JP2016176575A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フリクションスタートの際の加速フィーリングの低下を抑制した車両の制御装置を提供すること。
【解決手段】フリクションスタートを行う車両の制御装置であって、アクセル開度から動力源回転数目標値を設定する目標値設定手段と、発進の際に、係合要素に回転数差が生じるように油圧を制御するスリップ制御を行うスリップ制御手段と、発進開始の前に、係合要素の回転数差がゼロとなるように同期させた場合に動力源の回転数を動力源回転数目標値に略維持可能なスリップ制御を行うための出力軸の予測回転数を算出する回転数予測手段と、を備え、スリップ制御手段は、出力軸の回転数の測定値が予測回転数を上回るまでは、スリップ制御の油圧を動力源の回転数を動力源回転数目標値に略維持可能な値とし、出力軸の回転数の測定値が予測回転数を上回った後に、スリップ制御の油圧を増大させ、係合要素の回転数差がゼロとなるように同期制御を開始する。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両の制御装置に関する。
従来、車両が停止状態のときにブレーキがオン操作され、かつアクセル開度が所定値以上になった場合にエンジンの回転数を上昇させ、その後ブレーキがオフ操作されたときに車両を高い加速で発進することを可能にする発進制御が開示されている(特許文献1)。このような発進制御はフリクションスタート、フレックススタート、ローンチコントロールとも呼ばれる。このような発進制御では、エンジンの回転数を上昇させた後、自動変速機において車両の発進の際に係合される係合手段(発進クラッチ)を解放状態から係合させることにより、エンジンからトルクコンバータと自動変速機とを介して駆動輪に動力が伝達され、車両の発進が可能となる。
特開2005−306214号公報
上述した発進制御では、車両発進後、早期に発進クラッチの回転数の差(差回転数)がゼロとなるように同期(完全係合)させた場合に、トルクコンバータの回転数差が増大する。すると、エンジンに対するトルクコンバータからの反力が増大し、エンジンの回転数が減少するため、運転者の感じる加速フィーリングが低下するという問題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、発進前にエンジンの回転数を上昇させてから発進を行う発進制御を行う場合において、加速フィーリングの低下を抑制することができる車両の制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る車両の制御装置は、動力源と、該動力源側からの動力が入力される入力軸、車両の駆動輪側へ動力を出力する出力軸、及び前記入力軸と前記出力軸との間に配置され、油圧により互いの係合状態が制御される係合要素を有し、前記入力軸と前記出力軸との間の動力の伝達を断接する係合手段を有する自動変速機と、を備える車両に搭載され、前記車両が停止状態のときにブレーキがオン操作されかつアクセル開度が所定値以上になった場合に、前記動力源の回転数を上昇させ、その後に前記ブレーキがオフ操作されたときに前記係合手段を係合させて動力を伝達し、前記車両を発進させる制御を行う車両の制御装置であって、前記アクセル開度から動力源回転数目標値を設定する目標値設定手段と、前記発進の際に、前記係合要素に回転数差が生じるように前記油圧を制御するスリップ制御を行うスリップ制御手段と、前記発進開始の前に、前記係合要素の回転数差がゼロとなるように同期させた場合に前記動力源の回転数を前記動力源回転数目標値に略維持可能な前記スリップ制御を行うための前記入力軸、前記出力軸、又は前記動力源の予測回転数を少なくとも1回算出する回転数予測手段と、を備え、前記スリップ制御手段は、測定に基づいて、求めた前記入力軸、若しくは前記出力軸の回転数が前記予測回転数を上回る、又は前記予測回転数が前記動力源回転数目標値を上回るまでは、前記スリップ制御の前記油圧を前記動力源の回転数を前記動力源回転数目標値に略維持可能な値とし、測定に基づいて、求めた前記入力軸、若しくは前記出力軸の回転数が前記予測回転数を上回った後、又は前記予測回転数が前記動力源回転数目標値を上回った後に、前記スリップ制御の前記油圧を増大させ、前記係合要素の回転数差がゼロとなるように同期制御を開始することを特徴とする。
本発明によれば、スリップ制御において動力源の回転数が維持されるので、発進前にエンジンの回転数を上昇させてから発進を行う発進制御を行う場合において、加速フィーリングの低下を抑制することができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態に係る車両の制御装置を搭載した車両の概略構成を示す図である。 図2は、実施の形態による制御の一例を示すフローチャートである。 図3は、実施の形態による制御の一例を示すタイムチャートである。 図4は、実施の形態による他の制御の一例を示すフローチャートである。 図5は、実施の形態による他の制御の一例を示すタイムチャートである。
以下に、図面を参照して本発明に係る車両の制御装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面において、同一又は対応する構成要素には適宜同一符号を付し、重複説明を省略する。
(実施の形態)
はじめに、本発明の実施の形態として、発進制御としてフリクションスタートを行う車両の制御装置について説明する。図1は、実施の形態に係る車両の制御装置を搭載した車両の概略構成を示す図である。図1に示すように、車両100は、動力源1と、トルクコンバータ2と、自動変速機3と、デファレンシャルギヤ4と、駆動輪5と、油圧アクチュエータ6と、油圧アクチュエータ7と、ECU(Electronic Control Unit)8と、クランク角センサ11と、アクセル開度センサ12と、ブレーキセンサ13と、車速センサ14と、を備える。
車両100の動力源である動力源1は、本実施の形態ではエンジンであり、燃料の燃焼エネルギーを出力軸1aの回転運動に変換して出力する。なお、動力源1はエンジンに限定されず、例えばモータでもよい。
トルクコンバータ2は、ポンプインペラ2aと、タービンランナ2bと、ロックアップクラッチ2cと、を備えている。ポンプインペラ2aは、動力源1と接続されており、動力源1の出力軸1aと一体となって回転する。タービンランナ2bは、自動変速機3の入力軸3aと接続されており、入力軸3aと一体となって回転する。ロックアップクラッチ2cは、動力源1の出力軸1aと自動変速機3の入力軸3aとの間に設けられた摩擦係合式の係合手段である。係合状態のロックアップクラッチ2cは、動力源1と自動変速機3とを機械的に接続する。これにより、ポンプインペラ2aとタービンランナ2bとは一体となって回転する。一方、ロックアップクラッチ2cが解放状態の場合は、ポンプインペラ2aとタービンランナ2bとは流体を介してトルクを伝達する。
自動変速機3は、動力源1側からの動力が入力される入力軸3aと、車両100の駆動輪5側へ動力を出力する出力軸3bと、を備える。また、自動変速機3は、入力軸3aと出力軸3bとの間に配置され、直列に接続された発進クラッチC1とギヤトレーン3cとを備える。発進クラッチC1は、油圧により互いの係合状態が制御される係合要素を有し、車両100の発進制御が完了した後の走行状態では係合する係合手段である。自動変速機3は、発進クラッチC1の係合の制御によって、入力軸3aと出力軸3bとの間の動力の伝達を断接する。ギヤトレーン3cは、自動変速機3において変速段を構成する複数のギヤで構成されている。自動変速機3は、ギヤトレーン3cを構成するギヤを入出力間の要求変速段に応じて係合又は解放させることで、その要求変速段への切り替え、設定を行うことができる。
油圧アクチュエータ6は、作動油によって動作し、ロックアップクラッチ2cの係合動作と解放動作とを制御する。油圧アクチュエータ7は、作動油によって動作し、発進クラッチC1の係合動作と解放動作とを制御するとともに、ギヤトレーン3cに作動油を供給する。油圧アクチュエータ6及び油圧アクチュエータ7が動作するための油圧は、不図示のオイルポンプにより与えられる。
クランク角センサ11は、エンジンである動力源1のクランクシャフトに設けられており、動力源回転数(エンジン回転数)を算出するために用いるクランク角を検知するためのものである。アクセル開度センサ12は、運転者のアクセルペダルの踏み込み量に応じたアクセル開度及びアクセルがオンであるかオフであるかを検知する。ブレーキセンサ13は、運転者のブレーキペダルの踏み込み量に応じてブレーキがオンであるかオフであるかを検知する。車速センサ14は、車両100の車速を検知する。クランク角センサ11、アクセル開度センサ12、ブレーキセンサ13、車速センサ14は、それぞれECU8に検知結果又は設定結果を出力するようにECU8に電気的に接続されている。
車両100の制御装置としてのECU8は、物理的には、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)及び入出力等のインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路である。ECU8の各部の機能は、ROMに保持されるアプリケーションプログラムをRAMにロードしてCPUで実行することによって、CPUの制御のもとで制御対象を動作させるとともに、RAMやROMにおけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。なお、ECU8は、動力源1や自動変速機3等を個別に制御する複数のECUにより構成されてもよい。この場合、各ECUは、相互に通信可能に構成されており、各種指令や各種センサの検知結果等の送受信を行うことができる。
ECU8は、エンジンである動力源1に対して、インジェクタによる燃料噴射量や噴射時期、点火プラグによる点火時期などを制御する。また、ECU8は、車速及びアクセル開度の検知結果等に基づいて予め作成されたロックアップクラッチ作動マップを記憶しており、これを参照して、油圧アクチュエータ6に制御信号を出力する。油圧アクチュエータ6は、制御信号に基づきロックアップクラッチ2cの係合と解放とを制御する。さらに、ECU8は、車速及びアクセル開度の検知結果等に基づいて、ECU8に予め記憶された変速マップや変速線図を参照して、油圧アクチュエータ7に制御信号を出力する。油圧アクチュエータ7は、制御信号に基づき自動変速機3を制御する。これにより、自動変速機3の変速動作が行われる。
さらに、ECU8は、アクセル開度から後述するフリクションスタートを行う際の動力源回転数目標値を設定する目標値設定手段としての目標値設定部、後述するスリップ制御のスリップ制御手段としてのスリップ制御部、スリップ制御における好適な自動変速機3の出力軸3bの予測回転数を算出する回転数予測手段としての回転数予測部、を備えている。
以下、図1の車両100に適用する本実施の形態による制御の一例を、図2に示すフローチャート、図3に示すタイムチャートを用いて具体的に説明する。なお、図2に示す制御ルーチンは、車両100のイグニッションスイッチがオンにされた後、車両100が停止状態である間、例えば数ms〜数十ms程度の制御周期ごとに繰り返し実行される。
図3において、線L1は動力源1の動力源回転数を示し、線L2は自動変速機3の入力軸3aの入力軸回転数を示し、線L3は入力軸3aの回転数から換算した車速を示している。また、線L4は動力源1の動力源トルクを示し、線L5は駆動輪5に伝達された駆動トルクを示している。また、線L6は発進クラッチC1のクラッチトルク容量を示している。
まず、図3の時間t=0において、ECU8はステップS101を実行する。すなわち、ステップS101において、ECU8はフリクションスタートが実施準備中であるか否かを判定する。ECU8は、アクセル開度が所定値以上であり、かつブレーキがONである場合に、フリクションスタートが実施準備中であると判定する。フリクションスタートが実施準備中であると判定した場合には(ステップS101、Yes)、ステップS102に進む。フリクションスタートが実施準備中ではないと判定した場合には(ステップS101、No)、ECU8は処理を終了してリターンする。
ステップS102において、ECU8の目標値設定部は、アクセル開度センサ12により検知されたアクセル開度から、発進の際に運転者の要求速度を示すパラメータとしての動力源回転数目標値を設定する。
ステップS103において、ECU8の回転数予測部は、発進クラッチC1の回転数差がゼロとなるように同期させた場合に、動力源1の回転数を動力源回転数目標値に略維持可能なスリップ制御を行うための出力軸3bの予測回転数を算出する。すなわち、この予測回転数より測定により求めた出力軸3bの回転数が上回った場合に、発進クラッチC1を同期しても動力源1の回転数が動力源回転数目標値に維持される。予測回転数の算出は、発進開始(t=t2)の前に少なくとも1回行えばよい。
図3の時間t=t1において、ECU8はステップS104を実行する。すなわち、ステップS104において、ECU8のスリップ制御部は、発進クラッチC1に対して、互いに摩擦係合する係合要素に回転数差が生じるようにするスリップ制御を開始する。これとともに、ECU8は、動力源1の動力源回転数を所定の目標値まで上昇させる制御を開始する。これにより、時間t1から動力源回転数(線L1)が上昇し、これに伴って入力軸回転数(線L2)も上昇する。なお、動力源回転数目標値は、事前の評価結果等により見積もった、所望の発進加速性能を実現するための値を、ECU8に制御マップとして記憶させておくことが好ましい。また、動力源回転数目標値を、路面の勾配情報やμ情報により修正するようにすれば、発進時の車輪のスリップを回避することができるのでより好ましい。その後、ステップS105に進む。
ステップS105において、ECU8は、ブレーキがOFFであるか否かを判定する。ブレーキがOFFでない場合(ステップS105、No)、ECU8はステップS105を繰り返し、ブレーキがOFFである場合(ステップS105、Yes)はステップS106に進む。
図3の時間t=t2において、ECU8はステップS106を実行する。すなわち、ステップS106において、ECU8は、図3の動力源トルク(線L4)の増加を開始するとともに、発進クラッチC1の係合を開始し、ステップS107に進む。これにより、図3に示すように動力源トルク(線L4)及び駆動トルク(線L5)が増加して車両100がフリクションスタートによる発進を開始し、車速(線L3)が増加する。また発進クラッチC1の係合によりクラッチトルク容量(線L6)は徐々に増加する。このとき、ECU8のスリップ制御部は、スリップ制御において発進クラッチC1に供給する作動油の油圧を動力源1の回転数を動力源回転数目標値に略維持可能な値とする。ここで、略維持可能な値とは、運転者の感じる加速フィーリングが低下しない程度に維持可能であることを意味する。そのため、動力源1の回転数の減少により、運転者の加速フィーリングが低下することはない。なお、ステップS106におけるスリップ制御の油圧は、加速フィーリングを低下させない程度に十分小さく、かつエンジン吹き上がりが発生しない程度に大きいことが好ましい。
つづいて、ステップS107において、ECU8は、車速センサ14が測定した車速から求められた自動変速機3の出力軸3bの回転数(測定値)が、回転数予測部が算出した予測回転数(予測値)を上回ったか否かを判定する。出力軸3bの回転数の測定値が予測値より小さい場合(ステップS107、No)、ECU8は、ステップS107を繰り返し、出力軸3bの回転数の測定値が予測値を上回った場合(ステップS107、Yes)はステップS108に進む。
ステップS108において、ECU8のスリップ制御部は、スリップ制御において発進クラッチC1に供給する作動油の油圧を増大させ、発進クラッチC1の回転数差がゼロとなるように同期制御を開始する(図3の時間t=t3に相当)。このとき、自動変速機3の出力軸3bの回転数が予測回転数を上回っているので、動力源1の回転数は低下せず、加速フィーリングの低下は生じない。その後、ステップS109に進む。
ステップS109において、ECU8は、発進クラッチC1の回転差がゼロになり同期が完了したか否かを判定する。同期が完了していない場合(ステップS109、No)、ECU8はステップS109を繰り返し、同期が完了した場合(ステップS109、Yes)、ECU8は処理を終了し、リターンする。なお、同期が完了すると(図3の時間t=t4に相当)、発進クラッチC1が完全に係合し、線L2、L3で示す回転数が一致する。
[予測回転数の計算]
ここで、回転数予測部における予測回転数の計算方法について具体的に説明する。動力源1の出力軸1aの慣性モーメントをI、動力源1の出力軸1aの角速度をω、動力源1のトルクをT、トルクコンバータ2のポンプインペラ2aのトルクをT、トルクコンバータ2のロックアップクラッチ2cのトルクをTluとすると、動力源1の出力軸1aの運動方程式から式(1)を導くことができる。
Figure 2016176575
は、動力源1の出力軸1aの回転数Nとアクセル開度Aとを変数とする関数である。そして、Tは、トルクコンバータ2のトルク容量Cを用いて、T=CN と表すことができる。さらに、Cは、Nと自動変速機3の出力軸3bの回転数Nとを変数とする関数であるから、式(1)は式(2)と表せる。
Figure 2016176575
ここで、動力源1の回転数を略維持するためには、dω/dt=0であるから、この条件から式(3)が導かれる。
Figure 2016176575
このとき、式(3)において、Nは動力源回転数目標値であり、Nは予測回転数である。そして、式(3)のT及びCをECU8に予め記憶された制御マップに基づいて求めるとともにTluに推定値を代入すると予測回転数であるNを導出することができる。
なお、自動変速機3の入力軸3aの回転数は、出力軸3bの回転数にギヤトレーン3cにおけるギヤ比を乗ずることにより容易に導出することができるから、予測回転数として自動変速機3の入力軸3aの回転数を用いてもよい。この場合、車速センサ14が測定した車速から求められた出力軸3bの回転数(測定値)を入力軸3aの回転数に換算し、この換算値と予測回転数(予測値)とを比較して、同期制御を開始するタイミングを制御すればよい。
以上説明したように、本実施の形態に係る車両の制御装置では、ECU8のスリップ制御部は、測定に基づいて、求めた入力軸3a又は出力軸3bの回転数が予測回転数を上回るまでは、スリップ制御の油圧を動力源1の回転数を動力源回転数目標値に略維持可能な値とし、測定に基づいて、求めた入力軸3a又は出力軸3bの回転数が予測回転数を上回った後に、スリップ制御の油圧を増大させ、発進クラッチC1の回転数差がゼロとなるように同期制御を開始する。その結果、本実施の形態によれば、スリップ制御において動力源の回転数が維持されるので、発進前にエンジンの回転数を上昇させてから発進を行う発進制御を行う場合において、加速フィーリングの低下を抑制することができる。
[他の制御方法の例]
つぎに、実施の形態の車両の制御装置の他の制御方法について説明する。他の制御方法の例を、図4に示すフローチャート、図5に示すタイムチャートを用いて具体的に説明する。なお、図4に示す制御ルーチンは、車両100のイグニッションスイッチがオンにされた後、車両100が停止状態である間、例えば数ms〜数十ms程度の制御周期ごとに繰り返し実行される。
図5において、線L11は動力源1の動力源回転数を示し、線L12は自動変速機3の入力軸3aの入力軸回転数を示し、線L13は入力軸3aの回転数から換算した車速を示している。また、線L14は発進クラッチC1を同期させた場合の動力源1の回転数を示している。線L15は動力源1の動力源トルクを示し、線L16は駆動輪5に伝達された駆動トルクを示している。また、線L17は発進クラッチC1のクラッチトルク容量を示している。
まず、図5の時間t=0において、ECU8はステップS201を実行する。すなわち、ステップS201において、ECU8はフリクションスタートが実施準備中であるか否かを判定する。ECU8は、アクセル開度が所定値以上であり、かつブレーキがONである場合に、フリクションスタートが実施準備中であると判定する。フリクションスタートが実施準備中であると判定した場合には(ステップS201、Yes)、ステップS202に進む。フリクションスタートが実施準備中ではないと判定した場合には(ステップS201、No)、ECU8は処理を終了してリターンする。
ステップS202において、ECU8の目標値設定部は、アクセル開度センサ12により検知されたアクセル開度から、発進の際に運転者の要求速度を示すパラメータとしての動力源回転数目標値を設定する。
ステップS203において、ECU8の回転数予測部は、発進クラッチC1の回転数差がゼロとなるように同期させた場合に、動力源1の回転数を動力源回転数目標値に略維持可能なスリップ制御を行うための動力源1の予測回転数を算出する。予測回転数は、車速センサ14が検知した車速から自動変速機3の出力軸3bの回転数を算出し、さらに、この出力軸3bの回転数の状態で発進クラッチC1を同期させた場合の動力源1の回転数である。すなわち、この予測回転数が動力源回転数目標値を超えていれば、発進クラッチC1の同期を行っても動力源1の回転数が動力源回転数目標値に維持される。予測回転数の算出は、発進開始(t=t2)の前に少なくとも1回行えばよい。
図5の時間t=t1において、ECU8はステップS204を実行する。すなわち、ステップS204において、ECU8のスリップ制御部は、発進クラッチC1に対して、互いに摩擦係合する係合要素に回転数差が生じるようにするスリップ制御を開始する。これとともに、ECU8は、動力源1の動力源回転数を所定の目標値まで上昇させる制御を開始する。これにより、時間t1から動力源回転数(線L11)が上昇し、これに伴って入力軸回転数(線L12)も上昇する。なお、動力源回転数目標値は、事前の評価結果等により見積もった、所望の発進加速性能を実現するための値を、ECU8に制御マップとして記憶させておくことが好ましい。また、動力源回転数目標値を、路面の勾配情報やμ情報により修正するようにすれば、発進時の車輪のスリップを回避することができるのでより好ましい。その後、ステップS205に進む。
ステップS205において、ECU8は、ブレーキがOFFであるか否かを判定する。ブレーキがOFFでない場合(ステップS205、No)、ECU8は、ステップS205を繰り返し、ブレーキがOFFである場合(ステップS205、Yes)はステップS206に進む。
図5の時間t=t2において、ECU8はステップS206を実行する。すなわち、ステップS206において、ECU8は、図5の動力源トルク(線L15)の増加を開始するとともに、発進クラッチC1の係合を開始し、ステップS207に進む。これにより、図5に示すように動力源トルク(線L15)及び駆動トルク(線L16)が増加して車両100がフリクションスタートによる発進を開始し、車速(線L13)が増加する。また発進クラッチC1の係合によりクラッチトルク容量(線L17)は徐々に増加する。このとき、ECU8のスリップ制御部は、スリップ制御において発進クラッチC1に供給する作動油の油圧を動力源1の回転数を動力源回転数目標値に略維持可能な値とする。そのため、動力源1の回転数の減少により、運転者の加速フィーリングが低下することはない。なお、ステップS206におけるスリップ制御の油圧は、加速フィーリングを低下させない程度に十分小さく、かつエンジン吹き上がりが発生しない程度に大きいことが好ましい。
つづいて、ステップS207において、ECU8は、回転数予測部が算出した動力源1の回転数である予測回転数(予測値)が、動力源回転数目標値(目標値)を上回ったか否かを判定する。予測回転数が動力源回転数目標値より小さい場合(ステップS207、No)はステップS208に進み、予測回転数が動力源回転数目標値を上回った場合(ステップS207、Yes)はステップS209に進む。
ステップS208において、ECU8の回転数予測部は、ステップS203と同様に、車速センサ14が検知したその時点の車速から自動変速機3の出力軸3bの回転数を算出する。さらに、この出力軸3bの回転数の状態で発進クラッチC1を同期させた場合の動力源1の回転数を算出して、その値により予測回転数を算出して更新する。その後、ステップS207に進む。すなわち、予測回転数が動力源回転数目標値を上回るまで、ステップS207とステップS208とが繰り返される。
ステップS209において、ECU8のスリップ制御部は、スリップ制御において発進クラッチC1に供給する作動油の油圧を増大させ、発進クラッチC1の回転数差がゼロとなるように同期制御を開始する(図5の時間t=t3に相当)。このとき、予測回転数が動力源回転数目標値を上回っているので、動力源1の回転数は低下せず、加速フィーリングの低下は生じない。その後、ステップS210に進む。
ステップS210において、ECU8は、発進クラッチC1の回転差がゼロになり同期が完了したか否かを判定する。同期が完了していない場合(ステップS210、No)、ECU8はステップS210を繰り返し、同期が完了した場合(ステップS210、Yes)、ECU8は処理を終了し、リターンする。なお、同期が完了すると(図5の時間t=t4に相当)、発進クラッチC1が完全に係合し、線L12、L13で示す回転数が一致する。
[予測回転数の計算]
ここで、回転数予測部における予測回転数の計算方法について具体的に説明する。動力源1の出力軸1aの慣性モーメントをI、動力源1の出力軸1aの角速度をω、動力源1のトルクをT、トルクコンバータ2のポンプインペラ2aのトルクをT、トルクコンバータ2のロックアップクラッチ2cのトルクをTluとすると、動力源1の出力軸1aの運動方程式から式(4)を導くことができる。
Figure 2016176575
は、トルクコンバータ2のトルク容量Cを用いて、T=CN と表すことができる。さらに、Cは、Nと自動変速機3の出力軸3bの回転数Nとを変数とする関数であるから、式(4)は式(5)と表せる。
Figure 2016176575
ここで、車速から求めた実測値Nにおいて、dω/dt=0の条件が成り立つ仮定とすると式(6)が導かれる。
Figure 2016176575
そして、式(6)のT及びTluに推定値を代入すると予測回転数であるNを導出することができる。この予測回転数Nが動力源回転数目標値を上回ることは、すなわち発進クラッチC1を同期しても動力源1の回転数が減少しないことを意味する。
このように、予測回転数は、動力源1の回転数であってもよい。また、この制御方法では、発進開始時から同期制御開始時までの間に、予測回転数を繰り返し算出して更新しているため、動力源トルクやロックアップクラッチトルクの過渡特性を考慮して発進クラッチC1の同期を開始するタイミングを制御でき、より確実に加速フィーリングの低下を抑制することができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る車両の制御装置の他の制御方法においても、ECU8のスリップ制御部は、予測回転数が動力源回転数目標値を上回るまでは、スリップ制御の油圧を動力源1の回転数を動力源回転数目標値に略維持可能な値とし、予測回転数が動力源回転数目標値を上回った後に、スリップ制御の油圧を増大させ、発進クラッチC1の回転数差がゼロとなるように同期制御を開始する。その結果、本実施の形態によれば、スリップ制御において動力源の回転数が維持されるので、発進前にエンジンの回転数を上昇させてから発進を行う発進制御を行う場合において、加速フィーリングの低下を抑制することができる。
なお、上記実施の形態では、ECU8は、アクセル開度が所定値以上であり、ブレーキONである場合に、フリクションスタートが実施準備中であると判定しているが、フリクションスタートが実施準備中であるか否かの判定方法はこれに限らない。例えばECU8は、車両の停止中にアクセル開度が所定値以上であり、ブレーキONである状態が所定時間以上継続したら、フリクションスタートが実施準備中であると判定してもよい。
また、上記実施の形態では、自動変速機3はギヤトレーン3cを有するが、自動変速機3が変速可能な構成であればよく、ベルトやローラーチェーン等を用いた構成であってもよい。
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
1 動力源
3 自動変速機
3a 入力軸
3b 出力軸
5 駆動輪
6、7 油圧アクチュエータ
8 ECU
100 車両
C1 発進クラッチ

Claims (1)

  1. 動力源と、該動力源側からの動力が入力される入力軸、車両の駆動輪側へ動力を出力する出力軸、及び前記入力軸と前記出力軸との間に配置され、油圧により互いの係合状態が制御される係合要素を有し、前記入力軸と前記出力軸との間の動力の伝達を断接する係合手段を有する自動変速機と、を備える車両に搭載され、
    前記車両が停止状態のときにブレーキがオン操作されかつアクセル開度が所定値以上になった場合に、前記動力源の回転数を上昇させ、その後に前記ブレーキがオフ操作されたときに前記係合手段を係合させて動力を伝達し、前記車両を発進させる制御を行う車両の制御装置であって、
    前記アクセル開度から動力源回転数目標値を設定する目標値設定手段と、
    前記発進の際に、前記係合要素に回転数差が生じるように前記油圧を制御するスリップ制御を行うスリップ制御手段と、
    前記発進開始の前に、前記係合要素の回転数差がゼロとなるように同期させた場合に前記動力源の回転数を前記動力源回転数目標値に略維持可能な前記スリップ制御を行うための前記入力軸、前記出力軸、又は前記動力源の予測回転数を少なくとも1回算出する回転数予測手段と、を備え、
    前記スリップ制御手段は、
    測定に基づいて、求めた前記入力軸、若しくは前記出力軸の回転数が前記予測回転数を上回る、又は前記予測回転数が前記動力源回転数目標値を上回るまでは、前記スリップ制御の前記油圧を前記動力源の回転数を前記動力源回転数目標値に略維持可能な値とし、
    測定に基づいて、求めた前記入力軸、若しくは前記出力軸の回転数が前記予測回転数を上回った後、又は前記予測回転数が前記動力源回転数目標値を上回った後に、前記スリップ制御の前記油圧を増大させ、前記係合要素の回転数差がゼロとなるように同期制御を開始する
    ことを特徴とする車両の制御装置。
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