JP2016183666A - 内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造、内燃機関、及び内燃機関の燃料噴射ノズルのシール方法 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造、内燃機関、及び内燃機関の燃料噴射ノズルのシール方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造において、冷却性能を維持しつつ、燃料噴射ノズルへの腐食性ガスの侵入を防止し、ガス侵入時によって生成される腐食性の凝縮水による腐食を防止して、シール部位が腐食に至らないようにすることができる、内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造等を提供する。
【解決手段】内燃機関のシリンダヘッド10側の第1シール面10sと、燃料噴射ノズル20側の第2シール面21sとの間で両者によって押圧されるガスケット30でシールして燃料噴射ノズル20を取り付ける内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造において、ガスケット30を耐食性材料で形成した第1部材と高熱伝導材料で形成した第2部材とで構成し、第1部材を第2部材よりも板厚を薄くすると共にビード31bを設けて形成して、第2部材の第2シール面21s側と第2部材の内周側を覆うように構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ディーセルエンジンなどの内燃機関で使用する、内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造、内燃機関、及び内燃機関の燃料噴射ノズルのシール方法に関する。
ディーゼルエンジンなどの内燃機関において、アルミ合金製のシリンダヘッドに配設される燃料噴射ノズルのガスシール用のガスケットにおいては、熱伝導による冷却性を考えて純銅製のガスケットが用いられている。
例えば、燃料噴射ノズルをエンジンに螺合固定するに際し、燃料噴射ノズルを所望の回転位置に位置させ、しかも所定の範囲の押圧力をもって固定するために、燃料噴射ノズルの下端部に押圧力によって弾性変形する突出部を設けて、この突出部がアルミニウムや銅などの燃料噴射ノズルを構成する材質よりも軟質の金属から形成されるシガスケットを介してリンダヘッドの突き当て面に押圧する燃料ノズルのシール構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、押え加重と燃料圧力による加重とによる弾性リングの「へたり」を抑えて、燃料噴射弁の保持状態と確実なシール性能とを保つために、調心リングを押え加重と燃料圧力による加重とを受けて燃料噴射弁を支持するステンレスなどの金属で形成される金属リング部分と、燃料噴射弁の取付け孔内外のシールを行うフッ素系のゴムで形成される弾性体リング部分とで構成した燃料噴射弁の固定構造が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、硫黄分の多い低質燃料を使用して高濃度の硫黄酸化物を含む燃焼ガスが発生する場合や、排気ガス浄化装置に酸化触媒装置を用いて高濃度のNOxを含む燃焼ガスが発生する場合などでは、排気ガス中の水分に硫黄酸化物や窒素酸化物が溶けて硫酸や硝酸が発生する。そして、内燃機関の運転中であっても、低回転・低負荷運転状態では、噴射ノズルの部分が硫酸や硝酸が結露する温度になり、この腐食性の凝縮水がガスケットに溜まることにより、ガスケットの純銅が溶出して、シール性能が低下してガス漏れなどの不具合が発生するという問題が生じる。
このガスケットの一部に腐食性の凝縮水が溜まる原因として、図8及び図9に示すように、平坦なリング状のガスケット40Xを使用した場合には、シリンダヘッド10への燃料噴射ノズル20の取付け時に、リテーニングナット21の締め付けにより、燃料噴射ノズル20を押し下げる荷重によって、ガスケット40Xの上面シール部の内側に陥没が起きて、つまり、ガスケット40Xの上面の一部が圧縮されて陥没部が局部的に発生し、そこに、凝縮水Wが溜まる。そのため、これを防止する構造を工夫したり、ガスケットの表面に防食性の高いメッキを施したりしているが、それでも不十分な状況にある。
特開平9−242647号公報 特開2010−127193号公報
本発明者は、上記の状況を鑑みて、図5及び図6に示すようなガスケット40Yを考えた。このガスケット40Yでは、押圧面部分を台形にして、リテーニングナット21の端部21eがガスケット40Yの押圧面よりも外側に配置されるように構成することにより、即ち、リテーニングナット21の押圧部分Biの範囲の中にガスケット40Yの押圧部分Bgが入るようにすることにより、ガスケット40Yにリテーニングナット21の角部である端部21eが当たらないようにして、局所的な陥没部が発生することを防止している。
しかしながら、このガスケット40Yにおいても、図7に示すように、リテーニングナット21による陥没部は生じないものの、ガスケット40Yの台形部分よりも内周側にスラッジが溜まり、この部分が腐食されて、この腐食がシリンダヘッド10側にも進行して減肉し、ガスケット40Yの台形の内周側が無くなってしまう。そして、ガスケット40Yのシール面及び垂直面には腐食性凝縮水Wは溜まり難くなるものの、今度は、腐食性凝縮水Wがガスケット40Yの内周側のシリンダヘッド10の棚部10aに溜まり、この棚部10aが腐食されてしまい、ガスケット40Yのシール性が悪化してしまうとの知見を本発明者は得た。
本発明の目的は、内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造において、燃料噴射ノズルにおける冷却性能を維持しつつ、燃料噴射ノズルへの腐食性ガスの侵入を防止し、ガス侵入時によって生成される腐食性の凝縮水による腐食を防止して、シール部位が腐食に至らないようにすることができる、内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造、内燃機関、及び内燃機関の燃料噴射ノズルのシール方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造は、内燃機関のシリンダヘッド側の第1シール面と、燃料噴射ノズル側の第2シール面との間で両者によって押圧されるガスケットでシールして前記燃料噴射ノズルを取り付ける内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造において、前記ガスケットを耐食性材料で形成した第1部材と高熱伝導材料で形成した第2部材とで構成し、前記第1部材を前記第2部材よりも板厚を薄くすると共にビードを設けて形成して、前記第2部材の前記第2シール面側と前記第2部材の内周側を覆うように構成される。
この構成によれば、第1部材に設けたビードにより、安定的にシール面圧を確保することができて、燃料噴射ノズルへの腐食性ガスの侵入を防止でき、また、ガスケットの主たる構成部材である高熱伝導性材料で形成した第2部材を耐食性材料で形成した第1部材を表面材として覆っているので、腐食性の凝縮水によるガスケットの腐食を防止できる。更に、第1部材を薄くすることにより、例えば、0.2mm程度の厚みの薄板で形成することにより、第1部材による熱伝導率の低さをカバーでき、燃料噴射ノズルにおける冷却性能の低下への影響を少なくすることができる。
上記の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造において、前記第1部材をステンレススチール、または、耐食性の良いメッキ鋼板で形成し、前記第2部材を、銅、アルミニウム、アルミニウム合金、銅合金、ベリリウム合金、モリブデン合金のいずれかで形成すると、ガスケットの高熱伝導材料で形成される第1部材に対して腐食性の凝縮水が触れる部分を耐食性材料で覆うことができるので、腐食性の凝縮水によるガスケットの腐食を防止できる。
上記の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造において、前記第1部材に関しては、前記第2シール面側において外周側から順に外周側平坦部、内周側に行くにつれて前記第2部材から離間する方向に傾斜する第1傾斜部、内周側平坦部、折り返し部、該折り返し部の先端側に連続する先端側平坦部を設け、前記第2部材に関しては、前記第1シール面側において少なくとも前記第1部材の前記先端側平坦部の一部を収容する段差部を設けて構成すると、燃料噴射ノズル側の第2シール面に内周側平坦部を当接することにより、第1傾斜部のビード及び折り返し部の弾性変形に起因する反発力(弾性力)により、安定的にシール面圧を確保することができて、燃料噴射ノズルへの腐食性ガスの侵入を防止できる。
上記の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造において、前記第1部材の前記折り返し部を前記燃料噴射ノズルの外周面に当接して、前記ガスケットと前記燃料噴射ノズルの前記外周面との間のシールを行うと、ガスケットの圧縮時に発生する折り返し部の内周方向への変形に起因する反発力(弾性力)により、燃料噴射ノズルとの嵌合締め付け力を弾力的に確保することができる。また、第2部材に段差を適当な幅と深さに設けることにより、第1部材の変形量を制御することができるので、燃料噴射ノズルとの嵌合締め付け力の大きさを適正な大きさに保つことが容易にできるようになる。
つまり、第1傾斜部の半ビードと折り返し部のカール形状により第2シール面とガスケットの上面との間のシール面圧を調整でき、折り返し部のカール形状と段差の形状により燃料噴射ノズルの外周面とガスケットの間のシール面圧を調整できる。言い換えれば、第2シール面側の第2部材の半ビードと内周側のカール形状による柔軟性の高い弾性力によって、燃料噴射ノズルの取付荷重による変形が第2シール面側のシールと内側のシールとにおける安定的シール面圧を確保することができる。
上記の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造において、前記第1部材において、前記折り返し部と前記先端側平坦部との間に、内周側に行くにつれて前記第2部材から離間する方向に傾斜する第2傾斜部を設けると、この第2傾斜部の半ビードにより、折り返し部の変形及びこの変形に起因するシール面圧を制御できるようになる。
そして、上記の目的を達成するための内燃機関は、上記の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造を備えたことを特徴とする内燃機関であり、上記の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造と同様の効果を奏することができる。
また、上記の目的を達成するための内燃機関の燃料噴射ノズルのシール方法は、内燃機関のシリンダヘッド側の第1シール面と、燃料噴射ノズル側の第2シール面との間で両者によって押圧されるガスケットでシールして前記燃料噴射ノズルを取り付ける内燃機関の燃料噴射ノズルのシール方法において、耐食性材料で形成した第1部材と、高熱伝導材料で形成した第2部材とで構成し、前記第1部材を前記第2部材よりも板厚を薄く形成し、前記第1部材で前記第2部材の前記第2シール面側と前記第2部材の内周側を覆うように構成した前記ガスケットを、前記第1シール面と前記第2シール面の間に挟み込むことを特徴とする方法である。
この方法によれば、第1部材に設けたビードにより、安定的にシール面圧を確保することができて、燃料噴射ノズルへの腐食性ガスの侵入を防止でき、また、ガスケットの主たる構成部材である高熱伝導性材料で形成した第2部材を耐食性材料で形成した第1部材を表面材として覆っているので、腐食性の凝縮水によるガスケットの腐食を防止できる。更に、第1部材を薄くすることにより、例えば、0.2mm程度の厚みの薄板で形成することにより、第1部材による熱伝導率の低さをカバーでき、燃料噴射ノズルにおける冷却性能の低下への影響を少なくすることができる。
また、上記の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール方法において、前記ガスケットの内周面を、前記燃料噴射ノズルの外周面に当接させた状態で、前記ガスケットを前記第1シール面と前記第2シール面との間に挟み込んで固定すると、ガスケットの内周面は燃料噴射ノズルの外周側に軽く当接した状態で軽圧入し、締め付け時の上下方向荷重によって、ガスケットが内径側にも延びて内径が小さくなることによって、燃料噴射ノズルの外周側に対して、ガスケットによる首絞め機能を高めることができるので、シール面圧を高くすることができる。
本発明の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造、内燃機関、及び内燃機関の燃料噴射ノズルのシール方法によれば、内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造において、燃料噴射ノズルにおける冷却性能を維持しつつ、燃料噴射ノズルへの腐食性ガスの侵入を防止し、ガス侵入時によって生成される腐食性の凝縮水による腐食を防止して、シール部位が腐食に至らないようにすることができる。
本発明に係る実施の形態の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造を模式的に示す図である。 本発明に係る実施の形態の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造で用いるガスケットとその周辺の構造を示す図である。 図2で用いたガスケットの構造を示す図である。 第2傾斜部を設けたガスケットの構造を示す図である。 先行技術としての比較例の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造を模式的に示す図である。 図5の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造で用いるガスケットとその周辺の構造を示す図である。 図5の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造における腐食の進行形態を模式的に示す図である。 従来技術としての内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造を模式的に示す図である。 図8の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造で用いるガスケットとその周辺の構造を示す図である。
以下、本発明に係る実施の形態の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造、内燃機関、及び内燃機関の燃料噴射ノズルのシール方法について、図面を参照しながら説明する。
この本発明に係る実施の形態の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造は、図1に示すように内燃機関のシリンダヘッド10側の第1シール面10sと、燃料噴射ノズル20側のリテーニングナット21の第2シール面21sとの間で両者によって押圧されるガスケット30でシールして燃料噴射ノズル10を取り付ける構造である。
この構造において、ガスケット30を、耐食性材料で形成した第1部材31と高熱伝導材料で形成した第2部材32とで構成し、この第1部材31を第2部材32よりも板厚を薄く形成して、第2部材32の第2シール面21s側と第2部材32の内周側を覆う。
この第1部材31は、ステンレススチール、または、耐食性の良いメッキ鋼板等の耐食性材料で形成し、第2部材32は、銅、アルミニウム、アルミニウム合金、銅合金、ベリリウム合金、モリブデン合金のいずれか等の熱伝導性の良い高熱伝導材料で形成する。これにより、ガスケット30の高熱伝導材料で形成される第1部材31に対して腐食性の凝縮水が触れる部分を耐食性材料で覆って、腐食性の凝縮水によるガスケット30の腐食を防止する。
また、図3に示すように、ガスケット30の形状に関しては、第1部材31に関しては、第2シール面21s側において、外周側から順に、外周側平坦部31a、内周側に行くにつれて第2部材32から離間する方向に傾斜する第1傾斜部31b、内周側平坦部31c、折り返し部31d、この折り返し部31dの先端側に先端側平坦部31eを設け、第2部材32に関しては、第1シール面10s側において少なくとも第1部材31の先端側平坦部31eの一部を収容する段差部32aを設けて構成する。なお、この折り返し部31dは、全体の厚さが厚くならないように、内側の第2部材32に設けた段差32aに入れて折り返し部31を逃げる構成にする。
これにより、燃料噴射ノズル20側の第2シール面21sに内周側平坦部31cを当接することにより、第1傾斜部31bのビード及び折り返し部31dの弾性変形に起因する反発力(弾性力)により、安定的にシール面圧を確保して、燃料噴射ノズル20への腐食性ガスの侵入を防止する。更に、折り返し部31dを設けて、結露による凝縮水を下側に流れ落ち易くしたので、ガスケットの表面を常時乾燥状態に保ち、シール部位が腐食に至らないようにすることができる。
また、別の形態のガスケットとして、図4に示すように、ガスケット30Aの第1部材31Aにおいて、折り返し部31dと先端側平坦部31eとの間に、内周側に行くにつれて第2部材32から離間する方向に傾斜する第2傾斜部31fを設ける。これにより、この第2傾斜部31fの半ビードにより、折り返し部31dの変形及びこの変形に起因するシール面圧を制御する。
なお、具体的な寸法を例示すると、図3に示すガスケット30において、燃料噴射ノズル20のシール部における外径は、5mmφ〜10mmφ程度であるが、この外径をD1とした時に、第1部材31においては、板厚t1は外径D1の1%〜5%程度で、外周側平坦部31aの幅B1は外径D1の5%〜35%程度で、第1傾斜部31bの幅B2は外径D1の5%〜50%程度で、内周側平坦部31cの幅B3は外径D1の5%〜50%程度で、折り返し部31dの半径R1は外径D1の5%〜35%程度で、先端側平坦部31eの幅B4は外径D1の10%〜50%程度である。また、内周側平坦部31cの離間距離S1は外径D1の2%〜20%程度である。また、図4に示すガスケット30Aの第1部材31Aにおいては、先端側平坦部31eの幅B6は、外径D1の5%〜20%程度で、第2傾斜部31fの幅B7は外径D1の10%〜30%程度である。
また、第2部材32においては、板厚t2は外径D1の10%〜50%程度で、図3に示す段差部32aの深さS2は第1部材31の板厚t1に外径D1の1〜4%程度を差し引いた深さで、図4に示す段差部32aの深さS3は第1部材31の板厚t1に外径D1の2%〜20%程度を加えた深さで、段差部32aの幅B5は外径D1の5%〜50%程度である。なお、第1部材31と第2部材32の外周面は同じ外径にしてもよいが、第1シール面10sの幅と第2シール面21sの幅にもよるので必ずしも同じ外径にする必要はない。
また、図2に示すように、第1部材31の折り返し部31dを燃料噴射ノズル20の外周面20sに当接して、ガスケット30Aと燃料噴射ノズル20の外周面20sとの間のシールを行うと、ガスケット30の圧縮時に発生する折り返し部31dの内周方向への変形に起因する反発力(弾性力)により、燃料噴射ノズル20との嵌合締め付け力を弾力的に確保することができる。また、第2部材32に段差32aを適当な幅B5と深さS2で設けることにより、第2部材32の変形量を制御することができるので、燃料噴射ノズル20との嵌合締め付け力の大きさを適正な大きさに保つことが容易にできるようになる。
つまり、第1傾斜部31bの半ビードと折り返し部31dのカール形状により第2シール面21sとガスケット30の上面との間のシール面圧を調整でき、折り返し部31dのカール形状と段差32aの形状により燃料噴射ノズル20の外周面20sとガスケット30の間のシール面圧を調整できる。言い換えれば、第2シール面21s側の第1部材31の半ビードと内周側のカール形状による柔軟性の高い弾性力によって、燃料噴射ノズル20の取付荷重による変形が第2シール面21s側のシールと内側のシールとにおける安定的シール面圧を確保することができる。
この構成の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造によれば、第1部材31に設けたビードとなる第1傾斜部31dにより、安定的にシール面圧を確保することができて、燃料噴射ノズル20への腐食性ガスの侵入を防止でき、また、ガスケット30、30Aの主たる構成部材である高熱伝導性材料で形成した第2部材32を耐食性材料で形成した第1部材31を表面材として覆っているので、腐食性の凝縮水によるガスケット30、30Aの腐食を防止できる。更に、第1部材31を熱伝導率の悪さを考慮して薄くすることにより、例えば、0.2mm程度の厚みの薄板で形成することにより、第1部材31による熱伝導率の低さをカバーでき、燃料噴射ノズル20における冷却性能の低下への影響を少なくすることができる。
また、第1傾斜部31bによるビードを設けているので、ガスケット30、30Aの上面のシール部と内径側圧入部の弾力性を確保することができる。
そして、本発明の実施の形態の内燃機関は、上記の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造を備えたことを特徴とする内燃機関であり、上記の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造と同様の効果を奏することができる。
また、本発明に係る実施の形態の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール方法は、内燃機関のシリンダヘッド10側の第1シール面10sと、燃料噴射ノズル20側の第2シール面21sとの間で両者によって押圧されるガスケット30、30Aでシールして燃料噴射ノズル20を取り付ける内燃機関の燃料噴射ノズルのシール方法である。そして、この方法において、耐食性材料で形成した第1部材31と、高熱伝導材料で形成した第2部材32とで構成し、第1部材31を第2部材32よりも板厚を薄く形成し、第1部材31で第2部材32の第2シール面21s側と第2部材32の内周側を覆うように構成したガスケット30,30Aを、第1シール面10sと第2シール面21sの間に挟み込む方法である。
この方法によれば、第1部材31に設けたビードとなる第1傾斜部31bにより、安定的にシール面圧を確保することができて、燃料噴射ノズル20への腐食性ガスの侵入を防止でき、また、ガスケット30、30Aの主たる構成部材である高熱伝導性材料で形成した第2部材32を耐食性材料で形成した第1部材31を表面材として覆っているので、腐食性の凝縮水によるガスケット30、30Aの腐食を防止できる。更に、第1部材31を薄くすることにより、例えば、0.2mm程度の厚みの薄板で形成することにより、第1部材31による熱伝導率の低さをカバーでき、燃料噴射ノズル20における冷却性能の低下への影響を少なくすることができる。
更に、ガスケット30、30Aの内周面を、燃料噴射ノズル20の外周面20sに当接させた状態で、ガスケット30、30Aを第1シール面10sと第2シール面21sとの間に挟み込んで固定すると、ガスケット30、30Aの内周面は燃料噴射ノズル20の外周面20sに軽く当接した状態で軽圧入し、締め付け時の上下方向荷重によって、ガスケット30、30Aが内径側にも延びて内径が小さくなることによって、燃料噴射ノズル20の外周面20sに対して、ガスケット30、30Aによる首絞め機能を高めることができるので、シール面圧を高くすることができる。
上記の構成の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造、内燃機関、及び内燃機関の燃料噴射ノズルのシール方法によれば、内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造において、燃料噴射ノズル20における冷却性能を維持しつつ、燃料噴射ノズル20への腐食性ガスの侵入を防止し、ガス侵入時によって生成される腐食性の凝縮水による腐食を防止して、シール部位が腐食に至らないようにすることができる。
10 シリンダヘッド
10a シリンダヘッドの棚部
10s 第1シール面
20 燃料噴射ノズル
20s 燃料噴射ノズルの外周面
21 リテーニングナット
21a 第2シール面の内周側端部
21e リテーニングナットの端部(第2シール面の端部)
21s 第2シール面
30、30A ガスケット
31、31A 第1部材
31a 外周側平坦部
31b 第1傾斜部
31c 内周側平坦部
31d 折り返し部
31e 尖端側平坦部
31f 第2傾斜部
32 第2部材
32a 段差
40X 従来技術の平坦なリング状のガスケット
40Y 先行技術のガスケット
B1 外周側平坦部の幅
B2 第1傾斜部の幅
B3 内周側平坦部の幅
B4、B6 先端側平坦部の幅
B5 段差部の幅
B7 第2傾斜部の幅
D1 燃料噴射ノズルのシール部における外径
R1 折り返し部の半径
S1 内周側平坦部の離間距離
S2 段差部の深さ
t1 第1部材の板厚
t2 第2部材の板厚
W 凝縮水

Claims (8)

  1. 内燃機関のシリンダヘッド側の第1シール面と、燃料噴射ノズル側の第2シール面との間で両者によって押圧されるガスケットでシールして前記燃料噴射ノズルを取り付ける内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造において、
    前記ガスケットを耐食性材料で形成した第1部材と高熱伝導材料で形成した第2部材とで構成し、
    前記第1部材を前記第2部材よりも板厚を薄くすると共にビードを設けて形成して、前記第2部材の前記第2シール面側と前記第2部材の内周側を覆うように構成したことを特徴とする内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造。
  2. 前記第1部材をステンレススチール、または、耐食性の良いメッキ鋼板で形成し、前記第2部材を、銅、アルミニウム、アルミニウム合金、銅合金、ベリリウム合金、モリブデン合金のいずれかで形成したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造。
  3. 前記第1部材に関しては、前記第2シール面側において外周側から順に外周側平坦部、内周側に行くにつれて前記第2部材から離間する方向に傾斜する第1傾斜部、内周側平坦部、折り返し部、該折り返し部の先端側に連続する先端側平坦部を設け、
    前記第2部材に関しては、前記第1シール面側において少なくとも前記第1部材の前記先端側平坦部の一部を収容する段差部を設けて構成したことを特徴とする請求項1または2に内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造。
  4. 前記第1部材の前記折り返し部を前記燃料噴射ノズルの外周面に当接して、前記ガスケットと前記燃料噴射ノズルの前記外周面との間のシールを行うことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造。
  5. 前記第1部材において、前記折り返し部と前記先端側平坦部との間に、内周側に行くにつれて前記第2部材から離間する方向に傾斜する第2傾斜部を設けたことを特徴とする請求項3又は4に記載の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール構造を備えたことを特徴とする内燃機関。
  7. 内燃機関のシリンダヘッド側の第1シール面と、燃料噴射ノズル側の第2シール面との間で両者によって押圧されるガスケットでシールして前記燃料噴射ノズルを取り付ける内燃機関の燃料噴射ノズルのシール方法において、
    耐食性材料で形成した第1部材と、高熱伝導材料で形成した第2部材とで構成し、前記第1部材を前記第2部材よりも板厚を薄くすると共にビードを設けて形成し、前記第1部材で前記第2部材の前記第2シール面側と前記第2部材の内周側を覆うように構成した前記ガスケットを、前記第1シール面と前記第2シール面の間に挟み込むことを特徴とする内燃機関の燃料噴射ノズルのシール方法。
  8. 前記ガスケットの内周面を、前記燃料噴射ノズルの外周面に当接させた状態で、前記ガスケットを前記第1シール面と前記第2シール面との間に挟み込んで固定する請求項7に記載の内燃機関の燃料噴射ノズルのシール方法。
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