JP2016172914A - ハンダ粉末及びこの粉末を用いたハンダ用ペースト - Google Patents
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Abstract
Description
本発明のハンダ粉末は、図1に示すように、中心核11と中心核11を被覆する被覆層12で構成され、中心核11がニッケル及びニッケルと錫との金属間化合物からなり、被覆層12が錫からなるハンダ粉末である。本発明のハンダ粉末は、このように、ニッケル及びニッケルと錫との金属間化合物からなる中心核が、融点の低い錫からなる被覆層で被覆された構造になっているため、リフロー時の溶融性に優れる。また、上記従来のハンダ粉末のように、融点等が異なる2種類以上の金属粉末を混合した粉末ではなく、粉末を構成する一つの金属粒子内において、ニッケルと錫が含まれるため、リフロー時の溶融ムラや組成ズレが起こりにくく、高い接合強度が得られる。更に、中心核の一部が、リフロー前に既にニッケルと錫との金属間化合物を形成しているため、例えばニッケルからなる中心核を錫で被覆した構造の粉末に比べて、リフロー時の溶融拡散性が良く、ハンダバンプ形成時の組成制御が容易であり、濡れ性に優れる。
続いて、上記本発明のハンダ粉末を製造する方法について説明する。先ず、ニッケル粉末を溶媒に分散して第1分散液を調製する。溶媒には分散剤を混合してもよい。次いで、錫の金属塩をニッケル粉末の第1分散液に添加混合して錫の金属塩が溶解しニッケル粉末が分散する混合液を調製する。次に、混合液のpHを0.1〜2.0に調整する。このpH調整した混合液に還元剤を添加し、混合することにより、錫イオンが還元され、析出した錫が前記ニッケル粉末を被覆する金属粉末が分散する第2分散液を調製した後、この第2分散液を固液分離し、この固液分離した固形分を乾燥してハンダ粉末を得る。混合液中におけるニッケル粉末、錫を含む化合物の割合は、ハンダ粉末製造後に、ニッケルの含有割合が3質量%を超え65質量%以下の範囲になるように調整する。
以上の工程により、得られた本発明のハンダ粉末は、ハンダ用フラックスと混合してペースト化して得られるハンダ用ペーストの材料として好適に用いられる。ハンダ用ペーストの調製は、ハンダ粉末とハンダ用フラックスとを所定の割合で混合してペースト化することにより行われる。ハンダ用ペーストの調製に用いられるハンダ用フラックスは、特に限定されないが、溶剤、ロジン、チキソ剤及び活性剤等の各成分を混合して調製されたフラックスを用いることができる。
上記方法で調製されたハンダ用ペーストを用いて電子部品をシリコンチップ、LEDチップ等の電子部品を各種放熱基板、FR4(Flame Retardant Type 4)基板、コバール等の基板に実装するには、ピン転写法にて上記基板の所定位置にハンダ用ペーストを転写する。次いで、転写されたペースト上に電子部品であるチップ素子を搭載する。この状態で、リフロー炉にて窒素雰囲気中、250〜400℃の温度で、5〜120分間保持して、ハンダ粉末をリフローする。場合によっては、チップと基板とを加圧しながら接合してもよい。これにより、チップ素子と基板とを接合させて接合体を得て、電子部品を基板に実装する。
先ず、水50mLに平均粒径が1.1μmのニッケル粉末0.10gを分散させて第1分散液を調製した。この分散液に塩化錫(II)2.56×10−2molを加え、スターラを用いて回転速度300rpmにて5分間撹拌し、混合液を調製した。この混合溶液を塩酸にてpHを0.5に調整した後、分散剤としてポリビニルアルコール500(平均分子量が500のポリビニルアルコール)を0.5g加え、更に回転速度300rpmにて10分間攪拌した。次いで、この混合液にpHを0.5に調整した1.58mol/Lの2価クロムイオン水溶液50mLを、添加速度50mL/secにて加え、回転速度500rpmにて10分間攪拌して錫イオンを還元した。この還元により析出した錫がニッケル粉末を被覆する金属粉末が分散する第2分散液を得た。この分散液を60分間静置して生成した金属粉末を沈降させた後、上澄み液を捨て、ここに水100mLを加えて回転速度300rpmにて10分間攪拌する操作を4回繰返し、洗浄を行った。その後、エチレングリコール100mLを加えて分散させ、回転速度300rpmにて攪拌しながら120℃で30分、窒素雰囲気中で加熱を行った。最後にこれを真空乾燥機にて乾燥することにより、Ni元素核と、このNi元素核の外周に金属間化合物(Ni3Sn、Ni3Sn2)とを有する中心核及びSnを被覆層とする金属粉末を得た。
以下の表1〜表3に示すように、平均粒径が異なるニッケル粉末を用いるか、又はニッケル粉末の添加量を調整することにより、ハンダ粉末100質量%中に含まれるニッケルの割合を変更したこと、ハンダ粉末の平均粒径を所定の粒径に制御したこと以外は、実施例1と同様にしてハンダ粉末を得た。
実施例1〜35及び比較例1〜18で得られたハンダ粉末について、次に述べる方法により、粉末を構成する金属粒子の構造、粉末の平均粒径、組成の分析又は測定を行った。これらの結果を以下の表1〜表3に示す。また、これらのハンダ粉末を用いてハンダ用ペーストをそれぞれ調製し、リフロー時の最大保持温度を変えたときの接合強度を評価した。これらの結果を以下の表4〜表11に示す。
ニッケルの含有割合が3.0質量%である比較例1及び比較例3では、凝固開始温度が低くなったためにハンダが再溶融し、300℃での500時間保持後の相対的シェア強度が55〜68と低くなったことから、500時間保持後の接合強度の評価判定が全て「不可」となった。一方、ニッケルの含有割合が65質量%を超える比較例2及び比較例4では、凝固開始温度が高くなりすぎたためにリフロー時にハンダ粉末が溶融せず、十分な接合が得られなかったことから、接合シェア強度が測定できず、500時間保持後の接合強度の評価判定が全て「不可」となった。これに対して、ニッケルの含有割合が3.0質量%を超え65質量%以下の実施例1〜35では、相対的シェア強度が向上し、高温雰囲気における接合強度についての評価の0時間及び500時間保持後の判定が全て「可」、「良」又は「優」と良好な結果が得られた。特にニッケルの含有割合が3.2質量%の実施例1、8、15、22及び29では、高温雰囲気における接合強度についての評価の0時間及び500時間保持後の判定が全て「可」であったのに対して、ニッケルの含有割合が5.0〜65.0質量%の範囲の実施例2〜7、実施例9〜14、実施例16〜21、実施例23〜28、実施例30〜35では、上記判定が全て「可」、「良」又は「優」と良好な結果が得られた。
ハンダ粉末の平均粒径が0.6〜0.7μmの比較例5〜11では、ハンダ粉末の比表面積が大きくなり、粉末に占める表面の酸化膜の比率が増大し、これによりハンダが溶融しなかったことから、初期(0時間、300℃)の接合が不良であり、接合強度を判定できなかった。またハンダ粉末の平均粒径が31.9〜40.0μmの比較例12〜18では、300℃での500時間保持後の相対的シェア強度が52〜65と低くなったことから、500時間保持後の接合強度の評価判定が全て「不可」となった。これに対して、ハンダ粉末の平均粒径が1〜30μmの実施例1〜35では、相対的シェア強度が向上し、高温雰囲気における接合強度についての評価の0時間及び500時間保持後の判定が全て「可」、「良」又は「優」と良好な結果が得られた。
11 中心核
12 被覆層
Claims (5)
- 中心核と前記中心核を被覆する被覆層で構成され、前記中心核がニッケル及びニッケルと錫との金属間化合物からなり、前記被覆層が錫からなるハンダ粉末において、
前記ハンダ粉末の平均粒径が1〜30μmであり、
前記ハンダ粉末の全体量100質量%に対し、ニッケルの含有割合が3.0質量%を超え65質量%以下である
ことを特徴とするハンダ粉末。 - 前記ニッケルと錫との金属間化合物がNi3Sn、Ni3Sn2、Ni3Sn4及びNiSn3からなる群より選ばれた1種又は2種以上の化合物である請求項1記載のハンダ粉末。
- 請求項1又は2記載のハンダ粉末とハンダ用フラックスを混合してペースト化することにより得られたハンダ用ペースト。
- 請求項3記載のハンダ用ペーストを用いて電子部品を実装する方法。
- 請求項4記載の方法により実装された接合体。
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