JP5998073B2 - 内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に関する。
近年、環境への配慮や省エネルギーの観点から、車両の停止時等の所定の条件下でエンジンを自動停止させると共に、スロットルを開く等の所定の発進操作により自動的にエンジンを再始動させる、自動停止・始動制御(いわゆるアイドルストップ制御)を採用した内燃機関が増えている。
上記制御では、始動電動機兼用の発電機装置が活用されている。係る装置においては、エンジンの自動停止直後にクランクシャフトを所定位置まで逆転させ(スイングバック)、次のエンジン再始動に備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。これは、エンジン再始動時のクランクシャフトの助走距離を伸ばし、圧縮上死点を乗り越えるためのトルクを極力削減するために有効である。
他方、小型車両用エンジンには、クランクシャフトから機関出力部への伝動経路に遠心クラッチを有し、遠心クラッチにおける機関出力部側の被動部材を、前記伝動経路の伝動軸上にワンウェイクラッチを介して支持したものがある(例えば、特許文献2参照)。ワンウェイクラッチは、機関運転時のクランクシャフトに連動する伝動軸の正転トルクは被動部材に伝達せず、伝動軸の逆転トルクは被動部材に伝達する。すなわち、被動部材の正転トルクでクランクシャフトを正転させることが可能であり、エンジンブレーキを利用可能になると共に、被動部材を用いたキックスターターを装備することが可能になる。
特開2002−332938号公報 特開2008−274855号公報
しかしながら、上記後者の構成で上記前者のスイングバック制御を行うと、クランクシャフトの逆転に連動する伝動軸の逆転トルクが被動部材に伝達され、遠心クラッチよりも機関出力部側の軸やギヤ等を駆動させたり、駆動車輪を後転させる力が伝達されるなど、発電機装置の逆転トルクをロスし易いという課題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、アイドルストップ時に発電機装置の駆動によるスイングバックを行うと共に、クランクシャフトから機関出力部への伝動経路の伝動軸上に遠心クラッチの被動部材をワンウェイクラッチを介して支持した内燃機関において、スイングバック時の発電機装置の逆転トルクのロスを抑えることを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、始動電動機兼用の発電機装置(27)と、クランクシャフト(9)から機関出力部(23)への伝動経路に設けられる遠心クラッチ(21)と、前記遠心クラッチ(21)の前記機関出力部(23)側の被動部材(21a)を前記伝動経路の伝動軸(9d)上に支持し、前記被動部材(21a)に対する前記伝動軸(9d)の正転時は前記被動部材(21a)にトルクを伝達せず、前記被動部材(21a)に対する前記伝動軸(9d)の逆転時は前記被動部材(21a)にトルクを伝達可能なワンウェイクラッチ(40,40’,140)と、を備える内燃機関(1)であって、機関停止後に前記クランクシャフト(9)を所定位置まで逆転させるスイングバック制御における前記伝動軸(9d)の逆転時に、前記ワンウェイクラッチ(40,40’,140)におけるトルク伝達のためのロック作動を制限するロック作動制限装置(47A,147A,247A,347A)を有することを特徴とする。
なお、本願における軸の正転とは、エンジン運転時の回転に相当する。
請求項2に記載した発明は、前記ロック作動制限装置(47A,147A)は、前記スイングバック制御における前記伝動軸(9d)の逆転速度に応じて、前記ワンウェイクラッチ(40,140)のロック作動を制限することを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記ロック作動制限装置(47A,147A)は、前記ワンウェイクラッチ(40,140)に組み込まれることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記ワンウェイクラッチ(40)は、内周円筒面(44a)を形成する外輪(44)と、ワンウェイを機能させる形状を形成する外周カム面(43b)を有する内輪(43)と、前記内周円筒面(44a)及び外周カム面(43b)間で圧接されて前記内外輪(43,44)間のトルク伝達を可能にする移動体(46)と、前記移動体(46)を前記内周円筒面(44a)及び外周カム面(43b)間の圧接位置から離脱する側へ付勢する付勢部材(47)と、を有し、さらに、前記内輪(43)の回転による遠心力を受けて前記移動体(46)を前記付勢部材(47)の付勢力に抗して押圧し、ワンウェイを機能させるべく外周カム面(43b)へ移動させる錘体(48)と、を有する回転作動型であり、前記ロック作動制限装置(47A)は、前記内外輪(43,44)間に設けられて前記移動体(46)、錘体(48)及び付勢部材(47)を所定位置に保持する保持器(45)を有し、前記保持器(45)には、前記錘体(48)の遠心作動を案内する錘作動面(51)が形成され、前記内輪(43)の外周には、前記移動体(46)のトルク伝達面でもある前記外周カム面(43b)に隣接する凹部(52)が形成され、前記移動体(46)及び錘体(48)は、前記外輪(44)の内周円筒面(44a)、前記保持器(45)の錘作動面(51)、前記内輪(43)の凹面、及び前記内輪(43)の外周カム面(43b)に囲まれた空間部(53)に収容されることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記ロック作動制限装置(247A,347A)は、前記発電機装置(27)の逆転指示信号に対応する電気信号の感知により、前記ワンウェイクラッチ(40,40’,140)のロック作動を制限することを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記ワンウェイクラッチ(40,140)は、内周円筒面(44a)を形成する外輪(44)と、外周カム面(43b)を形成する内輪(43)と、前記内周円筒面(44a)及び外周カム面(43b)間に圧接されて前記内外輪(43,44)間のトルク伝達を可能にする移動体(46,146)と、前記移動体(46,146)を前記内周円筒面(44a)及び外周カム面(43b)間の圧接位置から離脱する側へ付勢する付勢部材(47,147)と、を有するものであって、前記ロック作動制限装置(247A,347A)は、前記発電機装置(27)の逆転指示信号に対応する電気信号の感知により、前記移動体(46,146)の圧接位置への移動を制限する制限部材(256,356)を、前記ワンウェイクラッチ(40,140)に対して抜き差しすることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、クランクシャフトから機関出力部への伝動経路に遠心クラッチ及びワンウェイクラッチを有する既存の内燃機関の構成を大きく変えることなく、エンジンブレーキを利用可能とし、かつ遠心クラッチの被動部材を用いたキックスターターを装備可能としながら、始動電動機兼用の発電機装置によるスイングバック制御を、発電機装置の逆転トルクのロスを抑えた上で実施することができ、機関再始動時の発電機装置の始動トルク負荷を軽減することができる。
請求項2に記載した発明によれば、スイングバック制御における低速の逆転ではロック作動を制限する一方、所定速度以上の逆転ではロック作動を許可し、エンジンブレーキやキック始動を可能にすることができる。
請求項3に記載した発明によれば、ロック作動制限装置がワンウェイクラッチと別体の場合と比べて、部品点数及び部品配置スペースの増加を抑えることができる。スイングバック制御をしないエンジンに対しては、ロック作動制限装置を含まない従来のワンウェイクラッチに交換すればよく、エンジンの他部品を共通化して互換性のあるエンジンとすることができる。
請求項4に記載した発明によれば、ワンウェイクラッチ内でロック作動制限装置を簡単に形成し、部品点数及び部品配置スペースの増加を抑え、かつロック作動の確実性を高めることができる。
請求項5に記載した発明によれば、 発電機装置によるスイングバック時に、電気的な制御によりロック作動制限装置を併せて作動させて、ワンウェイクラッチのロック作動を制限することが可能となるため、逆転トルクのロスを確実に無くし、かつ細かな制御を可能にすることができる。
請求項6に記載した発明によれば、電気的な逆転指示信号に基づいてワンウェイクラッチのロック作動を制限することが可能となり、逆転トルクのロスを確実に無くし、かつ細かな制御を可能にすることができる。
本発明の実施形態における自動二輪車の左側面図である。 上記自動二輪車のエンジンの駆動軸方向に沿う展開断面図である。 本実施形態の主構成を含むブロック図である。 図2の要部拡大図である。 図2に示すワンウェイクラッチを軸方向から見た正面図である。 図5の要部拡大図である。 図6の作用説明図である。 上記ワンウェイクラッチの第二実施形態を軸方向から見た正面図である。 図8の作用説明図である。 上記エンジンのECUのスイングバック制御部の処理を示すフローチャートである。 (a)はクランク逆転トルクとクランク角度との関係を、(b)はクランク角度とステージとの関係を、(c)はクランク逆転時のクランク角速度の変化をそれぞれ示す。 上記ワンウェイクラッチのロック作動制限装置の第三実施形態の軸方向に沿う断面図である。 図12のロック作動制限装置の指令信号及びワンウェイクラッチのロック作動の可否を示すタイムチャートである。 上記ワンウェイクラッチのロック作動制限装置の第四実施形態の軸方向に沿う断面図である。 図12、図14のロック作動制限装置に対応するワンウェイクラッチの図6に相当する要部拡大図である。 図15の作用説明図である。 上記ワンウェイクラッチのロック作動制限の設定概念を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UPが示されている。
図1に示す自動二輪車(小型車両)101において、その車体フレーム102は複数種の鋼材を溶接等により一体に結合してなる。車体フレーム102は、前輪懸架系を操向可能に支持するヘッドパイプ103から下後方へ単一のメインチューブ108を延ばし、ヘッドパイプ103と乗員着座用のシート109との間を低部として跨り易さを向上させた所謂バックボーン型とされる。メインチューブ108の後端部の下方にはピボットブラケット110が延び、ピボットブラケット110には後輪懸架系のスイングアーム112の前端部が上下揺動可能に支持される。メインチューブ108の後端部の上後方にはシートフレーム113が延び、シートフレーム113上にシート109が配置されると共に、シートフレーム113とスイングアーム112との間には後輪懸架系のリアクッション114が配置される。図中符号104は前輪、符号105はフロントフォーク、符号106はステアリングステム、符号107は操向ハンドル、符号111は後輪をそれぞれ示す。
メインチューブ108の下方には、自動二輪車101の原動機であるエンジン(内燃機関)1が支持される。
図2を併せて参照し、エンジン1は、クランクシャフト9の回転中心軸線(クランク軸線)C1を左右方向に沿わせた空冷単気筒エンジンであり、クランクケース2の前端部から前方に向けてシリンダ3を略水平に(詳細にはやや前上がりに)突出させる。
クランクケース2は、左右方向に直交する分割面(例えば車体左右中心面)を境に左右ケース半体2a,2bに分割される。左右ケース半体2a,2bの外側方には、これらの一部をなす左右ケースカバー24,25が取り付けられる。図中符号CLはエンジン1(及び車体)の左右中心線を示す。クランクケース2は、マニュアルトランスミッション(以下、単にトランスミッションという。)4を収容するミッションケースを兼ねる。クランクケース2を含むエンジン1の内部では、エンジンオイルが適宜循環、撹拌される。
シリンダ3は、クランクケース2側から順に、シリンダ本体3a、シリンダヘッド3b及びヘッドカバー3cが連なる。シリンダ本体3aのシリンダボア3d内には、ピストン8が往復動可能に嵌装される。ピストン8は、コネクティングロッド8aを介してクランクシャフト9のクランクピン9aに連結される。
クランクシャフト9は、クランクピン9aを支持する左右クランクウェブ9bと、左右クランクウェブ9bから左右外側に突出する左右ジャーナル部9cと、左右ジャーナル部9cからさらに左右外側に延びる左右延長軸9dと、を有する。
左延長軸9dの基端側にはカムドライブスプロケット12が設けられ、このカムドライブスプロケット12を含むチェーン式伝動機構を介して、シリンダヘッド3b内のカムシャフト11がクランクシャフト9と連動して駆動する。
図中符号15はシリンダ3の左側部内に設けられるカムチェーン室、符号17はシリンダヘッド3bに取り付けられる点火プラグ、符号18はシリンダヘッド3bの上側(吸気側)に接続されるスロットルボディ、符号19はシリンダヘッド3bの下側(排気側)に接続される排気管をそれぞれ示す。
クランクシャフト9の回転動力は、クランクケース2内右側に収容された二つのクラッチ21,22、及びクランクケース2内後部に収容されたトランスミッション4を介して、クランクケース2の後部左側の機関出力部23に出力される。機関出力部23は、駆動輪である後輪111とチェーン式伝動機構23aを介して連係される。以下、クランクシャフト9から機関出力部23までの伝動経路において、クランクシャフト9側を上流側、機関出力部23側を下流側ということがある
クランクシャフト9の右延長軸9d上には、発進用クラッチである遠心クラッチ21が同軸支持される。
遠心クラッチ21は、右方に開放する有底円筒状をなしてクランクシャフト9の右端部に相対回転可能に支持されるクラッチアウター21aと、クラッチアウター21aの内周側でクランクシャフト9の右端部に一体回転可能に支持されるクラッチインナー21bと、クラッチアウター21aの内周側でクラッチインナー21bに拡開作動可能に支持される複数の遠心ウェイト21cと、を有する。図中符号26はクラッチインナー21bの右側に形成される遠心分離式のオイルフィルタを示す。
各遠心ウェイト21cは、クランクシャフト9の停止時及び低速回転時には、クラッチアウター21aの内周面から離間し、遠心クラッチ21を動力伝達不能な切断状態とする。各遠心ウェイト21cは、クランクシャフト9の回転数(回転速度)の上昇に伴い拡開作動し、所定回転数以上でクラッチアウター21aの内周面に摩擦係合して、遠心クラッチ21を動力伝達可能な接続状態とする。
図2、図4を参照し、クラッチアウター21aの中心部で、円筒状の内周側カラー部41が右側に突設される。内周側カラー部41の外周には、ワンウェイクラッチ40が外嵌される。ワンウェイクラッチ40の外周には、クラッチインナー21bの左側に突設された円筒状の外周側カラー部42が外嵌される。外周側カラー部42は、ワンウェイクラッチ40における外輪44を含む。このワンウェイクラッチ40は、後述するロック作動制限装置47Aを有している。
ワンウェイクラッチ40は、クラッチアウター21aに先んじてクラッチインナー21b及びクランクシャフト9が正転(エンジン運転時の回転に相当)しようとしても、フリー状態となってトルク伝達をせず、クラッチアウター21aに対してクラッチインナー21b及びクランクシャフト9を空転させる。
ワンウェイクラッチ40は、クラッチインナー21b及びクランクシャフト9に先んじてクラッチアウター21aが正転しようとすると(又は、クラッチアウター21aに対してクラッチインナー21b及びクランクシャフト9が逆転しようとすると)、その回転速度が所定未満であれば、ロック作動制限装置47Aが働いて、フリー状態を保ってトルク伝達をせず、クラッチアウター21aをクラッチインナー21b及びクランクシャフト9に対して空転させる。
一方、ワンウェイクラッチ40は、前記回転速度が所定以上になると、後述するワンウェイ作動状態となり、この状態でクラッチインナー21b及びクランクシャフト9に先んじてクラッチアウター21aが正転しようとすると、後述するローラー46が内外輪43,44間でトルク伝達可能になるようにロック作動する。これにより、クラッチアウター21a、クラッチインナー21b及びクランクシャフト9が一体に正転可能となる。
図2を参照し、クラッチアウター21aの中央部左側には、左方に延びる円筒状の伝動筒21dが設けられる。伝動筒21dの左端側には、プライマリドライブギヤ21eが一体回転可能に設けられる。プライマリドライブギヤ21eは、クランクシャフト9の後方に位置するメインシャフト5の右側部に相対回転可能に支持されたプライマリドリブンギヤ22eに噛み合う。
クランクシャフト9の後方には、前側から順に、トランスミッション4のメインシャフト5及びカウンタシャフト6が配置される。メインシャフト5及びカウンタシャフト6は、それぞれの回転中心軸線C3,C4を左右方向に沿わせて(クランク軸線C1と平行にして)配置される。図中符号16はカウンタシャフト6の後下方に配置されるキックスピンドルを示す。
メインシャフト5の右端部は遠心クラッチ21の右端よりも左方で終端し、この右端部上に多板クラッチ22が同軸支持される。
多板クラッチ22は変速用クラッチであり、右方に開放する有底円筒状をなしてメインシャフト5の右端部に相対回転可能に支持されるクラッチアウター22aと、クラッチアウター22aの内周側に配置されてメインシャフト5の右端部に一体回転可能に支持されるクラッチインナー22bと、クラッチアウター22a及びクラッチインナー22b間で軸方向に積層される複数のクラッチ板22cと、を有する。クラッチアウター22aの底壁左側には、プライマリドリブンギヤ22eが一体回転可能に支持される。
多板クラッチ22は、ダイヤフラムスプリング22dの付勢力により各クラッチ板22cを圧接して摩擦係合させる。多板クラッチ22は、不図示のシフトペダルの変速操作に連動して各クラッチ板22cの圧接を一時的に解除し、トランスミッション4のシフトチェンジをよりスムーズにする。
トランスミッション4は、メインシャフト5及びカウンタシャフト6と、両シャフト5,6に跨って支持される変速ギヤ群7と、を備える。クランクシャフト9の回転動力は、変速ギヤ群7の任意のギヤを介してメインシャフト5からカウンタシャフト6に伝達される。カウンタシャフト6の左端部は、クランクケース2の後部左側に突出して機関出力部23となる。
変速ギヤ群7は、両シャフト5,6にそれぞれ支持された変速段数分のギヤで構成される。トランスミッション4は、両シャフト5,6間で変速ギヤ群7の対応するギヤ同士が常に噛み合った常時噛み合い式とされる。両シャフト5,6に支持された各ギヤは、自身を支持するシャフトに対して相対回転可能なフリーギヤと、自身を支持するシャフトに対して一体回転可能な固定ギヤと、自身を支持するシャフトにスプライン嵌合するスライドギヤと、に分類される。トランスミッション4は、不図示のチェンジ機構の作動によりスライドギヤを移動させ、変速段に応じたギヤ列を選定する。図2では、変速ギヤ群7の左側から順に、二速ギヤ列7b、四速ギヤ列7d、三速ギヤ列7c及び一速ギヤ列7aが並んで配置される。
クランクシャフト9の左延長軸9dの左端部上には、ACGスターター27が同軸支持される。
ACGスターター27は、三相交流式の発電電動機であり、エンジン1を始動するスターターモーターとして機能すると共に、エンジン1の運転に伴い発電する交流発電機としても機能する。ACGスターター27の作動は、図3に示すECU(Electronic Control Unit)60により制御される。
ACGスターター27は、いわゆるアウタローター型のもので、左方に開放する有底円筒状をなしてクランクシャフト9の左端部に一体回転可能に支持されるアウタローター27aと、アウタローター27aの内周側に配置されて左ケース半体2aの外側壁に固定的に支持されるステーター27bと、を有する。アウタローター27aの内周側には、周方向で並ぶ複数のマグネット27cが固定される。ステーター27bの外周側には、周方向で並ぶ複数のコイル27dが形成される。
図3を併せて参照し、ACGスターター27は、例えばステーター27bにネジ等の締結部材28aで取り付けられた、複数のローター角度センサー28を保持するローター角度センサーユニット28bを有する。ローター角度センサー28は、ステーター27bのコイル27dに対する通電制御に用いられるもので、ACGスターター27のU相、V相、W相のそれぞれに対応して一つずつ設けられる。
ローター角度センサー28は、アウタローター27aの周方向の一位置を点火タイミングとして検出する点火パルサー(パルサーセンサー)としても機能する。ローター角度センサー28は、ホールIC又は磁気抵抗(MR)素子で構成される。
ACGスターター27は、エンジン始動時にはスターターモーターとして機能する。ACGスターター27は、不図示のバッテリーからECU60のモータードライブ回路61を介して電力が供給され、クランクシャフト9を回転(正転駆動)させてエンジン1のクランキングを行う。このとき、クランクシャフト9の回転数は遠心クラッチ21の接続回転数未満であり、かつこの回転(正転)ではワンウェイクラッチ40がトルク伝達をしない。したがって、遠心クラッチ21の被動部材であるクラッチアウター21aよりも前記伝動経路下流側の多板クラッチ22及びトランスミッション4等には、前記クランキングの回転動は伝達されない。
ACGスターター27は、例えばクランクシャフト9の回転数がアイドリング相当以上になる等によりエンジン1の始動が確認されると、クランクシャフト9の回転により駆動して発電する交流発電機として機能する。この発電により、前記バッテリーの充電及び各種電装部品への電力供給がなされる。このとき、ワンウェイクラッチ40はトルク伝達をしないが、クランクシャフト9の回転数が遠心クラッチ21の接続回転数以上になれば、遠心クラッチ21が接続状態となって前記伝動経路下流側にクランクシャフト9の回転動が伝達される。
クランクケース2の後部下側には、エンジン1のキックスターター16Aにおける左右方向に沿うキックスピンドル16が配置される。キックスピンドル16の右端部はクランクケース2の後部右側に突出し、この突出部にキックアーム16aの基端部が取り付けられる。キックスピンドル16におけるクランクケース2内に臨む左側部上には、キックドライブギヤ16b及び噛合い機構16cが同軸支持される。キックドライブギヤ16bは、キックアーム16aの踏み降ろしによるキックスピンドル16の一方向への回転時にのみ、噛合い機構16cを介してキックスピンドル16と一体回転する。
キックドライブギヤ16bは、一速ギヤ列7aのドリブンギヤに噛み合う。キックドライブギヤ16bの回転動は、一速ギヤ列7a、メインシャフト5、多板クラッチ22、プライマリドリブンギヤ22e及びプライマリドライブギヤ21eを介して、遠心クラッチ21のクラッチアウター21aに正転として入力される。この正転の回転数が前記所定以上であれば、ワンウェイクラッチ40がワンウェイ作動状態となり、さらなる正転によりワンウェイクラッチ40がロック作動すると、クラッチアウター21aからクラッチインナー21b及びクランクシャフト9に正転トルクを伝達可能となる。すなわち、キックスターター16Aによるエンジン1のクランキングが可能となる。
図17に示すように、スイングバックの回転域より上の回転数で、かつキックスターター16Aの回転想定域内の回転数にて、後述するワンウェイクラッチ40のロック作動の制限とワンウェイ作動状態とが切り替わるように設定される。
(ワンウェイクラッチ)
次に、上記した回転速度作動型のワンウェイクラッチ40について、図4〜図7を参照して説明する。
図4、図5を参照し、ワンウェイクラッチ40は、クランクシャフト9と同軸の円環状のもので、クラッチアウター21aの内周側カラー部41に一体回転可能に外嵌する内輪43と、クラッチインナー21bの外周側カラー部42に一体に設けられる外輪44と、内外輪43,44間に配置される保持器45と、を有する。以下、ワンウェイクラッチ40の軸方向をクラッチ軸方向、径方向をクラッチ径方向、周方向をクラッチ周方向という。図中矢印Fはクランクシャフト9の正転方向、矢印Rはクランクシャフト9の逆転方向をそれぞれ示す。外輪44が外周側カラー部42と一体ではなく、外周側カラー部42に一体回転可能に内嵌するものであってもよい。
保持器45は、内外輪43,44間のトルク伝達要素である複数のローラー46と、各ローラー46を正転方向から逆転方向へ付勢する複数のコイルスプリング(以下、単にスプリングという。)47と、内輪43側の回転による遠心力を受けて各ローラー46をクラッチ径方向外側へ押圧し、各ローラー46をワンウェイクラッチ40がワンウェイ作動する位置まで移動させる複数の錘体48と、をクラッチ周方向で等間隔に保持する。
保持器45は、複数の内周凸部45aを内輪43の外周凹部43aに係合させることで、内輪43と一体回転可能であり、この保持器45と共に複数のローラー46、スプリング47及び錘体48も内輪43と一体的に回転する。
外輪44は、平坦な内周円筒面44aを形成し、内輪43は、内周円筒面44aとの間に転動しているローラー46を、圧接して非転動状態(ロック状態)に導く複数の外周カム面43bを形成する。各外周カム面43bは、内輪43の接線方向に対して、正転方向側ほど内周円筒面44aに近付くように僅かに傾斜し、ワンウェイを機能させる形状を形成する。内周円筒面44aと各外周カム面43bとの間には、内輪43の回転方向によってローラー46を移動させて、ローラー46を圧接せずに転動状態(解放状態)に置くか、ローラー46に圧接して非転動状態(ロック状態)に置くかを切り替えることを可能とする楔状空間部49が形成される。
各楔状空間部49には、外輪44に対する内輪43の逆転(矢印R方向の回転、又は内輪43に対する外輪44の正転(矢印F方向の回転))によってローラー46が前記ロック状態となり、これにより、複数のローラー46を介して内外輪43,44間のトルク伝達が可能となる。外輪44に対する内輪43の正転(又は内輪43に対する外輪44の逆転)では、各楔状空間部49でローラー46が前記解放状態となり、内外輪43,44間のトルク伝達が不能になる。
保持器45には、内輪回転時に遠心力を受ける各錘体48を、クラッチ径方向外側に移動するほど正転方向に移動させるように案内する、複数の錘作動面51が形成される。内輪43の外周で、各錘作動面51のクラッチ径方向内側に位置する部位には、錘体48のクラッチ径方向内側を入り込ませる複数の凹部52が形成される。
各凹部52の内面、凹部52の正転方向に隣接する外周カム面43b、錘作動面51、及び外輪44の内周円筒面44aに囲まれる部位は、ローラー46及び錘体48を移動可能に収容する収容空間部53とされる。収容空間部53の正転方向側は楔状空間部49とされる。
各収容空間部53に収容された錘体48の、錘作動面51に沿う移動方向の端部には、逆転方向に付勢されたローラー46の端部が当接する。これにより、特定の回転数以下では、各錘体48が、遠心力に抗するスプリング47の付勢力によって凹部52内に押し込まれる。
保持器45の軸方向両側面には、環状の保持プレート54が保持器結合部54aにより固定され、収容空間部53内のローラー46、錘体48及びスプリング47を脱落不能とする。
図6を参照し、各ローラー46は、錘体48から押圧されない状態では、スプリング47の付勢力によって収容空間部53の逆転方向側に押し込まれる。このとき、ローラー46の外周面は、外周カム面43b及び内周円筒面44aの少なくとも一方との間に隙間を形成する。この状態で、内輪43が正逆何れに回転しても、ローラー46が楔状空間部49で圧接されず、常に転動可能となる。すなわち、各ローラー46が、収容空間部53の逆転方向側に押し込まれた位置にあるときは、ワンウェイ作動する状態にない。
図7を参照し、内輪43側の回転により各錘体48に所定以上の遠心力が作用すると、各錘体48が錘作動面51に沿って外周側へ移動すると共に、対応するローラー46をスプリング47の付勢力に抗して正転方向へ移動させる。ローラー46は、正転方向へ所定量移動し、外周カム面43bの所定位置(ワンウェイ作動位置)に至ることで、楔状空間部49で外周カム面43b及び内周円筒面44aに接した状態となる。この状態で、内輪43が逆転方向に回転すると、ローラー46が楔状空間部49で圧接されて、非転動状態になる。
ここで、ローラー46が、収容空間部53の錘体48のクラッチ径方向外側への移動による押圧により、正転方向へ所定量移動して外周カム面43bの所定位置に至り、楔状空間部49で外周カム面43b及び内周円筒面44aに接した状態を、ワンウェイクラッチ40のワンウェイ作動状態という。また、ワンウェイ作動状態からさらに、外輪44に対する内輪43の逆転(又は内輪43に対する外輪44の正転)によって楔状空間部49にローラー46が圧接され非転動状態となり、内外輪43,44間のトルク伝達が可能になることを、ワンウェイクラッチ40のロック作動という。なお、外輪44に対する内輪43の正転(又は内輪43に対する外輪44の逆転)では、前記ワンウェイ作動状態か否かによらず、各楔状空間部49にローラー46が圧接されず、常に転動可能となり(ワンウェイクラッチ40がロック作動せず)、内外輪43,44間のトルク伝達が不能になる。
各ローラー46をスプリング47の付勢力に抗してワンウェイ作動状態となる位置まで移動させるほどの遠心力が各錘体48に作用しない場合(クラッチアウター21aの回転停止時及び低速回転時に相当)には、ワンウェイクラッチ40がワンウェイ作動状態にならず、外輪44に対する内輪43の逆転(又は内輪43に対する外輪44の正転)であっても楔状空間部49にローラー46が圧接されず、常に転動可能となり、内外輪43,44間のトルク伝達が不能になる。
錘体48及びこの移動を導く内輪43の凹部52、スプリング47及びこれを保持する保持器45、そしてローラー46は、内輪43の回転速度に応じてワンウェイクラッチ40のロック作動を制限するロック作動制限装置47Aを構成するといえる。
(ワンウェイクラッチの第二実施形態)
次に、上記ワンウェイクラッチ40の第二実施形態(ワンウェイクラッチ140)について、図8、図9を参照して説明する。前記実施形態の構成に対応するものには同一符号を付して詳細説明は省略する。
ワンウェイクラッチ140において、その保持器145は、内外輪43,44間のトルク伝達要素である複数のウェイト本体146を、クラッチ周方向で等間隔かつ揺動可能に支持し、内輪43の回転による遠心力を受けた各ウェイト本体146を楔状空間部49に向けて揺動させる。すなわち、ウェイト本体146は、内外輪43,44間に圧接されるトルク伝達要素と遠心力を受けて作動する錘体とを兼ねるものといえる。
各ウェイト本体146は、クラッチ内周側かつ正転方向に傾斜して延びる揺動アーム146aを一体に有する。揺動アーム146aの先端部146bは、保持器145に揺動可能に支持される。揺動アーム146aの先端部146bには、ウェイト本体146を楔状空間部49から逆転方向へ離脱する側に付勢する複数のトーションコイルスプリング(以下、単にスプリングという。)147が装着される。保持器145は内輪43と一体回転可能であり、この保持器145と共に複数のウェイト本体146及びスプリング147も内輪43と一体的に回転する。
各ウェイト本体146は、クラッチアウター21aの回転停止時又は低速回転時等、所定以上の遠心力が作用しない状態では、スプリング147の付勢力によって対応する凹部52内に押し込まれる。このとき、各ウェイト本体146は楔状空間部49から離脱し、外周カム面43b及び内周円筒面44aとの間に隙間を形成する。この状態で、内輪43が正逆何れに回転しても、ウェイト本体146が楔状空間部49で外周カム面に接せず、ワンウェイ作動状態にならない。
各ウェイト本体146に所定以上の遠心力が作用すると、各ウェイト本体146が対応する楔状空間部49に向けて揺動し、外周カム面43b及び内周円筒面44aに接した状態になる(ロック作動)。
この状態では、外輪44に対する内輪43の逆転(又は内輪43に対する外輪44の正転)によってウェイト本体146が楔状空間部49で圧接し、内外輪43,44間のトルク伝達が可能になる。なお、外輪44に対する内輪43の正転(又は内輪43に対する外輪44の逆転)では、回転速度によらず、楔状空間部49にウェイト本体146が圧接せず、内外輪43,44間のトルク伝達が不能になる。
ウェイト本体146、揺動アーム146a、スプリング147及びこれを保持する保持器145は、内輪43の逆転速度に応じてワンウェイクラッチ140のロック作動を制限するロック作動制限装置147A(ロック作動制限装置47Aの第二実施形態)を構成する。本実施形態では、前記したように、ウェイト本体146が、第一実施形態の錘体48及びローラー46の両方の機能を有するといえる。
(ECU)
図3に示すように、ECU60は、ACGスターター27の駆動及び発電を制御するモータードライブ回路61と、エンジン1の自動停止(アイドルストップ)を行うアイドルストップ制御部62と、アイドルストップ直後にACGスターター27の逆転駆動によるクランクシャフト9の逆転(スイングバック)を行うスイングバック制御部63と、を有する。
ECU60には、ローター角度センサー28の他、スロットルボディ18のスロットルバルブ(不図示)の開度を検出するスロットルセンサー31、車輪の回転速度から車速を検出する車速センサー32、エンジン1の暖気状態として油温を検出する温度センサー33、前記バッテリーの充電状態としてバッテリー電流及び電圧を検出するバッテリーセンサー34、が接続される。ローター角度センサー28は、クランク回転数及び回転角度を検出するクランク角センサーを兼ねる。
ECU60には、ACGスターター27の他に、点火プラグ17を含む点火装置35、スロットルボディ18のインジェクタ18aを含む燃料噴射装置36、が接続されると共に、アイドルストップ制御を行うか否かを乗員に選択させるアイドルストップスイッチ37、アイドルストップ制御の選択時やアイドルストップ時に点灯するインジケーター38、が接続される。
モータードライブ回路61は、例えばパワーFET(Field Effect Transistor)を含み、ACGスターター27が発生する三相交流を全波整流すると共に、ACGスターター27を駆動する際には前記バッテリーの電力を調圧して供給する。
アイドルストップ制御部62は、アイドルストップ制御の選択時において、エンジン1の自動停止許可条件が整ったときには、点火プラグ17の点火及びインジェクタ18aの燃料噴射を停止してエンジン1を自動停止させる(アイドルストップ)。
その後、アイドルストップ制御部62は、エンジン1の再始動許可条件が整ったときに、ACGスターター27を駆動させてエンジン1のクランキングを行うと共に、点火プラグ17の点火及びインジェクタ18aの燃料噴射を再開し、エンジン1を自動で再始動させる。ECU60は、前記バッテリーの充電状態がエンジン1の再始動を行うのに十分であると認められるときのみ、アイドルストップ制御を実施する。
(スイングバック制御部)
スイングバック制御部63は、アイドルストップ後のエンジン1の再始動性を向上させるために、ACGスターター27を逆転駆動させ、クランクシャフト9をアイドルストップ直前の圧縮上死点の手前(逆転時)となる回転角度まで逆転させる(スイングバック)。
スイングバック制御部63は、エンジン1の再始動時におけるクランクシャフト9の助走距離を伸ばし、圧縮上死点を乗り越えるための正転トルクが小さくて済む位置までクランクシャフト9を逆転させる。その後、アイドルストップ制御部62がACGスターター27を正転駆動させ、クランクシャフト9を改めて正転させると共に、点火装置35及び燃料噴射装置36を改めて作動させることで、エンジン1が再始動される。
スイングバック制御部63は、ステージ判定部64、ステージ通過時間検知部65、逆転制御部66及びデューティー比設定部67を有する。
ステージ判定部64は、ローター角度センサー28の出力信号に基づいて、クランクシャフト9の一回転をステージ#0〜#35の36ステージに分割し、ローター角度センサー28が点火パルサーとして発生するパルス信号の検知タイミングを基準ステージ(ステージ#0)として現在のステージを判定する。
ステージ通過時間検知部65は、ステージ判定部64が新たなステージを判定してから次のステージを判定するまでの時間に基づいて、当該ステージの通過時間Δtnを検知する。
逆転制御部66は、ステージ判定部64による判定結果及びステージ通過時間検知部65により検知された通過時間Δtnに基づいて、ACGスターター27の逆転駆動指令を発生する。
デューティー比設定部67は、ステージ判定部64による判定結果に基づいて、モータードライブ回路61の各パワーFETに供給するゲート電圧のデューティー比を動的に制御する。
次いで、スイングバック制御部63の動作について、図10のフローチャート、及び図11の動作説明図を参照して説明する。
図11(a)は、クランクシャフト9を逆転するのに要するクランキングトルク(逆転負荷)とクランク角度との関係を示す。クランキングトルクは、圧縮上死点に至る直前(逆転時)で急に上昇する。図11(b)は、クランク角度とステージとの関係を示し、図11(c)は、逆転時におけるクランクシャフト9の角速度の変化を示す。
図10を参照し、スイングバック制御部63は、まず、ステップS1でエンジン停止が検知されると、ステップS2,S3では、ステージ判定部64において既に判定されている現在のステージが参照される。ここで、現在ステージがステージ#0〜#11の何れかであればステップS4へ進み、ステージ#12〜#32の何れかであればステップS5へ進み、それ以外(すなわちステージ#33〜#35の何れか)であればステップS6へ進む。ステップS4,S6では、デューティー比設定部67において、駆動パルスのデューティー比が70%に設定され、ステップS5では、駆動パルスのデューティー比が80%に設定される。
このようなデューティー比の動的制御は、クランクシャフト9の逆転時、クランクシャフト9の角速度を、クランキングトルクが増大する圧縮上死点相当角の手前(逆転時)で十分に低下させると共に、それ以外の角度では素早い逆転駆動を可能にするために行われる。
ステップS7では、モータードライブ回路61が、ステップS4〜S6の何れかで設定されたデューティー比で、各パワーFETを制御して逆転通電を開始する。ステップS8では、通過したステージ#nの通電時間Δtnが、ステージ通過時間検知部65により計測される。
その後のステップS9では、逆転制御部66において、クランクシャフト9がステージ#0(すなわち上死点近傍)を通過したか否かが判定される。ステージ#0を通過していなければ、ステップS11において、直前に通過したステージ#nの通過時間Δtnと、さらにその直前に通過したステージ#(n−1)の通過時間Δtn−1との比「Δtn/Δtn−1」(以下、通過時間比という。)が、基準値(本実施形態では4/3)と比較される。通過時間比「Δtn/Δtn−1」が前記基準値を上回っていなければ、ステップS2へ戻って逆転駆動が係属され、これと平行して上記した各処理が繰り返される。
ここで、エンジン停止位置すなわち逆転開始位置が、図11(c)に曲線Aで示すように、前回及び次回の圧縮上死点の間の中間位置(排気上死点)よりも次回の圧縮上死点に近い側、換言すれば、排気上死点を通過(正転時)してから圧縮上死点に至る過程にある場合には、ACGスターター27が70%のデューティー比で逆転駆動されているにもかかわらず、クランクシャフト9はステージ#0(排気上死点)を通過できる。
この通過がステップS9において検知されると、ステップS10へ進み、クランクシャフト9がステージ#32に到達したか否かが判定される。クランクシャフト9がステージ#32に到達したと判定されると、ステップS12において、前記逆転通電が停止されるので、その後、クランクシャフト9は慣性力でさらに逆回転した後に停止する。
一方、逆転開始位置が、図11(c)に曲線Bで示すように、前回及び次回の圧縮上死点の間の中間位置よりも前回の圧縮上死点に近い側、換言すれば、圧縮上死点を通過(正転時)してから排気上死点に至る過程にある場合には、ACGスターター27が70%のデューティー比で逆転駆動されているので、図11(a)に示すように、逆転負荷がステージ#0に至る手前(逆転時)で上昇し、クランクシャフト9の角速度が低下する。そして、ステップS11において、通過時間比「Δtn/Δtn−1」が基準値である4/3以上と判定されると、ステップS12において前記逆転通電が停止され、これとほぼ同時にクランクシャフト9の逆転が停止する。
このように、本実施形態のスイングバック制御では、エンジン停止後の逆転駆動時に、クランクシャフト9が上死点相当角を通過したか否か、及びクランクシャフト9の角速度が低下したか否かを判定し、クランクシャフト9が逆転時に上死点を通過した場合は、その直後に逆転通電を終了し、クランクシャフト9の角速度が逆転負荷の増大により所定量低下した場合も、逆転通電を終了する。これにより、逆転開始位置にかかわらず、クランクシャフト9を前回の圧縮上死点の手前(逆転時)であって圧縮反力(シリンダ内圧)の低い位置まで戻すことができる。
さらに、本実施形態のスイングバック制御では、クランクシャフト9の角速度を、ACGスターター27のローター角度(ステージ)を検知するローター角度センサー28の出力に基づいて検知するので、クランクシャフト9の角度を検知するためのクランク角センサーを別途設ける必要がなく、部品点数を削減できる。
そして、エンジン1においては、機関停止後にクランクシャフト9を所定位置まで逆転させるスイングバック制御におけるクランクシャフト9の低速の逆転時に、ワンウェイクラッチ40,140におけるトルク伝達のためのロック作動を制限するロック作動制限装置47A,147Aを有することで、クランクシャフト9から機関出力部23への伝動経路に遠心クラッチ21及びワンウェイクラッチ40,140を有する既存の内燃機関の構成を大きく変えることなく、エンジンブレーキを利用可能とし、かつ遠心クラッチ21の機関出力部23側の被動部材(クラッチアウター21a)を用いたキックスターター16Aを装備可能としながら、ACGスターター27によるスイングバック制御を、ACGスターター27の逆転トルクのロスを抑えた上で実施することができ、機関再始動時のACGスターター27の始動トルク負荷を軽減することができる。
(ロック作動制限装置の第三実施形態)
次に、ECU60により作動制御される、第三実施形態のロック作動制限装置247Aについて説明する。前記実施形態と同一構成には同一符号を付して詳細説明は省略する。
先ず、図15、図16のワンウェイクラッチ40’は、前記ワンウェイクラッチ40に対し、錘体48を無くすと共に、凹部52の開放部分にリーフスプリング、ゴム板等からなる弾性板48’をクラッチ周方向に沿うように設置する。ローラー46は、弾性板48’上にある状態から内輪43の回転方向によって楔状空間部49を移動し、図15中左側に破線で示す位置にあるときには内外輪43,44に圧接せずに転動状態(解放状態)となり、図15中右側に実線で示す位置にあるときには内外輪43,44に圧接して非転動状態(ロック状態)となる。
ワンウェイクラッチ40’において、ローラー46が図15中左側に破線で示す位置にあるときに、後述する制限片257がローラー46のクラッチ径方向外側に摺接し、かつ外輪44との間に隙間を維持しながら差し込まれ、ローラー46が弾性板48’を凹部52内に撓ませつつクラッチ径方向内側に変位する。これにより、ローラー46が楔状空間部49の逆転方向側に保持される(ロック作動制限状態)。

次いで、図12、図13を参照し、制限片257有してこれを移動させてワンウェイクラッチ40’のロック作動を制限する、ロック作動制限装置247Aについて説明する。
ロック作動制限装置247Aは、スイングバック制御部63のロック作動制限部(不図示)が、ACGスターター27に対する逆転指示信号に対応する電気信号(図13中「スイングバック信号」)を感知したとき、前記ロック作動制限部により駆動され、ワンウェイクラッチ40’のロック作動を制限する。
ロック作動制限装置247Aは、前記ロック作動制限部により通電制御されるソレノイド255と、ソレノイド255への通電によるプランジャー255aの突出により作動する制限部材256と、プランジャー255a及び制限部材256間に渡るロッカーアーム256aと、を有する。
ソレノイド255は、右ケースカバー25内に支持され、プランジャー255aを左方に突出させる。ソレノイド255は、通電によりプランジャー255aを突出させるプッシュ型であり、プランジャー255aの先端部には、ロッカーアーム256aの入力端側が当接する。ロッカーアーム256aの出力端部は、制限部材256の左側面に当接する。制限部材256は、付勢部材258により左方に付勢される。ここでは、付勢部材258は、伝動筒21dの外周に隙間を有して伸縮自在に嵌め合わされるコイルスプリング258である。
図13中「ソレノイド入力」で示すように、ソレノイド255への通電信号は、前記「スイングバック信号」と共に「ON」になり、前記ロック作動制限部によりソレノイド255への通電がなされる。ソレノイド255に通電がなされると、ロッカーアーム256aが揺動してワンウェイクラッチ40’の左方に隣接して配置される制限部材256が右方へ移動する。制限部材256は、制限片257を右方に突出させて設けており、制限部材256が右方へ移動すると楔状空間部49に制限片257が差し込まれる。
制限片257は、図16のように前記移動体が逆転方向に押し込まれた状態で、楔状空間部49に差し込まれ、前記ローラー46の正転方向への移動(ワンウェイクラッチ40’がワンウェイ作動状態となる位置までの移動)を制限する。
制限片257は、楔状空間部49に差し込まれる際に前記ローラー46に摺接可能な傾斜辺257aを有し、差し込みを容易にしながら、すみやかなローラー46の移動を促進させることができる。
以上より、ロック作動制限装置247Aは、図13中「ロック作動」で示すように、前記「スイングバック」及び「ソレノイド入力」が「ON」のときには、ワンウェイクラッチ40’のロック作動を不可にし、「スイングバック」及び「ソレノイド入力」が「OFF」のときには、ワンウェイクラッチ40’のロック作動を可能にする。
なお、制限片257を、前記ローラー46が正転方向に押し込まれた状態(ワンウェイクラッチ40’のワンウェイ作動状態含む)で、楔状空間部49における前記ローラー46の正転方向側に差し込んだ場合でも、前記ローラー46に傾斜辺257aを摺接させつつ、前記ローラー46を逆転方向へ移動させ、上記同様、ワンウェイクラッチ40’のワンウェイ作動状態への変化を制限するものとしてもよい。
これにより、機械式のワンウェイクラッチのロック作動解除に用いるものとしてもよい。
このような構成によれば、前記ローラー46が内外輪43,44間で圧接されたロック状態においても、ACGスターター27への逆転指令信号に応じて前記ロック状態を適切に解除でき、ACGスターター27の逆転トルクのロス低減効果の確実性を高め、しかも細かな制御を可能にできる。ロック作動制限装置247Aを採用することで前記ロック作動制限装置47Aを無くすことも可能となるが、両ロック作動制限装置47A,247Aを併せて採用し、ソレノイド255への通電を抑える制御にしてもよい。すなわち、ワンウェイクラッチ40にロック作動制限装置247Aを適用してもよい。この場合、移動体(ローラー46)ではなく、錘体48の移動を制限するものとしてもよい。さらに、ワンウェイクラッチ140にロック作動制限装置247Aを組み合わせることも可能である。
(ロック作動制限装置の第四実施形態)
次に、第四実施形態のロック作動制限装置347Aについて、図14を参照して説明する。前記実施形態と同一構成には同一符号を付して詳細説明は省略する。
ロック作動制限装置347Aは、前記ロック作動制限部により通電制御される電磁石355と、電磁石355への通電により作動する制限部材356と、電磁石355及び制限部材356間に渡るロッカーアーム356aと、を有する。
電磁石355は、右ケースカバー25内に支持され、ロッカーアーム356aの入力端側に内蔵したマグネット356bの左方に隣接する。ロッカーアーム356aの出力端は、制限部材356の左側面に当接する。ロッカーアーム356aの先端部には、電磁石355の着磁により吸着可能なマグネット356bが内蔵される。
制限部材356は、ワンウェイクラッチ40’の左方に隣接して配置され、前記制限片257を右方に突出させる。制限部材356は、付勢部材258により左方に付勢され、ロッカーアーム356aの出力端部に左側面を当接させる。このロッカーアーム356aが、入力端側のマグネット356bを電磁石355から所定量離間させる。
この状態で、前記ロック作動制限部により電磁石355に通電がなされると、電磁石355の着磁によりマグネット356bが吸着され、ロッカーアーム356aが揺動して制限部材356が右方へ移動し、楔状空間部49に制限片257が差し込まれ、第三実施形態と同様、前記ローラー46が楔状空間部49の逆転方向側に保持される。第四実施形態でも、機械式のワンウェイクラッチのロック作動の解除に用いるようにしてもよい。
第四実施形態においても、ワンウェイクラッチ40,140に適用し、前記ロック作動制限装置47A,147Aを併用するものであってもよい。
図17は、本発明のワンウェイクラッチの作動制限の設定概念を示し、横軸をクランク軸の回転速度として、ワンウェイクラッチの作動制限のかかる領域と、スイングバックの回転速度と、キックによるクランク回転速度と、を示す。スイングバックの回転速度の幅は、クランクの位相等を考慮し、キックによるクランク回転速度の幅は、一般運転者のキックのばらつきも含めて想定したものである。なお、スイングバックは逆回転だが、遠心力を活用する回転作動型の場合は、正逆回転によらず、回転速度の絶対値によるので、横軸は、クランク軸の回転速度の絶対数値で設定概念を表している。
図17に示すように、スイングバックの回転速度域より上の回転速度で、かつキックスターター16Aの回転想定域内の回転速度にて、ワンウェイクラッチのロック作動の制限とワンウェイ作動状態とが切り替わるように設定される。
このように設定することにより、遠心式の発進クラッチを有する小型車両用の内燃機関に、キックスターターを装備するために、伝動軸上にワンウェイクラッチを設けたものであっても、始動電動機兼用の発電機装置を装着し、高効率のスイングバック制御を行うことができる。
第一実施形態及び第二実施形態では、キックスターターで始動するときには、キックスターター回転想定域のうち、ワンウェイ作動状態により上の回転速度域(実線で示す領域)でキック駆動を有効に働かせることができる。
また、第三実施形態及び第四実施形態においては、スイングバックを行っていないときには、ロック作動の制限を行わず、常時ワンウェイ作動状態とすることが、電気的制御により可能であり、キックスターター回転想定域のすべて(点線も含む領域)でキック駆動を有効に働かせることもできる。
なお、本発明は上記各実施形態に限られるものではなく、例えば、遠心クラッチ21及びACGスターター27の少なくとも一方がクランクシャフト9と同軸ではなく別軸に支持されてもよい。マニュアルトランスミッション4ではなく、有段式あるいは無段式のオートマチックトランスミッションを備えたエンジンに適用してもよい。
また、第三実施形態及び第四実施形態においては、ワンウェイクラッチ内に挿入される制限部材256,356を、機械式の遠心機構により移動させるものとしてもよい。
また、第一実施形態乃至第四実施形態においては、遠心クラッチ21のクラッチアウター21a側に、ワンウェイクラッチの内輪43が外嵌され、クラッチインナー21b側に、ワンウェイクラッチの外輪44が内嵌されているが、この配置に限定されず、遠心クラッチのクラッチインナー側にワンウェイクラッチの内輪が装着され、遠心クラッチのクラッチアウター側にワンウェイクラッチの外輪が装着されるものであってもよい。この場合において、第一実施形態及び第二実施形態の回転速度によるロック作動制限装置に該当するものは、外輪側に設けられて外輪の回転速度が所定速度以上になったときにロック作動を可能にする機構に置き換えられる。
自動二輪車に限らず三輪又は四輪の小型車両に適用してもよい。クランクケースの前方にシリンダを突出させたエンジンに限らずクランクケースの上方にシリンダを起立させたエンジンに適用してもよい。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1 エンジン(内燃機関)
9 クランクシャフト
9d 延長軸(伝動軸)
21 遠心クラッチ
21a クラッチアウター(被動部材)
23 機関出力部
27 ACGスターター(発電機装置)
40,40’,140 ワンウェイクラッチ
47A,147A,247A,347A ロック作動制限装置
43 内輪
43b 外周カム面
44 外輪
44a 内周円筒面
45 保持器
46 ローラー(移動体)
47,147 スプリング(付勢部材)
48 錘体
51 錘作動面
52 凹部
53 収用空間部(空間部)
146 ウェイト本体(移動体、錘体)
256,356 制限部材

Claims (6)

  1. 始動電動機兼用の発電機装置(27)と、クランクシャフト(9)から機関出力部(23)への伝動経路に設けられる遠心クラッチ(21)と、前記遠心クラッチ(21)の前記機関出力部(23)側の被動部材(21a)を前記伝動経路の伝動軸(9d)上に支持し、前記被動部材(21a)に対する前記伝動軸(9d)の正転時は前記被動部材(21a)にトルクを伝達せず、前記被動部材(21a)に対する前記伝動軸(9d)の逆転時は前記被動部材(21a)にトルクを伝達可能なワンウェイクラッチ(40,40’,140)と、を備える内燃機関(1)であって、
    機関停止後に前記クランクシャフト(9)を所定位置まで逆転させるスイングバック制御における前記伝動軸(9d)の逆転時に、前記ワンウェイクラッチ(40,40’,140)におけるトルク伝達のためのロック作動を制限するロック作動制限装置(47A,147A,247A,347A)を有することを特徴とする内燃機関。
  2. 前記ロック作動制限装置(47A,147A)は、前記スイングバック制御における前記伝動軸(9d)の逆転速度に応じて、前記ワンウェイクラッチ(40,140)のロック作動を制限することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記ロック作動制限装置(47A,147A)は、前記ワンウェイクラッチ(40,140)に組み込まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関。
  4. 前記ワンウェイクラッチ(40)は、内周円筒面(44a)を形成する外輪(44)と、ワンウェイを機能させる形状を形成する外周カム面(43b)を有する内輪(43)と、前記内周円筒面(44a)及び外周カム面(43b)間で圧接されて前記内外輪(43,44)間のトルク伝達を可能にする移動体(46)と、前記移動体(46)を前記内周円筒面(44a)及び外周カム面(43b)間の圧接位置から離脱する側へ付勢する付勢部材(47)と、を有し、さらに、前記内輪(43)の回転による遠心力を受けて前記移動体(46)を前記付勢部材(47)の付勢力に抗して押圧し、ワンウェイを機能させるべく外周カム面(43b)へ移動させる錘体(48)と、を有する回転作動型であり、
    前記ロック作動制限装置(47A)は、前記内外輪(43,44)間に設けられて前記移動体(46)、錘体(48)及び付勢部材(47)を所定位置に保持する保持器(45)を有し、前記保持器(45)には、前記錘体(48)の遠心作動を案内する錘作動面(51)が形成され、前記内輪(43)の外周には、前記移動体(46)のトルク伝達面でもある前記外周カム面(43b)に隣接する凹部(52)が形成され、
    前記移動体(46)及び錘体(48)は、前記外輪(44)の内周円筒面(44a)、前記保持器(45)の錘作動面(51)、前記内輪(43)の凹面、及び前記内輪(43)の外周カム面(43b)に囲まれた空間部(53)に収容されることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の内燃機関。
  5. 前記ロック作動制限装置(247A,347A)は、前記発電機装置(27)の逆転指示信号に対応する電気信号の感知により、前記ワンウェイクラッチ(40,40’,140)のロック作動を制限することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  6. 前記ワンウェイクラッチ(40,140)は、内周円筒面(44a)を形成する外輪(44)と、外周カム面(43b)を形成する内輪(43)と、前記内周円筒面(44a)及び外周カム面(43b)間に圧接されて前記内外輪(43,44)間のトルク伝達を可能にする移動体(46,146)と、前記移動体(46,146)を前記内周円筒面(44a)及び外周カム面(43b)間の圧接位置から離脱する側へ付勢する付勢部材(47,147)と、を有するものであって、
    前記ロック作動制限装置(247A,347A)は、前記発電機装置(27)の逆転指示信号に対応する電気信号の感知により、前記移動体(46,146)の圧接位置への移動を制限する制限部材(256,356)を、前記ワンウェイクラッチ(40,140)に対して抜き差しすることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関。
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