JP2016172361A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザによる用紙除去の作業効率の向上を図る。
【解決手段】制御部8は、搬送ジャムが発生し、用紙Pの搬送を停止させたときに、ベルトプラテン部43の搬送面上およびこの上流側のレジストローラ対41または下流の搬送ローラ対71のいずれかに跨った状態で用紙Pが搬送面上に密着した状態で停止する場合、用紙Pを挟持している搬送ローラ対またはベルトプラテン部43の少なくともいずれかを駆動させることで、搬送面上に停止している用紙Pと搬送面との少なくとも一部分の密着状態を解消させる。
【選択図】図1
【解決手段】制御部8は、搬送ジャムが発生し、用紙Pの搬送を停止させたときに、ベルトプラテン部43の搬送面上およびこの上流側のレジストローラ対41または下流の搬送ローラ対71のいずれかに跨った状態で用紙Pが搬送面上に密着した状態で停止する場合、用紙Pを挟持している搬送ローラ対またはベルトプラテン部43の少なくともいずれかを駆動させることで、搬送面上に停止している用紙Pと搬送面との少なくとも一部分の密着状態を解消させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、用紙等の記録媒体に画像を形成する画像形成装置に関する。
画像形成装置の画像形成手段の直下においては、形成される画像の乱れを防止するために記録媒体の平坦性を維持して搬送する必要がある。このために、いわゆるエア吸引方式の搬送機構が広く用いられている。このエア吸引方式の搬送機構の上流側には、レジストローラが設置され、斜行が補正された記録媒体が所定のタイミングで搬送されるようになっている。また、エア吸引方式の搬送機構の上流側にも搬送ローラが設置され、搬送機構から搬送された記録媒体はこの搬送ローラによってさらに下流側へ搬送されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
エア吸引方式の搬送機構では、ファンにより、搬送ベルトに設けられた多数のベルト穴を介して空気を吸引し、ベルト穴に発生する負圧による吸着力で用紙を搬送ベルト上に吸着保持する。搬送ベルトがこのように用紙を吸着保持しつつ移動することで、用紙を搬送する。
画像形成装置において、用紙の搬送ジャムが発生すると、搬送を停止する。これにより、ジャム発生時に搬送中であった用紙が装置内に滞留する。装置内に滞留している用紙は、ユーザによるジャム解除の作業により除去される。
ここで、エア吸引方式の搬送機構を有する画像形成装置では、ジャム発生時に搬送を停止した際、用紙が搬送ベルト上に吸着された状態で滞留することがある。搬送ベルト上に密着された状態になるのは、吸引手段による残留負圧等が作用するためである。搬送ベルト上に吸着された用紙は、搬送ベルトと隙間なく密着しているため、ユーザがこれを除去することは容易ではなく、作業効率の低下を招いていた。また、搬送ベルトとその上流または下流の搬送ローラに挟持された状態で停止している場合には、ユーザからのアクセスがしにくく、この場合はさらに除去作業を困難なものとしていた。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、搬送ジャムにて残留した用紙等の記録媒体を除去する作業を効率的に行うことが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置の第1の特徴は、記録媒体に対して画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部直下に配置され、前記用紙記録媒体を搬送面上に密着した状態にて下流側へ搬送する搬送部と、前記搬送部の上流または下流の少なくともいずれかに配置され、前記搬送部と連動して前記記録媒体を搬送する搬送ローラ対と、前記記録媒体の搬送エラーを検知する検知部と、前記検知部により搬送エラーが検知されると、前記搬送部および前記搬送ローラ対による記録媒体の搬送動作を停止させる制御部と、を備え、前記制御部は、駆動停止時において、前記記録媒体が前記搬送部と前記搬送ローラ対に跨って停止する場合、前記記録媒体を挟持している搬送ローラ対を所定量駆動させ、前記記録媒体と前記搬送面との密着状態を解消させることにある。
本発明に係る画像形成装置の第2の特徴は、第1の特徴を有する画像形成装置において、前記制御部により前記搬送ローラ対を駆動させる場合の前記所定量は、当該所定量の搬送後においても前記搬送ローラ対による前記記録媒体の挟持状態が維持される量であることにある。
本発明に係る画像形成装置の第3の特徴は、記録媒体に対して画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部直下に配置され、前記用紙記録媒体を搬送面上に密着した状態にて下流側へ搬送する搬送部と、前記搬送部の上流側または下流側の少なくともいずれかに配置され、前記搬送部と連動して前記記録媒体を挟持して搬送する搬送ローラ対と、前記記録媒体の搬送エラーを検知する検知部と、前記検知部により搬送エラーが検知されると、前記搬送部および前記搬送ローラ対による記録媒体の搬送動作を停止させる制御部と、を備え、前記制御部は、駆動停止時において、前記記録媒体が前記搬送部と前記搬送ローラ対に跨って停止する場合、前記搬送部と前記記録媒体を挟持している搬送ローラ対とをこれらの同一方向への搬送量が同じになる以外の搬送量で駆動させ、前記記録媒体と前記搬送面との密着状態を解消させることにある。
本発明に係る画像形成装置の第1の特徴によれば、搬送ジャムが発生し、記録媒体の搬送動作が停止された際に、記録媒体が搬送部と搬送部の上流または下流にある搬送ローラ対に跨って停止する場合、制御部が搬送部または記録媒体を挟持している搬送ローラ対の少なくともいずれかを所定量駆動させ、前記記録媒体と前記搬送面との密着状態を解消させる。これによって、搬送部の搬送面と記録媒体との間の密着状態を解消することができる。ユーザは、記録媒体のうち、密着状態が解消された部分を使って装置内に残留する記録媒体を除去することが容易になるため、ジャム解除の作業効率を向上させることができる。
本発明に係る搬送装置の第2の特徴によれば、第1の特徴を有する画像形成装置において、記録媒体を挟持している搬送ローラ対を所定量駆動して記録媒体と搬送面との密着状態を解消させる場合に、所定量を搬送ローラ対による記録媒体の挟持状態が維持される量としている。これにより、搬送面と記録媒体との間にて搬送停止時よりもより大きな空間(隙間)を確実に形成することができ、この隙間を利用して装置内から記録媒体を容易に除去することが可能となるため、ユーザによるジャム解除の作業効率をさらに向上させることができる。
本発明に係る画像形成装置の第3の特徴によれば、搬送ジャムが発生し、記録媒体の搬送動作が停止された際に、記録媒体が搬送部と搬送部の上流または下流にある搬送ローラ対に跨って停止する場合、制御部は、搬送部と記録媒体を挟持している搬送ローラ対とをこれらの同一方向への搬送量が同じになるという条件を除いた条件で駆動させ、記録媒体と搬送面との密着状態を解消させる。この場合、少なくともいずれか一方が駆動されれば良い。これによって、搬送部の搬送面と記録媒体との間の密着状態を解消するとともに、これらの間で搬送停止時よりもより大きな空間(隙間)を形成することができ、この隙間を利用して装置内から記録媒体を容易に除去することが可能となるため、ユーザによるジャム解除の作業効率をさらに向上させることができる。
なお、上記第1〜3の特徴を有する画像形成装置において、制御部により搬送部および搬送ローラ対を駆動させる場合、制御部はこれらの間に速度差を持たせるように搬送部および搬送ローラ対の駆動を制御するようにしても良い。この場合であっても、記録媒体と搬送面との密着状態を解消することやこれらの間に搬送停止時よりも広い空間(隙間)を形成することができるため、ユーザによるジャム解除の作業効率を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る搬送装置が設けられた印刷装置の概略構成図である。図2は、図1に示す印刷装置の制御ブロック図である。図3は、図1に示す印刷装置のベルトプラテン部の概略構成図である。図4は、図3に示すベルトプラテン部の搬送ベルトおよびプラテンプレートの部分拡大平面図である。以下の説明において、図1の紙面に直交する方向を前後方向とし、紙面表方向を前方とする。また、図1における紙面の上下左右を上下左右方向とする。
図1は、本発明の第1実施形態に係る搬送装置が設けられた印刷装置の概略構成図である。図2は、図1に示す印刷装置の制御ブロック図である。図3は、図1に示す印刷装置のベルトプラテン部の概略構成図である。図4は、図3に示すベルトプラテン部の搬送ベルトおよびプラテンプレートの部分拡大平面図である。以下の説明において、図1の紙面に直交する方向を前後方向とし、紙面表方向を前方とする。また、図1における紙面の上下左右を上下左右方向とする。
図1において太線で示す経路が、印刷媒体である用紙Pが搬送される搬送経路である。搬送経路のうち、実線で示す経路が通常経路RC、一点鎖線で示す経路が反転経路RR、
破線で示す経路が排紙経路RD、二点鎖線で示す経路が給紙経路RSである。以下の説明における上流、下流は、搬送経路における上流、下流を意味する。
破線で示す経路が排紙経路RD、二点鎖線で示す経路が給紙経路RSである。以下の説明における上流、下流は、搬送経路における上流、下流を意味する。
図1、図2に示すように、第1実施形態に係る印刷装置1は、給紙部2と、搬送部3と、上面搬送部4と、排紙部5と、反転部6と、操作パネル7と、制御部8と、各部を収納または保持する筐体9とを備える。
給紙部2は、搬送部3に用紙Pを給紙する。給紙部2は、搬送経路の最も上流側に配置されている。給紙部2は、外部給紙部11と、内部給紙部12と、縦搬送部13とを備える。
外部給紙部11は、筐体9の外部に一部が露出した状態で配置され、積載された用紙Pを給紙する。外部給紙部11は、外部給紙台21と、外部給紙ローラ22と、外部給紙モータ23とを備える。
外部給紙台21は、印刷に用いられる用紙Pが積載されるものである。外部給紙台21は、一部が筐体9の外部に露出して設置されている。また、外部給紙ローラ22は、外部給紙台21に積層された用紙Pを1枚ずつ取り出すとともに、給紙経路RSに沿って搬送部3へ向けて用紙Pを搬送する。外部給紙ローラ22は、外部給紙台21の右端部の上側に配置されている。外部給紙ローラ22は外部給紙モータ23によって回転駆動される。
内部給紙部12は、筐体9の内部で給紙する用紙Pを縦搬送ローラ31へ搬送する。内部給紙部12は、3つの内部給紙台26と、3つの内部給紙ローラ27と、4対の内部給紙搬送ローラ28と、内部給紙モータ29と、用紙センサ30a〜30dとを備える。
内部給紙台26は、印刷に用いられる用紙Pが積載されるものである。内部給紙台26は、筐体9の内部に配置されている。
内部給紙ローラ27は、内部給紙台26から用紙Pを1枚ずつ取り出して給紙経路RSへと送り出す。内部給紙ローラ27は、内部給紙台26の左端部の上側に配置されている。
内部給紙搬送ローラ28は、内部給紙台26から取り出された用紙Pを縦搬送ローラ31へ向けて搬送する。内部給紙搬送ローラ28は、給紙経路RSに沿って配置されている。
内部給紙モータ29は、内部給紙ローラ27および内部給紙搬送ローラ28を回転駆動させる。内部給紙モータ29は、図示しないクラッチを介して各内部給紙ローラ27および各内部給紙搬送ローラ28に接続/解除可能になっている。クラッチにより、回転駆動する内部給紙ローラ27および内部給紙搬送ローラ28が切り替えられる。
用紙センサ30a〜30dは、内部給紙台26から取り出され、給紙経路RSに沿って搬送される用紙Pを検出する。用紙センサ30a〜30dは、各内部給紙搬送ローラ28の下流側近傍に配置されている。
縦搬送部13は、縦搬送ローラ31と用紙センサ34からなる。縦搬送ローラ31は、内部給紙部12からの用紙Pを搬送部3へ搬送する。外部給紙ローラ22は外部給紙モータ23によって回転駆動される。
縦搬送ローラ31は、内部給紙搬送ローラ28により搬送されてきた用紙Pを後述するレジストローラ41へ搬送する。縦搬送ローラ31は、内部給紙台26からの用紙Pが搬送される給紙経路RSの下流域にある垂直部分に沿って配置されている。また、用紙センサ34は縦搬送ローラ31の下流側近傍に配置されている。用紙センサ34は、縦搬送ローラ31からレジストローラ41へ向けて搬送される用紙Pを検出する。
搬送部3は、用紙Pを搬送しつつ、用紙Pに画像を形成(印刷)する。搬送部3は、給紙部2の下流側に配置されている。搬送部3は、レジストローラ41と、レジストモータ42と、ベルトプラテン部43と、ヘッドユニット44と、昇降駆動部45と、用紙センサ46a,46bとを備える。
レジストローラ41は、給紙部2または反転部6により搬送されてきた用紙Pを一旦止めて斜行補正した後、所定のタイミングでベルトプラテン部43へ搬送するローラ対である。レジストローラ41は、搬送部3の上流部の通常経路RC上に配置されている。
レジストモータ42は、レジストローラ41を回転駆動させる。レジストモータ42は正転方向、逆転方向のいずれにも回転が可能なモータである。
ベルトプラテン部43は、請求項に記載の搬送部に相当する。ベルトプラテン部43は、画像形成手段であるヘッドユニット44の直下に配置される。ベルトプラテン部43は、レジストローラ41により搬送されてきた用紙Pを、例えばエア吸引によりベルト上に密着した状態を維持しつつ搬送する。ベルトプラテン部43は、昇降駆動部45により、印刷位置と退避位置との間で上下動可能になっている。印刷位置は、印刷を行う際のベルトプラテン部43の位置である。印刷位置は、図1に実線で示すベルトプラテン部43の位置であり、インクジェットヘッド66の下側近傍にある。退避位置は、ジャム解除の作業時におけるベルトプラテン部43の位置である。退避位置は、図1に二点鎖線で示すベルトプラテン部43の位置であり、印刷位置より下方にある。
図3に示すように、ベルトプラテン部43は、搬送ベルト51と、駆動ローラ52と、従動ローラ53〜55と、ベルトプラテンモータ56と、エンコーダ57と、プラテンプレート58と、チャンバ59と、ファン60とを備える。
搬送ベルト51は、駆動ローラ52および従動ローラ53〜55に掛け渡される環状のベルトである。搬送ベルト51は、用紙Pとの間に適度な摩擦力を発生させる材料により構成される。搬送ベルト51は、レジストローラ41から用紙Pを受け取り、下流側へと用紙Pを搬送する。すなわち、搬送ベルト51はレジストローラ41と連動して、用紙Pを搬送する。
図4に示すように、搬送ベルト51には、エア吸引用の吸引穴である複数のベルト穴61が形成されている。ベルト穴61は、搬送方向(左右方向)に沿って所定のピッチで配列されている。また、搬送方向に直交する方向(前後方向)に隣り合う次段のベルト穴61が、前段のベルト穴61に対して搬送方向に半ピッチ分だけずれるように配置されている。すなわち、ベルト穴61は、千鳥状に配置されている。
搬送ベルト51は、ファン60の駆動によりベルト穴61に発生する吸引作用により、搬送面51aに用紙Pを密着させる。搬送面51aは、ヘッドユニット44に対向する搬送ベルト51の上面である。印刷時において、搬送ベルト51は、正転方向(図3における時計回り方向)に回転することで、密着状態が維持された用紙Pを右方向に搬送する。
駆動ローラ52は、搬送ベルト51を回転させる。駆動ローラ52は、ベルトプラテンモータ56により、正転方向(図3における時計回り方向)および逆転方向(図3における反時計回り方向)に回転可能になっている。駆動ローラ52の回転により、搬送ベルト51が同方向に回転する。
従動ローラ53〜55は、駆動ローラ52とともに搬送ベルト51を支持する。従動ローラ53〜55は、搬送ベルト51を介して駆動ローラ52に従動する。従動ローラ53は、駆動ローラ52と同じ高さで、駆動ローラ52の左方に配置されている。従動ローラ54,55は、駆動ローラ52および従動ローラ53の下方において、互いに左右方向に離間して、同じ高さに配置されている。
ベルトプラテンモータ56は、駆動ローラ52を正転方向および逆転方向に回転駆動させる。
エンコーダ57は、従動ローラ53の所定の回転角度ごとにパルス信号を出力する。
プラテンプレート58は、駆動ローラ52と従動ローラ53との間において搬送ベルト51の下側に配置され、搬送ベルト51の下面を摺動可能に支持する。プラテンプレート58は、金属、樹脂等からなる。プラテンプレート58は、ベルト穴61が通過する箇所において上面から下面に向かって掘り下げられた複数の凹部62と、凹部62の底面の一部からプラテンプレート58の下面に貫通する複数の貫通穴63とを有する。凹部62および貫通穴63は、ベルト穴61と同様に千鳥状に配置されている。
チャンバ59は、プラテンプレート58の貫通穴63および凹部62を介して搬送ベルト51のベルト穴61に吸引作用を発生させるための負圧室を形成するものである。チャンバ59は、プラテンプレート58の下面側に設けられている。
ファン60は、チャンバ59から排気する。これにより、ファン60は、チャンバ59内に負圧を発生させ、貫通穴63、凹部62、およびベルト穴61を介して空気を吸引する。これにより、ファン60は、ベルト穴61に負圧を発生させ、用紙Pを搬送ベルト51の搬送面51a上に吸着させる。
ヘッドユニット44は、ベルトプラテン部43により搬送される用紙Pにインクを吐出して画像を印刷する。ヘッドユニット44は、複数のインクジェットヘッド66と、ヘッドホルダ67とを備える。
インクジェットヘッド66は、前後方向(主走査方向)に沿って配置された複数のノズルを有し、ノズルからインクを吐出する。複数のインクジェットヘッド66は、用紙Pの搬送方向(左右方向)に沿って並列配置されている。
ヘッドホルダ67は、インクジェットヘッド66を保持する。ヘッドホルダ67は、中空状の直方体形状に形成されている。ヘッドホルダ67は、筐体9内の所定位置に固定されている。
昇降駆動部45は、ベルトプラテン部43を印刷位置と退避位置との間で昇降させる。昇降駆動部45は、ヘッドホルダ67内に配置されている。昇降駆動部45は、ワイヤ、プーリ、モータ等を有し、ワイヤによりベルトプラテン部43を吊り下げ支持している。昇降駆動部45は、モータによりプーリを回転させてワイヤの巻き取りおよび繰り出しを行うことで、ベルトプラテン部43を昇降させる。
用紙センサ46aは、給紙部2または反転部6からレジストローラ41へ搬送される用紙Pを検出する。用紙センサ46aは、レジストローラ41の上流側近傍に配置されている。
用紙センサ46bは、レジストローラ41からベルトプラテン部43へ搬送される用紙Pを検出する。用紙センサ46bは、レジストローラ41とベルトプラテン部43との間に配置されている。
上面搬送部4は、ベルトプラテン部43により搬送されてきた用紙Pを排紙部5または反転部6へ搬送する。上面搬送部4は、2対の上昇搬送ローラ71と、上昇搬送モータ72と、4対の水平搬送ローラ73と、水平搬送モータ74と、用紙センサ75a〜75cとを備える。
上昇搬送ローラ71は、通常経路RCの中流域の上昇部分に沿って配置されている。上昇搬送ローラ71は、ベルトプラテン部43の搬送ベルト51により搬送されてきた用紙Pを上方の水平搬送ローラ73へ搬送するローラ対である。すなわち、上昇搬送ローラ71は、搬送ベルト51と連動して、用紙Pを下流側へ搬送する。
上昇搬送モータ72は、2対の上昇搬送ローラ71を回転駆動させる。上昇搬送モータ72は正転方向、逆転方向のいずれにも回転が可能なモータである。
水平搬送ローラ73は、上昇搬送ローラ71により搬送されてきた用紙Pを排紙部5または反転部6へ搬送する。最下流の水平搬送ローラ73は、反転経路RRの上流部に沿って配置されている。他の3対の水平搬送ローラ73は、通常経路RCの下流域の水平部分に沿って配置されている。
水平搬送モータ74は、4対の水平搬送ローラ73を回転駆動させる。
用紙センサ75a〜75cは、上面搬送部4において搬送される用紙Pを検出する。用紙センサ75aは、上流側の上昇搬送ローラ71の上流側近傍に配置されている。用紙センサ75bは、最上流の水平搬送ローラ73の下流側近傍に配置されている。用紙センサ75cは、最下流の水平搬送ローラ73の上流側近傍に配置されている。
排紙部5は、印刷済みの用紙Pを排紙する。排紙部5は、切替部76と、ソレノイド77と、排紙ローラ78と、排紙モータ79と、排紙台80と、用紙センサ81とを備える。
切替部76は、用紙Pの搬送経路を排紙経路RDと反転経路RRとの間で切り替える。切替部76は、排紙経路RDと反転経路RRとの分岐地点に配置されている。
ソレノイド77は、切替部76を駆動させる。
排紙ローラ78は、切替部76によって排紙経路RDへと導かれた用紙Pを搬送して排紙台80へ排紙する。排紙ローラ78は、排紙経路RDに沿って、切替部76と排紙台80との間に配置されている。
排紙モータ79は、排紙ローラ78を回転駆動させる。
排紙台80は、排紙ローラ78により排紙された印刷済みの用紙Pが積載されるものである。排紙台80は、筐体9から突出したトレイ形状を有し、傾斜して設置されている。
用紙センサ81は、排紙される用紙Pを検出する。用紙センサ81は、排紙ローラ78の下流側近傍に配置されている。
反転部6は、両面印刷の際に、片面印刷済みの用紙Pを反転させて搬送部3へ再給紙する。反転部6は、反転ローラ86と、反転モータ87と、スイッチバック部88と、再給紙ローラ89と、再給紙モータ90と、切替ゲート91と、用紙センサ92a,92bとを備える。
反転ローラ86は、水平搬送ローラ73により搬送されてきた用紙Pをスイッチバック部88に一時的に搬入した後に搬出して、再給紙ローラ89へ搬送する。反転ローラ86は、最下流の水平搬送ローラ73とスイッチバック部88の搬入口との間の反転経路RR上に配置されている。反転ローラ86は、反転モータ87により回転駆動される。
スイッチバック部88は、反転ローラ86が用紙Pを一時的に搬入するための空間である。スイッチバック部88は、排紙台80の下部に形成されている。スイッチバック部88は、反転ローラ86の近傍が用紙Pを搬入するために開口されている。
再給紙ローラ89は、反転ローラ86により搬送されてきた用紙Pをレジストローラ41へ搬送する。再給紙ローラ89は、反転ローラ86とレジストローラ41との間の反転経路RR上に配置されている。
再給紙モータ90は、再給紙ローラ89を回転駆動させる。
切替ゲート91は、水平搬送ローラ73により搬送されてきた用紙Pを反転ローラ86へとガイドする。また、切替ゲート91は、反転ローラ86によりスイッチバック部88から搬出される用紙Pを再給紙ローラ89へとガイドする。切替ゲート91は、最下流の水平搬送ローラ73、反転ローラ86、および再給紙ローラ89の3個所の重心近傍に配置されている。
用紙センサ92aは、反転ローラ86によりスイッチバック部88に搬入され、その後搬出される用紙Pを検出する。用紙センサ92aは、スイッチバック部88の搬入口近傍に配置されている。
用紙センサ92bは、再給紙ローラ89からレジストローラ41へ搬送される用紙Pを
検出する。用紙センサ92bは、再給紙ローラ89の下流側近傍に配置されている。
検出する。用紙センサ92bは、再給紙ローラ89の下流側近傍に配置されている。
操作パネル7は、各種の入力画面等を表示するとともに、ユーザによる入力操作を受け付ける。操作パネル7は、液晶表示パネル等を有する表示部(図示せず)と、各種の操作キー、タッチパネル等を有する入力部(図示せず)とを備える。
制御部8は、印刷装置1の各部の動作を制御する。制御部8は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等を備えて構成される。
制御部8は、ジャム発生後の用紙搬送動作の停止時に、レジストローラ41またはベルトプラテン部43のすぐ下流にある搬送ローラ71にて挟持されており、かつ、その一部がベルトプラテン部43の搬送面51a上に滞留している用紙Pがある場合、この用紙Pを再び搬送させることで用紙Pと搬送面51aとの間に隙間を付与する。これにより、用紙Pの搬送の停止時における搬送面51aと用紙Pとの少なくとも一部の密着状態が解消される。
また、密着状態を解消する際に、制御部8は、用紙Pを搬送させる対象(レジストローラ41、搬送ローラ71のいずれで搬送させるのか)や搬送方向(正転方向、逆転方向のいずれの方向なのか)、用紙Pの搬送量等を決定して搬送処理を行わせる。
制御部8が駆動させる対象は用紙Pを挟持しているローラ対である。また、制御部8がローラを回転させる方向は、用紙Pを挟持しているローラ対によって異なる。レジストローラ41で用紙Pを挟持している場合には印刷処理時と同方向であり、搬送ローラ71で用紙Pを挟持している場合には印刷処理時と逆方向である。
また、制御部8の指示によりジャム解除のために用紙Pが搬送される搬送量は、挟持されている用紙Pが挟持されているローラ対から抜けない量である。ローラ対から用紙Pが抜けてしまうと、用紙P全体が搬送ベルト51の搬送面上に載置されることとなり、用紙Pと搬送面との間で形成した隙間が無くなってしまうからである。制御部8は、搬送動作を停止した際に、各用紙センサ46a,46bからの検知信号とエンコーダ57から得られるパルス信号を用いて、搬送経路上の用紙Pの停止位置を特定(算出)し、この用紙Pの停止位置に基づいてジャム解除のための用紙Pの搬送量を決定(算出)する。
次に、印刷装置1の動作について説明する。
印刷ジョブが入力されると、制御部8は、印刷動作を実行する。ここで、制御部8は、印刷ジョブに含まれる印刷設定情報を取得し、その内容に応じて、片面印刷または両面印刷を実行する。
片面印刷の場合、制御部8は、外部給紙台21および3つの内部給紙台26のいずれかから未印刷の用紙Pを順次取り出し、搬送部3へ給紙するよう給紙部2を制御する。ここで、制御部8は、ベルトプラテン部43において所定の紙間で各用紙Pが搬送されるように各用紙Pを送り出すレジストローラ41の駆動タイミングに応じたタイミングで順次給紙するよう給紙部2を制御する。これにより、複数枚の用紙Pが搬送経路上で同時に搬送される。
給紙された用紙Pは、レジストローラ41によりベルトプラテン部43へ送られる。ベルトプラテン部43の搬送ベルト51の搬送面51aに到達した用紙Pは、ベルト穴61における吸着力により搬送面51a上に吸着されつつ搬送される。この際、用紙Pは、インクジェットヘッド66から吐出されるインクにより印刷される。ここで、ベルトプラテン部43は印刷位置に配置されている。また、ベルトプラテン部43において、搬送ベルト51は正転方向に回転駆動されている。
印刷された用紙Pは、ベルトプラテン部43から上面搬送部4へ搬送され、上面搬送部4において上昇搬送ローラ71および水平搬送ローラ73により搬送される。そして、用紙Pは、切替部76により排紙経路RDへ導かれ、排紙ローラ78により排紙台80へ排紙される。
両面印刷の場合、制御部8は、片面印刷時の給紙タイミングに対して、各用紙Pの給紙タイミング間の時間が2倍となるタイミングで未印刷の用紙Pを順次給紙するよう給紙部2を制御する。
給紙された用紙Pは、片面印刷時と同様に、ベルトプラテン部43により搬送されつつ、インクジェットヘッド66から吐出されるインクにより印刷される。片面印刷後の用紙Pは、ベルトプラテン部43から上面搬送部4へ搬送され、上面搬送部4において上昇搬送ローラ71および水平搬送ローラ73により搬送される。そして、用紙Pは、切替部7
6により反転経路RRへ導かれる。
6により反転経路RRへ導かれる。
反転経路RRへ導かれた用紙Pは、反転部6において、切替ゲート91により反転ローラ86へ導かれ、反転ローラ86によりスイッチバック部88へ搬入される。その後、用紙Pは、反転ローラ86によりスイッチバック部88から搬出されるとともに、切替ゲート91により再給紙ローラ89へ導かれる。そして、用紙Pは、再給紙ローラ89により搬送部3へ再給紙され、搬送部3においてレジストローラ41によりベルトプラテン部43へ送られる。
ここで、片面印刷後の用紙Pは、順次給紙される未印刷の用紙Pと交互にベルトプラテン部43へ送られるようなタイミングで再給紙される。上述のように、両面印刷では、片面印刷の場合の給紙タイミングに対して、各用紙Pの給紙タイミング間の時間が2倍である。このため、未印刷の用紙Pの間に片面印刷後の用紙Pを挿入し、未印刷の用紙Pの給紙と交互に片面印刷後の用紙Pを再給紙することが可能になっている。
片面印刷後の用紙Pは、反転部6により反転されたため、未印刷面を上向きにしてベルトプラテン部43へ送られる。そして、用紙Pは、ベルトプラテン部43により搬送されつつ、インクジェットヘッド66から吐出されるインクにより未印刷面が印刷される。両面印刷された用紙Pは、上面搬送部4により排紙部5へ搬送され、排紙部5において排紙台80へ排紙される。
上述のように、両面印刷では、未印刷の用紙Pの給紙と交互に片面印刷後の用紙Pの再給紙が行われることで、ベルトプラテン部43上で、未印刷の用紙Pの一方の面への印刷と、片面印刷後の用紙Pの未印刷面への印刷とが交互に行われる。これにより、片面印刷時と同等の片面あたりの生産性で両面印刷が行われる。
上述のような片面印刷または両面印刷を開始後の画像形成装置の処理について図5のフローチャートを使って以下に説明する。印刷ジョブを受け取ると、制御部8は印刷処理を実行するとともに、これと並行して用紙Pの搬送ジャムの発生の有無を判断する(ステップS1,ステップS2)。搬送ジャムが発生したか否かの判断は、具体的には、制御部8は、用紙センサ30a〜30d,34,46a,46b,75a〜75c,81,92a,92bの少なくともいずれかにおいて、2つのセンサ間または1つのセンサにおける用紙Pの検出タイミングとその理論値との誤差が閾値以上の場合、ジャムが発生したと判断する。
制御部8は、搬送ジャムが発生していないときには(ステップS2:No)、印刷ジョブのすべてのページの印刷が終了したか否かを判断し(ステップS11)、終了していれば印刷処理を終了させ(ステップS11:Yes)、終了していなければ印刷処理を継続させる(ステップS11:No→ステップS1)。
一方、制御部8によって搬送ジャムが発生したと判断されると(ステップS2:Yes)、制御部8は、給紙部2、ベルトプラテン部43、上面搬送部4、排紙部5、および反転部6による用紙搬送を停止する。また、制御部8は、インクジェットヘッド66によるインク吐出を停止する(ステップS3)。
次いで、制御部8は、ベルトプラテン部43の搬送面51a上に用紙Pが滞留しているか否かを判断する。(ステップS4)。
ここで、制御部8は、用紙センサ30a〜30d,34,46a,46b,75a〜75c,81,92a,92bにおける用紙検出タイミングと、上昇搬送モータ72等の各部のモータに設置されたエンコーダ(図示せず)およびベルトプラテン部43のエンコーダ57の出力パルス数により、用紙搬送停止時に搬送経路上に滞留している用紙Pの位置を把握している。制御部8は、この用紙Pの位置を使って、ベルトプラテン部43の搬送面51a上に、その一部でも残留する用紙Pがある場合、搬送面51a上に用紙Pが滞留していると判断する。なお、搬送面51a上に滞留している用紙Pは、搬送面51aに載っている部分が残留負圧の作用によって密着保持されている。
ステップS4における判断にて、搬送ベルト51a上に用紙Pが残留していなければ(ステップS4:No)、制御部8はベルトプラテン部43を下降させず、そのまま印刷位置に維持した状態で、ユーザによるジャム解除処理を待つ(ステップS10)。
一方、制御部8が、搬送ベルト51a上に用紙Pが残留していると判断すると(ステップS4:Yes)、昇降駆動部45によりベルトプラテン部43を印刷位置から退避位置へ下降させる(ステップS5)。ユーザによるジャム解除作業を容易にするためである。
その後、制御部8は搬送停止時の用紙Pの位置に基づいて、用紙Pがベルトプラテン部43のすぐ上流側に存在するレジストローラ41にて挟持された状態で残留しているか否か、すなわち用紙Pがレジストローラ41および搬送ベルト51に跨った状態で停止しているか否かを判断する(ステップS6)。
そして、制御部8により、用紙Pがレジストローラ41に挟持された状態(図6(a))で停止していると判断されると(ステップS6:Yes)、制御部8はレジストモータ42を駆動させてレジストローラ41を正転方向に回転させ、用紙Pに作用する残留負圧の少なくとも一部を解消させる(ステップS7)。この動作によって、用紙Pに作用しているうちの一部の残留負圧が解消され、用紙Pと搬送面51aとの密着状態が解消されることにより、図6(b)に示したように搬送ベルト51の搬送面51aと用紙Pとの間に隙間が形成される。これによって用紙Pに対してユーザがアクセスしやすくなるとともにジャム解除を容易に行うことができるようになる。なお、図6における点線は、通常の印刷処理時の用紙Pが搬送される搬送ラインを示している。
一方、制御部8によって、用紙Pがレジストローラ41に挟持されていないと判断されると(ステップS6:No)、制御部8は、ベルトプラテン部43のすぐ下流にある搬送ローラ対71にて用紙Pが挟持されているか否か、すなわち用紙Pが搬送ベルト51および搬送ローラ71に跨った状態で停止しているか否かを判断する(ステップS8)。
制御部8によって、用紙Pが搬送ローラ対71に挟持された状態で停止していると判断されると(ステップS8:Yes)、制御部8は上昇搬送モータ72を印刷処理時とは逆の方向へと駆動させて搬送ローラ対71を回転させ、用紙Pに作用する残留負圧の少なくとも一部を解消させる(ステップS9)。
ステップS7およびステップS9の処理によって残留負圧が解消されると、用紙Pと搬送ベルト51の搬送面51aと用紙Pとの間に隙間が形成されることになる。ユーザはこの隙間を利用することで用紙Pの除去が容易となる。
なお、ステップS7およびステップS9における用紙Pの搬送量は、制御部8によって、停止している用紙Pの位置に応じて適宜、調整されるが、少なくとも各ローラ対から用紙Pが完全に抜けることのない距離だけ送られる。用紙Pが各ローラ対から完全に離れてしまうと、搬送ベルト51の搬送面51aに用紙Pが完全に載ってしまい、搬送面51aと用紙Pとの間の隙間がなくなることとなり、ユーザによるジャム解除がしにくくなるからである。
制御部8は、用紙検知部46aや46bから得られる検出情報と、エンコーダ57から出力されるパルス信号を用いて用紙Pの停止位置を算出する。そして、算出した用紙Pの停止位置から、レジストローラ41または搬送ローラ71の挟持点を基準位置としてこの基準位置からベルトプラテン部43の反対側に存在する用紙Pの長さを算出する。そして、制御部8は、この算出した長さを超えない範囲で用紙Pを挟持しているローラを回転させた後に停止させ、挟持ローラによる用紙Pの挟持状態を維持するようにローラの回転を制御する。
ステップS7またはステップS9の後は、上述したステップS10へと進み、以後、印刷処理が完了するまで、処理が繰り返される。
なお、ステップS10では、制御部8は、操作パネル7の表示部に対して、ジャムエラー表示を行われる。これにより、ユーザは、ジャムエラー表示を確認して、画像形成装置1内に滞留している用紙Pを除去する作業を行うことで、ジャムを解除できる。
以上、説明したように、第1実施形態の画像形成装置1では、ジャム発生後の用紙搬送の停止時に搬送面51a上に滞留している用紙Pがあり、この用紙Pがベルトプラテン部43のすぐ上流またはすぐ下流に存在するローラ対で挟持されている状態で停止している場合、用紙Pを挟持している方のローラ対を回転させる。これにより、用紙Pの少なくとも一部と搬送面51aとの密着状態が解消され、用紙Pと搬送面51aとの間に隙間が形成される。ユーザはこの隙間を使って装置内に残留する用紙Pの除去作業を効率的に行うことが可能となる。
また、画像形成装置1では、制御部8が搬送停止時に用紙Pを挟持しているローラ対により用紙Pを搬送させることで、用紙Pと搬送面51aとの少なくとも一部の密着状態を解消し、用紙Pと搬送面51aとの間に隙間を形成させるので、ユーザによる用紙Pのジャム解除作業が容易になる。
(その他の変形例)
(その他の変形例)
上記第1の実施形態では画像形成手段としてインクジェット方式にて説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、電子写真方式や孔版方式等いずれのものでも適用することができる。
また、画像形成手段の直下にて記録媒体を搬送ベルトに密着させる手段として、吸引方式にて説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、駆動停止後も搬送ベルトと記録媒体とが密着状態が継続するものであれば適用可能である。例えば、本出願人が開示している特開2008−156049号公報、およびその公報の中の先行技術文献として記載されている特開2004−90533号公報、特開2000−247476号公報、特開2003−103857号公報等に記載されている静電搬送方式が挙げられる。なお、本明細書中で説明している残留負圧等の密着状態が継続するものを総称して残留吸着と呼ぶこととする。
なお、レジストローラ41または搬送ローラ71の挟持点を基準位置としてこの基準位置からベルトプラテン部43の反対側に存在する用紙Pの長さが所定の長さよりも短い場合、用紙Pを挟持しているローラを回転させたとしても残留負圧が解消できない場合がある。この場合には、制御部8は用紙Pを挟持しているローラを回転させるのではなく、ベルトプラテンモータ56により駆動ローラ52を回転させ、搬送ベルト51を駆動させることによって用紙Pを搬送させるようにする。この場合の搬送ベルト51の搬送方向は、用紙Pを挟持しているローラが搬送ローラ71であれば印刷処理時と同方向であり、用紙Pを挟持しているローラがレジストローラ41であれば印刷処理と逆方向である。これによっても用紙Pを挟持しているローラは回転させないので、搬送ベルト51によって搬送される用紙Pに作用している残留負圧の一部を解消することができる。
また、用紙Pの搬送停止時における搬送面51aと用紙Pとの密着状態を解消させるため、制御部8により搬送ベルト51または挟持搬送ローラ対(41または71)のいずれかを駆動させる処理を説明したが、これに限られない。例えば、制御部8によって搬送ベルト51と挟持搬送ローラ対(41または71)の双方を、速度差を持たせた状態で駆動するように制御しても良い。速度差を持たせることで用紙Pと搬送面51aとの間での密着状態を解消することができる。なお、この場合、搬送させる時間は共通としても良いし、一方が他方より長くなるように制御部8にて制御するようにしても良い。
また、制御部8によって、搬送ベルト51と挟持搬送ローラ対(41または71)との用紙Pの搬送量を異ならせるように制御しても良い。この場合、搬送ベルト51と挟持搬送ローラ対(41または71)との搬送量の関係は、同一方向への搬送量が異なるようにすれば良い。この制御によって、用紙Pと搬送面51aとの間に搬送停止時よりもより広い空間、すなわち隙間を形成することができる。なお、これらの処理を実行させる場合、搬送ベルト51と挟持搬送ローラ対の回転方向は双方とも同方向であっても、互いに逆方向であっても良い。搬送ベルト51および挟持搬送ローラ対の搬送速度、搬送量を制御することで、密着状態が解消すること、より好ましくは隙間を形成することができれば良いからである。なお、隙間を形成する際には、搬送処理を終了したときに用紙Pを挟持していたローラ対から用紙Pが抜けていないこと、すなわち挟持状態が維持されていることが必要である。
また、上述した実施例では、用紙Pが停止している状態として、ベルトプラテン部43(搬送ベルト51)と、これのすぐ上流または下流に存在するローラ対の間に跨った状態にて説明している。しかし、用紙Pがベルトプラテン部43、上流のローラ対であるレジストローラ41及び下流のローラ対である搬送ローラ71の3つに跨って停止している場合でも本願発明を適用することは可能である。この場合、制御部8により、搬送ベルト51を停止した状態でレジストローラ41を印刷処理と同方向に、搬送ローラ71を印刷処理時とは逆方向に回転させる等の処理を実行すれば良い。
また、制御部8により搬送ベルト51、挟持搬送ローラ対(41または71)の少なくともいずれかを駆動させる際の用紙Pの搬送量は、用紙Pの搬送方向におけるサイズや、用紙Pの厚さ、用紙Pの種類によって適宜、調整するように制御しても良い。画像形成手段としてインクジェットヘッド66を使用する場合には、密着状態が解消された用紙Pがインクジェットヘッド66に衝突することを避ける必要があるからである。
このように、発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことはもちろんである。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1 画像形成装置
2 給紙部
3 搬送部
4 上面搬送部
5 排紙部
6 反転部
7 操作パネル
8 制御部
43 ベルトプラテン部
44 ヘッドユニット
45 昇降駆動部
51 搬送ベルト
51a 搬送面
52 駆動ローラ
53〜55 従動ローラ
56 ベルトプラテンモータ
57 エンコーダ
58 プラテンプレート
59 チャンバ
60 ファン
61 ベルト穴
62 凹部
63 貫通穴
66 インクジェットヘッド
67 ヘッドホルダ
2 給紙部
3 搬送部
4 上面搬送部
5 排紙部
6 反転部
7 操作パネル
8 制御部
43 ベルトプラテン部
44 ヘッドユニット
45 昇降駆動部
51 搬送ベルト
51a 搬送面
52 駆動ローラ
53〜55 従動ローラ
56 ベルトプラテンモータ
57 エンコーダ
58 プラテンプレート
59 チャンバ
60 ファン
61 ベルト穴
62 凹部
63 貫通穴
66 インクジェットヘッド
67 ヘッドホルダ
本発明に係る画像形成装置の第2の特徴によれば、第1の特徴を有する画像形成装置において、記録媒体を挟持している搬送ローラ対を所定量駆動して記録媒体と搬送面との密着状態を解消させる場合に、所定量を搬送ローラ対による記録媒体の挟持状態が維持される量としている。これにより、搬送面と記録媒体との間にて搬送停止時よりもより大きな空間(隙間)を確実に形成することができ、この隙間を利用して装置内から記録媒体を容易に除去することが可能となるため、ユーザによるジャム解除の作業効率をさらに向上させることができる。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る印刷装置(画像形成装置)の概略構成図である。図2は、図1に示す印刷装置の制御ブロック図である。図3は、図1に示す印刷装置のベルトプラテン部の概略構成図である。図4は、図3に示すベルトプラテン部の搬送ベルトおよびプラテンプレートの部分拡大平面図である。以下の説明において、図1の紙面に直交する方向を前後方向とし、紙面表方向を前方とする。また、図1における紙面の上下左右を上下左右方向とする。
図1は、本発明の第1実施形態に係る印刷装置(画像形成装置)の概略構成図である。図2は、図1に示す印刷装置の制御ブロック図である。図3は、図1に示す印刷装置のベルトプラテン部の概略構成図である。図4は、図3に示すベルトプラテン部の搬送ベルトおよびプラテンプレートの部分拡大平面図である。以下の説明において、図1の紙面に直交する方向を前後方向とし、紙面表方向を前方とする。また、図1における紙面の上下左右を上下左右方向とする。
Claims (3)
- 記録媒体に対して画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部直下に配置され、前記用紙記録媒体を搬送面上に密着した状態にて下流側へ搬送する搬送部と、
前記搬送部の上流側または下流側の少なくともいずれかに配置され、前記搬送部と連動して前記記録媒体を挟持して搬送する搬送ローラ対と、
前記記録媒体の搬送エラーを検知する検知部と、
前記検知部により搬送エラーが検知されると、前記搬送部および前記搬送ローラ対による記録媒体の搬送動作を停止させる制御部と、を備え、
前記制御部は、駆動停止時において、前記記録媒体が前記搬送部と前記搬送ローラ対に跨って停止する場合、前記搬送部または前記記録媒体を挟持している搬送ローラ対のうちの少なくともいずれかを所定量駆動させ、前記記録媒体と前記搬送面との密着状態を解消させる
ことを特徴とする搬送画像形成装置。 - 前記制御部により前記搬送ローラ対を駆動させる場合の前記所定量は、当該所定量の搬送後においても前記搬送ローラ対による前記記録媒体の挟持状態が維持される量であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 記録媒体に対して画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部直下に配置され、前記用紙記録媒体を搬送面上に密着した状態にて下流側へ搬送する搬送部と、
前記搬送部の上流側または下流側の少なくともいずれかに配置され、前記搬送部と連動して前記記録媒体を挟持して搬送する搬送ローラ対と、
前記記録媒体の搬送エラーを検知する検知部と、
前記検知部により搬送エラーが検知されると、前記搬送部および前記搬送ローラ対による記録媒体の搬送動作を停止させる制御部と、を備え、
前記制御部は、駆動停止時において、前記記録媒体が前記搬送部と前記搬送ローラ対に跨って停止する場合、前記搬送部と前記記録媒体を挟持している搬送ローラ対とをこれらの同一方向への搬送量が同じになる搬送量以外の搬送量で駆動させ、前記記録媒体と前記搬送面との密着状態を解消させる
ことを特徴とする搬送画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015053120A JP2016172361A (ja) | 2015-03-17 | 2015-03-17 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015053120A JP2016172361A (ja) | 2015-03-17 | 2015-03-17 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016172361A true JP2016172361A (ja) | 2016-09-29 |
Family
ID=57009430
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015053120A Pending JP2016172361A (ja) | 2015-03-17 | 2015-03-17 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016172361A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021115791A (ja) * | 2020-01-28 | 2021-08-10 | 理想科学工業株式会社 | 画像形成装置 |
-
2015
- 2015-03-17 JP JP2015053120A patent/JP2016172361A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021115791A (ja) * | 2020-01-28 | 2021-08-10 | 理想科学工業株式会社 | 画像形成装置 |
JP7372725B2 (ja) | 2020-01-28 | 2023-11-01 | 理想科学工業株式会社 | 画像形成装置 |
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