JP2016183206A - 硬化性組成物およびその製造方法 - Google Patents

硬化性組成物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、硬化時に成形体あるいは塗膜の発泡がなく、表面の美観に優れる硬化物を与える硬化性組成物を提供することを課題としている。【解決手段】本発明の硬化性組成物は、(X−1)硬化性ウレタン樹脂及び(X−2)硬化性エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種の硬化性樹脂(X)と、特定のメチル基指標と重量平均分子量を有するα−オレフィン(共)重合体からなる消泡剤(Y)と、溶剤(Z)を含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化時に成形体あるいは塗膜の発泡がなく、表面の美観に優れる硬化物を与える硬化性組成物、およびその製造方法であり、特に消泡性とレベリング性とに優れることから表面の美観に優れる硬化物を与える硬化型ウレタン組成物、およびその製造方法に関するものである。
硬化性ウレタン樹脂は熱硬化性の成形、塗料、常温硬化性の成形、注入、塗料及び塗布材料に広く用いられている。また、エポキシ樹脂を硬化させて得られる硬化物は、耐熱性、電気特性、機械的特性等に優れていることから、電気電子絶縁材料、塗料、接着剤、注型用材料等として広く使用されている。これらの用途では、成形時や塗料の塗装時に、硬化表面に泡、ハジキ、クレーター等種々の欠陥が発生して硬化表面の仕上がり性を損なうことがあり、その対策として、消泡剤が用いられることが多い。これらの消泡剤は界面活性を向上させる効果と、相溶性を悪くする即ち不相溶性の効果のいずれかの特徴を有しており、消泡剤としては、シリコン系、アクリル系、金属石鹸系等が一般的に知られている。
しかし、界面活性効果が高い消泡剤は少量の添加で良好な消泡効果を発揮するが、塗料業界で言われるハジキ、クレーター現象の主要因となり硬化表面の美観を大きく損ねてしまうことがあった。また、不相溶性の効果を利用した消泡剤は組成物と相溶していないために、硬化表面の光沢度を阻害し、極端な場合は表面全体が曇ったり、ブリードアウト現象を生じたりする場合があった。
これらの問題を解決するために、消泡剤としてエチレン‐α−オレフィン共重合体を用いることで、消泡効果に優れ、機械的性能が良好で、硬化表面の美観に優れることが記載されている(特許文献1、2)。しかし、エチレン‐α−オレフィン共重合体の粘度が高い場合には消泡性が発現しにくい場合があり、硬化表面の美観、特にグロスについては改良の余地があった。また、計量時のハンドリング性についても改良の余地があった。
特開平05−247161号公報 国際公開第2008/111323号パンフレット
本発明は、硬化時に成形体あるいは塗膜の発泡がなく、表面の美観に優れる硬化物を与える硬化性組成物、およびその製造方法を提供することを課題としている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討をした結果、硬化性組成物に対して、消泡剤のほか、溶剤をさらに配合することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、次の[1]〜[16]に関する。
[1] 硬化性ウレタン樹脂、及び硬化性エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種の硬化性樹脂(X)と、
下記要件(y−1)〜(y−2)を満たすα−オレフィン(共)重合体からなる消泡剤(Y)と
溶剤(Z)(ただし、前記消泡剤(Y)に該当するものを除く。)と
を含有する硬化性組成物:
(y−1)1H−NMRから測定されるメチル基指標が25〜60%である(ここで、当該メチル基指標とは、上記α−オレフィン(共)重合体を重クロロホルム中に溶解させて1H−NMRを測定し、重クロロホルム中のCHCl3に基づく溶媒ピークをリファレンス(7.24ppm)としたときにおける、0.50〜2.20ppmの範囲内にあるピークの積分値に対する、0.50〜1.15ppmの範囲内にあるピークの積分値の割合をいう。);
(y−2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が500〜50,000である。
[2] 前記消泡剤(Y)が、示差走査熱量分析(DSC)で測定される融点が観測されないことを特徴とする前記[1]に記載の硬化性組成物。
[3] 前記硬化性樹脂(X)が硬化性ウレタン樹脂である、前記[1]または[2]に記載の硬化性組成物。
[4] 前記消泡剤(Y)の使用量が、硬化性樹脂(X)100重量部当たり、0.001〜20重量部である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[5] 前記消泡剤(Y)を構成するα−オレフィン(共)重合体の前記メチル基指標が25〜40%であることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[6] 前記消泡剤(Y)を構成するα−オレフィン(共)重合体の前記メチル基指標が40〜60%であることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[7] 前記溶剤(Z)がオイルである、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[8] 前記溶剤(Z)が有機溶剤である、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[9] 前記α−オレフィン(共)重合体(Y)と前記溶剤(Z)とをあらかじめ混合し、さらに前記硬化性樹脂(X)と混合して、前記[1]〜[8]のいずれかに記載の硬化性組成物を得ることを特徴とする硬化性組成物の製造方法。
[10] 前記消泡剤(Y)の40℃動粘度(KV40(Y),mm2/s)と、前記消泡剤(Y)と前記溶剤(Z)の混合物の動粘度40℃動粘度(KV40(YZ),mm2/s)とが下記式の関係を満たすことを特徴とする前記[9]に記載の硬化性組成物の製造方法。
KV40(Y)/KV40(YZ) ≧2
[11] 前記溶剤(Z)がオイルである、前記[9]または[10]に記載の硬化性組成物の製造方法。
[12] 前記溶剤(Z)が有機溶剤である、前記[9]または[10]に記載の硬化性組成物の製造方法。
[13] 前記[1]〜[8]のいずれかに記載の硬化性組成物から形成された成形体。
[14] 前記[1]〜[8]のいずれかに記載の硬化性組成物を含む塗料。
[15] 前記[1]〜[8]のいずれかに記載の硬化性組成物から形成された防水材。
[16] 前記[1]〜[8]のいずれかに記載の硬化性組成物から形成された塗膜。
本発明によれば、硬化時に成形体あるいは塗膜の発泡がなく、表面の美観に優れる硬化物を与える硬化性組成物、およびその製造方法を提供することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。なお、以下の説明において、数値範囲を示す「〜」は、例えば「A〜B」と表記した場合、特に断りがなければ「A以上、B以下」を意味する。また、本明細書において「(共)重合体」なる語は、単独重合体および共重合体の両方を包括する概念として用いられる。
本発明の硬化性組成物は、成形体、塗料、弾性塗装材、防水材等の各種用途に用いることができる。
<硬化性組成物>
本発明の硬化性組成物は、以下に示す硬化性樹脂(X)、消泡剤(Y)、および溶剤(Z)を含む。
(X)硬化性樹脂
本発明に係る硬化性組成物を構成する硬化性樹脂(X)は、(X−1)硬化性ウレタン樹脂及び(X−2)硬化性エポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の硬化性樹脂である。
(X−1)硬化性ウレタン樹脂
本発明において、硬化性樹脂(X)となりうる成分の1つとして、硬化性ウレタン樹脂(X−1)が挙げられる。本発明で用いられる硬化性ウレタン樹脂(X−1)は、従来公知のものを含め種々の硬化性ウレタン樹脂であってもよく、一般的に、活性水素基含有化合物と過剰の有機ポリイソシアネートが大気中の水分存在下で反応して硬化する一液硬化型と、有機ポリイソシアネートを含むA液と活性水素基含有化合物を含むB液とからなり、このA液とB液を、使用の直前に所定の比率に計量、混合することにより硬化に供せられる二液硬化型とに大別される。本発明においては、硬化性ウレタン樹脂(X−1)は、一液硬化型と二液硬化型のいずれの形態で使用してもよい。硬化速度の調整が容易である二液硬化型の形態が好ましい。
ここで、上記A液に含まれる有機ポリイソシアネートは、1分子中に平均2個以上のイソシアネート基を有する。このような有機ポリイソシアネートはとしては、特に制限されないが、たとえば、
m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,4'−または4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'−トルイジンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;
1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネートなどの芳香環含有脂肪族ジイソシアネート;
トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−または、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエートなどの脂肪族ジイソシアネート;
1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどの脂環族ジイソシアネート;並びに
これらのジイソシアネートのカルボジイミド変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、二量体、および三量体
など、通常のポリウレタン樹脂の製造に使用される有機ポリイソシアネートを挙げることができる。また、これらの有機ポリイソシアネートは1種単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
上記有機ポリイソシアネートのうち、芳香族ジイソシアネートが好ましく、さらに2,4−トリレンジイソシアネートまたは2,6−トリレンジイソシアネートまたはそれらの混合物、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(以下、「クルードMDI」という)が好ましい。
一方、上記B液に含まれる活性水素基含有化合物としては、特に限定されないが、たとえば、ポリアミン、ポリオールが挙げられる。ここで、一般的に、本発明で用いられる硬化性ウレタン樹脂のうち、活性水素基含有化合物としてポリアミンを主に使用し、ウレア結合を主体として活性水素基含有化合物と有機ポリイソシアネートとの結合がなされた硬化性樹脂をウレア樹脂、活性水素基含有化合物としてポリオールを主に使用し、ウレタン結合を主体として活性水素基含有化合物と有機ポリイソシアネートとの結合がなされた硬化性樹脂をウレタン樹脂として呼び分ける場合があるが、本願では両者を区別せず硬化性ウレタン樹脂と総称する。
ここで、前記ポリアミンとしては、たとえば、
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、ポリオキシアルキレンポリアミンなどの脂肪族ポリアミン;
イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン、水添キシリレンジアミンなどの脂環式ポリアミン;
キシリレンジアミンなどの芳香環含有脂肪族ポリアミン;
3,5−ジエチル−2,4−ジアミノトルエン、3,5−ジエチル−2,6−ジアミノトルエン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、1,1'−ジクロロ−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,1',2,2'−テトラクロロ−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、1,3,5−トリエチル−2,6−ジアミノベンゼン、3,3',5,5'−テトラエチル−4,4'−ジアミノジフェニル−メタン、N,N'−ビス(t−ブチル)−4,4'−ジアミノジフェニル−メタン、ジ(メチルチオ)トルエンジアミンなどのアミン価180〜700の芳香族ポリアミンが挙げられる。
一方、前記ポリオールとしては、たとえば、
エチレングリコール、プロパンジオール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、アルカンジオール(炭素数:7〜22)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、アルカン−1,2−ジオール(炭素数:17〜20)、水素化ビスフェノールA、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、キシレングリコール、ビスヒドロキシエチレンテレフタレート、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどの低分子ジオール;
グリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノール、および炭素数8〜24の脂肪族トリオールなどの低分子トリオール;
ペンタエリスリトールなどの、1分子中に4つ以上の水酸基を有する低分子ポリオール;
ジエチレングリコール、ジペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパンなど、上記低分子ジオール、上記低分子トリオール、および上記1分子中に4つ以上の水酸基を有する低分子ポリオールをそれぞれ分子間で脱水縮合して得られる対応多価アルコールエーテル;
テトラヒドロフランの開環重合によって得られるポリテトラメチレングリコール;
ひまし油などの天然油脂ポリオール;
ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなどのポリオレフィンポリオール、およびこれらの水素添加物
などを挙げることができる。
また、前記活性水素基含有化合物となり得るその他のポリオールとして、
前記の低分子ジオール、低分子トリオール、ジアミンまたは3官能以上のポリアミンと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドとの付加反応によって得られるポリオキシアルキレンポリオール;
前記低分子ジオール、低分子トリオールを出発物質としてε−カプロラクトン、γ−バレロラクトンなどのラクトンを開環重合して得られるポリエステルポリオール;
前記低分子ジオール、低分子トリオールを出発物質としてエチレンカーボネートを開環重合して得られるポリカーボネートポリオール;
前記低分子ジオールおよび低分子トリオールからなる群から選択される少なくとも1種のポリオールと、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタール酸、アジピン酸、1,1−ジメチル−1,3−ジカルボキシプロパン、3−メチル−3−エチルグルタール酸、アゼライン酸、セバチン酸、その他の脂肪族ジカルボン酸(炭素数:11〜13)、ヘット酸およびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物との反応によって得られるポリエステルポリオール
が挙げられる。ここで、前記カルボン酸の誘導体としては、無水シュウ酸、無水コハク酸、無水2−アルキル(炭素数:12〜18)コハク酸などの酸無水物、シュウ酸ジクロリド、アジピン酸クロライド、セバチン酸クロライドなどの酸ハライドが挙げられる。
これらの活性水素基含有化合物は、1種単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。この活性水素基含有化合物としては、好ましくは、1分子中の活性水素基が2〜4、平均分子量が200〜6000のポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシエチレンプロピレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ビスフェノール系ポリオール、ひまし油ポリオールが挙げられる。
これらの活性水素基含有化合物のうち、柔軟性に優れる硬化物を得る観点からは、ポリオールが好ましい。これらのうち、1分子中の活性水素基が2〜4のポリオールから選択される2種以上の化合物を併用したものが挙げられる。
一方、特に低温での硬化反応速度、および硬化物の化学的安定性が優れるという観点からは、ポリアミンが好ましい。ここで、ポリアミンの好適な例として、1分子中のアミノ基が1個以上の平均分子量が200〜6000のポリオキシアルキレンジアミン、ポリオキシアルキレントリアミンが挙げられ、より具体的にはポリプロピレングリコール鎖の末端水酸基がアミノ基に置換された構造を有するジアミン、および、グリセリン等の3価アルコールにポリプロピレングリコールを脱水縮合して得られる、ポリオールの末端水酸基がアミノ基に置換された構造を有するトリアミンが挙げられる。また、このようなポリオキシアルキレンジアミンやポリオキシアルキレントリアミンと前述したポリアミンとを併用することができる。
また、前記のポリオールとポリアミンを併用すると、両者の特長を合わせ持った硬化物が得られ、好ましい。
本発明では、上述したように、上記硬化性ウレタン樹脂(X−1)として、二液硬化型硬化性ウレタン樹脂を好適に採用することができる。
ここで、二液硬化型硬化性ウレタン樹脂のA液としては、過剰の前記有機ポリイソシアネートを制限なく用いることができるが、前記活性水素基含有化合物との反応によって得られる1分子中に少なくとも1個の遊離イソシアネート基を有するプレポリマーを用いることが好ましい。具体的には、窒素ガス雰囲気下、有機ポリイソシアネートと活性水素基含有化合物とを、有機ポリイソシアネートのイソシアネート基1個に対して活性水素基含有化合物中の活性水素基の個数が0.1〜2.0の割合で、攪拌下、温度40〜120℃で4〜8時間反応させることで調製される。このようにして得られるウレタンプレポリマーは、イソシアネート基含有量が1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%であることが望ましい。
二液硬化型硬化性ウレタン樹脂のB液に用いられる活性水素基含有化合物としては、前述した活性水素基含有化合物類、例えばポリアミン、ポリオール等を特に制限なく用いることができる。前記有機ポリイソシアネートと過剰の前記活性水素基含有化合物との反応によって得られる1分子中に少なくとも1個の活性水素基含有化合物を有するプレポリマーを用いることが好ましい。
本発明に用いられる硬化性ウレタン樹脂においては、有機ポリイソシアネート中のイソシアネート基1個に対し、活性水素基含有化合物中の活性水素基(水酸基及び/またはアミノ基)が好ましくは0.1〜2個、より好ましくは0.5〜1.5、さらに好ましくは0.8〜1.2個の範囲になる割合で混合される。
(X−2)液状エポキシ樹脂
本発明で用いる液状エポキシ樹脂(X−2)としては、常温で液状のエポキシ樹脂であれば特に制限なく公知のものを使用することができる。具体的には、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂;グリシジルエステル型エポキシ樹脂、例えば、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル;グリシジルアミン型エポキシ樹脂、例えば、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン;線状脂肪族エポキサイド、例えば、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油;脂環族エポキシサイド、例えば、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチルカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレートなどが挙げられ、単独でも、2種以上の混合物として使用しても良い。これらの中でも、得られる硬化物の機械的物性や耐熱性に優れ、工業的入手が容易である点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂を含有することが好ましい。
本発明に用いる液状エポキシ樹脂(X−2)としては、本発明の効果を損なわない範囲で、種々の固形エポキシ樹脂等を併用し、加熱混合して液状化し、液状エポキシ樹脂としても用いても良い。
本発明で用いる液状エポキシ樹脂(X−2)には、液状エポキシ樹脂の粘度を低減させるために、低粘度脂肪族エポキシ化合物を添加し、所望の粘度となるように調整してもよい。このような低粘度脂肪族エポキシ化合物としては、具体的には、多価アルコールのグリシジルエーテルまたは多価アルコールに1種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルポリオールのグリシジルエーテルであり、例えば、
エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル及びペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテルなど、脂肪族多価アルコールのグリシジルエーテル;
ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールジグリシジルエーテルなど、脂肪族ポリエーテルポリオールのグリシジルエーテル
などが挙げられる。好ましくは、常温で100mPa・s以下の粘度を有する多価アルコールのグリシジルエーテルまたは多価アルコールに1種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルポリオールのグリシジルエーテルである。また、本発明において液状エポキシ樹脂の粘度を低減させる目的で用いられるエポキシ化合物は、上記低粘度脂肪族エポキシ化合物に限られず、例えば、レゾルシノールジグリシジルエーテルなど、芳香族グリシジルエーテルのうち比較的粘度の低いものや、ジグリシジルアニリンなど、芳香族グリシジルアミンのうち比較的粘度の低いものであってもよい。これらのエポキシ化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を混合して使用しても良い。
(Y)消泡剤
本発明に係る硬化性組成物を構成する消泡剤(Y)として、α−オレフィン(共)重合体が用いられる。本発明において消泡剤(Y)となるα−オレフィン(共)重合体は、具体的には炭素原子数2〜20のα−オレフィンの(共)重合体である。
本発明において消泡剤(Y)として用いられるα−オレフィン(共)重合体を構成する炭素原子数2〜20のα−オレフィンの例として、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセンの直鎖状α−オレフィンや3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、8−メチル−1−ノネン、7−メチル−1−デセン、6−メチル−1−ウンデセン、6,8−ジメチル−1−デセンなどの分岐を有するα−オレフィンを挙げることができる。これらのα−オレフィンは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられるα−オレフィン(共)重合体は、全プロトン中に占めるメチル基の割合がある一定の範囲内にあることを特徴とする。一般的にメチル基のプロトンは1H−NMR測定において高磁場側にピークが観測されることが知られている(「高分子分析ハンドブック」(朝倉書店 2008年発行 初版 P184〜211))。このため、本願では1H−NMRで測定したときに観測される高磁場側のピークの割合をメチル基の指標として用いた(以下「メチル基指標」という)。具体的にはα−オレフィン(共)重合体を重クロロホルム中に溶解させて1H−NMRを測定し、重クロロホルム中のCHCl3に基づく溶媒ピークをリファレンス(7.24ppm)としたときにおける、0.50〜2.20ppmの範囲内にあるピークの積分値に対する、0.50〜1.15ppmの範囲内にあるピークの積分値の割合をメチル基指標とした。ここで、0.50〜2.20ppmの範囲内にはα−オレフィン(共)重合体に基づくピークがほぼ含まれる。この範囲のうち、メチル基に基づくピークは、0.50〜1.15ppmの範囲内に含まれる可能性が高い。
本発明で用いられるα−オレフィン(共)重合体はメチル基指標が25〜60%、好ましい一態様は25〜35%であり、別の好ましい一態様は45〜55%である。一般的に、消泡性を発現させるためには、泡を生じる液体(本願においては硬化性樹脂)と不相容性の成分が泡膜に取り込まれ、泡膜を不安定化させることが重要といわれている。しかし、相容性が悪すぎると表面にブリードアウトが生じ、外観が悪化する。したがって、消泡性と外観を両立させるためには、硬化性樹脂との相容性を適切に制御することが重要となる。メチル基指標が25〜60%の範囲内にあると硬化性樹脂との相容性が最適であり、消泡性を効果的に発現し、かつ外観を保持ことができる。
メチル基指標は適切なモノマーを選定し重合することで制御可能である。
例えば、プロピレンやブテン、イソブテン等の炭素数3〜5のα−オレフィンの単独重合体はモノマーに対するメチル基の割合が高くなりすぎてしまう傾向にあるため、単独重合体によって適度のメチル基指標を達成しようとする場合、モノマーとして炭素数6〜20のα−オレフィンを選定する必要がある。ただ、このようなα−オレフィンをモノマーとして採用して得られる重合体は、必ずしも単独重合体である必要はなく、共重合体であってもよい。このような要件を満たす重合体は、本発明においてα−オレフィン(共)重合体の好ましい一態様である高級α−オレフィン(共)重合体である。詳細については後述する。
また、例えば、α−オレフィン(共)重合体としてエチレンの重合体を採用する場合、エチレンの単独重合体はメチル基を有さないため、適切に炭素数3〜20のα−オレフィンを共重合させ、メチル基の割合を高める必要性がある。このような要件を満たす重合体は、本発明においてα−オレフィン(共)重合体の好ましい別の一態様であるエチレン・α−オレフィン共重合体である。詳細については後述する。
本発明で用いられるα−オレフィン(共)重合体は常温で液状であることが好ましい。常温で液状であると、液状であることが多い硬化性樹脂との混合性が優れ、少量で消泡性を発現しやすい点で好ましい。
本発明で用いられるα−オレフィン(共)重合体は示差走査熱量分析(DSC)で測定される融点が観測されないことが好ましい。ここで、融点(Tm)が観測されないとは、示差走査型熱量測定(DSC)で測定される融解熱量(ΔH)(単位:J/g)が実質的に計測されないことをいう。融解熱量(ΔH)が実質的に計測されないとは、示差走査熱量計(DSC)測定においてピークが観測されないか、あるいは観測された融解熱量が1J/g以下であることである。α−オレフィン(共)重合体の融点(Tm)および融解熱量(ΔH)は、示差走査熱量計(DSC)測定を行い、−100℃まで冷却してから昇温速度10℃/minで150℃まで昇温したときにDSC曲線をJIS K7121を参考に解析し求めた。融点が観測されないと、常温で液状となり易く、前述の通り消泡性が発現し易い。
本発明で用いられるα−オレフィン(共)重合体の重量平均分子量(Mw)は好ましくは500〜50,000の範囲であり、好ましくは1,000〜30,000、より好ましくは2,000〜20,000の範囲である。硬化性樹脂との相容性は分子量が小さいほどエントロピー項の寄与により改善されるため、相容性を適切に制御するためには平均分子量の制御が重要となる。重量平均分子量が上記下限値、特に500より小さいと、相容性が高すぎて消泡性が発現しない場合があり、かつ低分子量成分を含むためにブリードアウトが起こりやすい。一方、重量平均分子量が上記上限値、特に50,000より大きくなると硬化性樹脂との相容性が低下しすぎ、ブリードアウトの原因となる場合がある。また、重量平均分子量が上記上限値、特に50,000より大きくなると粘度が高くなりすぎて分散性が低下し泡膜内に取り込まれにくくなるため、消泡性が損なわれる場合がある。
また、本発明で用いられるα−オレフィン(共)重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定した分子量分布(Mw/Mn)は特に限定されるものではないが、上限値は通常3以下であり、好ましくは2.5以下、更に好ましくは2以下である。また下限値は通常1.0以上であり、好ましくは1.2以上である。分子量分布が広く(Mw/Mnが大きく)なると、消泡性が発現しにくく、表面にブリードアウトして外観を損なう高分子量、または低分子量の成分を多く含むことになり、好ましくない。
重量平均分子量、および分子量分布は分子量既知の標準物質(単分散ポリスチレン)を用いて較正されたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。
本発明で用いられるα−オレフィン(共)重合体の100℃での動粘度は好ましくは1〜5,000mm2/sの範囲にあり、より好ましくは4〜3,000mm2/sの範囲にあり、より好ましくは10〜2,500mm2/sの範囲であり、さらに好ましくは15〜1,500mm2/sの範囲であり、特に好ましく20〜800mm2/sの範囲である。α−オレフィン共重合体の100℃における動粘度が上記下限値、特に1mm2/sより小さいと、消泡性が発現せず、かつ表面にブリードアウトして外観を損なう場合がある。一方、α−オレフィン共重合体の100℃における動粘度が上記上限値、特に5,000mm2/sより大きくなると粘度が高くなりすぎて硬化性樹脂内での分散性が低下し泡膜内に取り込まれにくくなるため、消泡性が損なわれる場合がある。言い換えると、α−オレフィン(共)重合体の100℃での動粘度が上記数値範囲内にあると、硬化性樹脂内でのα−オレフィン(共)重合体の分散性が充分に維持された形で、充分な消泡性を発現させることができるのである。
本発明に係るα−オレフィン(共)重合体は1種単独で用いてもよいし、2種以上のα−オレフィン(共)重合体を併用してもよい。
(高級α−オレフィン(共)重合体)
本発明において消泡剤(Y)を構成するα−オレフィン(共)重合体の好ましい一態様は、1種以上の炭素原子数6〜20のα−オレフィンからなる単量体の(共)重合体である。ここでいう、1種以上の炭素原子数6〜20のα−オレフィンからなる単量体の(共)重合体とは、炭素原子数6〜20のα−オレフィン単独重合体、または、炭素原子数6〜20のα−オレフィンに対応する構成単位を1種以上含む炭素原子数6〜20のα−オレフィン共重合体である。本明細書において、このようなα−オレフィン(共)重合体を、便宜上「高級α−オレフィン(共)重合体」と呼ぶ場合がある。更に、必要に応じて50モル%を超えない範囲で、エチレン及び/または炭素原子数3〜5のα−オレフィンを共重合成分として導入することもできる。このような高級α−オレフィン(共)重合体は一般的にPAOと総称される。
なお、本明細書において、ある(共)重合体を構成するオレフィンをXとしたときに、「Xから導かれる構成単位」なる表現が用いられることがあるが、これは「Xに対応する構成単位」、すなわち、Xの二重結合を構成するπ結合が開くことにより形成される、一対の結合手を有する構成単位をいう。
高級α−オレフィン(共)重合体(PAO)に用いられる炭素原子数6〜20のα−オレフィンとしては、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセンの直鎖状α−オレフィンや3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、8−メチル−1−ノネン、7−メチル−1−デセン、6−メチル−1−ウンデセン、6,8−ジメチル−1−デセンなどの分岐を有するα−オレフィンを挙げることができるが、好ましくは炭素原子数8〜12の直鎖状α−オレフィンであり、特に好ましくは1−オクテン、1−デセンである。
本発明において高級α−オレフィン(共)重合体(PAO)を構成する炭素原子数6〜20のα−オレフィンからなる単量体から導かれる構成単位の含有率は50〜100モル%の範囲であり、好ましくは55〜100モル%、更に好ましくは60〜100モル%である。
また、本発明において高級α−オレフィン(共)重合体(PAO)を構成するエチレンから導かれる構成単位の含有率は0〜50モル%の範囲であり、好ましくは0〜45モル%、さらに好ましくは0〜40モル%の範囲である。
更に、必要に応じて炭素数3〜5のα−オレフィンを0〜30モル%の割合で含有させることもできる。この様な炭素原子数3〜5のα−オレフィンとしてはプロピレン,1−ブテン、1−ペンテンなどの直鎖状α−オレフィンや3−メチル−1−ブテンなどの分岐を有するα−オレフィンを挙げることができる。これらの炭素数3〜5のα−オレフィンは、1種単独でまたは2種以上を組合せて用いることができる。
高級α−オレフィン(共)重合体(PAO)のメチル基指標は特に限定されるものではないが、液状を保つためには25〜40%が好ましく、25〜35%がより好ましい。
これらのα−オレフィンは1種単独でまたは2種以上組合せて用いることができる。
高級α−オレフィン(共)重合体(PAO)は、低規則性構造を有すると分子内にわずかな組成分布を有し、硬化性組成物との相容性を適切に制御しやすくなるため、好ましい。
上記のような高級α−オレフィン(共)重合体(PAO)は、米国特許第3,382,291号公報、米国特許第3,763,244号公報、米国特許第5,171,908号公報、米国特許第3,780,128号公報、米国特許第4,032,591号公報、特開平1−163136号公報、米国特許第4,967,032号公報、米国特許4,926,004号公報に記載のように三フッ化ホウ素、クロム酸触媒等の酸触媒によるオリゴメリゼーションにより得ることがきる。また、特開昭63−037102号公報、特開2005−200447号公報、特開2005−200448号公報、特開2009−503147号公報、特開2009−501836号公報に記載のようなメタロセン化合物を含むジルコニウム、チタン、ハフニウム等の遷移金属錯体を用いた触媒系を用いる方法等によっても得ることができる。製造方法の汎用性、得られるα−オレフィン(共)重合体(PAO)の入手容易性の観点で、酸触媒によるオリゴメリゼーションが好ましい。低規則性構造が得られる点で、酸触媒のうち三フッ化ホウ素が特に好ましい。
かかるPAOは市販されており、エクソンモービルケミカル社「SpectraSyn(登録商標)」「SpectraSyn(登録商標) Plus」「SpectraSyn(登録商標) Elite」「SpectraSyn(登録商標) Ultra」、Ineos社「Durasyn(登録商標)」、Chemtura社「Synton(商標)」などがある。
(エチレン・α−オレフィン共重合体)
本発明においてα−オレフィン(共)重合体の好ましい別の一態様はエチレン・炭素原子数3以上のα−オレフィン共重合体(以下、「エチレン・α−オレフィン共重合体」とも呼ぶ。)である。エチレン・α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、エチレン以外のα−オレフィンが挙げられ、典型例として、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1、トリデセン−1、テトラデセン−1、ペンタデセン−1、ヘキサデセン−1、ヘプタデセン−1、オクタデセン−1、ノナデセン−1、エイコセン−1などの炭素数3〜20のα−オレフィンなどを例示することができる。エチレン・α−オレフィン共重合体中には、これらα−オレフィンを1種単独で用いてもよく、あるいは、2種以上併用してもよい。ただし、本発明では、上記「高級α−オレフィン(共)重合体」との区別のため、エチレン・α−オレフィン共重合体における、炭素原子数6〜20のα−オレフィンに対応する構成単位の含量は50モル%未満とする。これらのα−オレフィンの内では、効果的に結晶性を落としてサンプルを液状にし、硬化性樹脂との相容性を制御して硬化性組成物の消泡性と外観のバランスを改善する点で、炭素数3〜10のα−オレフィンが好ましく、特にプロピレンが好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレン構造単位含有率が30〜80モル%、好ましくは40〜75モル%、より好ましくは40〜60モル%である。エチレン含量が多すぎる、または少なすぎると結晶性が高くなり液状でなくなって硬化性樹脂との混合がしにくくなり、消泡効果が低下する場合がある。
エチレン・α−オレフィン共重合体のエチレン含量は、13C−NMR法で測定することができ、例えば後述する方法および「高分子分析ハンドブック」(朝倉書店 2008年発行 初版 P184〜211)に記載の方法に従ってピークの同定と定量とを行うことができる。
発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体は、NMRで測定したブロックネス(B値)が、通常0.9以上、好ましくは1.0以上である。B値は共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示すパラメータであり、B値が小さくなると、結晶性が高くなり、液状でなくなって硬化性樹脂との混合がしにくくなり、消泡効果が低下する。
発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体のメチル基指標は特に限定されるものではないが、液状を保つためには40〜60%が好ましく、40〜55%がより好ましく、45〜50%がさらに好ましい。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体は、公知の方法を制限なく用いて製造することができる。例えば、バナジウム、ジルコニウム、チタニウム、ハフニウムなどの遷移金属化合物と、有機アルミニウム化合物(有機アルミニウムオキシ化合物)および/またはイオン化イオン性化合物とからなる触媒の存在下にエチレンとα−オレフィンとを共重合させる方法が挙げられる。ジルコニウム、チタニウム、ハフニウムなどの遷移金属化合物を使用したメタロセン触媒は、連続した二つ以上のプロピレンモノマーから形成される2,1−結合量(インバージョン)が少なくなり、硬化性組成物の低温特性が向上するため好ましい。このような方法は、例えば国際公開2000/34420号パンフレット、特開昭62−121710号公報、国際公開2004/29062号パンフレット、特開2004−175707号公報、国際公開2001/27124号パンフレット等に記載されている。
(その他の態様)
本発明において、消泡剤(Y)として用いられるα−オレフィン(共)重合体は、そのままの形であってもよいし、あるいは、グラフト変性によって何らかの極性基を付与されたものであってもよい。変性に利用される極性基を有するビニル化合物には、酸、酸無水物、エステル、アルコール、エポキシ、エーテル等の酸素含有基を有するビニル化合物、イソシアネート、アミド等の窒素含有基を有するビニル化合物、ビニルシラン等のケイ素含有基を有するビニル化合物などを使用することができる。
この中でも、酸素含有基を有するビニル化合物が好ましく、具体的には、不飽和エポキシ単量体、不飽和カルボン酸及びその誘導体などが好ましい。不飽和エポキシ単量体としては、不飽和グリシジルエーテル、不飽和グリシジルエステル(例えば、グリシジルメタクリレート)などがある。上記不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸TM(エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸)などがある。
また、上記不飽和カルボン酸の誘導体としては、上記不飽和カルボン酸の酸ハライド化合物、アミド化合物、イミド化合物、酸無水物、及びエステル化合物などを挙げることができる。具体的には、塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエートなどがある。
これらの中では、不飽和ジカルボン酸及びその酸無水物がより好ましく、特にマレイン酸、ナジック酸TM及びこれらの酸無水物が特に好ましく用いられる。
なお、上記の極性基を有するビニル化合物又はその誘導体が、α−オレフィン(共)重合体にグラフトする位置は特に制限されず、このα−オレフィン(共)重合体の任意の炭素原子に不飽和カルボン酸又はその誘導体が結合していればよい。
上記のような変性α−オレフィン(共)重合体は、従来公知の種々の方法、例えば、次のような方法を用いて調製できる。
(1)上記の未変性のオレフィン系重合体を押出機、バッチ式反応機などで混合させて、極性基を有するビニル化合物又はその誘導体などを添加してグラフト共重合させる方法。
(2)上記の未変性のオレフィン系重合体を溶媒に溶解させて、極性基を有するビニル化合物又はその誘導体などを添加してグラフト共重合させる方法。
いずれの方法も、上記極性基を有するビニル化合物又はその誘導体のグラフトモノマーを効率よくグラフト共重合させるために、ラジカル開始剤の存在下でグラフト反応を行うことが好ましい。
上記ラジカル開始剤として、例えば、有機ペルオキシド、アゾ化合物などが使用される。上記有機ペルオキシドとしては、ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシドなどが挙げられ、上記アゾ化合物としては、アゾビスイソブチルニトリル、ジメチルアゾイソブチレートなどがある。
このようなラジカル開始剤としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシドが好ましく用いられる。
これらのラジカル開始剤は、未変性のα−オレフィン(共)重合体100重量部に対して、通常は0.001〜1重量部、好ましくは0.003〜0.5重量部、さらに好ましくは0.05〜0.3重量部の量で用いられる。
上記のようなラジカル開始剤を用いたグラフト反応、あるいは、ラジカル開始剤を使用しないで行うグラフト反応における反応温度は、通常60〜350℃、好ましくは120〜300℃の範囲に設定される。
このようにして得られる変性α−オレフィン(共)重合体中の極性基を有するビニル化合物のグラフト量は、変性オレフィン系重合体の質量を100重量%とした場合に、通常0.01〜15重量%、好ましくは0.05〜10重量%である。
(消泡剤(Y)の使用量)
本発明の硬化性組成物における消泡剤(Y)の使用量は、上記硬化性樹脂(X)100重量部に対して好ましくは0.001〜20重量部、より好ましくは0.002〜15重量部、さらに好ましくは0.002〜10重量部、さらに好ましくは0.002〜3重量部、さらに好ましくは0.002〜1重量部、さらに好ましくは0.01〜0.4重量部、さらに好ましくは0.01〜0.09重量部、さらに好ましくは0.01〜0.049重量部であることが望ましい。一方、本発明の硬化性組成物全体における消泡剤(Y)の含量は、好ましくは0.0005〜12重量%以下、より好ましくは0.001〜10重量%、より好ましくは0.001〜2重量%、さらに好ましくは0.005〜1重量%、さらに好ましくは0.005〜0.4重量%、さらに好ましくは0.005〜0.2重量%、さらに好ましくは0.005〜0.06重量%、さらに好ましくは0.005〜0.03重量%であることが望ましい。上記硬化性樹脂(X)に対する消泡剤(Y)の割合や硬化性組成物全体における消泡剤(Y)の含量が、それぞれ上記下限値以上であると、消泡剤(Y)による消泡の作用が十分に発揮される。一方、上記硬化性樹脂(X)に対する消泡剤(Y)の割合や硬化性組成物全体における消泡剤(Y)の含量が、それぞれ上記上限値以下であると、得られる硬化性組成物におけるグロスの低下、あるいはブリードアウトが生じにくいので好ましい。
(Z)溶剤
本発明の硬化性組成物を構成する溶剤(Z)としては、オイルや有機溶剤が挙げられる。ここで、オイルとは40℃での動粘度が5mm2/s以上のものを、有機溶剤とは40℃での動粘度が5mm2/s未満のものを指す。オイルは揮発性が低く、硬化性組成物を作成する際の作業環境を悪化させにくい点で好ましい。逆に、有機溶剤は容易に揮発するために硬化性組成物の物性に影響を与えにくいため好ましい。以下に詳しく述べる。また、特に、消泡剤(Y)として用いられる上記α−オレフィン(共)重合体が高い粘度を有する場合、オイルは消泡性を改良する効果が高く、有機溶剤を用いたときには消泡性を改良する効果が充分に得られない場合においても充分な効果が得られることがあるため好ましい。なお、一般に溶剤として用いられうる物質の中には、上記消泡剤(Y)にも該当するものも想定されるが、本発明においてそのような物質は、上記消泡剤(Y)として取り扱うこととし、溶剤(Z)としては取り扱わないこととする。
本発明の硬化性組成物における溶剤(Z)成分であるオイルは、40℃における動粘度が好ましくは5〜4,000mm2/sであり、さらに好ましくは5〜2,000mm2/s、より好ましくは10〜1,000mm2/s、さらに好ましくは20〜500mm2/sである。40℃での動粘度が上記範囲であるオイルは、揮発性が低く、硬化性組成物を作成する際の作業環境を悪化させにくい点で好ましい。40℃での動粘度が4,000mm2/sを超えると、流動性が低下するためα−オレフィン(共)重合体の流動性改良効果が十分に得られない場合がある。
また、本発明の硬化性組成物における溶剤(Z)成分であるオイルとしては、100℃動粘度が好ましくは1〜300mm2/sであり、より好ましくは2〜150mm2/s、さらに好ましくは2〜100mm2/sである。100℃における動粘度が上記範囲であるオイルは、揮発性が低く、硬化性組成物を作成する際の作業環境を悪化させにくい点で好ましい。100℃における動粘度が300mm2/sを超えると、流動性が低下するためα−オレフィン(共)重合体の流動性改良効果が十分に得られない場合がある。
本発明の硬化性組成物における溶剤(Z)成分であるオイルとしては、例えば石油を精製して得られる鉱物油などの従来公知のオイルが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
鉱物油は一般に精製の仕方により幾つかの等級があるが、(Z)成分としては、API分類のグループ(I)〜(III)の何れに該当するものを用いても良い。参考までに、API分類のグループを下記表1に示す。
Figure 2016183206
ここで、グループ(I)〜(III)の基油は、石油を精製して得られる鉱物油などの鉱物油系潤滑油基油であり、具体的には、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、水素化精製等の処理を1つ以上行って精製したもの、あるいはワックス異性化鉱油等の潤滑油基油が例示できる。具体的には例えば、水素分解精製法で製造され、0.5〜10%のワックス分を含み流動点が低く、粘度指数の高い、イソパラフィンを主体とした組成の高度精製油を用いることができる。
その中でも一般にプロセスオイルとして販売されている鉱物油製品群は、特に低揮発分が少なく、本発明に係る本発明の硬化性組成物における溶剤(Z)成分として好ましく用いられる。プロセスオイルとしては、具体的には、パラフィン系プロセスオイル、アロマティック系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどが挙げられる。中でも、芳香族成分等の不飽和成分の含有量が少ないパラフィン系プロセスオイルが耐熱性、耐侯性に優れ、好ましく用いられる。
また、溶剤(Z)成分として用いうるオイルとして、天然ガスをフィッシャートロプス反応により重合し水素分解精製を行うことにより得られる合成油(GTL:Gas to liquid)も挙げることができる。GTLの例として、特許文献であるEP0776959、EP0668342、WO97/21788、WO00/15736、WO00/14188、WO00/14187、WO00/14183、WO00/14179、WO00/08115、WO99/41332、EP1029029、WO01/18156およびWO01/57166に記載されているものが挙げられる。
これらの中でも、入手容易性、低揮発性の観点からプロセスオイルが好ましく、硬化性組成物の耐熱性、耐侯性の観点からパラフィン系プロセスオイルが特に好ましい。
本発明の硬化性組成物における溶剤(Z)成分であるオイルとして、合成油のうち上記消泡剤(Y)に該当しないもの、例えばアルキルベンゼン類、アルキルナフタレン類、イソブテンオリゴマーまたはその水素化物、パラフィン類、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル、エステル等を使用することもできる。
溶剤(Z)成分として用いうるアルキルベンゼン類、アルキルナフタレン類の例として、通常アルキル鎖長が炭素原子数6〜14のジアルキルベンゼンまたはジアルキルナフタレンを挙げることもできる。このようなアルキルベンゼン類またはアルキルナフタレン類は、ベンゼンまたはナフタレンとオレフィンとのフリーデルクラフトアルキル化反応によって製造される。アルキルベンゼン類またはアルキルナフタレン類の製造において使用されるアルキル化オレフィンは、線状もしくは枝分かれ状のオレフィンまたはこれらの組み合わせでも良い。これらの製造方法は、例えば、米国特許第3,909,432号に記載されている。
溶剤(Z)成分として用いうるエステルの例として、脂肪酸エステルが挙げられる。脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、以下のような炭素、酸素、水素のみからなる脂肪酸エステルが挙げられ、例えば、一塩基酸とアルコールから製造されるモノエステル;二塩基酸とアルコールとから、またはジオールと一塩基酸または酸混合物とから製造されるジエステル;ジオール、トリオール(たとえばトリメチロールプロパン)、テトラオール(たとえばペンタエリスリトール)、ヘキサオール(たとえばジペンタエリスリトール)などと一塩基酸または酸混合物とを反応させて製造したポリオールエステルなどが挙げられる。これらのエステルの例としては、ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、トリデシルペラルゴネート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、トリメチロールプロパントリヘプタノエート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート、ペンタエリスリトールテトラヘプタノエートなどが挙げられる。
上記消泡剤(Y)を構成するα−オレフィン(共)重合体との相溶性の観点から、上記エステルを構成するアルコール部位としては、水酸基が2官能以上のアルコールが好ましく、脂肪酸部位としては、炭素数が8以上の脂肪酸が好ましい。ただし、脂肪酸については製造コストの点において、工業的に入手が容易である炭素数が20以下の脂肪酸が優位である。エステルを構成する脂肪酸は1種でもよく、あるいは、2種以上の組み合わせであってもよい。すなわち、2種以上の酸混合物を用いて製造される脂肪酸エステルを用いても、本発明の効果は十分に発揮される。脂肪酸エステルとしては、より具体的には、トリメチロールプロパンラウリン酸ステアリン酸混合トリエステルやジイソデシルアジペートなどが挙げられる。
溶剤(Z)成分として用いうる有機溶剤としては、特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ノナン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、n−酢酸ブチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、等のエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、エチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、が挙げられる。これらの中でも、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素がα−オレフィン(共)重合体の溶解性に優れ、好適に用いることができる。
本発明の硬化性組成物における溶剤(Z)成分である有機溶剤として、石油系溶剤を用いることもできる。石油系溶剤は石油を分留して得られ、一般に上記の有機溶剤の混合物である。一般名としては、沸点範囲が30〜210℃でJIS K2201に定義されている工業ガソリン(ベンジン、ゴム揮発油、大豆揮発油、ミネラルスピリット、クリーニングソルベント)、沸点範囲が120〜200℃で石油の接触改質によって得られるコールタールナフサ、沸点範囲が30〜70℃の石油エーテル、沸点範囲が30〜170℃の石油ナフサ、沸点範囲が50〜90℃の石油ベンジン等として販売されており、精製工程を経た上記の有機溶剤に比べて、安価で入手容易性に優れることから好ましい。
本発明の硬化性組成物における溶剤(Z)の使用量は、上記硬化性樹脂(X)100重量部に対して好ましくは0.001〜20重量部、より好ましくは0.01〜15重量部、さらに好ましくは0.05〜10重量部、さらに好ましくは0.05〜5重量部であることが望ましい。一方、本発明の硬化性組成物全体における消泡剤(Y)の含量は、好ましくは0.0005〜15重量%以下、より好ましくは0.005〜10重量%、より好ましくは0.05〜5重量%であることが望ましい。上記硬化性樹脂(X)に対する溶剤(Y)の割合や硬化性組成物全体における消泡剤(Y)の含量が、それぞれ上記下限値以上であると、消泡剤(Y)の消泡作用の改善や作業性の改良効果が十分に発揮される。一方、上記硬化性樹脂(X)に対する溶剤(Z)の割合や硬化性組成物全体における消泡剤(Y)の含量が硬化性組成物全体における消泡剤(Y)の含量が、それぞれ上記上限値以下であると、得られる硬化性組成物におけるグロスの低下、あるいはブリードアウトが生じにくいので好ましい。
溶剤(Z)の使用量は消泡剤(Y)の使用量に対して1/3量から1000倍であることが好ましく、1/2量から500倍であることが好ましく、等量から200倍であることがさらに好ましい。
その他の構成成分
本発明の硬化性組成物は、上記硬化性樹脂(X)および上記消泡剤(Y)のほか、その他の構成成分として、必要に応じて触媒(硬化剤)、溶剤、可塑剤、充填剤(フィラー)、着色剤、添加剤などを含有することができる。ここで、上記硬化性樹脂(X)として二液硬化型ウレタン樹脂(すなわち、(X−1)硬化性ウレタン樹脂のうち、二液硬化型のウレタン樹脂)を用いる場合においては、これら「その他の構成成分」はB液に予め混合して調整するのが好ましい。
(触媒)
本発明の硬化性組成物には、上記硬化性樹脂(X)の硬化を促進させることを目的として、触媒が含有されうる。
触媒としては、特に限定されないが、常温で液状の触媒及び固体の触媒が挙げられる。好ましくは常温で液状である触媒であって、さらに好ましくは常温硬化型の触媒である。固体の触媒は、本発明の効果を阻害しない範囲で、液状の触媒に併用しても良い。
例えば、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、ポリアミドポリアミン又はポリメルカプタン等のアミン系化合物、及びその変性化合物、錫、ビスマス、鉛、ニッケル、コバルト等の化合物が挙げられ、単独で使用しても、2種以上を混合して使用しても良い。
具体的には、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、N−メチルモルホリン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、1,1'−ジクロロ−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、1,1',2,2'−テトラクロロ−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、ジ(メチルチオ)トルエンジアミン、ジモルホリノジエチレングリコール、酢酸錫、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ラウリン酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、オクチル酸コバルト等が挙げられる。
前記触媒の添加によって、硬化性組成物の反応性を制御することができる。硬化性組成物の反応性は、JIS K5400に規定されている指触乾燥時間は好ましくは2〜3600秒、より好ましくは2〜1800秒である。
(可塑剤)
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて可塑剤が含有されていてもよい。
可塑剤としては、特に限定されないが、たとえば、フタル酸ジブチル(略称:DBP)、フタル酸ジオクチル(別称:フタル酸ビス2−エチルヘキシル、略称:DEHP、DOP、DEHA)、フタル酸ジイソノニル(略称:DINP)、等の無水フタル酸とアルコールのエステル、アジピン酸ジオクチル(別称:アジピン酸ビス2−エチルヘキシル、略称:DEHA、DOA)等のアジピン酸とアルコールのエステル 、燐酸トリクレジル、燐酸トリオクチル、エポキシ化大豆油、変性ひまし油が挙げられる。これらの中で、フタル酸系可塑剤がブリードアウトを生じにくく、好適に用いることができる。本発明における可塑剤の含有量は、本発明の硬化性組成物に含まれる硬化性樹脂(X)100重量部に対して100重量部以下、好ましくは1〜80重量部、さらに好ましくは5〜50重量部程度であることが望ましい。一方、硬化性組成物全体における含量は、50重量%以下、好ましくは1〜40重量%、1〜30重量%が好ましい。
(充填剤)
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて充填剤が含有されていてもよい。
充填剤としては、無機充填材が好ましく、マイカ、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、グラファイト、ステンレス、アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、亜鉛華などの粉末充填剤;ガラス繊維や金属繊維などの繊維状充填剤などを挙げることができる。本発明における充填剤の含有量は、本発明の組成物に含まれる硬化性樹脂(X)100重量部に対して150重量部以下、好ましくは10〜120重量部、さらに好ましくは30〜100重量部程度であることが望ましい。硬化性組成物全体における含量は、60重量%以下、好ましくは10〜55重量%、20〜50重量%が好ましい。
(着色剤)
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて適宜着色剤が含有されていてもよい。
着色剤としては、特に限定されないが、たとえば、二酸化チタン、カーボンブラック、弁柄、酸化クロム、ウルトラマリン、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルーが挙げられる。
(その他添加剤)
その他添加剤としては、従来公知の消泡剤、レベリング剤、色別れ防止剤、安定剤、シランカップリング剤、有機化合物系及び無機化合物系の滑剤、耐光安定剤、酸化防止剤、リン系加工熱安定剤、帯電防止剤などが挙げられる。特に、酸化防止剤、耐光安定剤は、その後の組成物の用途に応じて、適宜、添加することが好ましい。本発明の目的を損なわない範囲で、他の樹脂、エラストマー等を添加しても良い。
本発明に任意に用いられる酸化防止剤としては、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の商品名:イルガノックス1010、同1076、同1135、同245、同3114、同3790等、旭電化工業社の商品名:アデカスタブAO−60、同AO−70、同AO−80等を挙げることができる。酸化防止剤を添加する場合には、本発明の硬化性組成物に含まれる硬化性樹脂(X)100重量部に対して、0.05重量部以上1重量部以下の範囲で添加することが好ましい。
本発明に任意に用いられるリン系加工熱安定剤としては、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の商品名:イルガフォス38、同126、同P−EPQ等、旭電化工業社製の商品名:アデカスタブPEP−4C、同11C、同24、同36等を挙げることができる。リン系加工熱安定剤を添加する場合には、本発明の硬化性組成物に含まれる硬化性樹脂(X)100重量部に対して、0.05重量部以上1重量部以下の範囲で添加することが好ましい。
本発明に任意に用いられる耐光安定剤としては、例えば、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製の商品名:チヌビンP、同234、同326、同327、同328、同329、同213、同571、同1577、同622LD、同144、同765、同770、同B75、同B88等、三共社製の商品名:サノールLS−770、同765、同2626、同944等、また、旭電化工業社の商品名:LA−32、同36、同1413、同52、同62、同77、同601、同T−940等の紫外線吸収剤又はヒンダードアミン系光安定剤を挙げることができる。本発明において耐光安定剤を添加する場合には、紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤との併用が好ましく、それぞれ、本発明の硬化性組成物に含まれる硬化性樹脂(X)100重量部に対して、0.05重量部以上3重量部以下の範囲で添加することが好ましい。
本発明においては、有機化合物系又は無機化合物系の滑剤を任意に添加することもできる。有機化合物系の滑剤としては、例えば、脂肪酸アマイドを挙げることができ、市販品としては、日本化成社製の商品名:ニッカアマイド、商品名:ビスアマイド、商品名:スリパックス等、あるいは、クラアリアント社製の商品名:リコワックス、商品名:リコルブ等を挙げることができる。また、無機化合物系の滑剤としては、例えば、タルクやシリカ等を挙げることができる。本発明において有機化合物系の滑剤を添加する場合には、本発明の硬化性組成物に含まれる硬化性樹脂(X)100重量部に対して、0.05重量部以上2重量部以下の範囲で添加することが好ましい。
また、場合によっては、上述した消泡剤(Y)とは別に、消泡剤(Y)に該当しない従来公知の消泡剤を添加することもできる。このような従来公知の消泡剤として、エチレン・α−オレフィン共重合体、シリコン系、アクリル系、ブタジエン系等が挙げられる。
硬化性組成物の製造方法
本発明の硬化性組成物は、上述した硬化性樹脂(X)と、上述した消泡剤(Y)と、溶剤(Z)とを必須成分として含有する組成物である。
このような本発明の硬化性組成物は、上述した硬化性樹脂(X)、上述した消泡剤(Y)、溶剤(Z)、および、任意で用いられる上記「その他の構成成分」を、公知の手法により混合することにより得ることができる。
ここで、硬化性樹脂(X)は、本発明の硬化性組成物を製造する過程で加えられてもよく、本発明の硬化性組成物を硬化させようとする直前に、硬化性樹脂(X)以外の全ての構成成分を含む組成物に加えられてもよい。
また、本発明では、上述したように、上記硬化性樹脂(X)として、硬化速度の調整が容易であることから、上記硬化性樹脂(X)として、二液硬化型硬化性ウレタン樹脂が好適に採用される。したがって、硬化性樹脂(X)は、有機ポリイソシアネートを含むA液と活性水素基含有化合物を含むB液とを混合する等により本発明の硬化性組成物を調製する過程で形成されても良い。
一方、消泡剤(Y)は、硬化性組成物を製造する過程で加えられてもよく、或いは、硬化性組成物を硬化させようとする直前に、消泡剤(Y)以外の全ての構成成分を含む組成物に加えられてもよい。ここで、例えば、硬化性樹脂(X)として二液硬化型硬化性ウレタン樹脂を用いる場合、消泡剤(Y)は、上記B液に予め混合しておくのが好ましい。
溶剤(Z)もまた、硬化性組成物を製造する過程で加えられてもよく、或いは、硬化性組成物を硬化させようとする直前に、溶剤(Z)以外の全ての構成成分を含む組成物に加えられてもよい。ここで、例えば、硬化性樹脂(X)として二液硬化型硬化性ウレタン樹脂を用いる場合、溶剤(Z)は、上記B液に予め混合しておくのが好ましい。その際、消泡剤(Y)および溶剤(Z)は、活性水素基含有化合物等を含むが消泡剤(Y)および溶剤(Z)を含まない液に、別々に導入されてもよく、あるいは、消泡剤(Y)と溶剤(Z)とを予め混合してから導入されてもよい。なお、B液のうち、消泡剤(Y)および溶剤(Z)を含まないものは「B0液」と、消泡剤(Y)および溶剤(Z)を含むものは「B液混合物」と呼ばれることがある。
また、上記触媒(硬化剤)、可塑剤、充填剤、着色剤、添加剤などの上記「その他の構成成分」は、硬化性組成物を製造する過程で加えられてもよく、或いは、硬化性組成物を硬化させようとする直前に、硬化性組成物に加えられてもよい。また、硬化性組成物を製造する過程で「その他の構成成分」のうちの一部の成分を加えるとともに、硬化性組成物を硬化させようとする直前に「その他の構成成分」のうちの残りの成分を硬化性組成物に加えてもよい。ただ、硬化性樹脂(X)として二液硬化型硬化性ウレタン樹脂を用いる場合、「その他の構成成分」は、上記B液に予め混合しておくのが好ましい。
すなわち、本発明の特に好適な態様の1つにおいて、本発明の硬化性組成物は、上記活性水素基含有化合物および任意で用いられる上記「その他の構成成分」を含むB液と、上記有機ポリイソシアネートを含むA液と、上記消泡剤(Y)と、上記溶剤(Z)とを混合することにより得ることができる。この場合、この混合によるA液とB液との反応を通じて、硬化性樹脂(X)消泡剤(Y)、溶剤(Z)を含む硬化性組成物が形成されることになる。
また、別の態様において、本発明の硬化性組成物は、上記活性水素基含有化合物、上記消泡剤(Y)、上記溶剤(Z)、および任意で用いられる上記「その他の構成成分」を含むB液と、上記有機ポリイソシアネートを含むA液を混合することにより得ることもできる。この場合にも、この混合によるA液とB液との反応を通じて、硬化性樹脂(X)、消泡剤(Y)、および溶剤(Z)を含む硬化性組成物が同様に形成されることになる。
何れの方法においても、消泡剤(Y)と溶剤(Z)をあらかじめ混合しておくと、消泡剤(Y)の計量時、添加時のハンドリングが改善され、かつ硬化性組成物の外観がさらに改善されるため好ましい。消泡剤(Y)の粘度は溶剤(Z)との混合によって低減されていることが好ましい。具体的には消泡剤(Y)の40℃動粘度(KV40(Y),mm2/s)と、消泡剤(Y)と溶剤(Z)の混合物の40℃動粘度(KV40(YZ),mm2/s)とが下記式(1)の関係を満たすことが好ましく、下記式(2)の関係を満たすことがさらに好ましい。消泡剤(Y)と溶剤(Z)の混合物の40℃動粘度(KV40(YZ),mm2/s)の値は、通常、溶剤(Z)の混合物の40℃動粘度より大きい。
KV40(Y)/KV40(YZ) ≧2 ・・・(1)
KV40(Y)/KV40(YZ) ≧4 ・・・(2)
本発明の硬化性組成物を硬化させる条件としては常温、熱硬化のいずれでも良い。
また、硬化物の作製手段(成形手段)は問われず、公知の手法を用いることができる。例えば、本発明の硬化性組成物を塗布または注型し、そのまま硬化させることによって所望の形状を有する硬化物を得ることができる。すなわち、本発明では、本発明の硬化性組成物から形成された成形体も提供される。
本発明の硬化性組成物は、組成物の消泡性が格段に良好になり、注型品の形成に供すると、硬化物に変化するまでの過程で、硬化性組成物あるいは硬化性組成物から生じる硬化反応中間体の内部の泡、ガスが脱気して、表面の光沢も損なうことなく平滑性に富み、機械物性に優れる成形体が得られる。また塗装剤として用いた時は塗膜内部に気泡が残らないだけでなく、表面の光沢も損なうことなく平滑性に富み、機械物性に優れる仕上がり性の優れた塗膜表面が得られる。すなわち、本発明では、本発明の硬化性組成物を含む塗料も提供されるのであり、硬化性組成物から形成された塗膜も提供される。
本発明の硬化表面の仕上がり性を向上させたポリウレタン組成物は熱硬化型の成形体として工業用品、或いは塗装剤としての塗料、常温硬化型の成形体として工業用品、注入品、或いは塗装剤としての塗料、塗膜防水材、床材等の塗材として用いることができる。すなわち、本発明では、本発明の硬化性組成物から形成された防水材も提供される。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例および比較例において、各物性は、以下の方法により測定あるいは評価した。
〔動粘度〕
ASTM D 445に基づき、キャノン社製全自動粘度計CAV−4を用いて測定を行った。
〔分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)〕
下記の高速GPC測定装置により決定した。
高速GPC測定装置:東ソー社製HLC8320GPC
移動相:THF(和光純薬工業社製、安定剤不含有、液体クロマトグラフィー用グレード)
カラム:東ソー社製TSKgel Super MultiporeHZ−M 2本を直列連結した。
サンプル濃度:5mg/mL
移動相流速:0.35mL/分
測定温度:40℃
検量線用標準サンプル:東ソー社製PStQuick MP−M
〔メチル基指標、高級α−オレフィン(共)重合体の規則性〕
日本電子(株)製EX270型核磁気共鳴装置を用い、溶媒として重クロロホルム,試料濃度として55mg/0.6mL、測定温度として室温、観測核として1H(270MHz)、シーケンスとしてシングルパルス、パルス幅として6.5μ秒(45°パルス)、繰り返し時間として5.5秒、積算回数としては16回、ケミカルシフトの基準値として重クロロホルム中のCHCl3に基づく溶媒ピークの7.24ppmを用いて測定した。
上記のようにして測定された1H−NMRスペクトルから得られたスペクトルにおける、0.50〜2.20ppmの範囲内にあるピークの積分値に対する、0.50〜1.15ppmの範囲内にあるピークの積分値の割合をメチル基指標とした。ここで、0.50〜2.20ppmの範囲内にはα−オレフィン(共)重合体に基づくピークがほぼ含まれる。この範囲のうち、メチル基に基づくピークは、0.50〜1.15ppmの範囲内に含まれる可能性が高い。
高級α−オレフィン(共)重合体(PAO)の規則性は、上記のようにして測定された1H−NMRスペクトルが0.50〜0.77ppmのピークの積分値の0.50〜2.20ppmのピークの積分値に対する割合を求め、1%以上である場合に低いと判定した。
ここで、0.50〜2.20ppmの範囲内にはα−オレフィン(共)重合体に基づくピークがほぼ含まれる。この範囲のうち、立体規則性が低いことを示すマイナーピークが、0.50〜0.77ppmの範囲内に観測される。
〔エチレン含量、B値〕
エチレン・α−オレフィン共重合体のエチレン含量は、上記のようにして測定された13C−NMRスペクトルから、「高分子分析ハンドブック」(朝倉書店 2008年発行 初版 P184〜211)、G.J.Ray(Macromolecules,10,773(1977))、J.C.Randall(Macro−molecules,15,353(1982))、K.Kimura(Polymer,25,4418(1984))らの報告に基づいて求めた。
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体のB値は下式により算出した。
B値=POE/(2PO・PE)
(式中、PEおよびPOは、それぞれエチレン・α−オレフィン共重合体中に含有される、エチレン成分のモル分率およびα−オレフィン成分のモル分率であり、POEは、全ダイアド(dyad)連鎖数に対するエチレン・α−オレフィン交互連鎖数の割合である。)
PE、POおよびPOE値は、下記のようにして測定された13C−NMRスペクトルから、前述の公知の文献に基づいて求めた。
13C−NMRスペクトルの測定条件
日本電子(株)製ECP500型核磁気共鳴装置を用い、溶媒としてオルトジクロロベンゼン/重ベンゼン(80/20容量%)混合溶媒,試料濃度として55mg/0.6mL、測定温度として120℃、観測核として13C(125MHz)、シーケンスとしてシングルパルスプロトンデカップリング、パルス幅として4.7μ秒(45°パルス)、繰り返し時間として5.5秒、積算回数としては1万回以上、ケミカルシフトの基準値として27.50ppmを用いて測定した。
〔融点〕
消泡剤として用いた高級α−オレフィン(共)重合体および液状エチレン・プロピレン共重合体の融点は、いずれもセイコーインスツルメント社製X−DSC−7000を用いて測定した。簡易密閉できるアルミサンプルパンに約8mgのサンプルを入れてDSCセルに配置し、DSCセルを窒素雰囲気下にて室温から、150℃まで10℃/分で昇温し、次いで、150℃で5分間保持した後、10℃/分で降温し、DSCセルを−100℃まで冷却した(降温過程)。次いで、−100℃で5分間保持した後、10℃/分で150℃まで昇温し、昇温過程で得られるエンタルピー曲線が極大値を示す温度を融点(Tm)とし、融解に伴う吸熱量の総和を融解熱量(ΔH)とした。ピークが観測されないか、融解熱量(ΔH)の値が1J/g以下の場合、融点(Tm)は観測されないとみなした。融点(Tm)、および融解熱量(ΔH)の求め方はJIS K7121に基づいて行った。
〔表面平滑性〕
得られた硬化性組成物を目視にて観察し、表面に残った気泡の数の多少により下記の通り評価を行った。
○:気泡が観察されない
△:わずかに気泡が観察される
×:一面が気泡に覆われている
〔グロス〕
各実施例・比較例で得られた硬化物について、JIS Z8741 に準拠する形で、Gloss Meter VG7000(日本電色工業社製)を用いて60°表面グロスを測定した。
なお、ここで測定した60°表面グロスは、屈折率1.567であるガラス表面において規定された入射角60°での鏡面光沢度0.1001を100%としたときの鏡面光沢度に相当する。
[エチレン−α−オレフィン共重合体の製造]
エチレン−α−オレフィン共重合体は以下の重合例に従い製造した。なお、得られたエチレン−α−オレフィン共重合体について、必要に応じて、下記方法で水添操作を実施した。
<水添操作>
内容積1Lのステンレス製オートクレーブに0.5重量%Pd/アルミナ触媒のヘキサン溶液100mLおよびエチレン−α−オレフィン共重合体の30重量%ヘキサン溶液500mLを加え、オートクレーブを密閉した後、窒素置換を行なった。次いで、撹拌をしながら140℃まで昇温し、系内を水素置換した後、水素で1.5MPaまで昇圧して15分間水添反応を実施した。
<メタロセン化合物の合成>
〔合成例1〕
[メチルフェニルメチレン(η5−シクロペンタジエニル)(η5−2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリドの合成
(i)6−メチル−6−フェニルフルベンの合成
窒素雰囲気下、200mL三口フラスコにリチウムシクロペンタジエン7.3g (101.6mmol)および脱水テトラヒドロフラン100mLを加えて攪拌した。溶液をアイスバスで冷却し、アセトフェノン15.0g(111.8mmol)を滴下した。その後、室温で20時間攪拌し、得られた溶液を希塩酸水溶液でクエンチした。ヘキサン100mLを加えて可溶分を抽出し、この有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、溶媒を留去し、得られた粘性液体をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で分離し、目的物(赤色粘性液体)を得た。
(ii)メチル(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)(フェニル)メタンの合成
窒素雰囲気下、100mL三口フラスコに2,7−ジ−t−ブチルフルオレン2.01g(7.20mmol)および脱水t−ブチルメチルエーテル50mLを添加した。氷浴で冷却しながらn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1.65M)4.60mL(7.59mmol)を徐々に添加し、室温で16時間攪拌した。6−メチル−6−フェニルフルベン1.66g(9.85mmol)を添加した後、加熱還流下で1時間攪拌した。氷浴で冷却しながら水50mLを徐々に添加し、得られた二層の溶液を200mL分液漏斗に移した。ジエチルエーテル50mLを加えて数回振った後水層を除き、有機層を水50mLで3回、飽和食塩水50mLで1回洗浄したし。無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。少量のヘキサンを加えて得た溶液に超音波を当てたところ固体が析出したので、これを採取して少量のヘキサンで洗浄した。減圧下で乾燥し、白色固体としてメチル(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)(フェニル)メタン2.83gを得た。
(iii)[メチルフェニルメチレン(η5−シクロペンタジエニル)(η5−2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリドの合成
窒素雰囲気下、100mLシュレンク管にメチル(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)(フェニル)メタン1.50g(3.36mmol)、脱水トルエン50mLおよびTHF 570μL(7.03mmol)を順次添加した。氷浴で冷却しながらn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1.65M)4.20mL(6.93mmol)を徐々に添加し、45℃で5時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去し、脱水ジエチルエーテル40mLを添加して赤色溶液とした。メタノール/ドライアイス浴で冷却 しながら四塩化ジルコニウム 728mg(3.12mmol)を添加し、室温まで徐々に昇温しながら16時間攪拌したところ、赤橙色スラリーが得られた。減圧下で溶媒を留去して得られた固体をグローブボックス内に持ち込み、ヘキサンで洗浄した後、ジクロロメタンで抽出した。減圧下で溶媒を留去して濃縮した後、少量のヘキサンを加え、−20℃で放置したところ赤橙色固体が析出した。この固体を少量のヘキサンで洗浄した後、減圧下で乾燥することにより、赤橙色固体として[メチルフェニルメチレン(η5−シクロペンタジエニル)(η5−2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド1.20gを得た。
〔合成例2〕
[エチレン(η5−シクロペンタジエニル)(η5−2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリドの合成
[エチレン(η5−シクロペンタジエニル)(η5−2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリドは、特許第4367687号公報に記載の方法で合成した。
〔合成例3〕
[ジフェニルシリレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリドは、J. Organomet. Chem., 509, 63 (1996) に記載の方法で合成した。
[製造例1](液状エチレン・プロピレン共重合体の製造)
充分窒素置換した容量2リットルの攪拌翼付連続重合反応器に、脱水精製したヘキサン1リットルを張り、96mmol/Lに調整した、エチルアルミニウムセスキクロリド(Al(C251.5・Cl1.5)のヘキサン溶液を500mL/hの量で連続的に1時間供給した後、更に触媒として16mmol/Lに調整したVO(OC25)Cl2のヘキサン溶液を500mL/hの量で、ヘキサンを500mL/hの量で連続的に供給した。一方重合器上部から、重合液器内の重合液が常に1リットルになるように重合液を連続的に抜き出した。次にバブリング管を用いてエチレンガスを35L/hの量で、プロピレンガスを35L/hの量で、水素ガスを80L/hの量で供給した。共重合反応は、重合器外部に取り付けられたジャケットに冷媒を循環させることにより35℃で行った。
これにより、エチレン・プロピレン共重合体を含む重合溶液が得られた。得られた重合溶液は、塩酸で脱灰した後に、大量のメタノールに投入して、エチレン・プロピレン共重合体を析出させた後、130℃で24時間減圧乾燥を行い、液状エチレン・プロピレン共重合体(y−2)を得た。得られた液状エチレン・プロピレン共重合体(y−2)の分析結果を表2に示す。
[製造例2〜5]
製造例1において、エチレンガスの供給量、プロピレンガスの供給量、水素ガスの供給量を適宜調整することにより、表2および表3に記載のエチレン・プロピレン共重合体(y−1)および(y−3)〜(y−5)を得た。得られた各エチレン・プロピレン共重合体の分析結果を表2に示す。
[製造例6]
[ジフェニルシリレン(η 5 -シクロペンタジエニル)(η 5 -2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン共重合
充分に窒素置換した内容積1Lのガラス製重合器にヘプタン250mLを装入し、系内の温度を50℃に昇温した後、エチレンを35L/hr、プロピレンを65L/hr、水素を100L/hrの流量で連続的に重合器内に供給し、撹拌回転数600rpmで撹拌した。次にトリイソブチルアルミニウム0.2mmolを重合器に装入し、次いでMMAO 0.868 mmolと[ジフェニルシリレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド0.00288 mmolをトルエン中で15分以上予備混合したものを重合器に装入することにより重合を開始した。その後、エチレン、プロピレン、水素の連続的供給を継続し、50℃で15分間重合を行った。少量のイソブチルアルコールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のモノマーをパージした。得られたポリマー溶液を、0.2 mol/Lの塩酸100mLで3回、次いで蒸留水100mLで3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られたポリマーを80℃の減圧下で一晩乾燥した。その結果、エチレン・プロピレン共重合体(y−6)2.31 gを得た。得られた各エチレン・プロピレン共重合体の分析結果を表2に示す。
[製造例7]
[メチルフェニルメチレン(η 5 -シクロペンタジエニル)(η 5 -2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン共重合
充分に窒素置換した内容積2Lのステンレス製オートクレーブにヘプタン850mLおよびプロピレン75gを装入し、系内の温度を150℃に昇温した後、水素1.56 MPa、エチレン0.11MPaを供給することにより全圧を3 MPaGとした。次にトリイソブチルアルミニウム0.4 mmol、[メチルフェニルメチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド0.00015 mmolおよびN,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.0015 mmolを窒素で圧入し、攪拌回転数を400 rpmにすることにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を3 MPaGに保ち、110℃で8分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレン、プロピレン、水素をパージした。得られたポリマー溶液を、0.2 mol/Lの塩酸1000mLで3回、次いで蒸留水1000mLで3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られたポリマーを80℃の減圧下で一晩乾燥した。その結果、エチレン・プロピレン共重合体(y−7)25.1 gを得た。得られた各エチレン・プロピレン共重合体の分析結果を表2に示す。
[製造例8]
[エチレン(η 5 −シクロペンタジエニル)(η 5 −2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリドによるエチレン/プロピレン共重合
充分に窒素置換した内容積1Lのガラス製重合器にヘプタン250mLを装入し、系内の温度を50℃に昇温した後、エチレンを25L/hr、プロピレンを75L/hr、水素を100L/hrの流量で連続的に重合器内に供給し、撹拌回転数600rpmで撹拌した。次にトリイソブチルアルミニウム0.2mmolを重合器に装入し、次いでMMAO0.688mmolと[エチレン(η5−シクロペンタジエニル)(η5−2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド0.00230mmolをトルエン中で15分以上予備混合したものを重合器に装入することにより重合を開始した。その後、エチレン、プロピレン、水素の連続的供給を継続し、50℃で15分間重合を行った。少量のイソブチルアルコールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のモノマーをパージした。得られたポリマー溶液を、0.2mol/lの塩酸100mLで3回、次いで蒸留水100mLで3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られたポリマーを80℃の減圧下で一晩乾燥し、エチレン−プロピレン共重合体1.43gを得た。水添操作後の得られた各エチレン・プロピレン共重合体の分析結果を表2に示す。
[その他の(共)重合体]
高級ポリ−α−オレフィン(y−9)〜(y−10)として、以下の市販品を使用した。
y−9: 高級ポリ−α−オレフィン、酸触媒品(エクソンモービルケミカル製、Spectra Syn(商標)40、低規則性構造を有する)
y−10: 高級ポリ−α−オレフィン、酸触媒品(エクソンモービルケミカル製、Spectra Syn(商標)100、低規則性構造を有する)
これらの高級ポリ−α−オレフィンの物性を表3に示す。
[溶剤]
z−1:パラフィン系プロセスオイル(出光興産(株)製、ダイアナプロセスオイル PW−100)、100℃動粘度=12mm2/s、40℃動粘度=102mm2/s
z−2: トルエン(関東化学社製)、40℃動粘度<5mm2/s(測定不可)
Figure 2016183206
Figure 2016183206
[実施例1]
(A液について)
A液として、イソシアネート含有プレポリマー(三井化学(株)製、ハイプレンP−306A;粘度6,000cps/25℃)を用いた。
ここで、このイソシアネート含有プレポリマーにおけるNCO基含有量は0.69ミリ等量(2.9重量%)である。
(B液調製)
ポリエーテルポリオール(三井化学(株)製、MC−506;粘度1,400cps/25℃、ポリアミン含有)105g、軟化剤としてDINP(ジェイ・プラス社製) 124g、触媒としてオクチル酸ビスマス(日東化成(株)製、ネオスタンU−600)4.3gを丸缶に装入し、タービン羽根攪拌機で撹拌しながら徐々に炭酸カルシウム(日東粉化工業(株)製、NS−200)345gを投入し、600rpmで20分撹拌して、B液となる硬化剤を調製した。このB液は、消泡剤(Y)および溶剤(Z)を含まない「B0液」に相当する。
ここで、ポリエーテルポリオールとして使用した上記MC−506は、具体的には、3,3’−ジクロロ−4.4’−ジアミノジフェニルメタン 24重量%と、鉱酸の存在下でアニリンと2−クロロアニリンとをホルムアルデヒドと縮合させることにより得られる芳香族ポリアミン 24重量%と、ポリエーテルポリオール52重量%とからなる液状アミンであり、その活性水素含量は、3.7ミリ当量である。なお、このMC−506は、アミノ基末端ウレタンプレポリマーとして機能する成分である。
(消泡剤と溶剤の混合)
消泡剤(Y)としてエチレン・プロピレン共重合体(y−1)を5g、溶剤(Z)として(z−1)パラフィン系プロセスオイルとを20gを100mlビーカーに測り取り、60℃に加熱しながらマグネチックスターラーで10分間混合し、その後40℃における動粘度をそれぞれ測定した。結果を表6に示す。
(樹脂硬化)
上記のように調製したB液24.2gに、消泡剤(Y)と溶剤(Z)の混合物26mgを加え、600rpmで1分間撹拌した。このようにして得られるB液混合物に上記A液25.8gを加え、600rpmで3分間撹拌した後、硬化性組成物を得た。
下記表4に、本実施例1で得られた硬化性組成物における、各構成原料の配合量を示す。ここで、この硬化性組成物における、上記イソシアネート含有プレポリマーのイソシアネート基1個に対する活性水素基含有化合物中の活性水素基の個数の比率は、重量比より計算した結果、0.9(≒(3.7×8.8)/(0.69×51.6))であった。
Figure 2016183206
この硬化性組成物を、7cmφのPPカップに20g流し込み、1晩室温で静置して硬化物を得た。硬化物の外観を観察した結果、およびグロス測定結果を表5に示す。
[実施例2]
配合する溶剤(Z)の種類及び配合量を表5の通りに変更し、消泡剤(Y)と溶剤(Z)との混合を室温にて行った以外は実施例1と同様に樹脂硬化し、硬化物を得た。
得られた硬化物の外観を観察した結果を表5に示す。また、消泡剤(Y)と溶剤(Z)との混合物について、40℃における動粘度を測定した結果を表6に示す。
[実施例3〜5、7〜11、13、14、16、18〜20]
配合する消泡剤(Y)および溶剤(Z)の種類及び配合量を表5の通りに変更した以外は実施例1と同様に樹脂硬化し、硬化物を得た。消泡剤(Y)および溶剤(Z)以外の成分の含有量は、互いの比率を一定とし消泡剤(Y)および溶剤(Z)の添加量に応じて調整した。すなわち、上記A液と上記B液との比率を一定に保ちながら、上記A液と上記B液との合計と消泡剤(Y)および溶剤(Z)との比率を調整した。
得られた硬化物の外観を観察した結果を表5に示す。また、消泡剤(Y)と溶剤(Z)との混合物について、40℃における動粘度を測定した結果を表6に示す。
[実施例6、12、15、17、21]
配合する消泡剤(Y)および溶剤(Z)の種類及び配合量を表5の通りに変更した以外は実施例2と同様に樹脂硬化し、硬化物を得た。消泡剤(Y)および溶剤(Z)以外の成分の含有量は、互いの比率を一定とし消泡剤(Y)および溶剤(Z)の添加量に応じて調整した。すなわち、上記A液と上記B液との比率を一定に保ちながら、上記A液と上記B液との合計と消泡剤(Y)および溶剤(Z)との比率を調整した。
得られた硬化物の外観を観察した結果を表5に示す。また、消泡剤(Y)と溶剤(Z)との混合物について、40℃における動粘度を測定した結果を表6に示す。
[比較例1]
消泡剤(Y)および溶剤(Z)を用いなかった以外は実施例1と同様に樹脂硬化し、硬化物を得た。消泡剤(Y)以外の成分の含有量は、互いの比率を一定とし消泡剤(Y)の添加量に応じて調整した。すなわち、上記A液と上記B液との比率を一定に保ちながら、上記A液と上記B液との合計と消泡剤(Y)との比率を調整した。
得られた硬化物の外観を観察した結果を表5に示す。
[比較例2〜4]
配合する消泡剤(Y)の配合量を表5の通りに変更し、溶剤(Z)を用いなかった以外は実施例1と同様に樹脂硬化し、硬化物を得た。消泡剤(Y)以外の成分の含有量は、互いの比率を一定とし消泡剤(Y)の添加量に応じて調整した。すなわち、上記A液と上記B液との比率を一定に保ちながら、上記A液と上記B液との合計と消泡剤(Y)との比率を調整した。
得られた硬化物の外観を観察した結果を表5に示す。
[比較例5]
配合する溶剤(Z)の配合量を表5の通りに変更し、消泡剤(Y)を用いなかった以外は実施例1と同様に樹脂硬化し、硬化物を得た。溶剤(Z)以外の成分の含有量は、互いの比率を一定とし消泡剤の添加量に応じて調整した。すなわち、上記A液と上記B液との比率を一定に保ちながら、上記A液と上記B液との合計と溶剤(Z)との比率を調整した。
得られた硬化物の外観を観察した結果を表5に示す。
Figure 2016183206
Figure 2016183206
実施例1〜10、18〜21において、得られる硬化性組成物は消泡剤(Y)および溶剤(Z)を配合しない比較例1よりも表面平滑性およびグロスに優れる。消泡剤(Y)は、溶剤(Z)と混合することによってそれぞれ40℃動粘度が低減されており、ハンドリング性が容易になることが示された。また、実施例1と2、実施例5と6、実施例20と21はそれぞれ溶剤(Z)の種類のみが異なるものの、同等の表面平滑性およびグロスを有することがわかる。
実施例11および12は同種の消泡剤(Y)を同量含むものの溶剤(Z)を含まない比較例2と比べて、得られる硬化性組成物の表面平滑性およびグロスが大きく改善された。また、消泡剤(Y)は、溶剤(Z)と混合することによってそれぞれ40℃動粘度が低減されており、ハンドリング性が容易になることが示された。同様に、実施例13〜15は、同種の消泡剤(Y)を同量含むものの溶剤(Z)を含まない比較例3に比べて、得られる硬化性組成物の表面平滑性およびグロスが大きく改善されるほか、消泡剤(Y)と溶剤(Z)を混合することにより40℃動粘度が低減されていることが分かる。実施例14は溶剤(Z)の種類のみが異なる実施例15に比べて、表面平滑性およびグロスが優れていることが分かる。同様に、実施例16および17は、同種の消泡剤(Y)を同量含むものの溶剤(Z)を含まない比較例4に比べて、得られる硬化性組成物の表面平滑性およびグロスが大きく改善されるほか、消泡剤(Y)と溶剤(Z)を混合することにより40℃動粘度が低減されていることが分かる。実施例16は溶剤(Z)の種類のみが異なる実施例17に比べて、表面平滑性およびグロスが優れていることが分かる。
この要因は定かではないが、消泡剤(Y)と溶剤(Z)を予め混合することで流動性が増すことにより、硬化性組成物内で消泡剤(Y)が効果的に分散したことによるものと推定される。また、溶剤(Z)として有機溶剤を使用した場合、特に流動性に優れる溶剤(Z)が消泡剤(Y)とは別々に硬化性組成物内に分散してしまい、オイルを使用した場合に比べて希釈効果が劣る結果となったと推定される。
実施例14は同種の溶剤(Z)を同量含むものの消泡剤(Y)を含まない比較例5と比べて、ハンドリング性を同等としつつ、得られる硬化性組成物の表面平滑性およびグロスが大きく改善されていることがわかる。
本発明の硬化表面の仕上がり性を向上させた硬化性組成物は熱硬化型の成形体として工業用品、或いは塗装剤としての塗料、常温硬化型の成形体として工業用品、注入品、或いは塗装剤としての塗料、塗膜防水材、床材等の塗材として好適に用いることができる。

Claims (16)

  1. 硬化性ウレタン樹脂、及び硬化性エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種の硬化性樹脂(X)と、
    下記要件(y−1)〜(y−2)を満たすα−オレフィン(共)重合体からなる消泡剤(Y)と
    溶剤(Z)(ただし、前記消泡剤(Y)に該当するものを除く。)と
    を含有する硬化性組成物:
    (y−1)1H−NMRから測定されるメチル基指標が25〜60%である(ここで、当該メチル基指標とは、上記α−オレフィン(共)重合体を重クロロホルム中に溶解させて1H−NMRを測定し、重クロロホルム中のCHCl3に基づく溶媒ピークをリファレンス(7.24ppm)としたときにおける、0.50〜2.20ppmの範囲内にあるピークの積分値に対する、0.50〜1.15ppmの範囲内にあるピークの積分値の割合をいう。);
    (y−2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が500〜50,000である。
  2. 前記消泡剤(Y)が、示差走査熱量分析(DSC)で測定される融点が観測されないことを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記硬化性樹脂(X)が硬化性ウレタン樹脂である、請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記消泡剤(Y)の使用量が、硬化性樹脂(X)100重量部当たり、0.001〜20重量部である請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  5. 前記消泡剤(Y)を構成するα−オレフィン(共)重合体の前記メチル基指標が25〜40%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  6. 前記消泡剤(Y)を構成するα−オレフィン(共)重合体の前記メチル基指標が40〜60%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  7. 前記溶剤(Z)がオイルである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  8. 前記溶剤(Z)が有機溶剤である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  9. 前記α−オレフィン(共)重合体(Y)と前記溶剤(Z)とをあらかじめ混合し、さらに前記硬化性樹脂(X)と混合して、請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性組成物を得ることを特徴とする硬化性組成物の製造方法。
  10. 前記消泡剤(Y)の40℃動粘度(KV40(Y),mm2/s)と、前記消泡剤(Y)と前記溶剤(Z)の混合物の動粘度40℃動粘度(KV40(YZ),mm2/s)とが下記式の関係を満たすことを特徴とする請求項9に記載の硬化性組成物の製造方法。
    KV40(Y)/KV40(YZ) ≧2
  11. 前記溶剤(Z)がオイルである、請求項9または10に記載の硬化性組成物の製造方法。
  12. 前記溶剤(Z)が有機溶剤である、請求項9または10に記載の硬化性組成物の製造方法。
  13. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性組成物から形成された成形体。
  14. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性組成物を含む塗料。
  15. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性組成物から形成された防水材。
  16. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性組成物から形成された塗膜。
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