JP2016177411A - 共用車両管理装置及び共用車両管理方法 - Google Patents

共用車両管理装置及び共用車両管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】補給装置が設置されたステーションと、補給装置が設置されていないステーションとが混在しているワンウェイ・カーシェアリングシステムにおいて、共用車両の稼働率を向上させる。
【解決手段】共用車両管理装置は、共用車両の駆動エネルギーを補給可能な補給装置が設置されているか否かを含む共用車両を貸出及び返却できるステーションに関する情報を記憶する記憶手段と、ユーザが設定した出発ステーション及び帰着ステーションの情報を含む共用車両の利用予約をユーザから受け付ける利用受付手段と、共用車両の駆動エネルギーの残量又は共用車両の駆動エネルギーの消費量を示す駆動エネルギー量の情報を用いて直接的又は間接的に駆動エネルギーの残量が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定手段と、ユーザにより設定された帰着ステーションの情報及び判定結果に基づいて、ユーザに貸し出す共用車両を選択する車両選択手段と、を備える。
【選択図】図3A

Description

本発明は、複数のユーザによって利用される複数の共用車両を管理する共用車両管理装置及び共用車両管理方法に関する。
複数のユーザが複数の共用車両を利用するカーシェアリングシステムが知られている。このようなカーシェアリングシステムとしては、一のステーションから借り出した共用車両を、他のステーションへ返却することが許される、いわゆる乗り捨て型のワンウェイ・カーシェアリングシステムも提案されている。
このワンウェイ・カーシェアリングシステムでは、ユーザの希望に応じて、共用車両の貸出しを希望するステーション(出発ステーション)及び利用後の共用車両を返却するためのステーション(帰着ステーション)が設定されるため、特定のステーションにユーザの利用が集中することによる共用車両の偏在が発生することがある。
これに対して、例えば、ユーザに、あるステーションに存在する共用車両を別のステーションに移動させるよう依頼し、依頼に応じて共用車両を移動させた場合に対価を支払うようにすることで、各ステーションにおける共用車両の偏在を緩和する技術が知られている。(特許文献1)。
特開平2010−170283号公報
一方、ワンウェイ・カーシェアリングシステムでは、ユーザが利用した共用車両について、適宜、駆動エネルギー(内燃機関で走行駆動するガソリン車等にあってはガソリンを、電気自動車にあってはバッテリの充電量を意味する。以下同じ。)を補給する必要がある。共用車両の駆動エネルギーを補給する方法としては、各ステーションに予め補給装置を設置しておき、これを用いて補給を行う方法が考えられる。しかしながら、ユーザの利便性向上のためにステーションの増設のニーズがあり、ステーションの数を増やす場合には、全てのステーションに補給装置を設置するのは設置費用や設置スペースの観点から困難である。そのため、ワンウェイ・カーシェアリングシステムでは、通常、補給装置が設置されたステーションと、補給装置が設置されていないステーションとが混在している。
このような状況において、上記特許文献1に記載の技術は、各ステーションに補給装置が設置されているか否かを考慮せず、ユーザに対して共用車両の移動を依頼するものである。そのため、ユーザが、駆動エネルギーの残量が少ない共用車両を、補給装置が設置されていないステーションに移動させた場合には、移動後の共用車両は駆動エネルギーの不足により稼働できないことがあり、共用車両を効率的に運用できないという問題がある。すなわち、駆動エネルギーが不足した共用車両を、補給装置が設置されているステーションや整備場等に移動させて駆動エネルギーを補給する必要があり、これにより、共用車両の稼働率が低下するという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、補給装置が設置されたステーションと、補給装置が設置されていないステーションとが混在しているワンウェイ・カーシェアリングシステムにおいて、共用車両の稼働率を向上させることである。
本発明は、利用予約を受け付けたユーザが設定した帰着ステーションにおける補給装置の設置の有無の情報と、共用車両の駆動エネルギーの残量が所定の閾値以上であるか否かの判定結果とに基づき、ユーザに貸し出す共用車両を選択することにより、上記課題を解決する。
本発明によれば、設定された帰着ステーションにおける補給装置の設置の有無の情報と、共用車両の駆動エネルギーの残量の判定結果とに基づき、ユーザに貸し出す共用車両を選択するため、駆動エネルギーの不足に起因する共用車両の稼働停止が抑制され、共用車両の稼働率が向上する。
本発明の実施形態に係る共用車両管理装置を備えた共用車両管理システムにおいて、ユーザが共用車両を利用する方法の一例を示す概要図である。 本発明の実施形態に係る共用車両管理装置を備えた共用車両管理システムの構成図である。 図1Bの共用車両管理システムが管理する共用車両が配置されるステーションを示す図である。 ユーザに貸し出す共用車両Vnを選択する方法の例を示す図である。 共用車両Vnごとに駆動エネルギーの残量が所定の閾値V以上であるか否かを判定する方法の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る共用車両管理装置による、共用車両の利用及び返却を管理する制御手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る共用車両管理装置による、ユーザに貸し出す共用車両を選択する制御手順の例を示すフローチャートである。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係る共用車両管理装置について説明する。本実施形態では、共用車両管理装置を、複数のユーザが複数のステーションに配置された複数の共用車両を共用するカーシェアリングシステムを管理運営する共用車両管理システムに適用した例を用いて説明する。本実施形態のカーシェアリングシステムでは、共用車両を借り出すステーションと、共用車両を返却するステーションとは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。なお、各ステーションは、共用車両を駐車させることができ、共用車両の貸出及び返却を行ったり、利用されていない共用車両を待機させたりできる場所であり、カーシェアリングシステムのために予め用意した駐車場などが挙げられる。
ここで、図1Aは、本実施形態の共用車両管理装置100を備えた共用車両管理システム1000において、ユーザが共用車両を利用する方法の一例を示す概要図である。図1Aでは、ユーザU1が共用車両V2を利用し、共用車両V2を利用後に返却するためのステーション(帰着ステーション)としてステーションST2を設定しており、一方、ユーザU2が、ユーザ端末装置400Xを用いて、いずれかの共用車両を利用予約しようとしている場面を示している。本実施形態の共用車両管理システム1000においては、ユーザU2は、ユーザ端末装置400Xを操作することで、共用車両管理装置100が管理する複数のステーションの中から、共用車両の貸出しを希望するステーション(出発ステーション)を選択し、選択した出発ステーションで待機している共用車両の利用予約をする。
たとえば、図1Aに示す場面において、ユーザU2が出発ステーションとしてステーションST1を選択した場合には、ステーションST1で待機している共用車両V1を利用予約できる。この際には、併せて、任意のステーションを、共用車両を利用後に返却するためのステーション(帰着ステーション)として設定してもよい。あるいは、ユーザU2は、共用車両の利用予約をした後、所望のタイミングで、この帰着ステーションを設定してもよい。これにより、ユーザは、予約した共用車両に乗車して共用車両を利用できるようになり、その後、利用した共用車両を、設定した帰着ステーションに返却することで、乗り捨て型のワンウェイ・カーシェアリングシステムを利用できるようになっている。
一方、図1Aに示す場面において、ユーザU2が出発ステーションとしてステーションST2を選択した場合には、ステーションST2には待機している共用車両が存在しないため、共用車両管理装置100は、ステーションST2には現在利用可能な共用車両が存在せず、ステーションST2からは共用車両の貸出を行うことができない旨の情報を、ユーザU2のユーザ端末装置400Xに送信する。もしくは、図1Aに示す場面において、ユーザU2が出発ステーションとしてステーションST2を選択した場合には、共用車両管理装置100により、共用車両の貸出の受付ができない状態が維持される。
以上が本実施形態におけるワンウェイ・カーシェアリングシステムの基本構成である。本実施形態では、このようなワンウェイ・カーシェアリングシステムにおいて、共用車両管理装置100が、所定の条件に基づいて抽出した共用車両を、当該ユーザに貸し出す車両として選択する処理を行うようになっている。
図1Bは、本実施形態の共用車両管理システム1000を示す構成図である。図1Bに示すように、本実施形態の共用車両管理システム1000は、共用車両管理装置100と、複数のユーザに利用される複数の共用車両V1〜Vn(以下、共用車両Vnと総称することもある)がそれぞれ備える車載装置200V1〜200Vn(以下、車載装置200Vnと総称することもある)と、複数のユーザがそれぞれ所持するユーザ端末装置400X〜400Z(以下、ユーザ端末装置400Xと総称することもある)と、を有する。本実施形態の共用車両管理システム1000を構成する、車載装置200V1〜200Vn、ユーザ端末装置400X〜400Zの台数は限定されない。
共用車両管理装置100、車載装置200V1〜200Vn及びユーザ端末装置400X〜400Zは、それぞれ通信装置(20、220、420)を備え、インターネット300などの電気通信回線網を介して相互に情報の授受が可能である。通信経路は有線であっても無線であってもよい。
本実施形態のユーザ端末装置400Xは、本発明の本実施形態に係るユーザ端末装置400Xに適用されるプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行することで、各機能を実行させる動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)と、を備えるコンピュータである。本実施形態のユーザ端末装置400Xは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、又はPDA(Personal Digital Assistant)その他の可搬型の端末装置であってもよい。
本実施形態のユーザ端末装置400Xは、各ユーザによる所望の出発ステーションの共用車両Vnの利用を求める利用予約などの入力情報を受け付ける入力装置410と、共用車両管理装置100などの外部装置と通信を行う通信装置420と、各ユーザに情報を通知するための表示装置430と、ユーザによる共用車両Vnの利用の制御処理を実行する制御装置440とを備える。
ユーザ端末装置400Xの入力装置410としては、たとえば、ユーザの手操作による入力が可能なディスプレイ画面上に配置されるタッチパネル又はジョイスティックや、ユーザの音声による入力が可能なマイクなどの装置を用いることができる。表示装置430としては、ディスプレイなどが挙げられ、タッチパネル・ディスプレイを用いる場合には、入力装置410と兼用することができる。
本実施形態の制御装置440は、ユーザ端末装置400Xに備えられた図示しないGPS(Global Positioning System)受信機などの位置取得装置を用いて、ユーザ端末装置400Xを操作するユーザの現在位置の情報を取得し、取得した現在位置の情報を、通信装置420を介して、共用車両管理装置100に送信する。
また、制御装置440は、各ユーザによる共用車両Vnの利用を求める利用予約などの入力情報を受け付け、通信装置420を介して、共用車両管理装置100に送信する。なお、本実施形態では、共用車両Vnの利用予約としては、ユーザが利用予約を送信してから直ぐに共用車両Vnを利用開始する即時利用や、共用車両Vnを希望の時刻から利用開始する予約利用などを求める予約が挙げられる。
上述した利用予約には、ユーザのID情報、ユーザの現在位置の情報、ユーザが設定した出発ステーションの情報、ユーザが利用を希望する共用車両VnのID情報、ユーザが設定した帰着ステーションの情報などが含まれる。本実施形態のカーシェアリングシステムにおいては、利用予約には、ユーザによる共用車両Vnの利用開始時刻や、ユーザによる共用車両Vnの返却時刻の情報は含まれていなくてもよい。すなわち、本実施形態のカーシェアリングシステムでは、ユーザは、共用車両Vnの利用開始時刻や返却時刻を設定することなく、共用車両Vnを利用開始し、任意のタイミングで返却することができる。なお、本実施形態のユーザ端末装置400Xは、必要に応じて、共用車両管理装置100から、各ステーションの情報や、各ステーションにおける利用候補の共用車両Vnの情報などを受信する。
加えて、本実施形態においては、ユーザ端末装置400X及び車載装置200Vnのうち少なくとも一方が、ユーザに対して共用車両Vnの走行経路を案内するためのナビゲーション装置として機能してもよい。ユーザ端末装置400Xがナビゲーション装置として機能する場合には、ユーザ端末装置400Xは、たとえば、予めユーザ端末装置400Xに備えられたROMなどに地図情報を記憶させておき、表示装置430に、地図情報とともに、ユーザが現在利用している共用車両Vnの現在位置と、ユーザが設定した帰着ステーションの位置とを表示し、共用車両Vnの現在位置から帰着ステーションまでの走行経路を案内するように構成することができる。
本実施形態の車載装置200Vnは、各共用車両Vnの現在位置を検出するGPS受信機210と、共用車両管理装置100などの外部装置と通信を行う通信装置220と、ユーザによる共用車両Vnの利用の制御処理を実行する制御装置230とを備える。
この車載装置200Vnは、ユーザ端末装置400Xの機能を利用した簡易な機構にしてもよい。例えば、GPS受信機や通信装置、経路演算および経路誘導装置などがユーザ端末装置400Xに搭載されている場合はその機能を利用し、車載装置200Vnは、次に示すユーザの認証のみを行うようにしてもよい。
本実施形態においては、制御装置230は、車載装置200Vnに備えらえた認証装置(不図示)を用いて、共用車両Vnに乗車したユーザが、該共用車両Vnの利用予約を行ったユーザと一致するか否かのユーザ認証を行う。たとえば、制御装置230は、認証装置として、NFC(Near Field Communication)による通信が可能な装置を用いて、ユーザが所有するユーザ端末装置400Xや会員カードなどからユーザのID情報を読み取り、さらに、通信装置220を介して共用車両管理装置100にアクセスして、共用車両Vnの予約情報を取得し、共用車両Vnに乗車したユーザのユーザ認証を行う。
また、制御装置230は、GPS受信機210を用いて取得した現在位置の情報を、通信装置220を介して、共用車両管理装置100に送信する。
さらに、制御装置230は、図示しないディスプレイやスピーカなどを用いて、共用車両管理装置100から送信された情報などを、ユーザに通知する。本実施形態では、制御装置230は、たとえば、共用車両管理装置100から、各ステーションの情報や、各ステーションにおける利用可能な共用車両Vnの情報などを受信して、ユーザに通知する。
なお、本実施形態においては、車載装置200Vnは、上述したユーザ端末装置400Xと同様に、共用車両Vnの現在位置から帰着ステーションまでの走行経路を案内するためのナビゲーション装置として機能するものであってもよい。
本実施形態の共用車両管理装置100は、共用車両管理システム1000のサーバとして機能し、カーシェアリングシステムを管理運営するための制御処理を実行する制御装置10と、車載装置200Vn及びユーザ端末装置400Xとそれぞれ相互に通信可能な通信装置20と、通信装置20により受信した情報、各共用車両Vnの情報、及び各ステーションの情報などを記憶するデータベース30とを備える。
本実施形態においては、制御装置10は、各ユーザ端末装置400X及び各車載装置200Vnから、通信装置20を介して受信した情報を、適宜データベース30に記憶させる。そして、制御装置10は、後述する各機能により、通信装置20が受信した情報、及びデータベース30に記憶させた情報に基づいて、ユーザによる共用車両Vnの利用及び返却の管理を行う。
たとえば、本実施形態においては、図2に示すように、地図上の所定の利用領域(図2に破線で示す領域)内にて、丸印で示すステーションが複数設けられ、ユーザがステーションST1で借りた共用車両Vnを利用し、その後共用車両VnをステーションST2に返却するような場面において、制御装置10は、ユーザによる共用車両Vnの利用及び返却の管理を行うことができる。なお、図2に示す例では、隣り合うステーション間の距離が等しくなるように、各ステーションが配置されているが、配置の態様はこれに限定されるものではない。
さらに、制御装置10は、共用車両Vnの利用予約をするユーザに対して、貸し出す共用車両Vnを選択する処理を行う。具体的には、まず制御装置10は、後述するデータベース30に記憶された各ステーションの情報に基づき、ユーザが設定した帰着ステーションに、共用車両Vnの駆動エネルギーを補給するための補給装置(例えば、給油器や充電器など。)が設置されているか否かの情報を抽出する。また、制御装置10は、ユーザに貸し出す候補となる共用車両Vnを抽出し、抽出したそれぞれの共用車両Vnの駆動エネルギーの残量の情報(駆動エネルギーの絶対値であってもよいし、各共用車両Vnにおける駆動エネルギーの最高値に対する割合でもよい)を取得し、共用車両Vnごとに駆動エネルギーの残量が所定の閾値V以上であるか否かを判定する。そして、制御装置10は、帰着ステーションにおける補給装置の有無に関する情報と、共用車両Vnの駆動エネルギーの残量の判定結果とに基づき、ユーザに貸し出す共用車両Vnを選択する処理を行う。
ここで、本実施形態の制御装置10により、貸し出す共用車両Vnを選択する方法を、図3Aを参照して例示する。図3Aの場面では、ユーザがステーションST3を出発ステーションとして設定しており、このステーションST3には、貸し出し可能な共用車両Vnとして、共用車両V3及び共用車両V4が待機している。なお、共用車両V3の駆動エネルギー残量は最高値に対して40%であり、共用車両V3の駆動エネルギー残量は最高値に対して90%である。そして、駆動エネルギーの残量を判定するための閾値Vは70%に設定されており、図3Bに示すように、共用車両V3の駆動エネルギー残量(40%)は閾値V未満であり、共用車両V4の駆動エネルギー残量(90%)は閾値V以上となっている。
まず、制御装置10は、補給装置が設置されているステーションST4が帰着ステーションに設定された場合には、ユーザに対して、駆動エネルギーの残量が閾値V未満の共用車両V3を貸し出すようにする。なお、本実施形態では、ステーションST4が帰着ステーションに設定された場合には、駆動エネルギーの残量が閾値V以上の共用車両V4を貸し出してもよいが、上述したように、駆動エネルギーの残量が閾値V未満の共用車両V3を貸し出すようにする方が好ましい。これにより、より駆動エネルギーの残量が少ない共用車両V3を、補給装置が設置されているステーションST4に移動させて、そこで共用車両V3の駆動エネルギーを補給することができる。さらに、ステーションST3において、より駆動エネルギーの残量が多い共用車両V4を他のユーザに貸し出すために待機させておくこともできる。なお、この際には、ユーザに貸し出す共用車両V3は、駆動エネルギーの残量が、少なくとも図3Bに示すような下限閾値VLM以上のものであることが好ましい。
一方、制御装置10は、補給装置が設置されていないステーションST5が帰着ステーションに設定された場合には、ユーザに対して、駆動エネルギーの残量が閾値V以上の共用車両V4を貸し出すようにする。
本実施形態では、このようにしてユーザに貸し出す共用車両Vnを選択することにより、補給装置が設置されたステーションと、補給装置が設置されていないステーションとが混在している状況において、駆動エネルギーの不足による共用車両Vnの稼働停止が抑制される。すなわち、ユーザが、駆動エネルギーの残量が少ない共用車両Vnを、補給装置が設置されていないステーションに移動させた場合に、移動後の共用車両Vnが駆動エネルギーの不足により稼働停止してしまうこと(例えば、共用車両Vnの駆動エネルギーが不足していることにより、他のユーザに貸し出すことができず、一旦、他のステーションや整備場等に移動させて駆動エネルギーの補給を行う必要が生じることによる稼働停止)が抑制される。その結果、カーシェアリングシステムの共用車両Vnを効率的に運用できるようになり、共用車両の稼働率が向上する。
なお、駆動エネルギーの残量は、車載装置200Vnの制御装置230が、共用車両Vnに備えられた各センサ(不図示)を用いて直接検出することができる。あるいは、駆動エネルギーの残量は、共用車両Vnに備えられた各センサ(不図示)により共用車両Vnの駆動エネルギーの消費量を検出乃至算出し、この駆動エネルギーの消費量から求めてもよい。本実施形態では、制御装置10は、このような駆動エネルギーの残量の情報や、駆動エネルギーの消費量の情報に基づき、直接的又は間接的に、共用車両Vnの駆動エネルギーの残量が閾値V以上であるか否かを判定する。すなわち、駆動エネルギーの残量を閾値Vと比較することで判定を行ってもよいし、駆動エネルギーの消費量を他の閾値V’と比較することで、間接的に駆動エネルギーの残量が閾値V以上であるか否かを判定してもよい。
本実施形態では、駆動エネルギーの残量を判定するための閾値Vは、ユーザ毎に設定することができ、例えば次のようにして設定できる。まず、制御装置10は、データベース30から各ステーションの位置情報を抽出し、ユーザが設定した出発ステーションと帰着ステーションとの距離を求める。そして、制御装置10は、求めた距離が長いほど、ユーザによる共用車両Vnの利用時間が長くなって、駆動エネルギーの消費量が増加する傾向にあることから、閾値Vを高く設定することができる。
また、駆動エネルギーの残量を判定するための閾値Vは、ユーザによる過去の共用車両Vnの利用履歴に基づいて設定してもよい。具体的には、制御装置10は、予めデータベース30に記憶させた各ユーザによる共同車両Vnの利用履歴の情報から、各ユーザが共用車両Vnを利用した際の利用時間の情報を抽出し、当該利用時間が長いユーザほど、閾値Vを高く設定することができる。
あるいは、駆動エネルギーの残量を判定するための閾値Vは、ユーザが共用車両Vnを使用している日の属性に応じて変化させてもよい。一般的に、平日(月〜木曜日等)には、ユーザは共用車両Vnを出勤、仕事での移動、帰宅等の目的で使用することが多く、出発ステーションから帰着ステーションに向かって真っ直ぐに走行してユーザひとり当たりの利用時間が減少する傾向にあるため、このような属性の日では、駆動エネルギーの残量を判定するための閾値Vを低く設定し、駆動エネルギーの残量が比較的少ない共用車両Vnでも、補給装置が設置されていないステーションに移動し易いようにする。一方、休日(土曜日、日曜日、祝日等)には、ユーザは共用車両Vnを観光などの目的で使用して寄り道が多く、ユーザひとり当たりの利用時間が増加する傾向にあるため、このような属性の日には、閾値Vを高く設定し、駆動エネルギーの残量が比較的多い共用車両Vnでも、補給装置が設置されていないステーションに移動し難いようにする。
また、駆動エネルギーの残量を判定するための閾値Vは、ユーザが共用車両Vnを利用している時刻の属性に応じて変更してもよい。例えば、朝や夜の時間帯では、ユーザは共用車両Vnを出勤や帰宅等のために目的地に直行する用途で使用することが多いため、上述したように、ユーザひとり当たりの利用時間が減少する傾向にあるため、閾値Vを低く設定する。特に、夜の時間帯では、ユーザが共用車両Vnを利用している時刻が、共用車両Vnの利用可能時間帯(営業時間)の終期に近いほど(例えば、営業時間の終期が20:00である場合には、20:00に近いほど)、上記閾値Vを低く設定することができる。一方、昼の時間帯では、ユーザは共用車両Vnを観光などの目的で寄り道をしながら使用することが多いため、上述したように、ユーザひとり当たりの利用時間が増加する傾向にあるため、閾値Vを高く設定する。
なお、上述したようにユーザが共用車両Vnを利用している日や時刻に応じて閾値Vを設定する場合には、ユーザが設定した出発ステーションや帰着ステーション付近で開催されるイベント等を考慮して、より閾値Vを高く設定してもよい。例えば、展示会、コンサート、祭事、花火大会、マラソン大会、商業イベントなどが開催される場合には、道路が混雑することが予想されるため、閾値Vを高く設定し、駆動エネルギーの残量が比較的多い共用車両Vnでも、補給装置が設置されていないステーションに移動し難いようにする。
また、閾値Vは、ユーザが共用車両Vnを利用する際の天気や気温に応じて変更してもよい。例えば、悪天候の日や気温が低い日には、一般的に、ユーザによる共用車両Vnの利用時間が短くなる傾向にあり、また共用車両Vnの駆動エネルギーの消費効率(燃費や電費など)が低下する傾向にあるため、上述したように閾値Vを低く設定する。一方、好天の日や気温が適度な日には、ユーザによる共用車両Vnの利用時間が長くなる傾向にあるため、上述したように閾値Vを高く設定する。
また、駆動エネルギーの残量を判定するための閾値Vは、ユーザが設定した帰着ステーションの地域属性に応じて変更してもよい。帰着ステーションの地域属性は、例えば、ユーザが帰着ステーションに到着するまでに寄り道をする可能性が高いか否かという観点で設定される。寄り道の可能性が高い地域属性を有する帰着ステーションとしては、周囲に観光スポットや店舗などの寄り道の誘因となる施設が存在するステーションが挙げられる。一方、寄り道の可能性が低い地域属性を有する帰着ステーションとしては、役所やオフィスビルの駐車場などのユーザが寄り道せずに直行する傾向にある場所に設置されたステーションが挙げられる。本実施形態では、設定された帰着ステーションが寄り道の可能性が高い地域属性である場合には、ユーザによる共用車両Vnの利用時間が長くなる傾向にあるため、閾値Vを高く設定し、設定された帰着ステーションが寄り道の可能性が低い地域属性である場合には、ユーザが寄り道することなく帰着ステーションに直行して利用時間が短くなる傾向にあるため、閾値Vを低く設定する。
また、駆動エネルギーの残量を判定するための閾値Vは、ユーザによる利用予約が、出発ステーションと帰着ステーションとを同一の場所に設定する利用形態(いわゆる、ラウンドトリップ。)であるか否かに応じて変更してもよい。本実施形態では、ユーザによる共用車両Vnの利用形態が上述したラウンドトリップである場合には、一般的に、ユーザによる共用車両Vnの利用時間が長くなる傾向にあるため、閾値Vを高く設定する。
本実施形態では、以上のようにして、制御装置10が、共用車両Vnの駆動エネルギーが閾値V以上であるか否かを判定し、この判定結果と、帰着ステーションにおける補給装置の有無の情報とに基づいて、ユーザに貸し出す共用車両Vnを選択する処理を行う。
次いで、本実施形態の共用車両管理装置100のデータベース30について説明する。データベース30は、共用車両情報31と、ステーション情報32と、各ユーザから受け付けた利用予約33と、各ユーザによる共用車両Vnの利用履歴である利用実績34と、地図情報35とを記憶する。なお、図1Bに示す例では、データベース30を一つだけ設けた例を示したが、本実施形態の共用車両管理装置100では、データベース30を複数設け、各データベース30に、共用車両情報31、ステーション情報32、利用予約33、利用実績34及び地図情報35を別々に記憶してもよい。
ここで、共用車両情報31は、各共用車両VnのID、車種・車型、出力などを含む情報である。ステーション情報32は、各ステーションの位置情報、各ステーションの最大駐車可能台数、各ステーションの駐車台数又は空車台数、目印となる周辺の地名、各ステーション間の距離や道路勾配などを含む情報である。また、ステーション情報32には、各ステーションにおける上述した地域属性の情報も含まれる。
利用予約33は、各ユーザがユーザ端末装置400Xや車載装置200Vnを用いて、共用車両Vnの利用を求めるために入力した入力情報である。利用実績34は、各ユーザが共用車両Vnの利用を行った実績の情報などを記憶した情報であり、たとえば、各ユーザにより共用車両Vnが利用された際における、共用車両Vnの利用時間の情報や、各ユーザが利用した出発ステーション及び帰着ステーションの情報などが挙げられる。
地図情報35は、少なくとも図2に示す全てのステーションを包含する地図情報であり、道路、ノード間の距離・勾配・道路幅・道路種、建造物の名称などを含む情報である。
本実施形態の共用車両管理装置100の制御装置10は、図1Bに示すように、カーシェアリングシステムを管理運営する処理を実行するためのプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)12と、このROM12に格納されたプログラムを実行することで、共用車両管理装置100として機能する動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)11と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)13とを備える。
共用車両管理装置100の制御装置10は、利用予約受付機能と、利用実績管理機能と、帰着ステーション判定機能と、駆動エネルギー残量判定機能と、貸出車両選択機能と、通知機能と、返却受付機能とを実現する。本実施形態に係る共用車両管理装置100の制御装置10は、上記機能を実現するためのソフトウェアと、上述したハードウェアの協働により各機能を実現するコンピュータである。
以下において、共用車両管理装置100の制御装置10が実現する各機能についてそれぞれ説明する。
まず、本実施形態の制御装置10が実行する利用予約受付機能について説明する。制御装置10は、利用予約受付機能により、ユーザ端末装置400Xから、共用車両Vnの利用を求める利用予約を取得し、取得した利用予約の情報を、利用予約33としてデータベース30に記憶させる。なお、利用予約には、上述したように、ユーザのID情報、ユーザの現在位置の情報、ユーザが設定した出発ステーションの情報、ユーザが利用を希望する共用車両VnのID情報、ユーザが設定した帰着ステーションの情報などが含まれる。
続いて、本実施形態の制御装置10が実行する利用実績管理機能について説明する。本実施形態では、制御装置10は、利用実績管理機能により、各ユーザが共用車両Vnを利用した際の利用時間や、利用した出発ステーション及び帰着ステーション等の情報を、利用実績34として、データベース30に記憶させる。
続いて、本実施形態の制御装置10が実行する帰着ステーション判定機能について説明する。本実施形態では、制御装置10は、帰着ステーション判定機能により、ユーザが設定した帰着ステーションに、駆動エネルギーの補給装置が設置されているか否かを判定する。なお、各ステーションに補給装置が設置されているか否かの情報は、予めデータベース30にステーションの情報として記憶されている。
続いて、本実施形態の制御装置10が実行する駆動エネルギー残量判定機能について説明する。本実施形態では、制御装置10は、駆動エネルギー残量判定機能により、まずユーザに貸し出す候補となる共用車両Vnを抽出する。抽出する共用車両Vnとしては、ユーザが設定した出発ステーションで待機している共用車両Vnや、出発ステーション付近のステーションで待機している共用車両Vnが挙げられる。なお、出発ステーション付近のステーションで待機している共用車両Vnを抽出した場合には、ユーザに対して当該出発ステーション付近のステーションを、出発ステーションとして再設定することを提案できる。
次いで、制御装置10は、抽出した各共用車両Vnについて、それぞれ駆動エネルギーが閾値V以上であるか否かを判定する。なお、この際の閾値Vは、上述したように、ユーザ毎に、ユーザによる共用車両Vnの利用履歴、設定された帰着ステーションの情報、利用予約時の日及び/又は時刻などに基づいて設定することができる。
続いて、本実施形態の制御装置10が実行する貸出車両選択機能について説明する。本実施形態では、制御装置10は、貸出車両選択機能により、ユーザが設定した帰着ステーションにおける補給装置の有無に応じて、上述したように抽出した共用車両Vnの中から、駆動エネルギーの残量が閾値V以上の共用車両Vn、又は駆動エネルギーの残量が閾値V未満の共用車両Vnを、ユーザに貸し出す共用車両Vnとして選択する。
続いて、本実施形態の制御装置10が実行する通知機能について説明する。制御装置10は、通知機能により、各車載装置200Vn及び各ユーザ端末装置400Xと通信して、ユーザに対して、共用車両Vnの利用予約を受け付けた旨の情報などを通知する。また、制御装置10は、通知機能により、上記貸出車両選択機能が選択した共用車両Vnを貸出車両として設定した旨を通知してもよい。あるいは、本実施形態では、ユーザが予め利用を希望する共用車両Vnを設定していた場合には、制御装置10は、ユーザに対して、貸出車両を、上記貸出車両選択機能が選択した共用車両Vnに変更してもよいか許可を求める通知をし、許可が得られれば貸出車両を変更するようにしてもよい。
続いて、本実施形態の制御装置10が実行する返却受付機能について説明する。制御装置10の返却受付機能は、ユーザにより、車載装置200Vn又はユーザ端末装置400Xを介して送信される共用車両Vnの返却要求に応じて、共用車両Vnの返却を受け付ける機能である。
たとえば、図1Aに示すように、共用車両V2の帰着ステーションがステーションST2に設定されている場合には、ユーザU1が、共用車両V2をステーションST2に停車させた後で、車載装置200V2を操作して共用車両管理装置100に返却要求を送信することで、制御装置10は、共用車両V2の返却を受け付けることができる。
なお、ユーザが送信する返却要求には、ユーザが利用した共用車両VnのID情報及び現在位置情報が含まれており、制御装置10は、受信した返却要求に含まれる共用車両VnのID情報に基づき、データベース30に記憶された利用予約33の中から、該共用車両VnのID情報に対応する情報を読み出し、該共用車両Vnが、予め設定された帰着ステーションに位置しているか否かを判定し、共用車両Vnが帰着ステーションに位置していると判定された場合には、共用車両Vnが正しく返却されたものとして処理する。
本実施形態においては、以上のようにして、共用車両管理装置100の制御装置10が実現する各機能により、カーシェアリングシステムの管理運営が行われる。
本実施形態によれば、共用車両管理装置100の制御装置10は、ユーザが設定した帰着ステーションにおける補給装置の有無の情報と、共用車両Vnの駆動エネルギーの残量が閾値V以上であるか否かの判定結果とに基づいて、ユーザに貸し出す共用車両Vnを選択する処理を行う。これにより、補給装置が設置されたステーションと、補給装置が設置されていないステーションとが混在している状況において、駆動エネルギーの不足による共用車両Vnの稼働停止が抑制され、その結果、カーシェアリングシステムの共用車両Vnを効率的に運用できるようになり、共用車両の稼働率が向上する。
次いで、本実施形態の動作例を説明する。図4は、本実施形態の共用車両管理装置100によるカーシェアリングシステムの制御手順を示すフローチャートである。なお、図4に示すフローチャートは、一のユーザが、共用車両Vnを利用予約する旨の利用要求を送信し、共用車両Vnを利用した後、共用車両Vnを帰着ステーションに返却するまでの制御手順を示すものである。
まず、ステップS101では、共用車両管理装置100の制御装置10は、ユーザから、ユーザ端末装置400Xを介して利用要求が送信されたか否かを判定する。なお、利用要求には、ユーザのID情報、ユーザの現在位置の情報、ユーザにより設定された出発ステーションの情報、ユーザが利用しようとする共用車両VnのID、ユーザにより設定された帰着ステーションの情報などが含まれる。そして、ステップS101において、利用要求が送信されたと判定された場合には、ステップS102へ進む。一方、ステップS101において、利用要求が送信されていないと判定された場合には、ステップS101で待機する。
ステップS102では、制御装置10は、ステップS101でユーザから送信された利用要求を受信し、利用予約33としてデータベース30に記憶させる。
ステップS103では、制御装置10は、ステップS102で受信した利用要求を参照し、ユーザが設定した出発ステーション及び帰着ステーションが現在利用可能であるか否かを判定する。例えば、出発ステーションとして設定されたステーションに待機している共用車両Vnが存在し、且つその共用車両Vnが現在貸出を受付可能な状態であれば、当該出発ステーションが現在利用可能であると判定する。また、帰着ステーションとして設定されたステーションに、新たに共用車両Vnを駐車可能なスペースが存在する場合には、当該帰着ステーションが現在利用可能であると判定する。そして、ステップS103において、出発ステーション及び帰着ステーションが現在利用可能であると判定された場合には、ステップS104へ進む。一方、ステップS103において、出発ステーション及び帰着ステーションのうち少なくとも一方が現在利用可能ではないと判定された場合には、ステップS112へ進み、ステップS112では、制御装置10は、ユーザ端末装置400Xを介して、ユーザに出発ステーションや帰着ステーションを再設定するよう通知し、上述したステップS101に戻る。
ステップS104では、制御装置10は、貸出車両の選択処理により、ユーザに貸し出す共用車両Vnの選択をする。ここで、図5は貸出車両の選択処理の一例を示すフローチャートである。
まず、図5に示すステップS201では、制御装置10は、ユーザが設定した帰着ステーションに、駆動エネルギーの補給装置が設置されているか否かを判定する。そして、ステップS201において、帰着ステーションに補給装置が設置されていると判定された場合には、ステップS202へ進む。ステップS202では、制御装置10は、上述したステップS102で受信した利用要求に基づくユーザが選択した共用車両Vn、又は制御装置10が選択した共用車両Vn(例えば、駆動エネルギーの残量が閾値V未満の共用車両Vn)を、貸出車両として選択し、貸出車両の選択処理を終了する。一方、ステップS201において、帰着ステーションに補給装置が設置されていないと判定された場合には、ステップS203へ進む。
ステップS203では、制御装置10は、上述したステップS102で受信した利用要求に基づき、ユーザが設定した出発ステーションで待機している共用車両Vnについて、駆動エネルギーの残量の情報を抽出し、駆動エネルギーの残量が閾値V以上であるか否かを判定する。なお、出発ステーションに共用車両Vnが複数待機している場合には、それぞれの共用車両Vnに対して判定を行う。
ステップS203において、駆動エネルギーの残量が閾値V以上と判定された共用車両Vnが少なくとも1台存在する場合には、ステップS204へ進む。ステップS204では、制御装置10は、ステップS203において駆動エネルギーの残量が閾値V以上と判定された共用車両Vnの中から、いずれかをユーザに貸し出す車両として設定し、貸出車両の選択処理を終了する。
一方、ステップS203において、駆動エネルギーの残量が閾値V以上と判定された共用車両Vnが1台も存在しない場合には、ステップS205へ進む。ステップS205では、制御装置10は、ユーザが設定した出発ステーションで待機している共用車両Vnの中から、それぞれの共用車両Vnの駆動エネルギーの残量に基づいて、ユーザへの貸出車両を設定し、貸出車両の選択処理を終了する。例えば、制御装置10は、出発ステーションで待機している共用車両Vnのうち、駆動エネルギーが上述した下限閾値VLM以上であり、且つ最も駆動エネルギーの残量が多い共用車両Vnを貸出車両として設定することができる。
なお、この際において、出発ステーションで待機している共用車両Vnについて、いずれも駆動エネルギーが上述した下限閾値VLM未満である場合には、制御装置10は、設定された出発ステーション付近に存在するステーションに待機している共用車両Vnの中から、駆動エネルギーが下限閾値VLM以上のものを抽出し、ユーザに対して、抽出した共用車両Vnを貸出車両として設定することに対する許可と、抽出した共用車両Vnが待機しているステーションを、出発ステーションにするよう設定変更をしてもよいかの許可とを求めてもよい。ここで、ユーザから許可が得られた場合には、制御装置10は、抽出した共用車両Vnを貸出車両として設定するとともに、出発ステーションの変更を行う。
続いて、図4に戻り、図4のステップS105では、制御装置10は、ステップS101でユーザから送信された利用要求、及びステップS104における貸出車両の選択結果に基づき、ユーザの利用予約の受け付けを完了する。
ステップS106では、制御装置10は、ユーザから、共用車両Vnを返却しようとする返却要求が送信されたか否かを判定する。なお、ユーザにより送信される返却要求には、ユーザのID情報、並びにユーザが利用した共用車両VnのID情報及び位置情報が含まれる。そして、ステップS106において、返却要求が送信されたと判定された場合には、ステップS107へ進む。一方、ステップS106において、返却要求が送信されていないと判定された場合には、ステップS106で待機する。
ステップS107では、制御装置10は、ステップS106でユーザから送信された返却要求を受信する。
ステップS108では、制御装置10は、ステップS107で受信した返却要求、及びデータベース30に記憶された利用予約33の情報に基づいて、ユーザにより返却されようとしている共用車両Vnが、共用車両Vnに対して設定された帰着ステーションに位置しているか否かを確認する。
ステップS109では、制御装置10は、ステップS107で受信した返却要求、及びデータベース30に記憶された利用予約33の情報に基づいて、ユーザにより返却されようとしている共用車両VnのID情報と、利用予約33に含まれる共用車両VnのID情報とが一致するか否かを確認する。
ステップS110では、制御装置10は、ユーザにより返却されようとしている共用車両Vnについて、返却処理を完了することができるか否かを判定する。具体的には、制御装置10は、ステップS108及びステップS109で確認した情報に基づいて、ユーザにより返却されようとしている共用車両Vnについて、現在位置が設定された帰着ステーションの位置と一致しており、且つID情報が利用予約33に含まれる共用車両VnのID情報と一致していると判断した場合には、共用車両Vnの返却処理を完了できると判定する。そして、ステップS110において、共用車両Vnの返却処理を完了できると判定された場合には、ステップS111へ進む。一方、ステップS110において、共用車両Vnの返却処理を完了できないと判定された場合には、ステップS113へ進み、制御装置10は、共用車両Vnの返却処理を中断して上述したステップS106に戻る。
ステップS110において、共用車両Vnの返却処理を完了することができると判定された場合には、ステップS111へ進み、ステップS111では、制御装置10は、共用車両Vnの返却処理を完了させ、ユーザによる共用車両Vnの利用時間を算出し、算出した利用時間に応じて、ユーザに対して共用車両Vnの利用料を課金し、本処理を終了する。
本実施形態では、以上のようにして、共用車両管理装置100が、ユーザから共用車両Vnを利用予約するための利用要求を受け付け、ユーザに貸し出す共用車両Vnを選択して、ユーザによる共用車両Vnの利用及び返却を管理する。なお、図5に示す処理は、比較的短い周期で(たとえば、数msec間の短い周期で)繰返し実行される。
本発明に係る共用車両管理システムの実施形態は、以上のように構成され動作するので、以下の効果を奏する。
[1]本実施形態では、帰着ステーションにおける補給装置の有無に関する情報と、共用車両Vnの駆動エネルギーの残量が閾値V以上であるかの判定結果とに基づき、ユーザに貸し出す共用車両Vnを選択する処理を行うため、補給装置が設置されたステーションと、補給装置が設置されていないステーションとが混在している状況において、返却後の共用車両Vnの駆動エネルギーの不足による共用車両の稼働停止が抑制される。その結果、カーシェアリングシステムの共用車両Vnを効率的に運用できるようになり、共用車両の稼働率が向上する。
[2]本実施形態では、ユーザが設定した出発ステーションと帰着ステーションとの距離が長いほど、上記閾値Vを高く設定する。これにより、出発ステーションから帰着ステーションまでが離れていて、走行する際の駆動エネルギーの消費量が大きくなる状況において、補給装置が設置されていないステーションを帰着ステーションとして設定したユーザに対し、駆動エネルギーの残量が多い共用車両Vnを貸し出すことができ、返却後の共用車両Vnの駆動エネルギーの不足による共用車両の稼働停止が抑制される。
[3]本実施形態では、利用予約を受け付けたユーザに対して、当該ユーザによる共用車両Vnの利用履歴に基づき、共用車両Vnの利用時間が長いほど、上記閾値Vを高く設定する。これにより、利用時間が長いと予想されるユーザに対して、補給装置が設置されていないステーションを帰着ステーションとして設定した場合に、駆動エネルギーの残量が多い共用車両Vnを貸し出すことができ、返却後の共用車両Vnの駆動エネルギーの不足による共用車両の稼働停止が抑制される。
[4]本実施形態では、ユーザひとり当たりの共用車両Vnの利用時間が長い日及び/又は時刻における閾値Vを、利用時間が短い日及び/又は時刻における閾値Vより高く設定するため、ユーザの利用形態に合わせて、駆動エネルギーの残量が適切な共用車両Vnが貸し出され、返却後の共用車両Vnの駆動エネルギーの不足による共用車両の稼働停止が抑制される。
[5]本実施形態では、ユーザが設定した帰着ステーションの地域属性に応じて、上記閾値Vを設定するため、例えばユーザが寄り道をする可能性が高いか否かの地域属性に合わせて、駆動エネルギーの残量が適切な共用車両Vnが貸し出され、返却後の共用車両Vnの駆動エネルギーの不足による共用車両の稼働停止が抑制される。
[6]本実施形態では、ユーザによる利用予約がラウンドトリップである場合には、ラウンドトリップでない場合より、上記閾値Vを高く設定するため、ユーザによる共用車両Vnの利用形態に合わせて、駆動エネルギーの残量が適切な共用車両Vnが貸し出され、返却後の共用車両Vnの駆動エネルギーの不足による共用車両の稼働停止が抑制される。
[7]本実施形態の共用車両管理方法を実行すると、上述の作用及び効果を奏する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
なお、上述した実施形態において、共用車両管理装置100の制御装置10は、本発明の利用受付手段、判定手段、車両選択手段、取得手段、ラウンドトリップ判定手段及び返却距離検知手段に、共用車両管理装置100のデータベース30は本発明の第1記憶手段及び第2記憶手段に、それぞれ相当する。
1000…共用車両管理システム
100…共用車両管理装置
10…制御装置
20…通信装置
30…データベース
V1〜Vn…共用車両
200V1〜200Vn…車載装置
300…インターネット
400X〜400Z…ユーザ端末装置

Claims (9)

  1. 複数のユーザに共用される複数の共用車両を管理する共用車両管理装置であって、
    前記共用車両を貸出及び返却することができる複数のステーションの情報であって、少なくとも前記ステーションに前記共用車両の駆動エネルギーを補給可能な補給装置が設置されているか否かの情報を含むステーションの情報を記憶する第1記憶手段と、
    前記ユーザが前記共用車両の利用を希望するステーションとして設定した出発ステーションの情報と、当該ユーザが前記共用車両を利用後に返却するためのステーションとして設定した帰着ステーションの情報と、を含む前記共用車両の利用予約を前記ユーザから受け付ける利用受付手段と、
    前記共用車両の駆動エネルギーの残量又は前記共用車両の駆動エネルギーの消費量を示す駆動エネルギー量の情報を取得し、前記駆動エネルギー量の情報を用いて、直接的又は間接的に駆動エネルギーの残量が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定手段と、
    前記利用予約を受け付けたユーザに貸し出す前記共用車両を選択する車両選択手段と、を備え、
    前記車両選択手段は、前記利用予約を受け付けたユーザが設定した前記帰着ステーションにおける前記ステーションの情報、及び前記判定手段による判定結果に基づき、当該ユーザに貸し出す前記共用車両を選択する共用車両管理装置。
  2. 前記車両選択手段は、前記利用予約を受け付けたユーザが設定した前記帰着ステーションに前記補給装置が設置されていない場合には、当該ユーザに対して、駆動エネルギーの残量が前記閾値以上の前記共用車両を貸し出す請求項1に記載の共用車両管理装置。
  3. 前記車両選択手段は、前記利用予約を受け付けたユーザが設定した前記帰着ステーションに前記補給装置が設置されている場合には、当該ユーザに対して、駆動エネルギーの残量が前記閾値未満の前記共用車両を貸し出す請求項1又は2に記載の共用車両管理装置。
  4. 前記利用予約を受け付けたユーザが設定した前記出発ステーションと前記帰着ステーションとの距離の情報を取得する取得手段をさらに備え、
    前記判定手段は、前記出発ステーションと前記帰着ステーションとの距離が長いほど、前記閾値を高く設定する請求項1〜3の何れか一項に記載の共用車両管理装置。
  5. それぞれの前記ユーザによる前記共用車両の利用毎の利用時間の履歴情報を記憶する第2記憶手段をさらに備え、
    前記判定手段は、前記履歴情報に基づき、前記利用予約を受け付けたユーザに対して、当該ユーザの前記履歴情報中の利用時間が長いほど、前記閾値を高く設定する請求項1〜4の何れか一項に記載の共用車両管理装置。
  6. 前記判定手段は、前記ユーザひとり当たりの前記共用車両の利用時間が長い日及び/又は時刻における前記閾値を、前記利用時間が短い日及び/又は時刻における前記閾値より高く設定する請求項1〜5の何れか一項に記載の共用車両管理装置。
  7. 前記判定手段は、前記共用車両に対して設定された前記帰着ステーションの地域属性に応じて、前記閾値を設定する請求項1〜6の何れか一項に記載の共用車両管理装置。
  8. 前記ユーザによる利用予約が、前記出発ステーションと前記帰着ステーションとを同一のステーションとする利用態様であるラウンドトリップであるか否かを判定するラウンドトリップ判定手段をさらに備え、
    前記判定手段は、前記ユーザによる利用予約が前記ラウンドトリップである場合には、前記ラウンドトリップでない場合より、前記閾値を高く設定する請求項1〜7の何れか一項に記載の共用車両管理装置。
  9. 複数のユーザに共用される複数の共用車両を管理するコンピュータが、
    前記共用車両を貸出及び返却することができる複数のステーションの情報を記憶するステップと、
    前記ユーザが前記共用車両の利用を希望するステーションとして設定した出発ステーションの情報と、当該ユーザが前記共用車両を利用後に返却するためのステーションとして設定した帰着ステーションの情報と、を含む前記共用車両の利用予約を前記ユーザから受け付けるステップと、
    前記共用車両の駆動エネルギーの残量の情報を取得し、取得した駆動エネルギーの残量が所定の閾値以上であるか否かを判定するステップと、
    前記ステーションの情報に含まれる、前記ステーションに前記共用車両の駆動エネルギーを補給可能な補給装置が設置されているか否かの情報と、前記判定の結果とに基づき、前記利用予約を受け付けたユーザに貸し出す前記共用車両を選択するステップと、を実行する共用車両管理方法。
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