JP2016183212A - 研磨用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高剛性および高強度を有する樹脂を、高い研磨速度で研磨する手段を提供する。【解決手段】引張強度が49MPa以上でありかつ曲げ弾性率が2.4GPa以上である樹脂を含む研磨対象物を研磨するために用いられる研磨用組成物であって、砥粒と、分散媒と、を含み、前記砥粒の旧モース硬度が8以上であり、かつアンモニア昇温脱離法(NH3−TPD法)によって測定される前記砥粒の表面酸量が0.05mmol/g以上である、研磨用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、研磨用組成物に関する。
近年、LSIの高集積化、高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(以下、「CMP」とも略称する)法もその1つであり、LSI製造工程、特に多層配線形成工程において頻繁に利用される技術である。
また、このCMP法は、プラスチック材料の表面の研磨にも用いられ、CMP法を適用することにより、表面の欠陥が少ないプラスチック製品を得ることができる。このようなプラスチック製品の研磨技術として、例えば、特許文献1では、アリルジグリコールカーボネート樹脂のような低剛性の樹脂用の研磨用組成物として、水と、酸化アルミニウムと、研磨促進剤とを含み、pHが中性、弱酸性、または弱アルカリ性である研磨用組成物が提案されている。特許文献1に記載の技術によれば、低剛性の樹脂を高い研磨能率で研磨することができるとされている。
特開昭62−15282号公報
近年、軽量でありかつ高剛性および高強度を有する樹脂である、いわゆるエンジニアリングプラスチックが様々な分野で用いられるようになり、このエンジニアリングプラスチックに対して研磨を行うという新たな要求が出てきている。こうした要求に対して、従来何ら検討がされていなかった。
そこで本発明は、高剛性および高強度を有する樹脂を、高い研磨速度で研磨する手段を提供することを目的とする。
上記の新たな課題を解決すべく、本発明者は鋭意研究を積み重ねた。その結果、硬度および表面の酸量が特定の範囲にある砥粒と、分散媒と、を含む研磨用組成物を用いることにより、高剛性および高強度を有する樹脂を高い研磨速度で研磨することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、引張強度が49MPa以上でありかつ曲げ弾性率が2.4GPa以上である樹脂を含む研磨対象物を研磨するために用いられる研磨用組成物であって、砥粒と、分散媒と、を含み、前記砥粒の旧モース硬度が8以上であり、かつアンモニア昇温脱離法(NH−TPD法)によって測定される前記砥粒の表面酸量が0.05mmol/g以上である、研磨用組成物である。
本発明によれば、高剛性および高強度を有する樹脂を、高い研磨速度で研磨する手段が提供される。
本発明は、引張強度が49MPa以上でありかつ曲げ弾性率が2.4GPa以上である樹脂を含む研磨対象物を研磨するために用いられる研磨用組成物であって、砥粒と、分散媒と、を含み、前記砥粒の旧モース硬度が8以上であり、かつアンモニア昇温脱離法(NH−TPD法)によって測定される前記砥粒の表面酸量が0.05mmol/g以上である、研磨用組成物である。かような構成を有する本発明の研磨用組成物は、高剛性および高強度を有する樹脂を、高い研磨速度で研磨することができる。
本発明の研磨用組成物を用いることにより、高剛性および高強度を有する樹脂を高い研磨速度で研磨することが可能となる詳細な理由は不明であるが、以下のメカニズムによると推測される。
すなわち、本発明に係る砥粒は、その表面酸量が多く、電子を受容するルイス酸点を多く有している。このようにルイス酸点が多い砥粒を用いると、研磨対象物である高剛性および高強度を有する樹脂から電子を引っ張りやすくなり、その結果、研磨対象物である樹脂中の結合(特には、モノマー単位間の結合)が伸び、弱くなる。弱くなった結合は機械的に切断されやすくなり、研磨対象物である高剛性および高強度を有する樹脂は研磨されやすくなる。さらに、本発明に係る砥粒は、旧モース硬度が特定値以上であるため、高剛性および高強度を有する樹脂に対する研磨速度をより高めることができる。このような2つの特性の相乗効果により、本発明の研磨用組成物は、高剛性および高強度を有する樹脂をより高い研磨速度で研磨することができる。
なお、上記のメカニズムは推測によるものであり、本発明は上記メカニズムに何ら限定されるものではない。以下、本発明を詳細に説明する。
[研磨対象物]
本発明に係る研磨対象物は、引張強度が49MPa以上でありかつ曲げ弾性率が2.4GPa以上である樹脂を含む。なお、上記引張強度は、JIS K7161:1994に記載の方法により測定される値である。また、上記曲げ弾性率は、JIS K7171:2008に記載の方法により測定される値である。
このような特性を有する樹脂の例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、エポキシ樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリノルボルネン樹脂、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、超高分子量ポリエチレン(UHPE)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、非晶ポリアリレート(PAR)ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、フッ素樹脂、液晶ポリマー(LCP)等が挙げられる。これら樹脂は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
中でも、半導体パッケージを構成する素子や部材との密着性、低イオン不純物、低応力性、高耐熱性等の観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド(PI、例えば)、ポリアミド(PA)、エポキシ樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、およびポリノルボルネン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、上記樹脂は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、カオリン、タルク、ガラスビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト、窒化アルミニウム等の無機フィラー;ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、これらを構成するモノマーと他のモノマーとを共重合させて得られる共重合体、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ゴム微粒子等の有機フィラー;等を含んでもよい。
さらに、本発明に係る研磨対象物は、上記樹脂以外に、上記樹脂と異なる材料を含むものであってもよい。上記樹脂と異なる材料として、例えば、銅(Cu)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、ケイ素(Si)、窒化ケイ素(SiN)、二酸化ケイ素(SiO)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)等が挙げられる。
上記樹脂は、引張強度が55MPa以上100MPa以下で、かつ曲げ弾性率が2.6GPa以上6.0GPa以下であることが好ましい。本発明の研磨用組成物によれば、このようなより高剛性および高強度を有する樹脂であっても、高い研磨速度で研磨することができる。
[研磨用組成物]
<砥粒>
本発明に係る砥粒においては、旧モース硬度が8以上である。旧モース硬度が8未満の場合、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度が低下する。砥粒の旧モース硬度は、好ましくは9以上である。なお、本発明において、旧モース硬度は、砥粒と同じ組成を有するバルク体に対して、モース硬度計を用いて測定した値を採用する。
また、本発明に係る砥粒は、アンモニア昇温脱離(NH−TPD)法により求めた表面酸量が0.05mmol/g以上である。砥粒の表面酸量が0.05mmol/g未満の場合、砥粒表面のルイス酸点が少なくなり、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度が低下する。該砥粒のアンモニア昇温脱離(NH−TPD)法により求めた表面酸量は、好ましくは0.08mmol/g以上、より好ましくは0.10mmol/g以上である。
本発明において、NH−TPD法の具体的な測定方法は以下の通りである。すなわち、酸量測定の対象物(被測定体)を約0.5g、正確にはかり採り、被測定体を測定装置内に導入する。続いて、この測定装置内でヘリウムガスフローを300℃で120分間流して、被測定体に吸着水を取り除く。その後、測定装置内の温度を100℃まで下げ、100℃、0.1Mpa(1atm)の条件下で、アンモニア/ヘリウム=10%/90%の混合ガスを50ml/分で30分間流通させ、アンモニアを被測定体に吸着させる。続いて、流量50ml/分でヘリウムガスを流通させながら測定装置内の温度を10℃/分の昇温速度で100℃から600℃まで昇温し、その間に脱離するアンモニアをTCD(熱伝導度検出器)にて定量することにより測定できる。本発明における「酸量」とは、昇温中100℃から300℃の温度範囲内に脱離ピークを有する脱離アンモニアのモル数(mmol)を被測定体の質量(g)で除した値を指すものとする。
このような特性を有する砥粒の例としては、例えば、アルミナ、ジルコニア等が挙げられる。これら砥粒は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。中でも、本発明の効果をより容易に得るという観点から、砥粒はα−アルミナを主成分とするアルミナであることが好ましい。
上記アルミナは、α−アルミナを主成分として含む。上記アルミナは、α−アルミナ以外にも、例えばγ−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、η−アルミナ、κ−アルミナ、およびこれらの混合物等の中間アルミナを含んでいてもよい。ここで、「主成分」とは、最も含有量の多い成分であり、例えば含有量が50質量%以上の成分をいう。上記アルミナにおけるα−アルミナの含有量としては、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。このような含有量であれば、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度がより向上する。なお、上記アルミナにおけるα−アルミナの含有量は、α化率として測定する。該α化率は、X線回折測定による(113)面回折線の積分強度比から求められるものである。
本発明に係る砥粒の平均一次粒子径は、50nm以上であることが好ましく、80nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがさらに好ましい。砥粒の平均一次粒子径が大きくなるにつれて、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度が向上する利点がある。
また、本発明に係る砥粒の平均一次粒子径はまた、1000nm以下であることが好ましく、800nm以下であることがより好ましく、500nm以下であることがさらに好ましい。砥粒の平均一次粒子径が小さくなるにつれて、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面にスクラッチが生じるのを抑えることができる利点がある。なお、砥粒の平均一次粒子径の値は、例えば、BET法で測定される砥粒の比表面積に基づいて算出される。
本発明に係る砥粒の平均二次粒子径は、100nm以上であることが好ましく、150nm以上であることがより好ましく、200nm以上であることがさらに好ましい。砥粒の平均二次粒子径が大きくなるにつれて、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度が向上する利点がある。
また、本発明に係る砥粒の平均二次粒子径は、5000nm以下であることが好ましく、4000nm以下であることがより好ましく、3000nm以下であることがさらに好ましい。砥粒の平均二次粒子径が小さくなるにつれて、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面にスクラッチが生じるのを抑えることができる利点がある。なお、砥粒の平均二次粒子径の値は、例えば、レーザー光を用いた光散乱法で測定した砥粒の比表面積に基づいて算出される。
研磨用組成物中の砥粒の含有量は、0.001質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることがさらに好ましい。砥粒の含有量が多くなるにつれて、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度が向上する利点がある。
また、研磨用組成物中の砥粒の含有量は、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、18質量%以下であることがさらに好ましい。砥粒の含有量が少なくなるにつれて、スクラッチを低減できるという利点を有する。
[分散媒]
本発明の研磨用組成物は、分散媒を含む。分散媒としては、水を含むことが好ましい。さらに、不純物による研磨用組成物の他の成分への影響を防ぐ観点から、できる限り高純度な水を使用することが好ましい。具体的には、イオン交換樹脂にて不純物イオンを除去した後フィルタを通して異物を除去した純水や超純水、または蒸留水が好ましい。また、分散媒として、研磨用組成物の他の成分の分散性などを制御する目的で、有機溶媒などをさらに含んでもよい。
[酸化剤]
本発明の研磨用組成物は、さらに酸化剤を含むことが好ましい。酸化剤は、研磨対象物である高剛性および高強度を有する樹脂を加水分解または脆化する作用を有しており、これにより、研磨対象物の研磨速度をより向上させうる。
酸化剤の具体例としては、例えば、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム、有機酸化剤、オゾン水、銀(II)塩、鉄(III)塩、オルトバナジン酸鉄(III)、クロム酸、重クロム酸、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソリン酸、ペルオキソ硫酸、ペルオキソホウ酸、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過フタル酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、過塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過硫酸、ジクロロイソシアヌル酸、過マンガン酸およびそれらの塩等が挙げられる。これら酸化剤は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。
中でも、研磨速度向上の観点から、過酸化水素、オルトバナジン酸鉄(III)、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、塩素酸、次亜塩素酸、および過マンガン酸からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
研磨用組成物中の酸化剤の含有量は、0.001質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることがさらに好ましい。酸化剤の含有量が多くなるにつれ、研磨対象物の研磨速度がより向上する。
また、研磨用組成物中の酸化剤の含有量は、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。酸化剤の含有量が少なくなるにつれて、研磨対象物表面の過剰な酸化を抑制でき、研磨速度の低下を抑制することができる利点を有する。
[金属塩]
本発明の研磨用組成物は、金属塩を含むことが好ましい。金属塩を含むことにより、研磨用組成物中のイオン量が増し、研磨対象物表面の電気二重層の厚みが薄くなり、砥粒と研磨対象物との静電反発が抑えられ、研磨対象物の研磨速度がさらに向上する。
金属塩の例としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウムなどの一価の金属塩;カルシウム、マグネシウム、マンガン、銅などの二価の金属塩;鉄、アルミニウムなどの三価の金属塩などが挙げられる。具体的な金属塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等を挙げることができる。これら金属塩は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
中でも、スクラッチの発生を抑制する観点から、ナトリウムを有する塩、カリウムを有する塩が好ましい。
研磨用組成物中の金属塩の含有量は、0.001質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることがさらに好ましい。金属塩の含有量が多くなるにつれ、研磨対象物の研磨速度がより向上する。
また、研磨用組成物中の金属塩の含有量は、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましい。金属塩の含有量が少なくなるにつれて、砥粒の分散性が向上するという利点を有する。
[他の成分]
本発明の研磨用組成物は、必要に応じて、防腐剤、防カビ剤、界面活性剤、水溶性高分子等の他の成分をさらに含んでもよい。以下、防腐剤、防カビ剤、水溶性高分子について説明する。
〔防腐剤および防カビ剤〕
本発明に係る研磨用組成物に添加し得る防腐剤および防カビ剤としては、例えば、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンや5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾリン系防腐剤、パラオキシ安息香酸エステル類、およびフェノキシエタノール等が挙げられる。これら防腐剤および防カビ剤は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。
〔水溶性高分子〕
本発明に係る研磨用組成物には、研磨対象物表面の親水性を向上させることや砥粒の分散安定性を向上させることを目的として水溶性高分子を添加してもよい。水溶性高分子としては、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリ(N−アシルアルキレンイミン)等のイミン誘導体;ポリビニルアルコール;変性(カチオン変性、またはノニオン変性)ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;ポリビニルカプロラクタム;ポリオキシエチレン等のポリオキシアルキレン等;並びにこれらの構成単位を含む共重合体が挙げられる。これら水溶性高分子は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
<研磨用組成物の製造方法>
本発明の研磨用組成物の製造方法は、特に制限されず、例えば、砥粒と分散媒とを、攪拌混合することを含む製造方法が採用されうる。この際、酸化剤、金属塩および他の成分を、さらに攪拌混合してもよい。添加される各成分の詳細については、上述した通りである。
各成分を混合する際の温度は特に制限されないが、10〜40℃が好ましく、溶解速度を上げるために加熱してもよい。また、混合時間も特に制限されない。
<研磨用組成物を用いた研磨方法>
本発明の他の形態によれば、本発明の研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する研磨方法が提供される。また、本発明のさらに他の形態によれば、上記研磨方法で研磨対象物を研磨する工程を含む、研磨済研磨対象物の製造方法が提供される。
本発明の研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する際には、通常の研磨に用いられる装置や条件を用いて行うことができる。一般的な研磨装置としては、片面研磨装置や両面研磨装置がある。片面研磨装置では、キャリアと呼ばれる保持具を用いて研磨対象物を保持し、上方より研磨用組成物を供給しながら、研磨対象物の対向面に研磨パッドが貼付した定盤を押し付けて定盤を回転させることにより研磨対象物の片面を研磨する。このとき、研磨パッドおよび研磨用組成物と、研磨対象物との摩擦による物理的作用と、研磨用組成物が研磨対象物にもたらす化学的作用とによって研磨される。前記研磨パッドとしては、不織布、ポリウレタン、スウェード等の多孔質体を特に制限なく使用することができる。研磨パッドには、研磨液が溜まるような加工が施されていることが好ましい。
本発明による研磨方法における研磨条件として、研磨荷重、定盤回転数、キャリア回転数、研磨用組成物の流量、研磨時間が挙げられる。これらの研磨条件に特に制限はないが、例えば、研磨荷重については、研磨対象物の単位面積当たり0.1psi以上10psi以下であることが好ましく、より好ましくは0.5psi以上8.0psi以下であり、さらに好ましくは1.0psi以上6.0psi以下である。一般に荷重が高くなればなるほど砥粒による摩擦力が高くなり、機械的な加工力が向上するため研磨速度が上昇する。この範囲であれば、十分な研磨速度が発揮され、荷重による研磨対象物の破損や、表面に傷などの欠陥が発生することを抑制することができる。定盤回転数、およびキャリア回転数は、10〜500rpmであることが好ましい。研磨用組成物の供給量は、研磨対象物の全体が覆われる供給量であればよく、研磨対象物の大きさなどの条件に応じて調整すればよい。研磨パッドに研磨用組成物を供給する方法も特に制限されず、例えば、ポンプ等で連続的に供給する方法が採用される。
本発明の研磨用組成物は一液型であってもよいし、二液型をはじめとする多液型であってもよい。また、本発明の研磨用組成物は、研磨用組成物の原液を水などの希釈液を使って例えば10倍以上に希釈することによって調整されてもよい。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
(実施例および比較例)
分散媒としての水に、砥粒(含有量:10質量%)、ならびに酸化剤としての過酸化水素および金属塩としての塩化ナトリウムを表1に示す濃度で添加し、攪拌混合して研磨用組成物を得た(混合温度約25℃、混合時間:約10分)。
ここで、砥粒は、以下のものを使用した。なお、以下に示すジルコニアおよびアルミナにおいては、ともに平均一次粒子径は120nmであり、平均二次粒子径は300nmであった。
シリカ(扶桑化学工業株式会社製) 旧モース硬度:7、表面酸量:0.08mmol/g、平均一次粒子径90nm、平均二次粒子径221nm
γ−アルミナ(ビックケミージャパン株式会社製) 旧モース硬度:5−6、表面酸量:0.34mmol/g、平均二次粒子径 105nm
ジルコニア(第一稀元素化学工業株式会社製) 旧モース硬度:8−8.5、表面酸量:0.06mmol/g
アルミナ(ベーマイト焼成品) 旧モース硬度:9、α化率:84%、表面酸量:0.14mmol/g
砥粒の旧モース硬度は、砥粒と同じ組成を有するバルク体に対して、モース硬度計を用いて測定した。
砥粒の表面酸量は、以下のようにして測定した。
(砥粒の表面酸量の測定方法)
アンモニア昇温脱離法(NH−TPD)法を用いて、以下のようにして測定した。酸量測定の対象物(被測定体)を約0.5g、正確にはかり採り、被測定体を測定装置内に導入した。続いて、この測定装置内でヘリウムガスフローを300℃で120分間流して、被測定体に吸着水を取り除いた。その後、測定装置内の温度を100℃まで下げ、100℃、0.1Mpa(1atm)の条件下で、アンモニア/ヘリウム=10%/90%の混合ガスを50ml/分で30分間流通させ、アンモニアを被測定体に吸着させた。続いて、流量50ml/分でヘリウムガスを流通させながら測定装置内の温度を10℃/分の昇温速度で100℃から600℃まで昇温し、その間に脱離するアンモニアをTCD(熱伝導度検出器)にて定量した。本発明における「酸量」とは、昇温中100℃から300℃の温度範囲内に脱離ピークを有する脱離アンモニアのモル数(mmol)を、被測定体の質量(g)で除した値を指すものとする。
<研磨対象物>
ポリエチレンテレフタレート、ポリベンゾオキサゾール、ポリブチレンテレフタレート以外の研磨対象物の詳細は、以下の通りである。
ポリイミド樹脂:ピロメリット酸/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル共重合体
ポリアミド樹脂:ポリアミド66
エポキシ樹脂:ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂
ウレタンアクリレート樹脂:RAMPF社製のWB−1600
スチレン型不飽和ポリエステル樹脂:ディーエイチマテリアル株式会社製のサンドーマ(登録商標)
フェノール樹脂:ポリオキシベンジルメチレングリコールアンハイドライド
ポリノルボルネン樹脂:ノルボルネン/エチレン付加型共重合体
研磨対象物である樹脂の引張強度は、JIS K7161:1994に記載の方法により測定した値である。また、樹脂の曲げ弾性率は、JIS K7171:2008に記載の方法により測定した値である。
研磨条件は以下の通りである。
(研磨条件)
研磨機: 卓上研磨機(日本エンギス製)
パッド: ポリウレタン製パッド
圧力: 3psi
定盤回転数: 60rpm
キャリア回転数: 60rpm
研磨用組成物の流量: 100ml/min
研磨時間:1分間。
研磨レート(研磨速度)は、以下の式により計算した。
研磨速度は、研磨前後の研磨対象物の膜厚を光干渉式膜厚測定装置にて測定し、その差を研磨時間で除することにより評価した。
評価結果を下記表1に示す。なお、表1中の「−」は、研磨実験を行っていないことを示す。
表1に示す結果から明らかなように、実施例の研磨用組成物を用いることにより、高剛性および高強度を有する樹脂を、高い研磨速度で研磨することができることがわかった。特に、砥粒としてアルミナを用いた場合、研磨速度が非常に高くなることがわかった。

Claims (8)

  1. 引張強度が49MPa以上でありかつ曲げ弾性率が2.4GPa以上である樹脂を含む研磨対象物を研磨するために用いられる研磨用組成物であって、
    砥粒と、分散媒と、を含み、
    前記砥粒の旧モース硬度が8以上であり、かつアンモニア昇温脱離法(NH−TPD法)によって測定される前記砥粒の表面酸量が0.05mmol/g以上である、研磨用組成物。
  2. 前記砥粒はα−アルミナを主成分とするアルミナである、請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 前記アルミナにおける前記α−アルミナの含有量が60質量%以上である、請求項2に記載の研磨用組成物。
  4. さらに酸化剤を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  5. 前記酸化剤は、過酸化水素、オルトバナジン酸鉄(III)、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、塩素酸、次亜塩素酸、および過マンガン酸からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の研磨用組成物。
  6. 前記樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリベンゾオキサゾール、ポリブチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリアミド、エポキシ樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、およびポリノルボルネン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  7. 前記樹脂の引張強度が55MPa以上100MPa以下であり、かつ曲げ弾性率が2.6GPa以上6.0GPa以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する、研磨方法。
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