JP2016172827A - メタロセン化合物、それを含むオレフィン重合用触媒成分およびオレフィン重合用触媒、並びにそのオレフィン重合用触媒を用いたオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents
メタロセン化合物、それを含むオレフィン重合用触媒成分およびオレフィン重合用触媒、並びにそのオレフィン重合用触媒を用いたオレフィン重合体の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
また、特許文献4には、各々特定の置換基を有するシクロペンタジエニル基とインデニル基を架橋した非対称型メタロセン化合物およびメチルアルミノキサンと組み合わせた重合触媒によるプロピレンの重合が報告されているが、エチレンの重合に適用した場合に長鎖分岐が生成するとの記載はない。
さらに、特許文献5には、シクロペンタジエニル基とインデニル基をケイ素架橋した非対称型メタロセンのうちインデニル基の2、4、7位にメチル基を有するメタロセンと変性粘土化合物を用いて、マクロモノマーとして有用なエチレン重合体およびエチレン/ブテン共重合体を製造する触媒系が報告されているが、重合体の末端二重結合が少なく、この触媒単独で長鎖分岐が生成するとの記載はない。
なお、本発明において、ポリエチレンとは、エチレン単独重合体およびエチレンと後述のオレフィンとの共重合体の総称をいい、エチレン系重合体とも言い換えられる。
[1]下記一般式(1):
X1およびX2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、酸素若しくは窒素を含む炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基または炭素数1〜20のアルコキシ基を示し;
Qは、炭素原子、ケイ素原子またはゲルマニウム原子を示し;
R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を示し、R1とR2は、結合しているQと一緒に環を形成していてもよく;
mは、1、2または3であり;
R3およびR5〜R11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素数1〜6を含む炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基を示し、R5、R6のうち少なくとも1つは水素原子ではなく、R5とR6がそれぞれ結合する炭素原子と一緒になって1つ以上の芳香族環または脂肪族環を形成していてもよく;
R12〜R16は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、酸素若しくは窒素を含む炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基、ケイ素数1〜6を含む炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基、または炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基を示し、隣接するR12〜R16同士はそれらを連結する原子と一緒になって1つ以上の芳香族環または脂肪族環を形成していてもよい。]
で示されるメタロセン化合物。
[2]R5、R6は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素数1〜6を含む炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基、または炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基を示し、R5、R6のうち少なくとも1つは水素原子ではなく、R5、R6がそれぞれ結合する炭素原子と一緒になって1つ以上の芳香族または脂肪族環を形成してもよいことを特徴とする[1]に記載のメタロセン化合物。
[3]R5、R6は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R5、R6のうち少なくとも1つは水素原子ではなく、R5、R6がそれぞれ結合する炭素原子と一緒になって1つ以上の芳香族または脂肪族環を形成してもよいことを特徴とする[2]に記載のメタロセン化合物。
[4]R5、R6は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R5、R6がそれぞれ結合する炭素原子と一緒になって1つ以上の芳香族または脂肪族環を形成してもよいことを特徴とする[3]に記載のメタロセン化合物。
[5]mが1であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載のメタロセン化合物。
[6]Qが炭素原子またはケイ素原子であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載のメタロセン化合物。
[7]MがZrまたはHfであることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか1項に記載のメタロセン化合物。
[8]MがZrであることを特徴とする[7]に記載のメタロセン化合物。
[9][1]〜[8]のいずれか1項に記載のメタロセン化合物を含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒成分。
[10][1]〜[8]のいずれか1項に記載のメタロセン化合物を含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒。
[11]以下の必須成分(A)、(B)および(C)を含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒。
成分(A):[1]〜[8]のいずれか1項に記載のメタロセン化合物
成分(B):成分(A)のメタロセン化合物と反応してカチオン性メタロセン化合物を生成させる化合物
成分(C):微粒子担体
[12]前記成分(B)がアルミノキサンであることを特徴とする[11]に記載のオレフィン重合用触媒。
[13]前記成分(C)がシリカであることを特徴とする[11]または[12]に記載のオレフィン重合用触媒。
[14]更に、次の成分(D)を含むことを特徴とする[11]〜[13]のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒。
成分(D):有機アルミニウム化合物
[15][10]〜[14]のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒を用いてオレフィンを重合させることを特徴とするオレフィン系重合体の製造方法。
[16]オレフィンが少なくともエチレンを含むことを特徴とする[15]に記載のオレフィン系重合体の製造方法。
[17]オレフィン系重合体がエチレン系重合体であることを特徴とする[16]に記載のオレフィン系重合体の製造方法。
を、提供するものである。
本発明のメタロセン化合物は、下記一般式(1)で表されるシクロペンタジニエル環とインデニル環を架橋し、インデン環4位にフェニル基を有し、さらにインデン環5、6位に置換基を有することに特徴がある。
X1およびX2で示される酸素を含む炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、i−プロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、i−ブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、アセチル基、1−オキソプロピル基、1−オキソ−n−ブチル基、2−メチル−1−オキソプロピル基、2,2−ジメチル−1−オキソ−プロピル基、フェニルアセチル基、ジフェニルアセチル基、ベンゾイル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−フリル基および2−テトラヒドロフリル基などが挙げられ、窒素を含む炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、ジi−プロピルアミノメチル基、ビス(ジメチルアミノ)メチル基、ビス(ジi−プロピルアミノ)メチル基、(ジメチルアミノ)(フェニル)メチル基、メチルイミノ基、エチルイミノ基、1−(メチルイミノ)エチル基、1−(フェニルイミノ)エチル基、1−[(フェニルメチル)イミノ]エチル基などが挙げられる。
X1およびX2で示される炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジn−プロピルアミノ基、ジi−プロピルアミノ基、ジn−ブチルアミノ基、ジi−ブチルアミノ基、ジt−ブチルアミノ基およびジフェニルアミノ基などが挙げられる。
X1およびX2で示される炭素数1〜20のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、フェノキシ基などが挙げられる。
また、R1とR2は、結合しているQと一緒に環を形成している場合として、シクロブチリデン基、シクロペンチリデン基、シクロへキシリデン基、シラシクロブチル基、シラシクロペンチル基、シラシクロヘキシル基などが挙げられる。
基、エチル基、フェニル基、エチレン基、シクロブチリデン基が挙げられ、また、Qがケイ素原子の場合、メチル基、エチル基、フェニル基、シラシクロブ
チル基が挙げられる。
R3およびR5〜R11で示されるケイ素数1〜6を含む炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基としては、例えば、ビス(トリメチルシリル)メチル基、ビス(t−ブチルジメチルシリル)メチル基などが挙げられ、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基としては、例えば、ブロモメチル基、クロロメチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモプロピル基、3−ブロモプロピル基、2−ブロモシクロペンチル基、2,3−ジブロモシクロペンチル基、2−ブロモ−3−ヨードシクロペンチル基、2,3−ジブロモシクロヘキシル基、2−クロロ−3−ヨードシクロヘキシル基、2−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基などが挙げられる。
R3およびR5〜R11で示される炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリt−ブチルシリル基、ジt−ブチルメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基などが挙げられる。
好ましいR12〜R16としては、炭素数1〜20の炭化水素基であり、特に好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。炭素数1〜6のアルキル基の好ましい例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基が挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基がより好ましく、メチル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基がさらに好ましい。
(1)各成分
本発明のメタロセン化合物は、オレフィン重合用触媒成分を形成し、該触媒成分は、オレフィン重合用触媒に用いることができる。
本発明のオレフィン重合用触媒は、前述した本発明のメタロセン化合物を含む以外は、公知の成分を含むことができるが、好ましくは、下記の成分(A)、(B)および(C)を含む。
成分(A):本発明のメタロセン化合物
成分(B):成分(A)のメタロセン化合物と反応してカチオン性メタロセン化合物を生成させる化合物
成分(C):微粒子担体
本発明のオレフィン重合用触媒は、前述した一般式(1)〜(2)で表されるメタロセン化合物を必須成分(A)として用い、これらのうちの1種または2種以上を用いることも可能である。
本発明のオレフィン重合用触媒は、成分(B)として、上記成分(A)以外に、成分(A)のメタロセン化合物と反応してカチオン性メタロセン化合物を形成する化合物を含むことが好ましい。
成分(B)として、ボラン化合物やボレート化合物を用いると、重合活性や共重合性が高くなるので、長鎖分岐を有するエチレン系重合体の生産性が向上する。
以下、これらの各化合物について、さらに詳細に説明する。
有機アルミニウムオキシ化合物は、分子中に、Al−O−Al結合を有し、その結合数は通常1〜100、好ましくは1〜50個の範囲にある。このような有機アルミニウムオキシ化合物は、通常、有機アルミニウム化合物と水とを反応させて得られる生成物である。
なお、有機アルミニウムオキシ化合物として、各有機アルミニウムオキシ化合物の2種以上を組み合わせて使用することもでき、また、有機アルミニウムオキシ化合物を後述する不活性炭化水素溶媒に溶解または分散させた溶液としたものを用いてもよい。
ウムが使用される。
R17 tAlX3 3−t・・・(3)
(式(3)中、R17は、炭素数1〜18、好ましくは1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等の炭化水素基を示し、X3は、水素原子又はハロゲン原子を示し、tは、1≦t≦3の整数を示す。)
上記有機アルミニウム化合物は、1種または2種以上を混合して使用することもできる。
また、成分(B)に用いられるボラン化合物としては、例えば、トリフェニルボラン、トリ(o−トリル)ボラン、トリ(p−トリル)ボラン、トリ(m−トリル)ボラン、トリ(o−フルオロフェニル)ボラン、トリス(p−フルオロフェニル)ボラン、トリス(m−フルオロフェニル)ボラン、トリス(2,5−ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(4−トリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(3,5―ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(パーフルオロナフチル)ボラン、トリス(パーフルオロビフェニル)、トリス(パーフルオロアントリル)ボラン、トリス(パーフルオロビナフチル)ボランなどが挙げられる。
また、成分(B)に用いられるボレート化合物を具体的に表すと、第1の例は、下記一般式(4)で示される化合物である。
[L1−H]+[BR18R19X4X5]−・・・(4)
テトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、ジ(1−プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラフェニルボレートなどを例示することができる。
[L2]+[BR18R19X4X5]−・・・(5)
本発明のオレフィン重合用触媒は、成分(C)である微粒子担体として、無機物担体、粒子状ポリマー担体またはこれらの混合物を用いることが好ましい。無機物担体としては、金属、金属酸化物、金属塩化物、金属炭酸塩、炭素質物、またはこれらの混合物が使用可能である。
また、金属酸化物としては、周期表1〜14族の元素の単独酸化物または複合酸化物が挙げられ、例えば、SiO2、Al2O3、MgO、CaO、B2O3、TiO2、ZrO2、Fe2O3、Al2O3・MgO、Al2O3・CaO、Al2O3・SiO2、Al2O3・MgO・CaO、Al2O3・MgO・SiO2、Al2O3・CuO、Al2O3・Fe2O3、Al2O3・NiO、SiO2・MgOなどの天然または合成の各種単独酸化物または複合酸化物を例示することができる。ここで、上記の式は、分子式ではなく、組成のみを表すものであって、本発明において用いられる複合酸化物の構造および成分比率は特に限定されるものではない。また、本発明において用いる金属酸化物は、少量の水分を吸収していても差し支えなく、少量の不純物を含有していても差し支えない。
金属塩化物としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属の塩化物が好ましく、具体的にはMgCl2、CaCl2などが特に好適である。金属炭酸塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属の炭酸塩が好ましく、具体的には、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどが挙げられる。
炭素質物としては、例えば、カーボンブラック、活性炭などが挙げられる。
本発明のエチレン系重合体の製造方法の必須成分であるメタロセン化合物である成分(A)と、成分(A)と反応してカチオン性メタロセン化合物を生成させる成分(B)、および微粒子担体である成分(C)からなるオレフィン重合用触媒を得る際の各成分の接触方法は、特に限定されず、例えば、以下の方法が任意に採用可能である。
(II)成分(A)と、成分(C)とを接触させた後、成分(B)を接触させる。
(III)成分(B)と、成分(C)とを接触させた後、成分(A)を接触させる。
また、成分(B)として、ボラン化合物やボレート化合物を用いる場合、本発明のメタロセン化合物である成分(A)中の遷移金属(M)に対する、ホウ素の原子比(B/M)を、通常、0.01〜100、好ましくは0.1〜50、さらに好ましくは0.2〜10の範囲とすることが望ましい。
さらに、成分(B)として、有機アルミニウムオキシ化合物と、ボラン化合物および/またはボレート化合物と、の混合物を用いる場合にあっては、混合物における各化合物について、本発明のメタロセン化合物である成分(A)中の遷移金属(M)に対して上記と同様なAlおよびBの使用割合とすることが望ましい。
(IV)成分(A)と成分(C)とを接触させて溶媒を除去し、これを固体触媒成分とし、重合条件下で有機アルミニウムオキシ化合物、ボラン化合物、ボレート化合物またはこれらの混合物である成分(B)と接触させる。
(V)有機アルミニウムオキシ化合物、ボラン化合物、ボレート化合物またはこれらの混合物である成分(B)と成分(C)とを接触させて溶媒を除去し、これを固体触媒成分とし、重合条件下で成分(A)と接触させる。
上記(IV)、(V)の接触方法の場合も、成分比、接触条件および溶媒除去条件は、前記と同様の条件が使用できる。
各成分の接触方法は、特に限定されず、例えば、以下の方法が任意に採用可能である。
(VI)成分(A)と有機アルミニウム化合物を接触させた後、層状珪酸塩担体と接触させる。
(VII)成分(A)と層状珪酸塩担体を接触させた後、有機アルミニウム化合物と接触させる。
(VIII)有機アルミニウム化合物と層状珪酸塩担体を接触させた後、成分(A)と接触させる。
上記したオレフィン重合用触媒は、オレフィン重合、特に、エチレンの単独重合またはエチレンとα−オレフィンとの共重合、に使用することができる。
また、重合系中に、水分除去を目的とした成分、いわゆるスカベンジャーを加えても何ら支障なく実施することができる。なお、かかるスカベンジャーとしては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物、前記有機アルミニウムオキシ化合物、分岐アルキルを含有する変性有機アルミニウム化合物、ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛などの有機亜鉛化合物、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウムなどの有機マグネシウム化合物、エチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムクロリドなどのグリニヤ化合物などが使用される。これらのなかでは、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、エチルブチルマグネシウムが好ましく、トリエチルアルミニウムが特に好ましい。水素濃度、モノマー量、重合圧力、重合温度等の重合条件が互いに異なる2段階以上の多段階重合方式にも、支障なく適用することができる。
本発明のオレフィン重合用触媒を用いて製造されたオレフィン系重合体、特にエチレン系重合体は、従来のメタロセン系ポリエチレンと比較して、十分な数と長さの長鎖分岐が導入され、成型加工性がより改善されていることを特徴とする。
本発明のオレフィン用重合触媒により製造されるエチレン系重合体は、示差屈折計(RI)および粘度検出器(Viscometer)を装備したGPC装置及び光散乱検出器を組み合わせて測定される分子量10万および100万における分岐指数(g’)の値から、十分な数と長さの長鎖分岐が導入されており、成型加工性に優れていることがわかる。
なお、本明細書においては、分子量10万および100万における分岐指数(g’)の値を、それぞれ、「ga’」および「gb’」という。
本発明におけるエチレン系重合体のMFR(メルトフローレート、190℃、2.16kg荷重)は、好ましくは0.001〜1000g/10分であり、より好ましくは0.01〜100g/10分、更に好ましくは0.05〜50g/10分、特に好ましくは0.1〜50g/10分である。
なお、エチレン系重合体のMFRは、JIS K6760(190℃、2.16Kg荷重)に準拠して測定したときの値である。
本発明におけるエチレン系重合体の密度は、好ましくは0.85〜0.97g/cm3であり、より好ましくは0.88〜0.95g/cm3、更に好ましくは0.90〜0.94g/cm3である。
なお、エチレン系重合体の密度は、JIS K7112に準拠して測定したときの値である。
本発明におけるエチレン系重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは2.0〜10.0であり、より好ましくは2.0〜9.0、更に好ましくは2.5〜8.0、特に好ましくは2.5〜7.5である。
なお、エチレン系重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で定義され、ゲル・パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、以下の条件で測定したときの値をいう。
F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000。各々が0.5mg/mLとなるように、ODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.2mL注入して較正曲線を作成する。較正曲線は、最小二乗法で近似して得られる三次式を用いる。分子量への換算に使用する粘度式[η]=K×Mαは、以下の数値を用いる。
PS:K=1.38×10−4、α=0.7
PE:K=3.92×10−4、α=0.733
PP:K=1.03×10−4、α=0.78
装置:Waters社製GPC(ALC/GPC 150C)
検出器:FOXBORO社製MIRAN 1A IR検出器(測定波長:3.42μm)
カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本)
移動相溶媒:o−ジクロロベンゼン
測定温度:140℃
流速:1.0ml/分
注入量:0.2ml
試料の調製:試料は、ODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)を用いて、1mg/mLの溶液を調製し、140℃で約1時間を要して溶解させる。なお、得られたクロマトグラムのベースラインと区間は、図1に例示されるように行う。
本発明におけるエチレン系重合体は、分子量10万における分岐指数(ga’)が、好ましくは0.50〜0.99、より好ましくは0.50〜0.90、さらに好ましくは0.55〜0.88である。分岐指数(ga’)が上記範囲の場合、伸長粘度挙動と溶融流動性のバランスに優れたエチレン系重合体が得られる。
本発明のエチレン系重合体は、gb’が0.30〜0.70、好ましくは0.30〜0.59、より好ましくは0.35〜0.55であり、さらに好ましくは0.35〜0.50であり、特に好ましくは0.35〜0.45である。gb’値が0.70より大きいと該エチレン系重合体の成形加工性が不十分であったり、透明性が不足したりして好ましくない場合がある。gb’値が0.30より小さいと、エチレン系重合体の成形加工性は向上するが、成形体の衝撃強度が低下したり、透明性が悪化したりするので好ましくない場合がある。
なお、分岐指数(ga’およびgb’)は、以下の方法により測定したときの値である。
示差屈折計(RI)および粘度検出器(Viscometer)を装備したGPC装置として、Waters社のAlliance GPCV2000を用いた。また、光散乱検出器として、多角度レーザー光散乱検出器(MALLS)Wyatt Technology社のDAWN−Eを用いる。検出器は、MALLS、RI、Viscometerの順で接続した。移動相溶媒は、1,2,4−trichlorobenzene(酸化防止剤Irganox1076を0.5mg/mLの濃度で添加)である。流量は1mL/分である。カラムは、東ソー社GMHHR−H(S) HTを2本連結して用いる。カラム、試料注入部および各検出器の温度は、140℃である。試料濃度は1mg/mLとする。注入量(サンプルループ容量)は0.2175mLである。MALLSから得られる絶対分子量(M)、慣性二乗半径(Rg)およびViscometerから得られる極限粘度([η])を求めるにあたっては、MALLS付属のデータ処理ソフトASTRA(version4.73.04)を利用し、以下の文献を参考にして計算を行う。
1.Developments in polymer characterization,vol.4. Essex:Applied Science;1984.Chapter1.
2.Polymer,45,6495−6505(2004)
3.Macromolecules,33,2424−2436(2000)
4.Macromolecules,33,6945−6952(2000)
分岐指数(g’)は、サンプルを上記Viscometerで測定して得られる極限粘度(ηbranch)と、別途、線形ポリマーを測定して得られる極限粘度(ηlin)との比(ηbranch/ηlin)として算出する。
ポリマー分子に長鎖分岐が導入されると、同じ分子量の線形のポリマー分子と比較して慣性半径が小さくなる。慣性半径が小さくなると極限粘度が小さくなることから、長鎖分岐が導入されるに従い同じ分子量の線形ポリマーの極限粘度(ηlin)に対する分岐ポリマーの極限粘度(ηbranch)の比(ηbranch/ηlin)は小さくなっていく。したがって分岐指数(g’=ηbranch/ηlin)が1より小さい値になる場合には分岐が導入されていることを意味し、その値が小さくなるに従い導入されている長鎖分岐が増大していくことを意味する。
図2に上記GPC−VISによる解析結果の一例を示す。図2は、分子量(M)における分岐指数(g’)を表す。logM=5のg’値をga’、logM=6のg’値をgb’とした。ここで、線形ポリマーとしては、直鎖ポリエチレンStandard Reference Material 1475a(National Institute of Standards & Technology)を用いる。
(1)MFR:
JIS K6760に準拠し、190℃、2.16kg荷重で測定した。FR(フローレイト比)は、190℃、10kg荷重の条件で同様に測定したMFRであるMFR10kgとMFRとの比(=MFR10kg/MFR)から算出した。
前述した「6.エチレン系重合体の物性」の「(3)Mw/Mn」の項に記載の方法で測定した。
前述した「6.エチレン系重合体の物性」の「(4)分岐指数(ga’およびgb’)」の項に記載の方法で測定した。
[メタロセン化合物の合成]
(1)メタロセン化合物A:ジメチルシリレン(4−フェニル−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドの合成
(1−1)4−フェニル−1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセンの合成
アルゴン下で、500mlフラスコにフェニルボロン酸4.74g(38.8mmol)と1,2−ジメトキシエタン100mlを入れ、さらに15℃で4−ブロモ−1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセン7.00g(29.9mmol)、トリフェニルホスフィン0.390g(1.49mmol)、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム0.520g(0.747mmol)、リン酸三カリウム12.6g(59.8mmol)、水100mlを入れ、アルゴン雰囲気下で16時間撹拌還流した。反応混合物を室温まで冷却し、水100mlを加えて有機層を分離した。水相を酢酸エチル100mlで2回抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウム上で脱水した。硫酸ナトリウムをろ別し、溶媒をロータリーエバポレーターで留去して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル)で精製し、4−フェニル−1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセンを白色の固体として5.10g(収率73%)得た。
(1−2)ジメチル(4−フェニル−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセニル)(シクロペンタジエニル)シランの合成
200mlフラスコに4−フェニル−1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセン5.10g(21.9mmol)、脱水THF30mlを入れ、アルゴン雰囲気下−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(2.5M)10.5ml(26.3mmol)を滴下し、15℃で2時間反応させた。別途調製したジメチルジクロロシラン5.67g(43.9mmol)、THF10mlの溶液を−78℃に冷却し、上で調製した溶液を滴下後15℃で12時間撹拌した。減圧下で揮発分を留去し、残渣にTHF30mlを加え−20℃に冷却した。シクロペンタジエニルナトリウム/THF溶液(2.0M)11.5ml(23.0mmol)を滴下し、15℃で1時間撹拌した。反応混合物を氷水100mlに加えた後、酢酸エチル50mlで2回抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウム上で脱水し、硫酸ナトリウムをろ別して得られた溶液をロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた粗体をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン)で精製し、ジメチル(4−フェニル−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセニル)(シクロペンタジエニル)シランを黄色液体として4.00g(収率51%)得た。
(1−3)ジメチルシリレン(4−フェニル−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドの合成
200mlフラスコにジメチル(4−フェニル−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセニル)(シクロペンタジエニル)シラン4.00g(11.3mmol)、ジエチルエーテル40mlを入れ、アルゴン雰囲気下で撹拌した。n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(2.5M)9.5mL(23.7mmol)を滴下し、14℃で4時間撹拌した。溶媒を減圧下で留去し、得られた黄色固体にジクロロメタン80mlを加え−78℃に冷却した。四塩化ジルコニウム2.00g(8.58mol)を加え、3時間で14℃まで昇温した後、更に12時間撹拌した。不溶分をろ過で除去し、回収溶液を減圧濃縮して得られた濃黄色固体をトルエン/n−ペンタン混合溶液(容積比1/2、18ml)で洗浄し、ジメチルシリレン(4−フェニル−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを黄色粉末状固体として2.20g(収率38%)得た。
1H−NMR値(400MHz,CDCl3):δ0.84(s,3H),δ1.06(s,3H),δ2.00−2.07(m,2H),δ2.90−3.03(m,4H),δ5.88(m,2H),δ6.08(d,1H),δ6.77(m,1H),δ6.85(m,1H),δ6.89(d,1H),δ7.20(s,1H),δ7.38(t,1H),δ7.46(t,2H),δ7.56(m,2H)。
(2−1)4−フェニル−インデンの合成
1Lフラスコに、4−ブロモ−インデン42.4g(217mmol)とジメトキシエタン400mlを加え溶液とした後、フェニルボロン酸31.8g(260mmol)、トリフェニルホスフィン0.360g(1.38mmol)、PdCl2(PPh3)2 0.510g(0.387mmol)、リン酸三カリウム138g(652mmol)、水400mlを室温で加え、6時間撹拌還流した。室温まで冷却し水400mlを加えた。有機相を分離した後、水相を酢酸エチル400mlで2回抽出し、得られた有機相を混合して、無水硫酸ナトリウムを加え乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過し、溶媒を減圧留去して、シリカゲルカラムで精製し、4−フェニル―インデンの黄色液体34.0g(収率81%)を得た。
(2−2)(4−フェニル−インデニル)(シクロペンタジエニル)ジメチルシランの合成
4−フェニル−1, 2, 3, 5−テトラヒドロ−s−インダセンの代わりに4−フェニル−インデンを用い、メタロセン化合物A(1−2)と同様の手順で合成を行ない、(4−フェニル−インデニル)(シクロペンタジエニル)ジメチルシランの黄色液体3.7g(収率45%)として得た。
(2−3)ジメチルシリレン(4−フェニル−インデニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドの合成
ジメチル(4−フェニル−1, 5, 6, 7−テトラヒドロ−s−インダセニル)(シクロペンタジエニル)シランの代わりに(4−フェニル−インデニル)(シクロペンタジエニル)ジメチルシランを用い、メタロセン化合物A(1−3)と同様の手順で合成を行ない、ジメチルシリレン(4−フェニル−インデニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドの黄色結晶5.90g(収率60%)として得た。
[実施例1]
(1)固体触媒の調製
窒素雰囲気下、200ml二口フラスコに600℃で5時間焼成したシリカ5gを入れ、150℃のオイルバスで加熱しながら真空ポンプで1時間減圧乾燥した。別途用意した100ml二口フラスコに窒素雰囲気下でメタロセン化合物A64mgを入れ、脱水トルエン13.4mlで溶解した。室温でメタロセン化合物Aのトルエン溶液にアルベマール社製の20%メチルアルミノキサン/トルエン溶液8.6mlを加え30分間撹拌した。真空乾燥済みシリカの入った200ml二口フラスコを40℃のオイルバスで加熱および撹拌しながら、メタロセン化合物Aとメチルアルミノキサンの反応物のトルエン溶液を全量加えた。40℃で1時間撹拌した後、40℃に加熱したままトルエン溶媒を減圧留去することで固体触媒を得た。
上記実施例1の(1)固体触媒の調製で得た固体触媒を用いてエチレン・1−ブテン共重合体を製造した。
すなわち、攪拌および温度制御装置を有する内容積1リットルのステンレス鋼製オートクレーブに、充分脱水および脱酸素したヘプタン500ml、トリエチルアルミニウム(TEA)を57mg、水素を常圧で34ml導入した後、撹拌しながら75℃へ昇温した。1−ブテン10重量%を含むエチレンを分圧が1.4MPaになるまで導入し、上記固体触媒99mgのヘプタンスラリー10mlをアルゴンガスで圧入し、エチレン分圧1.4MPa、温度75℃を保って60分間重合を継続した。
その結果、17.5gのエチレン・1−ブテン共重合体が生成した。得られた共重合体のMFRは0.02g/10分であった。重合条件を表2に、重合結果を表3にまとめた。
(1)固体触媒の調製
メタロセン化合物A64mgの代わりに、メタロセン化合物B51mgを用いた以外は、実施例1と同様に、固体触媒を調製した。
(2)エチレン・1−ブテン共重合体の製造
上記比較例1の(1)固体触媒の調製で得た固体触媒99mgを用いた以外は、実施例1と同様に、エチレン・1−ブテン共重合体を製造した。
その結果、5.9gのエチレン・1−ブテン共重合体が生成した。得られた共重合体のMFRは0.27g/10分であった。重合条件を表2に、重合結果を表3にまとめた。
比較例1で得られた固体触媒200mgを用い、水素を常圧で68ml導入した以外は、実施例1と同様に、エチレン・1−ブテン共重合体を製造した。
その結果、17.0gのエチレン・1−ブテン共重合体が生成した。得られた共重合体のMFRは0.54g/10分であった。重合条件を表2に、重合結果を表3にまとめた。
Claims (17)
- 下記一般式(1):
X1およびX2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、酸素若しくは窒素を含む炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基または炭素数1〜20のアルコキシ基を示し;
Qは、炭素原子、ケイ素原子またはゲルマニウム原子を示し;
R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を示し、R1とR2は、結合しているQと一緒に環を形成していてもよく;
mは、1、2または3であり;
R3およびR5〜R11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素数1〜6を含む炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基を示し、R5、R6のうち少なくとも1つは水素原子ではなく、R5とR6がそれぞれ結合する炭素原子と一緒になって1つ以上の芳香族環または脂肪族環を形成していてもよく;
R12〜R16は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、酸素若しくは窒素を含む炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基、ケイ素数1〜6を含む炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基、または炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基を示し、隣接するR12〜R16同士はそれらを連結する原子と一緒になって1つ以上の芳香族環または脂肪族環を形成していてもよい。]
で示されるメタロセン化合物。 - R5、R6は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素数1〜6を含む炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基、または炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基を示し、R5、R6のうち少なくとも1つは水素原子ではなく、R5、R6がそれぞれ結合する炭素原子と一緒になって1つ以上の芳香族または脂肪族環を形成してもよいことを特徴とする請求項1に記載のメタロセン化合物。
- R5、R6は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R5、R6のうち少なくとも1つは水素原子ではなく、R5、R6がそれぞれ結合する炭素原子と一緒になって1つ以上の芳香族または脂肪族環を形成してもよいことを特徴とする請求項2に記載のメタロセン化合物。
- R5、R6は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R5、R6がそれぞれ結合する炭素原子と一緒になって1つ以上の芳香族または脂肪族環を形成してもよいことを特徴とする請求項3に記載のメタロセン化合物。
- mが1であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のメタロセン化合物。
- Qが炭素原子またはケイ素原子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のメタロセン化合物。
- MがZrまたはHfであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のメタロセン化合物。
- MがZrであることを特徴とする請求項7に記載のメタロセン化合物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のメタロセン化合物を含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒成分。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のメタロセン化合物を含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒。
- 以下の必須成分(A)、(B)および(C)を含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒。
成分(A):請求項1〜8のいずれか1項に記載のメタロセン化合物
成分(B):成分(A)のメタロセン化合物と反応してカチオン性メタロセン化合物を生成させる化合物
成分(C):微粒子担体 - 前記成分(B)がアルミノキサンであることを特徴とする請求項11に記載のオレフィン重合用触媒。
- 前記成分(C)がシリカであることを特徴とする請求項11または12に記載のオレフィン重合用触媒。
- 更に、次の成分(D)を含むことを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒。
成分(D):有機アルミニウム化合物 - 請求項10〜14のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒を用いてオレフィンを重合させることを特徴とするオレフィン系重合体の製造方法。
- オレフィンが少なくともエチレンを含むことを特徴とする請求項15に記載のオレフィン系重合体の製造方法。
- オレフィン系重合体がエチレン系重合体であることを特徴とする請求項16に記載のオレフィン系重合体の製造方法。
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