JP5915842B2 - 化学機械研磨方法 - Google Patents

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本発明は、化学機械研磨方法に関する。
近年、半導体装置の集積度の向上や多層配線化等に伴い、メモリデバイスの記憶容量が飛躍的に増大している。これは、近年の微細加工技術の進歩に支えられたものである。ところが、微細加工技術が進歩しているにもかかわらず、チップサイズは大きくなり、微細化に伴い工程数が増えることで、チップのコスト高を招いている。このような状況下、加工膜等の平坦化に化学機械研磨の技術が導入されるようになり、注目を集めている。この化学機械研磨の技術を適用することで、平坦化等の微細加工技術が具体化されている。
このような微細加工技術としては、例えば、微細化素子分離(Shallow Trench Isolation)、いわゆるSTI技術が知られている。このSTI技術においては、ウエハ基板上に成膜された余分の絶縁膜を除去するために化学機械研磨が利用されている。例えば、特許文献1および特許文献2には、STIの化学機械研磨工程において、研磨砥粒としてセリアを使用した水系分散体を用いることにより、研磨速度が速く、しかも研磨傷の少ない被研磨面が得られることが開示されている。また、プリメタル絶縁膜(PMD)や層間絶縁膜(ILD)の平坦化にも同様に化学機械研磨が利用されている。
一般に化学機械研磨では、研磨対象物をキャリアと呼ばれる部材で保持し、それを定盤上に固定した研磨パッドに押し付けて、化学機械研磨用水系分散体を研磨パッド上に流下しながら、一緒に相対運動させることで研磨を行う。すなわち、化学機械研磨は、研磨に使用される研磨パッドや化学機械研磨用水系分散体、装置の制御技術等の各種要素技術が相互に密接に関連した微細加工技術である。これまでにも、研磨パッドや化学機械研磨用水系分散体等の各種要素技術については、数多くの技術が提案されている。
特開平5−326469号公報 特開平9−270402号公報
しかしながら、STI絶縁膜、プリメタル絶縁膜、層間絶縁膜等を平坦化する化学機械研磨技術において、研磨速度を低下させることなく、平坦性をさらに向上させて、スクラッチの発生を抑制するためには、各種要素技術単独の開発では限界があった。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、上記課題を解決することで、特定の研磨パッドおよび特定の化学機械研磨用水系分散体を使用して化学機械研磨を行うことにより、従来よりも優れたパフォーマンス(高研磨速度、高平坦化、スクラッチ抑制等)を達成できる化学機械研磨方法を提供するものである。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係る化学機械研磨方法の一態様は、
研磨パッドを定盤に固定し、前記研磨パッドの研磨層に化学機械研磨用水系分散体を供給しながら前記研磨層に半導体基板を接触させて研磨する化学機械研磨方法において、
前記化学機械研磨用水系分散体が、(A)長径(Rmax)と短径(Rmin)との比率(Rmax/Rmin)が1.1以上1.5以下であるシリカ粒子と、(B)2つ以上のカルボキシル基を有する化合物と、を含み、
前記研磨層の表面粗さ(Ra)が1μm以上10μm以下の範囲にあることを特徴とする。
[適用例2]
適用例1の化学機械研磨方法において、
前記研磨パッドの研磨層のデュロD硬度が50D以上80D以下であることができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2の化学機械研磨方法において、
前記研磨パッドの研磨層を23℃の水に4時間浸漬したときの表面硬度が2N/mm以上10N/mm以下であることができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一例の化学機械研磨方法において、
前記化学機械研磨用水系分散体中に含まれる前記(A)シリカ粒子の、平均一次粒子径が0.01μm以上0.1μm以下であり、かつ、平均二次粒子径が0.02μm以上0.3μm以下であることができる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか一例の化学機械研磨方法において、
前記化学機械研磨用水系分散体を動的光散乱式粒径分布測定装置にて測定して算出される平均粒子径が0.04μm以上0.5μm以下の範囲にあることができる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか一例の化学機械研磨方法において、
前記化学機械研磨用水系分散体を動的光散乱式粒径分布測定装置にて測定して得られる粒子径分布において、最も高い検出頻度(Fb)を示す粒子径(Db)が35nm<Db≦90nmの範囲にあって、粒子径(Da)が90nm<Da≦100nmの範囲の検出頻度(Fa)と前記検出頻度(Fb)との比率(Fa/Fb)が0.5以下であることができる。
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれか一例の化学機械研磨方法において、
前記化学機械研磨用水系分散体中に含まれる前記(A)シリカ粒子の含有量が0.1質量%以上20質量%以下であることができる。
[適用例8]
適用例1ないし適用例7のいずれか一例の化学機械研磨方法において、
前記(B)化合物が、シュウ酸、マロン酸、酒石酸、グルタル酸、リンゴ酸、クエン酸およびマレイン酸から選択される少なくとも1種であることができる。
[適用例9]
適用例1ないし適用例8のいずれか一例の化学機械研磨方法において、
前記化学機械研磨用水系分散体が、さらに(C)水溶性高分子を含むことができる。
[適用例10]
適用例1ないし適用例9のいずれか一例の化学機械研磨方法において、
前記化学機械研磨用水系分散体が、さらに(D)酸化剤を含むことができる。
本発明に係る化学機械研磨方法によれば、特定の研磨パッドおよび特定の化学機械研磨用水系分散体を使用して化学機械研磨を行うことにより、従来よりも格段に優れたパフォーマンス(高研磨速度、高平坦化、スクラッチ抑制等)を達成することが可能となる。
シリカ粒子の長径および短径の概念を示した模式図である。 シリカ粒子の長径および短径の概念を示した模式図である。 シリカ粒子の長径および短径の概念を示した模式図である。 本実施の形態で使用される研磨パッドを模式的に示す断面図である。 図4における領域Iの拡大図である。 本実施の形態で使用される研磨パッドを模式的に示す平面図である。 第1の変形例に係る研磨パッドを模式的に示す平面図である。 第2の変形例に係る研磨パッドを模式的に示す平面図である。 研磨層におけるデュロD硬度の概念を説明するための模式図である。 研磨層における表面硬度の概念を説明するための模式図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
1.化学機械研磨方法
本実施の形態に係る化学機械研磨方法は、研磨パッドを定盤に固定し、前記研磨パッドの研磨層に化学機械研磨用水系分散体を供給しながら前記研磨層に半導体基板を接触させて研磨する化学機械研磨方法において、前記化学機械研磨用水系分散体が、(A)長径(Rmax)と短径(Rmin)との比率(Rmax/Rmin)が1.1以上1.5以下であるシリカ粒子と、(B)2つ以上のカルボキシル基を有する化合物と、を含み、前記研磨パッドの研磨層の表面粗さ(Ra)が1μm以上10μm以下の範囲にあることを特徴とする。以下、本実施の形態に係る化学機械研磨方法で用いられる化学機械研磨用水系分散体、研磨パッド、研磨装置の順に説明する。
1.1.化学機械研磨用水系分散体
本実施の形態で使用される化学機械研磨用水系分散体は、(A)長径(Rmax)と短径(Rmin)との比率(Rmax/Rmin)が1.1以上1.5以下であるシリカ粒子と、(B)2つ以上のカルボキシル基を有する化合物と、を含有する。以下において、(A)〜(D)の各成分を「(A)成分」等と省略して記載することがある。
1.1.1.(A)シリカ粒子
(A)シリカ粒子は、絶縁膜等の被研磨面を機械的に研磨する成分である。(A)シリカ粒子としては、例えば、気相中で塩化ケイ素、塩化アルミニウム、塩化チタン等を酸素および水素と反応させるヒュームド法により合成されたシリカ粒子;金属アルコキシドから加水分解縮合して合成するゾルゲル法により合成されたシリカ粒子;精製により不純物を除去した無機コロイド法等により合成されたコロイダルシリカ粒子が挙げられる。これらの中でも、分散安定性に優れ、また粒子径の制御が容易で、粗大粒子によるスクラッチの発生を抑制しやすい観点から、コロイダルシリカ粒子が好ましい。
(A)シリカ粒子の形状は、球状であることが好ましい。ここで、球状とは、鋭角部分を有さない略球形のものを含み、必ずしも真球に近いものである必要はなく楕円球であってもよい。球状の(A)シリカ粒子を用いることにより、十分な研磨速度で研磨できるだけでなく、被研磨面におけるスクラッチ等の発生も抑制できる。
(A)シリカ粒子の平均一次粒子径は、好ましくは0.01〜0.1μmであり、より好ましくは0.01〜0.08μmであり、特に好ましくは0.015〜0.07μmである。上記範囲の平均一次粒子径を有する(A)シリカ粒子であれば、十分な研磨速度が得られると共に、粒子の沈降・分離を生ずることのない安定性に優れた化学機械研磨用水系分散体が得られるため、良好なパフォーマンスを達成できる。なお、(A)シリカ粒子の平均一次粒子径は、原料となるシリカ粒子分散体の一部を乾燥させて得られた試料について、例えば流動式比表面積自動測定装置(株式会社島津製作所製、「micrometrics FlowSorb II 2300」)を用いてBET法による比表面積を測定し、その測定値から算出して求めることができる。
(A)シリカ粒子の平均二次粒子径は、好ましくは0.02〜0.3μmであり、より好ましくは0.02〜0.2μmであり、特に好ましくは0.03〜0.1μmである。上記範囲の平均二次粒子径を有する(A)シリカ粒子であれば、十分な研磨速度が得られると共に、粒子の沈降・分離を生ずることのない安定性に優れた化学機械研磨用水系分散体が得られるため、良好なパフォーマンスを達成できる。ここで、「二次粒子」とは、一次粒子が凝集ないし会合した状態のことをいう。(A)シリカ粒子は、化学機械研磨用水系分散体中では、通常二次粒子の状態で存在している。なお、(A)シリカ粒子の平均二次粒子径は、原料となるシリカ粒子分散体の一部を、透過型電子顕微鏡を用いて凝集ないし会合した個々の粒子を観察して粒子径を求め、それらを平均化することにより求めることができる。
(A)シリカ粒子の長径(Rmax)と短径(Rmin)との比率(Rmax/Rmin)は1.1以上1.5以下であればよく、1.1以上1.4以下であることが好ましく、1.1以上1.3以下であることがより好ましい。
本実施の形態で使用される研磨パッドは、その研磨層表面に適度な大きさの微細な凹凸(以下、「窪み」ともいう)を有する。この窪みの度合いを示す指標が表面粗さ(Ra)である。(A)シリカ粒子は、表面粗さ(Ra)が1μm以上10μm以下の範囲にある研磨層のこのような窪み部分に入り込むことができる。その結果、研磨層の窪み部分で(A)シリカ粒子が滞留することにより、研磨速度が向上する。この際、比率(Rmax/Rmin)が上記範囲にあると、研磨層の窪み部分に入り込んだ(A)シリカ粒子と被研磨面との引っ掛かりおよび摩擦力が適度となるため、スクラッチ等の欠陥を低減しながら、絶縁膜に対する高研磨速度と高平坦化を両立させることができる。比率(Rmax/Rmin)が上記範囲未満であると、研磨層の窪み部分に入り込んだ(A)シリカ粒子と被研磨面との引っ掛かりおよび転がり抵抗が弱すぎるため、効率よく入り込むが、排出され易く、滞留することができなくなり、十分に研磨速度が大きい化学機械研磨用水系分散体が得られないおそれがある。一方、比率(Rmax/Rmin)が上記範囲を超えると、研磨層の窪み部分に入り込んだ(A)シリカ粒子と被研磨面との引っ掛かりおよび転がり抵抗が強すぎるため、窪み部分に入り込むことができない、もしくは入り込むことが出来たとしても滞留時間が長く、被研磨面の平坦性が損なわれるおそれがあり、またスクラッチが増大するおそれがある。
ここで、シリカ粒子の長径(Rmax)とは、透過型電子顕微鏡により撮影された一つの独立したシリカ粒子の像について、像の端部と端部を結んだ距離のうち最も長い距離を意味する。シリカ粒子の短径(Rmin)とは、透過型電子顕微鏡により撮影された一つの独立したシリカ粒子の像について、像の端部と端部を結んだ距離のうち最も短い距離を意味する。
例えば、図1に示すように透過型電子顕微鏡により撮影された一つの独立したシリカ粒子2の像が楕円形状である場合、楕円形状の長軸aをシリカ粒子の長径(Rmax)と判断し、楕円形状の短軸bをシリカ粒子の短径(Rmin)と判断する。図2に示すように、透過型電子顕微鏡により撮影された一つの独立したシリカ粒子4の像が2つの粒子の凝集体である場合、像の端部と端部を結んだ最も長い距離cをシリカ粒子の長径(Rmax)と判断し、像の端部と端部を結んだ最も短い距離dをシリカ粒子の短径(Rmin)と判断する。図3に示すように、透過型電子顕微鏡により撮影された一つの独立したシリカ粒子6の像が3つ以上の粒子の凝集体である場合、像の端部と端部を結んだ最も長い距離eをシリカ粒子の長径(Rmax)と判断し、像の端部と端部を結んだ最も短い距離fをシリカ粒子の短径(Rmin)と判断する。
前述した判断手法により、例えばシリカ粒子分散体の中から100個のシリカ粒子の長径(Rmax)と短径(Rmin)とを測定し、各々のシリカ粒子の比率(Rmax/Rmin)を求めた後、得られた比率(Rmax/Rmin)を平均化することにより、シリカ粒子分散体としての比率(Rmax/Rmin)を求めることができる。
本実施の形態で使用される化学機械研磨用水系分散体を動的光散乱式粒径分布測定装置にて測定して算出される平均粒子径は、好ましくは0.04〜0.5μmの範囲であり、より好ましくは0.08〜0.5μmの範囲であり、さらに好ましくは0.08〜0.3μmの範囲であり、特に好ましくは0.08〜0.2μmの範囲である。かかる平均粒子径は、(A)シリカ粒子を主成分とする粒子の平均二次粒子径を表すものではあるが、化学機械研磨用水系分散体中に含まれる(A)シリカ粒子以外の成分による分散または凝集効果によって、前述した透過型電子顕微鏡を用いて観察することにより求めた(A)シリカ粒子の平均二次粒子径とは異なる値を示す。上記範囲の平均粒子径であると、表面粗さ(Ra)が1μm以上10μm以下の範囲にある研磨層の窪み部分に上記粒子が入り込みやすくなる。その結果、(A)シリカ粒子が研磨層の窪み部分で滞留することにより、研磨速度がより向上する。
本実施の形態で使用される化学機械研磨用水系分散体を動的光散乱式粒度分布測定装置にて測定することにより得られる粒子径分布において、最も高い検出頻度(Fb)を示す粒子径(Db)は35nm<Db≦90nmの範囲にあることが好ましい。なお、最も高い検出頻度(Fb)を示す粒子径(Db)は、35nm<Db≦87.3nmの範囲にあることがより好ましく、35nm<Db≦76.2nmの範囲にあることがさらに好ましく、35nm<Db≦66.6nmの範囲にあることが特に好ましい。
また、本実施の形態で使用される化学機械研磨用水系分散体を動的光散乱式粒度分布測定装置にて測定することにより得られる粒子径分布において、粒子径(Da)が90nm<Da≦100.0nmの範囲の検出頻度(Fa)と前記検出頻度(Fb)との比率(Fa/Fb)は0.5以下であることが好ましい。なお、検出頻度比率(Fa/Fb)は、0.01以上0.45以下であることがより好ましく、0.05以上0.40以下であることがさらに好ましく、0.15以上0.35以下であることが特に好ましい。
本実施の形態で使用される研磨パッドは、その研磨層表面に適度な大きさの微細な凹凸(以下、「窪み」ともいう)を有する。この窪みの度合いを示す指標が表面粗さ(Ra)である。上記範囲の検出頻度比率(Fa/Fb)であれば、表面粗さ(Ra)が1μm以上10μm以下の範囲にある研磨層の窪み部分に(A)シリカ粒子が効率よく入り込むことができる。その結果、(A)シリカ粒子が研磨層の窪み部分で滞留することができ、(A)シリカ粒子の機械的研磨作用を増大させることができるため研磨速度がより向上する。特に粒子径(Db)が上記範囲であると、十分に大きい研磨速度を得ることができる。さらに、上記範囲の検出頻度比率(Fa/Fb)であれば、分散安定性に優れた化学機械研磨用水系分散体が得られやすい。その結果、(A)シリカ粒子が局部的に大きな圧力で被研磨面と接触することを回避することができ、被研磨面のスクラッチを効果的に抑制することができる。
本実施の形態で使用される化学機械研磨用水系分散体を動的光散乱式粒度分布測定装置にて測定することにより得られる粒子径分布について、以下に詳述する。
本実施の形態で使用される化学機械研磨用水系分散体における粒子径分布は、動的光散乱式粒度分布測定装置を用いて、温度25℃にて化学機械研磨用水系分散体を測定した結果を元に、媒体屈折率を1.33、シリカ屈折率を1.54として計算することにより得られる。測定装置としては市販の装置を使用することが可能であるが、例えば、株式会社堀場製作所製の型番「LB−550」を使用することができる。
動的光散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製、型番「LB−550」)を用いた場合の粒子径分布の計算および算出方法について、さらに詳述する。まず、動的光散乱法によって測定された粒子径diと、対応する体積割合について、1nmから877.3nmの範囲を下記の区間に区切り、積算値を算出する。
1nm<di≦10.0nm、
10.0nm<di≦11.4nm、
11.4nm<di≦13.1nm、
13.1nm<di≦15.0nm、
15.0nm<di≦17.1nm、
17.1nm<di≦19.6nm、
19.6nm<di≦22.5nm、
22.5nm<di≦25.7nm、
25.7nm<di≦29.5nm、
29.5nm<di≦33.8nm、
33.8nm<di≦38.7nm、
38.7nm<di≦44.3nm、
44.3nm<di≦50.7nm、
50.7nm<di≦58.1nm、
58.1nm<di≦66.6nm、
66.6nm<di≦76.2nm、
76.2nm<di≦87.3nm、
87.3nm<di≦100.0nm、
100.0nm<di≦114.5nm、
114.5nm<di≦131.2nm、
131.2nm<di≦150.3nm、
150.3nm<di≦172.1nm、
172.1nm<di≦197.1nm、
197.1nm<di≦225.8nm、
225.8nm<di≦296.2nm、
296.2nm<di≦339.3nm、
339.3nm<di≦388.6nm、
388.6nm<di≦445.1nm、
445.1nm<di≦509.8nm、
509.8nm<di≦583.9nm、
583.9nm<di≦668.7nm、
668.7nm<di≦766.0nm、
766.0nm<di≦877.3nm。
次に、これらの区間の積算値合計を100体積%とした場合の、各区間の積分値の割合Vi体積%を算出する。本願発明においては、このようにして算出した積分値が最も高い値を示す区間の積分値の割合Vi体積%を、最も高い検出頻度(Fb)とする。さらに、87.3nm<di≦100.0nmの区間における積分値の割合Vi体積%を、粒子径が100.0nmにおける検出頻度(Fa)とする。このようにして、FaおよびFbを算出した後、検出頻度比率(Fa/Fb)を計算した。
化学機械研磨用水系分散体中に含まれる(A)シリカ粒子の含有量は、好ましくは0.1〜20質量%であり、より好ましくは1〜15質量%であり、さらに好ましくは2〜12質量%であり、特に好ましくは3〜9質量%である。(A)シリカ粒子の含有量が前記範囲にあると、十分な研磨速度が得られると共に、粒子の沈降・分離を生ずることのない安定性に優れた化学機械研磨用水系分散体が得られるため、良好なパフォーマンスを達成できる。
なお、本実施の形態で使用される化学機械研磨用水系分散体は、製造方法の異なる2種類以上のシリカ粒子を混合して調製してもよいし、粒子径分布の異なる2種類以上のシリカ粒子を混合して調製してもよい。
1.1.2.(B)2つ以上のカルボキシル基を有する化合物
本実施の形態で使用される化学機械研磨用水系分散体は、(B)2つ以上のカルボキシル基を有する化合物を含有することにより、被研磨面でのスクラッチの発生を抑制すると共に、pH調整剤の添加量を最適化することが容易となり、また塩溶効果により化学機械研磨用水系分散体の貯蔵安定性が向上する。
(B)成分としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、酒石酸、グルタル酸、リンゴ酸、クエン酸、マレイン酸が挙げられる。これらの中でも、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸が好ましい。(B)成分のカルボキシル基が(A)シリカ粒子の表面に存在するシラノール基と適度に相互作用することで、(A)シリカ粒子の被研磨面への過度の吸着が抑制される。この作用により、被研磨面のスクラッチ抑制効果が発現すると推測される。また(B)成分の緩衝作用により、pH調整剤の添加量を最適化することが容易であると推測される。
化学機械研磨用水系分散体中に含まれる(B)成分の含有量は、好ましくは0.01〜2質量%であり、より好ましくは0.1〜1.5質量%であり、特に好ましくは0.2〜1質量%である。(B)成分の含有量が前記範囲にあると、研磨速度を低下させることなく、被研磨面のスクラッチの発生を抑制することができる。
1.1.3.(C)水溶性高分子
本実施の形態で使用される化学機械研磨用水系分散体は、(C)水溶性高分子を含有してもよい。(C)水溶性高分子を含有することで、層間絶縁膜に及ぼす研磨圧力を低減させることができる。これにより、層間絶縁膜を研磨圧力によって損傷させることなく高速で研磨することが可能となる。一般に低誘電率絶縁膜(Low−k膜)は、他の層間絶縁膜よりも機械的強度が相対的に低い。そのため、Low−k膜を研磨対象とする場合、(C)水溶性高分子を添加することにより、Low−k膜の損傷を防ぎながら高速で研磨することが可能となる。
(C)水溶性高分子としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、またはこれらの塩等が挙げられる。これらの中でも、繰り返し単位中にカルボキシル基を有する、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、またはこれらの塩であることが好ましい。ポリアクリル酸やポリメタクリル酸は、(A)シリカ粒子の安定性に影響を与えない点でより好ましい。また、ポリアクリル酸は、化学機械研磨水系分散体に適切な粘性を付与できる点で特に好ましい。
(C)水溶性高分子の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5万以上80万以下、より好ましくは10万以上50万以下、特に好ましくは10万以上30万以下である。重量平均分子量が前記範囲にあると、研磨摩擦を低減しながら層間絶縁膜に対する研磨速度を大きくすることができる。(C)水溶性高分子の重量平均分子量は、例えば、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定されたポリエチレングリコール換算の重量平均分子量(Mw)を適用することができる。
また、化学機械研磨用水系分散体にナトリウムやカリウムが含まれるシリカ粒子を使用すると、研磨後の洗浄操作によってもシリカ粒子に由来するナトリウムやカリウムが被研磨面に残留し、デバイスの電気特性を悪化させる原因になると考えられており、その使用は避けられてきた。しかしながら、(C)水溶性高分子を添加することにより、シリカ粒子を水溶性高分子で包摂することができるため、シリカ粒子に含まれるナトリウムやカリウムの溶出を抑制することができる。さらに、(C)水溶性高分子は、被研磨面の表面に残留するナトリウムやカリウムを吸着することもできる。その結果、研磨後に簡単な洗浄操作を行うことで被研磨面からナトリウムやカリウムを除去することができ、デバイスの電気特性を悪化させることなく研磨操作を完了することができる。
化学機械研磨用水系分散体中に含まれる(C)水溶性高分子の含有量は、好ましくは0.001〜1質量%であり、より好ましくは0.01〜0.5質量%である。(C)水溶性高分子の含有量が前記範囲にあると、シリカ粒子の安定性を損なうことなく、研磨摩擦を低減しながら層間絶縁膜に対する研磨速度を大きくすることができる。
また、化学機械研磨用水系分散体にナトリウムやカリウムの含有量が少ないシリカ粒子を使用し、かつ後述するpH調整剤に水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを添加せず、pHが酸性の場合は、(C)水溶性高分子を添加しなくても、被研磨面に残留するナトリウムやカリウムの量が少ないので、デバイスの電気特性を悪化させることなく研磨操作を完了することができる。
さらに、化学機械研磨用水系分散体のpHが塩基性(例えば、pH8〜11)の場合、(C)成分の含有量に対する(B)成分の含有量の比率は、好ましくは1:1〜1:10であり、より好ましくは1:1〜1:5である。(C)成分の含有量に対する(B)成分の含有量の比率が前記範囲内であることにより、適度な研磨速度と良好な被研磨面の平坦性の両立をより確実に達成することができる。
1.1.4.(D)酸化剤
本実施の形態で使用される化学機械研磨用水系分散体は、(D)酸化剤を含有してもよい。(D)酸化剤を含有することで、研磨速度がさらに向上する。酸化剤としては、広範囲の酸化剤を使用することができ、例えば、過酸化水素水、酸化性金属塩、酸化性金属錯体、非金属系酸化剤の過酢酸や過ヨウ素酸、鉄系イオンのニトレート、スルフェート、EDTA、シトレート、フェリシアン化カリウム等、アルミニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、あるいは過酸化物のその他のカチオン塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、硝酸塩、過マンガン酸塩、過硫酸塩およびこれらの混合物が挙げられる。
化学機械研磨用水系分散体中に含まれる(D)酸化剤の含有量は、好ましくは0.05〜4質量%であり、より好ましくは0.1〜3質量%である。(D)成分の含有量が前記範囲にあると、絶縁膜に対する研磨速度をより向上できる。
1.1.5.その他の添加剤
1.1.5.1.pH調整剤
本実施の形態で使用される化学機械研磨用水系分散体のpHの値は、酸性の場合、好ましくは1.5〜4.5、より好ましくは2〜4である。塩基性の場合、好ましくは8〜12であり、より好ましくは9〜11.5である。pHの値が上記範囲にあると、(A)シリカ粒子の凝集や溶解等を引き起こすことなく安定性が向上し、良好な配線パターンが得られやすい。
化学機械研磨用水系分散体のpHを調整する手段としては、例えば、水酸化カリウム、アンモニア、エチレンジアミン、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)等の塩基性塩に代表されるpH調整剤を添加する方法が挙げられる。これらの塩基性塩の中でも、アンモニアや水酸化カリウムが好ましい。これらの塩基性塩は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、かかる塩基性塩を添加する前の化学機械研磨用水系分散体は、(B)成分を含有するため、通常pH1.5〜4.5の酸性を示す。
1.1.5.2.界面活性剤
本実施の形態で使用される化学機械研磨用水系分散体は、必要に応じて、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤またはカチオン性界面活性剤を添加することができる。上記非イオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコール、脂肪酸エーテル、脂肪酸エステル等が挙げられる。上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪族せっけん、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等が挙げられる。上記カチオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪族アミン塩、脂肪族アンモニウム塩等が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
化学機械研磨用水系分散体中に含まれる界面活性剤の含有量は、好ましくは0.01〜0.2質量%、より好ましくは0.01〜0.15質量%、特に好ましくは0.01〜0.1質量%である。界面活性剤の含有量が前記範囲にあると、被研磨面の平坦性が向上すると共に、スクラッチを低減できる場合がある。
1.1.6.化学機械研磨用水系分散体の製造方法
本実施の形態で使用される化学機械研磨用水系分散体は、純水に直接(A)成分、(B)成分、必要に応じてその他の成分を添加して混合・撹拌することにより調製することができる。このようにして得られた化学機械研磨用水系分散体をそのまま使用してもよいが、各成分を高濃度で含有する(すなわち、濃縮された)化学機械研磨用水系分散体を調製し、使用時に所望の濃度に希釈して使用してもよい。
また、前記成分のいずれかを含む複数の液(例えば、2つまたは3つの液)を調製し、これらを使用時に混合して使用することもできる。かかる場合、複数の液を混合して化学機械研磨用水系分散体を調製した後これを研磨装置に供給してもよいし、複数の液を個別に研磨装置に供給して定盤上で化学機械研磨用水系分散体を調製してもよい。
1.2.研磨パッド
本実施の形態で使用される研磨パッドの構成としては、少なくとも一方の面に研磨層を備えていれば特に限定されない。前記研磨層は、化学機械研磨を行う際に被研磨物と接触する面(以下、単に「研磨面」ともいう)の表面粗さ(Ra)が1μm以上10μm以下の範囲にあることを特徴とする。以下、かかる化学機械研磨パッドについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
図4は、本実施の形態で使用される研磨パッドの一例を模式的に示した断面図である。図4に示すように、研磨パッド100は、研磨層10と、研磨層10の研磨装置用定盤14と接触する面に形成された支持層12と、を含む。
1.2.1.研磨層
1.2.1.1.形状および材質
図5は、図4における領域Iの拡大図であり、研磨層10の詳細な形状を模式的に示した断面図である。図5に示すように、研磨面20には、複数の凹部16が形成されていることが好ましい。凹部16は、化学機械研磨の際に供給される化学機械研磨用水系分散体を保持し、これを研磨面20に均一に分配すると共に、研磨屑や使用済みの化学機械研磨用水系分散体等の廃棄物を一時的に滞留させ、外部へ排出するための経路となる機能を有する。
凹部16の断面形状は、特に限定されないが、例えば平坦な側面および底面から形成された形状、多角形形状、U字形状、V字形状等とすることができる。凹部16の深さaは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.1mm〜2.5mm、特に好ましくは0.2mm〜2.0mmとすることができる。凹部16の幅bは、0.1mm以上、より好ましくは0.1mm〜5.0mm、特に好ましくは0.2mm〜3.0mmとすることができる。研磨面20において、隣接する凹部16の間隔cは、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.05mm〜100mm、特に好ましくは0.1mm〜10mmとすることができる。また、凹部の幅と隣り合う凹部の間の距離との和であるピッチdは、好ましくは0.15mm以上、より好ましくは0.15mm〜105mm、特に好ましくは0.6mm〜13mmとすることができる。上記範囲の形状を有する凹部16を形成することで、被研磨面のスクラッチ低減効果に優れ、寿命の長い化学機械研磨パッドを作製することができる。
前記各好ましい範囲は、各々の組合せとすることができる。すなわち、例えば、深さaが0.1mm以上、幅bが0.1mm以上、間隔cが0.05mm以上であることが好ましく、深さaが0.1mm〜2.5mm、幅bが0.1mm〜5.0mm、間隔cが0.05mm〜100mmであることがより好ましく、深さaが0.2mm〜2.0mm、幅bが0.2mm〜3.0mm、間隔cが0.1mm〜10mmであることが特に好ましい。
凹部16を加工するための工具は、特開2006−167811号公報、特開2001−18164号公報、特開2008−183657号公報等に記載されている形状の多刃工具を用いることができる。使用する工具の切削刃は、ダイヤモンドあるいは、Ti、Cr、Zr、V等の周期表第4、5、6族金属から選択される少なくとも1種の金属元素と、窒素、炭素および酸素から選択される少なくとも1種の非金属元素と、で構成されるコーティング層を有してもよい。さらにコーティング層は1層設ける場合に限らず、材料を違えて複数層設けてもよい。このようなコーティング層の膜厚は、0.1〜5μmが好ましく、1.5〜4μmがより好ましい。コーティング層の成膜には、アークイオンプレーティング装置等の公知の技術を工具材質、コーティング材質等に応じて適時選択して使用することができる。
研磨層10の平面形状は、特に限定されないが、例えば円形状であることができる。研磨層10の平面形状が円形状である場合、その大きさは、直径150〜1200mmであることが好ましく、直径500〜1000mmであることがより好ましい。研磨層10の厚さは、好ましくは0.5〜5.0mm、より好ましくは1.0〜4.0mm、特に好ましくは1.5〜3.5mmである。
図6は、本実施の形態で使用される研磨パッド100の平面図である。図6に示すように、凹部16は、研磨面20の中心から外縁方向へ向かって徐々に直径の拡大する複数の同心円状に形成することができる。
図7は、第1の変形例に係る研磨パッド200の平面図であり、図6に対応する図である。第1の変形例に係る研磨パッド200は、環状に設けられた複数の凹部16の他に、研磨面20の中心部から外縁方向に向かって放射状に伸びる複数の凹部17および凹部18をさらに含む点で研磨パッド100とは異なる。ここで、中心部とは、研磨層の重心を中心とした半径50mmの円で囲まれた領域をいう。凹部17および凹部18は、この「中心部」のうち任意の位置から外縁方向に伸びていればよく、その形状は、例えば直線状もしくは円弧状またはこれらを組み合わせた形状であってもよい。凹部17および凹部18の断面形状は、前述した凹部16と同様であることができる。第1の変形例に係る研磨パッド200のその他の構成については、図4および図5を用いて説明した研磨層10の構成と同様であるので説明を省略する。
図8は、第2の変形例に係る研磨パッド300の平面図であり、図6に対応する図である。第2の変形例に係る研磨パッド300は、環状に設けられた複数の凹部16の他に、研磨面20の中心部から外縁方向に向かって放射状に伸びる複数の凹部19をさらに含む点で前述した研磨パッド100とは異なる。凹部19の断面形状は、前述した凹部16と同様であることができる。第2の変形例に係る研磨パッド300のその他の構成については、図4および図5を用いて説明した研磨層10の構成と同様であるので説明を省略する。
以上、凹部の平面形状について説明したが、凹部の平面形状は上記の実施形態に特に限定されず、被研磨対象により適宜最適な形状とすることができる。凹部の平面形状は、例えば、三角形、四角形、五角形等の多角形状や、楕円状、螺旋状等としてもよい。また、研磨面に設けられる凹部の数も特に限定されない。
研磨層10は、本願発明の目的を達成することができる限りどのような素材から構成されていてもよい。なお、化学機械研磨時にスラリーの保持能および研磨速度を長時間に亘って保持するためには、化学機械研磨時において研磨層10に空孔が形成されていることが好ましい。このため、研磨層10は、水溶性粒子が分散された非水溶性マトリックスからなる素材、または空孔が分散された非水溶性マトリックスからなる素材、例えば発泡体等であることが好ましい。
1.2.1.2.表面粗さ(Ra)
研磨層10の研磨面20における表面粗さ(Ra)は、1μm以上10μm以下の範囲であればよく、2μm以上8μm以下であることが好ましい。研磨面20の表面粗さ(Ra)が前記範囲にあると、前述した化学機械研磨用水系分散体中に含まれている(A)シリカ粒子が研磨面20の窪み部分に入り込みやすくなる。その結果、前記粒子が研磨面20の窪み部分で保持されて滞留することにより、研磨速度がより向上する。さらに、研磨面20の表面粗さ(Ra)が前記範囲にあると、(A)シリカ粒子が局部的に大きな圧力で被研磨面と接触することを避けるクッションとして研磨面20が作用することができ、被研磨面のスクラッチを抑制することができる。この際、(A)シリカ粒子の比率(Rmax/Rmin)が上記範囲にあると、研磨層の窪み部分に入り込んだ(A)シリカ粒子と被研磨面との引っ掛かりおよび摩擦力が適度となるため、スクラッチ等の欠陥を低減しながら、絶縁膜に対する高研磨速度と高平坦化を両立させることができる。表面粗さ(Ra)が前記範囲未満である場合、研磨面20が略平坦であることを示しており、研磨面20において(A)シリカ粒子の保持・滞留が起こりにくくなるため、研磨速度が大幅に低下することがある。一方、表面粗さ(Ra)が前記範囲を超える場合、研磨面20の窪み部分の体積が大きくなることで、該窪み部分における(A)シリカ粒子が相対的に不足することになる。その結果、研磨面20における(A)シリカ粒子の保持・滞留が起こりにくくなり、研磨速度が低下することがある。
研磨面の表面粗さ(Ra)は、以下のようにして測定することができる。まず、研磨パッドの研磨層のうち任意の部位について、表面粗さ測定機(例えば、株式会社ミツトヨ製、「SURFTEST」)を用いて、速度0.5mm/s、基準長さ0.8mmの条件で縦方向および横方向についてそれぞれ5区間の粗さ曲線を2回測定する。得られた粗さ曲線から、平均線から測定曲線までの偏差の絶対値の平均を求め、その値を研磨面の表面粗さ(Ra)とする。
1.2.1.3.デュロD硬度
研磨層10のデュロD硬度は、50D以上80D以下であることが好ましく、55D以上80D以下であることがより好ましく、55D以上75D以下であることがさらに好ましく、60D以上70D以下であることが特に好ましい。
図9は、研磨層におけるデュロD硬度の概念を説明するための模式図である。図9(A)に示すように研磨工程を模して研磨層10に対して上方から加重をかけると、図9(B)に示すように研磨層10が撓むことになる。デュロD硬度とは、このように研磨工程において加重をかけた場合の研磨層10のマクロな撓みの程度を示す指標となる。このことは、後述する測定方法からも理解することができる。したがって、研磨層のデュロD硬度が前記範囲にあると、研磨層のデュロD硬度が適度であるため被研磨面の平坦性が良好になると共に、被研磨面の凹凸に対する研磨層の弾性変形(追随性)が適度となるためスクラッチを低減させることができる。
研磨層10のデュロD硬度は、「JIS K6253」に準拠した方法で測定することができる。具体的には、平坦で堅固な面に試験片を置き、タイプDデュロメータの加圧板が試験片の表面に平行に維持され、かつ、押針が試験片の表面に対して直角となるようにタイプDデュロメータを保持し、衝撃を与えないように加圧板を試験片に接触させる。押針先端は、試験片の端から12mm以上離れた位置で測定する。加圧板を試験片に接触させた後、15秒後に読取りを行う。測定点数は6mm以上離れた位置で5回測定し、その中央値をデュロD硬度とする。
1.2.1.4.ウエット状態における表面硬度
研磨層10のウエット状態における表面硬度は、2N/mm以上10N/mm以下であることが好ましく、3N/mm以上9N/mm以下であることがより好ましく、4N/mm以上8N/mm以下であることが特に好ましい。研磨層のウエット状態における表面硬度は、研磨工程時における実際の表面硬度を表す指標となる。
図10は、研磨層における表面硬度の概念を説明するための模式図である。図10(A)に示すように、微小なサイズの探針40を研磨層10の表面へ押し込む。そうすると、図10(B)に示すように、探針40直下の研磨層10は、探針40の周囲へ押し出されるように変形する。このように、表面硬度とは、研磨層の極表面の変形や撓みの程度を表す指標となる。すなわち、図9に示すようなミリメートル単位の硬度測定法である前記デュロD硬度測定では研磨層全体のマクロな硬度を表すデータが得られるのに対し、図10に示すような研磨層のウエット状態における表面硬度測定では研磨層の極表面のミクロな硬度を表すデータが得られる。研磨工程時における研磨層の押し込み深さは、5〜50μmである。したがって、このような研磨層の極表面の柔軟性を判断するためには、研磨層のウエット状態における表面硬度により判断することが好ましい。研磨層のウエット状態における表面硬度が前記範囲にあると、研磨層の極表面が適度な柔軟性を有するため(A)シリカ粒子が局部的に大きな圧力で非研磨面と接触することを避けるクッションとして作用することができる。その作用と比率(Rmax/Rmin)が1.1〜1.5の範囲にある(A)シリカ粒子とが相俟って、研磨層の極表面に入り込んだ(A)シリカ粒子と被研磨面との引っ掛かりが適度となり、被研磨面のスクラッチ等の欠陥を効果的に低減しながら、絶縁膜に対する高研磨速度と高平坦化を両立させることができる。
なお、本発明において、研磨層のウエット状態における表面硬度は、23℃の水に4時間浸漬させた研磨層において、FISCHER社製のナノインデンター(製品名:HM2000)を使用し、300mN押し込み時のユニバーサル硬さ(HU)で示される。
1.2.2.支持層
支持層12は、研磨パッド100において、研磨装置用定盤14に研磨層10を支持するために用いられる。支持層12は、接着層であってもよいし、接着層を両面に有するクッション層であってもよい。
接着層は、例えば粘着シートからなることができる。粘着シートの厚さは、50〜250μmであることが好ましい。50μm以上の厚さを有することで、研磨層10の研磨面20側からの圧力を十分に緩和することができ、250μm以下の厚さを有することで、凹凸の影響を研磨性能に与えない程度に均一な厚みを有する化学機械研磨パッド100が得られる。
粘着シートの材質としては、研磨層10を研磨装置用定盤14に固定することができれば特に限定されないが、研磨層10より弾性率の低いアクリル系またはゴム系の材質であることが好ましい。
粘着シートの接着強度は、化学機械研磨パッドを研磨装置用定盤14に固定することができれば特に限定されないが、「JIS Z0237」の規格で粘着シートの接着強度を測定した場合、その接着強度が好ましくは3N/25mm以上、より好ましくは4N/25mm以上、特に好ましくは10N/25mm以上である。
クッション層は、研磨層10よりも硬度が低い材質からなれば、その材質は特に限定されず、多孔質体(発泡体)または非多孔質体であってもよい。クッション層としては、例えば、発泡ポリウレタン等を成形した層が挙げられる。クッション層の厚さは、好ましくは0.1mm〜5.0mm、より好ましくは0.5mm〜2.0mmである。
1.2.3.研磨パッドの製造方法
本実施の形態で使用される研磨パッドの製造方法の一例について説明する。
まず、ポリウレタン(好ましくは熱可塑性ポリウレタン)、必要に応じて水溶性粒子、架橋剤、架橋助剤、有機フィラー、無機フィラー等の添加剤が添加された組成物を用意する。組成物の混練は、公知の混練機等により行うことができる。混練機としては、例えば、ロール、ニーダー、ルーダー、バンバリーミキサー、押出機(単軸、多軸)等が挙げられる。
次いで、得られた組成物から研磨層を成型する。成型方法としては、120〜230℃で可塑化した組成物をプレス成型、押出成型または射出成型し、可塑化・シート化する方法により成型すればよい。かかる成型条件を適宜調整することで、研磨層の比重や硬度を制御することができる。なお、得られた成型体の表面をサンドペーパー等で研磨し、さらにドレッシング処理することで、任意の表面粗さ(Ra)を備えた研磨層を作製することができる。
このようにして成型した後、切削加工により研磨面に凹部を形成してもよい。また、凹部となるパターンが形成された金型を用いて上述した組成物を金型成型することにより、研磨層の外形と共に凹部を同時に形成することもできる。
最後に、このようにして作製された成型体の凹部が形成されていない面に、前述した粘着シートやクッション層等の支持層を貼り合わせてもよい。
1.3.研磨装置
本実施の形態で使用される研磨装置は、研磨パッドを定盤に固定し、前記研磨パッドの研磨層に化学機械研磨用水系分散体を供給しながら前記研磨層に半導体基板を接触させて研磨することができる研磨装置であれば特に限定されない。
本実施の形態に係る化学機械研磨方法においては、市販の化学機械研磨装置を用いることができる。市販の化学機械研磨装置としては、例えば、型式「EPO−112」、型式「EPO−222」(以上、株式会社荏原製作所製);型式「LGP−510」、型式「LGP−552」(以上、ラップマスターSFT社製);型式「Mirra」(アプライドマテリアル社製)等が挙げられる。
1.4.用途
本実施の形態に係る化学機械研磨方法の用途としては、特に限定されるものではないが、絶縁膜を研磨する用途に好適である。具体的な用途としては、微細素子分離工程(STI工程)における絶縁膜研磨、多層化配線基板の層間絶縁膜研磨等が挙げられる。上記STI工程における研磨対象となる絶縁膜または多層化配線基板の層間絶縁膜を構成する材料としては、例えば熱酸化膜、PETEOS(Plasma Enhanced−TEOS)膜、HDP(High Density Plasma Enhanced−TEOS)膜、熱CVD法により得られる酸化シリコン膜、BPSG(Boron Phosphorus Silicon Glass)膜、PSG(Phosphorus Silicon Glass)膜等が挙げられる。
なお、前記絶縁膜には、SiO膜のほか、超LSIの性能向上を目的とした低誘電率の層間絶縁膜が含まれる。低誘電率の層間絶縁膜としては、例えばフッ素添加SiO(誘電率:3.3〜3.5)、ポリイミド系樹脂(誘電率:約2.4〜3.6;日立化成工業株式会社製、商品名「PIQ」;Allied Signal社製、商品名「BCB」等)、水素含有SOG(誘電率:約2.5〜3.5)、および有機SOG(誘電率:約2.9;日立化成工業株式会社製、商品名「HSGR7」等)からなる層間絶縁膜が挙げられる。
2.実施例
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
2.1.シリカ粒子を含む水分散体(A1〜A9)の調製
以下の方法により、表1および表2に記載のシリカ粒子を含む水分散体A1〜A9をそれぞれ調製した。
2.1.1.コロイダルシリカ粒子を含む水分散体(A1〜A4)の調製
3容量のテトラエトキシシランと1容量のエタノールを混合して原料溶液を得た。反応槽にあらかじめエタノール、イオン交換水、およびアンモニアを混合した反応溶媒を仕込んだ。反応溶媒の温度を20℃に維持するように冷却しながら、反応溶媒9容量当たり1容量の原料溶液を反応槽に滴下して、コロイダルシリカのアルコール分散体を得た。
次いで、ロータリーエバポレータを用い、得られたアルコール分散体の温度を80℃に維持しながらイオン交換水を添加しつつアルコールを除去する操作を数回繰り返した。この操作により、表1に記載のコロイダルシリカ粒子を含む水分散体(A1〜A4)をそれぞれ調製した。なお、前記の操作において、アンモニア濃度と滴下速度を調整することによりコロイダルシリカの粒子径を制御した。
2.1.2.コロイダルシリカ粒子を含む水分散体(A5〜A8)の調製
コンデンサー付留出管を備えたガラス容器中に、イオン交換水2900容量、トリエタノールアミン1容量を仕込み、反応容器内液温を70〜90℃に保ちながら、テトラメチルシリケート520容量を攪拌下に約3時間かけて連続的に供給した。反応容器内の反応混合物を更に95±5℃に加熱し、生成したメタノールをコンデンサー付留出管から留出温度90±10℃で水と共に留出させ、コロイダルシリカ粒子を含む水分散体を得た。
そのコロイダルシリカ粒子を含む水分散体90容量、イオン交換水940容量およびトリエタノールアミン1容量を、コンデンサー付留出管を備えたガラス容器中に仕込み、反応容器内の液温を80℃に保ちながら、テトラメチルシリケート410容量を攪拌下に3時間かけて連続的に供給した。
反応容器内の液面を一定に保ったまま、イオン交換水を添加しながら、反応混合物を更に95±5℃に加熱し、生成したメタノールをコンデンサー付留出管から留出温度90±10℃で水と共に留出させ、表2に記載のコロイダルシリカ粒子(A5〜A8)を含む水分散体を得た。なお、前記の操作において、反応温度、攪拌速度、及び反応時間を調整することによりコロイダルシリカの粒子径を制御した。
2.1.3.ヒュームドシリカ粒子を含む水分散体(A9)の調製
ヒュームドシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製、商品名「アエロジル#90」、平均一次粒子径0.02μm)を、イオン交換水中に超音波分散機を用いて分散させた。これを孔径5μmのフィルターで濾過することにより、表2に記載のヒュームドシリカ粒子(A9)を得た。この水分散体中に含まれるヒュームドシリカの平均二次粒子径は、0.
22μmであった。
なお、表1および表2に記載の平均一次粒子径は、上記で作製されたシリカ粒子水分散体を乾燥させて得られた粉末試料を、BET法を用いて比表面積を測定し、その値から算出して求めた。
表1および表2に記載の平均二次粒子径は、上記で作製されたシリカ粒子分散体の一部を、透過型電子顕微鏡を用いて100個の粒子を観察して各粒子の粒子径を測定し、それを平均化することにより求めた。具体的には、20〜30個の粒子が視野範囲に含まれるように倍率を調節(TEM観察時の倍率の目安は1万〜10万倍であるが、シリカ粒子の大きさによって適宜調節される)し、当該視野範囲に含まれるシリカ粒子のTEM写真を撮影した後、個々の粒子の直径をTEM写真上で実測した。さらに視野範囲を変えて、この操作を合計5回行い、得られたデータから平均二次粒子径を求めた。その際、各々のシリカ粒子の長径(Rmax)および短径(Rmin)についても同時に計測し、各々のシリカ粒子の比率(Rmax/Rmin)を求め、それを平均化したものを表1および表2に併せて示した。
2.2.化学機械研磨用水系分散体(S1〜S16)の調製
マレイン酸を0.3質量部、ポリアクリル酸(東亞合成株式会社製、商品名「AC−10H」、Mw:15万)を0.1質量部、コロイダルシリカ水分散体A1を固形分として3質量部となるように混合し、さらに水酸化カリウムをpHが10.5になるように添加し、全構成成分の量が100質量部となるようにイオン交換水をポリエチレン製の瓶に加えて1時間撹拌した後、孔径0.5μmのフィルターでろ過し、表1に記載の実施例1の化学機械研磨用水系分散体S1を作製した。
(A)ないし(D)成分の種類もしくは含有量、pHを表1または表2に記載の組成に変更したこと以外は、上記の化学機械研磨用水系分散体S1と同様にして化学機械研磨用水系分散体S2〜S16を作製した。なお、表1および表2において、「PAA(a)」は、商品名「AC−10H」(東亞合成社製、ポリアクリル酸:Mw15万)、「PAA(b)」は、商品名「AC−10L」(東亞合成社製、ポリアクリル酸:Mw3万)を示す。
2.3.化学機械研磨用水系分散体の物性測定
2.3.1.平均粒子径の測定
上記で作製した化学機械研磨用水系分散体をそのまま測定用試料とした。その測定用試料を、動的光散乱式粒径分布測定装置(株式会社堀場製作所製、型番「LB−550」)を用いて測定することにより粒子径分布を得た。得られた粒子径分布から、化学機械研磨用水系分散体中に含まれる粒子の平均粒子径を求めた。また、得られた粒子径分布から、化学機械研磨用水系分散体中に含まれる粒子の最も高い検出頻度(Fb)を示す粒子径区間を求め、さらに87.3nm〜100.0nmの範囲における検出頻度(Fa)から検出頻度比率(Fa/Fb)を求めた。その結果を表1および表2に併せて示す。
2.3.2.保存安定性
作製した化学機械研磨用水系分散体を100ccのガラス管に入れ、25℃で6ヶ月静置保管したときの沈降物の有無を目視により確認した。その結果を表1および表2に併せて示す。表1および表2において、粒子の沈降および濃淡差が認められない場合を「良好」、粒子の沈降および濃淡差が認められた場合を「不良」と評価した。
Figure 0005915842
Figure 0005915842
2.4.研磨パッドP1〜P15の作製
2.4.1.研磨パッドP1〜P7の作製
非脂環式熱可塑性ポリウレタン(BASF社製、商品名「エラストラン1174D」、硬度70D)を50質量部、脂環式熱可塑性ポリウレタン(BASF社製、商品名「エラストランNY1197A」、硬度61D)を50質量部、水溶性粒子としてβ−サイクロデキストリン(塩水港精糖株式会社製、商品名「デキシパールβ−100」、平均粒径20μm)29質量部を、200℃に調温されたルーダーにより混練して熱可塑性ポリウレタン組成物を作製した。作製した熱可塑性ポリウレタン組成物を、プレス金型内で180℃で圧縮成型し、直径845mm、厚さ3.2mmの円柱状の成型体を作製した。次に、作製した成型体の表面をサンドペーパーで研磨して厚みを調整し、さらに切削加工機(加藤機械株式会社製)により幅0.5mm、深さ1.0mm、ピッチ1.5mmの同心円状の凹部を形成し外周部を切り離すことで、直径600mm、厚さ2.8mmの研磨層を得た。このようにして作製した研磨層のうち凹部を形成していない面へ両面テープ#422JA(3M社製)を貼り付け、研磨層を化学機械研磨装置(荏原製作所社製、形式「EPO−112」)に装着し、ドレッサー(アライド社製、商品名「#325−63R」)を用いてドレッシング処理して、研磨パッドP1を作製した。
なお、熱可塑性ポリウレタン組成物の各成分および含有量を表3に記載したものに変更し、ドレッシング処理の条件を変更して研磨層の表面粗さ(Ra)を調整したこと以外は、上記の研磨パッドP1と同様にして研磨パッドP2〜P7を作製した。
2.4.2.研磨パッドP8〜P11の作製
空気雰囲気下で、撹拌機を備えた2Lの4つ口セパラブルフラスコに、ポリオキシエチレンビスフェノールAエーテル(日油株式会社製、商品名「ユニオールDA400」)を38質量部およびポリテトラメチレングリコール(保土谷化学工業株式会社製、商品名「PTG−1000SN」、Mn:1012)を31質量部投入し、40℃に調温して撹拌した。次いで、前記フラスコに、80℃の油浴で溶解させた4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「MILLIONATE MT」)を31質量部加え、15分撹拌・混合した。次いで、得られた混合物を表面加工されたSUS製のバットに拡げ、110℃で1時間静置して反応させ、さらに80℃で16時間アニールし、熱可塑性のポリウレタンAを得た。熱可塑性ポリウレタンとしてポリウレタンAを用い、組成物の他の成分および含有量を表3に記載したものに変更したこと以外は、上記の研磨パッドP1と同様にして研磨パッドP8〜P11を作製した。なお、研磨パッドP11を作製する際、サンドペーパーで研磨しドレッシング処理する工程を行わなかった。
2.4.3.研磨パッドP12〜P15
市販の研磨パッド(ROHM&HAAS社製、商品名「IC1000」、熱架橋ポリウレタン樹脂により研磨層が作製されている)を使用した。かかる研磨パッドの研磨層をドレッシング処理することにより表面粗さ(Ra)を調整して、研磨パッドP12〜P15を作製した。後述する方法により研磨層の物性を評価したところ、デュロD硬度は63D、表面硬度は14.5N/mmであった。
なお、表3における各成分の略称は、以下の通りである。
・「PU1−1」:非脂環式熱可塑性ポリウレタン(BASF社製、商品名「エラストラン1174D」、硬度70D)
・「PU1−2」:非脂環式熱可塑性ポリウレタン(BASF社製、商品名「エラストラン1180A」、硬度41D)
・「PU2−1」:脂環式熱可塑性ポリウレタン(BASF社製、商品名「エラストランNY1197A」、硬度61D)
・「β−CD」:β−サイクロデキストリン(平均粒径20μm、塩水港精糖株式会社製、商品名「デキシパールβ−100」)
2.5.研磨層の物性測定
2.5.1.表面粗さ(Ra)の測定
上記で作製された研磨パッドの研磨層のうち任意の部位について、表面粗さ測定機(株式会社ミツトヨ製、「SURFTEST」)を用いて、速度0.5mm/s、基準長さ0.8mmの条件で縦方向および横方向についてそれぞれ5区間の粗さ曲線を2回測定した。得られた粗さ曲線から、平均線から測定曲線までの偏差の絶対値の平均を求め、その値を研磨面の表面粗さ(μm)とした。その結果を表3に併せて示す。
2.5.2.デュロD硬度
上記で作製された研磨パッドの研磨層について、デュロD硬度を測定した。研磨層のデュロD硬度は、「JIS K6253」に準拠して測定した。その結果を表3に併せて示す。
2.5.3.ウエット状態における表面硬度
上記で作製された研磨パッドの研磨層について、ウエット状態の表面硬度を測定した。研磨層のウエット状態における表面硬度は、23℃の水に4時間浸漬させた研磨層について、ナノインデンター(FISCHER社製、型式「HM2000」)を使用し、300mN押し込み時のユニバーサル硬さ(HU)を表面硬度として測定した。その結果を表3に併せて示す。
Figure 0005915842
2.6.化学機械研磨試験
化学機械研磨装置(株式会社荏原製作所製、型式「EPO112」)に表4に記載の研磨パッドを装着し、表4に記載の化学機械研磨用水系分散体を供給しながら、下記の研磨速度測定用基板につき、下記の研磨条件にて1分間研磨処理を行い、下記の手法によって研磨速度、平坦性、およびスクラッチの個数を評価した。これらの結果を表4に併せて示す。
2.6.1.研磨速度の評価
(1)研磨速度測定用基板
・膜厚20,000ÅのPETEOSが積層された8インチシリコン基板
(2)研磨条件
・ヘッド回転数:107rpm
・ヘッド荷重:300gf/cm
・テーブル回転数:100rpm
・化学機械研磨水系分散体の供給速度:200mL/分
この場合における化学機械研磨用水系分散体の供給速度とは、全供給液の供給量の合計を単位時間当たりで割り付けた値をいう。
(3)研磨速度の算出方法
PETEOS膜は、光干渉式膜厚測定器(ナノメトリクス・ジャパン社製、形式「Nanospec6100」)を用いて、研磨処理後の膜厚を測定し、化学機械研磨により減少した膜厚および研磨時間から研磨速度を算出した。
2.6.2.平坦性評価
上記のPETEOS膜付きウエハの被研磨面を、光干渉式膜厚測定器(ナノメトリクス・ジャパン社製、形式「Nanospec6100」)を用いて、研磨処理前後の膜厚を測定し、研磨処理前後の膜厚の差分の標準偏差(σ)を研磨処理前後の膜厚の差分の平均値(AVG)で除した値を百分率(%)で示した。その結果を表4に併せて示す。平坦性(σ/AVG)は、5%以下であると良好であると判断できる。
2.6.3.スクラッチ評価
上記のPETEOS膜付きウエハの被研磨面を、欠陥検査装置(KLAテンコール社製、形式「KLA2351」)を使用して研磨傷(スクラッチ)の数を測定した。その結果を表4に併せて示す。表4において、ウエハ一枚あたりのスクラッチ個数を「個/ウェハ」という単位を付して記す。スクラッチ個数は、100個/ウエハ以下であると良好であると判断できる。
Figure 0005915842
2.6.4.評価結果
実施例1〜11に係る化学機械研磨方法によれば、PETEOS膜に対する研磨速度が1800Å/分以上と十分に高く、スクラッチ個数も35個/ウエハ以下に抑制され、平坦性も良好であった。
これに対して、比較例1で使用した研磨パッドP15は、研磨層の表面粗さ(Ra)が10を超えていた。そのため、研磨パッドP15の研磨面の窪み部分の体積が大きくなることで、該窪み部分における粒子が相対的に不足して、粒子の保持・滞留が起こりにくくなった結果、PETEOS膜に対する研磨速度が相対的に低くなったものと推測される。
比較例2で使用した研磨パッドP11は、研磨層の表面粗さ(Ra)が1未満であった。すなわち、研磨パッド11の研磨面が略平坦であるため、研磨面において粒子の保持・滞留が起こりにくくなった結果、PETEOS膜に対する研磨速度が相対的に低くなったものと推測される。
比較例3で使用した化学機械研磨用水系分散体は、2つ以上のカルボキシル基を有する化合物ではない酢酸を使用しているため、カルボン酸とシリカ粒子表面のシラノール基との相互作用が不十分となり、シリカ粒子が研磨面へ過度に吸着した。その結果、多数のスクラッチが発生し、良好な被研磨面が得られなかった。
比較例4で使用した化学機械研磨用水系分散体は、2つ以上のカルボキシル基を有する化合物ではないグリシンを使用しているため、カルボン酸とシリカ粒子表面のシラノール基との相互作用が不十分となり、シリカ粒子が研磨面へ過度に吸着した。その結果、多数のスクラッチが発生し、良好な被研磨面が得られなかった。
比較例5で使用した化学機械研磨用水系分散体では、シリカ粒子のRmax/Rminが1.5を超えていた。その結果、シリカ粒子と被研磨面との引っ掛かりが強くなりすぎて、平坦性の悪化および多数のスクラッチが発生し、良好な被研磨面が得られなかった。
比較例6で使用した化学機械研磨用水系分散体では、シリカ粒子のRmax/Rminが1.1未満であった。その結果、シリカ粒子と被研磨面との引っ掛かりが弱すぎて、PETEOS膜に対する研磨速度が十分に大きくならなかった。
以上の結果より、特定形状のシリカ粒子を含有する化学機械研磨用水系分散体と、特定の表面粗さ(Ra)を有する研磨層を備えた研磨パッドと、を併用することにより、従来よりも優れたパフォーマンス(高研磨速度、高平坦化、スクラッチ抑制等)を達成できることが判明した。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2・4・6…シリカ粒子、10…研磨層、12…支持層、14…研磨装置用定盤、16・17・18・19…凹部、20…研磨面、40…探針、100・200・300…研磨パッド

Claims (10)

  1. 研磨パッドを定盤に固定し、前記研磨パッドの研磨層に化学機械研磨用水系分散体を供給しながら前記研磨層に半導体基板を接触させて研磨する化学機械研磨方法において、
    前記化学機械研磨用水系分散体が、(A)長径(Rmax)と短径(Rmin)との比率(Rmax/Rmin)が1.1以上1.5以下であるシリカ粒子と、(B)2つ以上のカルボキシル基を有する化合物と、を含み、
    前記研磨層の表面粗さ(Ra)が1μm以上10μm以下の範囲にあることを特徴とする、化学機械研磨方法。
  2. 前記研磨パッドの研磨層のデュロD硬度が50D以上80D以下である、請求項1に記載の化学機械研磨方法。
  3. 前記研磨パッドの研磨層を23℃の水に4時間浸漬したときの表面硬度が2N/mm以上10N/mm以下である、請求項1または請求項2に記載の化学機械研磨方法。
  4. 前記化学機械研磨用水系分散体中に含まれる前記(A)シリカ粒子の、平均一次粒子径が0.01μm以上0.1μm以下であり、かつ、平均二次粒子径が0.02μm以上0.3μm以下である、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の化学機械研磨方法。
  5. 前記化学機械研磨用水系分散体を動的光散乱式粒径分布測定装置にて測定して算出される平均粒子径が0.04μm以上0.5μm以下の範囲にある、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の化学機械研磨方法。
  6. 前記化学機械研磨用水系分散体を動的光散乱式粒径分布測定装置にて測定して得られる粒子径分布において、最も高い検出頻度(Fb)を示す粒子径(Db)が35nm<Db≦90nmの範囲にあって、粒子径(Da)が90nm<Da≦100nmの範囲の検出頻度(Fa)と前記検出頻度(Fb)との比率(Fa/Fb)が0.5以下である、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の化学機械研磨方法。
  7. 前記化学機械研磨用水系分散体中に含まれる前記(A)シリカ粒子の含有量が0.1質量%以上20質量%以下である、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の化学機械研磨方法。
  8. 前記(B)化合物が、シュウ酸、マロン酸、酒石酸、グルタル酸、リンゴ酸、クエン酸およびマレイン酸から選択される少なくとも1種である、請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の化学機械研磨方法。
  9. 前記化学機械研磨用水系分散体が、さらに(C)水溶性高分子を含む、請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の化学機械研磨方法。
  10. 前記化学機械研磨用水系分散体が、さらに(D)酸化剤を含む、請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の化学機械研磨方法。
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