JP2008045562A - 自動二輪車 - Google Patents

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昭夫 矢ケ崎
Yoshiyuki Sekiya
義之 関谷
Jiro Shimizu
治郎 清水
Teruo Kihara
照雄 木原
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Abstract

【課題】後輪の前方に配置されるエンジンと、該エンジンのクランクケースに連なって後輪の一側方に延出される伝動ケースと、該伝動ケースの後部に軸支される後輪ならびに前記エンジンのクランク軸の一端部間に設けられて前記伝動ケース内に収納される伝動手段構とを有するパワーユニットの前部が、車体フレームに揺動可能に支承され、前記クランク軸の他端部に始動兼発電装置が連結される自動二輪車において、始動兼発電装置および後輪の干渉を、エンジンの種類に応じた設計変更ならびにホイールベースの延長を回避しつつ、確実に防止する。
【解決手段】始動兼発電装置18が、後輪WRの伝動ケース84とは反対側の側端よりも外方に配置されてクランク軸27に連結される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、後輪の前方に配置されるエンジンと、該エンジンのクランクケースに連なって後輪の一側方に延出される伝動ケースと、該伝動ケースの後部に軸支される後輪ならびに前記エンジンのクランク軸の一端部間に設けられて前記伝動ケース内に収納される伝動手段とを有するパワーユニットの前部が、車体フレームに揺動可能に支承され、前記クランク軸の他端部に始動兼発電装置が連結される自動二輪車に関する。
従来、車体フレームに揺動可能に支承されるパワーユニットが備えるエンジンのクランク軸に、始動兼発電装置が連結されたものが、特許文献1で知られている。
特開平8−175473号公報
ところで、始動兼発電装置は、エンジンの始動時に該エンジンのクランク軸を回転起動せしめるスタータモータとしての機能と、クランク軸の回転動力により駆動される発電機としての機能とを備えるものであるが、自動二輪車に搭載されるエンジンによっては、該エンジンの始動に必要なトルクが変化するので、始動兼発電装置のうちスタータモータの機能に必要な性能もエンジン毎に異なることになり、始動兼発電装置の外形もエンジンに応じて変化することになる。
一方、車体フレームにパワーユニットが揺動可能に支承されるタイプの自動二輪車では、後輪の前方に配置されるエンジンのクランク軸が後輪に近接している。このため始動兼発電装置の配置によっては、該始動兼発電装置および後輪の干渉を回避するようにパワーユニットの設計をエンジンの種類に応じて工夫する必要が生じたり、始動兼発電装置から離れるように後輪をより後方側に配置せざるを得ず、ホイールベースが延びてしまったりする。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、エンジンの種類に応じた設計変更ならびにホイールベースの延長を回避しつつ、始動兼発電装置および後輪の干渉を確実に防止するようにした自動二輪車を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、後輪の前方に配置されるエンジンと、該エンジンのクランクケースに連なって後輪の一側方に延出される伝動ケースと、該伝動ケースの後部に軸支される後輪ならびに前記エンジンのクランク軸の一端部間に設けられて前記伝動ケース内に収納される伝動手段とを有するパワーユニットの前部が、車体フレームに揺動可能に支承され、前記クランク軸の他端部に始動兼発電装置が連結される自動二輪車において、前記始動兼発電装置が、前記後輪の前記伝動ケースとは反対側の側端よりも外方に配置されて前記クランク軸に連結されることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記エンジンが4サイクルエンジンであることを特徴とする。
さらに請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の発明の構成に加えて、前記エンジンが、そのシリンダ軸線を略水平として搭載されることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、エンジンの種類にかかわらず、始動兼発電装置は後輪よりも外側方に配置されることになり、エンジンの種類に応じた設計変更ならびにホイールベースの延長を回避して、始動兼発電装置および後輪の干渉を確実に防止することができる。
ところで、4サイクルエンジンは、2サイクルエンジンに比べてシリンダ軸線に沿う方向でのシリンダヘッドの長さが大きく、4サイクルエンジンが搭載される自動二輪車ではホイールベースが2サイクルエンジン搭載の自動二輪車に比べて大きく設定されるものであり、また4サイクルエンジンの始動時に必要な起動トルクは2サイクルエンジンの起動トルクに比べて大きいので始動兼発電装置も大型化せざるを得ない。このため、上記請求項2記載の発明の構成に従って4サイクルエンジンを搭載した自動二輪車に上記請求項1記載の発明を適用することにより、エンジンの種類に応じた設計変更ならびにホイールベースの延長を回避して始動兼発電装置および後輪の干渉を確実に防止する効果を、より顕著に得ることができる。
さらに請求項3記載の発明によれば、エンジンの種類に応じた設計変更ならびにホイールベースの延長を回避して始動兼発電装置および後輪の干渉を確実に防止する効果を、より一層顕著に得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1ないし図14は本発明の第1実施例を示すものであり、図1はスクータ型自動二輪車の側面図、図2は図1の2−2線に沿うパワーユニットの断面図、図3は図2のエンジンおよびコンプレッサを拡大して示す断面図、図4は図3の4−4線拡大断面図、図5は吸気弁、排気弁および過給弁の開閉タイミングを示す線図、図6は図2の始動兼発電装置を拡大して示す断面図、図7は回転電機のコンミテータに関連する電気回路の構成を示す回路図、図8はコンミテータおよび各ブラシの接続状態を示す回路図、図9は図6の9−9線拡大断面図、図10は収容凹部内でウエイトローラが傾いた状態を示す図、図11はエンジンおよび回転電機の制御系を示す図、図12はエンジン始動時のスロットル開度、クランク軸回転数およびクランク軸の出力トルクを時間経過に応じて示す図、図13はアシストトルク付与時のモータ出力とエンジン回転数およびスロットル開度との関係を示す図、図14はアシストトルク付与時のスロットル開度、クランク軸回転数およびクランク軸の出力トルクを時間経過に応じて示す図である。
先ず図1において、スクータ型自動二輪車の車体フレームFは、前輪WFを懸架したフロントフォーク11を操向可能に支承したヘッドパイプ12、該ヘッドパイプ12から下方に延出するダウンチューブ13、ならびに該ダウンチューブ13の下端部に連設されて後方に延びるリヤフレーム14等を備える。該リヤフレーム14は、前端部がダウンチューブ13の下端に連結されて後方側に向けてほぼ水平に延びる一対の前部フレーム部14a…と、前部フレーム部14a…の後端から後上方に延びる一対の中間フレーム部14b…と、両中間フレーム部14b…の後端を相互に連結する後部フレーム部14cとを有して、平面視で略楕円状に形成されるものである。
車体フレームFは、運転者の足元を支持するフロアボード15aを有する車体カバー15により覆われるものであり、該車体カバー15の後部には、運転者が座るシート16が設けられる。
車体フレームFにおけるリヤフレーム14の中間フレーム部14b…には、パワーユニットPの前部が後輪WRの回転軸線を平行な軸線まわりに揺動可能に支承され、該パワーユニットPの後部に後輪WRが軸支される。
図2において、前記パワーユニットPは、後輪WRの前方に配置される水冷式の4サイクル単気筒エンジンEと、該エンジンEおよび前記後輪WR間に設けられる伝動手段17と、前記エンジンEに連結される始動兼発電装置18とを備える。
図3および図4を併せて参照して、エンジンEのシリンダブロック20は、該シリンダブロック20に設けられるシリンダ21の軸線が自動二輪車の前後方向に沿って略水平となるように配置されるものであり、シリンダブロック20に結合されるシリンダヘッド22と、前記シリンダ21に摺動自在に嵌合されるピストン23との間に燃焼室24が形成される。またピストン23は、コンロッド25およびクランクピン26を介して、後輪WRの回転軸線と平行な回転軸線を有するクランク軸27に連結されるものであり、該クランク軸27は、シリンダブロック20に一体に形成されるクランクケース28に第1および第2ボールベアリング29,30を介して回転自在に支承される。
シリンダヘッド22には、前記燃焼室24にそれぞれ連なる吸気ポート31、排気ポート32および過給ポート33が設けられる。吸気ポート31および排気ポート32をそれぞれ開閉する吸気弁34および排気弁35は、クランク軸27の回転軸線およびシリンダ21の軸線を含む平面への投影図上で略V字状に並ぶようにしてシリンダヘッド22に取付けられ、前記過給ポート33を開閉する過給弁36ならびに燃焼室24に臨む点火プラグ37が、前記吸気弁34および排気弁35の並列方向に略十字状に交わる方向で略V字状に並ぶようにしてシリンダヘッド22に取付けられる。而して吸気弁34、排気弁35および過給弁36は、吸気ポート31、排気ポート32および過給ポート33を閉じる方向にそれぞればね付勢される。
シリンダヘッド22には、クランク軸27の軸線と平行な軸線を有する動弁カム軸38の一端が第3ボールベアリング39を介して回転自在に支承されるとともに、該動弁カム軸38の長手方向中間部が第4ボールベアリング40を介して回転自在に支承されており、この動弁カム軸38には、第3および第4ボールベアリング39,40間に配置される吸気用および排気用カム41,42と、第4ボールベアリング40よりも外方に配置される過給用カム43とが設けられる。而して吸気用カム41および排気用カム42は、吸気用および排気用ロッカアーム44,45をそれぞれ介して吸気弁34および排気弁35にそれぞれ係合され、テーパ状に形成される過給用カム43は過給弁36に直接係合される。
前記第4ボールベアリング40とは反対側で過給用カム43に隣接する位置で動弁カム軸38には、被動スプロケット48が固定される。一方、クランク軸27において第2ボールベアリング30よりも外方側で前記被動スプロケット48に対応する位置には駆動スプロケット49が固定されており、駆動および被動スプロケット49,48には無端状のカムチェーン50が巻掛けられる。このような駆動スプロケット49、被動スプロケット48およびカムチェーン50により、クランク軸27の回転数の1/2の回転数で動弁カム軸38が回転駆動される。これにより吸気弁34、排気弁35および過給弁36は、図5で示すタイミングで開閉作動することになり、過給弁36は吸気弁34の閉弁着座直前に開弁する。
シリンダブロック20およびシリンダヘッド22には、前記駆動スプロケット49、被動スプロケット48およびカムチェーン50を収納せしめる収納室51が形成されており、動弁カム軸38の他端を臨ませる部分で収納室51に通じてシリンダヘッド22に設けられる開口部52は蓋部材53で閉じられる。またクランク軸27を臨ませた部分で収納室51に通じる開口部54がクランクケース28に設けられ、この開口部54は始動兼発電装置18で閉塞される。
また収納室51内において、クランク軸27の駆動スプロケット49および第2ボールベアリング30間には駆動ギヤ55が固定されており、該駆動ギヤ55により、図示しないオイルポンプが駆動される。
ところで、前記吸気ポート31および排気ポート32には、エアクリーナ56および気化器57を含む吸気装置58(図1参照)および排気装置(図示せず)がそれぞれ接続されるのであるが、過給ポート33には往復動型のコンプレッサ60が接続される。このコンプレッサ60は、動弁カム軸38で駆動されるものであり、収納室51の前記開口部52を閉塞するようにしてシリンダヘッド22に結合される蓋部材53の外側方に隣接配置される。
前記コンプレッサ60は、エンジンEにおけるシリンダ21の軸線と平行に延びるシリンダ孔61を有するシリンダ体62と、前記シリンダ孔61の両端を閉じるようにしてシリンダ体62に結合される第1および第2ポンプシリンダヘッド63,64と、第1ポンプシリンダヘッド63との間に第1ポンプ室65を形成するとともに第2ポンプシリンダヘッド64との間に第2ポンプ室66を形成してシリンダ孔61に摺動自在に嵌合されるポンプピストン67とを備える。
シリンダ体62の軸方向中間部には、エンジンEにおける動弁カム軸38と同軸の回転軸線を有するポンプクランク軸68が第5および第6ボールベアリング69,70を介して回転自在に支承されており、該ポンプクランク軸68の一端は、シリンダ体62および蓋部材53を回転自在に貫通し、収納室51内で動弁カム軸38の他端に同軸にかつ相対回転不能に連結される。すなわちポンプクランク軸68は、動弁カム軸38とともに回転するものであり、蓋部材53およびポンプクランク軸68間には環状のシール部材71が設けられる。
ポンプクランク軸68にはコンロッド72を介して前記ポンプピストン67が連結されるものであり、該ポンプピストン67には、ポンプクランク軸68の回転に応じた該ポンプピストン67の往復作動に支障を来たすことがないようにして前記ポンプクランク軸68を貫通せしめる作動孔73が設けられる。
第1および第2ポンプシリンダヘッド63,64には、環状の吐出室74,75がそれぞれ設けられるとともに、それらの吐出室74,75で囲まれるようにして吸入室76,77がそれぞれ設けられており、両吐出室74,75は相互に連通され、また両吸入室76,77も相互に連通される。
両吸入室76,77は前記吸気装置58に連通されており、両吸入室76,77および両ポンプ室65,66間には、ポンプ室65,66が低圧となるのに応じて開弁する吸入弁(図示せず)が設けられる。また両吐出室74,75および両ポンプ室65,66間には、ポンプ室65,66が高圧となるのに応じて開弁する吐出弁(図示せず)が設けられ、両吐出室74,75の一方たとえば74に一端を通じさせた吐出導管78が両ポンプシリンダヘッド63,64間に設けられ、該吐出導管78の他端は、第2ポンプシリンダヘッド64に設けられる吐出通路79の一端に連通する。さらに前記開口部52を閉じる蓋部材53には、前記吐出通路79の他端に通じる通路80を形成する導管部81が一体に形成されており、該導管部81は、前記通路80の他端を過給ポート33に通じさせるようにしてエンジンEのシリンダヘッド22に気密に嵌合される。
このような往復動型のコンプレッサ60により、エンジンEの作動時に吸気弁34の閉弁着座直前に過給弁36が開弁するのに応じて、過給ポート33から燃焼室24に空気が押し込まれることになり、この結果、充填効率が向上してエンジンEの出力トルクが増大することになる。
再び図2において、エンジンEのクランクケース28には、自動二輪車の走行方向前方を向いた状態で後輪WRの左側方に延出される伝動ケース84が連結される。この伝動ケース84は、前記クランクケース28に結合されるケース主体85と、該ケース主体85との間に第1伝動室88を形成してケース主体85に左側から締結される左側カバー86と、前記ケース主体85との間に第2伝動室89を形成してケース主体85の右側後部に締結される右側カバー87とで構成される。
伝動ケース84におけるケース主体85の前部には、エンジンEにおけるシリンダブロック20の側方に配置されるようにして支持腕部90が突設されており、該支持腕部90が、車体フレームFにおけるリヤフレーム14の中間フレーム部14b…に揺動支持される。
後輪WRの車軸91は、伝動ケース84におけるケース主体85の後部および右側カバー87に回転自在に支承される。また図1に示すように、ケース主体85の後部と、車体フレームFのリヤフレーム14における中間フレーム部14bとの間にはリヤクッション92が設けられる。
エンジンEおよび前記後輪WR間に設けられる伝動手段17は、第1伝動室88に収納されるVベルト式の無段変速機構93と、該無段変速機構93および車軸91間に設けられる減速ギヤ列94とを備える。
無段変速機構93は、クランク軸27の一端に連結される駆動側伝動プーリ95と、クランク軸27と平行な軸線を有してケース主体85の後部および右側カバー87に回転自在に支承される被動軸96に遠心クラッチ97を介して装着される被動側伝動プーリ98と、両伝動プーリ95,98に巻掛けられる無端状のVベルト99とを備える。
駆動側伝動プーリ95は、クランク軸27に固定される固定プーリ半体95aと、クランク軸27に軸方向摺動可能に装着される可動プーリ半体95bとで構成される。両プーリ半体95a,95b間には、V字状の環状溝100が形成され、該環状溝100にVベルト99が挿入される。また可動プーリ半体95aの背面側でクランク軸27にはランププレート101が固着され、可動プーリ半体95aおよびランププレート101間には複数のウエイトローラ102が浮動状態で収容される。而してクランク軸27の回転数が増大すると、遠心力を受けるウエイトローラ102がクランク軸27の半径方向外方に移動して可動プーリ半体95aを固定プーリ半体95bに近接させる。それにより両プーリ半体95a,95bへのVベルト99の接触半径が大きくなる。
一方、被動側伝動プーリ98は、被動軸96に遠心クラッチ97を介して連結されて被動軸96に回転自在に支承される支持筒103と、該支持筒103に一体に形成される固定プーリ半体98aと、該固定プーリ半体98aに対する近接離反を可能として支持筒103に支承されるとともに固定プーリ半体98aに近接する方向にばね付勢される可動プーリ半体98bとを備え、両プーリ半体98a,98b間に形成されるV字状の環状溝104にVベルト99が挿入される。而して可動プーリ半体98aは、駆動側伝動プーリ95へのVベルト99の接触半径が大きくなるにつれて、該Vベルト99の従動側伝動プーリ98へのVベルト99の接触半径が小さくなるように可動プーリ半体98bが軸方向に移動し、それによりクランク軸27および被動軸96間でのクランク軸27の回転に応じた無段変速が行なわれることになる。
伝動ケース84における左側カバー86にはキック軸106が回転自在に支承されており、該キック軸106の外端にキックペダル105(図1参照)が設けられる。また前記左側カバー86の内面側で、キック軸106およびクランク軸27間には、キックペダル105の踏込み操作に応じたキック軸106の動力をクランク軸27に伝達可能としたキック式始動装置107が設けられる。
減速ギヤ列94は、被動軸96および車軸91間に設けられて第2伝動室89に収納されるものであり、無段変速機構93における被動軸96の回転動力が減速ギヤ列94で減速されて後輪WRの車軸91に伝達される。
始動兼発電装置18は、回転電機110と、遠心ガバナ111とで構成される。この始動兼発電装置18は、エンジンEのクランク軸27の他端部すなわち伝動手段17の無段変速機構93が連結される側とは反対側のクランク軸27の端部に連結され、前記後輪WRの伝動ケース84とは反対側の側端よりも外側方に配置される。
回転電機110は、エンジンEに起動トルクを付与するスタータモータとしての機能を果す状態、エンジンEにアシストトルクを付与するアシストモータとしての機能を果す状態、ならびにエンジンEの動力で駆動される発電機としての機能を果す状態を切換可能であり、パワーユニットPは、エンジンEと、伝動手段17と、エンジンEの出力をアシストするモータ(回転電機110)とを備えたハイブリッド式に構成されることになる。
図6において、回転電機110は、クランク軸27の他端部に固定されるインナーロータ112と、該インナーロータ112を囲繞するアウターステータ113と、アウターステータ113に固定的に支持されるコンミテータ114と、該コンミテータ114およびインナーロータ112間に配置されるとともにコンミテータ114に近接する方向にばね付勢されるブラシ組立体115とを備える。 インナーロータ112は、ロータボス116の外周にマグネット117が設けられて成るものであり、クランク軸27の他端部に同軸に設けられたテーパ軸部27aがロータボス116に嵌合され、ロータボス116から突出したクランク軸27の端部にナット118が螺合されることにより、ロータボス116がクランク軸27の他端部に固定される。またロータボス116には、マグネット117を覆うロータカバー119が固着される。
アウターステータ113は、ステータコア120に、たとえば単相6極のコイル121が巻装されて成るものであり、ステータコア120は、ステータケース122に固着される。このステータケース122は、コイル21においてクランク軸27の軸線方向に沿ってステータコア120よりも内方側の部分、コンミテータ114およびブラシ組立体115を覆うようにして椀状に形成されており、エンジンEのクランクケース28に設けられた前記開口部54を該ステータケース122の端壁122aで閉塞するようにしてクランクケース28に締結される。クランク軸27は、ステータケース122における端壁122aの中央部を回転自在に貫通しており、前記端壁122aの内周部およびステータケース122の外周間には環状のシール部材123が設けられる。
コンミテータ114は、クランク軸27を緩やかに貫通せしめる貫通孔124aを中央部に有して合成樹脂等の非導電性材料により略円盤状に形成される整流子ホルダ124のブラシ組立体115に対向する面に、図7で示すように、環状の第1導電路125と、第1導電路125を同軸に囲繞する環状の第2導電路126と、第2導電路126の周囲に等間隔をあけてコイル121の極数に対応した個数たとえば6個の整流子片127…とが設けられて成るものであり、整流子ホルダ124は、ステータケース122における端壁122aの内面に近接して対向するように配置され、ステータコア119に固定的に支持される。
第1導電路125はバッテリ128のマイナス側端子に接続され、第2導電路126はリレースイッチ131を介してバッテリ128のプラス側端子に接続され、各整流子片127…は、アウターステータ113における各極のコイル121同士の接続点に接続される。
バッテリ128のプラス側およびマイナス側端子間には、リレーコイル132およびスタータスイッチ129が直列に接続されており、リレーコイル132および前記リレースイッチ131はスタータリレー130を構成する。すなわちスタータスイッチ129の導通に応じたリレーコイル132の励磁に応じてリレースイッチ131が導通する。
ブラシ組立体115は、インナーロータ112とともにクランク軸27の軸線まわりに回転すること、ならびにクランク軸27の軸線方向に往復移動することを可能としてコンミテータ114およびインナーロータ112間に配置される非導電材料製のブラシホルダ133を備える。このブラシホルダ133と、インナーロータ112のロータボス116との間には、クランク軸27を囲繞するコイル状のばね134が設けられており、該ばね134のばね力により、ブラシホルダ133すなわちブラシ組立体115は、コンミテータ114に近接する方向に付勢される。
図8を併せて参照して、ブラシホルダ133には、コンミテータ114の第1導電路125に常時摺接するマイナス側共通ブラシ135と、マイナス側共通ブラシ135に共通に接続されるとともにコンミテータ114の整流子片127…に摺接可能な3個のマイナス側個別ブラシ136…と、コンミテータ114の第2導電路126に常時摺接するプラス側共通ブラシ137と、プラス側共通ブラシ137に共通に接続されるとともにコンミテータ114の整流子片127…に摺接可能な3個のプラス側個別ブラシ138…とが、コンミテータ114側に向けてばね付勢されつつ保持される。
再び図6において、遠心ガバナ111は、インナーロータ112のロータボス116に一体に形成されることによりクランク軸27に固定される回転体140と、該回転体140に対向して配置される移動体141と、回転体140およひ移動体141間に介装される複数のウエイトローラ142…とを備える。
図9を併せて参照して、回転体140は、前記ブラシ組立体115とは反対側でロータボス116に一体に形成される。この回転体140の外端面すなわち前記ブラシ組立体115と反対側に臨む面には、クランク軸27と同軸である円筒部143と、該円筒部143を囲む円形の凹部144と、該凹部144の内周縁に開口して円筒部143の外面に面一に連なる環状溝145と、前記凹部144の周方向に等間隔をあけた複数箇所たとえば6箇所に配置される収容凹部146…とが設けられる。
円筒部143は、クランク軸24の他端に螺合されるナット118の挿入を可能とした内径を有するように形成されており、ナット118は円筒部143内でクランク軸27の他端に螺合される。
各収容凹部146…は、環状溝145から回転体140の半径方向に沿って延びるように形成されており、回転体140の半径方向に沿う外方側に向かうにつれて次第に浅くなるように、各収容凹部146…が形成される。
一方、移動体141は、クランク軸27の軸線方向に沿う摺動を可能として回転体140の環状溝145に嵌合されるガイド筒部147と、該ガイド筒部147の外端から半径方向外方に張り出して回転体140の凹部144に収容される円盤状の当接板部148とから成るものであり、該移動体141の当接板部148が回転体140に対向する。
一方、ブラシ組立体115におけるブラシホルダ133には、クランク軸27と平行な軸線を有して回転体140およびロータボス116を貫通する複数たとえば一対の連結軸149,149の一端が連結されており、移動体141における当接板部148に、それらの連結軸149,149の他端が連結される。したがって、当接板部148すなわち移動体141は、回転体140すなわちインナーロータ112に対する相対回転は不能であるが、クランク軸27の軸線方向に沿う回転体140に対する近接、離反移動は可能であり、ブラシホルダ133が固定のコンミテータ114に近接する方向にばね134で付勢されているので、移動体141も回転体140に近接する方向にばね付勢されることになる。
而して回転体140および移動体141の対向面の一方、この実施例では回転体140の移動体141への対向面の周方向に間隔をあけた複数箇所たとえば6箇所に設けられている収容凹部146…に、回転体140と、移動体141の当接板部148との間に介装されるようにして短円柱状のウエイトローラ142…が収容される。
このような遠心ガバナ111にあっては、クランク軸27および回転体140の回転に応じて各ウエイトローラ142…に作用する遠心力が増大するのに応じて、各ウエイトローラ142…は収容凹部146…内を回転体140の半径方向外方側に向けて移動することになり、各収容凹部146…の深さが、回転体140の半径方向に沿う外方に向うにつれて浅くなっているので、移動体141が各ウエイトローラ142…により回転体140から離反するように押される。それにより、クランク軸27の回転数がアイドル回転数以下に設定される所定回転数以上になると、ブラシ組立体115がコンミテータ114から離反して、各ブラシ135,136…,137,138…が、コンミテータ114の第1導電路125、第2導電路126および各整流子片127…から離反することになる。
而して、各ウエイトローラ142…の重量は、エンジンEの回転数がアイドル回転数よりも小さな所定回転数以上となったときに各ウエイトローラ142…に作用する遠心力により、各ブラシ135,136…,137,138…が、第1導電路125、第2導電路126および各整流子片127…から離反するように設定されていることに起因して、各ウエイトローラ142…の外径は比較的小さい。
上述のように各ウエイトローラ142…の外径が比較的小さい場合には、図10で示すように、ウエイトローラ142の両端と、収容凹部146の両内側面との間にわずかな間隙があるので、ウエイトローラ142が収容凹部146内で傾き易い。このようにウエイトローラ142が収容凹部146内で傾くと、ウエイトローラ142の両端外縁に面取り加工が施されていなかったり、面取り加工が施されていたとしても面取り部がテーパ状であったりした場合には、ウエイトローラ142の両端外縁が収容凹部146の内側面に噛込んでロックしてしまうことがある。そこで、ウエイトローラ142の両端外縁の噛込みによるロックの発生を回避するために、ウエイトローラ142…の両端外縁には、外方に膨らんだ円弧状の縦断面形状を有するよう円弧面142a…がそれぞれ形成される。
しかも各収容凹部146…内には、潤滑剤であるグリス150がそれぞれ充填される。
回転体140のブラシ組立体133と反対側の端面には、回転体140の外周よりも外方に突出するパルサーローター151が凹部144を塞ぐようにして締結され、該パルサロータ151の外方側に配置される冷却ファン152も前記パルサロータ151とともに回転体140に締結される。すなわち、パルサーローター151は、遠心ガバナ111の各収容凹部146…をほぼ密封するようにして、クランク軸27の外端に固定される。
一方、ステータケース122には、パルサーロータ151の外周に対向する回転数センサ153が取付けられており、該回転数センサ153により、クランク軸27すなわちエンジンEの回転数が検出される。
エンジンEおよび始動兼発電装置18は、図2の鎖線で示すシュラウド155で覆われるものであり、このシュラウド155には、始動兼発電装置18の前記冷却ファン152に対応した冷却風取入口156が設けられる。したがってクランク軸27の回転に応じた冷却ファン152の回転により、冷却風取入口156からシュラウド155内に冷却用の空気が取入れられ、その冷却用の空気でエンジンEおよび回転電機110が冷却される。しかもエンジンEのシリンダブロック20およびシリンダヘッド22に設けられるウォータージャケット157との間で冷却水の循環を行なうラジエータ158が、シュラウド155内での冷却ファン152からの冷却風の流通経路の途中に一部を臨ませるとともに残部をシュラウド155から突出させるようにして、始動兼発電装置18の前方側に固定配置される。
図11において、エンジンEにおける点火プラグ37に接続される点火装置161は、制御ユニット162で制御されるものであり、この制御ユニット162には、エンジンEの回転数を検出する回転数センサ153の検出値、スロットルグリップ163に付設されるスロットルセンサ164の検出値、エンジンEのアイドリングを許可または制限するためのアイドルスイッチ165からの信号、ならびに車速を検出する車速センサ166の検出値が入力される。
而して制御ユニット162は、自動二輪車の停止時すなわち車速センサ166による検出値が自動二輪車の停止状態を示すものであるときにエンジンEの作動を停止するとともに自動二輪車の停止状態からの発進時すなわち停止状態でのスロットルグリップ163の操作に応じてエンジンEを始動させるようにした停止発進モードと、エンジンEの始動時の暖機運転等を目的としてアイドリングを許可するアイドリング許可モードとを、前記アイドルスイッチ165の操作に応じて切換可能である。
また回転電機110には、通電制御回路167が設けられるものであり、制御ユニット162は、前記停止発進モードおよびアイドリング許可モードにかかわらずエンジンEの始動時に回転電機110をスタータモータとして機能させる始動制御モードと、前記停止発進モードおよびアイドリング許可モードでの自動二輪車の発進時に回転電機110をアシストモータとして機能させるアシスト制御モードと、前記停止発進モードおよびアイドリング許可モードにかかわらず自動二輪車の走行中に回転電機110を発電機として機能させる発電制御モードとの3つの制御モードを切換えて、前記通電制御回路167を制御する。
前記通電制御回路167は、図7で示すように、各極のコイル121同士の接続点ならびにバッテリ128のマイナス側端子間にそれぞれ介設される通電制御素子としてのFET(電界効果型トランジスタ)168…と、各極のコイル121同士の接続点ならびにバッテリ128のプラス側端子間にそれぞれ介設される通電制御素子としてのFET169…と、各FET168…,169…にそれぞれ並列接続されるダイオード170…,171…とを備える。
制御ユニット162の始動制御モードは、エンジン回転数がアイドル回転数よりも小さな所定回転数以下の状態、スタータスイッチ129が押されている状態、ならびにブラシ組立体115の各ブラシ135,136,137…,138…がコンミテータ114の第1導電路125、第2導電路126および各整流子127…にそれぞれ接触している状態のいずれかを検出しているときの制御モードであり、この制御モードでは、通電制御回路167における各FET168…,169…が遮断状態とされる。而してエンジンEの停止状態では、ブラシ組立体115が、各ブラシ135,136,137…,138…をコンミテータ114の第1導電路125、第2導電路126および各整流子127…にそれぞれ摺接させるようにコンミテータ114側に近接した位置となっており、回転電機110はブラシモータとして働くので、スタータスイッチ129の導通操作に応じたリレースイッチ131の導通により、アウターステータ113の各コイル121にバッテリ128からの電流が流れる。これによりインナーロータ112が回転し、クランク軸27にインナーロータ112から起動トルクが付与されることになる。
スタータモータとして機能する回転電機110からの起動トルク付与によりエンジンEが始動し、そのエンジンEの回転数が前記所定回転数以上になると、遠心ガバナ111が、各ブラシ135,136,137…,138…をコンミテータ114の第1導電路125、第2導電路126および各整流子127…から離反させるようにブラシ組立体115を移動せしめることにより、回転電機110からエンジンEへの起動トルク付与が停止される。
停止発進モードでの自動二輪車の発進時におけるアシスト制御モードは、エンジン回転数がアイドル回転数NSよりも大きく設定される設定回転数NS以上のなった時点から所定時間TだけエンジンEにアシストトルクを付与するように、制御ユニット162が回転電機110を作動せしめるものである。このアシスト制御モードでは、回転数センサ153およびスロットルセンサ164の検出値に基づいて、制御ユニット162は、通電制御回路167における各FET168…,169…の導通・遮断を制御し、これにより回転電機110がブラシレスモータとして働くことになる。
而して、図12(a)で示すように、停止発進モードで自動二輪車を発進せしめるべくスロットルグリップ163によりスロットル開度を増大したときに、図12(b)で示すように、エンジン回転数が設定回転数NS以上となった時点から設定時間Tが経過するまで回転電機110によりクランク軸27が回転駆動されることにより、斜線部で示すようにクランク軸27の回転数がエンジンEの回転数に上乗せして増大することになる。さらに図12(c)で示すように、回転電機110からのアシストトルクが斜線部で示すように上乗せされることによりクランク軸27の出力トルクが増大することになる。
この際、アシストモータとして機能する回転電機110の出力トルクは、図13で示すように、スロットル開度の増大に応じてリニアに増大するように、エンジン回転数およびスロットル開度に応じて変化するものであり、そのように回転電機110の出力トルクが変化するように、通電制御回路167における各FET168…,169…の導通・遮断が制御ユニット162で制御される。
またアイドリング許可モードでの自動二輪車の発進時におけるアシスト制御モード時にあっても、制御ユニット162は、回転数センサ153およびスロットルセンサ164の検出値に基づいて制御ユニット162は、通電制御回路167における各FET168…,169…の導通・遮断を制御する。
これにより、図14(a)で示すように、アイドリングによる暖機後に自動二輪車を発進せしめるべくスロットルグリップ163によりスロットル開度を増大すると、図14(b)で示すように、エンジン回転数が設定回転数NS以上となった時点から回転電機110でクランク軸27が回転駆動されることにより、斜線部で示すようにクランク軸27の回転数がエンジンEの回転数に上乗せして増大することになり、さらに図14(c)で示すように、回転電機110からのアシストトルクが斜線部で示すように上乗せされることによりクランク軸27の出力トルクが増大することになる。
このようにして、回転電機110は、始動制御モードでは、ブラシモータであるスタータモータとして機能し、アシスト制御モードでは、ブラシレスモータであるアシストモータとして機能することになる。而してスタータモータに要求されるトルクは比較的大きいものであり、ブラシモータを用いることにより、大電流をコイル121に流して大きなトルクを回転電機110が出力することが可能である。また車両の発進時にアシストモータに要求されるトルクは比較的小さくてすみ、エンジン回転数およびスロットル開度に応じた微妙な出力制御が要求されるので、回転電機110をブラシレスモータとして用いることにより、大電流に耐える必要のない安価な通電制御素子、この実施例ではFET168…,169…を用いることが可能となる。また上記ブラシレスモータは、その起動のために絶対角度を検出可能な回転センサが一般的に必要であるが、エンジンEの回転状態で回転電機110をブラシレスモータとして機能させるので、基準角度の検出が容易であり、上記回転センサの構造を簡略化することができる。
ところで、スタータモータとしてブラシレスモータを用いたときには、通電制御素子として大電流に耐える高価な素子が必要となり、またアシストモータとしてブラシモータを用いた場合には、モータが頻繁にオン・オフを繰返すのでブラシの摩耗によるメンテナンスが煩雑となる。
発電制御モードは、エンジンEが設定回転数NS以上の回転数で回転している状態でアシスト制御モードではない状態に実行されるものであり、この発電制御モードにおいて制御ユニット162は、先ずバッテリ128のプラス側接続端子に接続されているFET169…を遮断した状態で、バッテリ128のマイナス側接続端子に接続されているFET168…を導通せしめる。これにより、図7の実線矢印で示すように、コイル121の発電電圧が昇圧されることになる。次いで、制御ユニット162は、バッテリ128のプラス側接続端子に接続されているFET169…を遮断したままマイナス側接続端子に接続されているFET168…を遮断する。そうすると、図7の破線矢印で示すように、コイル121で昇圧された発電電圧でバッテリ128が充電されることになる。
この発電制御モードにおいて、制御ユニット162は、バッテリ128の電圧に応じてFET168…の通電・遮断の間隔比すなわちデューティ比を制御する。すなわちバッテリ128の電圧が所定電圧未満のときには、前記デューティ比を大きくして充電電流を大とし、バッテリ128の電圧が所定電圧以上のときには、前記デューティ比を小さくして充電電流を絞るように、FET168…の通電・遮断の間隔比が制御ユニット162で制御される。
また制御ユニット162は、スロットル開度およびエンジン回転数に応じても、FET168…の通電・遮断の間隔比を制御する。すなわちスロットル戻しや、スロットル開度の全閉時には、デューティ比を大きくして発電量を増やすようにして、回転電機110が回生ブレーキとして働くように、制御ユニット162によりFET168…の通電・遮断の間隔比が制御される。
次にこの第1実施例の作用について説明すると、パワーユニットPは、エンジンEと、該エンジンEの出力を後輪WRに伝達する伝動手段17と、前記エンジンの出力をアシストする動力を発揮し得るスタータモータおよびアシストモータとして機能し得る回転電機110とを備えてハイブリッド式に構成されるのであるか、このようなパワーユニットPにおいて、回転電機110は、クランク軸27の前記伝動手段17とは反対側の端部に連結されている。すなわち、回転電機110がパワーユニットPの車体フレームFへの揺動支点に近い位置にあるクランク軸27に連結されることになり、ハイブリッド式であるパワーユニットPをリヤクッション92のばね下荷重の増大を回避して構成することができ、パワーユニットPのスイング性能に回転電機110が悪影響を及ぼすことがないようにして、自動二輪車の乗心地および操縦安定性を向上することができる。
またエンジンEおよび回転電機110の作動は制御ユニット162により制御され、この制御ユニット162は、車両停止時にエンジンEを停止するとともに車両発進時にエンジンEを始動させ、車両発進時にはアシストモータとして機能するように回転電機110を作動せしめるので、車両の停止・発進に応じてエンジンEの停止・始動が制御されることにより、無駄な燃料の消費や排ガスの放出を防止してエンジンEを効率的に作動せしめることができる。しかも車両の発進加速時にエンジン出力に回転電機110からのアシスト力を加えるようにして、車両を速やかに発進せしめることができる。
さらに前記回転電機110は、エンジンEの始動時に該エンジンEに起動トルクを付与するように制御ユニット162により制御されるので、回転電機110を、エンジンEの出力をアシストするアシストモータとしてだけでなく、スタータモータとしても用いることができる。
ところで、上記回転電機110は、遠心ガバナ111とともに始動兼発電装置18を構成するものであり、この始動兼発電装置18は、後輪WRの伝動ケース84とは反対側の側端よりも外方に配置されて、エンジンEのクランク軸27に連結されている。したがって、エンジンEの種類にかかわらず、始動兼発電装置18は後輪WRよりも外側方に配置されることになり、エンジンEの種類に応じた設計変更ならびにホイールベースの延長を回避して、始動兼発電装置18および後輪WRの干渉を確実に防止することができる。
ところで、エンジンEは4サイクルエンジンであり、2サイクルエンジンに比べてシリンダ軸線に沿う方向でのシリンダヘッド22の長さが大きく、4サイクルのエンジンEが搭載される自動二輪車ではホイールベースが2サイクルエンジン搭載の自動二輪車に比べて大きく設定され、しかも4サイクルのエンジンEの始動時に必要な起動トルクは2サイクルエンジンの起動トルクに比べて大きいので始動兼発電装置18も大型化せざるを得ない。しかるに、始動兼発電装置18が、後輪WRの伝動ケース84とは反対側の側端よりも外方に配置されるので、エンジンEの種類に応じた設計変更ならびにホイールベースの延長を回避して始動兼発電装置18および後輪WRの干渉を確実に防止する効果を、より顕著に得ることができる。
さらにエンジンEは、そのシリンダ軸線を略水平として自動二輪車に搭載されており、そのような自動二輪車では、エンジンEの種類に応じた設計変更ならびにホイールベースの延長を回避して始動兼発電装置18および後輪WRの干渉を確実に防止する効果を、より一層顕著に得ることができる。
上記始動兼発電装置18における遠心ガバナ111では、回転体140およひ移動体141間に介装される複数のウエイトローラ142…が、回転体140の移動体141への対向面の周方向に間隔をあけた複数箇所に設けられた収容凹部146…にそれぞれ収容されている。しかも各ウエイトローラ142…の重量は、エンジンEの回転数がアイドル回転数よりも小さな所定回転数以上となったときに各ウエイトローラ142…に作用する遠心力により、各ブラシ135,136…,137,138…が、第1導電路125、第2導電路126および各整流子片127…から離反するように設定されており、各ウエイトローラ142…の外径は比較的小さい。このため、ウエイトローラ142の両端と、収容凹部146の両内側面との間にわずかな間隙があることに起因して、ウエイトローラ142…が収容凹部146…内で傾き易いのであるが、各ウエイトローラ142の両端外縁全周に、外方に膨らんだ円弧状の縦断面形状を有する円弧部142a…が形成されている。この結果、ウエイトローラ142…が収容凹部146…内で傾いて、ウエイトローラ142…の両端外縁が収容凹部146…の内側面に接触したとしても、ウエイトローラ142…の両端外縁全周が外方に膨らんだ円弧状であるために、ウエイトローラ142…の収容凹部146…の内側面への接触面圧を比較的低くし、ウエイトローラ142…の両端外縁が収容凹部の内側面に接触して滑り易くすることができ、ウエイトローラ142…のロックによる遠心ガバナ111の作動不良が生じることを極力防止することができる。
しかも各収容凹部146…にグリス150が充填されているので、ウエイトローラ142…および収容凹部146…の内側面間がグリス150によって潤滑され、ウエイトローラ142…のロックによる作動不良の発生をより一層効果的に防止することができる。
さらに各収容凹部146…は、回転体140および移動体141を覆ってクランク軸27の外端に固定されるエンジン回転数検出用のパルサーロータ151でほぼ密封されており、パルサーロータ151以外の専用部品を用いることなく収容凹部146…を密封し、グリス150中に外部から塵埃が侵入することを防止して良好な潤滑状態を維持することができる。
図15は本発明の第2実施例を示すものであり、アウターステータ113のコイル121が三相に構成されていてもよく、この場合、通電制御回路167′は、各相のコイル121ならびにバッテリ128のマイナス側端子間にそれぞれ介設される3つのFET168…と、各相のコイル121ならびにバッテリ128のプラス側端子間にそれぞれ介設される3つのFET169…と、各FET168…,169…にそれぞれ並列接続されるダイオード170…,171…とで構成される。
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
たとえば、上記実施例では、発電制御モードにおいて、デューティ比によりバッテリ128の充電電圧を調整するようにししたが、従来のレギュレータを用いる構成としてもよく、この場合、各FET168…,169…を三相の整流器として用いることが可能である。
また上記実施例では、アウターステータ113におけるコイル121で、エンジンEの始動時の起動トルク、車両の発進時のアシストトルク、ならびに発電電圧を得るようにしたが、起動トルク、アシストトルクおよび発電電圧を、それぞれ別のコイルで得るようにしてもよく、また同一のコイルに中間タップを設けて起動トルク用、アシストトルク用および発電電圧用として用いるようにしてもよい。
第1実施例におけるスクータ型自動二輪車の側面図である。 図1の2−2線に沿うパワーユニットの断面図である。 図2のエンジンおよびコンプレッサを拡大して示す断面図である。 図3の4−4線拡大断面図である。 吸気弁、排気弁および過給弁の開閉タイミングを示す線図である。 図2の始動兼発電装置を拡大して示す断面図である。 回転電機のコンミテータに関連する電気回路の構成を示す回路図である。 コンミテータおよび各ブラシの接続状態を示す回路図である。 図6の9−9線拡大断面図である。 収容凹部内でウエイトローラが傾いた状態を示す図である。 エンジンおよび回転電機の制御系を示す図である。 エンジン始動時のスロットル開度、クランク軸回転数およびクランク軸の出力トルクを時間経過に応じて示す図である。 アシストトルク付与時のモータ出力とエンジン回転数およびスロットル開度との関係を示す図である。 アシストトルク付与時のスロットル開度、クランク軸回転数およびクランク軸の出力トルクを時間経過に応じて示す図である。 第2実施例の図7に対応した回路図である。
符号の説明
17・・・伝動手段
18・・・始動兼発電装置
27・・・クランク軸
28・・・クランクケース
84・・・伝動ケース
E・・・エンジン
F・・・車体フレーム
WR・・・後輪
P・・・パワーユニット

Claims (3)

  1. 後輪(WR)の前方に配置されるエンジン(E)と、該エンジン(E)のクランクケース(28)に連なって後輪(WR)の一側方に延出される伝動ケース(84)と、該伝動ケース(84)の後部に軸支される後輪(WR)ならびに前記エンジン(E)のクランク軸(27)の一端部間に設けられて前記伝動ケース(84)内に収納される伝動手段(17)とを有するパワーユニット(P)の前部が、車体フレーム(F)に揺動可能に支承され、前記クランク軸(27)の他端部に始動兼発電装置(18)が連結される自動二輪車において、前記始動兼発電装置(18)が、前記後輪(WR)の前記伝動ケース(84)とは反対側の側端よりも外方に配置されて前記クランク軸(27)に連結されることを特徴とする自動二輪車。
  2. 前記エンジン(E)が4サイクルエンジンであることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車。
  3. 前記エンジン(E)が、そのシリンダ軸線を略水平として搭載されることを特徴とする請求項2記載の自動二輪車。
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