JP2020168763A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吐出ヘッドの移動に伴う空気流が、吐出ヘッドから吐出される液滴の着弾位置に与える影響を抑制することのできる液体吐出装置を提供できる。【解決手段】 液体吐出装置の制御部が、画像データの画像のうち、第2記録処理の前に被記録媒体上で行われる吐出ヘッドの移動に伴い発生する風のために第2記録処理において被記録媒体で液体が着弾する位置がずれる可能性のある第1領域の画像に応じて、移動処理での移動距離を可変的に設定する設定処理と、最初の記録処理において吐出ヘッドを第1方向へ移動させる場合と、最初の前記記録処理において吐出ヘッドを第2方向へ移動させる場合とに分けて、移動処理における移動の総距離を算出する算出処理と、総距離に基づき、最初の記録処理を行う際に吐出ヘッドを第1方向へ移動させるか、前記第2方向へ移動させるかを決定する決定処理とを実行する。【選択図】図7

Description

本発明は、インク等の液体を吐出する液体吐出装置に関する。
従来、インク等の液体を吐出する液体吐出装置として、特許文献1に記載されたような構成を備えるものがある。この液体吐出装置は、記録ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向へ移動させつつ、記録ヘッドからインク滴を吐出させる。この後、記録シートは、副走査方向へ搬送される。この吐出動作を伴う移動(印刷動作)と記録シートの搬送(搬送動作)を複数回繰り返すことで、記録シートの全面を印刷する。
特開2002−103595号公報
画像形成に際して、キャリッジは、主走査方向に往復移動する。このとき、キャリッジの移動に伴って、キャリッジの周辺には、空気の流れが生じる。キャリッジが往路の移動を開始したときには、先の復路を移動中のキャリッジを追いかけてきた空気流が残っている。そして、この空気流は、続く往路での吐出動作に対して、吐出される液滴の着弾位置をずらす虞がある。しかも、近年では、印刷の更なる高解像度化が求められている。そのため、小径の液滴が多用されるようになり、空気流による液滴の着弾ずれへの対策が必要となってきた。
そこで本発明は、吐出ヘッドの移動に伴う空気流が、吐出ヘッドから吐出される液滴の着弾位置に与える影響を抑制することのできる液体吐出装置を提供することを目的とする。
本発明の一形態に係る液体吐出装置は、
複数のノズルを有する吐出ヘッドと、
前記吐出ヘッドを主走査方向の一方から他方へ向かう第1方向および前記他方から前記一方へ向かう第2方向へ往復移動させるヘッド走査機構と、
制御部と、
被記録媒体に形成する画像の画像データを記憶可能な記憶部と、を備え、
前記制御部は、
前記吐出ヘッドより被記録媒体へ液体の吐出を開始させる位置である記録開始位置から前記吐出ヘッドより被記録媒体へ液体の吐出を停止させる位置である記録停止位置まで、前記吐出ヘッドを前記主走査方向へ移動させつつ、被記録媒体に画像を記録する第1記録処理と、
前記第1記録処理と同様に、次の記録開始位置から次の記録停止位置まで、前記吐出ヘッドを前記主走査方向へ移動させつつ、前記非記録媒体に画像を記録する第2記録処理と、
前記第1記録処理の終了後前記第2記録処理の前に、前記吐出ヘッドを、前記記録停止位置から前記次の記録開始位置まで前記主走査方向へ移動させる移動処理と、
前記画像データの画像のうち、前記第2記録処理の前に前記被記録媒体上で行われる吐出ヘッドの移動に伴い発生する風のために前記第2記録処理において前記被記録媒体で液体が着弾する位置がずれる可能性のある第1領域の画像に応じて、前記移動処理での移動距離を設定する設定処理と、
最初の記録処理において前記吐出ヘッドを前記第1方向へ移動させる場合と、最初の前記記録処理において前記吐出ヘッドを前記第2方向へ移動させる場合とに分けて、前記移動処理における移動の総距離を算出する算出処理と、
前記総距離に基づき、前記最初の記録処理を行う際に前記吐出ヘッドを前記第1方向へ移動させるか、前記第2方向へ移動させるかを決定する決定処理とを実行する。
前記構成によれば、基本移動に伴って発生する風のために第2記録処理において液体の着弾する位置がずれる可能性がある第1領域の画像に応じて、追加移動の距離が設定される。追加移動の距離を長くした場合には、その分風が弱まってから第2記録処理を開始でき、着弾位置のずれを抑制できる。
追加移動の距離は、第1領域の画像に応じて設定される。同一の記録処理においても、第1方向に走査しながら印字したときには、追加移動の距離が第1距離でも着弾位置のずれが発生しにくいのに、第2方向に走査しながら印字したときには、追加移動の距離が第2距離に設定しなければ着弾位置のずれが発生してしまうケースがあり得る。制御部は、第1方向と第2方向のうち総距離が短くなる方向を最初の記録処理の走査方向に採用し、画像を形成する。このため、風の影響による着弾位置のずれを抑制しながら、印刷速度がなるべく速くなる。
本発明によれば、吐出ヘッドの移動に伴う空気流が、吐出ヘッドから吐出される液滴の着弾位置に与える影響を抑制することのできる液体吐出装置を提供できる。
実施形態に係る液体吐出装置の概略構成を示す模式図である。 被記録媒体および吐出ヘッドを上から見て示す図である。 液体吐出装置の制御系を示すブロック図である。 印刷処理を示すフローチャートである。 画像形成処理を示すフローチャートである。 画像形成処理での吐出ヘッドの動きを説明する図である。 片方向印刷時における印刷方向決定処理の手順を示すフローチャートである。 図8Aは、第1領域の寸法を決定するためのルックアップテーブル、図8Bは、ドット計数の説明図、図8Cは、色相および液滴サイズに応じた重み付け係数を表したルックアップテーブルである。 双方向印刷時における印刷方向決定処理の手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。液体吐出装置として、インクをシート状の被記録媒体に吐出するインクジェットプリンタを例として説明する。
(実施の形態1)
図1は、液体吐出装置1の概略構成を示す。液体吐出装置1は、給紙トレイ2、プラテン3、排紙トレイ4および媒体搬送路5を備えている。給紙トレイ2は、複数の被記録媒体Pを収容できる。プラテン3は、左右方向に長寸の平板材であり、給紙トレイ2の上方に配置される。排紙トレイ4は、プラテン3の前方に設けられている。媒体搬送路5は、給紙トレイ2を排紙トレイ4と繋ぐ。媒体搬送路5は、例えば、湾曲パス6、ストレートパス7およびエンドパス8を含む。湾曲パス6は、給紙トレイ2の後部から上方へ湾曲しながら延び、プラテン3の後方近傍まで至っている。ストレートパス7は、湾曲パス6の終点から前方へ直線的に延び、プラテン3の上面側を通り、プラテン3の前方近傍まで至っている。エンドパス8は、ストレートパス7の終点から前方へ延び、排紙トレイ4まで至っている。
液体吐出装置1は、吐出ヘッド15を主走査方向へ往復移動させるヘッド走査機構10、および、被記録媒体Pを主走査方向に直交する副走査方向へ搬送する媒体搬送機構20を備える。主走査方向は水平であり、左右方向が主走査方向と対応する。主走査方向の一方から他方へ向かう方向を「第1方向」とし、主走査方向の他方から一方へ向かう方向を「第2方向」とする。本実施形態では、一例として、「一方」および「第2方向」を左方、「他方」および「第1方向」を右方とする(図2参照)。「副走査方向」はプラテン3上での被記録媒体Pの搬送方向(ストレートパス7の延在方向)であり、前後方向(前が下流)が副走査方向と対応している。
ヘッド走査機構10は、例えば、キャリッジ11、ガイド部材(不図示)、無端ベルト(不図示)およびキャリッジモータ14(図3参照)を備えている。キャリッジ11は、主走査方向へ往復移動可能にガイド部材に支持され、プラテン3の上方に配置される。吐出ヘッド15は、液滴を吐出する複数のノズル16(図2参照)が開口したノズル面を有する。吐出ヘッド15は、ノズル面が下に向けられてプラテン3の上面と対向する姿勢でキャリッジ11に搭載されており、ノズル面は吐出ヘッド15の下面となる。
媒体搬送機構20は、被記録媒体Pを1つずつ媒体搬送路5に沿って搬送する。媒体搬送機構20は、例えば、給送ローラ21、搬送ローラ22、排出ローラ25および搬送モータ29(図3参照)を備えている。給送ローラ21は、給紙トレイ2の直上に設けられ、被記録媒体Pに上から当接する。搬送ローラ22は、湾曲パス6の下流端近傍に配置され、ピンチローラ23と組んで搬送ローラ部24を構成している。排出ローラ25は、ストレートパス7の下流端近傍に配置され、拍車ローラ26と組んで排出ローラ部27を構成している。
被記録媒体Pは、給送ローラ21により湾曲パス6を介して搬送ローラ部24へ送られ、搬送ローラ部24によりストレートパス7を介して排出ローラ部27へ送られる。ストレートパス7では、プラテン3上で支えられている被記録媒体Pに対し、インクが吐出ヘッド15から吐出され、これにより画像が被記録媒体Pに形成される。液体吐出装置1は、キャリッジ11の走査と被記録媒体Pの搬送とを交互に繰り返すことで、被記録媒体Pに画像を記録する。記録済の被記録媒体Pは、排出ローラ部27によりエンドパス8を介して排紙トレイ4へ送られ、排紙トレイ4に受け取られる。
図2は、被記録媒体Pおよび吐出ヘッド15を上から見て示す。ヘッド下面のノズル16も投影して図示する。複数のノズル16は、副走査方向に配列されてノズル列17を構成している。さらに、複数のノズル列17が、主走査方向に間隔を空けて並設されている。各ノズル列17は、液体の種類(色など)ごとに対応している。本実施形態では、単なる一例として、4つのノズル列17が設けられており、左から順に、ブラックインクを吐出するブラック列17K、シアンインクを吐出するシアン列17C、イエローインクを吐出するイエロー列17Y、マゼンタインクを吐出するマゼンタ列17Mである。
キャリッジ11の移動可能範囲は、被記録媒体Pの搬送領域(あるいはプラテン3)を挟んで主走査方向の両側に及んでいる。一方側には、吐出ヘッド15の保管位置(ホーム位置)がある。電源OFFにされると、吐出ヘッド15は、保管位置に収容され、ノズル面がキャップ19aに覆われる。他方側には、吐出ヘッド15のメンテナンスポートが設置されている。ここでは、吐出ヘッド15に対してメンテナンスが施される。メンテナンスには、フラッシング動作が含まれる。メンテナンスポートには、フラッシング動作によってノズル16から吐出された液体を受けるフラッシング受け19bが設けられている。
図3は液体吐出装置1の制御系を示す。液体吐出装置1の制御部40は、CPU41、記憶部およびASIC45を備えており、記憶部は、ROM42、RAM43およびEEPROM44を含む。ASIC45は、2つのモータドライバIC46,47およびヘッドドライバIC48と接続されている。モータドライバIC46は搬送モータ29を駆動し、モータドライバIC47はキャリッジモータ14を駆動し、ヘッドドライバIC48は液体吐出ヘッド15のアクチュエータを駆動する。
制御部40がユーザまたは他の通信装置から印刷ジョブの入力を受けると、CPU41は、RAM43に当該印刷ジョブに関する画像データ(被記録媒体Pに形成する画像の画像データ)を記憶させると共に、ROM42に記憶されたプログラムに基づいて印刷ジョブ実行の指令をASIC45へ出力する。ASIC45は、この指令に基づいて、各ドライバIC46〜48を制御し、RAM43に記憶された画像データに基づいて印刷処理(図4参照)を実行する。
制御部40がユーザまたは他の通信装置から印刷ジョブの入力を受けると、CPU41は、RAM43に当該印刷ジョブに関する画像データ(被記録媒体Pに形成する画像の画像データ)を記憶させると共に、ROM42に記憶されたプログラムに基づいて印刷ジョブ実行の指令をASIC45へ出力する。ASIC45は、この指令に基づいて、各ドライバIC46〜48を制御し、RAM43に記憶された画像データに基づいて印刷処理(図4参照)を実行する。
印刷処理に際し、モータドライバIC46は、搬送モータ29を駆動して、給送ローラ21、搬送ローラ22および排出ローラ25を回転させ、被記録媒体Pをプラテン3上で副走査方向へ搬送する。モータドライバIC47は、キャリッジモータ14を駆動して、キャリッジ11およびこれに搭載された吐出ヘッド15を主走査方向へ往復移動させる。ヘッドドライバIC48は、アクチュエータを駆動して、ノズル16よりインクを吐出させたり、ノズル16に形成されるメニスカスを振動させたりする。
液体吐出装置1は、種々のセンサ(例えば、被記録媒体Pの位置検出用の先端検出センサ、キャリッジの位置検出用等のエンコーダ等)を備える。制御部40は、これらセンサからの信号に基づき、上記ドライバIC46〜48を同期して制御し、被記録媒体Pに画像を形成する。
図4は、被記録媒体Pに対して実行される印刷処理の手順を示す。制御部40は、印刷ジョブを受け付けると(S1)、片方向印刷であるか双方向印刷であるかを判断する(S2)。
片方向印刷の場合(S2:YES)、次に印刷される1枚の被記録媒体Pに対し、第1方向の走査中に液体を吐出して画像を形成するのか、第2方向の走査中に液体を吐出して画像を形成するのかを決定する印刷方向決定処理(S10)を実行する。次に、決定された印刷方向に従って当該被記録媒体Pに画像を形成する画像形成処理(S30)を実行する。印刷すべき被記録媒体Pが残っていれば(S49:NO)、次に印刷される被記録媒体Pに対し、再び印刷方向決定処理S10が行われ、決定結果に従って画像形成処理S30が実行される。印刷すべき被記録媒体Pがなければ(S49:YES)、印刷処理が終了する。終了の際、吐出ヘッド15は、保管位置に戻され、そのノズル面がキャップで覆われる。
便宜上、図5を参照して、先に画像形成処理S30を説明する。画像形成処理S30では、先ず、制御部40が印刷前処理を実行する(S31)。印刷前処理において、制御部40は、最初の被記録媒体Pを給紙トレイ2から繰り出し、プラテン3上に供給する。また、制御部40は、ノズル面からキャップを外し、必要に応じてメニスカスを調整する。メニスカスを調整する場合、吐出ヘッド15を保管位置からメンテナンスポートに移動し、メンテナンスポートで吐出ヘッド15を駆動して所定発数のフラッシングが行われる。その後、制御部40は、キャリッジモータ29を駆動して、吐出ヘッド15を第1方向に移動させる。
制御部40は、吐出ヘッド15が最初の記録処理の開始位置に到達すると、このパスに関わる処理を開始する。ここで、画像形成処理S30の「1回のパス」とは、1回の記録処理(S32)、1回の移動処理(S33)および1回の媒体搬送処理(S34)を含む一連の処理である。
記録処理S32では、制御部40が吐出ヘッド15を主走査方向に移動させる。この移動に同期して、制御部40は、ノズル16からインクを吐出させる。これにより、被記録媒体Pに帯状の画像が形成される。1回の記録処理S11とは、吐出ヘッド15より被記録媒体Pへ液体の吐出を開始させる位置である記録開始位置から吐出ヘッド15より被記録媒体Pへ液体の吐出を停止させる位置である記録停止位置まで、吐出ヘッド15を主走査方向へ移動させつつ被記録媒体Pに画像を記録する処理である。
制御部40は、記録処理S32を終了すると、1枚の被記録媒体Pに対する画像の形成に必要な全パスの記録処理が終了したか否かを判定する(S35)。終了していなければ(S35:NO)、制御部40は、移動処理S33および媒体搬送処理S34を行い、動作を次回のパスに繋げる。
次回のパスの記録処理S32においても、前回の記録処理S32と同様に、記録開始位置から記録停止位置まで吐出ヘッド15を主走査方向へ移動させつつ、被記録媒体Pに画像を記録する。以下の説明では、1枚の被記録媒体Pに画像を形成するために複数回行われる記録処理のうち、最後の記録処理を除いた任意の記録処理を「第1記録処理」、第1記録処理の次の記録処理を「第2記録処理」と呼ぶ。第2記録処理の記録開始位置および記録停止位置を、単に「次の記録開始位置」および「次の記録停止位置」という。
移動処理S33は、第1記録処理S32の終了後第2記録処理S32の前に、吐出ヘッド15を第1記録処理S32の記録終了位置から次の記録開始位置まで主走査方向へ移動させる処理である。この移動には、第1記録処理S32の記録停止位置から次の記録開始位置まで主走査方向へ移動させるための「基本移動」と、第1記録処理S32の記録停止位置から次の記録開始位置までと異なる経路を主走査方向に沿って移動させるための「追加移動」とが含まれる。基本移動および追加移動の具体例については図5を参照して後述する。
媒体搬送処理S34は、被記録媒体Pが副走査方向へ搬送される。図4では便宜上、移動処理S33と媒体搬送処理S14がシーケンシャルに記載されているが、移動処理S33および媒体搬送処理S34は並列に実行されてもよい。移動処理S33および媒体搬送処理S34の後、制御部40は、次の記録開始位置から第2記録処理S32を実行する。
制御部40は、S32〜S34で示した「1回のパス」に相当する一連の処理を繰り返し実行する。そして、全パスの記録処理が終了すると(S35:YES)、制御部40は、媒体搬送機構20を制御して、被記録媒体Pを排紙トレイ4へ排出する(S36)。これで、1枚の被記録媒体Pに対する画像形成処理(S50)が終了する。
図6を参照して、第1方向の走査中に液体を吐出して第2方向の走査中には液体を吐出しない場合を例にとり、第1記録処理S32および移動処理S33における吐出ヘッド15の動作について説明する。形成対象の画像として塗りつぶした台形を例示する。キャリッジ11の移動速度が矢印を用いて図示されている。斜め上向きの矢印は加速、斜め下向きの矢印は減速、水平の矢印は定速をそれぞれ示す。
図A1は、移動処理S33の実施中を示している。吐出ヘッド15は、移動方向を第2方向から第1方向に転換する転換点PA10にある。この転換点PA10は、次の記録開始位置PA11から第2方向に離れている。吐出ヘッド15は、第2転換点PA10から次の記録開始位置PA11まで第1方向に加速しながら移動する。記録開始位置PA11は移動処理S33の終点でもある。
図A2に示すように、吐出ヘッド15は、記録開始位置PA11から記録処理S32を開始する。吐出ヘッド15は、一定の走査速度で第1方向へ移動しながら、ノズル16からインクを吐出する。これにより、被記録媒体Pに部分画像が形成されていく。図A3では、吐出ヘッド15が記録停止位置PA12にある。記録停止位置PA12に到達した時点で、帯状の部分画像が完成し、インクの吐出が停止する。形成された部分画像のうち、一端の画素が記録開始位置PA11に形成され、他端の画素が記録停止位置PA12に形成される。記録停止位置PA12は移動処理S13の始点でもある。
図A4に示すように、移動処理S33において先ず、吐出ヘッド15は、減速しながら記録停止位置PA12から第1方向へ移動し続け、転換点PA13で停止する。図A5に示すように、転換点PA13で走査方向が第1方向から第2方向へ切り換わり、吐出ヘッド15は転換点PA13から第2方向へ液体を吐出せずに移動する。吐出ヘッド15は、一旦次の記録開始位置PA21に到達する。吐出ヘッド15は、次の記録開始位置PA21を通過して減速しながら第2方向へ移動し続け、転換点PA20で停止する。転換点PA20は上記転換点PA10と対応する。図A6を参照して、転換点PA20で走査方向が第2方向から第1方向へ切り換わり、吐出ヘッド15は転換点PA20から次の記録開始位置PA21に向けて加速する。次の記録開始位置PA21にて、移動処理S13から記録処理S11に移行する。
図A2〜A3に示す動作が記録処理S11(第1記録処理)に該当し、図A4〜A6に示す動作が移動処理S33に該当する。この場合、基本移動は、第1記録処理の記録停止位置PA12から次の記録開始位置PA21に一旦到達するまでの移動とすることができる。追加移動は、次の記録開始位置PA21と転換点PA20との間の往復移動とすることができる。基本移動は、第2記録処理S32の前に被記録媒体P上で行われる吐出ヘッドの移動といえる。追加移動は、基本移動の後に遠回りして次の記録開始位置PA21に戻ってくる移動といえる。
基本移動に伴って、キャリッジ11の周辺では空気流(風)が発生する。以下、基本移動に伴い発生する風を「リターン風」と呼ぶ場合がある。転換点PA20と次の記録開始位置PA21との間の距離は、通常、キャリッジモータ14で実現可能な加速度に応じて、走査速度をゼロから記録処理S32における走査速度まで上昇させるために必要な範囲内で、なるべく短い距離に設定される。転換点PA20から次の記録開始位置PA21までの所要時間はごく短く、第2記録処理S32はリターン風が残る状態で開始する。そのため、部分画像の一端の画素(次の記録開始位置PA21に形成される画素)およびその周辺で、着弾ずれを生じるおそれがある。本書での「着弾ずれ」は、ノズル16から吐出された液滴がリターン風に流されて、被記録媒体Pで液体が着弾する位置が本来意図されていた位置からずれる現象をいい、被記録媒体Pに形成される画像の縁部の画質を低下させる要因となる。
そこで本実施形態では、この着弾ずれを抑制すべく、移動処理S33において吐出ヘッド15の移動距離、特に追加移動の距離を調整する。リターン風に起因する着弾ずれは、転換点PA13付近では問題とならないので、記録停止位置PA12から転換点PA13までの距離は、吐出ヘッド15がなるべく早く第2方向への移動を開始できるように、いずれのパスについても減速に必要な一定の距離に設定される。移動距離の調整にあたっては、次の記録開始位置PA21の一方側の転換点PA20を主走査方向に変位させることにより、追加移動の距離が調整される。このように、片方向印刷の場合、移動処理S33の移動距離を調整する場合、基本移動の距離は第1記録処理で記録される画素と第2記録処理で記録される画素とが決まれば、一定となるので、移動処理S33の移動距離の総和を算出する際、追加移動の距離のみを抽出して積算してもよい。
制御部40は、画像データの画像のうち、リターン風のため第2記録処理S32において着弾ずれが生じる可能性のある第1領域の画像に応じて、第1記録処理S32と第2記録処理S32との間の移動処理S33での追加移動の距離を、第1距離または第2距離に設定する設定処理S20(図7参照)を実行する。第2距離は第1距離よりも長い。第2記録処理S32において第1領域の画像が着弾ずれを生じにくい、あるいは、着弾ずれを生じても実質的には画質の低下に繋がりにくい場合には、追加移動の距離を相対的に短い第1距離に設定し、印刷速度の低下を抑制する。第2記録処理S32において第1領域の画像が着弾ずれを生じやすく、それにより画質が低下する可能性がある場合には、追加移動の距離を相対的に長い第2距離に設定し、画質の低下を抑制する。
第2方向への走査中に液体を吐出する片方向印刷においても、第1方向と第2方向とが逆になるだけで、上記同様である。
第1領域は、記録開始位置から所定の範囲に設定される。所定の範囲は、記録停止位置よりも記録開始位置に近い範囲である。片方向印刷において、第1方向の走査中に液体を吐出する片方向印刷では、いずれのパスにおいても記録開始位置ひいては第1領域が、走査方向の一方側に設定される。第2方向の走査中に液体を吐出する片方向印刷においては、いずれのパスにおいても記録開始位置ひいては第1領域が、走査方向の他方側に設定される。例えば、走査方向の一方側において着弾ずれを生じやすい画像が多く存在し、他方側にはそのような画像が少ないケースでは、第1方向の走査中に液体を吐出する片方向印刷を行うと、追加移動の距離が長くなって印刷に時間がかかる。そこで、本実施形態に係る制御部40は、片方向印刷を行う場合において(S2:YES)、印刷方向決定処理(S10)を実行し、画像形成処理(S30)に先立ってどちらの方向で印刷した方が早く印刷できるのか判断する。
図7は、印刷方向決定処理(S10)の手順を示す。図7に示すように、制御部40は、既に受け付けた印刷ジョブに基づき、今回画像を形成する被記録媒体Pに形成される画像データに基づき、第1方向への走査中に記録処理を行う場合における各パスの追加移動の距離を導出する(S11a)。そして、導出された追加移動の総距離L1を算出する(S12a)。続いて、同じ画像データに基づき、第2方向への走査中に記録処理を行う場合における各パスの追加移動の距離を導出し(S11b)、導出された追加移動の総距離L2を導出する(S12b)。2つの総距離L1,L2を比較し、総距離が短くなる方の方向を当該被記録媒体Pに画像を形成するために記録処理を行う際の走査方向として決定する(S13)。総距離L1が総距離L2よりも短ければ、その後の画像形成処理S20において、第1方向への走査中に記録処理が行われる。総距離L2が総距離L1よりも短ければ、その後の画像形成処理S20において、第2方向への走査中に記録処理が行われる。
本実施形態では、各パスの追加移動の距離は、第1記録処理における基本移動量、第1記録処理における基本移動の移動速度、第2記録処理において第1領域内で使用される液滴量、第2記録処理において第1領域内で使用される液滴サイズ、第2記録処理において第1領域内で使用される液体の色相、複数のノズル列の主走査方向における位置に応じて設定される。
第1記録処理S32における基本移動量および基本移動速度に基づき、第1領域の主走査方向の寸法が決定される。第1領域の主走査方向における第1の限界は、次の記録開始位置である。第2の限界が、次の記録開始位置(第1の限界)から、ここで決定される主走査方向の寸法だけ記録停止位置側に離れた位置に設定されることになる。
第1記録処理S32における基本移動量は、第1記録処理S32において形成される帯状画像の主走査方向の寸法によって変わる。寸法が小さければ基本移動量も小さくなる。第1記録処理S32における基本移動の移動速度は、記録モードによって変わる。高画質が要求される記録モードでは、画質よりも印刷の高速性が要求される記録モードのときよりも吐出ヘッド15の移動速度が低く、画質よりも印刷の高速性が要求される記録モードでは、高画質が要求される記録モードのときよりも、吐出ヘッド15の移動速度が高い。
本実施形態では、制御部40が、第1領域の主走査方向の寸法を基本移動量および基本移動速度と対応付けた第1制御規則を予め記憶している。第1制御規則は、ルックアップテーブルでもよいし、演算式でもよい。図8Aではルックアップテーブルを例示しており、移動量3区分(D1〜D3)、速度3区分(V1〜V3)から、9(3×3)区分の寸法設定を可能としている。第1制御規則では、基本移動量が大きいほど第1領域が広くなり、基本移動速度が高いほど第1領域が広くなる。基本移動量が大きく基本移動速度が高ければ、その分リターン風が強くなって着弾ずれが発生する領域が広くなると考えられるからである。制御部40は、この第1制御規則に従って、第1領域の主走査方向の寸法を決定する。
第1領域が設定されると、制御部40は、対象の第2記録処理S32において第1領域に含まれる液滴のドット数を計数する。基本的にはこのドット数によって追加移動の距離が導出されるが、本実施例では、後述の重み付け演算を行うと共にノズル列の位置を考慮に入れて追加移動の距離を導出するため、色相および液滴サイズに応じて設定された複数の区分ごとにドット数が計数される。一例として、色相種がブラック(K)、イエロー(Y)、シアン(C)およびマゼンダ(M)の4種、液滴サイズが大玉(L)、中玉(M)および小玉(S)の3種の場合、12(4×3)区分に分けてドット数が計数される。図8Bにおいて、dKLは、第1領域に含まれるブラックインク(K)の大玉(L)のドット数(d)を表し、dMSは、第1領域に含まれるマゼンダインク(M)の小玉(S)のドット数(d)を表す。
次に、各区分のドット数が重み付け演算により補正される。図8Cに示すように、制御部40は、各区分に対応して重みづけ係数を予め記憶している。例えば、wKLは、ブラック大玉(KL)に対応する重み付け係数(w)であり、wMSは、マゼンダ小玉(MS)に対応する重み付け係数(w)である。大玉は小玉に比べてリターン風に流されにくいので、着弾ずれを生じにくい。そこで、液滴サイズが大きくなるほど、重み付け係数が小さい値に設定される。イエローインクが白地の被記録媒体Mにおいて着弾ずれを生じても、他のインクと比べて着弾ずれが目立ちにくく、実質的な画質の低下につながりにくい。そこで、イエローインクについては、同じ液滴サイズの他のインクと比べ、重み付け係数が小さい値に設定されている。
次に、各区分のドット数と対応する重み付け係数とに基づいて、色別に「影響指数」が導出される。影響指数は、第1領域内の総ドット数を重み付け係数で補正することによって導出される数値であり、着弾ずれにより生じうる画質低下の程度を定量的に表す。例えば、ブラックインクの影響指数は、dKL×wKL+dKM×wKM+dKS+wKSによって導出される。他色インクの影響指標も同様である。単にドット数に基づいて追加移動の距離を導出するのではなく、液滴サイズおよび色相と着弾ずれとの関係を考慮に入れてその距離を長短させることができ、着弾ずれの抑制と印刷速度の高速化が図られる。
次に、影響指数に基づいて色別に追加移動の距離を導出する。先ず、追加移動の距離の基本値が導出され、その基本値がノズル列の位置に応じて補正される。追加移動の距離の基本値は複数色のインクに共通した第2制御規則に従って導出される。第2制御規則は、ルックアップテーブルでもよいし、演算式でもよい。影響指数の数値が高いほど、基本値も高くなる。
図2に示したように、ノズル列は、走査方向の一方側から他方側に向かって、ブラック列、シアン列、イエロー列、マゼンダ列の順に並んでいる。第1方向への走査中に記録処理を行う場合、他方側の端に配列されたマゼンダ列はリターン風と最初に直面する一方、一方側の端に配列されたブラック列はリターン風と最後に直面する。風上に位置するマゼンダ列は、風下に位置するブラック列よりもリターン風の影響を受けやすい。そこで、第1方向への走査中の記録処理に関しては、ブラック列に対応する距離が、マゼンダ列のものよりも、基本値からより小さくなるように補正される。第2方向への走査中の記録処理に関しては、ノズル列の位置とリターン風の影響度合いの関係が逆になる。そのため、マゼンダ列が、ブラック列よりも基本値からより小さくなるように補正される。
上記の導出法により、ノズル列ごとに追加移動の距離が求められる一方、吐出ヘッド15は単一である。そこで、制御部40は、ノズル列ごとに求められた複数の距離のうち最大値を、対象とされる移動処理S33における追加移動の距離として設定する。
以上の手順で1つの移動処理S33における追加移動の距離が導出される。全パス分の移動距離を加算することで、総距離L1,L2が算出される。総距離L1,L2が短くなる方向が1枚の被記録媒体Mに対して行われる片方向印刷の走査方向(すなわち、最初の記録処理における吐出ヘッド15の移動方向)が決定される。したがって、着弾ずれの抑制と印刷の高速化とを両立できる。
次に、双方向印刷の場合について説明する。図9に示すように、双方向印刷においても、上記同様にして、印刷方向決定処理(S50)と画像形成処理(S70)が実行される。双方向印刷の画像形成処理S70の基本的な流れは、片方向印刷の画像形成処理S30(図5を参照)と同様である。ただし、記録処理S32において、第1方向への移動中も第2方向への移動中も液体を吐出して被記録媒体Mへの画像形成を行う。そのため、移動処理S33では、第1記録処理の記録停止位置から次の記録開始位置までUターンする比較的に短い移動となる。ただし、第2記録処理S32において、着弾ずれは片方向印刷と同様に生じる可能性がある。第1記録処理において被記録媒体P上で行われる吐出ヘッドの移動に伴って、第2記録処理S32の開始直後にリターン風が発生するためである。
ここで、双方向印刷において、最初の記録処理S32を行う前に(すなわち、印刷前処理において)フラッシング動作が行われるものとする。最初の記録処理S32が第1方向に移動して行われる場合には、ホーム位置からフラッシングポートに移動してフラッシング動作を行った後にすぐに記録処理S32を開始できる。最初の記録処理S32が第2方向に移動して行われる場合には、ホーム位置からフラッシングポートに移動してフラッシング動作を行った後、非吐出で第1方向に移動して被記録媒体Mを横切るように移動してから、第2方向に移動方向を切り替えて記録処理S32が開始する。このように、フラッシング動作が行われる場合、最初の記録処理S32を第2方向に移動して行うと、フラッシングポートから最初の記録開始位置までの移動距離分(以下、初期移動距離)だけ、第1方向に移動して行う場合と比べて、移動距離が長くなる。
なお、フラッシング動作がない場合には、最初の記録処理S32を第1方向に移動する場合にホーム位置から非吐出で第2方向に移動する必要があるが、この移動は被記録媒体Mの搬送動作と並行できるので、最初の記録処理S32を第2方向に移動する場合に対して移動距離および移動時間を長くするものではない。
そこで、双方向印刷での印刷方向決定処理では、先ず、制御部40が、印刷前処理でのフラッシング動作の有無を確認する(S55)。その後は、片方向印刷と同様にして、最初の記録処理を第1方向走査中に行う場合における各移動処理での移動距離を算出し(S51a)、移動距離の総距離L1を算出する(S52a)。また、最初の記録処理を第2方向走査中に行う場合における各移動処理での移動距離を算出し(S51b)、移動距離の総距離L2を算出する(S52b)。この総距離L2において、フラッシング動作を行う場合には、初期移動距離が加算される。そして、総距離L1,L2のうち短くなる方を最初の記録処理の移動方向として決定する(S53)。
これにより、双方向印刷においては、印刷前処理のフラッシング動作も考慮に入れて、着弾ずれの抑制と印刷速度の高速化が図られる。
これまで、本発明の実施形態について説明したが、上記構成は本発明の範囲内で適宜変更、追加および/または削除可能である。
例えば、印刷ジョブ中の画像データが、第1被記録媒体に形成するための画像の第1画像データと、第2被記録媒体に形成するための画像の第2画像データとを含む場合には、第1記録処理において、第1画像データに基づき画像を記録することと、第2画像データに基づき画像を記録することとが可能である。制御部は、算出処理において、第1記録処理で第1画像データに基づき画像を記録する場合と、第1記録処理で第2画像データに基づき画像を記録する場合とに分けて、設定処理により設定された距離に基づいて総距離を算出し、決定処理において、記録処理を行う際に総距離が短くなるように、第1記録処理で第1画像データに基づき画像を記録するか、第2記録処理で第2画像データに基づき画像を記録するかを決定してもよい。ここでいう「第1記録処理」は、1枚の被記録媒体Mに対して行われる印刷方向決定処理および画像形成処理を合わせた処理である。ここでいう「第2記録処理」も同様である。
上記実施形態では、ノズルより吐出される液滴サイズおよび色相の両方に応じて移動処理での移動距離が設定されたが、液滴サイズおよび色相のいずれか一方に応じて設定されてもよい。
また、被記録媒体と吐出ヘッドとの間隔、あるいは、吐出ヘッドの走査可能範囲および吐出ヘッドの形状に応じて、移動処理における移動距離が設定されてもよい。被記録媒体と吐出ヘッドとの間隔が広いと、リターン風が吹き抜けやすく、リターン風による着弾ずれの影響が大きくなると考えられる。そのため、当該間隔が大きくなるほど、移動距離が長くなるように設定される。吐出ヘッドの走査可能範囲が広い場合、すなわち、装置筐体のサイズが大きい場合、リターン風が吹き抜けやすく、リターン風による着弾ずれの影響が大きくなると考えられる。そのため、走査可能範囲が広いほど、移動距離が長くなるように設定される。吐出ヘッドの形状が大きいと、同一距離を同一速度で移動した際に発生するリターン風が強くなり、リターン風による着弾ずれの影響が大きくなると考えられる。そこで、吐出ヘッドの形状が大きいほど、移動距離が長くなるように設定される。なお、吐出ヘッドの形状は実用状態においても変わり得る。例えば、種々のサイズのインクカートリッジを搭載可能なオンキャリッジ式の吐出ヘッドにおいては、搭載しているインクカートリッジのサイズによって、吐出ヘッドの大きさが変わる。そこで、制御部40は、搭載しているインクカートリッジのサイズに応じて、移動距離を設定してもよい。
追加距離を算出する際、第1領域の寸法が設定されると、その第1領域内で副走査方向に延びる所定の範囲内に液滴が所定個数以上ある高密領域が存在するか否かを判断してもよい。高密領域が存在しなければ、着弾ずれは目立たないものとして、追加距離をゼロ値に設定し、第2記録処理の開始前の加速に最低限必要な移動のみを行うようにしてもよい。ここで、所定の範囲として、1mmに設定することができる。これよりも短い範囲であれば、肉眼での着弾ずれを認識しづらく、実質的な画質の低下につながらないからである。
1:液体吐出ヘッド、10:ヘッド走査機構、15:吐出ヘッド、16:ノズル、17:ノズル列、17Y:イエロー列、20:媒体搬送機構
S11a,11b:設定処理、S12a,12b:算出処理、S13:決定処理、S32:記録処理、S33:移動処理

Claims (10)

  1. 複数のノズルを有する吐出ヘッドと、
    前記吐出ヘッドを主走査方向の一方から他方へ向かう第1方向および前記他方から前記一方へ向かう第2方向へ往復移動させるヘッド走査機構と、
    制御部と、
    被記録媒体に形成する画像の画像データを記憶可能な記憶部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記吐出ヘッドより被記録媒体へ液体の吐出を開始させる位置である記録開始位置から前記吐出ヘッドより被記録媒体へ液体の吐出を停止させる位置である記録停止位置まで、前記吐出ヘッドを前記主走査方向へ移動させつつ、被記録媒体に画像を記録する第1記録処理と、
    前記第1記録処理と同様に、次の記録開始位置から次の記録停止位置まで、前記吐出ヘッドを前記主走査方向へ移動させつつ、前記非記録媒体に画像を記録する第2記録処理と、
    前記第1記録処理の終了後前記第2記録処理の前に、前記吐出ヘッドを、前記記録停止位置から前記次の記録開始位置まで前記主走査方向へ移動させる移動処理と、
    前記画像データの画像のうち、前記第2記録処理の前に前記被記録媒体上で行われる吐出ヘッドの移動に伴い発生する風のために前記第2記録処理において前記被記録媒体で液体が着弾する位置がずれる可能性のある第1領域の画像に応じて、前記移動処理での移動距離を設定する設定処理と、
    最初の記録処理において前記吐出ヘッドを前記第1方向へ移動させる場合と、最初の前記記録処理において前記吐出ヘッドを前記第2方向へ移動させる場合とに分けて、前記移動処理における移動の総距離を算出する算出処理と、
    前記総距離に基づき、前記最初の記録処理を行う際に前記吐出ヘッドを前記第1方向へ移動させるか、前記第2方向へ移動させるかを決定する決定処理とを実行する
    液体吐出装置。
  2. 前記一方に配置され、前記吐出ヘッドのフラッシング動作により排出された液体を受容するフラッシング受けと、
    前記他方に配置され、前記吐出ヘッドを覆うキャップと、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記算出処理のとき、最初の前記記録処理において前記吐出ヘッドを前記第2方向へ移動させる場合、前記フラッシング動作の後、前記第1記録処理の前に前記吐出ヘッドを前記第1方向へ移動させるための距離を、前記総距離に加算する、
    請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記画像データは、第1被記録媒体に形成するための画像の第1画像データと、第2被記録媒体に形成するための画像の第2画像データと、を含み、
    前記第1記録処理は、前記第1画像データに基づき画像を記録すること、前記第2画像データに基づき画像を記録することが可能であり、
    前記制御部は、
    前記算出処理において、前記第1記録処理で前記第1画像データに基づき画像を記録する場合と、前記第1記録処理で前記第2画像データに基づき画像を記録する場合とに分けて、前記設定処理により設定された距離に基づいて前記総距離を算出し、
    前記決定処理において、前記記録処理を行う際に前記総距離が短くなるように、前記第1記録処理で前記第1画像データに基づき画像を記録するか、前記第2記録処理で前記第2画像データに基づき画像を記録するかを決定する
    請求項1または2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記制御部は、前記設定処理において、前記ノズルより吐出される液滴サイズおよび色相の少なくとも一方に応じて前記移動処理における距離を設定する
    請求項1〜3の何れかに記載の液体吐出装置。
  5. 前記吐出ヘッドは、イエローインクを吐出するイエローノズルと、前記イエローインク以外の液体を吐出するノズルとを有し、
    前記制御部は、前記設定処理において、ノズルより吐出される色相に応じて第2距離を補正し、イエローノズルに対応する第2距離を、イエローインク以外の液体を吐出するノズルに対応する第2距離よりも小さくなるように補正する
    請求項4に記載の液体吐出装置。
  6. 前記吐出ヘッドは、複数の前記ノズルが前記副走査方向に配列されたノズル列を複数有し、複数のノズル列は前記主走査方向に間隔を空けて並設されており、
    前記制御部は、前記設定処理において、前記第2記録処理での前記吐出ヘッドの走査方向の上流側に配置されている前記ノズル列ほど前記移動処理における前記距離を長く設定する
    請求項1〜5の何れかに記載の液体吐出装置。
  7. 被記録媒体を前記主走査方向に直交する副走査方向へ搬送する媒体搬送機構を備え、
    前記制御部は、前記設定処理において、前記媒体搬送機構によって搬送されている被記録媒体と前記吐出ヘッドとの間隔が大きいほど、前記移動処理における前記距離を長く設定する、
    請求項1〜6の何れかに記載の液体吐出装置。
  8. 前記制御部は、前記吐出ヘッドの走査可能範囲および前記吐出ヘッドの形状に応じて、前記移動処理における前記距離を設定する
    請求項1〜7の何れかに記載の液体吐出装置。
  9. 複数のノズルを有する吐出ヘッドと、
    前記吐出ヘッドを主走査方向の一方から他方へ向かう第1方向および前記他方から前記一方へ向かう第2方向へ往復移動させるヘッド走査機構と、
    被記録媒体を前記主走査方向に直交する副走査方向へ搬送する媒体搬送機構と、
    制御部と、
    被記録媒体に形成する画像の画像データを記憶可能な記憶部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記吐出ヘッドより被記録媒体へ液体の吐出を開始させる位置である記録開始位置から、前記吐出ヘッドより被記録媒体へ液体の吐出を停止させる位置である記録停止位置まで、前記吐出ヘッドを前記主走査方向へ移動させつつ、被記録媒体に画像を記録する複数の記録処理と、
    前記記録処理の終了後、前記吐出ヘッドを、前記記録停止位置から次の記録開始位置まで前記主走査方向へ移動させるための基本移動と、前記記録停止位置から前記次の記録開始位置までと異なる経路を前記主走査方向に沿って移動させるための追加移動とをして、前記次の記録開始位置まで移動させる移動処理と、
    前記画像データのうち、前記記録開始位置から所定の範囲にある第1領域の画像に応じて、前記追加移動の距離を、第1距離または前記第1距離よりも長い第2距離に設定する設定処理と、
    最初の前記記録処理において前記吐出ヘッドを前記第1方向へ移動させる場合と、最初の前記記録処理において前記吐出ヘッドを前記第2方向へ移動させる場合とに分けて、前記設定処理により設定された前記追加移動の距離に基づいて前記追加移動の総距離を算出する算出処理と、
    前記記録処理を行う際、前記総距離が短くなるように、前記吐出ヘッドを前記第1方向へ移動させるか、前記第2方向へ移動させるかを決定する決定処理とを実行する、
    液体吐出装置。
  10. 前記所定の範囲は、各前記記録処理において、前記記録停止位置よりも前記記録開始位置に近い範囲であることを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置。
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