JP2007239888A - シリンダヘッドガスケット - Google Patents
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Abstract
【課題】小さな締め付け圧力であっても長期にわたってシール性能を維持することができるシリンダヘッドガスケットを提供する。
【解決手段】シリンダボア孔18が形成された基板12を有し、シリンダブロックと該シリンダブロックに固定されるシリンダヘッドとの間に介在して適用されるシリンダヘッドガスケット10において、前記基板12の表面に前記シリンダボア孔18の周囲に沿う内側シール層14と該内側シール層14を取り囲む外側シール層16が積層され、前記外側シール層16が、ゴム材からなり、前記内側シール層14が、前記外側シール層16より耐熱性を有する弾性材からなることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】シリンダボア孔18が形成された基板12を有し、シリンダブロックと該シリンダブロックに固定されるシリンダヘッドとの間に介在して適用されるシリンダヘッドガスケット10において、前記基板12の表面に前記シリンダボア孔18の周囲に沿う内側シール層14と該内側シール層14を取り囲む外側シール層16が積層され、前記外側シール層16が、ゴム材からなり、前記内側シール層14が、前記外側シール層16より耐熱性を有する弾性材からなることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンにおけるシリンダブロックとシリンダヘッドの接合面をシールするために使用されるシリンダヘッドガスケットに関する。
自動車のエンジンのシリンダヘッドとシリンダブロックの接合面をシールする場合に、金属製のシリンダヘッドガスケットを間に挟持し、燃焼ガスや冷却水や潤滑油等をシールしている。
このシリンダヘッドガスケットは、エンジンの軽量化および製造コストの低減等の要請から、多数の金属基板を積層した積層タイプから、一枚や二枚の金属基板で構成する単純な構造のシリンダヘッドガスケットに移行しており、そのため、シール手段の種類、個数も制限され、比較的単純化したシール手段を使用せざるを得なくなってきている。
一方、エンジン構成部品の軽量化のためのアルミ合金材の採用が増加しており、エンジン各部の剛性は低下する傾向にあり、ガスケットを取り付けている関係部分の剛性も低下する傾向にある。ガスケット取り付け部の剛性が低下するとガスケットに発生しているシール面圧の不均一化が更に増大することにより、シール面圧の低い部分でシール性の維持が出来なって、漏れが生じるおそれがある。
これに対し、基板の表面にゴム層を被覆しシリンダボア孔の周囲においてゴム層が隆起した断面山形の環状ビードを形成することで、比較的小さな締め付け力でガスケット取り付け面の変形をカバーする圧縮性が得られるガスケットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような構成のガスケットでは、環状ビードが燃焼室の爆発により発生する熱の影響を直接受けることとなり環状ビードを構成するゴム材が劣化しやすく、長期間シール性能を維持するのが困難であるという問題がある。
特開2005−163864号公報
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、小さな締め付け圧力であってもシール部分の圧縮性を向上させてエンジン側の低剛性化による変形の増大に対処することができ、しかも、燃焼室から発生する熱による劣化が起こりにくいガスケットを提供することにある。
本発明のシリンダヘッドガスケットは、シリンダボア孔が形成された基板を有し、シリンダブロックと該シリンダブロックに固定されるシリンダヘッドとの間に介在して適用されるシリンダヘッドガスケットにおいて、前記基板の表面に前記シリンダボア孔の周囲に沿う内側シール層と該内側シール層を取り囲む外側シール層が積層され、外側シール層がゴム材からなり、前記内側シール層が、前記外側シール層より耐熱性を有する弾性材からなることを特徴とし、かかる発明において、内側シール層を構成する耐熱性を有する弾性材としてカーボンシートを用いてもよい。
上記の本発明によれば、シリンダボア孔の周囲に積層された内側シール層をカーボンシートなどの耐熱性を有する弾性材で構成することで、小さな締め付け圧力であってもシリンダボア孔の周囲のシール面圧が高くなりシール性が向上するとともに、燃焼室から発生する熱による劣化も起こりにくく、シール性能を長期にわたって維持することができる。
また、内側シール層を取り囲むようにゴム材からなる外側シール層が形成されているため、冷却水等をシールすることができるとともに、シール面圧の均一化を図ることができる。
さらにまた、基板表面に内側シール層と外側シール層を積層させるといった簡単な構成によりシリンダヘッドガスケットを形成することができるため、製造容易でありコスト安価に製造することができる。
上記した本発明において、前記外側シール層が、前記基板より隆起した第1頂部と、その両側に前記第1頂部より低い第2頂部を備える断面山形状をなしてもよく、これにより、小さな締め付け力であってもシール面圧が高くなりシール性能が向上するとともに、締め付け圧力に合わせて接触面積が変化しやすくシール面圧を均一に保つことができる。
上記した本発明において、外側シール層は、前記基板の表面に形成された凹溝内に形成されてもよく、これにより、シリンダヘッドガスケットが肉厚になりすぎるのを防ぐことができる。
本発明のシリンダヘッドガスケットによれば、小さな締め付け圧力であっても長期にわたってシール性能を維持することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかるシリンダヘッドガスケット10の平面図、図2および3は同シリンダヘッドガスケット10の部分断面図である。
シリンダヘッドガスケット10は、例えば、多気筒エンジンにおけるシリンダヘッドとシリンダブロックの間に介装され、両者との気密性を得てシール性を向上するものであって、エンジンのシリンダボアに対応するボア孔18と、締め付けボルトが挿通されるボルト孔20のほか、冷却水用孔13などが穿設されている基板12を主体としてなる。
この基板12は、例えば、SUS301等のステンレス鋼板やアルミニウム板等の金属板からなり、その表面に内側シール層14と外側シール層16が積層されている。この内側シール層14と外側シール層16は、弾性材からなり局部的なシール機能を発揮するものであって、内側シール層14が、外側シール層16より耐熱性を有する弾性材から構成されている。
詳細には、内側シール層14は、シリンダボア孔18を個別に囲むように配されたシール部材であって、シート状の膨張黒鉛であるカーボンシートからなる。外側シール層16は、内側シール層14全てを囲むように配されたシール部材であって、断面が山形状のニトリルゴム(NBR)などのゴム材からなる。
外側シール層16は、図2に示すように、基板12より突出した第1頂部22とその両側に第1頂部24より低い第2頂部24、24から構成され、第1頂部22と第2頂部24、24の間は第2頂部24、24より陥没した谷部26、26が形成されている。
以上のように、本実施形態のシリンダヘッドガスケット10では、シリンダボア孔18の周囲に積層された内側シール層14をカーボンシートといった耐熱性を有する弾性体によって構成することで、小さな締め付け圧力であってもシリンダボア孔の周囲のシール面圧が高くなりシール性が向上するとともに、燃焼室から発生する高熱にさらされた場合であっても劣化しにくく、シール性能を長期にわたって維持することができる。
また、内側シール層14を取り囲むようにゴム材からなる外側シール層16が形成されているため、冷却水等をシールすることができるとともに、シール面圧の均一化を図ることができる。
さらにまた、基板表面に内側シール層14と外側シール層16を積層させるといった簡単な構成によりシリンダヘッドガスケットを形成することができるため、製造容易でありコスト安価に製造することができる。
なお、上記構成のシリンダヘッドガスケット10は、基板12の厚さが肉薄である(例えば、0.5mm未満)であることが好ましく、これにより、基板12の剛性を低下させることなくシリンダヘッドガスケット10を構成することができる。
(変更例)
上記実施形態では、外側シール層16として断面形状が山形状のゴム材を基板12の表面に配設したが、これに代えて、図3に示すように、凹溝28内に設けられてもよい。すなわち、基板12の厚さが肉厚である(例えば、0.5mm以上)場合、内側シール層14全てを囲むように設けられた凹溝28内に底部28aから基板12の表面の高さを超える高さにまで突出するように外側シール層16を配設しても良く、これにより、過度にシリンダヘッドガスケット全体が肉厚になりすぎるのを防ぐことができる。
上記実施形態では、外側シール層16として断面形状が山形状のゴム材を基板12の表面に配設したが、これに代えて、図3に示すように、凹溝28内に設けられてもよい。すなわち、基板12の厚さが肉厚である(例えば、0.5mm以上)場合、内側シール層14全てを囲むように設けられた凹溝28内に底部28aから基板12の表面の高さを超える高さにまで突出するように外側シール層16を配設しても良く、これにより、過度にシリンダヘッドガスケット全体が肉厚になりすぎるのを防ぐことができる。
10…シリンダヘッドガスケット
12…基板
13…冷却水用孔
14…内側シール層
16…外側シール層
18…シリンダボア孔
20…ボルト孔
22…第1頂部
24…第2頂部
26…谷部
12…基板
13…冷却水用孔
14…内側シール層
16…外側シール層
18…シリンダボア孔
20…ボルト孔
22…第1頂部
24…第2頂部
26…谷部
Claims (4)
- シリンダボア孔が形成された基板を有し、シリンダブロックと該シリンダブロックに固定されるシリンダヘッドとの間に介在して適用されるシリンダヘッドガスケットにおいて、
前記基板の表面に前記シリンダボア孔の周囲に沿う内側シール層と該内側シール層を取り囲む外側シール層が積層され、前記外側シール層がゴム材からなり、前記内側シール層が前記外側シール層より耐熱性を有する弾性材からなることを特徴とするシリンダヘッドガスケット。 - 前記内側シール層が、カーボンシートからなることを特徴とする請求項1に記載のシリンダヘッドガスケット。
- 前記外側シール層が、前記基板より突出した第1頂部と、その両側に前記第1頂部より低い第2頂部を備える断面山形状をなしていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリンダヘッドガスケット。
- 前記外側シール層が、前記基板の表面に形成された凹溝内に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリンダヘッドガスケット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006063379A JP2007239888A (ja) | 2006-03-08 | 2006-03-08 | シリンダヘッドガスケット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006063379A JP2007239888A (ja) | 2006-03-08 | 2006-03-08 | シリンダヘッドガスケット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007239888A true JP2007239888A (ja) | 2007-09-20 |
Family
ID=38585627
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006063379A Pending JP2007239888A (ja) | 2006-03-08 | 2006-03-08 | シリンダヘッドガスケット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007239888A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101910689A (zh) * | 2008-06-21 | 2010-12-08 | 菲特尔莫古密封系统有限公司 | 平面密封件 |
-
2006
- 2006-03-08 JP JP2006063379A patent/JP2007239888A/ja active Pending
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