JP2016182683A - 熱転写受像シート及び熱転写受像シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、以下の特許文献2では、ベースフィルムと、その表面に備えられた画像受容層とを有し、ベースフィルムの少なくとも画像受容層と接する面が所定の濡れ張力を有するようにした感熱転写記録体が提案されている。
また、特許文献2に提案されている感熱転写記録体を用いて印画を行ったところ、表面光沢改善層が原因と考えられる表面のゆず肌状の凹凸が確認された。
本発明は、このような点に着目してなされたもので、低コストにて製造でき、且つ画質に優れた熱転写受像シート及び熱転写受像シートを提供することを目的としている。
以下、本発明の一実施形態に係る熱転写受像シートについて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る熱転写受像シート1を模式的に示す断面図である。本発明の一実施形態に係る熱転写受像シート1は、少なくとも、基材2、ポリオレフィン樹脂層3、多孔質フィルム層4、下引き層5及び染料受容層6を備えている。本発明の一実施形態に係る熱転写受像シート1は、例えば、基材2の一方の面に、ポリオレフィン樹脂層3、多孔質フィルム層4、下引き層5及び染料受容層6をこの順に積層された状態で備えている。
ポリオレフィン樹脂層3の厚さは、8μm以上80μm以下とすることが好ましく、10μm以上60μm以下とすることがより好ましい。熱転写受像シート1は、例えば、基材2と多孔質フィルム層4とを、押出サンドイッチラミネーションによりポリオレフィン樹脂層3を介して貼り合わせて形成する。このため、ポリオレフィン樹脂層3の厚さが8μm以上である場合、基材2の強度や耐熱性が向上するとともに、多孔質フィルム層4を貼り合わせた後の多孔質フィルム層4の下引き層5に対向する面の算術平均粗さ(SRa)が小さくなる。このため、より画質に優れた熱転写受像シート1を得ることができる。また、ポリオレフィン樹脂層3の厚さが80μm以下である場合、ポリオレフィン材料の使用量を少なくすることができるため、低コストで熱転写受像シート1を製造することができる。
多孔質フィルム層4は、従来公知の材料で形成される。多孔質フィルム層4は、例えば、発泡ポリプロピレンフィルムや発泡ポリエチレンテレフタレートフィルム等の発泡フィルムなどを用いたもの、さらに発泡フィルムの片面又は両面にスキン層を設けた複合フィルムを用いた多孔質フィルムを挙げることができる。この中でも特に、発泡フィルムの片面又は両面にスキン層を設けた複合フィルムを用いることが好ましい。
なお、基材2、ポリオレフィン樹脂層3及び多孔質フィルム層4には、接着性向上のため、必要に応じて従来公知の各種処理を施しても良い。例えば、基材2にはコロナ処理、ポリオレフィン樹脂層3にはオゾン処理、多孔質フィルム層4には易接着処理を施すことで、接着性を向上させることができる。
下引き層5に用いられるバインダ樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エポキシ樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
また、下引き層5には、下引き層5に含まれる白色顔料による隠蔽性、下引き層5と多孔質フィルム層4との密着性、および下引き層5と染料受容層6との密着性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物等の架橋剤、蛍光増白剤、シランカップリング剤、分散剤、粘度調整剤、安定化剤等の公知の添加剤を使用することができる。
染料受容層6は、従来公知の材料で形成される。染料受容層6は、少なくともバインダ樹脂と離型剤を含有する。
染料受容層6に用いられるバインダ樹脂としては、例えばポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリル共重合体、スチレン−アクリル共重合体、ポリブタジエン、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカプロラクトン、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、あるいはこれらの変性樹脂等を挙げることができるが、特に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いることが好ましい。
染料受容層6の厚さは、0.1μm以上10μm以下とすることが好ましく、0.2μm以上8μm以下とすることがより好ましい。また、染料受容層6は、必要に応じて架橋剤や酸化防止剤、蛍光染料や、公知の添加剤を含有しても良い。
以下、曲面の算術平均粗さ(SRa)及び二次元の輪郭曲線の算術平均粗さ(Ra)について説明する。
曲面の算術平均粗さ(SRa)とは、JIS B 0601にて記載されている、二次元の輪郭曲線の算術平均粗さ(Ra)を、三次元に拡張したものである。粗さ曲面の中心面上に直交座標軸X,Y軸を置き、中心面に直交する軸をZ軸とした時、表面形状の曲面をf(x,y)、LxをX軸方向の測定長、LyをY軸方向の測定長とすると、算術平均粗さ(SRa)は以下の式(I)にて表される。
従来の熱転写受像シートでは、多孔質フィルム層等の貼り合わせに、ドライラミネート法が用いられてきた。しかしながら、ドライラミネート法では、ラミネート後も反応を促進し、完了させるためのエージング工程が必要であるため、製造コストを押し上げる要因となっていた。また、ドライラミネート時における接着層の膜厚を5μm未満とすると、基材の凹凸を埋めることができず、画質の悪化につながり、逆に接着層の膜厚を5μm以上とすると、画質は優れるものの、残留溶剤やコストの問題が発生していた。
そこで、本発明者らは、基材2と多孔質フィルム層4とを、ポリオレフィン樹脂層3を介した押出サンドイッチラミネーションにて貼り合わせることで、上述のような問題を解決できることを見出した。
以下、染料受容層6表面の波長550nmにおける5°反射率について説明する。
反射率の測定に関しては、JIS K5602に記載されている方法に基づき測定を行う。なお、測定条件を波長550nmにおける5°反射率と選定した理由としては、国際照明委員会(CIE;Commission internationale de l'eclairage)によって定められている、人が最も明るく感じる分光可視効率が最も高い波長領域(555nm)付近であり、かつ表面のざらつきが見やすい低入射角度で測定することが好ましいと考えたためである。なお、染料受容層6表面の反射を測定するその他の方法として、光沢度が挙げられる。一部の測定条件において反射率と光沢度とは相関性はあるようであるが、本測定条件における反射率と光沢度の相関性に関しては明らかになっていない。2007年度の新潟県工業技術研究報告書によると、分光光度計の反射率から算出された光沢度と光沢度計により測定された光沢度では絶対値に差が生じていることが報告されている。
下引き層5と染料受容層6を形成後の、染料受容層6表面の波長550nmにおける5°反射率を1%以上8%以下に調整する方法としては、下引き層5に含有するバインダ樹脂と白色顔料の比率や膜厚を調整する方法がある。
2.熱転写受像シートの製造方法
以下、図2(a)から図2(d)を参照して、熱転写受像シート1の製造方法について説明する。図2(a)から図2(d)は、本発明の一実施形態に係る熱転写受像シート1の製造工程を示す製造工程断面図である。
図2(a)に示すように、基材2と多孔質フィルム層4とが、ポリオレフィン樹脂層3を介して貼り合わされる。基材2と多孔質フィルム層4とは、ポリオレフィン樹脂層3を介した押出サンドイッチラミネーションにて貼り合わされる。具体的には、溶融したポリオレフィン樹脂がフィルム状に押出されるとともに、溶融したポリオレフィン樹脂を介して多孔質フィルム層4が供給され、冷却ロールにて冷却されることにより、ポリオレフィン樹脂が固化してポリオレフィン樹脂層3が形成される。
図2(b)に示すように下引き層形成工程において、バインダ樹脂、白色顔料を含む下引き層塗布液5aを作製し、多孔質フィルム層4の表面に下引き層塗布液5aを塗布・乾燥する。これにより、図2(c)に示すように下引き層5が形成される。
図2(c)に示すように染料受容層形成工程において、バインダ樹脂、離型剤を含む染色受容層塗布液6aを作製し、下引き層5上に染色受容層塗布液6aを塗布・乾燥する。これにより、図2(d)に示すように染料受容層6が形成される。なお、染色受容層塗布液6aは、多孔質フィルム層4上に塗工された乾燥前の下引き層塗布液5a上に塗布してもよい。
以上により、基材2の一方の面上に、ポリオレフィン樹脂層3、多孔質フィルム層4、下引き層5及び染料受容層6をこの順で有してなる熱転写受像シート1が形成される。
以下に、各実施例及び各比較例に用いた材料を示す。なお、文中で「部」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。また、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
基材として、両面にコロナ処理を施した厚さ約149μmの上質紙(しらおい 坪量127.9g/m2 日本製紙製)からなる紙基材を使用し、紙基材の一方の面に溶融押し出し法により、厚さ30μmの背面押出樹脂層を形成した。背面押出樹脂層の形成には、低密度ポリエチレン樹脂(LC600A 日本ポリエチレン製)を用いた。
紙基材に発泡ポリプロピレンフィルムを貼り合わせた後、発泡ポリプロピレンフィルムの紙基材側とは反対側の表面の算術平均粗さ(SRa)を以下の装置・条件にて測定したところ、0.8μmであった。
接触式表面粗さ計(Wyko NT3300 Bruker社製)
測定範囲 1mm×1mm
測定ピッチ X方向0.1μm、Y方向20μm
発泡ポリプロピレンフィルムの紙基材側とは反対側の表面に、以下の下引き層塗布液−1を、乾燥後の厚みが2μmとなるように塗布、乾燥することで、下引き層を形成した。更に、下引き層の表面に、以下の染料受容層塗布液を、乾燥後の厚みが3μmとなるように塗布、乾燥することで、染料受容層を形成し、実施例1の熱転写受像シートを得た。
ポリオレフィン樹脂 7.5部
(ユニストールP501 三井化学株式会社製)
酸化チタン 7.5部
(RDO SACHTLEBEN社製)
メチルエチルケトン(MEK) 42.5部
トルエン 42.5部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 19.5部
(ソルバインC、日信化学工業株式会社製)
アミノ変性シリコーン 0.5部
(KF−393、信越化学工業株式会社製)
メチルエチルケトン 40.0部
トルエン 40.0部
押出サンドイッチラミネーション時に低密度ポリエチレンの厚さ(ポリオレフィン樹脂層の厚さ)が15μmとなるように調整した。また、冷却ロールとして表面の算術平均粗さ(Ra)が1.0μmの鏡面ロールを用い、ニップ圧を3kg重/cm2とした。これ以外は、実施例1と同様にして、実施例2の熱転写受像シートを得た。紙基材に発泡ポリプロピレンフィルムを貼り合わせた後、発泡ポリプロピレンフィルムの紙基材側とは反対側の表面の算術平均粗さ(SRa)を実施例1と同様の装置・条件にて測定したところ、0.8μmであった。
押出サンドイッチラミネーション時に低密度ポリエチレンの厚さ(ポリオレフィン樹脂層の厚さ)が8μmとなるように調整した。また、冷却ロールとして表面の算術平均粗さ(Ra)が1.0μmの鏡面ロールを用い、ニップ圧を15kg重/cm2とした。これ以外は、実施例1と同様にして、実施例3の熱転写受像シートを得た。紙基材に発泡ポリプロピレンフィルムを貼り合わせた後、発泡ポリプロピレンフィルムの紙基材側とは反対側の表面の算術平均粗さ(SRa)を実施例1と同様の装置・条件にて測定したところ、0.8μmであった。
押出サンドイッチラミネーション時に低密度ポリエチレンの厚さ(ポリオレフィン樹脂層の厚さ)が15μmとなるように調整した。また、冷却ロールとして表面の算術平均粗さ(Ra)が0.2μmの鏡面ロールを用い、ニップ圧を3kg重/cm2とした。これ以外は、実施例1と同様にして、実施例4の熱転写受像シートを得た。紙基材に発泡ポリプロピレンフィルムを貼り合わせた後、発泡ポリプロピレンフィルムの紙基材側とは反対側の表面の算術平均粗さ(SRa)を実施例1と同様の装置・条件にて測定したところ、0.4μmであった。
押出サンドイッチラミネーション時に低密度ポリエチレンの厚さ(ポリオレフィン樹脂層の厚さ)が8μmとなるように調整した。また、冷却ロールとして表面の算術平均粗さ(Ra)が0.2μmの鏡面ロールを用い、ニップ圧を15kg重/cm2とした。これ以外は、実施例1と同様にして、実施例5の熱転写受像シートを得た。紙基材に発泡ポリプロピレンフィルムを貼り合わせた後、発泡ポリプロピレンフィルムの紙基材側とは反対側の表面の算術平均粗さ(SRa)を実施例1と同様の装置・条件にて測定したところ、0.4μmであった。
押出サンドイッチラミネーション時に低密度ポリエチレンの厚さ(ポリオレフィン樹脂層の厚さ)が15μmとなるように調整した。また、冷却ロールとして表面の算術平均粗さ(Ra)が1.0μmの鏡面ロールを用い、ニップ圧を15kg重/cm2とした。これ以外は、実施例1と同様にして、実施例6の熱転写受像シートを得た。紙基材に発泡ポリプロピレンフィルムを貼り合わせた後、発泡ポリプロピレンフィルムの紙基材側とは反対側の表面の算術平均粗さ(SRa)を実施例1と同様の装置・条件にて測定したところ、0.4μmであった。
下引き層を以下の組成の下引き層塗布液−2を用いて形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例7の熱転写受像シートを得た。紙基材に発泡ポリプロピレンフィルムを貼り合わせた後、発泡ポリプロピレンフィルムの紙基材側とは反対側の表面の算術平均粗さ(SRa)を実施例1と同様の装置・条件にて測定したところ、0.8μmであった。
ポリオレフィン樹脂 5.0部
(ユニストールP501 三井化学株式会社製)
酸化チタン 10.0部
(RDO SACHTLEBEN社製)
MEK 42.5部
トルエン 42.5部
下引き層を以下の組成の下引き層塗布液−3を用いて形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例8の熱転写受像シートを得た。紙基材に発泡ポリプロピレンフィルムを貼り合わせた後、発泡ポリプロピレンフィルムの紙基材側とは反対側の表面の算術平均粗さ(SRa)を実施例1と同様の装置・条件にて測定したところ、0.8μmであった。
ポリオレフィン樹脂 10.0部
(ユニストールP501 三井化学株式会社製)
酸化チタン 5.0部
(RDO SACHTLEBEN社製)
MEK 42.5部
トルエン 42.5部
押出サンドイッチラミネーション時の冷却ロールとして表面の算術平均粗さ(Ra)が1.4μmのセミマットロールを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の熱転写受像シートを得た。紙基材に発泡ポリプロピレンフィルムを貼り合わせた後、発泡ポリプロピレンフィルムの紙基材側とは反対側の表面の算術平均粗さ(SRa)を実施例1と同様の装置・条件にて測定したところ、1.2μmであった。
下引き層を以下の組成の下引き層塗布液−4を用いて形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の熱転写受像シートを得た。紙基材に発泡ポリプロピレンフィルムを貼り合わせた後、発泡ポリプロピレンフィルムの紙基材側とは反対側の表面の算術平均粗さ(SRa)を実施例1と同様の装置・条件にて測定したところ、0.8μmであった。
ポリオレフィン樹脂 3.0部
(ユニストールP501 三井化学株式会社製)
酸化チタン 12.0部
(RDO SACHTLEBEN社製)
MEK 42.5部
トルエン 42.5部
下引き層を以下の組成の下引き層塗布液−5を用いて形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例3の熱転写受像シートを得た。紙基材に発泡ポリプロピレンフィルムを貼り合わせた後、発泡ポリプロピレンフィルムの紙基材側とは反対側の表面の算術平均粗さ(SRa)を実施例1と同様の装置・条件にて測定したところ、0.8μmであった。
ポリオレフィン樹脂 12.0部
(ユニストールP501 三井化学株式会社製)
酸化チタン 3.0部
(RDO SACHTLEBEN社製)
MEK 42.5部
トルエン 42.5部
押出サンドイッチラミネーション時の冷却ロールとして表面の算術平均粗さ(Ra)が1.4μmのセミマットロールを用いた以外は、比較例2と同様にして比較例4の熱転写受像シートを得た。紙基材に発泡ポリプロピレンフィルムを貼り合わせた後、発泡ポリプロピレンフィルムの紙基材側とは反対側の表面の算術平均粗さ(SRa)を実施例1と同様の装置・条件にて測定したところ、1.2μmであった。
押出サンドイッチラミネーション時の冷却ロールとして表面の算術平均粗さ(Ra)が1.4μmのセミマットロールを用いた以外は、比較例3と同様にして比較例5の熱転写受像シートを得た。紙基材に発泡ポリプロピレンフィルムを貼り合わせた後、発泡ポリプロピレンフィルムの紙基材側とは反対側の表面の算術平均粗さ(SRa)を実施例1と同様の装置・条件にて測定したところ、1.2μmであった。
紙基材の背面押出樹脂層形成面とは反対側の面と、厚さ30μmの発泡ポリプロピレンフィルム(エコネージュNW−2 三井化学東セロ製)の一方の面とを、以下の組成のドライラミネート用接着剤層塗布液にて貼り合わせた。このとき、接着剤層の乾燥後の厚さが4μmとなるように調整した。これ以外は実施例1と同様にして、下引き層及び染料受容層を形成した後、反応を促進し完了させるためのエージング工程を経て、比較例6の熱転写受像シートを得た。紙基材に発泡ポリプロピレンフィルムを貼り合わせた後、発泡ポリプロピレンフィルムの接着剤層側とは反対側の表面の算術平均粗さ(SRa)を実施例1と同様の装置・条件にて測定したところ、1.5μmであった。
ポリエステル系樹脂 45.0部
(タケラックA606 武田薬品工業株式会社製)
イソシアネート系硬化剤 5.0部
(タケネートA12 武田薬品工業株式会社製)
酢酸エチル 50.0部
接着剤層の乾燥後の厚さを15μmとなるように調整した以外は、比較例6と同様にして、比較例7の熱転写受像シートを得た。紙基材に発泡ポリプロピレンフィルムを貼り合わせた後、発泡ポリプロピレンフィルムの接着剤層側とは反対側の表面の算術平均粗さ(SRa)を実施例1と同様の装置・条件にて測定したところ、0.8μmであった。
基材として、厚さ4.5μmの片面易接着処理付きポリエチレンテレフタレートフィルムを使用した。この基材の非易接着処理面に、以下の組成の耐熱滑性層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/m2となるように塗布、乾燥して耐熱滑性層付き基材を得た。次に、耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、以下の組成の熱転写層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/m2となるように塗布、乾燥して熱転写層を形成し、熱転写記録媒体を得た。
シリコーン系アクリルグラフトポリマー 50.0部
(東亞合成株式会社US−350)
メチルエチルケトン 50.0部
<熱転写層塗布液>
C.I.ソルベントブルー36 2.5部
C.I.ソルベントブルー63 2.5部
ポリビニルアセタール樹脂 5.0部
トルエン 45.0部
メチルエチルケトン 45.0部
以下、実施例1〜8及び比較例1〜7の熱転写受像シートのそれぞれを評価する。
実施例1〜8、比較例1〜7の熱転写受像シートの、染料受容層表面の波長550nmにおける5°反射率を、以下の装置・条件にて測定した。
分光光度計:U−4100(日立ハイテクノロジーズ社製)
波長:550nm
角度:5°
熱転写記録媒体を使用し、解像度が300×300DPIの、評価用サーマルプリンタにて実施例1〜8、比較例1〜7の熱転写受像シートに対して風景画の印画を行い、画質の評価を行った。
画質は、以下の基準で評価した。
◎:熱転写受像シート表面に凹凸がなく、画質に非常に優れている
○:熱転写受像シート表面に凹凸がなく、画質
に優れている
×:熱転写受像シート表面の凹凸が少し目立ち、画像にムラが発生し、実用上問題がある
××:熱転写受像シート表面の凹凸がかなり目立ち、画像にムラが多数発生し、実用上問題がある
実施例1〜8、比較例1〜7の熱転写受像シートの製造コストは、以下の基準で評価した。
○:材料費及び製造コストの観点において、従来より低コストで製造することができる
×:材料費及び製造コストの観点において、従来より低コストで製造することができない
比較例2,3の熱転写受像シートは、染料受容層表面の波長550nmにおける5°反射率が1%以上8%以下の範囲外であり、優れた画質とはならなかった。
比較例4,5の熱転写受像シートは、発泡ポリプロピレンフィルムの下引き層と対向する面の算術平均粗さ(SRa)が1.2μmとなり、かつ染料受容層表面の波長550nmにおける5°反射率が1%以上8%以下の範囲外であったため、画像にムラが多数発生する結果となった。
2 基材
3 ポリオレフィン樹脂層
4 多孔質フィルム層
5 下引き層
6 染料受容層
Claims (5)
- 基材の一方の面上に、ポリオレフィン樹脂層、多孔質フィルム層、下引き層及び染料受容層をこの順で有してなる熱転写受像シートであって、
前記基材と前記多孔質フィルム層とが、前記ポリオレフィン樹脂層を介して押出サンドイッチラミネーションにて貼り合わされており、
前記多孔質フィルム層の前記下引き層に対向する面の算術平均粗さ(SRa)は0.8μm以下であり、且つ前記染料受容層の表面の波長550nmにおける5°反射率は1%以上8%以下である
熱転写受像シート。 - 基材の一方の面上に、ポリオレフィン樹脂層、多孔質フィルム層、下引き層及び染料受容層をこの順で有してなる熱転写受像シートの製造方法であって、
前記基材と前記多孔質フィルム層とを、前記ポリオレフィン樹脂層を介した押出サンドイッチラミネーションにて貼り合わせる貼り合わせ工程と、
前記下引き層を形成する下引き層形成工程と、
前記染料受容層を形成する染料受容層形成工程と
を備え、
前記多孔質フィルム層の前記下引き層に対向する面の算術平均粗さ(SRa)が0.8μm以下であり、前記染料受容層の表面の波長550nmにおける5°反射率が1%以上8%以下となるように、前記ポリオレフィン樹脂層、前記多孔質フィルム層、前記下引き層及び前記染料受容層を形成する
熱転写受像シートの製造方法。 - 前記貼り合わせ工程において、前記押出サンドイッチラミネーション時に用いる冷却ロールの表面の算術平均粗さ(Ra)を0.8μm以下とする
請求項2に記載の熱転写受像シートの製造方法。 - 前記貼り合わせ工程において、前記ポリオレフィン樹脂層の厚さを均一且つ10μm以上60μm以下とする
請求項2又は3に記載の熱転写受像シートの製造方法。 - 前記貼り合わせ工程において、前記押出サンドイッチラミネーション時におけるニップ圧を4kg重/cm2以上50kg重/cm2以下に調整する
請求項2から4のいずれか一項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
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