JP7144153B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、成形体あるいは塗膜を得る際の硬化時に、発泡がなく表面の美観に優れ、かつ収縮が小さく寸法安定性に優れるため表面が平滑である硬化物を与える硬化性樹脂組成物に関するものである。
不飽和ポリエステル樹脂等の硬化性樹脂組成物の硬化物は機械的特性、電気的特性、耐薬品性など、物理的・化学的特性に優れ、取り扱いが容易で安価なことから、繊維強化プラスチック(FRP;Fiber Rainforced Plastics)やプレス成型・注型など各種成形材料、塗料やコーティングなどの被膜材料、レジンコンクリート、パテ、接着剤など各種用途に広く用いられている。
これらの用途では、硬化性樹脂組成物を用いて成形する際や塗料の塗装時に、硬化した表面に泡、ハジキ、クレーター等種々の欠陥が発生して硬化した表面の仕上がり性を損なうことがある。その対策として、消泡剤が用いられることが多い。これらの消泡剤は界面活性を向上させる効果と、相容性を悪くする即ち不相容性の効果のいずれかの特徴を有しており、消泡剤としては、従来ジメチルポリシロキサン等のシリコーン系消泡剤や、変性ブタジエンポリマーよりなる消泡剤が使用されていた。またビニル系重合物を成分とする消泡剤としては、例えば特許文献1には(メタ)アクリル酸エステル・ビニルエーテル共重合体よりなる消泡剤、特許文献2にはアルキルビニルエーテル重合体よりなる消泡剤が開示されている(特許文献1、2)。
しかしながら、界面活性効果が高いシリコーン系消泡剤は少量の添加で良好な消泡効果を発揮するが、塗料業界で言われるハジキ、クレーター現象の主要因となり硬化表面の美観を大きく損ねてしまうことがあった。(メタ)アクリル酸エステル・ビニルエーテル共重合体系の消泡剤、変性ブタジエン系ポリマーの消泡剤、あるいはアルキルビニルエーテル重合体の消泡剤は、系の粘度や溶媒の有無によって十分な消泡効果が得られない場合があった。また、不相容性の効果を利用した消泡剤は組成物と相容していないために、硬化表面の光沢度を阻害し、極端な場合は表面全体が曇ったり、ブリード現象を生じたりする場合があった。
また、硬化時に収縮を起こし、寸法安定性が損なわれ、表面が平滑にならない場合もある。このような場合、ポリエチレンやポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなど熱可塑性樹脂を寸法安定剤として添加する方法がとられる(特許文献3、4)。
しかしながら、これらの熱可塑性樹脂を添加する方法にはいずれも欠点がある。例えば、ポリエチレンの場合は不飽和ポリエステル樹脂液に膨潤しにくいため、添加量が多くなりコスト増につながっており、さらに分散安定性が悪く、成形品や塗膜の表面に斑点が発生する場合があった。ポリスチレンやポリメチルメタクリレートは、長時間の静置による熱可塑性樹脂の分離・滲出や、硬化後樹脂組成物の表面のべたつき等の問題が発生する場合があった。
特開昭61-141772号公報 特開平2-232271号公報 特開昭53-54288号公報 特開昭57-195719号公報
本発明は、硬化性樹脂組成物を硬化させて成形体あるいは塗膜を得る際の硬化時に、発泡がなく表面の美観に優れ、かつ収縮が小さく寸法安定性に優れるため表面が平滑である硬化物を与える硬化性樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明は、次の[1]~[10]に関する。
[1]不飽和ポリエステル樹脂(A)と、下記要件(b-1)~(b-3)を満たすα-オレフィン(共)重合体(B)を含有する硬化性樹脂組成物。
(b-1)H-NMRから測定されるメチル基指標が25~60%である(ここで、当該メチル基指標とは、前記α-オレフィン(共)重合体を重クロロホルム中に溶解させて1H-NMRを測定し、重クロロホルム中のCHCl3に基づく溶媒ピークをリファレンス(7.24ppm)としたときにおける、0.50~2.20ppmの範囲内にあるピークの積分値に対する、0.50~1.15ppmの範囲内にあるピークの積分値の割合をいう。)
(b-2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が1,500~14,000である。
(b-3)-100℃~150℃の温度範囲において、示差走査熱量分析(DSC)で測定される融点が観測されない。
[2]前記不飽和ポリエステル樹脂(A)が、不飽和ポリエステルと重合性単量体を含む、前記[1]に記載の硬化性樹脂組成物。
[3]前記α-オレフィン(共)重合体(B)の添加量が、前記不飽和ポリエステル樹脂(A)100質量部当たり、0.001~20質量部である前記[1]、[2]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
[4]前記α-オレフィン(共)重合体(B)が、メチル基指標が25~40%であることを特徴とする前記[1]~[3]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
[5]前記α-オレフィン(共)重合体(B)が、メチル基指標が40~60%であることを特徴とする前記[1]~[3]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
[6]前記[1]~[5]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物から形成された成形体。
[7]前記[1]~[5]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物から形成された防水材。
[8]前記[1]~[5]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物から形成された床材。
[9]前記[1]~[5]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を含む塗料。
[10]前記[1]~[5]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物から形成された塗膜。
本発明の硬化性樹脂組成物は、当該硬化性樹脂組成物を硬化させて成形体あるいは塗膜を得る際の硬化時に、発泡がなく表面の美観に優れ、かつ収縮が小さく寸法安定性に優れるため表面が平滑である硬化物が得られる。
以下、本発明について具体的に説明する。なお、以下の説明において、数値範囲を示す「~」は、例えば「A~B」と表記した場合、特に断りがなければ「A以上、B以下」を意味する。また、説明における部、%は、特に限定されない限り、質量基準である。
本明細書において「(共)重合体」なる語は、単独重合体および共重合体の両方を包括する概念として用いられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、成形体、塗料、弾性塗装材、防水材等の各種用途に用いることができる。
<硬化性樹脂組成物>
本発明の硬化性樹脂組成物は、以下に示す不飽和ポリエステル樹脂(A)とα-オレフィン(共)重合体(B)とを含む。
≪不飽和ポリエステル樹脂(A)≫
本発明の硬化性樹脂組成物に含まれる成分の一つである不飽和ポリエステル樹脂(A)は、下記不飽和ポリエステルを含み、好ましくは下記不飽和ポリエステルと下記重合性単量体を含むことを特徴とする。
《不飽和ポリエステル》
本発明に係わる不飽和ポリエステルは、酸成分(多塩基酸成分)と、グリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分とを縮合反応してなるポリエステルである。なお、酸成分と、グリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分との反応モル比としては特に限定されず、例えば、酸成分:グリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分とした場合に、10:8~10:12であることが好適である。また、多塩基酸成分やアルコール分(グリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分)を縮合させる方法も特に限定されず、例えば、反応温度や反応時間等の反応条件も適宜設定すればよい。
〈酸成分(多塩基酸成分)〉
本発明に係わる不飽和ポリエステルを構成する酸成分としては、グリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分に含まれる水酸基及び/又はエポキシ基と反応してエステル結合を生成することができる置換基を2つ以上有する化合物であればよく、不飽和多塩基酸を必須とし、その一部を飽和多塩基酸に置き換えて使用してもよい。
前記不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、アコニット酸、イタコン酸等のα,β―不飽和多塩基酸; ジヒドロムコン酸等のβ,γ―不飽和多塩基酸;これらの酸の無水物;これらの酸のハロゲン化物;これらの酸のアルキルエステル等の1種又は2種以上を使用することができる。
前記飽和多塩基酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、2,2-ジメチルコハク酸、2,3-ジメチルコハク酸、ヘキシルコハク酸、グルタル酸、2-メチルグルタル酸、3-メチルグルタル酸、2,2-ジメチルグルタル酸、3,3-ジメチルグルタル酸、3,3-ジエチルグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和多塩基酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族飽和多塩基酸;ヘット酸、1,2-ヘキサヒドロフタル酸、1,1-シクロブタンジカルボン酸、trans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂環式飽和多塩基酸;これらの酸の無水物;これらの酸のハロゲン化物; これらの酸のアルキルエステル等の1種又は2種以上を使用することができる。
〈グリコール成分〉
本発明に係わる不飽和ポリエステルを構成するグリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、ジプロピレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2-エチル-1,4-ブタンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-ジメチロールシクロヘキサン、2,2-ジエチルプロパン-1,3-ジオール、3-メチルペンタン-1,4-ジオール、2,2-ジエチルブタン-1,3-ジオール、4,5-ノナンジオール、トリエチレングリコール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の1種又は2種以上を使用することができる。
〈エポキシ成分〉
本発明に係わる不飽和ポリエステルを構成するエポキシ化合物成分としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、3,4-エポキシ-1-ブテン、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル等の1種又は2種以上を使用することができる。
前記不飽和ポリエステルにおいては、前記酸成分(多塩基酸成分)などの成分の一部を、以下に示すアリル基等の不飽和結合を有する化合物に置き換えて製造してもよく、この場合には、いわゆる空気硬化型ポリエステルとすることができる。具体的には、少なくとも上述した多塩基酸成分の全量又は一部を、以下に示すアリル基等の不飽和結合を有する不飽和多塩基酸に置き換えるか、上述した通常のグリコール成分及び/若しくはエポキシ化合物成分の全量又は一部を、以下に示すアリル基等の不飽和結合を有するグリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分に置き換えればよい。
前記不飽和結合を有する不飽和多塩基酸成分としては、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、α-テルピネン-無水マレイン酸付加物、ジシクロペンタジエン-無水マレイン酸付加物(エンドメチレンテトラヒドロフタル酸)、ロジン、エステルガム、乾性油脂肪酸、半乾性油、脂肪酸等の1種又は2種以上を使用することができる。
前記不飽和結合を有するグリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分としては、例えば、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールエタンモノアリルエーテル、トリメチロールエタンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の1種又は2種以上を使用することができる。
《重合性単量体》
本発明に係わる不飽和ポリエステルは、上記酸成分(多塩基酸成分)と、グリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分に加え、下記重合性単量体を含んでいてもよい。
本発明に係わる重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、パラメチルスチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート等の1官能アルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート等の分子内に環状構造を有する1官能(メタ)アクリレート;(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート等の1種又は2種以上を使用することができる。
これらの中でも、スチレンを用いることが好ましく、重合性単量体の全量100%に対し、スチレンが50~100%であることがより好適である。
前記重合性単量体としてはまた、25℃における粘度が100mPa・s以下のものであることが好適である。これにより、樹脂組成物の粘度を充分に低減することができ、作業性を充分に向上させることが可能となる。
前記重合性単量体の含有比率としては、不飽和ポリエステル(重合体と重合性単量体との合計)100%に対し、下限が10%、上限が70%であることが好適である。70% を超えると、得られる樹脂の耐薬品性や靭性、硬化性が充分なものとはならず、また、臭気が良好ではなくなるおそれがある。更に、残留する重合性単量体量が増加し、これに起因して成形体からの放散量が増加するおそれもある。一方、10%未満であると、硬化物の表面硬度等の表面性が優れたものとはならず、また、粘度を充分に低減することができず、作業性に優れたものとはならないおそれがある。下限値としては15%であることが好ましく、より好ましくは20%である。上限値としては65%であることが好ましく、より好ましくは60%である。
≪α-オレフィン(共)重合体(B)≫
本発明の硬化性樹脂組成物に含まれる成分の一つであるα-オレフィン(共)重合体(B)は後述する要件(b-1)~(b-3)を満たす。
本発明においてα-オレフィン(共)重合体(B)は、具体的には炭素原子数2~20のα-オレフィンの単独重合体あるいは二種以上のα-オレフィンの共重合体である。
本発明に係るα-オレフィン(共)重合体(B)を構成する炭素原子数2~20のα-オレフィンの例として、エチレン、プロピレン,1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセンの直鎖状α-オレフィンや3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、8-メチル-1-ノネン、7-メチル-1-デセン、6-メチル-1-ウンデセン、6,8-ジメチル-1-デセンなどの分岐を有するα-オレフィンを挙げることができる。これらのα-オレフィンは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
要件(b-1)
本発明に係るα-オレフィン(共)重合体(B)は、1H-NMRから測定されるメチル基指標が25~60%である(ここで、当該メチル基指標とは、上記α-オレフィン(共)重合体を重クロロホルム中に溶解させて1H-NMRを測定し、重クロロホルム中のCHCl3に基づく溶媒ピークをリファレンス(7.24ppm)としたときにおける、0.50~2.20ppmの範囲内にあるピークの積分値に対する、0.50~1.15ppmの範囲内にあるピークの積分値の割合をいう。)。
本発明に係るα-オレフィン(共)重合体(B)は、全プロトン中に占めるメチル基の割合がある一定の範囲内にあることを特徴とする。一般的にメチル基のプロトンは1H-NMR測定において高磁場側にピークが観測されることがいる(「高分子分析ハンドブック」(朝倉書店 発行 P163~170))。このため、本願では1H-NMRで測定したときに観測される高磁場側のピークの割合をメチル基の指標として用いた(以下「メチル基指標」という)。具体的にはα-オレフィン(共)重合体(B)を重クロロホルム中に溶解させて1H-NMRを測定し、重クロロホルム中のCHCl3に基づく溶媒ピークをリファレンス(7.24ppm)としたときにおける、0.50~2.20ppmの範囲内にあるピークの積分値に対する、0.50~1.15ppmの範囲内にあるピークの積分値の割合をメチル基指標とした。ここで、0.50~2.20ppmの範囲内にはα-オレフィン(共)重合体に基づくピークがほぼ含まれる。この範囲のうち、メチル基に基づくピークは、0.50~1.15ppmの範囲内に含まれる可能性が高い。
本発明に係るα-オレフィン(共)重合体(B)は、メチル基指標が25~60%、好ましい一態様は25~40%であり、さらに好ましくは27.5~32.5%であり、別の好ましい一態様は40~60%であり、さらに好ましくは45~50%である。メチル基指標が25~60%の範囲内にあると硬化性樹脂との相容性が最適であり、消泡性を効果的に発現し、かつ外観を保持することができる。その理由は明らかではないが、一般的に、消泡性を発現させるためには、泡を生じる液体(本願においては硬化性樹脂)と不相容性の成分が泡膜に取り込まれ、泡膜を不安定化させることが重要といわれている。しかし、相容性が悪すぎると表面にブリードアウトが生じ、外観が悪化する。したがって、消泡性と外観を両立させるためには、硬化性樹脂との相容性を適切に制御することが重要となる。一方、メチル基指標は、α-オレフィン(共)重合体(B)中の分岐の割合を示すが、α-オレフィン(共)重合体(B)のメチル基指標が上記範囲に入ると、一定量存在する分岐が、α-オレフィン(共)重合体(B)の分子間力の低減に寄与することにより、泡の中に速やかにα-オレフィン(共)重合体(B)が拡散(相容)できると推測される。これにより、効果的に泡膜を不安定化するとともに、ブリードアウトが少ない、外観を維持できると考えられる。
また、本発明に係るα-オレフィン(共)重合体(B)のメチル基指標が25%~60%の範囲内にあると硬化性樹脂組成物の硬化物の寸法安定性が発現し、優れた表面平滑性を示す硬化物を得ることができる。その理由は明らかではないが、一般的に、不飽和ポリエステルの硬化時、あるいは不飽和ポリエステルと重合性単量体の硬化時の発熱により寸法安定剤が膨張し、硬化物の収縮を相殺する低収縮効果が発現することで、寸法安定性が得られると考えられている。したがって膨張が十分でなければ、収縮を抑制できず、寸法安定性は得られない。一方で、膨張が大きすぎると制御が困難となり、寸法ムラや表面の凹凸などを引き起こし、表面平滑性が損なわれる場合がある。α-オレフィン(共)重合体(B)のメチル基指標が上記範囲であれば、適度な分子間力であるため、十分な低収縮効果が得られ、かつ温度上昇による膨張を制御できると推測される。これにより、寸法安定性が向上し、表面平滑性が得られると考えられる。
本発明に係るα-オレフィン(共)重合体(B)におけるメチル基指標は適切なα-オレフィンを選定し重合することで制御可能である。例えば、プロピレンやブテン、イソブテン等の炭素数3~5のα-オレフィンの単独重合体はモノマーに対するメチル基の割合が高くなりすぎてしまうため、単独重合体によって適度のメチル基指標を達成しようとする場合、α-オレフィンとして炭素数6~20のα-オレフィンを選定する必要がある。このような要件を満たす重合体は、本発明においてα-オレフィン(共)重合体の好ましい一態様である高級α-オレフィン(共)重合体(PAO)である。当該高級α-オレフィン(共)重合体(PAO)の詳細については後述する。また例えば、エチレンの単独重合体はメチル基を有さないため、炭素数3~20のα-オレフィンを適切に共重合させ、メチル基の割合を高める必要性がある。このような要件を満たす重合体は、本発明においてα-オレフィン(共)重合体の好ましい別の一態様であるエチレン・α-オレフィン共重合体である。詳細については後述する。
要件(b-2)
本発明に係るα-オレフィン(共)重合体(B)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が1,500~14,000である。
本発明に係るα-オレフィン(共)重合体(B)は、重量平均分子量(Mw)が1,500~14,000の範囲であり、好ましくは1,500~11,000、より好ましくは1,500~10,000、さらに好ましくは3,000~9,000の範囲である。不飽和ポリエステル樹脂(A)との相容性はα-オレフィン(共)重合体(B)の分子量が小さいほどエントロピー項の寄与により改善されるため、相容性を適切に制御するためには重量平均分子量の制御が重要となる。重量平均分子量が上記下限値、特に1,500より小さいと、不飽和ポリエステル樹脂(A)との相容性が高すぎて消泡性が発現しない場合があり、かつ低分子量成分を含むためにブリードアウトが起こりやすい。一方、α-オレフィン(共)重合体の重量平均分子量が上記上限値、特に14,000より大きくなると不飽和ポリエステル樹脂(A)との相容性が低下しすぎ、ブリードアウトの原因となる場合がある。また、α-オレフィン(共)重合体の重量平均分子量が上記上限値、特に14,000より大きくなると粘度が高くなりすぎて分散性が低下し泡膜内に取り込まれにくくなるため、消泡性が損なわれる場合がある。
また、本発明に係るα-オレフィン(共)重合体(B)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定した分子量分布(Mw/Mn)は特に限定されるものではないが、上限値は通常3以下であり、好ましくは2.5以下、更に好ましくは2以下である。また下限値は通常1.0以上であり、好ましくは1.2以上である。α-オレフィン(共)重合体の分子量分布が広く(Mw/Mnが大きく)なると、消泡性が発現しにくく、表面にブリードアウトして外観を損なう高分子量、または低分子量の成分を多く含むことになり、好ましくない。
本発明に係るα-オレフィン(共)重合体(B)の重量平均分子量、および分子量分布は分子量既知の標準物質(単分散ポリスチレン)を用いて較正されたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。
〈α-オレフィン(共)重合体(B)の性状〉
本発明に係るα-オレフィン(共)重合体(B)は20~25℃で液状であることが好ましい。常温で液状であると、液状であることが多い硬化性樹脂との混合性が優れ、少量で消泡・表面平滑効果を発現しやすい点で好ましい。
要件(b-3)
本発明に係るα-オレフィン(共)重合体(B)は、-100℃~150℃の温度範囲において、示差走査熱量分析(DSC)で測定される融点が観測されない。
〈α-オレフィン(共)重合体(B)の融点〉
本発明に係るα-オレフィン(共)重合体(B)は示差走査熱量分析(DSC)で測定される融点が-100℃~150℃の温度範囲において観測されないことが好ましい。ここで、融点(Tm)が観測されないとは、示差走査型熱量測定(DSC)で測定される融解熱量(ΔH)(単位:J/g)が上記温度範囲で、実質的に計測されないことをいう。融解熱量(ΔH)が実質的に計測されないとは、示差走査熱量計(DSC)測定においてピークが観測されないか、あるいは観測された融解熱量が1J/g以下であることである。
本発明に係るα-オレフィン(共)重合体(B)の融点(Tm)および融解熱量(ΔH)は、示差走査熱量計(DSC)測定を行い、-100℃まで冷却してから昇温速度10℃/minで150℃まで昇温したときにDSC曲線をJIS K7121を参考に解析し求めた。融点が観測されないと、20~25℃で液状となり易く、前述の通り消泡性が発現し易い。
(高級α-オレフィン(共)重合体)
本発明に係るα-オレフィン(共)重合体(B)の好ましい態様の一つは、α-オレフィン(共)重合体(B)を構成する上記炭素原子数2~20のα-オレフィンが1種類の炭素原子数6~20のα-オレフィンからなる単独重合体、あるいは2種類以上の炭素原子数6~20のα-オレフィンからなる共重合体である。本明細書において、このようなα-オレフィン(共)重合体を、便宜上「高級α-オレフィン(共)重合体」と呼ぶ場合がある。更に、このようなα-オレフィン(共)重合体には、必要に応じて50モル%を超えない範囲で、エチレン及び/または炭素原子数3~5のα-オレフィンを共重合成分として導入することもできる。このような高級α-オレフィン(共)重合体は一般的にPAOと総称される。
なお、本明細書において、ある(共)重合体を構成するオレフィンをXとしたときに、「Xから導かれる構成単位」なる表現が用いられることがあるが、これは「Xに対応する構成単位」、すなわち、Xの二重結合を構成するπ結合が開くことにより形成される、一対の結合手を有する構成単位をいう。
本発明に係る高級α-オレフィン(共)重合体(PAO)を構成する炭素原子数6~20のα-オレフィンとしては、1-ヘキセン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセンの直鎖状α-オレフィンや3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、8-メチル-1-ノネン、7-メチル-1-デセン、6-メチル-1-ウンデセン、6,8-ジメチル-1-デセンなどの分岐を有するα-オレフィンを挙げることができるが、好ましくは炭素原子数8~12の直鎖状α-オレフィンであり、特に好ましくは1-オクテン、1-デセンである。
本発明において高級α-オレフィン(共)重合体(PAO)を構成する炭素原子数6~20のα-オレフィンからなる単量体から導かれる構成単位の含有率は50~100モル%の範囲であり、好ましくは55~100モル%、更に好ましくは60~100モル%である。
また、本発明において高級α-オレフィン(共)重合体(PAO)を構成するエチレンから導かれる構成単位の含有率は0~50モル%の範囲であり、好ましくは0~45モル%、さらに好ましくは0~40モル%の範囲である。
更に、必要に応じて炭素数3~5のα-オレフィンを0~30モル%の割合で含有させることもできる。この様な炭素原子数3~5のα-オレフィンとしてはプロピレン,1-ブテン、1-ペンテンなどの直鎖状α-オレフィンや3-メチル-1-ブテンなどの分岐を有するα-オレフィンを挙げることができる。これらの炭素数3~5のα-オレフィンは、1種単独でまたは2種以上を組合せて用いることができる。
高級α-オレフィン(共)重合体(PAO)のメチル基指標は特に限定されるものではないが、相容性と不相容性のバランスを保つためには25~40%が好ましく、25~35%がより好ましい。
これらのα-オレフィンは1種単独でまたは2種以上組合せて用いることができる。
高級α-オレフィン(共)重合体(PAO)は、低規則性構造を有すると分子内にわずかな組成分布を有し、硬化性樹脂組成物との相容性を適切に制御しやすくなるため、好ましい。
上記のような高級α-オレフィン(共)重合体(PAO)は、米国特許第3,382,291号公報、米国特許第3,763,244号公報、米国特許第5,171,908号公報、米国特許第3,780,128号公報、米国特許第4,032,591号公報、特開平1-163136号公報、米国特許第4,967,032号公報、米国特許4,926,004号公報に記載のように三フッ化ホウ素、クロム酸触媒等の酸触媒によるオリゴメリゼーションにより得ることがきる。また、特開昭63-037102号公報、特開2005-200447号公報、特開2005-200448号公報、特開2009-503147号公報、特開2009-501836号公報に記載のようなメタロセン化合物を含むジルコニウム、チタン、ハフニウム等の遷移金属錯体を用いた触媒系を用いる方法等によっても得ることができる。製造方法の汎用性、得られるα-オレフィン(共)重合体(PAO)の入手容易性の観点で、酸触媒によるオリゴメリゼーションが好ましい。低規則性構造が得られる点で、酸触媒のうち三フッ化ホウ素が特に好ましい。
(エチレン・α-オレフィン共重合体)
本発明に係るα-オレフィン(共)重合体(B)の好ましい別の一態様はエチレン・炭素原子数3以上のα-オレフィン共重合体(以下、「エチレン・α-オレフィン共重合体」とも呼ぶ。)である。
本発明に係わるエチレン・α-オレフィン共重合体を構成するα-オレフィンとしては、エチレン以外のα-オレフィンが挙げられ、典型例として、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセンなどの炭素数3~20のα-オレフィンなどを例示することができる。エチレン・α-オレフィン共重合体中には、これらα-オレフィンを1種単独で用いてもよく、あるいは、2種以上併用してもよい。ただし、本発明では、上記「高級α-オレフィン(共)重合体」との区別のため、エチレン・α-オレフィン共重合体における、炭素原子数6~20のα-オレフィンに対応する構成単位の含量は50モル%未満とする。これらのα-オレフィンの内では、効果的に結晶性を落としてサンプルを液状にし、不飽和ポリエステル樹脂(A)との相容性を制御して硬化性樹脂組成物の消泡性と外観のバランスを改善する点で、炭素数3~10のα-オレフィンが好ましく、特にプロピレンが好ましい。
本発明に係るエチレン・α-オレフィン共重合体は、好ましくはエチレン構造単位含有率が30~80モル%、より好ましくは40~75モル%、さらに好ましくは40~60モル%、特に好ましくは40~55モル%、最も好ましくは40~48モル%である。エチレン含量が多すぎる、または少なすぎると結晶性が高くなり液状でなくなって不飽和ポリエステル樹脂(A)との混合がしにくくなり、消泡・寸法安定効果が低下する場合がある。
本発明に係るエチレン・α-オレフィン共重合体のエチレン含量は、13C-NMR法で測定することができ、例えば後述する方法および「高分子分析ハンドブック」(朝倉書店発行 P163~170)に記載の方法に従ってピークの同定と定量とを行うことができる。
本発明に係るエチレン・α-オレフィン共重合体のメチル基指標は特に限定されるものではないが、相容性と不相容性のバランスを保つためには40~60%が好ましく、40~55%がより好ましく、45~52%がさらに好ましい。
本発明に係るエチレン・α-オレフィン共重合体は、公知の方法を制限なく用いて製造することができる。例えば、バナジウム、ジルコニウム、チタニウム、ハフニウムなどの遷移金属化合物と、有機アルミニウム化合物(有機アルミニウムオキシ化合物)および/またはイオン化イオン性化合物とからなる触媒の存在下にエチレンとα-オレフィンとを共重合させる方法が挙げられる。ジルコニウム、チタニウム、ハフニウムなどの遷移金属化合物を使用したメタロセン触媒は、連続した二つ以上のプロピレンモノマーの2,1-結合量(インバージョン)が少なくなり、硬化性樹脂組成物の低温特性が向上するため好ましい。このような方法は、例えば国際公開2000/34420号パンフレット、特開昭62-121710号公報、国際公開2004/29062号パンフレット、特開2004-175707号公報、国際公開2001/27124号パンフレット等に記載されている。
(その他の態様)
本発明にかかるα-オレフィン(共)重合体(B)は、そのままの形であってもよいし、あるいは、グラフト変性によって何らかの極性基を付与されたものであってもよい。変性に利用される極性基を有するビニル化合物には、酸、酸無水物、エステル、アルコール、エポキシ、エーテル等の酸素含有基を有するビニル化合物、イソシアネート、アミド等の窒素含有基を有するビニル化合物、ビニルシラン等のケイ素含有基を有するビニル化合物などを使用することができる。
この中でも、酸素含有基を有するビニル化合物が好ましく、具体的には、不飽和エポキシ単量体、不飽和カルボン酸及びその誘導体などが好ましい。不飽和エポキシ単量体としては、不飽和グリシジルエーテル、不飽和グリシジルエステル(例えば、グリシジルメタクリレート)などがある。上記不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸TM(エンドシス-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸)などがある。
また、上記不飽和カルボン酸の誘導体としては、上記不飽和カルボン酸の酸ハライド化合物、アミド化合物、イミド化合物、酸無水物、及びエステル化合物などを挙げることができる。具体的には、塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエートなどがある。
これらの中では、不飽和ジカルボン酸及びその酸無水物がより好ましく、特にマレイン酸、ナジック酸TM及びこれらの酸無水物が特に好ましく用いられる。
なお、上記の極性基を有するビニル化合物又はその誘導体が、α-オレフィン(共)重合体(B)にグラフトする位置は特に制限されず、このα-オレフィン(共)重合体の任意の炭素原子に不飽和カルボン酸又はその誘導体が結合していればよい。
上記のようなα-オレフィン(共)重合体(B)の変性物(変性α-オレフィン(共)重合体)は、従来公知の種々の方法、例えば、次のような方法を用いて調製できる。
(1)上記α-オレフィン(共)重合体(B)を押出機、バッチ式反応機などで混合させて、極性基を有するビニル化合物又はその誘導体などを添加してグラフト共重合させる方法。
(2)上記α-オレフィン(共)重合体(B)を溶媒に溶解させて、極性基を有するビニル化合物又はその誘導体などを添加してグラフト共重合させる方法。
上記いずれの方法も、上記極性基を有するビニル化合物又はその誘導体のグラフトモノマーを効率よくグラフト共重合させるために、ラジカル開始剤の存在下でグラフト反応を行うことが好ましい。
上記ラジカル開始剤として、例えば、有機ペルオキシド、アゾ化合物などが使用される。上記有機ペルオキシドとしては、ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシドなどが挙げられ、上記アゾ化合物としては、アゾビスイソブチルニトリル、ジメチルアゾイソブチレートなどがある。
このようなラジカル開始剤としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシドが好ましく用いられる。
これらのラジカル開始剤は、α-オレフィン(共)重合体(B)100質量部に対して、通常は0.001~1質量部、好ましくは0.003~0.5質量部、さらに好ましくは0.05~0.3質量部の量で用いられる。
上記のようなラジカル開始剤を用いたグラフト反応、あるいは、ラジカル開始剤を使用しないで行うグラフト反応における反応温度は、通常60~350℃、好ましくは120~300℃の範囲に設定される。
このようにして得られる変性α-オレフィン(共)重合体中の極性基を有するビニル化合物のグラフト量は、変性オレフィン系重合体の質量を100質量%とした場合に、通常0.01~15質量%、好ましくは0.05~10質量%である。
本発明にかかるα-オレフィン(共)重合体(B)は、そのままの形であってもよいし、あるいは溶剤に溶解させた形であってもよい。
溶剤としては、特に限定されないが、たとえば、キシレン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、酢酸エチル、n-酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、等のエステル系、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、アセトン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらの中でも、芳香族炭化水素を好適に用いることができる。
(α-オレフィン(共)重合体(B)の含有量)
本発明の硬化性樹脂組成物全体におけるα-オレフィン(共)重合体(B)の含量は、好ましくは0.0005~12質量%、より好ましくは0.001~10質量%、より好ましくは0.001~2質量%、さらに好ましくは0.005~1質量%であることが望ましい。
上記硬化性樹脂組成物全体におけるα-オレフィン(共)重合体(B)の含量が、それぞれ上記下限値以上であると、α-オレフィン(共)重合体(B)による硬化性樹脂組成物の消泡・寸法安定の作用が十分に発揮される。一方、上記不飽和ポリエステル樹脂(A)に対するα-オレフィン(共)重合体(B)の割合や硬化性樹脂組成物全体におけるα-オレフィン(共)重合体(B)の含量が、それぞれ上記上限値以下であると、得られる硬化性樹脂組成物の硬化物においてブリードアウトが生じにくいので好ましい。
《その他の構成成分》
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記不飽和ポリエステル樹脂(A)および上記α-オレフィン(共)重合体(B)のほか、その他の構成成分として、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤、空気乾燥性付与剤、硬化促進助剤、溶剤、可塑剤、充填剤、不活性粉体、揺変剤、繊維強化材(補強繊維材)、重合禁止剤、増粘剤、内部離型剤、着色剤、柄剤、連鎖移動剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、ブルーイング剤、老化防止剤、難燃剤、安定剤等の添加剤を含むことができる。また、前記不飽和ポリエステル樹脂(A)は、これら「その他の構成成分」を予め含有していてもよい。
(硬化剤)
前記硬化剤としては、通常使用されるものを用いることができ、例えば、アセチルアセトンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKPO)、ジエチルケトンパーオキサイド、メチルプロピルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、エチルアセトアセテートパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、キュメンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルイソプロピルパーオキシカーボネート、1,1-ジブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサノン、t-ブチルパーオキシ-2-エチルへキサノエート、アミルパーオキシ-p-2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-へキシルパーオキシベンゾエート等の1種又は2種以上を使用することができる。使用量としては特に限定されないが、ラジカル硬化性樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上、5質量部以下であることが好適である。
(硬化促進剤)
前記硬化性樹脂組成物は、硬化促進剤として金属石鹸を含有してもよい。金属石鹸としては、例えば、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト等のコバルト塩や、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸カリウム、オクチル酸カリウム、ナフテン酸カルシウム、オクチル酸カルシウム等の1種又は2種以上を使用することができる。中でも、コバルト塩を必須とすることが好適であり、全金属石鹸を100%とすると、コバルト塩が金属石鹸量として50%以上であることが好ましく、これにより、硬化性をより充分に高めることが可能となる。より好ましくは、60%以上である。
前記金属石鹸としては、不飽和ポリエステル樹脂(A)を100質量部とすると、金属成分量として、下限が0.005質量部、上限が0.2質量部であることが好適である。0.005質量部未満であると、樹脂の硬化速度を向上することができず、また、充分に硬化できないおそれがあり、硬化物が持つ本来の強度物性が得られないおそれがある。0.2質量部を超えると、樹脂の硬化が速すぎるため、作業時間が取れないおそれがあり、また、硬化物の色調を良好なものとすることができないおそれがある。より好ましい下限は0.007質量部、上限は0.1質量部であり、更に好ましい下限は0.008質量部、上限は0.08質量部である。
(空気乾燥性付与剤)
前記硬化性樹脂組成物としてはまた、空気乾燥性付与剤を含有してもよく、これにより、樹脂表面の乾燥性を向上させられる。なお、空気乾燥性付与剤とは、樹脂が硬化する際に樹脂から形成される被膜や成形物の表面に析出し、空気との遮断層を該表面に形成することにより、空気中の酸素が樹脂のラジカル重合を阻害することを防止して樹脂の乾燥性を向上させる作用を有するものである。
前記空気乾燥性付与剤としては、例えば、以下の(1)~(3)に記載するワックス類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
(1)天然ワックスとしては、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木蝋、ホホバ油等の植物系ワックス; 密蝋、ラノリン、鯨蝋等の動物系ワックス; モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス; パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス等が挙げられる。
(2)合成ワックスとしては、例えば、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素;モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等の変性ワックス;動物性油脂の誘導体;カルボキシル基含有単量体とオレフィンとの共重合体;硬化ひまし油、硬化ひまし油誘導体等の水素化ワックス;ステアリン酸、ドデカン酸、ステアリン酸オクタデシル等の炭素数12以上の脂肪酸及びその誘導体;アルキルフェニールや高級アルコールに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドが付加したアルコール類等が挙げられる。
(3)その他のものとしては、例えば、天然ワックスや合成ワックス等の配合ワックス等が挙げられる。
また前記ワックス類に、他の成分を含んでもよい。
これらの中でも、パラフィンワックスを用いることが好ましい。
前記空気乾燥性付与剤の使用が必要な場合、その使用量は特に限定されないが、不飽和ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、下限が0.001質量部(10ppm)、上限が1質量部とすることが好ましい。より好ましくは、下限が0.003質量部、上限が0.3質量部である。
(硬化促進助剤)
前記硬化性樹脂組成物としてはまた、必要に応じ、硬化促進助剤を含んでもよい。硬化促進助剤としては、例えば、ジメチルアニリン、N,N-ジメチルトルイジン、N,N-ジエチルアニリン、N,N-ジ(ヒドロキシ)-4-メチルアニリン等の第三級アミン類等のβ-ケトエステル、β-ケトアミド類等の1種又は2種以上を使用することができる。
前記硬化促進助剤としては、不飽和ポリエステル樹脂(A)100量部に対し、下限が0.01質量部、上限が1.0質量部であることが好適である。より好ましくは、下限が0.01質量部、上限が0.7質量部である。なお、この使用量は、β-ジケトンを含む促進助剤の総量である。
(溶剤)
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて溶剤が含有されていてもよい。溶剤としては、特に限定されないが、たとえば、キシレン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、酢酸エチル、n-酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、等のエステル系、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、アセトン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらの中でも、芳香族炭化水素を好適に用いることができる。
(可塑剤)
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて可塑剤が含有されていてもよい。可塑剤としては、特に限定されないが、たとえば、フタル酸ジブチル(略称:DBP)、フタル酸ジオクチル(別称:フタル酸ビス2-エチルヘキシル、略称:DEHP、DOP、DEHA)、フタル酸ジイソノニル(略称:DINP)、等の無水フタル酸とアルコールのエステル、アジピン酸ジオクチル(別称:アジピン酸ビス2-エチルヘキシル、略称:DEHA、DOA)等のアジピン酸とアルコールのエステル 、燐酸トリクレジル、燐酸トリオクチル、エポキシ化大豆油、変性ひまし油が挙げられる。これらの中で、フタル酸系可塑剤がブリードアウトを生じにくく、好適に用いることができる。本発明における可塑剤の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物に含まれる不飽和ポリエステル樹脂(A100質量部に対して100質量部以下、好ましくは1~80質量部、さらに好ましくは5~50質量部程度であることが望ましい。一方、硬化性樹脂組成物全体における含量は、50質量%以下、好ましくは1~40質量%、1~30質量%が好ましい。
(充填剤)
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて充填剤が含有されていてもよい。充填剤としては、無機充填材が好ましく、マイカ、珪砂、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、グラファイト、ステンレス、アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、亜鉛華などの粉末充填剤;ガラス繊維や金属繊維などの繊維状充填剤などを挙げることができる。本発明における充填剤の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物に含まれる不飽和ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して300質量部以下、好ましくは50~250質量部、さらに好ましくは70~200質量部程度であることが望ましい。一方、硬化性樹脂組成物全体における含量は、70質量%以下、好ましくは20~70質量%、30~60質量%が好ましい。
前記充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、クレー、タルク、ガラスパウダー、ミルドファイバー、クリストバライト、マイカ、シリカ、川砂、珪藻土、雲母粉末、石膏、ガラス粉末等の無機充填剤等が好適であり、また、前記不活性粉体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等のラジカル硬化性樹脂硬化物、ゴム、木材等の粉体及び/ 又は粉砕物が好適である。使用量としては特に限定されないが、不飽和ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、20質量部以上、300質量部以下であることが好ましい。なお、前記樹脂組成物としては、前記充填剤を用いることにより、注型(人大)、塗床材により好適に使用することが可能となる。この場合、水酸化アルミニウムやシリカを用いることがより好ましく、使用量としては、120質量部以上、200質量部以下であることが好適である。
(揺変剤)
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて揺変剤が含有されていてもよい。揺変剤としては、例えば、ヒュームドシリカ等が挙げられ、使用量としては特に限定されないが、不飽和ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、0.1質量部以上、5質量部以下であることが好ましい。なお、前記樹脂組成物としては、これらの揺変剤を用いることにより、防水ライニングや塗料、ゲルコート等の用途により好適に使用することが可能となる。
(繊維強化材)
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて繊維強化材が含有されていてもよい。繊維強化材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミックからなる繊維等の無機繊維; アラミド、ポリエステル、ビニロン、フェノール、ポリテトラフルオロエチレン等の有機繊維;天然繊維等が挙げられ、中でも、ガラス繊維が好適である。繊維強化材の使用量としては特に限定されないが、不飽和ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、5質量部以上、70質量部以下であることが好ましい。なお、前記樹脂組成物としては、繊維強化材を用いることにより、FRP材料や防水ライニング等の用途により好適に使用することが可能となる。
なお、これらの用途に使用する場合、防水ライニング用材料等の調製や施工性の点から、本発明の硬化性樹脂組成物を施工した後にクロス(織物)状、マット状、不織布状等のガラス繊維を積層することにより硬化性樹脂組成物を繊維強化材に含浸することが好ましい。中でも、マット状のガラス繊維を用いることが好ましい。また、硬化性樹脂組成物を施工した後にチョップ状のガラス繊維を散布して積層することにより硬化性樹脂組成物を繊維強化材に含浸することもできる。
(重合禁止剤)
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて重合禁止剤が含有されていてもよい。重合禁止剤は、可使時間、硬化反応の立ち上がりを調整するために用いられ、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン等のハイドロキノン類;ベンゾキノン、メチル-p-ベンゾキノン等のベンゾキノン類;t-ブチルカテコール等のカテコール類;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、4-メトキシフェノール等のフェノール類; フェノチアジン、ナフテン酸銅等が好適である。
(増粘剤)
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて増粘剤が含有されていてもよい。増粘剤としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等の多価金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の多価金属水酸化物;多官能イソシアネート等が好適である。
(内部離型剤)
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて内部離型剤が含有されていてもよい。内部離型剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸及びステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩等が挙げられ、使用量としては特に限定されないが、不飽和ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、1質量部以上、10質量部以下であることが好適である。
(着色剤)
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて着色剤が含有されていてもよい。着色剤としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、弁柄、フタロシアニンブルー等の通常用いられる顔料が挙げられ、使用量としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、上限が30質量部であることが好ましい。より好ましい上限は20質量部である。
(柄剤)
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて柄剤が含有されていてもよい。柄剤としては、例えば、酸化アルミニウム、PETフィルム、マイカ、セラミック及びそれらを着色剤、表面処理剤等でコーティングしたもの、メッキ処理したもの、不飽和ポリエステル樹脂(A)と無機フィラーと着色剤等とを熱硬化させて粉砕したもの等が挙げられる。
また場合によっては、前記α-オレフィン(共)重合体(B)とは別に、従来公知の消泡剤・寸法安定剤を添加することもできる。このような従来公知の消泡剤として、シリコーン系、アクリル系、ブタジエン系等、寸法安定剤として、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメタクリレート等が挙げられる。
<硬化性樹脂組成物の製造方法>
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記不飽和ポリエステル樹脂(A)と前記α-オレフィン(共)重合体(B)を必須成分として含有する組成物である。
本発明の硬化性樹脂組成物を得る方法としては特に限定されず、前記不飽和ポリエステル樹脂(A)、前記α-オレフィン(共)重合体(B)、および任意で用いられる前記その他の構成成分とを、所定の割合で公知の手法により混合することで得ることができる。
ここで、不飽和ポリエステル樹脂(A)は、硬化性樹脂組成物を製造する過程で加えられてもよく、硬化性樹脂組成物を硬化させようとする直前に、不飽和ポリエステル樹脂(A)以外の全ての構成成分を含む組成物に加えられてもよい。
また、α-オレフィン(共)重合体(B)は、硬化性樹脂組成物を製造する過程で加えられてもよく、あるいは、硬化性樹脂組成物を硬化させようとする直前に、α-オレフィン(共)重合体(B)以外の全ての構成成分を含む組成物に加えられてもよい。
前記その他の構成成分は、硬化性樹脂組成物を製造する過程で加えられてもよく、硬化性樹脂組成物を硬化させようとする直前に、硬化性樹脂組成物に加えられてもよい。また、硬化性樹脂組成物を製造する過程で、その他の構成成分のうちの一部の成分を加えるとともに、硬化性樹脂組成物を硬化させようとする直前に、その他の構成成分のうちの残りの成分を硬化性樹脂組成物に加えてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させる条件としては常温、熱硬化のいずれでも良い。
また本発明の硬化性樹脂組成物から得られる硬化物の作製手段(成形手段)は問われず、公知の手法を用いることができる。例えば、本発明の硬化性樹脂組成物を塗布または注型し、そのまま硬化させることによって所望の形状を有する硬化物を得ることができる。すなわち、本発明では、本発明の硬化性樹脂組成物から形成された成形体も提供される。
本発明の硬化性樹脂組成物は、組成物の消泡性が格段に良好になり、注型品の形成に供すると、硬化物に変化するまでの過程で、硬化性樹脂組成物あるいは硬化性樹脂組成物から生じる硬化反応中間体の内部の泡、ガスが脱気して、表面の光沢も損なうことなく平滑性に富み、耐傷つき性に優れる成形体が得られる。また塗装剤として用いた時は塗膜内部に気泡が残らないだけでなく、表面の光沢も損なうことなく平滑性に富み、耐傷つき性に優れる仕上がり性の優れた塗膜表面が得られる。すなわち、本発明では、本発明の硬化性樹脂組成物を含む塗料も提供されるのであり、硬化性樹脂組成物から形成された塗膜も提供される。
本発明の硬化性樹脂組成物を硬化して得られ硬化部の表面の仕上がり性を向上させた硬化性樹脂組成物は熱硬化型の成形体として工業用品、或いは塗装剤としての塗料、常温硬化型の成形体として工業用品、注入品、或いは塗装剤としての塗料、塗膜防水材、床材等の塗材として用いることができる。すなわち、本発明では、本発明の硬化性樹脂組成物から形成された防水材、床材も提供される。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例および比較例において、α-オレフィン(共)重合体などの重合体、硬化性樹脂組成物など各物性は、以下の方法により測定あるいは評価した。
〔メチル基指標〕
α-オレフィン(共)重合体のメチル基指標は日本電子(株)製EX270型核磁気共鳴装置を用い、溶媒として重クロロホルム,試料濃度として55mg/0.6mL、測定温度として室温、観測核として1H(270MHz)、シーケンスとしてシングルパルス、パルス幅として6.5μ秒(45°パルス)、繰り返し時間として5.5秒、積算回数としては16回、ケミカルシフトの基準値として重クロロホルム中のCHCl3に基づく溶媒ピークの7.24ppmを用いて測定した。
前記のようにして測定された1H-NMRスペクトルから得られたスペクトルにおける、0.50~2.20ppmの範囲内にあるピークの積分値に対する、0.50~1.15ppmの範囲内にあるピークの積分値の割合をメチル基指標とした。ここで、0.50~2.20ppmの範囲内にはα-オレフィン(共)重合体に基づくピークがほぼ含まれる。この範囲のうち、メチル基に基づくピークは、0.50~1.15ppmの範囲内に含まれる可能性が高い。
〔エチレン含量〕
α-オレフィン(共)重合体のエチレン含量は、日本電子(株)製ECP500型核磁気共鳴装置を用い、溶媒としてオルトジクロロベンゼン/重ベンゼン(80/20容量%)混合溶媒,試料濃度として55mg/0.6mL、測定温度として120℃、観測核として13C(125MHz)、シーケンスとしてシングルパルスプロトンデカップリング、パルス幅として4.7μ秒(45°パルス)、繰り返し時間として5.5秒、積算回数としては1万回以上、ケミカルシフトの基準値として27.50ppmを用いて測定した。
α-オレフィン(共)重合体のエチレン含量は、前記のようにして測定された13C-NMRスペクトルから、「高分子分析ハンドブック」(朝倉書店 発行 P163~170)、G.J.Ray(Macromolecules,10,773(1977))、J.C.Randall(Macro-molecules,15,353(1982))、K.Kimura(Polymer,25,4418(1984))らの報告に基づいて求めた。
〔分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)〕
α-オレフィン(共)重合体の分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)は、下記の高速GPC測定装置により決定した。
高速GPC測定装置:東ソー社製HLC8320GPC
移動相:THF(和光純薬工業社製、安定剤不含有、液体クロマトグラフィー用グレード)
カラム:東ソー社製TSKgel Super MultiporeHZ-M 2本を直列連結
サンプル濃度:5mg/mL
移動相流速:0.35mL/分
測定温度:40℃
検量線用標準サンプル:東ソー社製PStQuick MP-M
〔融点〕
α-オレフィン(共)重合体の融点は、いずれもセイコーインスツルメント社製X-DSC-7000を用いて測定した。簡易密閉できるアルミサンプルパンに約8mgのサンプルを入れてDSCセルに配置し、DSCセルを窒素雰囲気下にて室温から、150℃まで10℃/分で昇温し、次いで、150℃で5分間保持した後、10℃/分で降温し、DSCセルを-100℃まで冷却した(降温過程)。次いで、-100℃で5分間保持した後、10℃/分で15℃まで昇温し、昇温過程で得られるエンタルピー曲線が極大値を示す温度を融点(Tm)とし、融解に伴う吸熱量の総和を融解熱量(ΔH)とした。ピークが観測されないか、融解熱量(ΔH)の値が1J/g以下の場合、融点(Tm)は観測されないとみなした。融点(Tm)、および融解熱量(ΔH)の求め方はJIS K7121に基づいて行った。
〔消泡性〕
硬化性樹脂組成物の消泡性は、硬化して得られた硬化物を目視にて観察し、表面に残った気泡の数の多少により下記の通り評価を行った。
○:気泡が観察されない
△:わずかに気泡が観察される
×:一面が気泡に覆われている
〔表面平滑性〕
硬化性樹脂組成物の表面平滑性は、硬化して得られた硬化物を目視にて観察し、断面での凹凸の大小および表面のしわ、割れにより下記の通り評価を行った。
〇:凹凸、しわ、割れが全く観察されない
△:わずかに凹凸、しわ、割れが観察される
×:顕著に凹凸、しわ、割れが観察される
[製造例1](バナジウム触媒による液状エチレン・プロピレン共重合体の合成)
充分に窒素置換した容量2リットルの攪拌翼付連続重合反応器に、脱水精製したヘキサン1リットルを張り、96mmol/Lに調整した、エチルアルミニウムセスキクロリド(Al(C251.5・Cl1.5)のヘキサン溶液を500mL/hの量で連続的に1時間供給した後、更に触媒として16mmol/Lに調整したVO(OC25)Cl2のヘキサン溶液を500mL/hの量で、ヘキサンを500mL/hの量で連続的に供給した。一方重合器上部から、重合液器内の重合液が常に1リットルになるように重合液を連続的に抜き出した。次にバブリング管を用いてエチレンガスを35L/hの量で、プロピレンガスを35L/hの量で、水素ガスを80L/hの量で供給した。共重合反応は、重合器外部に取り付けられたジャケットに冷媒を循環させることにより35℃で行った。
これにより、エチレン・プロピレン共重合体を含む重合溶液が得られた。得られた重合溶液は、塩酸で脱灰した後に、大量のメタノールに投入して、エチレン・プロピレン共重合体を分離させた後、130℃で24時間減圧乾燥を行い、液状エチレン・プロピレン共重合体(B-2)を得た。得られた液状エチレン・プロピレン共重合体(B-2)の分析結果を表1に示す。
[製造例2~4]
製造例1において、エチレンガスの供給量、プロピレンガスの供給量、水素ガスの供給量を適宜調整することにより、表1に記載のエチレン・プロピレン共重合体(B-1)、(B-3)および(B-4)を得た。得られた各エチレン・プロピレン共重合体の分析結果を表1に示す。
[製造例5](ジルコノセン触媒によるエチレン・プロピレン共重合体の50℃での合成)
充分に窒素置換した内容積1Lのガラス製重合器にヘプタン250mLを装入し、系内の温度を50℃に昇温した後、エチレンを35L/hr、プロピレンを65L/hr、水素を100L/hrの流量で連続的に重合器内に供給し、撹拌回転数600rpmで撹拌した。次にトリイソブチルアルミニウム0.2mmolを重合器に装入し、次いでMMAO 0.868mmolと[ジフェニルシリレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド0.00288mmolをトルエン中で15分以上予備混合したものを重合器に装入することにより重合を開始した。その後、エチレン、プロピレン、水素の連続的供給を継続し、50℃で15分間重合を行った。少量のイソブチルアルコールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のモノマーをパージした。得られたポリマー溶液を、0.2mol/Lの塩酸100mLで3回、次いで蒸留水100mLで3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られたポリマーを80℃の減圧下で一晩乾燥した。その結果、エチレン・プロピレン共重合体(B-5)2.31gを得た。得られた各エチレン・プロピレン共重合体の分析結果を表1に示す。
[製造例6](ジルコノセン触媒によるエチレン・プロピレン共重合体の150℃での合成)
充分に窒素置換した内容積2Lのステンレス製オートクレーブにヘプタン850mLおよびプロピレン75gを装入し、系内の温度を150℃に昇温した後、水素1.56MPa、エチレン0.11MPaを供給することにより全圧を3MPaGとした。次にトリイソブチルアルミニウム0.4mmol、[メチルフェニルメチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド0.00015mmolおよびN,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.0015mmolを窒素で圧入し、攪拌回転数を400rpmにすることにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を3MPaGに保ち、110℃で8分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレン、プロピレン、水素をパージした。得られたポリマー溶液を、0.2mol/Lの塩酸1000mLで3回、次いで蒸留水1000mLで3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られたポリマーを80℃の減圧下で一晩乾燥した。その結果、エチレン・プロピレン共重合体(B-6)25.1gを得た。得られた各エチレン・プロピレン共重合体の分析結果を表1に示す。
[その他の(共)重合体]
高級ポリ-α-オレフィン(B-7)、(B-8)、液状ポリブテン(B-9)~(B-11)として、以下の市販品を使用した。
B-7:高級α-オレフィン(共)重合体、酸触媒品(エクソンモービルケミカル製、Spectra Syn(商標)40)
B-8:高級α-オレフィン(共)重合体、酸触媒品(エクソンモービルケミカル製、Spectra Syn(商標)100)
B-9:液状ポリブテン(JXTGエネルギー(株)製、日石ポリブテン(商標)HV-35)
B-10:液状ポリブテン(JXTGエネルギー(株)製、日石ポリブテン(商標)HV-100)
B-11:液状ポリブテン(JXTGエネルギー(株)製、日石ポリブテン(商標)HV-300)
前記高級α-オレフィン(共)重合体および液状ポリブテンの物性を表2に示す。
Figure 0007144153000001
Figure 0007144153000002
[合成例](不飽和ポリエステル樹脂Aの合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス吹込管及び還流冷却管を備えた四ツ口フラスコに、トリエチレングリコール8.0mol、プロピレングリコール2.3mol、イソフタル酸4.5mol及びアジピン酸3molを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら210℃で酸価10まで縮合反応した。150℃まで冷却し無水マレイン酸2。5molを仕込み、210℃まで昇温し、15時間、縮合反応させ、数平均分子量4300の不飽和ポリエステルを得た。得られた不飽和ポリエステル65部に、スチレン35部、ヒドロキノン0.01部を加え、不飽和ポリエステル樹脂(A-1)を得た。
[実施例1]
不飽和ポリエステル樹脂(A-1)100gに対して、エチレン・プロピレン共重合体(B-1)0.25g、硬化剤としてカヤエステルCND-C70(化薬アクゾ株式会社製)1gとカヤエステルTMPO-70(化薬アクゾ株式会社製)0.5gを添加して攪拌混合してから、あらかじめエポキシ系プライマーを塗布しておいたスレート板(100mm×50mm)に100g/m2の塗布量で塗布した。室温で16時間放置した後、40℃のエアーオーブンに48時間入れ後硬化させ、評価用試験片を作成した。
[実施例2~15および比較例1~4]
不飽和ポリエステル樹脂(A-1)100gに対して、(B-1)~(B-11)のうち1つを、表3に記載の量だけ使用し、実施例1に記載と同様の方法で評価用試験片を作成した。
前記記載の各評価用試験片を[0100]および[0101]記載の方法に従い、消泡性および表面平滑性を評価した結果を表3に示す。
Figure 0007144153000003
実施例1~15に示すように、不飽和ポリエステル樹脂(A-1)にエチレン・プロピレン共重合体(B-1)~(B-6)、または高級α-オレフィン(共)重合体(PAO)(B-7)、(B-8)を所定量配合した硬化性樹脂組成物を硬化させた場合は、何れも得られた硬化物は、消泡性および表面平滑性を有している。
なお、エチレン・プロピレン共重合体(B-2)の質量部を0.001%とした実施例3は、実施例1等に比べると、硬化物の表面にわずかに気泡が観察され(△)、且つ表面にわずかに凹凸、しわ、割れが観察された(△)。
また、Mwが11000を超えるエチレン・α-オレフィン共重合体(B-4)を用いた実施例11では、実施例1等に比べると、硬化物の表面にわずかに気泡が観察され(△)たが、硬化物の表面は、凹凸、しわ、割れが全く観察されず(○)表面平滑性に優れている。
それに対し、不飽和ポリエステル樹脂(A-1)に、α-オレフィン(共)重合体(B)を添加しない場合は(比較例1)、硬化物から泡が抜けずに消泡性が得られず、表面平滑性も得られなかった。
一方、本発明の要件を満たさない液状ポリブテン(B-9)~(B-11)を用いた比較例2~4では、硬化物の表面から泡が抜けずに消泡性が得られず、また表面平滑性を有する硬化物も得られなかった。その理由は、比較例4~6で用いた液状ポリブテンは、主にイソブテン(2-メチルプロピレン)を重合して得られたものであり、側鎖にメチル基を多く有するためメチル基指標が60%を超えているからと推察される。

Claims (9)

  1. 不飽和ポリエステル樹脂(A)と、下記要件(b-1)~(b-3)を満たすα-オレフィン(共)重合体(B)を、不飽和ポリエステル樹脂(A)100質量部当たり、0.001~20質量部含有する硬化性樹脂組成物。
    (b-1)1H-NMRから測定されるメチル基指標が25~60%である(ここで、当該メチル基指標とは、前記α-オレフィン(共)重合体を重クロロホルム中に溶解させて1H-NMRを測定し、重クロロホルム中のCHCl3に基づく溶媒ピークをリファレンス(7.24ppm)としたときにおける、0.50~2.20ppmの範囲内にあるピークの積分値に対する、0.50~1.15ppmの範囲内にあるピークの積分値の割合をいう。)。
    (b-2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が1,500~14,000である。
    (b-3)-100℃~150℃の温度範囲において、示差走査熱量分析(DSC)で測定される融点が観測されない。
  2. 前記不飽和ポリエステル樹脂(A)が、不飽和ポリエステルと重合性単量体を含む、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記α-オレフィン(共)重合体(B)が、メチル基指標が25~40%であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記α-オレフィン(共)重合体(B)が、メチル基指標が40~60%であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物から形成された成形体。
  6. 請求項1~4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物から形成された防水材。
  7. 請求項1~4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物から形成された床材。
  8. 請求項1~4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を含む塗料。
  9. 請求項1~4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物から形成された塗膜。

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