第二作用説明図である。 図11のワンウェイクラッチのリング部材の平面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UPが示されている。
<第一実施形態>
図1に示す自動二輪車(小型車両)101において、その車体フレーム102は複数種の鋼材を溶接等により一体に結合してなる。車体フレーム102は、前輪懸架系を操向可能に支持するヘッドパイプ103から下後方へ単一のメインチューブ108を延ばし、ヘッドパイプ103と乗員着座用のシート109との間を低部として跨り易さを向上させた所謂バックボーン型とされる。メインチューブ108の後端部の下方にはピボットブラケット110が延び、ピボットブラケット110には後輪懸架系のスイングアーム112の前端部が上下揺動可能に支持される。メインチューブ108の後端部の上後方にはシートフレーム113が延び、シートフレーム113上にシート109が配置されると共に、シートフレーム113とスイングアーム112との間には後輪懸架系のリアクッション114が配置される。図中符号104は前輪、符号105はフロントフォーク、符号106はステアリングステム、符号107は操向ハンドル、符号111は後輪をそれぞれ示す。
メインチューブ108の下方には、自動二輪車101の原動機であるエンジン(内燃機関)1が支持される。
図2を併せて参照し、エンジン1は、クランクシャフト9の回転中心軸線(クランク軸線)C1を左右方向に沿わせた空冷単気筒エンジンであり、クランクケース2の前端部から前方に向けてシリンダ3を略水平に(詳細にはやや前上がりに)突出させる。
クランクケース2は、左右方向に直交する分割面(例えば車体左右中心面)を境に左右ケース半体2a,2bに分割される。左右ケース半体2a,2bの外側方には、これらの一部をなす左右ケースカバー24,25が取り付けられる。図中符号CLはエンジン1(及び車体)の左右中心線を示す。クランクケース2は、マニュアルトランスミッション(変速機、以下、単にトランスミッションという。)4を収容するミッションケースを兼ねる。クランクケース2を含むエンジン1の内部では、エンジンオイルが適宜循環、撹拌される。
シリンダ3は、クランクケース2側から順に、シリンダ本体3a、シリンダヘッド3b及びヘッドカバー3cが連なる。シリンダ本体3aのシリンダボア3d内には、ピストン8が往復動可能に嵌装される。ピストン8は、コネクティングロッド8aを介してクランクシャフト9のクランクピン9aに連結される。
クランクシャフト9は、クランクピン9aを支持する左右クランクウェブ9bと、左右クランクウェブ9bから左右外側に突出する左右ジャーナル部9cと、左右ジャーナル部9cからさらに左右外側に延びる左右延長軸(第二の軸部材)9dと、を有する。
左延長軸9dの基端側にはカムドライブスプロケット12が設けられ、このカムドライブスプロケット12を含むチェーン式伝動機構を介して、シリンダヘッド3b内のカムシャフト11がクランクシャフト9と連動して駆動する。
図中符号15はシリンダ3の左側部内に設けられるカムチェーン室、符号17はシリンダヘッド3bに取り付けられる点火プラグ、符号18はシリンダヘッド3bの上側(吸気側)に接続されるスロットルボディ、符号19はシリンダヘッド3bの下側(排気側)に接続される排気管をそれぞれ示す。
クランクシャフト9の回転動力は、クランクケース2内右側に収容された二つのクラッチ21,22、及びクランクケース2内後部に収容されたトランスミッション4を介して、クランクケース2の後部左側の機関出力部23に出力される。機関出力部23は、駆動輪である後輪111とチェーン式伝動機構23aを介して連係される。以下、クランクシャフト9から機関出力部23までの伝動経路において、クランクシャフト9側を上流側、機関出力部23側を下流側ということがある。
クランクシャフト9の右延長軸9d上には、発進用クラッチである遠心クラッチ21が同軸支持される。
遠心クラッチ21は、右方に開放する有底円筒状をなしてクランクシャフト9の右端部に相対回転可能に支持されるクラッチアウター21aと、クラッチアウター21aの内周側でクランクシャフト9の右端部に一体回転可能に支持されるクラッチインナー21bと、クラッチアウター21aの内周側でクラッチインナー21bに拡開作動可能に支持される複数の遠心ウェイト21cと、を有する。図中符号26はクラッチインナー21bの右側に形成される遠心分離式のオイルフィルタを示す。
遠心ウェイト21cは、クランクシャフト9の停止時及び低速回転時には、クラッチアウター21aの内周面から離間し、遠心クラッチ21を動力伝達不能な切断状態とする。
遠心ウェイト21cは、クランクシャフト9の回転数(回転速度)の上昇に伴い拡開作動し、所定回転数以上でクラッチアウター21aの内周面に摩擦係合して、遠心クラッチ21を動力伝達可能な接続状態とする。
図2、図4を参照し、クラッチアウター21aの中心部では、円筒状の内周側カラー部21dが右側に突設される。内周側カラー部21dの外周には、ワンウェイクラッチ50が外嵌される。ワンウェイクラッチ50の外周には、クラッチインナー21bの左側に突設された円筒状の外周側カラー部21eが外嵌される。外周側カラー部21eは、ワンウェイクラッチ50における外輪51を含む。図4中符号9eはクランクシャフト9内でクランク軸線C1に沿って形成された第一油路、符号9fはクランクシャフト9の右延長軸9dで第一油路9eから右延長軸9dの外周に至る第二油路、符号9gは第二油路9fからワンウィクラッチ50に形成される油溝52kに至る第三油路をそれぞれ示す。油溝52kは内輪52の軸方向一側面に形成され、クランクシャフト9内の第一油路9から第二及び第三油路9f,9gを介して導かれたエンジンオイルを内外輪52,51間の摺動部に供給可能とする。
ワンウェイクラッチ50の基本的な動作は、変速機側のクラッチアウター21aに先んじてクラッチインナー21b及びクランクシャフト9が正転(エンジン運転時の回転に相当)しようとしても、フリー状態となってトルク伝達をせず、クラッチアウター21aに対してクラッチインナー21b及びクランクシャフト9を空転させる。
ワンウェイクラッチ50は、クラッチインナー21b及びクランクシャフト9に先んじてクラッチアウター21aが正転しようとすると(又は、クラッチアウター21aに対してクラッチインナー21b及びクランクシャフト9が逆転しようとすると)、クラッチインナー21bの回転速度が所定未満であれば、フリー状態を保ってトルク伝達をせず、クラッチアウター21aをクラッチインナー21b及びクランクシャフト9に対して空転させる。
一方、ワンウェイクラッチ50は、クラッチインナー21bの回転速度が所定以上になると、後述するワンウェイ作動状態となり、この状態でクラッチインナー21b及びクランクシャフト9に先んじてクラッチアウター21aが正転しようとすると、後述する分割体53が内外輪52,51間でトルク伝達可能になるようにロック作動する。これにより、クラッチアウター21a、クラッチインナー21b及びクランクシャフト9が一体に正転可能となる。
図2を参照し、クラッチアウター21aの中央部左側には、左方に延びる円筒状の伝動筒(第一の軸部材)21fが設けられる。伝動筒21fの左端側には、プライマリドライブギヤ20aが一体回転可能に設けられる。プライマリドライブギヤ20aは、クランクシャフト9の後方に位置するメインシャフト5の右側部に相対回転可能に支持されたプライマリドリブンギヤ20bに噛み合う。プライマリドライブギヤ20a及びプライマリドリブンギヤ20bは、エンジン1の一次減速機構20を構成する。
クランクシャフト9の後方には、前側から順に、トランスミッション4のメインシャフト5及びカウンタシャフト6が配置される。メインシャフト5及びカウンタシャフト6は、それぞれの回転中心軸線C3,C4を左右方向に沿わせて(クランク軸線C1と平行にして)配置される。図中符号16aはカウンタシャフト6の後下方に配置されるキックスピンドルを示す。
メインシャフト5の右端部は遠心クラッチ21の右端よりも左方で終端し、この右端部上に多板クラッチ22が同軸支持される。
多板クラッチ22は変速用クラッチであり、右方に開放する有底円筒状をなしてメインシャフト5の右端部に相対回転可能に支持されるクラッチアウター22aと、クラッチアウター22aの内周側に配置されてメインシャフト5の右端部に一体回転可能に支持されるクラッチインナー22bと、クラッチアウター22a及びクラッチインナー22b間で軸方向に積層される複数のクラッチ板22cと、を有する。クラッチアウター22aの底壁左側には、プライマリドリブンギヤ20bが一体回転可能に支持される。
多板クラッチ22は、ダイヤフラムスプリング22dの付勢力によりクラッチ板22cを圧接して摩擦係合させる。多板クラッチ22は、不図示のシフトペダルの変速操作に連動してクラッチ板22cの圧接を一時的に解除し、トランスミッション4のシフトチェンジをよりスムーズにする。
トランスミッション4は、メインシャフト5及びカウンタシャフト6と、両シャフト5,6に跨って支持される変速ギヤ群7と、を備える。クランクシャフト9の回転動力は、変速ギヤ群7の任意のギヤを介してメインシャフト5からカウンタシャフト6に伝達される。カウンタシャフト6の左端部は、クランクケース2の後部左側に突出して機関出力部23となる。
変速ギヤ群7は、両シャフト5,6にそれぞれ支持された変速段数分のギヤで構成される。トランスミッション4は、両シャフト5,6間で変速ギヤ群7の対応するギヤ同士が常に噛み合った常時噛み合い式とされる。両シャフト5,6に支持された各ギヤは、自身を支持するシャフトに対して相対回転可能なフリーギヤと、自身を支持するシャフトに対して一体回転可能な固定ギヤと、自身を支持するシャフトにスプライン嵌合するスライドギヤと、に分類される。トランスミッション4は、不図示のチェンジ機構の作動によりスライドギヤを移動させ、変速段に応じたギヤ列を選定する。図2では、変速ギヤ群7の左側から順に、二速ギヤ列7b、四速ギヤ列7d、三速ギヤ列7c及び一速ギヤ列7aが並んで配置される。
クランクシャフト9の左延長軸9dの左端部上には、ACGスタータ27が同軸支持される。
ACGスタータ27は、三相交流式の発電電動機であり、エンジン1を始動するスタータモーターとして機能すると共に、エンジン1の運転に伴い発電する交流発電機としても機能する。ACGスタータ27の作動は、図3に示すECU(Electronic Control Unit)200により制御される。
ACGスタータ27は、いわゆるアウタローター型のもので、左方に開放する有底円筒状をなしてクランクシャフト9の左端部に一体回転可能に支持されるアウタローター27aと、アウタローター27aの内周側に配置されて左ケース半体2aの外側壁に固定的に支持されるステーター27bと、を有する。アウタローター27aの内周側には、周方向で並ぶ複数のマグネット27cが固定される。ステーター27bの外周側には、周方向で並ぶ複数のコイル27dが形成される。
図3を併せて参照し、ACGスタータ27は、例えばステーター27bにネジ等の締結部材28aで取り付けられた、複数のローター角度センサー28を保持するローター角度センサーユニット28bを有する。ローター角度センサー28は、ステーター27bのコイル27dに対する通電制御に用いられるもので、ACGスタータ27のU相、V相、W相のそれぞれに対応して一つずつ設けられる。
ローター角度センサー28は、アウタローター27aの周方向の一位置を点火タイミングとして検出する点火パルサー(パルサーセンサー)としても機能する。ローター角度センサー28は、ホールIC又は磁気抵抗(MR)素子で構成される。
ACGスタータ27は、エンジン始動時にはスタータモーターとして機能する。ACGスタータ27は、不図示のバッテリーからECU200のモータードライブ回路201を介して電力が供給され、クランクシャフト9を回転(正転駆動)させてエンジン1のクランキングを行う。このとき、クランクシャフト9の回転数は遠心クラッチ21の接続回転数未満であり、かつこの回転(正転)ではワンウェイクラッチ50がトルク伝達をしない。したがって、遠心クラッチ21の被動部材であるクラッチアウター21aよりも前記伝動経路下流側の多板クラッチ22及びトランスミッション4等には、前記クランキングの回転動力は伝達されない。
ACGスタータ27は、例えばクランクシャフト9の回転数がアイドリング相当以上になる等によりエンジン1の始動が確認されると、クランクシャフト9の回転により駆動して発電する交流発電機として機能する。この発電により、前記バッテリーの充電及び各種電装部品への電力供給がなされる。このとき、ワンウェイクラッチ50はトルク伝達をしないが、クランクシャフト9の回転数が遠心クラッチ21の接続回転数以上になれば、遠心クラッチ21が接続状態となって前記伝動経路下流側にクランクシャフト9の回転動力が伝達される。
クランクケース2の後部下側には、エンジン1のキックスタータ16における左右方向に沿うキックスピンドル16aが配置される。キックスピンドル16aの右端部はクランクケース2の後部右側に突出し、この突出部にキックアーム16bの基端部が取り付けられる。キックスピンドル16aにおけるクランクケース2内に臨む左側部上には、キックドライブギヤ16c及び噛合い機構16dが同軸支持される。キックドライブギヤ16cは、キックアーム16bの踏み降ろしによるキックスピンドル16aの一方向への回転時にのみ、噛合い機構16dを介してキックスピンドル16aと一体回転する。
キックドライブギヤ16cは、一速ギヤ列7aのドリブンギヤに噛み合う。キックドライブギヤ16cの回転動力は、一速ギヤ列7a、メインシャフト5、多板クラッチ22、プライマリドリブンギヤ20b及びプライマリドライブギヤ20aを介して、遠心クラッチ21のクラッチアウター21aに正転として入力される。この正転の回転トルクが所定以上であれば、ワンウェイクラッチ50がワンウェイ作動状態となり、さらなる正転によりワンウェイクラッチ50がロック作動すると、クラッチアウター21aからクラッチインナー21b及びクランクシャフト9に正転トルクを伝達可能となる。すなわち、キックスタータ16によるエンジン1のクランキングが可能となる。
ECU200は、ACGスタータ27の駆動及び発電を制御するモータードライブ回路201と、エンジン1の自動停止(アイドルストップ)を行うアイドルストップ制御部202と、アイドルストップ直後にACGスタータ27の逆転駆動によるクランクシャフト9の逆転(スイングバック)を行うスイングバック制御部203と、を有する。
ECU200には、ローター角度センサー28の他、スロットルボディ18のスロットルバルブ(不図示)の開度を検出するスロットルセンサー31、車輪の回転速度から車速を検出する車速センサー32、エンジン1の暖気状態として油温を検出する温度センサー33、前記バッテリーの充電状態としてバッテリー電流及び電圧を検出するバッテリーセンサー34、が接続される。ローター角度センサー28は、クランク回転数及び回転角度を検出するクランク角センサーを兼ねる。
ECU200には、ACGスタータ27の他に、点火プラグ17を含む点火装置35、スロットルボディ18のインジェクタ18aを含む燃料噴射装置36、が接続されると共に、アイドルストップ制御を行うか否かを乗員に選択させるアイドルストップスイッチ37、アイドルストップ制御の選択時やアイドルストップ時に点灯するインジケーター38、が接続される。
モータードライブ回路201は、例えばパワーFET(Field Effect Transistor)を含み、ACGスタータ27が発生する三相交流を全波整流すると共に、ACGスタータ27を駆動する際には前記バッテリーの電力を調圧して供給する。
アイドルストップ制御部202は、アイドルストップ制御の選択時において、エンジン1の自動停止許可条件が整ったときには、点火プラグ17の点火及びインジェクタ18aの燃料噴射を停止してエンジン1を自動停止させる(アイドルストップ)。
その後、アイドルストップ制御部202は、エンジン1の再始動許可条件が整ったときに、ACGスタータ27を駆動させてエンジン1のクランキングを行うと共に、点火プラグ17の点火及びインジェクタ18aの燃料噴射を再開し、エンジン1を自動で再始動させる。ECU200は、前記バッテリーの充電状態がエンジン1の再始動を行うのに十分であると認められるときのみ、アイドルストップ制御を実施する。
スイングバック制御部203は、アイドルストップ後のエンジン1の再始動性を向上させるために、ACGスタータ27を逆転駆動させ、クランクシャフト9をアイドルストップ直前の圧縮上死点の手前(逆転時)となる回転角度まで逆転させる(スイングバック)。
スイングバック制御部203は、エンジン1の再始動時におけるクランクシャフト9の助走距離を伸ばし、圧縮上死点を乗り越えるための正転トルクが小さくて済む位置までクランクシャフト9を逆転させる。その後、アイドルストップ制御部202がACGスタータ27を正転駆動させ、クランクシャフト9を改めて正転させると共に、点火装置35及び燃料噴射装置36を改めて作動させることで、エンジン1が再始動される。
スイングバック制御部203は、ステージ判定部204、ステージ通過時間検知部205、逆転制御部206及びデューティー比設定部207を有する。
ステージ判定部204は、ローター角度センサー28の出力信号に基づいて、クランクシャフト9の一回転をステージ#0〜#35の36ステージに分割し、ローター角度センサー28が点火パルサーとして発生するパルス信号の検知タイミングを基準ステージ(ステージ#0)として現在のステージを判定する。
ステージ通過時間検知部205は、ステージ判定部204が新たなステージを判定してから次のステージを判定するまでの時間に基づいて、当該ステージの通過時間Δtnを検知する。
逆転制御部206は、ステージ判定部204による判定結果及びステージ通過時間検知部205により検知された通過時間Δtnに基づいて、ACGスタータ27の逆転駆動指令を発生する。
デューティー比設定部207は、ステージ判定部204による判定結果に基づいて、モータードライブ回路201の各パワーFETに供給するゲート電圧のデューティー比を動的に制御する。
図17、図18を参照し、クランクケース2の左ケースカバー24は、ACGスタータ27を左方から覆うカップ状のACGカバーとされる。左ケースカバー24は、左側壁及び該左側壁の外周縁から右方に起立する周壁を一体に有する。左側壁の後部の下方には、車幅方向に延びるシフトスピンドルの左端部を貫通支持する軸支持部が設けられる。クランクシャフト左方の左ケースカバー24にシフトスピンドルの軸支持部を設けることで、シフトスピンドルとクランクシャフトとの軸間距離を短くすることができる。
従来、シフトスピンドルは、側面視でACGカバーと重複しない位置でクランクケース配置されていた。この場合、シフトスピンドルはACGカバーを避けなければいけないため、ACGカバーの外径分だけシフトスピンドルとクランクシャフトとの軸間距離が長くなっていた。
なお、図中符号はシフトスピンドルの右側部に固定されて不図示のシフトドラムを連係させるマスターアーム、符号はシフトスピンドルの右端部に固定されて多板クラッチ22を連係させるクラッチアームをそれぞれ示す。
次に、ワンウェイクラッチ50について、図4〜図8を参照して説明する。
図4、図5を参照し、ワンウェイクラッチ50は、クランクシャフト9と同軸の円環状のもので、クラッチアウター21aの内周側カラー部21dに一体回転可能に外嵌する内輪52と、クラッチインナー21bの外周側カラー部21eに一体に設けられる外輪51と、内外輪52,51間に配置されるトルク伝達要素としての複数(6つ)の分割体53を有する移動体54と、分割体53の数と同数のリターンスプリング55と、リング状の付勢部材56と、を有する。
以下、ワンウェイクラッチ50の軸方向をクラッチ軸方向、径方向をクラッチ径方向、周方向をクラッチ周方向という。図中矢印Fはクランクシャフト9の正転方向、矢印Rはクランクシャフト9の逆転方向をそれぞれ示す。
外輪51は、円環形状をなし、移動体54の外周に摺動可能に外嵌する。なお、本実施形態の外輪51は外周側カラー部21eと一体に設けられるが、外周側カラー部21eに一体回転可能に内嵌するものであってもよい。
内輪52は、円環形状に形成され、その内周面に、伝動筒21fの回転方向に結合される内歯52cを有する。内輪52の外周面52dには、カム面52e、段差部52f及び内周側スプリングポケット部52gが、それぞれ例えば分割体53の数と同数設けられる。カム面52e、段差部52f及び内周側スプリングポケット部52gは、それぞれクラッチ周方向で等間隔に設けられ、かつ異構成間で互いに分離して設けられる。内輪52の分割体53と対向する外周面52dは、クラッチ周方向に沿う曲面(円周面)で構成される。
カム面52eは、外周側を向き、分割体53の分割側カム面53b1に対向、整合する。カム面52e及び分割側カム面(53b1)は、正転方向側を外輪51から離間させるようにクラッチ周方向に対して傾斜する。
カム面52eは、内輪52の外周面52dに対して凹むように形成される。カム面52eの正転方向側の端部には、クラッチ径方向外側に立ち上がるように段差部52fが形成される。段差部52fは、クラッチ周方向と交差する交差面を形成する。カム面52e及び段差部52fの形成部位には、分割体53の内周面53eに凸状に形成される分割側カム面53b1及び係合段差部53bが入り込む。分割側カム面53b1は、カム面52eと対向、整合する。係合段差部53bは、段差部52fと対向、整合する。
内周側スプリングポケット部52gは、内輪52の外周面52dにおいて軸方向視で接線方向に長い四角形状の凹部とされる。内周側スプリングポケット部52gは、リターンスプリング55の内周側を収容する。リターンスプリング55は、例えば接線方向に伸縮するコイルスプリングである。
分割体53は、円環形状の移動体54をクラッチ周方向で分割した態様をなし、クラッチ周方向に沿う円弧状に形成される。
分割体53の外周面(円周面)53cは、外輪51の内周面(円周面)51aに対向、整合する。分割体53の外周面53cは、外輪51の内周面51aに係合可能な係合面とされる。分割体53の外周面53cは、分割体53の径方向の幅よりもクラッチ周方向に長く構成される。分割体53の外周面53cのクラッチ軸方向の中央部には、クラッチ周方向に沿って延びる溝部53gが形成される。溝部53gは、複数の分割体53に跨って円環形状に連続し、この溝部53gに付勢部材56が嵌め込まれる。
分割体53の内周面(円周面)53eは、内輪52の外周面(円周面)52dに対向、整合する。分割体53の内周面53eは、内輪52の外周面52d上を滑動可能な滑動面とされる。分割体53の内周面53eには、分割側カム面53b1、係合段差部53b及び外周側スプリングポケット部53fが、それぞれ内輪52のカム面52e、段差部52f及び内周側スプリングポケット部52gと同数設けられる。
外周側スプリングポケット部53fは、分割体53の内周面53eにおいて軸方向視で接線方向に長い四角形状の凹部とされる。外周側スプリングポケット部53fは、リターンスプリング55の外周側を収容する。内周側スプリングポケット部52g及び外周側スプリングポケット部53fは、リターンスプリング55を収容するためのスプリングポケット57を構成する。
リターンスプリング55は、内周側スプリングポケット部52gと外周側スプリングポケット部53fとに跨って配置される。リターンスプリング55は、その両端を内周側スプリングポケット部52g及び外周側スプリングポケット部53fのクラッチ周方向の両端にそれぞれ当接させて縮設される。リターンスプリング55は、内輪52及び移動体54の相対回動に伴い収縮し、内輪52及び移動体54を初期位置に戻すべく付勢する。前記初期位置では、外周側スプリングポケット部53fと内周側スプリングポケット部52gとがクラッチ周方向位置を一致させる。
付勢部材56は、例えば細身のコイルバネを円環形状に繋げた所謂ガタースプリングであり、溝部53gに嵌め込まれるように装着される。この付勢部材56の張力により、複数の分割体53が内輪52に対して付勢される。
図6を参照し、分割体53は、クラッチ径方向内側の収容位置A1にあるとき、外輪51の内周面51aとの間に隙間S1を形成する。
図7を参照し、分割体53は、クラッチ径方向外側の係合位置A2にあるとき、カム面52eに沿って内輪52の外周面52dから離間し、外輪51の内周面51aと内輪52のカム面52eとに係合可能となる。
具体的に、分割体53が係合位置A2にあるとき、内輪52が分割体53に対して一方向(正転方向)に回動すると、分割体53がカム面52eに沿って内輪52の外周面52dから離間するように外周側に移動し、分割体53が外輪51の内周面51aと内輪52のカム面52eとの間に噛み込まれる。この噛み込みによる分割体53の内外輪52,51への係合は、内輪52が正転する間は維持され、もって内輪52の一方向(正転方向)の回動の駆動力が外輪51に伝達可能となる。
内輪52の分割体53に対する正転は、分割体53が係合位置A2に移動して外輪51の内周面51aと内輪52のカム面52eとに接した時点で停止される(図7参照)。このため、係合位置A2に移動した分割体53は、外輪51の内周面51aと内輪52のカム面52eとに確実に接し、ワンウェイクラッチ50が確実にワンウェイ作動状態(ワンウェイ作動が可能な状態)となる。
次に、ワンウェイクラッチ50の作用について説明する。
まず、移動体54が所定値以上の速度で回転する状態になると、クラッチ周方向で分割された移動体54の分割体53が遠心力でクラッチ径方向外側に移動し、分割体53の外周面53cが外輪51の内周面51aに当接する。このとき、分割体53と外輪51との間に回転速度差があると、摩擦により分割体53が加減速し、内輪52と分割体53との間に相対回転が生じる。
そして、分割体53に対して内輪52が正転する方向に相対回転が生じると、分割体53の分割側カム面53b1と内輪52のカム面52eとが摺接し、これら両カム面53b1,52eの傾斜に沿って分割体53が外周側に移動して、分割体53が係合位置A2に至る。これにより、分割体53に対する内輪52の正転時、又は内輪52に対する分割体53の逆転時において、内外輪52,51間で分割体53を介して駆動力が伝達可能なワンウェイ作動状態となる。
移動体54が所定値未満の速度で回転する状態では、分割体53は付勢部材56により内周側に移動して収容位置A1にあり、分割体53の外周面53cと外輪51の内周面51aとの間に隙間を形成する。このとき、内輪52及び移動体54が正逆何れにも相対回動可能な状態となる。
この状態から、分割体53に対して内輪52が逆転する方向に相対回転しようとしても、内輪52の段差部52fと分割体53の係合段差部53bとがクラッチ周方向で当接することで、前記相対回転が規制される。
図6を参照し、移動体54及び内輪52は、リターンスプリング55に蓄積される弾性反発力によって前記初期位置に向けて常時付勢される。移動体54及び内輪52が初期位置にある状態において、移動体54は、収容位置A1にあり、外輪51の内周面51aとの間に隙間S1を形成する。移動体54が収容位置A1にあるとき、内輪52と外輪51とは正逆何れにも相対回動可能であり、ワンウェイクラッチ50はワンウェイ作動状態にない。このとき、左右延長軸9d及び外輪51側が正逆を問わず回動しても、伝動筒21f及び内輪52側へと駆動力が伝達されることはない。
図7を参照し、通常の入力で内輪52が移動体54に対して正転すると、リターンスプリング55を介して移動体54も一体的に回動する。そして、移動体54の回転数(回転速度)が所定値以上になると、遠心力を受けた分割体53が外輪51の内周面51aに摺接し、リターンスプリング55の付勢力に抗して移動体54を内輪52に対して逆転させる。移動体54が内輪52に対して逆転すると、分割体53が分割側カム面53b1及びカム面52eの摺接により係合位置A2に移動する。その結果、分割体53の外周面53cが外輪51の内周面51aに接し、ワンウェイクラッチ50がワンウェイ作動状態になる。
ワンウェイ作動状態において、内輪52側が外輪51側に対してさらに正転すると(又は外輪51側が内輪52側に対して逆転すると)、内外輪52,51間でトルク伝達が可能となるように、ワンウェイクラッチ50がロック作動する。第一実施形態のロック作動は、ワンウェイ作動状態からさらに内外輪52,51が相対回動し、外輪51の内周面51aと内輪52のカム面52eとの間に分割体53を噛み込むことで、内外輪52,51間のトルク伝達が可能になる作動をいう。
一方、ワンウェイ作動状態において、内輪52側が外輪51側に対して逆転すると(又は外輪51側が内輪52側に対して正転すると)、ワンウェイクラッチ50がロック作動せず、内外輪52,51間のトルク伝達がなされない。
ワンウェイ作動状態では、内輪52及び移動体54の相対回動に伴い、外周側スプリングポケット部53fと内周側スプリングポケット部52gとがクラッチ周方向でずれて、リターンスプリング55を収縮させる。
移動体54の回転数が下がると、リターンスプリング55の復元力により移動体54が内輪52に対して正転し、移動体54及び内輪52が初期位置に戻る。これにより、移動体54が収容位置A1に戻り、ワンウェイクラッチ50がワンウェイ作動状態になる前の初期状態に戻る。
ここで、内輪52への所定トルク以上の正転入力があると、内輪52の回転数が低くても、内輪52が移動体54に対して先んじて正転する。その結果、分割体53が係合位置A2に至り、ワンウェイクラッチ50がワンウェイ作動状態になる。このため、内輪52の回転数が上昇する前にも、前記正転入力後に速やかに外輪51に正転トルクを伝達することが可能となる。
図8は、ワンウェイクラッチ50の作動制限の設定概念を示し、横軸をクランクシャフト9と同軸の各要素の回転速度として、ワンウェイクラッチ50の作動制限のかかる領域と、スイングバックの回転速度域と、キックによるクランク回転速度域と、を示す。スイングバックの回転速度域の幅は、クランクの位相等を考慮し、キックによるクランク回転速度域の幅は、一般運転者のキックのばらつきも含めて想定したものである。なお、スイングバックは逆回転だが、遠心力を活用する回転作動型のワンウェイクラッチ50の場合は、正逆回転によらず、回転速度の絶対値によるので、横軸は各要素の回転速度の絶対数値として設定概念を表している。
図8に示すように、スイングバックの回転速度域より上の回転速度で、かつキックスタータ16の回転想定域内の回転速度V1にて、ワンウェイクラッチ50のロック作動の制限とワンウェイ作動状態とが切り替わるように設定される。
このように設定することにより、遠心式の発進クラッチを有する小型車両用の内燃機関に、キックスタータ16を装備するために、伝動軸上にワンウェイクラッチ50を設けたものであっても、始動電動機兼用の発電機装置を装着し、高効率のスイングバック制御を行うことができる。
本実施形態では、内輪52の回転速度が速度V1より小であっても、キックを踏み込む勢いをもって内輪52が正転すれば、内輪52が移動体54に対して先んじて正転し、ワンウェイクラッチ50が速やかにワンウェイ作動状態となる。これにより、キックの踏み込み初期から十分なストロークをもってクランキングを行うことができる。
特許文献3のワンウェイクラッチでは、キックスタータで始動する際、キックスタータの回転想定域の内、速度V1より上の回転速度域(実線で示す領域)でのみキック駆動が有効になるので、クランキングのキックストロークが少なくなる。
一方、本実施形態のワンウェイクラッチ50では、キックの踏み込みの勢いを利用してワンウェイ作動状態となるので、キックスタータの回転想定域の内、速度V1より低い回転速度域(破線で示す領域)からキック駆動が有効になり、クランキングのキックストロークが確保される。
本実施形態のエンジン1においては、機関停止後にクランクシャフト9を所定位置まで逆転させるスイングバック制御におけるクランクシャフト9の低速の逆転時に、ワンウェイクラッチ50におけるトルク伝達のためのロック作動を制限するため、クランクシャフト9から機関出力部23への伝動経路に遠心クラッチ21及びワンウェイクラッチ50を有する既存の内燃機関の構成を大きく変えることなく、エンジンブレーキを利用可能とし、かつ遠心クラッチ21の機関出力部23側のクラッチアウター21aを用いたキックスタータ16を装備可能とする。そして、キック始動時には、回転作動型のワンウェイクラッチ50でありながら、回転速度が低くてもロック作動を可能とし、キックの踏み込みストロークを有効利用できる。
以上説明したように、本実施形態におけるワンウェイクラッチ50によれば、所定値未満の速度(回転数)で回転する状態では、左右延長軸9d及び外輪51側が正逆を問わず回動しても、伝動筒21f及び内輪52側へと駆動力が伝達されることはない。これに対して、所定値以上の速度で回転する状態になると、クラッチ周方向に分割された移動体54の分割体53が遠心力でクラッチ径方向外側に移動する。これにより、分割体53の外周面53cが外輪51の内周面51aに摺接し、分割体53と外輪51との回転速度差に応じて内輪52と分割体53との間に位相差(相対回転)を生じさせる。すると、分割体53がカム面52e及び分割側カム面53b1の傾斜に沿って外周側に移動し、係合位置A2へ移動する。これにより、内輪52側が外輪51側よりも速く正転する際に、内輪52側の駆動力を外輪51側に伝達可能なワンウェイ作動状態とすることができる。
また、移動体54をクラッチ周方向に長く構成することで、より多くの力を外輪51から受けて作動させることができる。また、移動体54を大きく構成することが容易になり、より遠心力を大きくして速やかに移動体54を作動させることができる。
また、ワンウェイクラッチ50の回転数が所定値未満であっても、内輪52が移動体54に対して相対回動すれば、移動体54が係合位置A2へ移動してワンウェイ作動状態となる。すなわち、遠心力により分割体53が遠心作動することの他、内輪52の回転速度(回転数)が低い初期入力時でも、移動体54に対して内輪52が先んじて回動することで、速やかにワンウェイ作動状態とすることができる。
また、ワンウェイクラッチ50によれば、リターンスプリング55を設けることで、内輪52側から駆動力がかけられて移動体54に対して内輪52が回動する際の作動トルクを設定することができる。また、ワンウェイ作動後に内輪52と移動体54とを初期位置に戻すことができる。
また、ワンウェイクラッチ50によれば、クラッチ周方向と交差する段差部52f及び係合段差部53bを内輪52及び移動体54にそれぞれ設けることで、移動体54がクラッチ周方向において係合位置A2と反対側へ移動することを規制し、移動体54が安定して収容位置A1で保持されるため、移動体54を係合位置A2へスムーズに移動させることができる。
ここで、エンジン1の通常運転時において、クランクシャフト9の正転は、ワンウェイクラッチ50を介してはプライマリドライブギヤ20aに伝達されず、遠心クラッチ21を介してプライマリドライブギヤ20aに伝達される。また、アイドルストップ時のスイングバックでは、クランクシャフト9の逆転は、ワンウェイクラッチ50を介してはプライマリドライブギヤ20aに伝達されず、かつ回転数が低ければ遠心クラッチ21も係合せず、プライマリドライブギヤ20aには伝達されない。一方、エンジンブレーキ時には、プライマリドライブギヤ20aの正転は、その回転数が所定以上であれば、遠心クラッチ21の係合が解除されても、ワンウェイクラッチ50が係合してクランクシャフト9に伝達される。そして、キック始動時には、プライマリドライブギヤ20aの正転は、キックアーム16bの踏み降ろしの勢いがあれば、その回転数が所定未満であっても、回転入力の初期からワンウェイクラッチ50が係合し、クランクシャフト9に伝達される。このように、遠心作動式のワンウェイクラッチ50を備えたエンジン1において、キックアーム16bの踏み降ろしの初期からクランキングを可能にし、キック始動を容易にすることができる。
<第二実施形態>
次に、図9〜図11を参照して、本発明の第二実施形態におけるワンウェイクラッチについて説明する。なお、第一実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略する。
図9に示すように、本実施形態のワンウェイクラッチ60は、前記ワンウェイクラッチ50に対して、隣接する分割体53の間にそれぞれローラ61を備え、内輪52の外周面52dに各ローラ61に対向する第二カム面52hを複数備える点で特に異なる。
ローラ61は、クラッチ軸方向に沿う円柱状をなし、隣り合う分割体53間に保持される。ローラ61の正転方向側には分割体53の一端部53hが隣接し、ローラ61の逆転方向側には分割体53の他端部53h1が隣接する。
第二カム面52hは、隣接する分割体53の一端部53h及び他端部53h1の間に配置される。第二カム面52hは、正転方向側を外輪51から離間させるようにクラッチ周方向に対して傾斜する。
ローラ61は、第二カム面52h上で比較的深い正転方向側に臨む位置(以下、収容位置B1という(図9参照)。)と、第二カム面52h上で比較的浅い逆転方向側に臨む位置(以下、係合位置B2という(図10参照)。)との間で移動可能である。
図9を参照し、ローラ61は、クラッチ径方向内側の収容位置B1にあるとき、外輪51の内周面51aとの間に隙間S2を形成する。
図10を参照し、ローラ61は、クラッチ径方向外側の係合位置B2にあるとき、外輪51の内周面51aと第二カム面52hとに接する。第二カム面52hは、分割体53が外輪51の内周面51aと係合する係合位置A2側に回動したときにのみに係合可能となるよう傾斜している。
次に、ワンウェイクラッチ60の作用について説明する。
まず、移動体54が所定値以上の速度で回転する状態になると、クラッチ周方向で分割された移動体54の分割体53が遠心力でクラッチ径方向外側に移動し、分割体53の外周面53cが外輪51の内周面51aに当接する。このとき、分割体53と外輪51との間に回転速度差があると、摩擦により分割体53が加減速し、内輪52と分割体53との間に相対回転が生じる。
そして、分割体53に対して内輪52が正転する方向に相対回転が生じると、分割体53の分割側カム面53b1と内輪52のカム面52eとが摺接し、これら両カム面53b1,52eの傾斜に沿って分割体53が外周側に移動して、分割体53が係合位置A2に至る。これにより、分割体53に対する内輪52の正転時、又は内輪52に対する分割体53の逆転時において、内外輪52,51間で分割体53を介して駆動力が伝達可能なワンウェイ作動状態となる。
また、分割体53に対して内輪52が正転すると、分割体53の一端部53hがローラ61に当接し、ローラ61を係合位置B2へ移動させる。このローラ61を介しても、内外輪52,51間で駆動力が伝達可能となる。
移動体54が所定値未満の速度で回転する状態では、分割体53は付勢部材56により内周側に移動して収容位置A1にあり、分割体53の外周面53cと外輪51の内周面51aとの間に隙間S1を形成する。また、ローラ61も付勢部材56により内周側に移動して収容位置B1にあり、外輪51の内周面51aとの間に隙間S2を形成する。このとき、内輪52及び移動体54が正逆何れにも相対回動可能な状態となる。
この状態から、分割体53に対して内輪52が逆転する方向に相対回転しようとしても、内輪52の段差部52fと分割体53の係合段差部53bとがクラッチ周方向で当接することで、前記相対回転が規制される。
図9を参照し、移動体54及び内輪52がリターンスプリング55によって初期位置にある状態において、移動体54は、収容位置A1にあり、外輪51の内周面51aとの間に隙間S1を形成する。また、前記初期位置において、ローラ61は、収容位置B1にあり、外輪51の内周面51aとの間に隙間S2を形成する。移動体54が収容位置A1にあり、ローラ61が収容位置B1にあるとき、内輪52と外輪51とは正逆何れにも相対回動可能であり、ワンウェイクラッチ60はワンウェイ作動状態にない。このとき、左右延長軸9d及び外輪51側が正逆を問わず回動しても、伝動筒21f及び内輪52側へと駆動力が伝達されることはない。
図10を参照し、移動体54の回転数(回転速度)が所定値以上になると、遠心力を受けた分割体53が外輪51の内周面51aに摺接し、リターンスプリング55の付勢力に抗して移動体54を内輪52に対して逆転させる。移動体54が内輪52に対して逆転すると、分割体53が分割側カム面53b1及びカム面52eの摺接により係合位置A2に移動する。また、移動体54が内輪52に対して逆転すると、ローラ61が一端部53hに押されて係合位置B2に移動する。その結果、分割体53の外周面53cが外輪51の内周面51aに接するとともに、ローラ61が外輪51の内周面51aと内輪52の第二カム面52hとに接し、ワンウェイクラッチ60がワンウェイ作動状態になる。
ワンウェイ作動状態において、内輪52側が外輪51側に対してさらに正転すると(又は外輪51側が内輪52側に対して逆転すると)、内外輪52,51間でトルク伝達が可能となるように、ワンウェイクラッチ60がロック作動する。第二実施形態のロック作動は、外輪51の内周面51aと内輪52のカム面52eとの間に分割体53を噛み込むとともに、外輪51の内周面51aと内輪52の第二カム面52hとの間にローラ61を噛み込むことで、内外輪52,51間のトルク伝達が可能になる作動をいう。
一方、ワンウェイ作動状態において、内輪52側が外輪51側に対して逆転すると(又は外輪51側が内輪52側に対して正転すると)、ワンウェイクラッチ60がロック作動せず、内外輪52,51間のトルク伝達がなされない。
ワンウェイ作動状態では、内輪52及び移動体54の相対回動に伴いリターンスプリング55を収縮させるが、移動体54の回転数が下がると、リターンスプリング55の復元力により移動体54が内輪52に対して正転し、移動体54及び内輪52が初期位置に戻る。これにより、移動体54が収容位置A1に戻るとともに、ローラ61が収容位置B1に戻り、ワンウェイクラッチ60がワンウェイ作動状態になる前の初期状態に戻る。
ここで、内輪52への所定トルク以上の正転入力があると、内輪52の回転数が低くても、内輪52が移動体54に対して先んじて正転する。その結果、分割体53が係合位置A2に至るとともにローラ61が係合位置B2に至り、ワンウェイクラッチ60がワンウェイ作動状態になる。このため、内輪52の回転数が上昇する前にも、前記正転入力後に速やかに外輪51に正転トルクを伝達することが可能となる。
以上説明したように、第二実施形態におけるワンウェイクラッチ60によっても、第一実施形態と同様、移動体54の分割体53を遠心作動させることで、速やかに移動体54を外輪51に摺接させ、速やかにトルク伝達可能な状態へ移行することができる。
また、ワンウェイクラッチ60の回転数が所定値未満である初期入力時でも、移動体54に対して内輪52が先んじて回動することで、速やかにワンウェイ作動状態とすることができる。
また、ワンウェイクラッチ60によれば、分割体53とローラ61とをクラッチ周方向で隣接配置することで、複数の分割体53の一つがクラッチ周方向に移動した際に、隣接するローラ61と当接し移動させ、他の分割体53及びローラ61を順次移動させることができる。これにより、連続的に全ての分割体53及びローラ61を移動させ、トルク伝達可能な状態へ移行することができる。
<第三実施形態>
次に、図11〜図13を参照して、本発明の第三実施形態におけるワンウェイクラッチについて説明する。なお、第一実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略する。
図11、図13に示すように、本実施形態のワンウェイクラッチ70は、前記ワンウェイクラッチ50に対して、分割体53の係合位置A2に移動する側(逆転方向側)に突起部53iを備え、突起部53iの先端部には隣接する分割体53に当接する当接部53jを備えるとともに、分割体53の側面部にはガイドピン53mが突設され、このガイドピン53mがリング状部材71にガイドされる点で特に異なる。
分割体53の突起部53iは、逆転方向側に隣接する他の分割体53の正転方向側の端部に近接する。突起部53iは、分割体53と一体化される構成であれば、分割体と一体形成されても別部材が一体結合されてもよい。分割体53のクラッチ軸方向の側面部には、クラッチ軸方向に沿うガイドピン53mがクラッチ周方向で離間して一対設けられる。各ガイドピン53mは、内輪52に一体回転可能に支持されたリング状部材71のガイド孔71aに沿って移動する。これにより、分割体53の分割側カム面53b1及びカム面52eに沿う移動がガイド孔71aに案内される。分割体53のクラッチ周方向の端部(例えば突起部53i)の外周側には、分割体53の外周側への移動時に外輪51の内周面51aとの干渉を避けるための面取り部53i1が設けられる。
次に、ワンウェイクラッチ70の作用について説明する。
まず、移動体54が所定値以上の速度で回転する状態になると、クラッチ周方向で分割された移動体54の分割体53が遠心力でクラッチ径方向外側に移動し、分割体53の外周面53cが外輪51の内周面51aに当接する。このとき、分割体53と外輪51との間に回転速度差があると、摩擦により分割体53が加減速し、内輪52と分割体53との間に相対回転が生じる。
そして、分割体53に対して内輪52が正転する方向に相対回転が生じると、分割体53の分割側カム面53b1と内輪52のカム面52eとが摺接し、これら両カム面53b1,52eの傾斜に沿って、かつリング状部材71のガイド孔71aに沿って、分割体53が外周側に移動して、分割体53が係合位置A2に至る。これにより、分割体53に対する内輪52の正転時、又は内輪52に対する分割体53の逆転時において、内外輪52,51間で分割体53を介して駆動力が伝達可能なワンウェイ作動状態となる。
このとき、分割体53の逆転方向側の突起部53iが、その先端部の当接部53jを逆転方向側に隣接する他の分割体53の端部に当接させ、該分割体53を逆転させる。これにより、複数の分割体53が一体的に逆転可能となる。
移動体54が所定値未満の速度で回転する状態では、分割体53は付勢部材56により内周側に移動して収容位置A1にあり、分割体53の外周面53cと外輪51の内周面51aとの間に隙間を形成する。このとき、内輪52及び移動体54が正逆何れにも相対回動可能な状態となる。
この状態から、分割体53に対して内輪52が逆転する方向に相対回転しようとしても、内輪52の段差部52fと分割体53の係合段差部53bとがクラッチ周方向で当接することで、前記相対回転が規制される。
図11を参照し、移動体54及び内輪52がリターンスプリング55によって初期位置にある状態において、移動体54は、収容位置A1にあり、外輪51の内周面51aとの間に隙間S1を形成する。移動体54が収容位置A1にあるとき、内輪52と外輪51とは正逆何れにも相対回動可能であり、ワンウェイクラッチ70はワンウェイ作動状態にない。このとき、左右延長軸9d及び外輪51側が正逆を問わず回動しても、伝動筒21f及び内輪52側へと駆動力が伝達されることはない。
図12を参照し、移動体54の回転数(回転速度)が所定値以上になると、遠心力を受けた分割体53が外輪51の内周面51aに摺接し、リターンスプリング55の付勢力に抗して移動体54を内輪52に対して逆転させる。移動体54が内輪52に対して逆転すると、分割体53が分割側カム面53b1及びカム面52eの摺接により係合位置A2に移動する。その結果、分割体53の外周面53cが外輪51の内周面51aに接し、ワンウェイクラッチ70がワンウェイ作動状態になる。
ワンウェイ作動状態において、内輪52側が外輪51側に対してさらに正転すると(又は外輪51側が内輪52側に対して逆転すると)、内外輪52,51間でトルク伝達が可能となるように、ワンウェイクラッチ70がロック作動する。第三実施形態のロック作動は、外輪51の内周面51aと内輪52のカム面52eとの間に分割体53を噛み込むことで、内外輪52,51間のトルク伝達が可能になる作動をいう。
一方、ワンウェイ作動状態において、内輪52側が外輪51側に対して逆転すると(又は外輪51側が内輪52側に対して正転すると)、ワンウェイクラッチ60がロック作動せず、内外輪52,51間のトルク伝達がなされない。
ワンウェイ作動状態では、内輪52及び移動体54の相対回動に伴いリターンスプリング55を収縮させるが、移動体54の回転数が下がると、リターンスプリング55の復元力により移動体54が内輪52に対して正転し、移動体54及び内輪52が初期位置に戻る。これにより、移動体54が収容位置A1に戻り、ワンウェイクラッチ70がワンウェイ作動状態になる前の初期状態に戻る。
ここで、内輪52への所定トルク以上の正転入力があると、内輪52の回転数が低くても、内輪52が移動体54に対して先んじて正転する。その結果、分割体53が係合位置A2に至り、ワンウェイクラッチ70がワンウェイ作動状態になる。このため、内輪52の回転数が上昇する前にも、前記正転入力後に速やかに外輪51に正転トルクを伝達することが可能となる。
以上説明したように、第三実施形態におけるワンウェイクラッチ70によっても、第一実施形態と同様、移動体54の分割体53を遠心作動させることで、速やかに移動体54を外輪51に摺接させ、速やかにトルク伝達可能な状態へ移行することができる。
また、ワンウェイクラッチ70の回転数が所定値未満である初期入力時でも、移動体54に対して内輪52が先んじて回動することで、速やかにワンウェイ作動状態とすることができる。
また、ワンウェイクラッチ70によれば、分割体53の係合位置A2に移動する側に隣接する分割体53に当接する突起部53iが設けられることで、複数の分割体53の一つがクラッチ周方向に移動した際に、隣接する他の分割体53を順次移動させることができる。これにより、連続的に全ての分割体53を移動させ、速やかにトルク伝達可能な状態へ移行することができる。
また、ワンウェイクラッチ70によれば、分割体53の側面部のガイドピン53mを内輪52に固定されたリング状部材71のガイド孔71aに挿通させて案内されることで、分割体53の移動を案内して外輪51への係合位置を規制し、確実にトルク伝達可能な係合状態とすることができる。
なお、本発明は上記各実施形態に限られるものではなく、例えば、各実施形態においては、遠心クラッチ21のクラッチアウター21a側にワンウェイクラッチの内輪が外嵌され、クラッチインナー21b側にワンウェイクラッチの外輪が内嵌されているが、この配置に限定されず、遠心クラッチ21のクラッチインナー21b側にワンウェイクラッチの内輪が装着され、遠心クラッチ21のクラッチアウター21a側にワンウェイクラッチの外輪が装着されてもよい。また、ワンウェイクラッチの移動体54の分割数は上記各実施形態と異なってもよい。また、リターンスプリング55はコイルスプリングに限らず板バネ又はゴム等の弾性体を用いてもよい。第三実施形態におけるリング状部材71及びガイドピン53mを用いて分割体53の移動をガイドする構成は、第一及び第二実施形態に適用してもよい。
また、本発明は、自動二輪車に限らず三輪又は四輪の小型車両に適用してもよい。クランクケース2の前方にシリンダ3を突出させたエンジン1に限らずクランクケース2の上方にシリンダ3を起立させたエンジンに適用してもよい。また、遠心クラッチ21及びACGスタータ27の少なくとも一方がクランクシャフト9と同軸ではなく別軸に支持されたエンジンに適用してもよい。また、マニュアルトランスミッション4ではなく有段式あるいは無段式のオートマチックトランスミッションを備えたエンジンに適用してもよい。
そして、上記各実施形態における構成は本発明の一例であり、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
9d 左右延長軸(第二の軸部材)
21f 伝動筒(第一の軸部材)
50,60,70 ワンウェイクラッチ
51 外輪
51a 内周面
52,52’ 内輪
52d 外周面
52e カム面
52f 段差部
52h 第二カム面
53 分割体
53b 係合段差部
53b1 分割側カム面
53c 外周面(係合面)
53e 内周面(内輪と対向する面)
53h 一端部(当接面)
53i 突起部
53j 当接部
53m ガイドピン
54 移動体
55 リターンスプリング
56 付勢部材
57 スプリングポケット
61 ローラ
71 リング状部材
71a ガイド孔
A1,B1 収容位置
A2,B2 係合位置
S1,S2 隙間

Claims (7)

  1. 第一の軸部材(21f)に接続されるとともに外周面(52d)にカム面(52e)が形成される内輪(52,52’)と、
    第二の軸部材(9d)に接続されるとともに前記内輪(52,52’)の径方向外側に配置される外輪(51)と、
    前記内輪(52,52’)が形成する前記カム面(52e)と前記外輪(51)の内周面(51a)との間に配置される移動体(54)と、を備え、
    前記移動体(54)は、前記カム面(52e)上でクラッチ径方向内側の収容位置(A1)にあるとき、前記外輪(51)の前記内周面(51a)との間に隙間(S1)を形成可能となり、前記カム面(52e)上でクラッチ径方向外側の係合位置(A2)にあるとき、前記外輪(51)の内周面(51a)と前記カム面(52e)とに係合可能となり、
    前記カム面(52e)は、前記内輪(52,52’)が前記移動体(54)に対してクラッチ周方向の一方向に相対回動したときのみに、前記移動体(54)を前記係合位置(A2)に移動させるように傾斜し、
    前記移動体(54)が前記係合位置(A2)にあるとき、前記内輪(52,52’)の前記一方向の回動の駆動力が前記外輪(51)に伝達可能となるワンウェイクラッチ(50,60,70)において、
    前記移動体(54)は、クラッチ周方向に並ぶ複数の分割体(53)で構成され、
    前記移動体(54)は、付勢部材(56)により前記内輪(52,52’)側に付勢され、
    前記複数の分割体(53)の各々には、前記カム面(52e)と対向する分割側カム面(53b1)が構成されるとともに、前記外輪(51)の前記内周面(51a)と対向する係合面(53c)が前記分割側カム面(53b1)とは別に構成され、
    前記係合面(53c)は、前記各分割体(53)のクラッチ径方向の幅よりもクラッチ周方向に長く形成され、
    前記内輪(52,52’)が前記移動体(54)に対して前記一方向に相対回動すると、前記移動体(54)が前記カム面(52e)の傾斜に沿って前記係合位置(A2)に移動し、前記係合面(53c)と前記外輪(51)の前記内周面(51a)とを係合させることを特徴とするワンウェイクラッチ。
  2. 前記移動体(54)をクラッチ周方向に付勢して前記移動体(54)を前記収容位置(A1)に戻すリターンスプリング(55)を備え、
    前記リターンスプリング(55)は、前記内輪(52,52’)と前記移動体(54)との間に形成されるスプリングポケット(57)に収容されることを特徴とする請求項1に記載のワンウェイクラッチ。
  3. 前記内輪(52,52’)の外周面(52d)にはクラッチ周方向と交差する段差部(52f)が形成され、
    前記移動体(54)の前記内輪(52,52’)と対向する面(53e)には前記段差部(52f)と対向する係合段差部(53b)が形成され、
    前記移動体(54)が前記収容位置(A1)にあるとき、前記段差部(52f)に前記係合段差部(53b)が当接することで、クラッチ周方向で前記移動体(54)の前記係合位置(A2)と反対側への移動が規制されることを特徴とする請求項1又は2に記載のワンウェイクラッチ。
  4. 前記各分割体(53)の隣接するもの同士の間にローラ(61)が配置され、
    前記内輪(52’)の前記ローラ(61)と対向する面には第二カム面(52h)が構成され、
    前記ローラ(61)は、前記第二カム面(52h)上でクラッチ径方向内側の収容位置(B1)にあるとき、前記外輪(51)の前記内周面(51a)との間に隙間(S2)を形成可能となり、前記第二カム面(52h)のクラッチ径方向外側の係合位置(B2)にあるとき、前記外輪(51)の前記内周面(51a)と前記第二カム面(52h)とに係合可能となり、
    前記第二カム面(52h)は、前記内輪(52’)が前記移動体(54)に対して前記一方向に相対回動したときにのみに、前記ローラ(61)を前記係合位置(B2)に移動させるように傾斜し、
    前記移動体(54)には、前記ローラ(61)と当接する当接面(53h)が構成され、
    前記移動体(54)が前記係合位置(A2)に移動する際に、前記当接面(53h)が前記ローラ(61)に当接し、前記ローラ(61)を前記係合位置(B2)に移動させることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のワンウェイクラッチ。
  5. 前記移動体(54)と前記ローラ(61)とを前記内輪(52’)の前記外周面(52d)上に配置した状態で、前記移動体(54)と前記ローラ(61)とがクラッチ周方向で連続するように配置されることを特徴とする請求項4に記載のワンウェイクラッチ。
  6. 前記移動体(54)には、前記係合位置(A2)に移動する側に突起部(53i)が設けられ、
    前記突起部(53i)の先端部には、隣接する前記移動体(54)に当接する当接部(53j)が構成されることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のワンウェイクラッチ。
  7. 前記移動体(54)の側面部からクラッチ軸方向に延びるガイドピン(53m)と、
    前記内輪(52,52’)に支持されて前記外輪(51)近傍まで延びるリング状部材(71)と、を備え、
    前記リング状部材(71)にはガイド孔(71a)が構成され、前記ガイド孔(71a)に前記ガイドピン(53m)が挿通されて、前記移動体(54)の移動規制がなされることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載のワンウェイクラッチ。
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