JP2016172357A - 印刷制御装置および印刷制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】風紋抑制のための措置による効果を的確に発揮することが可能な印刷制御装置を提供する。
【解決手段】同一種類のインクを吐出可能な第1、第2ノズル列が並んだ印刷ヘッドをノズル列方向と交差する方向に沿って移動させつつノズルからインクを吐出させる印刷制御装置であって、奇数位置のラスター群と偶数位置のラスター群とのうち、一方のラスター群を、第1ノズル列と第2ノズル列とのうち移動時に先行するノズル列からのインク吐出により印刷し、他方のラスター群を、第1ノズル列と第2ノズル列とのうち移動時に後行となるノズル列からのインク吐出により印刷するに際し、第1の印刷モードを採用した場合の、先行のノズル列から吐出されるインク量に対する後行のノズル列から吐出されるインク量の比率を、第1の印刷モードとは異なる第2の印刷モードを採用した場合の比率よりも多くなるような第1ディザマトリックスを適用しハーフトーン処理する。
【選択図】図4

Description

本発明は、印刷制御装置および印刷制御方法に関する。
同一種類のインクを吐出可能な複数のノズルがノズル列方向へ並んだノズル列を複数列有する印刷ヘッドを用いて、印刷媒体へインクを吐出して印刷を行うインクジェットプリンターが知られている。インクジェットプリンターにおいては、あるノズルがインクを吐出した際、当該吐出に伴って当該ノズルの周辺に渦状の気流(渦気流)が発生することがある。このような渦気流は、周囲の他のノズルが吐出するインクに影響を及ぼす。具体的には、渦気流は、周囲の他のノズルが吐出するインクの軌道を乱し、印刷媒体上のインクの着弾位置にずれを生じさせ得る。このような着弾位置のずれは、印刷結果において色ムラとして視認され得る。渦気流等の乱れた気流に起因するインクの着弾位置ずれの結果生じる色ムラを、風紋とも呼ぶ。
なお、同色のインクを吐出する複数の記録素子列のうち、記録主走査の進行方向前方に位置する記録素子列の吐出回数が後方に位置する記録素子列の吐出回数より少なくなるように、画像データを割り振るインクジェット記録方法が知られている(特許文献1参照)。
特開2008‐143092号公報
上述した渦気流は、印刷ヘッドの移動によって相対的に発生する当該移動前方からの気流(向い風)により抑制される。従って、複数のノズル列のうち当該移動方向の前方に位置するノズル列のノズルがインクを吐出した際は、渦気流の成長が抑制され、上述したような風紋は生じにくい。一方、当該移動方向の後方に位置するノズル列のノズルがインクを吐出した際は、前方のノズル列によるインク吐出が一種の障壁(空気の壁)となって上述の移動前方からの気流が殆ど到達せず、そのため渦気流が成長し易い。つまり、当該移動方向の後方に位置するノズル列によって吐出されたインクは、渦気流の影響で着弾位置がずれ易く、結果、風紋を生じさせがちであった。
このような問題に対しては、前記文献1のように、前記移動方向の前方に位置するノズル列の吐出回数を少なくすることで、前記移動方向の後方に位置するノズル列によるインク吐出時の渦気流の成長を抑制することが考えられる。一方で、前方側および後方側のノズル列という複数のノズル列を同程度の比率で使用することで、画質が向上する(例えば、ノズル列方向における高い印刷解像度を実現できる)という側面がある。従って、風紋抑制のために前記移動方向の前方に位置するノズル列の吐出回数を少なくすることが、常に最良の結果を招く訳ではなかった。
本発明はこのような課題を鑑みてなされたものであり、風紋抑制のための措置による効果を的確に発揮することが可能な印刷制御装置および印刷制御方法を提供する。
本発明の態様の一つは、同一種類のインクを吐出可能な複数のノズルが所定のノズル列方向へ並んだ第1ノズル列と、当該同一種類のインクを吐出可能な複数のノズルが当該ノズル列方向へ並んだ第2ノズル列と、を少なくとも有する印刷ヘッドを、当該ノズル列方向と交差する主走査方向に沿って移動させつつノズルからインクを吐出させる印刷制御装置であって、
前記主走査方向を向くラスターラインであって前記ノズル列方向における奇数位置に対応するラスターラインの群と前記ノズル列方向における偶数位置に対応するラスターラインの群とのうち、一方のラスターラインの群を、前記第1ノズル列と第2ノズル列とのうち前記移動時に先行するノズル列からのインク吐出により印刷し、他方のラスターラインの群を、前記第1ノズル列と第2ノズル列とのうち前記移動時に後行となるノズル列からのインク吐出により印刷するに際し、第1の印刷モードを採用した場合の、前記先行のノズル列から吐出されるインク量に対する前記後行のノズル列から吐出されるインク量の比率を、当該第1の印刷モードとは異なる第2の印刷モードを採用した場合の当該比率よりも多くする。
当該構成によれば、先行のノズル列から吐出されるインク量に対する後行のノズル列から吐出されるインク量の比率を、印刷モードによって異ならせることができる。そのため、前記風紋が比較的生じ易い印刷モード(第1の印刷モード)のときに、先行のノズル列が吐出するインク量をより少なくすることで、後行のノズル列によるインク吐出時の渦気流の成長を抑制して前記風紋を的確に抑制することができる。
本発明の態様の一つは、前記第1の印刷モードは、インクの吐出を受ける印刷媒体を支持するプラテンから前記印刷ヘッドまでの距離であるプラテンギャップ(以下、PG)が前記第2の印刷モードにおける当該PGより広いモードである。
当該構成によれば、PGが広いために風紋が比較的生じやすい印刷モード(第1の印刷モード)のときに、風紋を的確に抑制することができる。
本発明の態様の一つは、前記第1の印刷モードは、インクの吐出を受ける印刷媒体として第1の印刷媒体を使用し、前記第2の印刷モードは、当該印刷媒体として第2の印刷媒体を使用し、前記第1の印刷媒体は、前記第2の印刷媒体よりもインクが滲み難い特性を有する。
当該構成によれば、インクが滲み難い第1の印刷媒体を使用するために風紋が比較的生じやすい印刷モード(第1の印刷モード)のときに、風紋を的確に抑制することができる。
本発明の態様の一つは、前記第1の印刷モードは、前記主走査方向における印刷解像度が前記第2の印刷モードにおける当該印刷解像度よりも高いモードである。
当該構成によれば、主走査方向の印刷解像度が高いために風紋が比較的生じやすい印刷モード(第1の印刷モード)のときに、風紋を的確に抑制することができる。
本発明の態様の一つは、印刷制御装置は、画像を構成する画素毎にインクの濃度を階調表現した画像データへ、画素毎に対応する複数のしきい値を有するディザマトリクスを適用して、画素毎にインクの吐出または非吐出を決定した印刷データを生成し、当該印刷データに従って各ノズルからのインク吐出を制御することにより前記印刷を実現するに際し、前記第1の印刷モードでは、前記第2の印刷モードで用いる前記ディザマトリクスと比較して、前記先行のノズル列で印刷される前記一方のラスターラインの群を表現する画素毎に対応する複数のしきい値よりも前記後行のノズル列で印刷される前記他方のラスターラインの群を表現する画素毎に対応する複数のしきい値の方に低い値を多く偏在させた前記ディザマトリクスを用いる、としてもよい。
当該構成によれば、印刷モードに応じて異なるディザマトリクスを用いることで、容易かつ確実に、先行のノズル列から吐出されるインク量に対する後行のノズル列から吐出されるインク量の比率を、印刷モードに応じて異ならせることができる。
本発明の態様の一つは、印刷制御装置は、前記印刷ヘッドによる前記主走査方向の往路の移動および復路の移動それぞれでインク吐出することにより前記印刷を実現するに際し、前記往路の移動における前記後行のノズル列で前記奇数位置に対応するラスターラインの群を印刷する場合には、前記復路の移動における前記後行のノズル列で前記偶数位置に対応するラスターラインの群を印刷し、前記往路の移動における前記後行のノズル列で前記偶数位置に対応するラスターラインの群を印刷する場合には、前記復路の移動における前記後行のノズル列で前記奇数位置に対応するラスターラインの群を印刷し、少なくとも前記第1の印刷モードでは、前記画像における前記往路移動で印刷する領域に適用する前記ディザマトリクスと、前記画像における前記復路移動で印刷する領域に適用する前記ディザマトリクスとを異ならせる、としてもよい。
当該構成によれば、第1の印刷モードでは、印刷ヘッドによる往路/復路いずれの移動に伴う印刷でも、先行のノズル列が吐出するインク量を少なくして前記風紋を抑制することができる。
本発明の態様の一つは、前記第1の印刷モードで用いる前記ディザマトリクスは、前記後行のノズル列で印刷される前記他方のラスターラインの群を表現する画素毎に対応する複数のしきい値は全て、前記先行のノズル列で印刷される前記一方のラスターラインの群を表現する画素毎に対応する複数のしきい値の全てより、低い値であるとしてもよい。
当該構成によれば、第1の印刷モードでは、インクの濃度がおよそ50%以下で表現されている画像は、基本的に後行のノズル列だけで印刷されることになり、前記風紋を的確に抑制することができる。
本発明の技術的思想は、印刷制御装置という物以外によっても実現される。例えば、本発明は、印刷制御装置が実行する工程を含んだ方法(印刷制御方法)、あるいは当該方法をコンピューターに実行させるコンピュータープログラム、さらには当該プログラムを記憶したコンピューター読み取り可能な記憶媒体、といった各種カテゴリーにて実現されてもよい。
本実施形態にかかる装置構成を例示するブロック図。 印刷制御処理を示すフローチャート。 印刷ヘッドの構成を例示する図。 印刷データ生成の処理を示すフローチャート。 ノズルと画素との対応関係の一例を示す図。 ディザマトリクスを模式的に例示する図。 印刷部の一部範囲を側面視したときの構成を簡易的に示す図。
以下では、各図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお各図面は、実施形態を説明するための例示に過ぎず、また互いに整合していないこともある。
1.装置の概略的説明:
図1は、本実施形態にかかる印刷制御装置10等の機能をブロック図により例示したものである。印刷制御装置10は、例えば、プリンターや、プリンターの機能を含んだ複合機、等といった製品として把握される。印刷制御装置10が、印刷媒体への印刷を実際に行う印刷部30と、印刷部30の挙動を制御するための一部の構成(例えば、後述する制御部11)とを含む構成であるとした場合、一部の構成を指して印刷制御装置10と称してもよい。また、印刷制御装置10を、印刷装置、画像処理装置、等と呼んでもよい。図1に示した各構成は、一箇所あるいは一筐体内に集約されている場合に限らず、それら各構成が互いに離れた場所に存在し且つ通信可能な状態でいることで一システムを構築していてもよい。例えば、印刷制御装置10は、印刷媒体への印刷を実際に行うプリンターと、当該プリンターの挙動を制御するためのコンピュータープログラム(プリンタードライバー)を搭載して当該プリンターを制御する装置(パーソナルコンピューター等)と、を含んで構成されるとしてもよい。
図1では、印刷制御装置10を、制御部11、操作入力部16、表示部17、通信インターフェイス(I/F)18、スロット部19、印刷部30、等を含む構成として例示している。制御部11は、例えば、CPU、ROM、RAM等を有するICや、その他の記憶媒体等により構成される。制御部11では、CPUが、ROM等に保存されたプログラムに従った演算処理を、RAM等をワークエリアとして用いて実行することにより、様々な処理(例えば、後述する印刷制御処理)を実現する。
操作入力部16は、ユーザーによる操作を受け付けるための各種ボタンやキー等を含む。表示部17は、印刷制御装置10に関する各種情報を示すための部位であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)により構成される。操作入力部16の一部は、表示部17に表示されたタッチパネルとして実現されるとしてもよい。
印刷部30は、画像を印刷媒体に印刷するための機構である。印刷部30が採用する印刷方式がインクジェット方式である場合、印刷部30は、印刷ヘッド31(図3参照)、印刷ヘッド31を所定の主走査方向に沿って移動(主走査)させるキャリッジ35、印刷媒体を主走査方向と交差する搬送方向に沿って搬送する搬送部36、等の構成を有する。
印刷ヘッド31は、複数種類のインク(例えば、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インク、ブラック(K)インク、等)毎の不図示のインクカートリッジから各種インクの供給を受ける。印刷ヘッド31は、各種インクに対応して設けられた複数のノズル34(図3参照)からインク(インク滴)を吐出(噴射)可能である。吐出されたインクが印刷媒体に着弾することで印刷媒体にドットが形成されて印刷が実現する。「ドット」とは、基本的には印刷媒体に着弾したインク滴を指すが、インク滴が印刷媒体に着弾する前の工程に関する説明においても、ドットという表現を適宜用いる。印刷部30が使用する液体の具体的な種類や数は上述したものに限られず、例えば、ライトシアン、ライトマゼンダ、オレンジ、グリーン、グレー、ライトグレー、ホワイト、メタリック…等、種々のインクや液体を使用可能である。
搬送部36は、印刷媒体を支持して搬送するためのローラーや当該ローラーを回転させるためのモーター(いずれも不図示)等を含んでいる。印刷媒体は、代表的には紙である。ただし、本実施形態は、液体を記録可能であって搬送部36により搬送可能な素材であれば、紙以外の素材も印刷媒体の概念に含める。
通信I/F18は、印刷制御装置10を外部機器100と有線あるいは無線にて接続するためのインターフェイスの総称である。外部機器100としては、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、デジタルスチルカメラ、パーソナルコンピューター(PC)等、印刷制御装置10にとって画像データの入力元となる様々な機器が該当する。印刷制御装置10は、通信I/F18を介して外部機器100と、例えば、USBケーブル、有線ネットワーク、無線LAN、電子メール通信等の様々な手段や通信規格により接続可能である。
スロット部19は、メモリーカード等の外部の記憶媒体を挿入するための部位である。つまり印刷制御装置10は、スロット部19に挿入されたメモリーカード等の外部の記憶媒体から、当該記憶媒体に記憶されている画像データを入力することも可能である。
図2は、制御部11が実行する印刷制御処理をフローチャートにより示している。制御部11は、画像データを入力すると(ステップS100)、当該画像データから印刷データを生成するための画像処理を実行する(ステップS200)。画像データのフォーマットは種々考えられるが、例えば、画素毎にRGB(レッド、グリーン、ブルー)で階調表現されたデータである。制御部11は、画像データに対し、解像度変換処理、色(表色系)変換処理、ハーフトーン処理といった画像処理を適宜施すことにより、印刷対象の画像を複数の画素でドットのパターンにより表現する印刷データを生成する。
ドットのパターン(ドットパターン)とは、ドットのオン(ドット形成つまりインク吐出)・オフ(ドット非形成つまりインク非吐出)の配列であり、画素毎のドットのオン・オフを規定しているとも言える。例えば、印刷ヘッド31が、CMYKインクを吐出するものである場合、印刷データは、CMYK毎の、画素毎のドットのオン・オフを規定したデータを含んでいる。なお、ステップS200の詳細については後述する。
制御部11は、このような印刷データを構成する各画素について、割り当て先のノズル34を決定し、当該決定に応じて印刷ヘッド31に転送するための所定の並びに並び替えた上で印刷ヘッド31へ転送する出力処理を行う(ステップS300)。このような各画素のノズル34への割り当てにより、印刷データを構成する各画素のドットは、そのインク色および画素位置に応じて、印刷ヘッド31のいずれのノズル34によって、何番目の主走査で、主走査中のどのタイミングで吐出されるかが確定される。
印刷ヘッド31は、転送された印刷データに基づいて各ノズル34を駆動する。例えば、印刷ヘッド31へは、制御部11により、各ノズル34を駆動するための駆動信号(パルスの一種)が与えられるとする。詳しい説明は省略するが、印刷ヘッド31においては、印刷データが表現する画素毎のドットのオン・オフの情報に応じて、ノズル34毎に設けられた駆動素子への前記駆動信号の印加をスイッチングする。これにより、各ノズル34は、自身に割り当てられた画素の情報に従ったインク吐出・非吐出を実現する。
図3は、印刷ヘッド31の構成等を簡易的に例示している。図3には、印刷ヘッド31のインク吐出面31aにおけるノズル34の配列を印刷ヘッド31の上方からの視点で例示している。図3(および後述の図5)では、1つ1つのノズル34を丸で示している。インク吐出面31aとは、ノズル34が開口する面であり、搬送部36により搬送方向に沿って搬送される印刷媒体Sと相対する面である。図3において、方向D1は主走査方向に該当し、方向D2は搬送方向に該当する。基本的には、主走査方向D1と搬送方向D2は直交している。
図3の例では、印刷ヘッド31は、インクの色毎のノズル列33C,33M,33Y,33Kを有する。ノズル列33C,33M,33Y,33Kはいずれも、2列以上存在する。ノズル列33Cは、Cインクを吐出するための複数のノズル34が所定のノズル列方向D3へ所定間隔(一定のノズルピッチNP)で並ぶノズル列である。同様に、ノズル列33Mは、Mインクを吐出するための複数のノズル34がノズル列方向D3へノズルピッチNPで並ぶノズル列であり、ノズル列33Yは、Yインクを吐出するための複数のノズル34がノズル列方向D3へノズルピッチNPで並ぶノズル列であり、ノズル列33Kは、Kインクを吐出するための複数のノズル34がノズル列方向D3へノズルピッチNPで並ぶノズル列である。
ノズル列が向くノズル列方向D3は、主走査方向D1に交差している。印刷部30の設計にも依るが、ノズル列方向D3は、主走査方向D1に対して直交していたり直交(90度)ではない斜めの角度で交差していたりする。図3の例では、ノズル列方向D3は、主走査方向D1に直交している。従って図3の例では、ノズル列方向D3と搬送方向D2は平行である。なお本明細書において、直交、平行、一定、等と本来厳密に解される表現を使用した場合であっても、それらは厳密な直交、平行、一定のみを意味するのではなく、製品性能上許容される程度の誤差や製品製造時に生じ得る程度の誤差も含む意味である。
主走査方向D1を便宜上、左右方向と呼んだ場合、ノズル列33C,33M,33Y,33Kは左右対称な状態で並んでいる。図3の例では、主走査方向D1の左側LSから右側RSに沿って、ノズル列33Y、ノズル列33M、ノズル列33C、ノズル列33K、ノズル列33K、ノズル列33C、ノズル列33M、ノズル列33Y、という順序で8列のノズル列が配置されている。同一種類のインクを吐出するノズル列の組み合わせ(以下、同色ノズル列群とも呼ぶ。)に注目したとき、同色ノズル列群における一方のノズル列を第1ノズル列と呼び、他方のノズル列を第2ノズル列と呼ぶ。以下では便宜上、図3に示した8列のノズル列のうち、左側LSの4列がそれぞれ第1ノズル列に該当し、右側RSの4列がそれぞれ第2ノズル列に該当するものとする。
Cインクにかかる同色ノズル列群のうち、第1ノズル列に該当するものをノズル列33C1、第2ノズル列に該当するものをノズル列33C2とも表記する。同様に、Mインクにかかる同色ノズル列群のうち、第1ノズル列に該当するものをノズル列33M1、第2ノズル列に該当するものをノズル列33M2と表記し、Yインクにかかる同色ノズル列群のうち、第1ノズル列に該当するものをノズル列33Y1、第2ノズル列に該当するものをノズル列33Y2と表記し、Kインクにかかる同色ノズル列群のうち、第1ノズル列に該当するものをノズル列33K1、第2ノズル列に該当するものをノズル列33K2と表記する。
同色ノズル列群を構成する第1ノズル列と第2ノズル列は、互いの位置がノズル列方向D3においてノズルピッチNPの半分の距離だけずれた状態で配置されている。従って、同色ノズル列群による搬送方向D2におけるノズル解像度(1インチあたりのノズル数)は、第1ノズル列または第2ノズル列いずれか単独による搬送方向D2におけるノズル解像度の倍である。図3の例のように、ノズル列方向D3と搬送方向D2が平行である場合は、同色ノズル列群による搬送方向D2におけるノズルピッチは、NP/2となる。
印刷ヘッド31を搭載したキャリッジ35は、不図示のキャリッジモーターによる動力を受けて、主走査方向D1と平行に移動する。印刷ヘッド31はキャリッジ35と共に移動しつつ印刷媒体Sへインクを吐出することにより印刷を実現する。主走査方向D1の一端側から他端側までの当該移動、あるいは主走査方向D1の他端側から一端側までの当該移動に伴って印刷ヘッド31がインクを吐出する処理を1回の「主走査」あるいは「パス」とも呼ぶ。このような構成によれば、印刷制御装置10は、同一種類のインクを吐出可能な複数のノズル34がノズル列方向D3へ並んだ第1ノズル列と、当該同一種類のインクを吐出可能な複数のノズル34がノズル列方向D3へ並んだ第2ノズル列と、を少なくとも有する印刷ヘッド31を、ノズル列方向D3と交差する主走査方向D1に沿って移動させつつノズル34からインクを吐出させる、と言える。
以下では説明の便宜上、左側LSを主走査方向D1の一端側、右側RLを主走査方向D1の他端側とし、キャリッジ35(印刷ヘッド31)による左側LSから右側RSへの移動を往路移動、右側RSから左側LSへの移動を復路移動と定義する。むろん、往路、復路の定義は逆であってもよい。また、第1ノズル列と第2ノズル列とのうち、印刷ヘッド31の移動時に先行する(移動の際に前方となる)ノズル列を先行ノズル列と呼び、当該移動時に後行となる(移動の際に後方となる)ノズル列を後行ノズル列と呼ぶ。先行ノズル列と後行ノズル列の位置関係は、当然に、往路移動と復路移動で入れ替わる。例えば、Cインクにかかる同色ノズル列群であれば、図3から判るように、往路移動では、ノズル列33C2(第2ノズル列)が先行ノズル列、ノズル列33C1(第1ノズル列)が後行ノズル列となる。逆に、復路移動では、ノズル列33C1(第1ノズル列)が先行ノズル列、ノズル列33C2(第2ノズル列)が後行ノズル列となる。他のインクにかかる同色ノズル列群においても同様の考えが適用される。
2.印刷データの生成:
図4は、図2におけるステップS200(印刷データ生成)の詳細をフローチャートにより示している。
ステップS210では、制御部11は、画像データに解像度変換処理を施すことにより、横縦それぞれの解像度(dpi)を、印刷部30が採用する主走査方向D1、搬送方向D2それぞれの印刷解像度に合わせる。
次に、ステップS220では、制御部11は、ステップS210の後の画像データに色変換処理を施すことにより、画素毎にCMYKインクの各濃度を階調(例えば、0〜255の256階調)で表現した画像データへ変換する。当該色変換処理は、RGBとCMYKとの変換関係を規定して予め所定のメモリーに保存されたルックアップテーブル等を参照することにより実施可能である。
ステップS230では、制御部11は、現在設定されている印刷モードが、第1の印刷モードであるか第2の印刷モードであるか判定し、第1の印刷モードであればステップS240に進み、第2の印刷モードであればステップS250に進む。
ここで、第1の印刷モードとは、風紋が生じ易い印刷モードを意味し、第2の印刷モードとは、(少なくとも第1の印刷モードよりは)風紋が生じ難い印刷モードを意味する。印刷モードとは、印刷の実行に際して印刷部30が採用する挙動であり、印刷モードが異なれば当該挙動も異なる。
ユーザーは、例えば、表示部17に表示されたユーザーインターフェイス(UI)画面を見ながら操作入力部16を操作することにより、印刷モードを任意に設定可能であり、制御部11は、当該設定された印刷モードに対応した印刷部30の挙動による印刷を実行させる。ユーザーは、例えば、UI画面におけるメニュー(画質に関する「きれい(高精細)」、「ふつう」等のメニュー、印刷媒体の選択に関する「普通紙」、「光沢紙」、「封筒」等のメニュー、「片面印刷」か「両面印刷」を選択するメニュー…等)の中から所望の条件を選択することで、印刷モードを簡単に設定することが出来る。
なお、第1の印刷モードと第2の印刷モードとの具体的な違いについては後に説明するとして、ここでは図4のフローチャートの説明を続ける。
制御部11は、ステップS240,S250のいずれにおいても、ステップS220の後の画像データにハーフトーン処理を施すことにより印刷データを生成する。ハーフトーン処理は、ディザマトリクスを用いたディザ法により実行する。つまり、画像を構成する画素毎にCMYKインクの濃度を階調表現した画像データへ、画素毎に対応する複数のしきい値を有するディザマトリクスを適用して、画素毎にインクの吐出または非吐出を決定した印刷データを生成する。この場合、ある画素のある色のインクの濃度を示す階調値が、ディザマトリクスにおける当該画素に対応するしきい値よりも高ければ当該画素の当該色のインクの吐出(ドットオン)が決定され、この対応するしきい値以下であれば当該画素の当該色のインクの非吐出(ドットオフ)が決定される。ステップS240とステップS250は、用いるディザマトリクスが異なる。以下では、ステップS240で用いる、つまり第1の印刷モードである場合に採用するディザマトリクスを第1ディザマトリクス、ステップS250で用いる、つまり第2の印刷モードである場合に採用するディザマトリクスを第2ディザマトリクス、とそれぞれ称する。ディザマトリクスは、例えば予め所定のメモリーに保存されている。
第1ディザマトリクス、第2ディザマトリクスについて説明する前に、ノズル34とノズル34に割り当てられる画素との関係を説明する。
図5は、ノズル34とノズル34に割り当てられる画素との対応関係の一例を示している。図5では、図3に示した複数のノズル列のうち1つの同色ノズル列群(一例として、Kインクにかかる同色ノズル列群を構成するノズル列33K1,33K2)を抜き出して示しており、かつ、ステップS220で得られた画像データのうち当該ノズル列33K1,33K2に割り当てられる画像データKID(Kインクの濃度を画素毎に階調表現した画像データ)の一部を示している。画像データは、主走査方向D1および搬送方向D2へそれぞれ対応して並ぶ複数の画素PXにより構成される。説明の便宜上、画像データを構成する画素の並びの向きを、方向D1,D2により表現することがあるが、これはあくまで印刷部30による印刷実行時における画像の向きと方向D1,D2との対応(一致)関係に基づいている。図3および図5では、1つのノズル列を構成するノズル34の数は8個であるが、それらはいずれも例示に過ぎず、実際には1つのノズル列はもっと多くの(例えば180個程度の)ノズル34で構成される。
図5では、印刷部30が印刷方法として、双方向によるバンド印刷を採用する場合の、ノズル34と画素の割り当ての関係を示している。まず、双方向による印刷(双方向印刷)とは、往路移動および復路移動の両方でインク吐出する印刷を意味する。また、バンド印刷とは、概略的には同色ノズル列群を構成するノズル34の数(図3,5では8×2=16個)分のラスターラインの束(バンド)を、印刷ヘッド31の1回のパスで印刷し、このようなパスと当該バンドの搬送方向D2における長さ分(所定距離)の印刷媒体Sの搬送(紙送り)とを交互に繰り返す印刷方法である。従って、双方向によるバンド印刷では、往路移動のパスによるある1つのバンドの印刷→紙送り→復路移動のパスによる次のバンドの印刷→紙送り→往路移動のパスによる次のバンドの印刷…という処理が繰り返される。
ラスターラインとは、主走査方向D1に沿って連続する複数の画素PXの集合(以下、画素行とも言う。)で表現される領域であり、バンド印刷では1つのラスターラインを1つのノズル34で印刷する。むろん、印刷部30が採用し得る印刷方法は双方向によるバンド印刷に限定されないが、どのような印刷方法であっても印刷方法が定まっていれば、制御部11は、画像データを構成するどの画素をどのノズル34に割り当てるべきかを決定することができる。図5では、印刷ヘッド31によるパス(1番目のパス、2番目のパス…)毎に同色ノズル列群の位置(搬送方向D2における画像データKIDとの相対的な位置)が変化することも示している。むろん、実際は印刷ヘッド31が搬送方向D2に沿って移動することは無く、パスが終わる度に、印刷媒体Sが搬送部36によって前記所定距離だけ搬送方向D2へ紙送りされて、次のパスで印刷すべきバンドにかかる画素の情報がノズル34へ割り当てられる。
さらに図5では、説明の便宜上、搬送方向D2に沿って1つ1つの画素行へ、符号o,eを交互に付している。符号oを付した画素行は、例えば搬送方向D2前方側から数えて1番目、3番目、5番目…の各画素行であり、画像データ内で搬送方向D2(あるいはノズル列方向D3)における奇数位置に対応するラスターライン(奇数位置ラスターライン)に相当する。一方、符号eを付した画素行は、画像データ内で搬送方向D2(あるいはノズル列方向D3)における偶数位置に対応するラスターライン(偶数位置ラスターライン)に相当する。図5の例によれば、往路移動のパスでは、先行ノズル列(ノズル列33K2)によって奇数位置ラスターラインの群が印刷され、後行ノズル列(ノズル列33K1)によって偶数位置ラスターラインの群が印刷される。一方、復路移動のパスでは、先行ノズル列(ノズル列33K1)によって偶数位置ラスターラインの群が印刷され、後行ノズル列(ノズル列33K2)によって奇数位置ラスターラインの群が印刷される。
さらに図5では、各画素行を、ハッチングを施した矩形(画素PX)で示す画素行と、ハッチングを施していない矩形(画素PX)で示す画素行とに分けている。ハッチングの無い画素行は、先行ノズル列によって印刷されるラスターラインの群(特許請求の範囲における、一方のラスターラインの群)を指し、ハッチングで示した画素行は、後行ノズル列によって印刷されるラスターラインの群(特許請求の範囲における、他方のラスターラインの群)を指す。往路移動と復路移動とでは、同色ノズル列群の中で先行ノズル列と後行ノズル列とが入れ替わることから、往路移動時に後行ノズル列で偶数位置ラスターラインの群を印刷すれば、復路移動時には後行ノズル列で奇数位置ラスターラインの群を印刷することになる(同様に、往路移動時に後行ノズル列で奇数位置ラスターラインの群を印刷すれば、復路移動時には後行ノズル列で偶数位置ラスターラインの群を印刷することになる)。
図6Aおよび図6Bは、いずれもステップS240で用いる第1ディザマトリクスを模式的に例示している。図6Aに示すディザマトリクスDM1(第1ディザマトリクスの一種)は、Kインクにかかる画像データのうち往路移動のパスで印刷する画像領域(例えば、図5に示した画像データKIDの上半分の領域)に適用するためのディザマトリクスである。一方、図6Bに示すディザマトリクスDM2(第1ディザマトリクスの一種)は、Kインクにかかる画像データのうち復路移動のパスで印刷する画像領域(例えば、図5に示した画像データKIDの下半分の領域)に適用するためのディザマトリクスである。ディザマトリクスDM1,DM2を構成する矩形毎に1つのしきい値が格納されている。
知られているように、ディザマトリクスは、多階調表現されたインクの濃度を2値化するための異なる複数のしきい値を2次元状に配列させたマトリクスである。上述したようにステップS220で得られる画像データの各画素が、インクの濃度を256階調で表現する場合、ディザマトリクスは、例えば、0〜255までの各数値(各しきい値)を2次元状に配列させている。
ここで、第1ディザマトリクス(ディザマトリクスDM1,DM2)は、ステップS250で用いる第2ディザマトリクスと比較して、先行ノズル列で印刷されるラスターラインの群を表現する画素毎に対応する複数のしきい値よりも後行ノズル列で印刷されるラスターラインの群を表現する画素毎に対応する複数のしきい値の方に低い値を多く偏在させたディザマトリクスである。図6に示すように、ディザマトリクスDM1,DM2についても図5に倣って、説明の便宜上、奇数番目の行に符号oを付し、偶数番目の行に符号eを付している。また、ディザマトリクスDM1,DM2において、ハッチングの無い各行は、先行ノズル列で印刷されるラスターラインの群を表現する各画素行に適用(重畳)される行(先行ノズル適用行)であり、ハッチングが施された各行は、後行ノズル列で印刷されるラスターラインの群を表現する各画素行に適用(重畳)される行(後行ノズル適用行)である。図6Aに示したように、ディザマトリクスDM1においては偶数番目の行が後行ノズル適用行である。逆に、図6Bに示したように、ディザマトリクスDM2においては奇数番目の行が後行ノズル適用行である。
ディザマトリクスDM1,DM2では、例えば、0〜255までのしきい値を低階調範囲(0〜127の各しきい値)と高階調範囲(128〜255の各しきい値)とに分けて、低階調範囲の各しきい値を後行ノズル適用行内に限定してランダムに配列させ、高階調範囲の各しきい値を先行ノズル適用行内に限定してランダムに配列させた構成となっている。これにより、ディザマトリクスDM1,DM2は、相対的に低いしきい値が後行ノズル適用行に偏在した状態となる。このようにディザマトリクスDM1,DM2はいずれも、相対的に低いしきい値を後行ノズル適用行に偏在させたものであるが、後行ノズル適用行の位置が、一方は偶数番目の行であり他方は奇数番目の行であるため、それらは異なるディザマトリクスである。
一方、ステップS250で用いる第2ディザマトリクスは、上述したようなしきい値の偏在が無い(あるいは少ない)ディザマトリクスである。例えば、第2ディザマトリクスは、先行ノズル適用行か後行ノズル適用行かを区別することなく0〜255までのしきい値をマトリクス内にランダムに配列させたものである。従って、第2ディザマトリクスについて、先行ノズル適用行内のしきい値の平均値と、後行ノズル適用行内のしきい値の平均値とを算出した場合、当該2つの平均値は、同じ値となることは稀であるにしても、かなり近い値となる。つまり、第2ディザマトリクスにおいては、先行ノズル列で印刷されるラスターラインの群を表現する画素毎に対応する複数のしきい値、後行ノズル列で印刷されるラスターラインの群を表現する画素毎に対応する複数のしきい値、それぞれに低階調範囲に属するしきい値と高階調範囲に属するしきい値とがほぼ万遍なく含まれている。
ステップS240において、制御部11は、ディザマトリクスDM1を画像データKIDの往路移動のパスで印刷される画像領域へ適用することにより、この画像領域を構成する各画素のKインクの濃度を2値化する。同様に、制御部11は、ディザマトリクスDM2を画像データKIDの復路移動のパスで印刷される画像領域へ適用することにより、この画像領域を構成する各画素のKインクの濃度を2値化する。このような第1ディザマトリクス(ディザマトリクスDM1,DM2)を適用したハーフトーン処理により印刷データが生成される。一方、ステップS250においては、制御部11は、第2ディザマトリクスを画像データKIDへ適用することにより各画素のKインクの濃度を2値化する。このような第2ディザマトリクスを適用したハーフトーン処理により印刷データが生成される。
ステップS240またはステップS250では、当然に、ステップS220で得られた画像データのうちノズル列33C1,33C2に割り当てられる画像データ(Cインクの濃度を画素毎に階調表現した画像データ)、ノズル列33M1,33M2に割り当てられる画像データ(Mインクの濃度を画素毎に階調表現した画像データ)、ノズル列33Y1,33Y2に割り当てられる画像データ(Yインクの濃度を画素毎に階調表現した画像データ)、それぞれについてもハーフトーン処理を実行する。ステップS240では、このようなCMYKインクにかかる各画像データそれぞれに対し、往路移動のパスで印刷する画像領域に適用するためのディザマトリクス、復路移動のパスで印刷する画像領域に適用するためのディザマトリクスをそれぞれ用いる必要がある。ただし、図3の例を参照すると、Mインクにかかるノズル列33M1,33M2は、ノズル列方向D3における第1ノズル列と第2ノズル列との相対的な位置関係がKインクにかかるノズル列33K1,33K2と同じである(右側RSの第2ノズル列の方が、搬送方向D2の前方側へNP/2だけずれている)。従って、Mインクにかかる画像データに適用する第1ディザマトリクスとしては、往路移動のパスで印刷する画像領域用にディザマトリクスDM1を採用し、復路移動のパスで印刷する画像領域用にディザマトリクスDM2を採用することができる。
一方、Cインクにかかるノズル列33C1,33C2、そしてYインクにかかるノズル列33Y1,33Y2は、ノズル列方向D3における第1ノズル列と第2ノズル列との相対的な位置関係がKインクにかかるノズル列33K1,33K2と逆である(左側LSの第1ノズル列の方が、搬送方向D2の前方側へNP/2だけずれている)。従って、Cインクにかかる画像データおよびYインクにかかる画像データに適用する第1ディザマトリクスとしては、往路移動のパスで印刷する画像領域用にディザマトリクスDM2を採用し、復路移動のパスで印刷する画像領域用にディザマトリクスDM1を採用することができる。
なおステップS250では、CMYKインクにかかる各画像データに第2ディザマトリクスを適用すればよい。
ステップS240のハーフトーン処理で生成された印刷データにおいては、上述したような第1ディザマトリクス内でのしきい値の偏在に起因し、先行ノズル列で印刷されるラスターラインの群を表現する画素のうちドットオンが決定された画素の数よりも、後行ノズル列で印刷されるラスターラインの群を表現する画素のうちドットオンが決定された画素の数の方が多い。従って、ステップS240のハーフトーン処理で生成された印刷データに従って印刷ヘッド31がインク吐出を実行した場合は、後行ノズル列から吐出されるインク量>先行ノズル列から吐出されるインク量、が成り立つ。ここで言うインク量とは、例えば、ノズル列から吐出されるドット数×1ドットあたりのインク体積(或いは重量)で求められる。一方、ステップS250のハーフトーン処理で印刷データを生成する場合は、上述したようなしきい値の偏在が第2ディザマトリクスに無い(殆ど無い)。そのため、先行ノズル列と後行ノズル列とは、それぞれ同程度使用され、後行ノズル列から吐出されるインク量と先行ノズル列から吐出されるインク量とに生じる差は微量である。つまり、第1の印刷モードを採用した場合の、先行ノズル列から吐出されるインク量に対する後行ノズル列から吐出されるインク量の比率は、第2の印刷モードを採用した場合の当該比率よりも多くなる。
3.第1および第2の印刷モードの例:
次に、第1の印刷モードと第2の印刷モードについて幾つかの例を示す。
《実施例1》
印刷媒体Sを支持するプラテン32から印刷ヘッド31までの距離であるPGが第2の印刷モードにおける当該PGより広い印刷モードは、第1の印刷モードの1つに該当する。
図7は、印刷部30の一部範囲を側面視したときの構成を簡易的に示している。印刷部30では、印刷ヘッド31のインク吐出面31aと相対するようにプラテン32が設けられている。印刷媒体Sは、搬送部36により搬送方向D2に沿ってプラテン32上へ搬送される。図7においては、主走査方向D1は当該図の紙面に垂直な方向である。印刷部30は、知られているようにキャリッジ35の高さ方向の位置を調整する等によりプラテン32から印刷ヘッド31(インク吐出面31a)までの高さ、つまりPGを調整可能である。
例えば、制御部11は、両面印刷が設定されたり、印刷媒体Sとして比較的厚みのある媒体(例えば、封筒)が設定されたりした場合、印刷ヘッド31のインク吐出面31aと印刷媒体Sとの接触を回避するために、印刷部30に、PGの設定を通常のPG(以下、PG2)よりも広いPG(以下、PG1)へ変更させる。従って、PG2を採用する印刷モードが第2の印刷モードの一例に該当し、PG2よりも広いPG1を採用する印刷モードが、風紋が生じ易い印刷モードつまり第1の印刷モードの一例に該当する。PGが広い程、ノズル34から吐出されて印刷媒体Sに着弾するまでのインクの滞空時間が長くなり易いため、吐出されたインクは渦気流等の影響で着弾位置がずれ易い(結果、風紋が生じ易い)。当該実施例1によれば、制御部11は、PG1を採用する印刷モードであれば、第1ディザマトリクスを適用したハーフトーン処理を実行し(ステップS240)、PG2を採用する印刷モードであれば、第2ディザマトリクスを適用したハーフトーン処理を実行する(ステップS250)。
《実施例2》
使用する印刷媒体S(第1の印刷媒体)が第2の印刷モードで使用する印刷媒体S(第2の印刷媒体)よりインクが滲み難い特性を有する印刷モードは、第1の印刷モードの1つに該当する。インクの滲み易さ/滲み難さは、風紋の程度に影響を与える。渦気流等の影響でインクの着弾位置にずれが生じた場合、インクが滲み易い印刷媒体S上では、着弾したインクが比較的広範囲に拡がる(滲む)ことで色ムラが抑制される(風紋が視認され難い)が、インクが滲み難い印刷媒体S上では、着弾したインクがあまり拡がらないために風紋が視認され易い。例えば、光沢紙は、比較的インクが滲み難いため、第1の印刷媒体に該当し、普通紙は、比較的インクが滲み易いため、第2の印刷媒体に該当する。
従って、普通紙を印刷媒体Sとして採用する印刷モードが第2の印刷モードの一例に該当し、光沢紙を印刷媒体Sとして採用する印刷モードが第1の印刷モードの一例に該当する。ただし、第1の印刷媒体、第2の印刷媒体の具体例は、光沢紙、普通紙に限定されない。制御部11は、印刷部30が使用可能な複数種類の印刷媒体Sを、それらの特性に応じて第1の印刷媒体と第2の印刷媒体とに分別した情報を有しているものとする。当該実施例2によれば、制御部11は、第1の印刷媒体に含まれるいずれかの印刷媒体Sを採用する印刷モードであれば、第1ディザマトリクスを適用したハーフトーン処理を実行し(ステップS240)、第2の印刷媒体に含まれるいずれかの印刷媒体Sを採用する印刷モードであれば、第2ディザマトリクスを適用したハーフトーン処理を実行する(ステップS250)。
《実施例3》
主走査方向D1の印刷解像度(第1の印刷解像度)の設定が第2の印刷モードにおける主走査方向D1の印刷解像度(第2の印刷解像度)の設定よりも高い印刷モードは、第1の印刷モードの1つに該当する。主走査方向D1の印刷解像度は、風紋の発生に影響を与える。当該印刷解像度が高い程、1つのノズル34がインクの吐出をしてから次の吐出をするまでの時間が短くなり易いため、ノズル34から吐出されたインクは、先に実行されたインク吐出の際に生じた渦気流の影響をより強く受けて着弾位置がずれ易い(結果、風紋が生じ易い)。
印刷部30は、主走査方向D1の印刷解像度として、例えば、720dpi、1440dpi等といった複数の印刷解像度の中から1つの設定を採用可能である。制御部11は、例えば、画質に関して前記「きれい(高精細)」が選択された場合、印刷部30に、主走査方向D1の印刷解像度(第1の印刷解像度)として、画質に関して前記「ふつう」が選択された場合に採用させる主走査方向D1の印刷解像度(第2の印刷解像度)よりも高い値を採用させる。従って、画質に関して前記「きれい(高精細)」が選択された場合の印刷モードが第1の印刷モードの一例に該当し、画質に関して前記「ふつう」が選択された場合の印刷モードが第2の印刷モードの一例に該当する。
制御部11は、例えば、主走査方向D1の印刷解像度に関する所定のしきい値を有し、当該しきい値よりも高い解像度を第1の印刷解像度、当該しきい値よりも低い解像度を第2の印刷解像度とする。そして、当該実施例3によれば、制御部11は、主走査方向D1の印刷解像度として第1の印刷解像度を採用する印刷モードであれば、第1ディザマトリクスを適用したハーフトーン処理を実行し(ステップS240)、主走査方向D1の印刷解像度として第2の印刷解像度を採用する印刷モードであれば、第2ディザマトリクスを適用したハーフトーン処理を実行する(ステップS250)。
4.まとめ:
このように本実施形態によれば、先行ノズル列から吐出されるインク量に対する後行ノズル列から吐出されるインク量の比率を、印刷モードによって異ならせることができる。そのため、風紋が比較的生じ易い第1の印刷モードのときに、そうではない印刷モード(第2の印刷モード)のときと比較して、当該比率を多くすることができる。少なくとも第1の印刷モードでは、後行ノズル列から吐出されるインク量>先行ノズル列から吐出されるインク量とする。これにより、後行ノズル列がインク吐出する際に、印刷ヘッド31の移動前方からの気流を阻害する要因となる空気の壁(先行ノズル列によるインク吐出に伴い生じる空気の壁)が減り、後行ノズル列がインク吐出した際の渦気流の発生が的確に抑制される。この結果、風紋が生じ易い第1の印刷モードにおいて、後行ノズル列が吐出するインクの着弾位置のずれが抑制されて風紋の少ない良好な印刷結果が得られる。
一方、風紋が生じ難い第2の印刷モードにおいては、後行ノズル列から吐出されるインク量>先行ノズル列から吐出されるインク量、とするための処理は必要性が低いため基本的に行わない。そのため、風紋が生じ難い状況でわざわざ先行ノズル列と後行ノズル列との使用比率に偏りを持たせて画質を不要に低下させてしまう、という事態を回避できる。
5.変形例:
本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば後述するような変形例を採用可能である。上述の実施形態や変形例を適宜組み合わせた構成も本発明の開示範囲に入る。以下の変形例の説明においては、上述の実施形態と共通の事項は説明を適宜省略する。
《変形例1》
ステップS240で用いる第1ディザマトリクス(ディザマトリクスDM1,DM2)は、例えば0〜255までのしきい値を半分に分けた場合の低階調範囲(0〜127の各しきい値)を後行ノズル適用行内に限定して配列させ、高階調範囲(128〜255の各しきい値)を先行ノズル適用行内に限定して配列させた構成であった。このような第1ディザマトリクスは、50%以下のインク濃度の画素(0〜255の階調範囲のうち低位側50%の範囲(0〜127)のいずれかの階調値を有する画素)で表現された画像であれば、形成すべきドットを全て後行ノズル列で形成させる。このような第1ディザマトリクスを、デューティー(インク濃度)50%の偏在に対応するディザマトリクスとも呼ぶ。デューティー50%の偏在に対応するディザマトリクスは、後行ノズル適用行に低位側のしきい値を最大限偏在させたディザマトリクスである。
変形例1では、このような偏在の程度を、風紋の生じ易さに応じて可変とすることを提示する。具体的には、デューティー50%の偏在に対応するディザマトリクスの他にも、デューティー40%の偏在に対応するディザマトリクス、デューティー30%の偏在に対応するディザマトリクス…といった複数のディザマトリクスを使用し得る。デューティー40%の偏在に対応するディザマトリクスとは、0〜255までのしきい値の低位側40%程度(例えば、0〜102の各しきい値)を後行ノズル適用行内に限定して配列させ、残りのしきい値(103〜255の各しきい値)を後行ノズル適用行内のしきい値未格納位置および先行ノズル適用行内に限定して配列させた構成である。また、デューティー30%の偏在に対応するディザマトリクスとは、0〜255までのしきい値の低位側30%程度(例えば、0〜76の各しきい値)を後行ノズル適用行内に限定して配列させ、残りのしきい値(77〜255の各しきい値)を後行ノズル適用行内のしきい値未格納位置および先行ノズル適用行内に限定して配列させた構成である。
ちなみに、ステップS250で用いる第2ディザマトリクスは、デューティー0%の偏在に対応するディザマトリクスであると言える。ただし、第2ディザマトリクスに前記偏在を一切認めない訳ではない。例えば、第2ディザマトリクスは、デューティー10%程度の偏在に対応するディザマトリクスであるとしてもよい。
前記実施例1を想定した場合、ステップS240では、制御部11は、そのときの印刷モード(第1の印刷モード)で設定するPG1が広い程、前記偏在の程度が高い第1ディザマトリクスをハーフトーン処理に用いる。例えば、PG2よりも広いPG1は、印刷モードに応じてさらに第1PG、第2PG、第3PGといった異なるいずれかのPGに設定されるとする。ここでは、第1PG>第2PG>第3PG>PG2である。制御部11は、例えば、第1の印刷モードで設定するPG1が、第1PGであれば第1ディザマトリクスとしてデューティー50%の偏在に対応するディザマトリクスを採用し、第2PGであれば第1ディザマトリクスとしてデューティー40%の偏在に対応するディザマトリクスを採用し、第3PGであれば第1ディザマトリクスとしてデューティー30%の偏在に対応するディザマトリクスを採用する。
また実施例2を想定した場合、ステップS240では、制御部11は、そのときの印刷モード(第1の印刷モード)で使用する印刷媒体Sが、インクが滲み難い媒体である程、前記偏在の程度が高い第1ディザマトリクスをハーフトーン処理に用いる。具体的には、制御部11は、第1の印刷媒体に該当する複数種類の印刷媒体を予めインクの滲み難さに応じて複数のグループに分類しておく。そして、第1の印刷モードで採用する第1の印刷媒体が、最もインクが滲み難いグループ内の媒体であれば第1ディザマトリクスとしてデューティー50%の偏在に対応するディザマトリクスを採用し、その次にインクが滲み難いグループ内の媒体であれば第1ディザマトリクスとしてデューティー40%の偏在に対応するディザマトリクスを採用し、その次にインクが滲み難いグループ内の媒体であれば第1ディザマトリクスとしてデューティー30%の偏在に対応するディザマトリクスを採用し…、というように印刷媒体Sの特性に応じて用いるディザマトリクスを変更する。
また実施例3を想定した場合、ステップS240では、制御部11は、そのときの印刷モード(第1の印刷モード)で設定する主走査方向D1の印刷解像度が高い程、前記偏在の程度が高い第1ディザマトリクスをハーフトーン処理に用いる。例えば、制御部11は、第1の印刷モードでは、第1の印刷解像度に該当する複数の印刷解像度の中から1つの印刷解像度を主走査方向D1の印刷解像度に設定するとする。そして、第1の印刷モードで設定した主走査方向D1の印刷解像度が、当該複数の印刷解像度の中で最も高い値であれば第1ディザマトリクスとしてデューティー50%の偏在に対応するディザマトリクスを採用し、その次に高い値であれば第1ディザマトリクスとしてデューティー40%の偏在に対応するディザマトリクスを採用し、その次に高い値であれば第1ディザマトリクスとしてデューティー30%の偏在に対応するディザマトリクスを採用し…、というように主走査方向D1の印刷解像度に応じて用いるディザマトリクスを変更する。
このような変形例1によれば、風紋の生じ易さ(PGの広さ、或いは印刷媒体Sにおけるインクの滲み難さ、或いは主走査方向D1の印刷解像度の高さ)に応じて第1ディザマトリクスにおける前記偏在の程度を可変とする。これにより、風紋を適切に抑制しつつ、先行ノズル列と後行ノズル列との使用比率に必要以上の偏りが生じることを防止することができる。
《変形例2》
制御部11は、ステップS240において、CMYKインクにかかる画像データ毎に、ハーフトーン処理に使用する第1ディザマトリクスを異ならせるとしてもよい。例えば、インクの色毎に、色ムラの視認性は異なるため、着弾位置ずれによる色ムラ(風紋)があまり目立たない色については第1ディザマトリクスにおける前記偏在の程度を低くすることができる。例えば、CMYKインクのうちYインクのような相対的に淡い色は、その着弾位置にずれが生じてもユーザーはそのようなずれを殆ど認識しない。そこで、ステップS240において、例えば、CMKインクにかかる各画像データには第1ディザマトリクスとしてデューティー50%の偏在に対応するディザマトリクスを適用する場合に、Yインクにかかる画像データには第1ディザマトリクスとしてデューティー30%の偏在に対応するディザマトリクスを適用する等としてもよい。
あるいは、制御部11は、Yインクにかかる画像データに対しては、印刷モードの如何にかかわらず(ステップS240,S250のいずれにおいても)第2ディザマトリクスを適用してハーフトーン処理を行うとしてもよい。また、制御部11は、CMKインクにかかる各画像データについても、適用する第1ディザマトリクスを異ならせることが可能である。
《変形例3》
図5,6等を用いた説明では、印刷部30は双方向印刷を実行するとしたが、単方向印刷を実行するとしてもよい。単方向印刷とは、往路移動および復路移動のいずれか一方だけで(例えば、往路移動だけで)インク吐出する印刷を意味する。単方向印刷を実行する場合は、ステップS240のハーフトーン処理で用いる第1ディザマトリクスは、1色のインクに注目した場合、ディザマトリクスDM1,DM2のいずれか一方だけが必要となる。例えば、往路移動だけでインク吐出を行うのであれば、Kインクにかかるノズル列33K1,33K2は常に、ノズル列33K2が先行ノズル列、ノズル列33K1が後行ノズル列である。従って、ステップS240においてKインクにかかる画像データにハーフトーン処理を施す場合は、第1ディザマトリクスとして図6Aに示すディザマトリクスDM1だけが必要となる。
《変形例4》
第1の印刷モードである場合に、後行ノズル列から吐出されるインク量>先行ノズル列から吐出されるインク量、とするための手段は、上述したようなディザマトリクス(第1ディザマトリクス)を用いたハーフトーン処理に限定されない。例えば、制御部11は、ステップS230で印刷モードを第1の印刷モードと判定した場合、ステップS220で生成された画像データにおける、後行ノズル列で印刷されるラスターラインの群を表現する各画素行を対象として、インクの濃度(階調値)を上げるような補正をし、一方、当該画像データにおける、先行ノズル列で印刷されるラスターラインの群を表現する各画素行を対象として、インクの濃度(階調値)を下げるような補正をしてもよい。この場合、ハーフトーン処理は、ステップS240,S250に分岐する必要はなく、単純に、当該補正後の画像データに対して第2ディザマトリクスを適用して印刷データを生成すればよい。
あるいは、制御部11は、ステップS230で印刷モードを第1の印刷モードと判定した場合、ステップS220で生成された画像データに対して、前記補正をせず、かつ、単純に第2ディザマトリクスを適用したハーフトーン処理を実行した後、ドットの追加および間引きを行うとしてもよい。例えば、制御部11は、ハーフトーン処理により生成された印刷データにおける、後行ノズル列で印刷されるラスターラインの群を表現する各画素行を対象として、ドットオンの画素数を増やすような補正をし、一方、当該印刷データにおける、先行ノズル列で印刷されるラスターラインの群を表現する各画素行を対象として、ドットオンの画素数を減らすような補正をしてもよい。
《変形例5》
印刷ヘッド31が有するノズル34は、複数のサイズのインク滴を吐出可能であるとしてもよい。例えば、ノズル34は3種類のサイズのインク滴(1滴あたりの体積の相対的な差に基づいて大ドット、中ドット、小ドット、等と称されるインク滴)を吐出可能である。この場合、ステップS200で生成される印刷データは、単にドットのオン・オフを示す2値の情報ではなく、大ドット、中ドット、小ドットのいずれかのオンまたはドットオフを示す4値の情報である。つまり制御部11は、ハーフトーン処理(ステップS240またはステップS250)において、CMYK毎かつ画素毎に、インクの濃度(256階調で表現される情報)を4階調で表現される情報に変換する。このとき、制御部11は、ステップS240では、ステップS220で生成された画像データにおける、後行ノズル列で印刷されるラスターラインの群を表現する各画素行を構成する各画素に、先行ノズル列で印刷されるラスターラインの群を表現する各画素行を構成する各画素よりも多くの数のドットが発生するように、各画素に大中小のドットを割り振る。尚、この割り振りに際しては、ドット数は、大ドット、中ドット、小ドットそれぞれのサイズ比を考慮してカウントする。例えば、ドット数のカウントにおいて大ドット1つを1ドットとカウントする場合、中ドット1つを0.5ドット、小ドット1つを0.25ドット等とカウントする。
10…印刷制御装置、11…制御部、30…印刷部、31…印刷ヘッド、32…プラテン、33C,33M,33Y,33K…ノズル列、34…ノズル、35…キャリッジ、36…搬送部、100…外部機器、DM1,DM2…ディザマトリクス、S…印刷媒体

Claims (8)

  1. 同一種類のインクを吐出可能な複数のノズルが所定のノズル列方向へ並んだ第1ノズル列と、当該同一種類のインクを吐出可能な複数のノズルが当該ノズル列方向へ並んだ第2ノズル列と、を少なくとも有する印刷ヘッドを、当該ノズル列方向と交差する主走査方向に沿って移動させつつノズルからインクを吐出させる印刷制御装置であって、
    前記主走査方向を向くラスターラインであって前記ノズル列方向における奇数位置に対応するラスターラインの群と前記ノズル列方向における偶数位置に対応するラスターラインの群とのうち、一方のラスターラインの群を、前記第1ノズル列と第2ノズル列とのうち前記移動時に先行するノズル列からのインク吐出により印刷し、他方のラスターラインの群を、前記第1ノズル列と第2ノズル列とのうち前記移動時に後行となるノズル列からのインク吐出により印刷するに際し、
    第1の印刷モードを採用した場合の、前記先行のノズル列から吐出されるインク量に対する前記後行のノズル列から吐出されるインク量の比率を、当該第1の印刷モードとは異なる第2の印刷モードを採用した場合の当該比率よりも多くする、ことを特徴とする印刷制御装置。
  2. 前記第1の印刷モードは、インクの吐出を受ける印刷媒体を支持するプラテンから前記印刷ヘッドまでの距離であるプラテンギャップが前記第2の印刷モードにおける当該プラテンギャップより広いことを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
  3. 前記第1の印刷モードは、インクの吐出を受ける印刷媒体として第1の印刷媒体を使用し、前記第2の印刷モードは、当該印刷媒体として第2の印刷媒体を使用し、
    前記第1の印刷媒体は、前記第2の印刷媒体よりもインクが滲み難い特性を有することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
  4. 前記第1の印刷モードは、前記主走査方向における印刷解像度が前記第2の印刷モードにおける当該印刷解像度よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
  5. 画像を構成する画素毎にインクの濃度を階調表現した画像データへ、画素毎に対応する複数のしきい値を有するディザマトリクスを適用して、画素毎にインクの吐出または非吐出を決定した印刷データを生成し、当該印刷データに従って各ノズルからのインク吐出を制御することにより前記印刷を実現するに際し、
    前記第1の印刷モードでは、前記第2の印刷モードで用いる前記ディザマトリクスと比較して、前記先行のノズル列で印刷される前記一方のラスターラインの群を表現する画素毎に対応する複数のしきい値よりも前記後行のノズル列で印刷される前記他方のラスターラインの群を表現する画素毎に対応する複数のしきい値の方に低い値を多く偏在させた前記ディザマトリクスを用いる、ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の印刷制御装置。
  6. 前記印刷ヘッドによる前記主走査方向の往路の移動および復路の移動それぞれでインク吐出することにより前記印刷を実現するに際し、
    前記往路の移動における前記後行のノズル列で前記奇数位置に対応するラスターラインの群を印刷する場合には、前記復路の移動における前記後行のノズル列で前記偶数位置に対応するラスターラインの群を印刷し、
    前記往路の移動における前記後行のノズル列で前記偶数位置に対応するラスターラインの群を印刷する場合には、前記復路の移動における前記後行のノズル列で前記奇数位置に対応するラスターラインの群を印刷し、
    少なくとも前記第1の印刷モードでは、前記画像における前記往路移動で印刷する領域に適用する前記ディザマトリクスと、前記画像における前記復路移動で印刷する領域に適用する前記ディザマトリクスとを異ならせることを特徴とする請求項5に記載の印刷制御装置。
  7. 前記第1の印刷モードで用いる前記ディザマトリクスは、前記後行のノズル列で印刷される前記他方のラスターラインの群を表現する画素毎に対応する複数のしきい値は全て、前記先行のノズル列で印刷される前記一方のラスターラインの群を表現する画素毎に対応する複数のしきい値の全てより、低い値であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の印刷制御装置。
  8. 同一種類のインクを吐出可能な複数のノズルが所定のノズル列方向へ並んだ第1ノズル列と、当該同一種類のインクを吐出可能な複数のノズルが当該ノズル列方向へ並んだ第2ノズル列と、を少なくとも有する印刷ヘッドを、当該ノズル列方向と交差する主走査方向に沿って移動させつつノズルからインクを吐出させる印刷制御方法であって、
    前記主走査方向を向くラスターラインであって前記ノズル列方向における奇数位置に対応するラスターラインの群と前記ノズル列方向における偶数位置に対応するラスターラインの群とのうち、一方のラスターラインの群を、前記第1ノズル列と第2ノズル列とのうち前記移動時に先行するノズル列からのインク吐出により印刷し、他方のラスターラインの群を、前記第1ノズル列と第2ノズル列とのうち前記移動時に後行となるノズル列からのインク吐出により印刷するに際し、
    第1の印刷モードを採用した場合の、前記先行のノズル列から吐出されるインク量に対する前記後行のノズル列から吐出されるインク量の比率を、当該第1の印刷モードとは異なる第2の印刷モードを採用した場合の当該比率よりも多くする、ことを特徴とする印刷制御方法。
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